JP2008147410A - ゲート絶縁層に有機無機ハイブリッド膜を使用した薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゲート電極の絶縁層をフレキシビリティに優れ、かつ、高誘電率にし、また、効率よくスピンコート法等による形成ができる薄膜トランジスタ及び薄膜トランジスタの製造方法を提供する。
【解決手段】
薄膜有機トランジスタ1の基板2の上面には、ゲート電極3を覆うようにして、ゲート絶縁層4が設けられている。このゲート絶縁層4は、金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物、または、金属−アセチルアセトナート系化合物から合成した溶液をスピンコートして形成している。そして、このゲート絶縁層4には、ジルコニアまたはチタニアまたはジルコニア/チタニア固溶体含んでいるか、チタン酸バリウムを含んでいる。
【選択図】図1
【解決手段】
薄膜有機トランジスタ1の基板2の上面には、ゲート電極3を覆うようにして、ゲート絶縁層4が設けられている。このゲート絶縁層4は、金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物、または、金属−アセチルアセトナート系化合物から合成した溶液をスピンコートして形成している。そして、このゲート絶縁層4には、ジルコニアまたはチタニアまたはジルコニア/チタニア固溶体含んでいるか、チタン酸バリウムを含んでいる。
【選択図】図1
Description
本発明は、薄膜トランジスタ及びその製造方法に関し、詳細には、ゲート絶縁層に有機無機ハイブリッド膜を使用した薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。
従来、有機ELやフィルム液晶、電子ペーパ等の明るくて見やすいフレキシブルディスプレイを実現するために、フレキシブルディスプレイの各画素には、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)を備えたアクティブ駆動回路が埋め込まれている。その中でも有機半導体を用いた有機TFTは、常温で作製することができ、かつフレキシブルなプラスチック基板上にも低コストで形成できるものとして期待されている。
このような有機TFTでは、ゲート絶縁層に無機系材料の絶縁層を用いた場合、高い誘電率は得られるが、フレキシビリティは乏しい。一方、ポリイミド等の有機材料を用いた場合には、フレキシビリティを得ることはできるが、誘電率が無機系材料よりも低いため、膜厚を厚くしなければならなかった。
そこで、ゲート絶縁層を有機無機複合絶縁材料で形成して、ゲート絶縁層にフレキシビリティと高誘電率を持たせることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載の有機無機複合絶縁材料の製造方法では、有機高分子またはその溶液と金属アルコキシドまたはその溶液との混合溶液を出発原料とし、有機高分子の存在下で金属アルコキシドをゾルーゲル反応させることにより、有機無機複合絶縁材料を形成するようにしている。この特許文献1に記載の製造方法で製造された有機無機複合絶縁材料は、フレキシビリティに優れ、かつ、TFTの高性能化を支えうる誘電率及び耐電性を備えている。
特開2006−179776号公報
しかしながら、TFTの製造時には、有機無機複合絶縁材料をゲート電極の絶縁層として形成するのであるが、特許文献1に記載の製造方法で製造された有機無機複合絶縁材料では、スピンコート法による薄膜形成のし易さが考慮されておらず、効率よくスピンコート法による薄膜形成ができないという問題点があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、ゲート電極の絶縁層をフレキシビリティに優れ、かつ、高誘電率にし、また、効率よくスピンコート法等の塗布法による薄膜形成ができる薄膜トランジスタ及び薄膜トランジスタの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の薄膜トランジスタは、基板上に形成されたゲート電極と、そのゲート電極の上に形成されたゲート絶縁層と、当該ゲート絶縁層の上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、そのソース電極およびドレイン電極の少なくとも一部を覆う半導体層とを備えた薄膜トランジスタであって、前記ゲート絶縁層が金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物、または、金属−アセチルアセトナート系化合物を出発原料とする有機無機ハイブリッド膜で形成されていることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の薄膜トランジスタは、基板上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、そのソース電極およびドレイン電極の少なくとも一部を覆う半導体層と、当該半導体層を覆うゲート絶縁層と、当該ゲート絶縁層の上に形成されたゲート電極とを備えた薄膜トランジスタであって、前記ゲート絶縁層が金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物、または、金属−アセチルアセトナート系化合物を出発原料とする有機無機ハイブリッド膜で形成されていることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の薄膜トランジスタは、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記ゲート絶縁層がジルコニアまたはチタニアまたはジルコニア/チタニア固溶体を含むことを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の薄膜トランジスタは、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記ゲート絶縁層がチタン酸バリウムを含むことを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の薄膜トランジスタは、請求項1乃至4の何れかに記載の発明の構成に加え、前記半導体層が有機半導体で形成されていることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の薄膜トランジスタは、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の構成に加え、前記基板がフレキシブル基板で形成されていることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、基板上に形成されたゲート電極と、そのゲート電極の上に形成されたゲート絶縁層と、ゲート絶縁層の上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、そのソース電極およびドレイン電極の少なくとも一部を覆う半導体層とを備えた薄膜トランジスタの製造方法であって、基板上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、前記ゲート電極形成工程で形成された前記ゲート電極を覆うように、前記基板上にゲート絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記絶縁層形成工程で形成された前記ゲート絶縁層上に、ソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成するソース・ドレイン電極形成工程と、前記ソース電極とドレイン電極との間の前記ゲート絶縁層表面に半導体層を形成する半導体層形成工程とから構成され、 前記ゲート絶縁層が金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物、または、金属−アセチルアセトナート系化合物を出発原料として薄膜形成されることを特徴とする。
また、請求項8係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、基板上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、そのソース電極およびドレイン電極の少なくとも一部を覆う半導体層と、当該半導体層を覆うゲート絶縁層と、当該ゲート絶縁層の上に形成されたゲート電極とを備えた薄膜トランジスタの製造方法であって、基板上にソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成するソース・ドレイン電極形成工程と、前記ソース電極とドレイン電極との間の前記基板表面に半導体層を形成する半導体層形成工程と、前記半導体層形成工程で形成された前記半導体層を覆うように、前記基板上にゲート絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記絶縁層形成工程で形成された前記ゲート絶縁層上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程とから構成されているトランジスタの製造方法において、前記ゲート絶縁層が金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物、または、金属−アセチルアセトナート系化合物を出発原料として薄膜形成されることを特徴とする。
また、請求項9に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項7又は8に記載の発明の構成に加え、前記ゲート絶縁層がジルコニアまたはチタニアまたはジルコニア/チタニア固溶体を含むことを特徴とする。
また、請求項10に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項7乃至9の何れかに記載の発明の構成に加え、前記ゲート絶縁層は、ジルコニウムメタクリレート(ZrMA)またはチタニウム(IV)オキシアセチルアセトネート(TiO(C5H7O2)2)をエタノールまたは2−メトキシエタノールに溶解させた後、ヒドラジンまたはアルキルヒドラジンと水の混合物を加えて加水分解し、溶媒除去した濃縮溶液を、塗布法を用いて成膜したことを特徴とする。
また、請求項11に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項7乃至9の何れかに記載の発明の構成に加え、前記ゲート絶縁層は、ジルコニウムメタクリレート(ZrMA)とチタニウム(IV)オキシアセチルアセトネート(TiO(C5H7O2)2)を適量、エタノールまたは2−メトキシエタノールに溶解させた後、ヒドラジンまたはアルキルヒドラジンと水の混合物を加えて加水分解し、溶媒除去した濃縮溶液を、塗布法を用いて成膜したことを特徴とする。
また、請求項12に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項7乃至11の何れかに記載の発明の構成に加え、前記ゲート絶縁層は、成膜後に紫外線照射を行うことを特徴とする。
また、請求項13に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項7乃至12の何れかに記載の発明の構成に加え、前記ゲート絶縁層がバリウム・チタン複合アルコキシドから合成したチタン酸バリウムを含むことを特徴とする請求項6に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
また、請求項14に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項7、8または13の何れかに記載の発明の構成に加え、前記ゲート絶縁層は、バリウム・チタン複合アルコキシドをエタノールまたは2−メトキシエタノールに溶解させた後、ヒドラジンまたはアルキルヒドラジンと水の混合物を加えて加水分解し、溶媒除去した濃縮溶液を、塗布法を用いて成膜したことを特徴とする。
また、請求項15に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項7乃至14の何れかに記載の発明の構成に加え、前記半導体層が有機半導体で形成されていることを特徴とする。
また、請求項16に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項7乃至15の何れかに記載の発明の構成に加え、前記基板がフレキシブル基板で形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項1乃至6に係る発明の薄膜トランジスタでは、半導体表面に対する電界効果は、ゲートに印加する電圧を一定とすればゲート絶縁層の誘電率に比例し、厚さに反比例するので、誘電率の高い有機無機ハイブリッド膜を用いることにより、絶縁性を良好に保ちながらゲート絶縁層の厚さを薄くすることができ、極めて大きな電界効果が期待される。また、有機無機ハイブリッド膜をスピンコートにより容易に形成できる。
また、本発明の請求項7乃至16に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法では、誘電率の高い有機無機ハイブリッド膜をスピンコートにより容易に形成できる。
また、本発明の請求項7乃至16に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法では、誘電率の高い有機無機ハイブリッド膜をスピンコートにより容易に形成できる。
以下、本発明の第1の実施形態である薄膜有機トランジスタ1について、図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態である薄膜有機トランジスタ1の断面図であり、図2は、薄膜有機トランジスタ1の製造方法のフローチャートであり、図3は、基板2の断面図であり、図4は、図3に示す基板2の上面にゲート電極3が形成された状態の断面図であり、図5は、図4に示す基板2の上面にゲート絶縁層4が形成された状態の断面図であり、図6は、図5に示すゲート絶縁層4の上面にソース電極5及びドレイン電極6が形成された状態の断面図であり、図7は、出発原料をジルコニアメタクリレート(ZrMA)とした有機無機ハイブリッド材用コーティング液の合成工程を示すフローチャートであり、図8は、出発原料をジルコニアメタクリレート(ZrMA)とチタニウム(IV)オキシアセチルアセトネート(TiO(C5H7O2)2)とした有機無機ハイブリッド材用コーティング液の合成工程を示すフローチャートである。
はじめに、薄膜有機トランジスタ1の断面構造について説明する。図1に示す薄膜有機トランジスタ1は、ボトムゲート構造の有機TFTである。薄膜有機トランジスタ1は、フレキシブルな絶縁性材料からなる基板2を備えている。この基板2を構成樹脂で形成する場合の材質としては、例えば、PES(ポリエーテルスルホン),PET(ポリエチレンテレフタレート),PI(ポリイミド),PEN(ポリエチレンナフタレート)等が挙げられる。そして、その基板2の上面にはゲート電極3が設けられている。このゲート電極3の材質には、Al,Mo,Au,Cr等の金属の他、ITOなどの透明導電材料、PEDOT(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン)等の導電性ポリマーが適用可能である。なお、PEDOTは、3,4−ethylenedioxythiophene(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなる導電性ポリマーである。
そして、基板2の上面には、ゲート電極3を覆うようにして、ゲート絶縁層4が設けられている。このゲート絶縁層4は、今回の発明である金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物、または、金属−アセチルアセトナート系化合物を用いて合成したコーティング液をスピンコートして形成している。そして、このゲート絶縁層4には、ジルコニアまたはチタニアまたはジルコニア/チタニア固溶体を含んでいるか、チタン酸バリウムを含んでいる。たとえば、チタニアを含んだゲート絶縁層4では比誘電率が6〜10程度と、有機材料のみを用いたゲート絶縁膜の比誘電率が3程度であるのに対して、高い値が得られている。
さらに、ゲート絶縁層4の上面には、ソース電極5及びドレイン電極6が、所定のチャネル長の離間幅をもって各々設けられている。このソース電極5及びドレイン電極6の材質には、Al,Mo,Au,Cr等の金属の他、ITOなどの透明導電材料、PEDOT等の導電性ポリマーが適用可能である。そして、ソース電極5及びドレイン電極6との間は、所定のチャネル長が形成されている。なお、チャネル長は、ソース電極5の端面からドレイン電極6の端面までの距離と定義されている。
そして、ソース電極5とドレイン電極6との間には、互いに離間して形成された溝を埋めるように、かつ、ソース電極5及びドレイン電極6の表面を覆うように、有機半導体層7が設けられている。この有機半導体層7の材質は、例えば、ペンタセンまたはナフタセンなどの低分子有機化合物や、ポリチオフェンやポリフェニレンビニレンの高分子有機化合物が挙げられるが、これらの材料に限定されるものではない。
そして、この有機半導体層7は、ゲート絶縁層4を介して、ゲート電極3に対向するようにして配置されている。
なお、薄膜有機トランジスタ1では、ゲート絶縁層4の比誘電率が6〜10になっているので、一般的な有機材料のみを用いた絶縁層を有する薄膜トランジスタに比べて大きな電界効果が得られるといった長所がある。
次に、上記の構造からなる薄膜有機トランジスタ1の製造方法について説明する。薄膜有機トランジスタ1の製造方法は、図2に示すように、基板2の上面に、ゲート電極3を形成するゲート電極形成工程(S11)と、基板2の上面に、ゲート電極3を覆うようにしてゲート絶縁層4を形成するゲート絶縁層形成工程(S12)と、ゲート絶縁層4の表面に、ソース電極5及びドレイン電極6を各々形成するソース・ドレイン電極形成工程(S13)と、ソース電極5及びドレイン電極6の表面及びその間に有機半導体層7を形成する半導体層形成工程(S14)とから構成されている。
この薄膜有機トランジスタ1の製造方法では、はじめに、ゲート電極形成工程(S11)を行う。ゲート電極形成工程(S11)では、まず、図3に示す基板2を十分に洗浄する。次に、基板2を脱ガスし、図4に示すように、マスク蒸着によってAlからなるゲート電極3を基板2上に形成する。なお、この時のマスク蒸着の条件は、真空度は3×10−4Paであり、基板2の加熱は不要である。こうして、基板2の上面に厚さ60nmのゲート電極3を形成することができる。
次に、ゲート絶縁層形成工程(S12)を行う。ゲート絶縁層形成工程(S12)では、図5に示すように、ゲート電極形成工程(S11)にて、ゲート電極3が形成された基板2の上面に対し、スピンコート法によって、金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物、または、金属−アセチルアセトナート系化合物から合成した溶液でゲート絶縁層4を形成する。このスピンコート法では、基板2の上面に、金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物または、金属−アセチルアセトナート系化合物から合成した溶液を塗布した後に、基板2を水平に回転させる。その後150℃で一定時間(例えば、一時間)乾燥することによって、ゲート絶縁層4を形成することができる。なお、スピンコート法のメリットとしては、ゲート絶縁層4の膜厚を精密に制御し易い点にある。
次に、ソース・ドレイン電極形成工程(S13)を行う。このソース・ドレイン電極形成工程では、図6に示すように、マスク蒸着によって、一例として、Auからなるソース電極5と、ドレイン電極6とをゲート絶縁層4の表面に各々形成する。なお、この時のマスク蒸着の条件は、真空度は3×10−4Paであり、基板2の加熱は不要である。こうして、ゲート絶縁層4の表面に厚さ100nmのソース電極5及びドレイン電極6を各々形成することができる。
次に、半導体層形成工程(S14)を行う。この半導体層形成工程(S14)では、図1に示すように、例えば、低分子半導体であるペンタセン(アルドリッチ社製)を真空蒸着によって、ソース電極5及びドレイン電極6の表面と、その間とを覆うようにして有機半導体層7を形成する。この真空蒸着は、周知の真空蒸着装置によって行われ、真空空間で有機半導体を昇華し、ソース電極5及びドレイン電極6の表面及びその間を覆うように有機半導体を製膜して有機半導体層7を形成させるものである。なお、この時の真空蒸着の条件として、真空度は8×10−5Paであり、基板2の温度が60℃になるように加熱する。こうして、ソース電極5及びドレイン電極6の表面に厚さ60nmの有機半導体層7を形成することができる。以上のS11〜S14からなる各形成工程によって、図1に示す薄膜有機トランジスタ1を形成することができる。
次に、ゲート絶縁層4に用いる有機無機ハイブリッド材用コーティング液の合成方法について説明する。まず、溶媒にエタノール(C2H5OH)を用いた有機無機ハイブリッド材用コーティング液の合成方法について説明する。
市販の試薬の多くは不純物として微量の水分を含んでいる。従って作業中の雰囲気はもちろんのこと、使用する溶媒に対しても脱水精製する必要がある。従って、最初に、エタノールの脱水精製を行う。
まず、フラスコに少量のエタノールとマグネシウム金属及び触媒量のヨウ素を入れ24時間還流を行い、マグネシウムエトキシドを合成した。
Mg+2C2H5OH→Mg(OC2H5)2+H2
これに精製する市販のエタノール(C2H5OH)を入れ再び24時間還流することにより脱水を行った。
Mg(OC2H5)2+2H2O→2C2H5OH+Mg(OH)2
そしてエタノールの沸点(約78.5℃)で蒸留して無水エタノールを得た。
Mg+2C2H5OH→Mg(OC2H5)2+H2
これに精製する市販のエタノール(C2H5OH)を入れ再び24時間還流することにより脱水を行った。
Mg(OC2H5)2+2H2O→2C2H5OH+Mg(OH)2
そしてエタノールの沸点(約78.5℃)で蒸留して無水エタノールを得た。
次に、図7に示すフローチャートを参照して、溶媒に上記製造方法によって得た無水エタノールを用いた有機無機ハイブリッド材用コーティング液の合成について説明する。まず、上記製造方法によって得た無水エタノールへ出発原料であるジルコニウムメタクリレート(ZrMA)を溶解させた(S21)。次いで、これを撹拌し(S22)、均一な溶液を得た(S23)。この溶液に、メチルヒドラジン(アルキルヒドラジンの一種)をジルコニウムメタクリレート(ZrMA)に対し6当量、水を20当量となるように滴下し(S24)、加水分解を行った(S25)。その後、約80℃で16時間還流を行った(S26)。次いで、得られた溶液を減圧留去により溶媒を除去し、濃縮させ(S27)、ジルコニアナノ粒子・有機ハイブリッド材用コーティング液を得た(S28)。尚、この工程では、S21〜S26までは、乾燥した窒素雰囲気下で行った。
前記コーティング液を、図4に示すゲート電極3が形成された基板2上にスピンコートし(2500rpm,30sec)、空気中ホットプレート上で100℃で乾燥させ図5に示す薄膜から構成されたゲート絶縁層4を得た。その後、紫外線を照射し、ゲート絶縁層4の結合を高め、耐久性を向上したジルコニアを含むハイブリッド膜として精製した。尚、紫外線照射は、Ar雰囲気中で紫外線(308nm)を照射した。尚、照射時間の一例としては、1〜3時間程度であればよい。紫外線照射はなくてもよいが、実施することによって配位子の重合が促進され、均質な膜を形成できるという効果がある。
尚、本実施例ではジルコニウムメタクリレート(ZrMA)を出発原料とし、溶媒にエタノールを用いて、メチルヒドラジンと水の混合物を加えて加水分解する場合について詳細に説明したが、この組合せに限定されるものでなく、例えば、出発原料としてはチタニウム(IV)オキシアセチルアセトネート(TiO(C5H7O2)2)でもよい。その場合には、ゲート絶縁層にチタニアを含むハイブリッド膜が形成される。また、溶媒として2−メトキシエタノール(CH3OCH2CH2OH)に溶解させてもよいし、メチルヒドラジンの代わりにヒドラジンまたはその他のアルキルヒドラジンを使用しても、同様のプロセスを適用することができる。その他、これらの組合せを変えて同様のプロセスに適用することにより、誘電率などの特性を調整することが可能である。
次に、ゲート絶縁層4に用いる有機無機ハイブリッド材の第二の合成方法について説明する。この方法では、溶媒に2−メトキシエタノール(CH3OCH2CH2OH)を用いて有機無機ハイブリッド材用コーティング液の合成を行っている。
まず、200℃で乾燥させ水分を除去したモレキュラーシーブ(5A)を未精製の2−メトキシエタノール(CH3OCH2CH2OH)に加え24時間以上放置して2−メトキシエタノール(CH3OCH2CH2OH)中の水分や不純物をモレキュラーシーブに吸着させた。その後、その上澄み液を採取し、乾燥窒素雰囲気下、約125℃で蒸留することにより精製2−メトキシエタノール(CH3OCH2CH2OH)を得た。
次に、図8に示すフローチャートを参照して、溶媒に上記製造方法によって得た2−メトキシエタノール(CH3OCH2CH2OH)を用いた有機無機ハイブリッド材用コーティング液の合成について説明する。まず、出発原料であるジルコニウムメタクリレート(ZrMA)とチタニウム(IV)オキシアセチルアセトネート(TiO(C5H7O2)2)をモル比で「2:1」となるように2−メトキシエタノール(CH3OCH2CH2OH)に溶解させた(S31)。これを撹拌し(S32)、均一な溶液を得た(S33)。この溶液に、メチルヒドラジンをジルコニウムメタクリレート(ZrMA)に対し6当量、水を20当量となるように滴下し(S34)、加水分解を行った(S35)。その後、約125℃で24時間還流を行った(S36)。得られた溶液を減圧留去により溶媒を除去し、約0.1Mとなるように濃縮溶液を調製し、ジルコニアナノ粒子・有機ハイブリッド材用コーティング液を得た(S38)。尚、この工程では、S31〜S36までは、乾燥した窒素雰囲気下で行った。
前記コーティング液を、図4に示すゲート電極3が形成された基板2上にスピンコートし(2500rpm,30sec)、空気中ホットプレート上で100℃で乾燥させ図5に示す薄膜から構成されたゲート絶縁層4を得た。その後、紫外線を照射し、ゲート絶縁層4の結合を高め、耐久性を向上したジルコニア/チタニア固溶体を含むハイブリッド膜として精製した。尚、紫外線照射は、Ar雰囲気中で紫外線(308nm)を照射した。尚、照射時間の一例としては、1〜3時間程度であればよい。紫外線照射はなくてもよいが、実施することによって配位子の重合が促進され、均質な膜を形成できるという効果がある。
尚、本実施例ではジルコニウムメタクリレート(ZrMA)とチタニウム(IV)オキシアセチルアセトネート(TiO(C5H7O2)2)を出発原料として2:1のモル比で使用し、溶媒に2−メトキシエタノール(CH3OCH2CH2OH)を用いて、メチルヒドラジンと水の混合物を加えて加水分解する場合について詳細に説明したが、この組合せに限定されるものでなく、例えば、出発原料としてはジルコニウムメタクリレート(ZrMA)とチタニウム(IV)オキシアセチルアセトネート(TiO(C5H7O2)2)のモル比を「10:1、1:1」など自由に設定することができる。また、出発原料としてバリウム・チタン複合アルコキシドを用いることにより、ゲート絶縁層にチタン酸バリウムを含むハイブリッド膜が形成される。また、溶媒としてエタノールに溶解させてもよいし、メチルヒドラジンの代わりにヒドラジンまたはその他のアルキルヒドラジンを使用しても、同様のプロセスを適用することができる。その他、これらの組合せを変えて同様のプロセスに適用することにより、誘電率などの特性を調整することが可能である。
次に、ゲート絶縁層4に用いる有機無機ハイブリッド材の第三の合成方法について説明する。この方法では、溶媒にエタノール(C2H5OH)と2−エトキシエタノール(エチレングリコールモノエチルエーテル)の混合溶媒を用いて有機無機ハイブリッド材用コーティング液の合成方法を行っている。
まず、未精製のエタノール(C2H5OH)と2−エトキシエタノール(エチレングリコールモノエチルエーテル)をそれぞれマグネシウムエトキシドとモレキュラーシーブに加えて蒸留精製した。
次に、図9に示すフローチャートを参照して、溶媒にエタノール(C2H5OH)と2−エトキシエタノール(エチレングリコールモノエチルエーテル)の混合溶媒を用いた有機無機ハイブリッド材用コーティング液の合成について説明する。まず、バリウム286mgとチタンイソプロポキシド(Ti(OiPR)4)592.6mgを、精製したエタノール(C2H5OH)と2−エトキシエタノール(エチレングリコールモノエチルエーテル)が体積比で「5:1」に混合されている混合溶媒24mlに溶解させた(S41)。その後、約80℃で24時間還流を行い、透明な溶液を得た(S42)。この溶液に、2−ビニルオキシエタノール(CH2CHOCH2CH2OH)1.466gを加え(S43)、2時間還流を行った(S44)。得られた前駆体に10mlのエタノール(C2H5OH)で希釈された脱炭酸水1.872gを加え、加水分解した(S45)。その後、約80℃で24時間還流を行った(S46)。その溶液に、メチルメタクリレート(CH2C(CH3)COOCH3)1.041gとアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)33mgを加え(S47)、チタン酸バリウムナノ粒子・有機ハイブリッド材用コーティング液を得た(S48)。
前記コーティング液を、図4に示すゲート電極3が形成された基板2上にスピンコートし(2500rpm,30sec)、空気中ホットプレート上で100℃で乾燥させ図5に示す薄膜から構成されたゲート絶縁層4を得た。その後、紫外線を照射し、ゲート絶縁層4の結合を高め、耐久性を向上したチタン酸バリウムを含むハイブリッド膜として精製した。尚、紫外線照射は、Ar雰囲気中で紫外線(308nm)を照射した。尚、照射時間の一例としては、1〜3時間程度であればよい。紫外線照射はなくてもよいが、実施することによって配位子の重合が促進され、均質な膜を形成できるという効果がある。
尚、本実施例ではチタン酸バリウム前駆体溶液に対し脱炭酸水のみで加水分解を行っているが、ヒドラジンまたはアルキルヒドラジンと水の混合物を加えて加水分解してもよい。また、メチルメタクリレート(CH2C(CH3)COOCH3)とアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を加えてハイブリッド材用コーティング液としているが、加えなくても構わない。その他、これらの組合せを変えて同様のプロセスに適用することにより、誘電率などの特性を調整することが可能である。
以上説明したように、第1の実施形態である薄膜有機トランジスタ1は、「ボトムゲート構造」の有機TFTであり、ゲート電極3と有機半導体層7との間のゲート絶縁層4を上記ハイブリッド膜で形成したので、比誘電率が6〜10程度と高くなり、ゲート絶縁層4を厚くすることなく、比誘電率を高め、且つ、フレキシビリテイを保つことが出来る。また、ゲート絶縁層4が金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物、または、金属−アセチルアセトナート系化合物から合成したハイブリッド膜により形成されているので、凝集を防いで、スピンコートがし易くなる。
次に、第2の実施形態である薄膜有機トランジスタ10について説明する。図10は、第2の実施形態である薄膜有機トランジスタ10の断面図であり、図11は、薄膜有機トランジスタ10の製造方法のフローチャートであり、図12は、基板2の断面図であり、図13は、図12に示す基板2の上面にソース電極5及びドレイン電極6が形成された状態の断面図であり、図14は、図13に示す基板2の上面にソース電極5及びドレイン電極6が形成された上に有機半導体層7が形成された状態の断面図であり、図15は、図14に示す有機半導体層7が形成された上にゲート絶縁層4が形成された状態の断面図である。
はじめに、薄膜有機トランジスタ10の断面構造について説明する。図10に示す薄膜有機トランジスタ10は、「トップゲート構造」の有機TFTである。薄膜有機トランジスタ10は、フレキシブルな絶縁性材料からなる基板2を備えている。この基板2をプラスチックで形成する場合の材質としては、例えば、PES(ポリエーテルスルホン),PET(ポリエチレンテレフタレート),PI(ポリイミド),PEN(ポリエチレンナフタレート)等が挙げられる。
そして、その基板2の上面には、ソース電極5及びドレイン電極6が、所定のチャネル長の離間幅をもって各々設けられている。このソース電極5及びドレイン電極6の材質には、Al,Mo,Au,Cr等の金属の他、ITOなどの透明導電材料、PEDOT等の導電性ポリマーが適用可能である。なお、チャネル長は、ソース電極5の端面からドレイン電極6の端面までの距離と定義されている。
そして、ソース電極5とドレイン電極6との間には、互いに離間して形成された溝を埋め、かつ、ソース電極5及びドレイン電極6の表面を覆うように、有機半導体層7が設けられている。この有機半導体層7には、低分子半導体材料及び高分子半導体材料が使用できる。低分子半導体材料は、例えば、テトラセン、クリセン、ペンタセン、ピレン、ぺリレン、コロネン等の縮合芳香族炭化水素及びこれらの誘導体、銅フタロシアニン、ルテチウムビスフタロシアニン等のポルフィリンとフタロシアニン化合物の金属錯体などが挙げられる。一方、高分子半導体材料は、P3HT(ポリ(3−ヘキシルチオフェン))やPPV(ポリパラフェニレンビニレン)等が挙げられる。
さらに、図15に示すように、有機半導体層7を覆うように、ゲート絶縁層4が設けられている。このゲート絶縁層4には、今回の発明である金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物、または、金属−アセチルアセトナート系化合物から合成した溶液をスピンコートして形成している。そして、このゲート絶縁層4には、ジルコニアまたはチタニアまたはジルコニア/チタニア固溶体含んでいるか、チタン酸バリウムを含んでいる。たとえば、チタニアを含んだゲート絶縁層4では比誘電率が6〜10程度と、有機材料のみを用いたゲート絶縁膜に比べて高い値となっている。
また、図10に示すように、ゲート絶縁層4上には、ゲート電極3が設けられている。このゲート電極3の材質には、Al,Mo,Au,Cr等の金属の他、ITOなどの透明導電材料、PEDOT(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン)等の導電性ポリマーが適用可能である。なお、PEDOTは、3,4−ethylenedioxythiophene(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなる導電性ポリマーである。
次に、以上構造からなる薄膜有機トランジスタ10の製造方法について説明する。薄膜有機トランジスタ10の製造方法は、図11に示すように、基板2の上面に、ソース電極5及びドレイン電極6を各々形成するソース・ドレイン電極形成工程(S51)と、ソース電極5及びドレイン電極6の表面及びその間に有機半導体層7を形成する半導体層形成工程(S52)と、ゲート絶縁層4を形成するゲート絶縁層形成工程(S53)と、ゲート電極3を形成するゲート電極形成工程(S54)とから構成されている。以下の説明では、
はじめに、ソース・ドレイン電極形成工程(S51)を行う。このソース・ドレイン電極形成工程(S51)では、まず、図12に示す基板2を十分に洗浄する。次に、基板2を脱ガスし、図13に示すように、マスク蒸着によって、一例としてAuからなるソース電極5とドレイン電極6とをゲート絶縁層4の表面に各々形成する。なお、この時のマスク蒸着の条件は、真空度は3×10−4Paであり、基板2の加熱は不要である。こうして、基板2の表面に厚さ100nmのソース電極5及びドレイン電極6を各々形成することができる。
次に、半導体層形成工程(S52)を行う。この半導体層形成工程(S52)では、図14に示すように、例えば、低分子半導体であるペンタセン(アルドリッチ社製)を、真空蒸着によって有機半導体層7がソース電極5及びドレイン電極6の表面を覆うようにして形成する。この真空蒸着は、周知の真空蒸着装置によって行われ、真空空間で有機半導体を昇華し、ソース電極5及びドレイン電極6の表面及びその間の基板2上に有機半導体を製膜させるものである。なお、この時の真空蒸着の条件として、真空度は8×10−5Paであり、基板2の温度が60℃になるように加熱する。こうして、ソース電極5及びドレイン電極6の表面とその間の基板2上に厚さ60nmの有機半導体層7を形成することができる。
次に、ゲート絶縁層形成工程(S53)を行う。このゲート絶縁層形成工程(S53)では、図15に示すように、半導体層形成工程(S52)にて、有機半導体層7が形成された基板2の上面に対し、スピンコート法によって、金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物、または、金属−アセチルアセトナート系化合物を用いて作製したハイブリッド膜からなるゲート絶縁層4を形成する。このスピンコート法では、基板2の上面に、金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物または、金属−アセチルアセトナート系化合物を用いて合成したコーティング溶液を塗布した後に、基板2を水平に回転させる。その後150℃で一定時間(例えば、一時間)乾燥することによって、ゲート絶縁層4を形成することができる。尚、ゲート絶縁層4(ゲート絶縁膜)の成膜後に紫外線を照射しても良い。紫外線照射をすれば配位子の重合が促進され、均質な膜を形成できるという効果がある。
次に、ゲート電極形成工程(S54)を行う。このゲート電極形成工程(S54)では、まず、ゲート絶縁層形成工程(S53)で形成されたゲート絶縁層4上に、図10に示すように、マスク蒸着によって、一例としてAlからなるゲート電極3を形成する。なお、この時のマスク蒸着の条件は、真空度は3×10−4Paであり、加熱は不要である。こうして、厚さ60nmのゲート電極3を形成することができる。
以上説明したように、第2の実施形態である薄膜有機トランジスタ10は、「トップゲート構造」の有機TFTであり、ゲート電極3と有機半導体層7との間のゲート絶縁層4を上記ハイブリッド膜で形成したので、比誘電率が6〜10程度と高くなり、ゲート絶縁層4を厚くすることなく、比誘電率を高め、且つ、フレキシビリティを保つことが出来る。また、ゲート絶縁層4が金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物、または、金属−アセチルアセトナート系化合物から合成したハイブリッド材で形成されているので、凝集を防いで、スピンコートがし易くなる。
次に、図16乃至図18を参照して、上記第1及び第2の実施の形態でゲート絶縁層4として使用したハイブリッド膜(薄膜)の誘電率の測定方法について説明する。図16は、ハイブリッド膜33にPt電極を形成するためのスパッタリング方法を説明する斜視図であり、図17は、薄膜(ハイブリッド膜)33の誘電率測定用の試料30の斜視図であり、図18は、試料30の容量CをLCRメータ40により測定している状態の斜視図である。
まず、図16及び図17を参照して、スパッタリングによるハイブリッド膜33へのPt電極の形成を説明する。はじめに、合成樹脂板やガラス板等の絶縁性の板材からなる基材31上に、Ptの薄板からなるボトム電極32が形成されており、当該ボトム電極32上に、前述のようにスピンコートでゲート絶縁層4として使用したハイブリッド膜33を形成し、当該ハイブリッド膜33上に、多数の円形の孔が規則正しく形成されたマスク23を載置する。そして、下板21と上枠22とをねじ24により固定して、Ptスパッタリングを行い、ハイブリッド膜33上に主電極34を複数形成した試料30を作成する。
図17に示すように、試料30は、合成樹脂板やガラス板等の絶縁性の板材からなる基材31上に、Ptの薄板からなるボトム電極32が形成されており、当該ボトム電極32上に、前述のようにスピンコートでハイブリッド膜33が形成されており、当該ハイブリッド膜33上に、Ptからなる主電極34が複数規則正しく形成されている。また、試料30の上面の一端部には、ボトム電極32に接続されたボトム電極端子35が設けられている。
次に、図18を参照して、ハイブリッド膜33の比誘電率の測定について説明する。図18に示すように、試料30のボトム電極端子35と主電極34との間に、LCRメータ40を接続して、試料30の容量C(F)を測定する。
そして、以下の式に代入すると、比誘電率εrが求められる。
εr=t×C/(π×(d/2)2× ε0)
ただし、εr:ハイブリッド膜33の比誘電率
C(F):測定容量
t(m):試料(ハイブリッド膜33)の厚み
d(m):主電極34の直径
ε0 :真空の誘電率
従って、ハイブリッド膜33の比誘電率は、「t×C/(π×(d/2)2× ε0)」となる。
εr=t×C/(π×(d/2)2× ε0)
ただし、εr:ハイブリッド膜33の比誘電率
C(F):測定容量
t(m):試料(ハイブリッド膜33)の厚み
d(m):主電極34の直径
ε0 :真空の誘電率
従って、ハイブリッド膜33の比誘電率は、「t×C/(π×(d/2)2× ε0)」となる。
上記の方法で、ゲート絶縁層4として使用したハイブリッド膜33の比誘電率を測定すると、6〜10となり、良好な誘電特性を示す。
なお、本発明の有機トランジスタ及び薄膜トランジスタの製造方法は、上記の実施形態に限られず、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、前記ゲート絶縁層は、金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物だけでなく、金属アルコキシド誘導体から合成したコーティング溶液を用いて形成しても良い。この場合にも、良好な誘電特性を示す。さらに、ゲート絶縁層がチタン酸バリウムを含んでも良い。また、ゲート絶縁層4の形成には、スピンコート法以外に、インクジェット法などの塗布法を用いてもよい。
本発明のゲート絶縁層に有機無機ハイブリッド膜を使用した薄膜トランジスタ及びその製造方法は、ボトムゲート構造及びトップゲート構造の薄膜トランジスタ及びその製造方法に適用可能である。
1 薄膜有機トランジスタ
2 基板
3 ゲート電極
4 ゲート絶縁層
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 有機半導体層
10 薄膜有機トランジスタ
2 基板
3 ゲート電極
4 ゲート絶縁層
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 有機半導体層
10 薄膜有機トランジスタ
Claims (16)
- 基板上に形成されたゲート電極と、そのゲート電極の上に形成されたゲート絶縁層と、当該ゲート絶縁層の上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、そのソース電極およびドレイン電極の少なくとも一部を覆う半導体層とを備えた薄膜トランジスタであって、
前記ゲート絶縁層が金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物、または、金属−アセチルアセトナート系化合物を出発原料とする有機無機ハイブリッド膜で形成されていることを特徴とする薄膜トランジスタ。 - 基板上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、そのソース電極およびドレイン電極の少なくとも一部を覆う半導体層と、当該半導体層を覆うゲート絶縁層と、当該ゲート絶縁層の上に形成されたゲート電極とを備えた薄膜トランジスタであって、
前記ゲート絶縁層が金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物、または、金属−アセチルアセトナート系化合物を出発原料とする有機無機ハイブリッド膜で形成されていることを特徴とする薄膜トランジスタ。 - 前記ゲート絶縁層がジルコニアまたはチタニアまたはジルコニア/チタニア固溶体を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタ。
- 前記ゲート絶縁層がチタン酸バリウムを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタ。
- 前記半導体層が有機半導体で形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の薄膜トランジスタ。
- 前記基板がフレキシブル基板で形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の薄膜トランジスタ。
- 基板上に形成されたゲート電極と、そのゲート電極の上に形成されたゲート絶縁層と、当該ゲート絶縁層の上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、そのソース電極およびドレイン電極の少なくとも一部を覆う半導体層とを備えた薄膜トランジスタの製造方法であって、
基板上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、
前記ゲート電極形成工程で形成された前記ゲート電極を覆うように、前記基板上にゲート絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層形成工程で形成された前記ゲート絶縁層上に、ソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成するソース・ドレイン電極形成工程と、
前記ソース電極とドレイン電極との間の前記ゲート絶縁層表面に半導体層を形成する半導体層形成工程とから構成されているトランジスタの製造方法において、
前記ゲート絶縁層が金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物、または、金属−アセチルアセトナート系化合物を出発原料として薄膜形成されることを特徴とするトランジスタの製造方法。 - 基板上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、そのソース電極およびドレイン電極の少なくとも一部を覆う半導体層と、当該半導体層を覆うゲート絶縁層と、当該ゲート絶縁層の上に形成されたゲート電極とを備えた薄膜トランジスタの製造方法であって、
基板上にソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成するソース・ドレイン電極形成工程と、
前記ソース電極とドレイン電極との間の前記基板表面に半導体層を形成する半導体層形成工程と、
前記半導体層形成工程で形成された前記半導体層を覆うように、前記基板上にゲート絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層形成工程で形成された前記ゲート絶縁層上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程とから構成されているトランジスタの製造方法において、
前記ゲート絶縁層が金属−アクリレート系化合物、金属−メタクリレート系化合物、または、金属−アセチルアセトナート系化合物を出発原料として薄膜形成されることを特徴とするトランジスタの製造方法。 - 前記ゲート絶縁層がジルコニアまたはチタニアまたはジルコニア/チタニア固溶体を含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記ゲート絶縁層は、ジルコニウムメタクリレート(ZrMA)またはチタニウム(IV)オキシアセチルアセトネート(TiO(C5H7O2)2)をエタノールまたは2−メトキシエタノールに溶解させた後、ヒドラジンまたはアルキルヒドラジンと水の混合物を加えて加水分解し、溶媒除去した濃縮溶液を、塗布法を用いて成膜したことを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記ゲート絶縁層は、ジルコニウムメタクリレート(ZrMA)とチタニウム(IV)オキシアセチルアセトネート(TiO(C5H7O2)2)を適量、エタノールまたは2−メトキシエタノールに溶解させた後、ヒドラジンまたはアルキルヒドラジンと水の混合物を加えて加水分解し、溶媒除去した濃縮溶液を、塗布法を用いて成膜したことを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記ゲート絶縁層は、成膜後に紫外線照射を行うことを特徴とする請求項7乃至11の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記ゲート絶縁層がバリウム・チタン複合アルコキシドから合成したチタン酸バリウムを含むことを特徴とする請求項7乃至12の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記ゲート絶縁層は、バリウム・チタン複合アルコキシドをエタノールまたは2−メトキシエタノールに溶解させた後、ヒドラジンまたはアルキルヒドラジンと水の混合物を加えて加水分解し、溶媒除去した濃縮溶液を、塗布法を用いて成膜したことを特徴とする請求項7、8または13の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記半導体層が有機半導体で形成されていることを特徴とする請求項7乃至14の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記基板がフレキシブル基板で形成されていることを特徴とする請求項7乃至15の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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