JP2008144703A - 無給油式スクリュー圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】可変速形空冷二段無給油式スクリュー圧縮機において低速時のインタークーラのドレン発生を抑制し、高圧段圧縮機本体の信頼性を確保するとともに低負時の動力低減も可能にする。
【解決手段】回転速度可変の低圧段圧縮機本体1及び高圧段圧縮機本体2と、前記低圧段圧縮機本体と前記高圧段圧縮機本体とを接続する配管の途中に設けたインタークーラ16とを備えた無給油式スクリュー圧縮機において、前記高圧段圧縮機本体から吐出される高圧空気の圧力を検出する圧力センサー23と、前記インタークーラを冷却する少なくとも2個の冷却ファン25A,25B,25Cと、前記圧力センサー23で検出された検出圧力値に基づいて、消費空気量を演算し、この消費空気が予め設定した消費空気量以下になった場合に前記冷却ファンの1つを停止制御する制御装置24とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転速度可変形無給油式スクリュー圧縮機の制御装置に係り、特に低圧段圧縮機本体と高圧段圧縮機本体を有する回転速度可変形無給油式スクリュー圧縮機に関する。
空気圧縮機には、圧縮機本体を2個使用し、所定の圧力まで二段階に圧縮する方法があり、特に無給油式圧縮機ではこの方法が一般的に用いられている。この圧縮機では、低圧段圧縮機本体により所定の圧力まで空気を圧縮した後、中間冷却装置(インタークーラ)により圧縮空気を一次冷却し、更に、高圧段圧縮機本体で所定の必要圧力まで空気を圧縮しアフタークーラで冷却する構造となっている。
このような二段無給油式スクリュー圧縮機において、可変速制御形の圧縮機が様々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−138977号公報
以上のように構成された従来の回転速度可変形二段無給油式スクリュー圧縮機においては、低負荷時(低回転速度運転時)には吸込み空気量が減少するため、そのままの中間冷却装置を使用すると、過冷却となりドレンが発生してしまう。回転速度可変形二段無給油式スクリュー圧縮機においては、省エネに関する配慮は様々提案されているが、中間段で発生するドレンによる不具合については考慮されていないのが現状である。
例えば、二段無給油式スクリュー圧縮機は、アフタークーラの出口側の圧力を検出し、この圧力が一定となるように、消費空気量に応じ、回転速度を変化させる容量制御を行う。消費空気量が100%の場合は、インタークーラ出口の温度は吸込み温度に対し、15℃〜20℃高くなるように構成されている。回転数制御は消費空気量が40〜50%まで制御されるが、この状態では吸込み空気量は40〜50%となるため、そのままの中間冷却装置のままでは、インタークーラの出口温度は、消費空気量が100%の状態に対して、10℃〜15℃程度低い状態となりドレンが発生してしまう。このドレンは高圧段圧縮機本体へ持ち去られることになり、低負荷時は高圧段圧縮機本体の発錆等による故障の原因となり、その信頼性が低下する。
本発明は、上記の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は低負荷時のドレン発生量を軽減し、高圧段圧縮機本体の信頼性を確保することができる回転速度可変形の無給油式スクリュー圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、回転速度可変の低圧段圧縮機本体及び高圧段圧縮機本体と、前記低圧段圧縮機本体と前記高圧段圧縮機本体とを接続する配管の途中に設けたインタークーラとを備えた無給油式スクリュー圧縮機において、前記高圧段圧縮機本体の吐出側に、この高圧段圧縮機本体から吐出される高圧空気の圧力を検出する圧力センサーと、前記インタークーラを冷却する少なくとも2個の冷却ファンと、前記圧力センサーで検出された検出圧力値に基づいて、消費空気量を演算し、この消費空気が予め設定した消費空気量以下になった場合に前記冷却ファンの1つを停止制御する制御装置とを備えたものである。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記低圧段圧縮機本体と高圧段圧縮機本体とを接続する配管中に設けた放気用の分岐配管と、放気用の分岐配管に設けた放気電磁弁とを備え、前記制御装置は、前記圧力センサーで検出された検出圧力値に基づいて、消費空気量を演算し、この消費空気が予め設定した消費空気量以下では予め設定した下限回転速度の指令を出力するとともに、前記放気電磁弁に指令を出力して放気減圧運転を行うように制御することを特徴とする。
更に、第3の発明は、回転速度可変の低圧段圧縮機本体及び高圧段圧縮機本体と、前記低圧段圧縮機本体と前記高圧段圧縮機本体とを接続する配管の途中に設けたインタークーラとを備えた無給油式スクリュー圧縮機において、低圧段圧縮機本体の吸込み空気温度を検出する温度センサーと、高圧段圧縮機本体の吸込み空気温度を検出する温度センサーと、前記温度センサーからの温度差を演算し、この温度差が予め設定した温度差以下になると、前記冷却ファンを1個停止させる制御装置とを備えたものである。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明のいずれかにおいて、前記インタークーラ及びその冷却ファンから構成する低圧段側冷却装置と、アフタークーラ及びその冷却ファンから構成する高圧段側冷却装置とを備え、これらの冷却装置は、それぞれ区画形成されていることを特徴とする。
更に、第5の発明は、第1乃至第4の発明のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記冷却ファンを順次停止させる場合には、前回最初に停止したもの以外のものから停止させ、前記冷却ファンを順次運転させる場合には、前回最初に運転したもの以外のものから運転させるように制御することを特徴とする。
また、第6の発明は、回転速度可変の低圧段圧縮機本体及び高圧段圧縮機本体と、前記低圧段圧縮機本体と前記高圧段圧縮機本体とを接続する配管の途中に設けたインタークーラとを備えた無給油式スクリュー圧縮機において、前記高圧段圧縮機本体の吐出側に、この高圧段圧縮機本体から吐出される高圧空気の圧力を検出する圧力センサーと、前記各インタークーラの入口部と出口部をそれぞれバイパスさせる配管と、これらの配管に少なくとも2個設けた二方弁と、前記圧力センサーで検出された検出圧力値に基づいて、消費空気量を演算し、この消費空気が予め設定した消費空気量以下で前記二方弁を順次開操作させる制御装置とを備えたものである。
本発明によれば、空冷二段無給油式スクリュー圧縮機の回転速度可変化による低負荷時に発生しやすいインタークーラ出口部のドレン量を軽減することができるので、ドレンの高圧段圧縮機本体側への流入を抑えることができる。その結果、高圧段圧縮機本体の発錆等による故障の原因が抑えられ、その信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の回転可変速形二段無給油式スクリュー圧縮機の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1乃至図3は、本発明の回転可変速形二段無給油式スクリュー圧縮機の実施の形態を示すもので、図1は本発明の回転可変速形二段無給油式スクリュー圧縮機の第1の実施の形態の構成図、図2は従来方式での消費空気量とインタークーラドレン発生量の関係を示す図、図3は本発明の回転可変速形二段無給油式スクリュー圧縮機の第1の実施の形態における消費空気量とドレン発生量の関係及び冷却ファンの動作を示す図である。
図1において、回転可変速形空冷二段無給油式スクリュー圧縮機100は、その筐体101内に低圧段圧縮機本体1と高圧段圧縮機本体2を有している。低圧段圧縮機本体1は、雄ロータ3Aと雌ロータ3Bの一対のスクリューロータを、外周部に冷却ジャケットが形成されたケーシング内に収納している。そして、この一対のスクリューロータは、各ロータの軸端部に取付けられたタイミングギヤ4が噛合うことにより同期回転する。
一方、雄ロータ3Aのタイミングギヤ4と反対の軸端部には、低圧段用ピニオンギヤ5が取付けられている。同様に、高圧段圧縮機本体2は、雄ロータ6Aと雌ロータ6Bの一対のスクリューロータを、外周部に冷却ジャケットが形成されたケーシング内に収納している。そして、この一対のスクリューロータは、各ロータの軸端部に取付けられたタイミングギヤ7が噛合うことにより同期回転する。一方雄ロータ6Aのタイミングギヤ7と反対の軸端部には、高圧段用ピニオンギヤ8が取付けられている。
両ピニオンギヤ5、8は、モータ9の回転軸に取り付けられたブルギヤ10と噛合っており、ギヤケーシング11に収納されている。モータ9はインバータ12からの指令により回転速度を変えるようになっている。ギヤケーシング11の下部には、潤滑油の油溜りが形成されている。この油溜り内の潤滑油は、オイルポンプ13により吸上げられ、各圧縮機本体1,2のジャケット部の冷却と各圧縮機本体1,2の軸受やタイミングギヤ4,7、ブルギヤ10、ピニオンギヤ5,8を潤滑する。
低圧段圧縮機本体1の吸込み空気通路14には、吸込みフィルタ15が取付けられている。低圧段圧縮機本体1の吐出側と高圧段圧縮機本体2の吸込み側との間にはインタークーラ16が設けられている。低圧段圧縮機本体1とインタークーラ16とは空気配管17Aによって、また、インタークーラ16と高圧段圧縮機本体2は空気配管17Bによって接続されている。
なお、この実施の形態においては、モータ9の出力が160kWと大容量の圧縮機の例で、ユニットの小型化と小容量機との部品を共用化するために、インタークーラ16を2個で構成し、それぞれの空気配管17A,17Bは分岐されて接続されている。
高圧段圧縮機本体2の下流には、ステンレス製のプレクーラ18と逆止弁19を介し、アフタークーラ20と空気配管21Aで接続されている。アフタークーラ20の下流側には、ドレンセパレータ22が設けられている。このドレンセパレータ22の出口側は、空気配管21Bにより利用側へ導かれている。この空気配管21Bには、無給油式スクリュー圧縮機100から吐出される圧縮空気の圧力を検出する圧力センサー23が取付けられている。この圧力センサー23の検出値は、制御装置24に入力される。
一方、冷却風側としては、インタークーラ16の上部には、この例では3つの冷却ファン25A,25B,25Cが設けられている。これら3つの冷却ファン25A,25B,25Cの回転により生起される冷却風は、冷却風吸込口26Aから冷却風排気口26Bへと導かれるようになっている。冷却風は低圧段圧縮機本体2で高温となった圧縮空気とインタークーラ16で熱交換される。
同様に、アフタークーラ20の上部にも、冷却ファン27が設けられている。この冷却ファン27の回転により生起される冷却風は、冷却風吸込口28Aから冷却風排気口28Bへと導かれるようになっている。冷却風は高圧段圧縮機本体2で高温となった圧縮空気とアフタークーラ20で熱交換される。
また、低圧段圧縮機本体1とインタークーラ16を接続する空気配管17Aの途中から、低圧段放気配管1が分岐し、低圧段放気弁30Aが設けられている。同様に、高圧段圧縮機本体2とアフタークーラ20を接続する空気配管21Aの途中で逆止弁19の上流側から、高圧段放気配管29Bが分岐し、高圧段放気弁30Aが設けられている。
前述した制御装置24は、消費空気量が減少して、吐出空気量が例えば仕様吐出空気量の100%から40%でよいときには、圧力センサー23からの検出値が制御装置24内の記憶部に予め設定した目標圧力と同一となるように、各圧縮機本体1,2のスクリューロータの回転速度を変化させる運転、所謂負荷運転制御を行う第1の機能と、吐出空気量が仕様吐出空気量の例えば約40%以下でよいときには、放気電磁弁30A,30Bに開指令を送る。具体的には、圧力センサー23の検出圧力値が制御装置24の記憶部に予め設定した上限圧力(上限圧力>目標圧力)を超えれば、設定下限回転速度を維持するようにモータ9を制御するとともに、放気電磁弁30A,30Bに開指令を送り、低圧段圧縮機本体1の出口空気圧力及び高圧段圧縮機本体2の出口空気圧力を減圧する運転、所謂無負荷運転制御を行う第2の機能と、インタークーラ16でのドレン発生を抑えるために、圧力センサー23からの検出圧力値に基づいて、空気消費量が低下したときに、3つの冷却ファン25A,25B,25Cを順次停止させる指令を冷却ファン25A,25B,25Cに出力させる第3の機能とを備えている。
上述した制御装置24における第3の機能を、図2及び図3を用いて説明する。
図2の(a)は、消費空気量(%)に対するインタークーラドレン発生量(cc/min)の特性を、(b)は、消費空気量(%)に対するインタークーラ出口空気温度(℃)の特性を示すもので、吸込み温度30℃、相対湿度80%の最もドレンが発生しやすい気象条件で、圧縮機の各圧力と温度は前で説明したもの、仕様吐出空気量は27.5m3/minの場合で計算したときのドレンの発生量を示すものである。
この図2から明らかなように、消費空気量が100%〜40%の間は圧縮機本体1,2の回転速度を変化させて吐出空気量を調整するが、使用空気量が減少すると、インタークーラ16を通過する圧縮空気量が減少するため、図2の(b)に示すように消費空気量が100%の時に対して、インタークーラ16の出口空気温度は10〜15℃低下する。これにより、ドレンが発生することになる。即ち、ドレン発生量は、図2の(a)に示すように消費空気量が80%から順次低下するに従って順次増加する。なお図2中、ドレン発生量がマイナスとなる場合は、ドレンが発生しないことを示す。
このため、この実施の形態においては、上述したドレン発生を抑えるために、制御装置24は、空気消費量が低下したときに、3つの冷却ファン25A,25B,25Cを順次停止させる指令を出力するが、その設定内容を図3を用いて説明する。
図3の(a)は、消費空気量(%)に対するインタークーラドレン発生量(cc/min)を、(b)は、消費空気量(%)に対するインタークーラ出口空気温度(℃)を、(c)は、消費空気量(%)に対する冷却ファン25A,25B,25Cの運転状態を示す図である。ここで、停止させる冷却ファン容量は、1個停止すると、インタークーラ16の出口空気温度は5℃上昇するような容量のものとする。
図3に示すように、制御装置24は、図2に示すインタークーラ出口空気温度(℃)及びインタークーラドレン発生量(cc/min)に関連付けて、利用側の消費空気量が仕様吐出空気量に対して、例えば100%である場合は、全ての冷却ファン25A,25B,25Cを運転させ、消費空気量が80%まで減少した場合は、冷却ファン25Cを停止させ、また、消費空気量が60%まで減少した場合は、次に冷却ファン25Bを停止させるように制御する。消費空気量が60%以下の場合は、冷却ファン25Aのみの運転となる。
このように、消費空気量の減少変化に応じて、冷却ファン25A,25Bを順次停止制御することにより、インタークーラの出口空気温度(℃)を図3の(a)に示すように、低下させることができ、これに伴い図3の(a)に示すように全消費空気量域においてドレンの発生量は全てマイナスに転じ、ドレンを発生しないように制御される。
次に、上述した本発明の回転可変速形二段無給油式スクリュー圧縮機の第1の実施の形態の動作を図1乃至図3を用いて説明する。
モータ9が運転されると、モータ9の回転力がブルギヤ10及ピニオンギヤ5,8を介して、低圧段圧縮機本体1と高圧段圧縮機本体2に伝達される。これにより、低圧段圧縮機本体1及び高圧段圧縮機本体2における各々一対のスクリューロータが、同期回転し、空気を圧縮する。吸込み口36から吸い込まれた空気(例えば30℃とする)は、低圧段圧縮機本体1で圧縮されて圧力は0.17MPaまで昇圧するとともに、温度は約160℃まで上昇する。
この高温の圧縮空気は,空気配管17Aを経てインタークーラ16で約50℃(吸込み空気温度+20℃)まで冷却される。インタークーラ16で冷却された圧縮空気は、空気配管17Bを経て高圧段圧縮機本体2に導かれ、さらに所定の圧力(例えば0.69MPa)まで昇圧されるとともに約180℃まで温度上昇する。温度上昇した圧縮空気は、空気配管21Aを経てプレクーラ18で一次冷却され、逆止弁19を経て、アフタークーラ20で約45℃(吸込み空気温度+15℃)まで冷却される。アフタークーラ20で冷却された圧縮空気はドレン分を含んでおり、ドレンセパレータ22でドレン分を除去し、吐出空気配管21Bから利用側に供給される。
ここで、利用側の消費空気量が減少すると、圧力センサー23の検出圧力は上昇する。この検出圧力値は、制御装置24に入力される。制御装置24は圧力センサー23の検出値に基づいてモータ9の回転速度を低下させる指令信号を、インバータ12に出力する。これにより、モータ9の回転速度が低下する。モータ9の回転速度が低下すると、低圧段圧縮機本体1及び高圧段圧縮機本体2のスクリューロータの回転速度が低下し、吐出空気量が低下する。
つまり、消費空気量が減少して、吐出空気量が仕様吐出空気量の100%から40%でよいときには、制御装置24は圧力センサー23からの圧力検出値が予め設定した目標圧力と同一となるように、各圧縮機本体1,2のスクリューロータの回転速度を変化させて吐出空気量を変化させる。この領域は負荷運転となる。
ここで、利用側の消費空気量が仕様吐出空気量に対して100%である場合は、制御装置24は、圧力センサー23からの圧力検出値に基づいて、全ての冷却ファン25A,25B,25Cを運転させ、消費空気量が80%まで減少した場合は、冷却ファン25Cを停止させ、消費空気量が60%まで減少した場合は、冷却ファン25Bを停止させ、更に、消費空気量が60%以下の場合は、冷却ファン25Aのみの運転させるように制御する。
これにより、利用側の消費空気量が仕様吐出空気量に対して100%から40%までの間では、図3の(a)に示すようにインタークーラ16出口空気温度が鋸歯状の特性になり、これに伴い、図3の(a)に示すようにドレンの発生量の上昇が抑えられる。
また、吐出空気量が仕様吐出空気量の約40%以下でよいときには、制御装置24は放気電磁弁30A,30Bに開指令を送る。具体的には、圧力センサー23の検出圧力値が制御装置24に予め設定された上限圧力(上限圧力>目標圧力)を超えれば、制御装置24が設定下限回転速度を維持するように制御するとともに、制御装置24は放気弁に開指令を送り、低圧段圧縮機本体1出口空気圧力及び高圧段圧縮機本体2出口空気圧力を減圧する運転を行う。
このように無負荷運転となり、低圧段圧縮機本体1出口空気圧力は,約0.05MPa、高圧段圧縮機本体2出口空気圧力は,約0.10MPaとなる。この減圧運転を行うことにより、さらにドレンの発生量が低下る。無負荷運転が継続されると、圧力センサー23部の吐出空気圧力が低下するため、予め設定した圧力(目標圧力)以下になると、放気電磁弁30A,30Bを閉じるように、制御装置24が指令を出し負荷運転となる。つまり、吐出空気量が約40%以下の状態では負荷運転と無負荷運転を繰り返す。このときの消費空気量とドレン発生量の関係を図3に示すが、全消費空気量域において、ドレンの発生量は全てマイナスに転じ、ドレンの発生を抑えることができる。
さらに、冷却ファン、冷却風吸込み口、冷却風排気口はインタークーラ16側とアフタークーラ20側で個別に設け、インタークーラ16側の低圧段冷却装置31とアフタークーラ20側の高圧段冷却装置32をそれぞれ独立に区画した構成となっている。この理由は、アフタークーラ20出口の吐出空気温度は利用機器側からみると低いほどよく、インタークーラ20の出口温度のみを正確に制御するためである。
また、冷却ファンの運転停止動作は、前回最初に停止したものを運転させ、前回最初に運転したものを停止させるように制御する、又は予め決められた時間で切替えるように制御することも可能である。これにより、冷却ファンの運転の平準化を図ることができる。
ところで、この実施の形態では、インタークーラ16を冷却する冷却ファンを3個設けた例を示している。特に、大型の圧縮機では、大型の冷却ファンが必要となるが、冷却ファンは円形状のため、これを大型化すると配置が限られ、ユニット全体が大型化することになる。したがって、小型の圧縮機で使用しており、量産性の高い小型の冷却ファンを用いた方がユニット全体を小型化できるのと同時に、安価に構成することができる。
本発明の実施の形態によれば、空冷二段無給油式スクリュー圧縮機の回転速度可変化による低負荷時に発生しやすいインタークーラ出口部のドレン量を軽減することができ、高圧段圧縮機本体の信頼性が向上できる。さらに、低負荷時の動力低減にも貢献することができる。そして、利用機器側へは低負荷時は供給圧縮空気の温度を低下させたものを供給できる。
なお、この実施の形態においては、インタークーラ16を冷却する冷却ファンを、3個(25A,25B,25C)使用した例を示しているが、冷却ファンを、2個(25A,25B)とすることもできる。この場合には、図4の(b)に示すように、利用側の消費空気量が仕様吐出空気量に対して100%である場合は、制御装置24は、圧力センサー23からの圧力検出値に基づいて、全ての冷却ファン25A,25Bを運転させ、消費空気量が70%まで減少した場合は、冷却ファン25Bを停止させ、更に、消費空気量が70%以下の場合は、冷却ファン25Aのみの運転させるように制御する。
これにより、利用側の消費空気量が仕様吐出空気量に対して100%から60%までの間では、図4の(a)に示すようにインタークーラ16出口空気温度が鋸歯状の特性になり、これに伴い、図4の(a)に示すようにドレンの発生量の上昇が抑えられる。
また、冷却ファンを1個にすることも可能である。この場合には、冷却ファンの回転数を制御装置によって制御することにより、前述の実施の形態と同様な効果を得ることができるとともに、低負荷時に発生しやすいインタークーラ出口部のドレン量を、きめ細かに軽減することができる。
図5は、本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第2の実施の形態の構成図を示すもので、この図5において、図1の符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明を省略する。
この実施の形態は、低圧段圧縮機本体1上流の吸込み通路14中に、低圧段圧縮機本体1吸込み空気温度を検出する温度センサー33を設け、インタークーラ16から高圧段圧縮機本体2までの空気配管中にインタークーラ16出口空気温度を検出する温度センサー34を設ける。各温度センサー33,34で検出した温度検出値は、制御装置24に送られる。
ここで、高圧段圧縮機本体2吸込み空気温度を検出する温度センサー34は、インタークーラ16が塵埃等の影響で能力が低下した場合に、高圧段圧縮機本体2を保護するために設けられている。温度センサー34の検出温度値が例えば70℃になると、制御装置24は、圧縮機を停止するようにしている。
また、制御装置24は、温度センサー34で検出したインタークーラ16の出口空気温度と温度センサー33で検出した低圧段圧縮機1の吸込み温度とを取込、この温度差を演算し、この温度差が予め設定した温度差になった場合(ここでは15℃より若干低い値)は、冷却ファンを1個停止させる。これとは逆に、温度差が予め設定された温度差(ここでは20℃より若干高い値)になった場合は、冷却ファンを1個運転させるようにしたものである。
この実施の形態によれば、前述した実施の形態と同様に、空冷二段無給油式スクリュー圧縮機の回転速度可変化による低負荷時に発生しやすいインタークーラ出口部のドレン量を軽減することができ、高圧段圧縮機本体の信頼性が向上できる。さらに、低負荷時の動力低減にも貢献することができる。そして、利用機器側へは低負荷時は供給圧縮空気の温度を低下させたものを供給できる。
図6は、本発明の回転可変速形二段無給油式スクリュー圧縮機の第3の実施の形態の構成図を示すもので、この図5において、図1の符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明を省略する。
この実施の形態は、インタークーラ16の入口空気配管17Aと出口空気配管17Bをバイパス配管35でそれぞれ接続し、これらのバイパス配管35に2個の二方電磁弁36A、36Bを取り付ける。制御装置24は、圧力センサー23からの検出圧力値を取り込んで、消費空気量を演算し、この演算した消費空気量が制御装置24の記憶部に予め設定した消費空気量以下になった場合は、二方電磁弁36A(又は36B)に開指令を送り、予め設定された消費空気量以上になった場合、二方電磁弁36A(又は36B)に閉指令を送るように制御する。この場合、二方電磁弁36A、36Bの開閉動作は、前述した実施の形態における冷却ファンの運転停止の制御と同様に制御すればよい。
この実施の形態においては、二方電磁弁36A(又は36B)の開動作により、圧縮空気の一部がバイパス配管35を通りインタークーラ16をバイパスして出口側へと流れる。ここで、インタークーラ16の入口温度は約160℃で、出口温度を45℃から50℃へ5℃上昇させるためには、吐出し空気量の約5%程度をバイパスさせればよいので、二方電磁弁36A(又は36B)は、比較的小型の電磁弁で構成することができる。この場合は冷却ファンの動力低減効果得られないが、特に小型機の場合は冷却ファンを複数個持つのは難しく、安価な電磁弁で構成でき小型機に有効な手段となる。また、この実施の形態において、二方電磁弁を2個設けた例を示しているが、3個設けることも可能である。
この実施の形態によれば、前述した実施の形態と同様に、空冷二段無給油式スクリュー圧縮機の回転速度可変化による低負荷時に発生しやすいインタークーラ出口部のドレン量を軽減することができ、高圧段圧縮機本体の信頼性が向上できる。さらに、低負荷時の動力低減にも貢献することができる。
本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第1の実施の形態を示す構成図である。 消費空気量とインタークーラのドレン発生量を示す特性図である。 本発明に係る消費空気量とインタークーラのドレン発生量の一例を示す特性図である。 本発明に係る消費空気量とインタークーラのドレン発生量の他の例を示す特性図である。 本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第2の実施の形態を示す構成図である。 本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第3の実施の形態を示す構成図である。
符号の説明
100 無給油式スクリュー圧縮機
1 低圧段圧縮機本体
2 高圧段圧縮機本体
9 モータ
10 ブルギヤ
11 ギヤケーシング
12 インバータ
13 オイルポンプ
14 吸込み空気通路
15 吸込みフィルタ
16 インタークーラ
17A,17B 低圧段側空気配管
18 プレクーラ
19 逆止弁
20 アフタークーラ
21A,21B 高圧段側空気配管
22 ドレンセパレータ
23 圧力センサー
24 制御装置
25A,25B,25C インタークーラ側冷却ファン、
30A 低圧段放気電磁弁
30B 高圧段放気電磁弁
31 低圧段側冷却装置
32 高圧段側冷却装置
33 低圧段吸込み空気温度センサー
34 高圧段吸込み空気温度センサー
35 バイパス配管
36A,36B 二方電磁弁

Claims (6)

  1. 回転速度可変の低圧段圧縮機本体及び高圧段圧縮機本体と、前記低圧段圧縮機本体と前記高圧段圧縮機本体とを接続する配管の途中に設けたインタークーラとを備えた無給油式スクリュー圧縮機において、前記高圧段圧縮機本体の吐出側に、この高圧段圧縮機本体から吐出される高圧空気の圧力を検出する圧力センサーと、前記インタークーラを冷却する少なくとも2個の冷却ファンと、前記圧力センサーで検出された検出圧力値に基づいて、消費空気量を演算し、この消費空気が予め設定した消費空気量以下になった場合に前記冷却ファンの1つを停止制御する制御装置とを備えたことを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。
  2. 請求項1記載の無給油式スクリュー圧縮機において、前記低圧段圧縮機本体と高圧段圧縮機本体とを接続する配管中に設けた放気用の分岐配管と、放気用の分岐配管に設けた放気電磁弁とを備え、前記制御装置は、前記圧力センサーで検出された検出圧力値に基づいて、消費空気量を演算し、この消費空気が予め設定した消費空気量以下では予め設定した下限回転速度の指令を出力するとともに、前記放気電磁弁に指令を出力して放気減圧運転を行うように制御することを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。
  3. 回転速度可変の低圧段圧縮機本体及び高圧段圧縮機本体と、前記低圧段圧縮機本体と前記高圧段圧縮機本体とを接続する配管の途中に設けたインタークーラとを備えた無給油式スクリュー圧縮機において、低圧段圧縮機本体の吸込み空気温度を検出する温度センサーと、高圧段圧縮機本体の吸込み空気温度を検出する温度センサーと、前記温度センサーからの温度差を演算し、この温度差が予め設定した温度差以下になると、前記冷却ファンを1個停止させる制御装置とを備えたことを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の無給油式スクリュー圧縮機において、前記インタークーラ及びその冷却ファンから構成する低圧段側冷却装置と、アフタークーラ及びその冷却ファンから構成する高圧段側冷却装置とを備え、これらの冷却装置は、それぞれ区画形成されていることを特徴とする回転速度可変形空冷二段無給油式スクリュー圧縮機。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の無給油式スクリュー圧縮機において、前記制御装置は、前記冷却ファンを順次停止させる場合には、前回最初に停止したもの以外のものから停止させ、前記冷却ファンを順次運転させる場合には、前回最初に運転したもの以外のものから運転させるように制御することを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。
  6. 回転速度可変の低圧段圧縮機本体及び高圧段圧縮機本体と、前記低圧段圧縮機本体と前記高圧段圧縮機本体とを接続する配管の途中に設けたインタークーラとを備えた無給油式スクリュー圧縮機において、前記高圧段圧縮機本体の吐出側に、この高圧段圧縮機本体から吐出される高圧空気の圧力を検出する圧力センサーと、前記各インタークーラの入口部と出口部をそれぞれバイパスさせる配管と、これらの配管に少なくとも2個設けた二方弁と、前記圧力センサーで検出された検出圧力値に基づいて、消費空気量を演算し、この消費空気が予め設定した消費空気量以下で前記二方弁を順次開操作させる制御装置とを備えたことを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。
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