JP4127670B2 - 無給油式スクリュー圧縮機 - Google Patents

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本発明は、無給油状態で空気を圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体を駆動する電動機と、この電動機の回転数を制御するインバータとを有する可変速制御型の無給油式スクリュー圧縮機に関する。
無給油式スクリュー圧縮機の従来技術としては、タイミングギヤを介して連結され、非接触且つ無給油状態で回転することにより空気を圧縮するスクリューロータを備える圧縮機本体と、この圧縮機本体を駆動する電動機と、この電動機の回転数を制御するインバータと、圧縮機本体から吐出される圧縮空気の吐出圧力を検出する圧力検出手段(圧力センサ)と、この圧力検出手段の検出した吐出圧力に応じてインバータを制御する制御手段とを有する可変速制御型の無給油式スクリュー圧縮機がある(例えば、特許文献1参照。)。この可変速制御型の無給油式スクリュー圧縮機では、制御手段によって圧力検出手段で検出した吐出圧力に応じてインバータを介して電動機の回転数を制御することにより、圧縮機の吐出圧力は設定圧力にほぼ一定となるように制御される。
特開2001−342982号公報
上記従来技術のようなインバータを有する可変速制御型のスクリュー圧縮機の場合には、設定圧力を例えば0.69MPaから0.59MPaに0.1MPa下げて運転することで理論断熱空気動力を2段圧縮機では7.4%、1段圧縮機では8.4%低減できることに着眼し、多くの工場事業所等において、空気圧縮機の現状の設定圧力を見直し適正な圧力に下げて運転することで消費電力の削減が図られている。
しかしながら、上記従来技術では以下のような課題が存在する。
すなわち、上記従来技術の無給油式スクリュー圧縮機では、特許文献1には明確には記載されていないが、通常、インバータによる電動機回転数の可変制御範囲の上限値は仕様圧力下における最大回転数に固定されている。したがって、上述したように消費電力の低減を図るために設定圧力を下げて運転する場合には、本来的には電動機の能力に余裕ができるにも拘らず、電動機回転数が上記上限値により制限されて定格空気量しか吐出することができないため、例えば供給先における使用空気量が一時的に定格空気量を上回る場合等においては、吐出空気量が不足して吐出圧力の一時的な低下を招く恐れがあった。
また、スクリュー圧縮機起動時の初期充気時においては、吐出圧力が上昇してくるまでの低圧の間はその分電動機の回転数を大きく増大させて吐出圧力の上昇促進を図る余地があるにも拘らず、上記従来技術では電動機回転数が上限値に制限されるため、初期充気の遅延化防止の点でも改善の余地があった。
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、初期充気時間を短縮でき、且つ吐出圧力の低下を抑制することができる無給油式スクリュー圧縮機を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明の無給油式スクリュー圧縮機は、無給油状態で空気を圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体を駆動する電動機と、この電動機の回転数を可変に制御するインバータと、前記圧縮機本体の吐出圧力を検出する圧力検出手段と、前記電動機の回転数の可変制御範囲が運転中に自動的に変更されるように前記インバータを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記圧力検出手段で検出した吐出圧力が最低設定圧力以下である場合、前記電動機の回転数の可変制御範囲の上限値として最高上限周波数を前記インバータに出力し、前記圧力検出手段で検出した吐出圧力が最低設定圧力から最高設定圧力までの範囲にある場合、前記圧力検出手段で検出した吐出圧力における最高設定圧力から最低設定圧力までの減少に応じて前記電動機の回転数の可変制御範囲の上限値を最低上限周波数から最高上限周波数まで増加するように演算し、その演算値を前記インバータに出力しており、前記最高上限周波数は、対応する前記圧縮機本体の回転数が前記圧縮機本体の許容可能な第1の許容最大回転数以下となり、且つ対応する前記電動機の回転数が前記電動機の許容可能な第2の許容最大回転数以下となるように設定されたものとする。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記電動機と前記圧縮機本体との間に設けられ、前記電動機の回転数が前記第2の許容最大回転数であるときに前記圧縮機本体の回転数が前記第1の許容最大回転数となるように増速比が設定された増速手段をさらに備えるものとする。
(3)上記(1)又は(2)において、また好ましくは、前記制御手段は、前記圧力検出手段で検出した吐出圧力又は前記圧縮機本体から吐出される圧縮空気の温度に応じて前記電動機の回転数の可変制御範囲の下限値が運転中に自動的に変更されるように、前記インバータを制御するものとする。
(4)上記目的を達成するために、また本発明の無給油式スクリュー圧縮機は、無給油状態で空気を圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体を駆動する電動機と、この電動機の回転数を可変に制御するインバータと、前記圧縮機本体の吐出圧力を検出する圧力検出手段と、前記電動機の回転数の可変制御範囲が運転中に自動的に変更されるように前記インバータを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記圧力検出手段で検出した吐出圧力が最低設定圧力以下である場合、前記電動機の回転数の可変制御範囲の上限値として最高上限周波数を前記インバータに出力し、前記圧力検出手段で検出した吐出圧力が最低設定圧力から最高設定圧力までの範囲にある場合、前記圧力検出手段で検出した吐出圧力における最高設定圧力から最低設定圧力までの減少に応じて前記電動機の回転数の可変制御範囲の上限値を最低上限周波数から最高上限周波数まで増加するように演算し、その演算値を前記インバータに出力する上限周波数演算部と、前記圧力検出手段で検出した吐出圧力又は前記圧縮機本体から吐出される圧縮空気の温度に応じて最高下限周波数を演算し、その演算値を前記インバータに出力する下限周波数演算部とを有するものとする。
本発明によれば、制御手段により、圧力検出手段で検出した吐出圧力に応じて電動機の回転数の可変制御範囲の上限値が運転中に自動的に変更されるようにインバータを制御する。これにより、圧縮機起動時の初期充気時においては電動機の回転数を大きく増大させることができ、初期充気時間を短縮することができる。また、供給先における使用空気量が一時的に定格空気量を上回るような場合においても、制御手段で吐出圧力の低下にすばやく追従して電動機の回転数を増大することができ、吐出圧力の低下を抑制することができる。したがって、初期充気時間を短縮でき、且つ吐出圧力の低下を抑制することができる。
以下、本発明の無給油式スクリュー圧縮機の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図3を参照しつつ以下に説明する。
図1は、本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第1の実施の形態の全体機器構成及び圧縮空気、オイル、冷却水、冷却空気の流れを示すフロー図である。なお、この図1において、白抜きの矢印は圧縮空気の流れ、グレーの矢印は冷却空気の流れ、黒の細線の短い矢印はオイルの流れ、黒の細線の長い矢印は冷却水の流れを示している。
この図1において、本実施の形態の無給油式スクリュー圧縮機は2段圧縮機であり、1段圧縮機本体1と、2段圧縮機本体2とを備えている。1段圧縮機本体1のケーシング3及び2段圧縮機本体2のケーシング4は、ギヤケース5に固定されている。また、1段圧縮機本体1の吸込み空気通路6の上流側には吸込み絞り弁7、吸込みフィルタ8が設けられている。これら吸込みフィルタ8と吸込み絞り弁7を介し、大気が1段圧縮機本体1の圧縮室へ導入されるようになっている。
上記の1段圧縮機本体1及び2段圧縮機本体2は、それぞれの圧縮室内に一対のスクリューロータである雄ロータ10及び雌ロータ11、雄ロータ12及び雌ロータ13を収納している。これら1段圧縮機本体1のロータ10,11及び2段圧縮機本体2のロータ12,13はそれぞれ非接触状態で回転自在に配設されており、その外周部には容積が変化する空気通路としての溝(図示せず)が形成されている。なお、それぞれのロータ10,11及び12,13の軸端部には、互いに噛合したタイミングギヤ14,15及び16,17が設けられている。
1段圧縮機本体1の雄ロータ10及び2段圧縮機本体2の雄ロータ12の上記タイミングギヤ14,16と反対側の軸端部にはピニオンギヤ20,21がそれぞれ設けられており、これらはブルギヤ22と噛合している。このブルギヤ22の回転軸23のギヤと反対側の軸端部には小径のプーリ24が設けられている。このプーリ24と、電動機25の駆動軸端部に設けた大径のプーリ26とはベルト27によって巻き回されている。
上記電動機25は、例えば三相誘導電動機で構成されており、インバータ30を介して制御装置31により回転数が制御されるようになっている。そして、電動機25が回転駆動されると、この電動機25の回転駆動力がベルト27、ギヤ20,21,22を介して雄ロータ10,12に伝達される。これにより、雄ロータ10,12が回転駆動すると、それとともにタイミングギヤ14,16が回転し、これらタイミングギヤ14,16と噛み合うタイミングギヤ15,17がそれぞれ回転して、雌ロータ11,13が回転駆動するようになっている。なおこのとき、雄ロータ10,12と雌ロータ11,13とは無給油且つ非接触状態で回転駆動するようになっており、それらの回転に伴って空気通路6に導入された空気が順次圧縮され、圧縮された空気が吐出されるようになっている。
また、各ロータ10,11,12,13の回転軸を支持する軸受(図示せず)及び各ギヤ14,15,16,17,20,21,22には、オイルポンプ32の駆動によって、オイルクーラ33、オイルフィルタ34を介して潤滑用のオイルが供給されるようになっている。このとき、各ロータ10,11,12,13の回転軸に供給されたオイルが圧縮室内に侵入しないように、軸受と圧縮室の間には軸封装置(図示せず)が設けられており、この軸封装置の内側には溝がねじ状に加工されており、各ロータ10,11,12,13の回転により内部に圧力を発生させてオイルを押し戻す構造となっている。
また、1段圧縮機本体1のケーシング3及び2段圧縮機本体2のケーシング4には、冷却水が供給されるようになっている。ケーシング3,4を冷却した冷却水は、冷却水クーラ35で冷却され、冷却水ポンプ36により再びケーシング3,4に供給されるようになっている。
1段圧縮機本体1の吐出口には吐出配管37が接続されており、インタークーラ38を介し、2段圧縮機本体2の吸込み口へ接続されている。2段圧縮機本体2の吐出口には吐出配管39が接続されており、逆止弁40を介し、アフタークーラ41へ接続されている。アフタークーラ41出口部には吐出配管42が接続されており、その管路端は負荷側の空気タンク(図示せず)へ接続されている。また、この吐出配管42には、圧縮機の吐出圧力を検出する圧力センサ43と、吐出配管42内の圧力が異常に上昇した場合に圧縮空気を大気へ開放する安全弁44が設けられている。
上記圧力センサ43で検出した吐出圧力は制御装置31に入力されるようになっており、これにより制御装置31は、その圧力センサ43から入力された吐出圧力に応じ、インバータ30を介して電動機25の回転数を制御するようになっている。
なお、一般に、上述したような構成の2段無給油式スクリュー圧縮機においては、一段圧縮機本体1に吸い込まれた空気は例えば約0.20MPaまで圧縮されてその温度は約180℃程度まで上昇し、その後インタークーラ38で約50℃まで一次冷却され、次に2段圧縮機本体2で通常設定圧力の0.69MPaまで圧縮されてその温度は再び約180℃程度まで上昇し、アフタークーラ41で例えば約45℃程度まで冷却されて、負荷側の空気タンクへと圧送されるようになっている。
図2は、制御装置31の制御機能を表す機能ブロック図である。なお、この図2においては、前記のギヤ20,21,22、プーリ24,26、及びベルト27を総称して増速装置45と記載する。この増速装置45により、インバータ30の周波数(電動機25の回転数)は圧縮機本体1,2の回転数に増速されるようになっている。
この図2に示すように、制御装置31は、入力部47と、PID演算部48と、上限周波数演算部49とを有している。すなわち、上記PID演算部48は、圧力センサー43から入力される吐出圧力Pと上記入力部47を介して予め設定入力された設定圧力P0との偏差に基づきPID演算を行い、この演算した演算値をインバータ30に出力する。インバータ30はこの入力された演算値に応じた周波数Fを電動機25に出力し、電動機25の回転数を制御する。このようにして、無給油式スクリュー圧縮機の吐出圧力は設定圧力P0にほぼ一定に制御されるようになっている。
入力部47では、上記設定圧力P0以外にも圧縮機が運転可能な最高設定圧力P0max(通常は仕様圧力とする)、この最高設定圧力P0max時に対応する最低上限周波数F0min、最低設定圧力P0min、この最低設定圧力P0min時に対応する最高上限周波数F0maxが設定入力されるようになっている。上記最低上限周波数F0min及び最高上限周波数F0maxは、吐出圧力が最高設定圧力P0max及び最低設定圧力P0minの場合において電動機18が定格出力となるときの、インバータ30から電動機25に出力される周波数(すなわち電動機25の回転数)である。
なお、これらの設定値は任意に変更できるようになっているが、特に最高上限周波数F0maxは、電動機25の回転数が電動機25の許容可能な許容最大回転数以下となるように、且つ1段圧縮機本体1及び2段圧縮機本体2の回転数がこれら圧縮機本体1,2の許容可能な許容最大回転数以内となるように設定するようになっている。すなわち、圧縮機の初期充気時のように吐出圧力Pが0に近く、PID演算部48での演算値が極端に大きな値(すなわち1に近い値)となるような場合であっても、増大する周波数Fを最高上限周波数F0max以内に止め、電動機25及び1段・2段圧縮機本体1,2に損傷や故障が生じるのを防止するためである。
上限周波数演算部49は、上記入力部47を介して設定された最高設定圧力P0max、最低設定圧力P0min、最低上限周波数F0min、及び最高上限周波数F0maxに基づき、圧力センサー43で検出した吐出圧力Pに応じて上限周波数F0(P)を自動的に演算し、インバータ30へ出力するようになっている。すなわち、上記PID演算部48では上限値を制限するようにはなっておらず、上限周波数演算部49で演算して決定した上限周波数F0(P)が、PID演算部48で決定した周波数の上限側のリミッタとなるようになっている。
以上において、1段圧縮機本体1及び2段圧縮機本体2は特許請求の範囲各項記載の無給油状態で空気を圧縮する圧縮機本体を構成し、圧力センサ43は圧縮機本体の吐出圧力を検出する圧力検出手段を構成し、制御装置31はインバータを制御する制御手段を構成する。
次に、上記構成の本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第1の実施の形態の作用を図3を用いて以下に説明する。図3は本実施の形態の無給油式スクリュー圧縮機の吐出圧力Pとインバータ30から電動機25に出力される周波数F(すなわち電動機25の回転数)の可変制御範囲の上限値との関係を示した図である。なお、この図3において、実線Aは本実施の形態の圧縮機における吐出圧力Pと周波数Fとの関係を示し、破線Bは電動機の上限回転数が固定された前述の従来技術のような構造の場合における吐出圧力Pと周波数Fとの関係を示している。
この図3中破線Bに示すように、上記従来技術のような構造の場合、インバータ30から電動機25に出力される周波数Fの可変制御範囲の上限値は最低上限周波数F0minに固定される。このため、吐出圧力Pが減少しても、インバータ30の出力周波数Fの上限値(すなわち電動機25の回転数の可変制御範囲の上限値)はF0minで一定となる。したがって、前述したように消費電力の低減を図るために設定圧力P0を下げて運転する場合に、電動機25の能力には余裕ができるにも拘らず、電動機25の回転数が上記上限値(最低上限周波数F0min)により制限されて定格空気量しか吐出することができないため、例えば供給先における使用空気量が一時的に定格空気量を上回るような場合においては、吐出空気量が不足して吐出圧力Pが一時的に低下する恐れがあった。
また、スクリュー圧縮機起動時の初期充気時においても、吐出圧力Pが上昇してくるまでの低圧の間はその分電動機25の回転数を大きく増大させて吐出圧力Pの上昇促進を図る余地があるにも拘らず、電動機25の回転数が上限値(最低上限周波数F0min)に制限されるために、初期充気の遅延化防止の点でも改善の余地があった。
これに対し、本実施の形態においては、上述したように制御装置31の上限周波数演算部49により入力した吐出圧力Pに応じて上限周波数F0(P)を演算し、インバータ30に出力してインバータ30から電動機25に出力される周波数Fの可変制御範囲の上限値を可変させる。これにより、図3中実線Aに示すように吐出圧力Pが最高設定圧力P0maxから最低設定圧力P0minの範囲内で増減した場合、周波数Fの可変制御範囲の上限値は最低上限周波数F0minから最高上限周波数F0maxの範囲内で可変する。すなわち、上記範囲内において吐出圧力Pが減少した場合には自動的に周波数Fの可変制御範囲の上限値が大きくなり、吐出圧力Pが増加した場合には自動的に周波数Fの可変制御範囲の上限値が小さくなる。
この結果、圧縮機起動時の初期充気時においては、最初は吐出圧力Pが0に近いためにインバータ30の出力周波数F(すなわち電動機25の回転数)の上限値は最大である最高上限周波数F0maxまで大きく増大し、吐出圧力Pが上昇してくるにつれ、圧力の上昇過程に合わせて周波数Fは徐々に小さくなる。このようにして、初期充気時における電動機25の回転数を吐出圧力Pの過渡状態に合わせて最適な値に変更することにより、電動機25の回転数が最低上限周波数F0minに固定された従来技術のような構造に比べ、電動機25の回転数を大きく増大させることができるので、初期充気時間を短縮することができる。
さらに、供給先における使用空気量が一時的に定格空気量を上回り吐出圧力Pが大きく低下しようとするような場合においても、制御装置31の制御により吐出圧力Pの低下にすばやく追従して電動機25の回転数の可変制御範囲の上限値を増大することが可能である。このようにして、電動機25の回転数をすばやく増大させて最適な値に変更することが可能であるので、使用空気量が定格空気量を上回るような場合でも吐出圧力Pの低下を抑制することができる。以上のことから、本実施の形態によれば、初期充気時間を短縮でき、且つ吐出圧力の低下を抑制することができる。
次に、本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第2の実施の形態を図4乃至図6を参照しつつ説明する。本実施の形態は、本発明を圧縮機本体を1機のみ有する1段無給油式スクリュー圧縮機に適用したものである。
図4は本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第2の実施の形態の全体機器構成及び圧縮空気、オイル、冷却水、冷却空気の流れを示すフロー図である。なお、この図4において、太い白抜きの矢印は圧縮空気の流れ、グレーの矢印は冷却空気の流れ、黒の細線の矢印はオイルの流れ、細い白抜きの矢印は冷却水の流れを示している。
この図4において、本実施の形態の無給油式スクリュー圧縮機は1段圧縮機であり、圧縮機本体55を1機備えている。この圧縮機本体55の吸込み空気通路56の上流側には吸込み絞り弁57、吸込みフィルタ58が設けられている。また、上記圧縮機本体55は、圧縮室内に一対のスクリューロータである雄ロータ60及び雌ロータ61を収納している。これらロータ60,61は非接触状態で回転自在に配設されており、その外周部には容積が変化する空気通路としての溝(図示せず)が形成されている。なお、それぞれのロータ60,61の軸端部には互いに噛合したタイミングギヤ62,63が設けられている。
上記雄ロータ60のタイミングギヤ62と反対側の軸端部にはピニオンギヤ65が設けられており、このピニオンギヤ65はブルギヤ66と噛合している。このブルギヤ66の回転軸67のギヤと反対側の軸端部には小径のプーリ68が設けられており、電動機70の駆動力が大径のプーリ71、ベルト72を介して伝達されるようになっている。また、上記電動機70は、インバータ75を介して制御装置76により回転数が制御されるようになっている。
なお、各ロータ60,61の回転軸を支持する軸受(図示せず)及び各ギヤ62,63,65,66には、前記回転軸67により駆動されるオイルポンプ77によってオイルクーラ78、オイルフィルタ79を介して潤滑用のオイルが供給されるようになっている。また、圧縮機本体55のケーシング80には、冷却水ポンプ81によって冷却水クーラ82で冷却された冷却水が供給されるようになっている。
圧縮機本体55の吐出口には吐出配管83が接続されており、プレクーラ84及び逆止弁85を介し、アフタークーラ86へ接続されている。アフタークーラ86の出口部には吐出配管87が接続されており、その管路端は負荷側の空気タンク(図示せず)へ接続されている。この吐出配管87には、圧縮機の吐出圧力を検出する圧力センサ88が設けられ、この圧力センサ88で検出した吐出圧力は前記の制御装置76に入力されるようになっている。制御装置76は、この圧力センサ88から入力された吐出圧力に応じ、インバータ75を介して電動機70の回転数を制御するようになっている。
89は前記の吸込み絞り弁57と一体的に設けられ、圧縮機本体55と逆止弁85との間から分岐した放気管73を介して圧縮機本体55から吐出された圧縮空気を放気する放気弁、74はこの放気弁89の末端に設けられたサイレンサである。これら吸込み絞り弁57及び放気弁89は、制御装置76により必要に応じて自動的に開放・閉塞され、無負荷運転が行われるようになっている。
なお、一般に、上述したような構成の1段無給油式スクリュー圧縮機においては、圧縮機本体55に吸い込まれた空気は例えば通常設定圧力の0.69MPaまで圧縮されるとその温度は約300℃程度まで上昇するが、プレクーラ84で一次冷却されて約180℃程度まで冷却されるようになっている。これにより、逆止弁85やアルミ等の材質で形成されているアフタークーラ86の許容温度を超えないようになっている。その後、圧縮空気はアフタークーラ86で例えば約45℃程度まで冷却されて、負荷側の空気タンクへと圧送されるようになっている。
図5は、制御装置76の制御機能を表す機能ブロック図である。なお、この図5においては、前記のギヤ65,66、プーリ68,71、及びベルト72を総称して増速装置90と記載する。
この図5に示すように、制御装置76は、前述の第1の実施の形態における制御装置31と同様に入力部91と、PID演算部92と、上限周波数演算部93とを有すると共に、下限周波数演算部94を有している。
入力部91では、第1の実施の形態と同様の設定圧力P0、最高設定圧力P0max、最低設定圧力P0min、最高上限周波数F0max、及び最低上限周波数F0minに加え、下限周波数Fが設定入力されるようになっている。この下限周波数Fは、吐出温度の許容値又は軸封性能の許容値により決定されるものであり、圧縮機が安全に運転可能な範囲における最小周波数である。
上記下限周波数演算部94は、上記入力部91を介して設定入力された下限周波数Fをインバータ75へ出力するようになっている。この下限周波数演算部94から出力した下限周波数Fが、PID演算部92で決定した周波数の下限側のリミッタとなるようになっている。
なお、これ以外の制御装置76の制御機能については前述の第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
以上において、圧力センサ88は特許請求の範囲各項記載の圧縮機本体の吐出圧力を検出する圧力検出手段を構成し、制御装置76は制御手段を構成する。
上記構成の本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第2の実施の形態の作用を図6を用いて以下に説明する。図6は本実施の形態の無給油式スクリュー圧縮機の吐出圧力Pとインバータ75から電動機70に出力される周波数F(すなわち電動機70の回転数)の可変制御範囲との関係を示した図である。なお、この図3において、実線Cに囲まれたグレーの領域は本実施の形態の圧縮機における吐出圧力Pに対する周波数Fの可変制御範囲を示し、破線Dより下の斜線部分領域は電動機の上限回転数が固定された前述の従来技術のような構造の場合における吐出圧力Pに対する周波数Fの可変制御範囲を示している。
この図6に示すように、本実施の形態においても、制御装置76の上限周波数演算部93により入力された吐出圧力Pに応じて上限周波数F0(P)を演算し、インバータ75に出力してこのインバータ75から電動機70に出力される周波数Fの可変制御範囲の上限値を可変させることにより、吐出圧力Pが減少した場合には自動的に周波数Fの可変制御範囲の上限値(電動機70の回転数の可変制御範囲の上限値)を大きくすることができるので、前述の第1の実施の形態と同様に初期充気時間を短縮でき、且つ吐出圧力の低下を抑制することができる。
さらに、本実施の形態では1段圧縮機に本発明を適用している。ここで、前述したように、一般に可変速型の空気圧縮機において、例えば設定圧力を0.69MPaから0.59MPaに0.1MPa下げて運転すると、理論断熱空気動力を2段圧縮機では7.4%、1段圧縮機では8.4%低減することができる。すなわち、理論上においては1段圧縮機の方が2段圧縮機よりも動力低減効果が大きい。これは、通常、2段圧縮機では1段圧縮機本体と2段圧縮機本体の仕事量のバランスが重要であり、通常仕様吐出圧力で一番効率がよくなるように設計されているからである。このため、2段圧縮機において吐出圧力Pを変更したり回転数を変更した場合には、上記バランスが崩れて吐出圧力Pを減少したにも拘らず1段圧縮機本体の仕事量は変わらない場合もあり、この場合には動力低減効果は小さくなり、回転数の上昇率(=吐出空気量の増加率)も大きくは望めない。
一方、1段圧縮機の場合には上記仕事量のバランスを考慮する必要がないため、動力低減効果はほぼ理論値通りとなる。したがって、本実施の形態によれば前述の第1の実施の形態のような2段圧縮機よりも効果的に動力を低減することができ、その分電動機70の回転数の可変制御範囲の上限値をさらに増大することが可能である。したがって、本実施の形態によれば、第1の実施の形態よりもさらに初期充気時間を短縮でき、且つ吐出圧力の低下を確実に抑制することができる。
また本実施の形態によれば、入力部91で下限周波数Fを設定入力して周波数Fの可変制御範囲の下限値を固定することにより、図6に示すように本実施の形態の周波数Fの可変制御範囲(図6中グレーの領域)を従来構造の場合の周波数Fの可変制御範囲(図6中斜線領域)より広くとることができ、吐出圧力Pが小さい場合には周波数F(すなわち電動機70の回転数)の可変制御幅をより大きくすることが可能である。
次に、本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第3の実施の形態を図7を参照しつつ説明する。本実施の形態は、2つの下限周波数(最高下限周波数及び最低下限周波数)を設定し、空気使用量が減少したときに電動機の回転数をまず最高下限周波数に固定し、さらに空気使用量が減少した場合には電動機の回転数を最低下限周波数まで低下させた上で、無負荷運転を行うようにしたものである。
図7は、本実施の形態の無給油式スクリュー圧縮機を構成する制御装置100の制御機能を表す機能ブロック図である。なお、この図7において、前述の第2の実施の形態における図5と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
この図7において、制御装置100は前述した本発明の第2の実施の形態と同様に入力部101、PID演算部102、上限周波数演算部103、及び下限周波数演算部104を有している。
上記入力部101では、第1の実施の形態と同様の設定圧力P0、最高設定圧力P0max、最低設定圧力P0min、最高上限周波数F0max、及び最低上限周波数F0minに加え、最高下限周波数F1max及び最低下限周波数F1minを設定入力するようになっている。この最高下限周波数F1maxは、PID演算部102で演算され決定されたインバータ出力周波数Fの下限側のリミッタとなる下限周波数であり、本実施の形態の無給油式スクリュー圧縮機において、吐出圧力Pが最低設定圧力P0minから最高設定圧力P0maxの範囲内である場合の運転可能な吐出温度の許容値により決定される最低周波数である。また最低下限周波数F1minは、吐出圧力Pに関係なく電動機70及び圧縮機本体55の回転数のみによって定まり(軸封装置等の許容によって定まり)、スクリュー圧縮機が安全に運転できる範囲における最小周波数であり、固定値である。なお、本実施の形態の無給油式スクリュー圧縮機のその他の構成については、前述の第2の実施の形態と同様である。
このような構成の本実施の形態においては、供給先における使用空気量が減少して吐出圧力Pが上昇しようとするとPID制御によりインバータ75の周波数F(すなわち電動機70の回転数)が低下し、ある回転数以下になると圧縮空気の吐出温度が上昇し始めることから、インバータ75の周波数Fが、圧縮空気の吐出温度が許容温度となる最高下限周波数F1maxまで低下すると、下限周波数演算部104が最高下限周波数F1maxをインバータ75に出力して、インバータ75の出力周波数Fをこの最高下限周波数F1maxに固定する。その後、さらに使用空気量が減少し、圧力センサ88で検出した吐出圧力Pが予め設定した所定の圧力を超えた場合には、下限周波数演算部104が最低下限周波数F1minをインバータ75に出力して、インバータ75の出力周波数Fをこの最低下限周波数F1minに固定した上で、制御装置100の制御により吸込み絞り弁57(前述の図4参照)を閉塞すると共に放気弁89(前述の図4参照)を開放し、無負荷運転を行うようになっている。
なお、上記以外の制御装置100の制御機能については前述の第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する
以上のように制御される本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第3の実施の形態によれば、前述の第2の実施の形態と同様に初期充気時間を短縮でき、且つ吐出圧力の低下を確実に抑制することができる上に、さらに使用空気量が減少した場合にも圧縮空気の吐出温度を許容温度内に止めることにより、圧縮空気の吐出温度が過度に上昇して後段のプレクーラ84、逆止弁85、及びアフタークーラ78等の機器が損傷や故障等を起こすのを防止することができる。
次に、本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第4の実施の形態を図8を参照しつつ説明する。本実施の形態は、電動機の回転数の可変制御範囲の下限値を吐出圧力に応じて自動的に変更するようにしたものである。
図8は、本実施の形態の無給油式スクリュー圧縮機を構成する制御装置100’の制御機能を表す機能ブロック図である。なお、この図8において、前述の第3の実施の形態における図7と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
この図8において、制御装置100’は前述した本発明の第3の実施の形態と同様に入力部101、PID演算部102、上限周波数演算部103、及び下限周波数演算部104’を有している。
本実施の形態では、圧力センサ88で検出した吐出圧力Pは、PID演算部102及び上限周波数演算部103に加え、上記下限周波数演算部104’に対しても出力される。この下限周波数演算部104’は、圧力センサ88から入力された吐出圧力Pに応じて最高下限周波数F1max(P)を演算し、インバータ75に出力するようになっている。すなわち、圧縮空気の吐出温度は吐出圧力Pが下がれば低下することから、吐出圧力Pが低下した場合には吐出温度によって決定される最高下限周波数F1maxについても下げることが可能である。したがって、下限周波数演算部104’は、吐出圧力Pが小さい場合には最高下限周波数F1max(P)を最低下限周波数F1minに近づけるように制御する。このようにして、インバータ75の出力周波数F(すなわち電動機70の回転数)の可変制御範囲の下限値は、吐出圧力Pに応じて自動的に可変制御されるようになっている。なお、本実施の形態の無給油式スクリュー圧縮機のその他の構成については、前述の第3の実施の形態と同様である。
上記構成の本実施の形態によれば、吐出圧力Pが小さい場合に出力周波数F(すなわち電動機70の回転数)の可変制御範囲の下限値が小さく制御されるので、前述の第3の実施の形態と同様に、初期充気時間の短縮及び吐出圧力の低下の抑制効果を得ることができ、且つ使用空気量が減少した場合でも圧縮空気の吐出温度を許容温度内に止めることができる上に、さらに、吐出圧力Pが小さい場合には電動機70の回転数可変制御幅をより大きくすることが可能である。
なお、上記本発明の第4の実施の形態においては、インバータ75の出力周波数F(電動機70の回転数)の可変制御範囲の下限値を吐出圧力Pに応じて可変させるようにしたが、これに限らず、例えば吐出配管83等に吐出される圧縮空気の温度を検出する温度センサを設け、検出した温度に応じて可変制御範囲の下限値を可変させるようにしてもよい。このように圧縮空気の吐出温度を常時検出するようにしたことで、さらに安全に圧縮機を運転することが可能である。
次に、本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第5の実施の形態を図9を参照しつつ説明する。本実施の形態は、吸込み絞り弁を省略した構成としたものである。
図9は本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第5の実施の形態の全体機器構成及び圧縮空気、オイル、冷却水、冷却空気の流れを示すフロー図である。なお、この図9において、前述の第2の実施の形態における図4と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態の無給油式スクリュー圧縮機の構成において、前述した第2乃至第4の実施の形態と異なる点は、圧縮機本体55の吸込み空気通路56の上流側に吸込み絞り弁を設けずに吸込みフィルタ58のみを設けたことである。その結果、放気弁89’はプレクーラ84と逆止弁85との間から分岐して設けた放気管73’の末端に単独で設けられ、その先にはサイレンサ74’が設けられている。
このような構成の本実施の形態において、制御装置105は、インバータ75から電動機70へ出力される周波数Fが圧縮空気の吐出温度が許容温度となる最高下限周波数F1maxまで低下すると、インバータ75の出力周波数Fをこの最高下限周波数F1maxに固定し、その後、さらに使用空気量が減少し、圧力センサ88で検出した吐出圧力Pが予め設定した所定の圧力を超えた場合には、インバータ75の出力周波数Fを最低下限周波数F1minまで低下して放気弁89’を開放し、無負荷運転を行うようになっている。
なお、これ以外の制御装置105の制御機能については前述の第4の実施の形態における制御装置100’と同様であるので、説明を省略する
以上のように制御される本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第5の実施の形態によれば、前述の第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる上に、吸込み絞り弁を省略することで吸込み抵抗を低減できることから、吐出圧力Pに応じて電動機70の回転数の可変制御範囲の上限値を変更する際に前述の第2乃至第4の実施の形態より最高上限周波数F0maxをさらに高く設定でき、且つ最低下限周波数F1minをさらに低く設定することができる。したがって、電動機70の回転数の可変制御幅を大きくすることができる。さらに、吸込み絞り弁を省ける分、コストを低減することが可能である。
次に、本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第の実施の形態を図10及び図11を参照しつつ説明する。本実施の形態は、吐出圧力の変化による理論断熱空気動力の増減に応じて電動機の回転数の可変制御範囲の上限値を制御するようにしたものである。
10は、本実施の形態の無給油式スクリュー圧縮機を構成する制御装置120の制御機能を表す機能ブロック図である。なお、この図10において、前述の第4の実施の形態における図8と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
この図10において、制御装置120は、前述した本発明の第4の実施の形態と同様に入力部121、PID演算部122、上限周波数演算部123、及び下限周波数演算部124を有している(なお、下限周波数演算部124については設けなくともよい)。
入力部121では、設定圧力P0、最高設定圧力P0max、最高上限周波数F0max、最低上限周波数F0min、最高下限周波数F1max、最低下限周波数F1minを設定入力するようになっている
11は、本実施の形態の無給油式スクリュー圧縮機の吐出圧力Pとインバータ75から電動機70に出力される周波数F(すなわち電動機70の回転数)の可変制御範囲の上限値との関係を示した図である。なお、この図11において、実線Eは本実施の形態の圧縮機における吐出圧力Pと周波数Fの上限値との関係を示し、破線Fは前述した第1の実施の形態(図3中実線A)及び第2の実施の形態(図6中実線C)における吐出圧力Pと周波数Fの上限値との関係を示している。
この図11中破線Fに示すように、前述した第1及び第2の実施の形態では、吐出圧力Pが最高設定圧力P0maxから最低設定圧力P0minまで範囲内において、吐出圧力Pの減少に応じて周波数Fの上限値を最低上限周波数F 0 minから最高上限周波数F 0 maxまで直線的に(比例的に)増加させている。最低上限周波数F 0 min及び最高上限周波数F 0 maxは、前述したように、吐出圧力Pが最高設定圧力P 0 max及び最低設定圧力P 0 minの場合において電動機が定格出力となるときの周波数である。しかしながら、例えば吐出圧力を0.69MPaから0.59MPaに0.1MPa低下した場合には一段圧縮機における理論断熱空気動力は8.4%低減できるが、0.69MPaから0.49MPaに0.2MPa低下した場合には17.7%低減することができるといったように、実際には吐出圧力Pを低下させた場合の動力低減率は必ずしも直線的ではない。したがって、吐出圧力Pを低くした場合の可能な回転数増加率も、直線的ではないことになる。
そこで、上記理論断熱空気動力の低減率に応じた吐出圧力Pと回転数Fの上限値との関係を示すと、図11中実線Eのようになる。すなわち、吐出圧力Pの減少に対して回転数Fの上限値の増加率は一定でなく徐々に大きくなるような傾向を有する。
本実施の形態では、上限周波数演算部123に図11中実線Eに示す関係(例えば2次式等に近似してもよい)を予め設定入力しておく。これにより、上限周波数演算部123は入力された吐出圧力Pに応じて上記実線Eの関係から理論断熱空気動力の増減に応じた最高上限周波数F0(P)を演算し、演算した最高上限周波数F0(P)をインバータ75に出力する。この最高上限周波数F0(P)がPID演算部122で決定した周波数の上限側のリミッタとなるようになっている。これにより、より実際の定格動力に近い状態となるように周波数F(電動機70の回転数)の可変制御範囲の上限値を制御することが可能である。
なお、図11中の破線Gに示す比較例は、吐出圧力Pにおける最高設定圧力P 0 maxからの減少に応じて周波数Fの上限値を最低上限周波数F 0 minから直線的に(比例的に)増加させるものの、動力が常に定格以内に収まる場合である。この破線Gに示した比較例では、最低設定圧力P0minにおける上限周波数がFmid(但し、F mid<F max)となり上限回転数が小さくなってしまう。これに対し、本実施の形態によれば、動力が実際の定格以内に収まる範囲内において最大限に上限周波数を大きくすることができる。
また本実施の形態によれば、上述したように上限周波数演算部123の演算によって実際の定格動力に即して電動機70の回転数の可変制御範囲の上限値を制御することが可能である
なお、本実施の形態において、制御装置120はインバータを制御する制御手段を構成する。
次に、本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第の実施の形態を図12を参照しつつ説明する。本実施の形態は、電動機の回転数が許容される最大回転数である場合に、圧縮機の回転数が許容される最大回転数となるようにしたものである。
12は、本実施の形態の無給油式スクリュー圧縮機を構成する制御装置120の制御機能を表す機能ブロック図である。なお、この図12において、前述の第の実施の形態における図10と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。また、この図12においては、インバータ75から電動機70に出力される出力(指令)周波数をFM、増速装置を介して増速された圧縮機本体55の回転数をFHとして示している。
本実施の形態における制御装置120の制御機能は前述の第の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
12において、125は前述したようにギヤ、プーリ及びベルトを総称した増速装置であり、所定の増速比が設定されている。本実施の形態においては、この増速装置125の増速比を、インバータ75から電動機70へ出力される出力周波数FMが最大値FMmaxである場合に、圧縮機本体55の回転数FHが最大値FHmaxとなるような増速比(すなわち、FHmax/FMmax)とする。なお、上記最大値FMmaxは電動機70が許容可能な許容最大回転数となるときのインバータ75から電動機70へ出力される出力周波数であり、最大値FHmaxは圧縮機本体55が許容可能な許容最大回転数である。
このように構成される本実施の形態によれば、例えば増速装置125の増速比が大きい場合には、電動機70の回転数を増大させる際に上限値まで増大する前に圧縮機本体55の回転数FHが最大値FHmaxとなり電動機回転数が制限されてしまったり、反対に増速比が小さい場合には電動機70の回転数制御幅に対して圧縮機本体55の回転数制御幅が小さくなってしまうのに対し、このような事態を防止することができる。すなわち、電動機70の回転数制御幅を小さくすることなく且つ圧縮機本体55の回転数制御幅を最大限に活かせるように、電動機70の回転数の可変制御範囲の上限値を制御することが可能である。
なお、本実施の形態において、増速装置125は請求項記載の増速手段を構成する。また、最大値FHmaxは請求項記載の圧縮機本体の許容可能な第1の許容最大回転数に相当し、最大値FMmaxは同じく請求項記載の電動機の許容可能な第2の許容最大回転数に相当するものである。
本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第1の実施の形態の全体機器構成及び圧縮空気、オイル、冷却水、冷却空気の流れを示すフロー図である。 本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第1の実施の形態を構成する制御装置の制御機能を表す機能ブロック図である。 本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第1の実施の形態における吐出圧力とインバータから電動機に出力される周波数の可変制御範囲の上限値との関係を示した図である。 本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第2の実施の形態の全体機器構成及び圧縮空気、オイル、冷却水、冷却空気の流れを示すフロー図である。 本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第2の実施の形態を構成する制御装置の制御機能を表す機能ブロック図である。 本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第2の実施の形態における吐出圧力とインバータから電動機に出力される周波数の可変制御範囲との関係を示した図である。 本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第3の実施の形態を構成する制御装置の制御機能を表す機能ブロック図である。 本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第4の実施の形態を構成する制御装置の制御機能を表す機能ブロック図である。 本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第5の実施の形態の全体機器構成及び圧縮空気、オイル、冷却水、冷却空気の流れを示すフロー図である 発明の無給油式スクリュー圧縮機の第の実施の形態を構成する制御装置の制御機能を表す機能ブロック図である。 本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第の実施の形態における吐出圧力とインバータから電動機に出力される周波数の可変制御範囲の上限値との関係を示した図である。 本発明の無給油式スクリュー圧縮機の第の実施の形態を構成する制御装置の制御機能を表す機能ブロック図である。
符号の説明
1 1段圧縮機本体(圧縮機本体)
2 2段圧縮機本体(圧縮機本体)
7 吸込み絞り弁
25 電動機
30 インバータ
31 制御装置(制御手段)
43 圧力センサ(圧力検出手段)
55 圧縮機本体
57 吸込み絞り弁
70 電動機
75 インバータ
76 制御装置(制御手段)
88 圧力センサ(圧力検出手段)
89 放気弁
89’ 放気弁
100 制御装置(制御手段)
100’ 制御装置(制御手段)
105 制御装置(制御手段)
120 制御装置(制御手段)
125 増速装置(増速手段)

Claims (4)

  1. 無給油状態で空気を圧縮する圧縮機本体と、
    この圧縮機本体を駆動する電動機と、
    この電動機の回転数を可変に制御するインバータと、
    前記圧縮機本体の吐出圧力を検出する圧力検出手段と
    記電動機の回転数の可変制御範囲が運転中に自動的に変更されるように前記インバータを制御する制御手段とを備え
    前記制御手段は、前記圧力検出手段で検出した吐出圧力が最低設定圧力以下である場合、前記電動機の回転数の可変制御範囲の上限値として最高上限周波数を前記インバータに出力し、前記圧力検出手段で検出した吐出圧力が最低設定圧力から最高設定圧力までの範囲にある場合、前記圧力検出手段で検出した吐出圧力における最高設定圧力から最低設定圧力までの減少に応じて前記電動機の回転数の可変制御範囲の上限値を最低上限周波数から最高上限周波数まで増加するように演算し、その演算値を前記インバータに出力しており、
    前記最高上限周波数は、対応する前記圧縮機本体の回転数が前記圧縮機本体の許容可能な第1の許容最大回転数以下となり、且つ対応する前記電動機の回転数が前記電動機の許容可能な第2の許容最大回転数以下となるように設定されたことを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。
  2. 請求項1記載の無給油式スクリュー圧縮機において、前記電動機と前記圧縮機本体との間に設けられ、前記電動機の回転数が前記第2の許容最大回転数であるときに前記圧縮機本体の回転数が前記第1の許容最大回転数となるように増速比が設定された増速手段をさらに備えることを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。
  3. 請求項1又は2記載の無給油式スクリュー圧縮機において、前記制御手段は、前記圧力検出手段で検出した吐出圧力又は前記圧縮機本体から吐出される圧縮空気の温度に応じて前記電動機の回転数の可変制御範囲の下限値が運転中に自動的に変更されるように、前記インバータを制御することを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。
  4. 無給油状態で空気を圧縮する圧縮機本体と、
    この圧縮機本体を駆動する電動機と、
    この電動機の回転数を可変に制御するインバータと、
    前記圧縮機本体の吐出圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記電動機の回転数の可変制御範囲が運転中に自動的に変更されるように前記インバータを制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記圧力検出手段で検出した吐出圧力が最低設定圧力以下である場合、前記電動機の回転数の可変制御範囲の上限値として最高上限周波数を前記インバータに出力し、前記圧力検出手段で検出した吐出圧力が最低設定圧力から最高設定圧力までの範囲にある場合、前記圧力検出手段で検出した吐出圧力における最高設定圧力から最低設定圧力までの減少に応じて前記電動機の回転数の可変制御範囲の上限値を最低上限周波数から最高上限周波数まで増加するように演算し、その演算値を前記インバータに出力する上限周波数演算部と、
    前記圧力検出手段で検出した吐出圧力又は前記圧縮機本体から吐出される圧縮空気の温度に応じて最高下限周波数を演算し、その演算値を前記インバータに出力する下限周波数演算部とを有することを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。
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