JP2008144058A - 共重合体ラテックスおよび紙塗工剤 - Google Patents

共重合体ラテックスおよび紙塗工剤 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な塗工作業性を有すると共に、ピック強度、湿潤ピック強度、着肉性の良好な塗工紙を実現し得る、共重合体ラテックス等を提供する。
【解決手段】共役ジエン系単量体を20〜80質量部、エチレン系不飽和カルボン酸単量体を0.5〜6質量部、及び他の単量体を14〜79.5質量部、を合計で100質量部となるように用い、乳化重合を行なうことによって得られる乳化重合体と、下記一般式で示されるエステル化合物を前記原料単量体の総量100質量部に対して0.01〜4質量部と、核置換α−アルキルスチレン多量体を前記原料単量体の総量100質量部に対して0.1〜5質量部とを含むことを特徴とする共重合体ラテックス。
【化1】
Figure 2008144058

(式中、R,R’はそれぞれ独立に、炭素数10〜22のアルキル基またはアルケニル基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、紙塗工における顔料バインダー、カーペットバッキング剤、接着剤、粘着剤、繊維結合剤および塗料などに好ましく用いられる共重合体ラテックス等に関する。更に詳しくは、例えば、塗工作業性が良好であり、ピック強度、湿潤ピック強度、及び着肉性に優れた塗工紙を与え得る共重合体ラテックス等に関する。
塗工紙は、紙の印刷適性の向上および光沢などの光学特性の向上を目的として、抄造された原紙表面に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、サチンホワイト、タルク、酸化チタンなどの顔料と、それら顔料のバインダーとしての共重合体ラテックスと、粘度調整剤あるいは補助バインダーとしての水溶性高分子(スターチ、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなど)とを主構成成分とする紙塗工用組成物(紙塗工剤)が塗工されて形成されているものである。
ここで、バインダーとしての共重合体ラテックスとしては、従来からスチレンとブタジエンを主要モノマー成分として乳化重合により形成されたスチレン−ブタジエン系共重合体ラテックス、いわゆるSB系ラテックスが汎用的に用いられている。
近年、カラー印刷された雑誌類やパンフレット、広告類の需要の拡大に伴って印刷速度の高速化が進められており、塗工紙および顔料バインダーに対する要求水準はますます高度化している。その中でも、インクピック抵抗性、いわゆるドライピック強度(以下、単に「ピック強度」と略記することがある)と、湿し水の存在下に印刷を行う時に重要となる、水を塗布した時のインクピック抵抗性である湿潤ピック強度の向上とが求められている。
また、塗工紙を製造するライン速度も高速化しており、紙塗工剤については、塗工操業性の中でもカレンダーロール汚れ、およびバッキングロール汚れに対する抵抗性の向上が求められている。カレンダーロール汚れに対する抵抗性はラテックスフィルムのドライベタツキ性と強く相関し、バッキングロール汚れに対する抵抗性はラテックスフィルムの湿潤時ベタツキ性と強く相関することが知られている。
このような事情のもと、特許文献1(特開平10−007706号公報)には、乳化剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩とアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩とを併用し、数平均粒子径100nm以下の共重合体ラテックスを得ることにより、高いピック強度を得る方法が提案されている。
また、特許文献2(特開平07−316212号公報)には、特定の単量体組成の単量体をα−メチルスチレンダイマーの存在下で乳化重合するに際し、一段目と二段目に用いる水の量をある一定範囲に設定して数平均粒子径を60〜160nmの範囲にすることにより、ピック強度と湿潤ピック強度を向上させる方法が提案されている。
更に、特許文献3(特開2006−169671号公報)においては、特定のエステル化合物を共重合体ラテックスに添加、もしくは粒子内に存在させることにより、接着強度を維持したままバッキングロール汚れに対する耐性を向上させる方法が提案されている。
特開平10−007706号公報 特開平07−316212号公報 特開2006−169671号公報
ここで、印刷速度が高速化している状況下においては、湿潤時のインクの転写性である着肉性についても、紙塗工剤に要求される他の特性とバランス良く両立させることが望まれる。
しかしながら、特許文献1に記載の方法においては、比較的アルキルベンゼンスルホン酸塩の使用量が多いため耐水性が低下し、良好な湿潤ピック強度が得られない場合がある。特許文献2に記載の方法においては、塗工作業性の観点からなお改善の余地がある。また、特許文献3に記載の方法においては、湿潤ピック強度或いは塗工作業性の観点からなお改善の余地がある。更に、上記いずれの文献においても、紙塗工剤に要求される各種特性をバランス良く満たし得る共重合体ラテックスを実現する観点からは、なお改善の余地があった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、例えば、良好な塗工作業性を有すると共に、ピック強度、湿潤ピック強度、着肉性の良好な塗工紙を実現し得る、共重合体ラテックス等を提供することを課題とする。
本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の原料単量体を用いてなる乳化重合体と、特定のエステル化合物と、核置換α−アルキルスチレン多量体とを含む共重合体ラテックスが、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、以下の共重合体ラテックスおよび紙塗工剤を提供する。
[1]原料単量体として、(a)成分:共役ジエン系単量体を20〜80質量部、(b)成分:エチレン系不飽和カルボン酸単量体を0.5〜6質量部、及び(c)成分:前記(a)成分又は(b)成分と共重合可能な他の単量体を14〜79.5質量部、を合計で100質量部となるように用い、乳化重合を行なうことによって得られる乳化重合体と、
(イ)成分:下記一般式で示されるエステル化合物を前記原料単量体の総量100質量部に対して0.01〜4質量部と、
(ロ)成分:核置換α−アルキルスチレン多量体を前記原料単量体の総量100質量部に対して0.1〜5質量部と
を含むことを特徴とする共重合体ラテックス。
Figure 2008144058
(式中、R,R’はそれぞれ独立に、炭素数10〜22のアルキル基またはアルケニル基である。)
[2]前記乳化重合は、少なくとも2以上の工程において前記原料単量体を逐次添加する逐次重合であると共に、当該2以上の工程のうち最終工程において添加される原料単量体中に占める(a)成分の割合が、当該最終工程以前の各工程において添加される原料単量体中に占める(a)成分の割合よりも小さい[1]記載の共重合体ラテックス。
[3]前記原料単量体の総量に占める(a)成分の割合が40〜60質量%であると共に、前記最終工程において添加される原料単量体中に占める(a)成分の割合が25〜45質量%である[2]記載の共重合体ラテックス。
[4]アクリル酸が前記原料単量体に含まれると共に、当該アクリル酸が残存モノマー成分として50〜3500ppmの割合で含まれる請求項1,2又は3記載の共重合体ラテックス。
[5][1]から[4]のいずれかに記載の共重合体ラテックスを含む紙塗工剤。
本発明によれば、例えば、良好な塗工作業性を有すると共に、ピック強度、湿潤ピック強度、着肉性の良好な塗工紙を実現し得る、共重合体ラテックスを提供し得る。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態の共重合体ラテックスは、以下の(a)〜(c)の各成分、
(a)共役ジエン系単量体、
(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体、
(c)前記(a)成分又は(b)成分と共重合可能な他の単量体、
を原料単量体として用い、乳化重合を行なうことによって得られる乳化重合体を含むものである。
前記(a)成分は、得られる共重合体ラテックスの柔軟性を向上させたり、接着力、衝撃吸収性を向上させたりすることができる。
前記(a)成分の使用量としては、本実施の形態の製造方法の全工程を通じて使用される原料単量体の総量(以下、「原料単量体の総量」と略記することがある。)を100質量部とした場合において、当該100質量部中の20〜80質量部、好ましくは25〜70質量部、さらに好ましくは28〜60質量部である。使用量を20質量部以上とすることにより、共重合体に良好な耐衝撃性や、良好な接着強度を与えることが可能となる。また、80質量部以下とすることにより、共重合体がやわらかくなりすぎて接着力が低下したり塗工操業性が低下したりするのを防止することができる。
前記(a)成分としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどがあげられ、これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記(b)成分は、得られる共重合体ラテックスの分散安定性を向上させたり、接着力を高めたりすることができる。
前記(b)成分の使用量としては、原料単量体の総量を100質量部とした場合において、当該100質量部中の0.5〜6質量部、好ましくは0.8〜5.5質量部、さらに好ましくは1〜5質量部である。使用量を0.5質量部以上とすることにより、顔料混和時および塗工工程において必要な分散安定性を維持する事ができる。また、6質量部以下とすることにより、共重合体ラテックスの粘度を抑え、かつ耐水性も維持する事ができる。
本実施の形態における(b)成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等が挙げられ、これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、(b)成分にアクリル酸が含まれることが好ましい。また、二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体と、アクリル酸とを併用することが好ましい。二塩基性エチレン系不飽和カルボン酸単量体と、アクリル酸とを併用することにより、必要なピック強度を維持しつつ、操業性を向上させる事ができる。
前記(c)成分は、得られる共重合体ラテックスに様々な特性を付与し得る。
前記(c)成分の使用量としては、原料単量体の総量を100質量部とした場合において、当該100質量部中の14〜79.5質量部、好ましくは20〜70質量部である。
前記(c)成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル単量体;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸アルキルエステル類;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸アルキルエステル類;
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのヒドロキシアルキルエステル類;
アクリル酸アミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチルなどのアミノアルキルエステル類;
2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジンなどのピリジン類;
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどのグリシジルエステル類;
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、グリシジルメタクリルアミド、N,N−ブトキシメチルアクリルアミドなどのアミド類;
酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;
塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、などがあげられる。これらは1種を単独で、または2種以上が組み合わせて用いられる。
また、本実施の形態の共重合体ラテックスは、上記(a)〜(c)成分を原料単量体として用い乳化重合を行なうことによって得られる乳化重合体と、以下の(イ),(ロ)の各成分、
(イ)上記一般式で示されるエステル化合物、
(ロ)核置換α−アルキルスチレン多量体
を含むものである。
前記(イ)成分の使用量としては、前記原料単量体の総量100質量部に対して0.01〜4質量部、好ましくは0.01〜3質量部、より好ましくは0.1〜2質量部である。0.01質量部以上用いることによって塗工操業性を向上させることができ、また使用量を4質量部以下とすることにより塗工紙の良好な接着強度、および良好な着肉性を実現し得る。
前記(イ)成分(「エステル化合物(イ)」と表記することがある)を示す一般式中、式中、R,R’はそれぞれ独立に、炭素数10〜22、好ましくは11〜21、より好ましくは11〜20のアルキル基またはアルケニル基である。このようなR,R’を用いることにより、操業上の取り扱いの簡便性と物性のバランスを両立できる。
前記Rとしてより具体的には、例えば炭素数10〜22である飽和または不飽和カルボン酸からカルボニル基を除いた残基を挙げることができる。このような飽和または不飽和カルボン酸としては、例えば、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ヘンコサン酸、ドコサン酸等の飽和脂肪酸;
ブテン酸、ペンテン酸、ヘキセン酸、ヘプテン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、オクタデセン酸、ガドレン酸およびエルカ酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸などの不飽和脂肪酸;
イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸など上記の飽和または不飽和脂肪酸の構造異性体である脂肪酸等、が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。これらの脂肪酸の中でも、直鎖飽和脂肪酸が反応性の観点から好ましい。
一方、前記R’としてより具体的には、例えば炭素数10〜22である飽和または不飽和アルコールから水酸基を除いた残基を挙げることができる。このような飽和または不飽和アルコールとしては、例えば、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、イコシルアルコール、ヘンコシルアルコール、ベヘニルアルコール等の飽和脂肪族アルコール;
デセノール、ウンデセノール、ドデセノール、トリデセノール、テトラデセノール、ペンタデセノール、ヘキサデセノール、ヘプタデセノール、オクタデセノールノナデセノール、イコセノールなどの不飽和アルコール;
イソトリデシルアルコール、sec−トリデシルアルコール、イソステアリルアルコール、2−オクタデセニルアルコールなどの上記飽和および不飽和脂肪族アルコールの構造異性体であるアルコール類等、が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することができる。これらのアルコール中でも、飽和脂肪族アルコールが反応性の観点から好ましい。
本実施の形態において、前記(イ)成分を前記乳化重合体に添加する方法としては、種々の方法を用いることができる。このような方法としては、例えば、
(i)前記(イ)成分を水中に乳化分散させ、或いは前記(イ)成分を直接、前記乳化重合体の乳化分散体に添加する方法、
(ii)前記(イ)成分を前記(a)〜(c)成分の1種又は2種以上に溶解させて乳化重合を行なう方法、
(iii)前記(イ)成分を予め各種溶剤に溶解させ、原料単量体と共に乳化重合を行う方法、更には、
(iv)原料単量体と共に乳化重合して得た分散体(ラテックス中に(イ)成分を分散させたもの)を、前記乳化重合体に添加する方法、
等を挙げることができる。
中でも、得られる共重合体ラテックスの品質の観点から、(i)の方法を採用することが望ましい。なお、これらの方法は1種又は複数種を併用することも可能である。
前記(ロ)成分の使用量としては、前記原料単量体の総量100質量部に対して0.1〜5質量部、好ましくは0.1〜4.5質量部、より好ましくは0.2〜4.0質量部である。0.1質量部以上用いることにより良好なピック強度を実現し得る。一方、使用量を5質量部以下とすることにより重合安定性および塗工操業性を向上させ得る。
前記(ロ)成分に含まれるアルキル基としては、例えば、炭素数1〜12のアルキル基があげられ、操業上の観点からメチル基が好適に用いられる。また、前記(ロ)成分にいう多量体とは、少なくとも二量体以上であることを意味するものであるが、中でも二量体を用いることが、得られる共重合体ラテックスの物性の観点から好ましい。
前記(ロ)成分としてより具体的には、例えば、o−イソプロペニルトルエン、p−イソプロペニルトルエン、2,3−ジメチル−α−メチルスチレン 、2,4−ジメチル−α−メチルスチレン、3,4−ジメチル−α−メチルスチレン、p−イソプロピル−α−メチルスチレン、2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−α−メチルスチレン、o−クロル−α−メチルスチレン、m−クロル−α−メチルスチレン、p−クロル−α−メチルスチレン、2,5−ジクロル−α−メチルスチレン、3,4−4−ジクロル−α−メチルスチレン、3,5−ジクロル−α−メチルスチレン、3−クロル−2−メチル−α−メチルスチレン、4−クロル−3−メチル−α−メチルスチレン、3−ブロム−2−メチル−α−メチルスチレン、3−ブロム−4−メチル−α−メチルスチレン、3−フルオル−4−メチル−α−メチルスチレン、p−クロルメチル−α−メチルスチレン、2,6−ジメトキシ−α−メチルスチレン、p−(2−クロロエトキシ)−α−メチルスチレン、4−メチル−2−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−グリシジル−α−メチルスチレン、4−アセチル−α−メチルスチレン、p−メチルメルカプト−α−メチルスチレン、p−エチルメルカプト−α−メチルスチレンなどの二量体を挙げることができる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用することができる。
中でも、得られる塗工紙のピック強度の観点から、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、又は、これと2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテンとの混合物を用いることが好適である。特に、異性体混合物中の2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの比率が60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの比率が60質量%以上であれば操業性を低下することなく良好な接着強度を得ることができる。
上述の通り、本実施の形態においては、上記一般式で示されるエステル化合物(イ)と、核置換α−アルキルスチレン多量体((ロ)成分)とが併用される。ここで、竹下和弘、“紙コーティング用潤滑剤”平成10年度紙パルプ技術協会年次大会講演要旨集、紙パルプ技術協会、平成10年10月14〜16日、第451〜460頁の表1には、潤滑剤の種類と特徴及び欠点が挙げられている。そして、合成エステル系化合物(代表例:脂肪酸・アルコール系エステル。本実施の形態における前記(イ)成分に該当する)の欄における欠点として、添加量が多いと吸水インク着肉性が低下する旨、記載されている。即ち、当業者にとって前記(イ)成分は、着肉性の観点からは好ましくない成分であるものとして認識されていた。
しかしながら、本発明者らは、当該(イ)成分と前記(ロ)成分とを併用した場合、その詳細は詳らかではないものの、着肉性の低下が抑制されることを見出したものである。
本実施の形態における乳化重合においては上記各成分の他、乳化剤、ラジカル開始剤、連鎖移動剤、各種重合調整剤等を適宜配合し得る。
このような乳化剤としては、アニオン、カチオン、両性若しくは非イオン性の界面活性剤、又は反応性乳化剤を用いることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することも可能である。
好ましい界面活性剤の例としては、例えば、脂肪族セッケン、ロジン酸セッケン、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩などのアニオン性界面活性剤;
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマーなどのノニオン性界面活性剤、等があげられる。
また、乳化分散させるための乳化分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、その他の界面活性剤や両性界面活性剤などが挙げられる。このような乳化分散可能な各種分散は1種を単独、あるいは複数組み合わせて使用することが可能である。
上記ラジカル開始剤としては、例えば、熱または還元剤の存在下でラジカル分解して単量体の付加重合を開始させるものを用いることができる。また、ラジカル開始剤としては、無機系開始剤、有機系開始剤のいずれも使用することが可能である。
このようなラジカル開始剤として具体的には、例えば、ペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物などがある。より具体的には、例えば、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソニ硫酸ナトリウム、ペルオキソニ硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスブチロニトリル、クメンハイドロパーオキサイドなどがあげられる。これらは1種を単独、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸やその塩、エリソルビン酸やその塩、ロンガリットなどの還元剤を重合開始剤と組み合わせて用いる、いわゆるレドックス系開始剤を用いることもできる。
上記連鎖移動剤としては、ラジカル重合において通常用いられる公知の連鎖移動剤を用いることが併用可能である。好ましい例としては、例えば、n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタンなどのメルカプタン類;
テトラメチルチウラジウムジスルフィド、テトラエチルチウラジウムジスルフィドなどのジスルフィド類;
四塩化炭素、四臭化炭素などのハロゲン化誘導体;
2−エチルヘキシルチオグリコレート、等があげられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、連鎖移動剤の添加方法は、一括添加、回分添加、連続添加など公知の添加方法が用いられる。
上記重合調整剤としては、例えばpH調整剤、キレート剤などが挙げられる。pH調整剤の好ましい例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムなどがあげられ、キレート剤の好ましい例としてはエチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどがあげられる。
本実施の形態における乳化重合においては更に、必要に応じて各種添加剤を添加すること、あるいは他のラテックスを混合して用いることが可能である。このような添加剤としては、例えば、分散剤、消泡剤、老化防止剤、耐水化剤、殺菌剤、印刷適性向上剤などが挙げられる。また、アルカリ感応型ラテックス、プラスチック顔料などを混合して用いることもできる。
前記乳化重合を行う際の重合温度としては、通常0〜100℃であるが、生産効率と、得られる共重合体ラテックスの接着強度等の品質との観点から、40〜95℃の範囲が好ましい。
また、前記乳化重合において前記原料単量体を添加する方法については、特に制限は無く、一括添加(一括重合)、連続添加(連続重合)、あるいは分割添加(逐次重合)等、いずれの方法でも良い。中でも、接着強度とラテックスフィルムの湿潤時ベタツキ性を両立させる観点から、少なくとも2以上の工程において前記原料単量体を逐次添加する逐次重合であると共に、当該2以上の工程のうち最終工程において添加される原料単量体中に占める(a)成分の割合が、当該最終工程以前の各工程において添加される原料単量体中に占める(a)成分の割合よりも小さいことが好適である。
更に、ラテックスフィルムの湿潤時ベタツキ性に対するエステル化合物(イ)の効果を向上させる観点から、前記原料単量体の総量に占める(a)成分の割合が40〜60質量%であると共に、前記最終工程において添加される原料単量体中に占める(a)成分の割合が25〜45質量%であることが好適である。
なお、前記乳化重合においては、シード重合法を用いることも可能であり、外部シード法や内部シード法等、いずれの方法も採用し得る。
本実施の形態の共重合体ラテックス中に含有される、単量体としてのアクリル酸濃度としては、該共重合体ラテックス中の濃度として50〜3500ppmであり、好ましくは100〜3300ppm、より好ましくは200〜3000ppmである。この範囲に設定する事により、ピック強度、ラテックスフィルムの湿潤時ベタツキ性、および着肉性を良好なレベルに引き上げることができる。
本実施の形態の共重合体ラテックスは、例えば、最終製品としての固形分濃度として通常30〜60質量%の範囲に希釈もしくは濃縮されて調製される。
また、本実施の形態の共重合体ラテックスについて、そのガラス転移温度(Tg)としては、塗工紙用途における接着強度とラテックスフィルムの湿潤時ベタツキ性を両立させる観点から、−60℃〜+50℃の範囲にある事が一般的である。好ましくは−40℃〜+45℃、より好ましくは−30〜+40℃の範囲である。Tgは1種類の共重合体ラテックスおいて1点だけでなく、複数のTgを有していても良い。
なお、本実施の形態においてTgとは、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製示差走査熱量計(形式DSC6220)を用いて測定される値を意味する。
本実施の形態の共重合体ラテックスについて、その数平均粒子径としては、ピック強度と重合安定性を両立させる観点から、通常50nm〜150nm、好ましくは55nm〜140nm、より好ましくは60nm〜130nmである。
なお、本実施の形態において数平均粒子径とは、MICROTRAC社製粒度分析計(形式9230UPA)を用いて測定される値を意味する。
本実施の形態の紙塗工剤は、上述した本実施の形態の共重合体ラテックスを含むものである。また、当該紙塗工剤において、本実施の形態の共重合体ラテックスは顔料のバインダーとして用いることができる。
本実施の形態の共重合体ラテックスを紙塗工剤のバインダーとして用いる場合、例えば、分散剤を溶解させた水中に、以下のような各種添加剤とともに共重合体ラテックスを添加して混合し、均一な分散液とすることができる。このような各種添加剤としては、例えば、無機顔料(カオリンクレー、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク等)、プラスチックピグメントやバインダーピグメントとして知られる有機顔料、水溶性高分子(澱粉、カゼイン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等)、増粘剤、染料、消泡剤、防腐剤、耐水化剤、滑剤、印刷適性向上剤、保水剤、等を挙げることができる。
ここで、紙塗工剤を構成する顔料については、その数平均粒子径が小さいものを主として用いた場合に、特に顕著なピック強度、湿潤ピック強度が発現され得る。即ち、カオリンクレーについては、2μm以下の粒子が84質量%以上であるもの、炭酸カルシウムについては2μm以下の粒子が90質量%以上である顔料を用いることが好ましい。
紙塗工剤に含まれる共重合体ラテックスの使用量としては、紙塗工剤に含まれる顔料100質量部に対する配合量として、通常3〜30質量部である。
本実施の形態の紙塗工剤は、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコーターなどを用いる通常の方法によって原紙に塗工することができる。塗工形態も原紙に対し片面、又は表裏の両面に塗工されうるものであり、また片面当たりの塗工回数についても1回であるシングル塗工の他、2回の塗工工程を行ういわゆるダブル塗工に供する事もできる。この場合、本実施の形態の共重合体ラテックスは、その下塗り用としての顔料組成物(紙塗工剤)、及び上塗り用としての顔料組成物(紙塗工剤)のいずれにも用いる事ができる。
本実施の形態の紙塗工剤は、オフセット枚葉式印刷用紙、オフセット輪転式印刷用紙、グラビア式印刷用紙、凸版式印刷用紙等の各種印刷用紙及び板紙、ダンボール用紙、包装紙等に好的に用いられるが、特にオフセット枚葉式印刷用紙及びオフセット輪転印刷用紙に用いられる事が望ましい。
更に、本実施の形態の共重合体ラテックスは、紙のコーティング剤、カーペットバッキング剤、その他接着剤、各種塗料にも用いる事ができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施の形態をより具体的に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、各物性の評価は、下記の通りの方法で行った。
[実施例1]
表1に示した重合初期原料、および第一工程に記載の単量体および連鎖移動剤のうち15質量%の単量体混合物を撹拌装置と温度調節用ジャケットを取り付けた耐圧反応容器に入れ、内温を65℃に調節した。その後、ペルオキソ二硫酸ナトリウム0.8質量部を添加して重合を開始した。その15分後、第一工程に記載の単量体および連鎖移動剤のうち残りの85質量%の単量体混合物を3時間かけて反応器に添加し、ペルオキソ二硫酸ナトリウム添加30分後から、表1記載の水溶液を一定速度で第一工程終了まで添加した。第一工程終了と同時に、表1に示した第二工程に記載の単量体および連鎖移動剤を2時間かけて連続添加した。また、第二工程開始30分後から1時間かけて表1に示したイタコン酸を用いた15質量%水溶液を一定速度で連続的に添加した。単量体添加が終わって一時間後から一時間かけて95℃まで温度を上昇させ、その後40分間95℃で維持し、共重合体ラテックスを得た。得られたラテックスは、200メッシュ金網で濾過し、共重合体ラテックスに対して水酸化ナトリウム水溶液を添加する事でpHを7.5に調整した。スチームストリッピング法により未反応単量体を除去し、さらに濃縮後、水酸化ナトリウム水溶液を加え、この共重合体ラテックスに表1記載の量のエステル化合物(イ)(サンノプコ社製ASK7100)を添加後、最終的に固形分濃度50%、pH8に調整した。得られた共重合体ラテックスをラテックスAとした。ラテックスフィルムの物性、及び塗工紙物性を評価し、表3に記載した。
[実施例2、4、5、6、7、8]
表1記載の配合量をもって実施例1と同様の方法で重合を行い、ラテックスB、D、E、F、G、Hを得た。ラテックスフィルムの物性、及び塗工紙物性を評価し、表3に記載した。
[実施例3]
表1に示した重合初期原料、および第一工程に記載の単量体および連鎖移動剤のうち10質量%の単量体混合物を撹拌装置と温度調節用ジャケットを取り付けた耐圧反応容器に入れ、内温を65℃に調節した。その後、ペルオキソ二硫酸ナトリウム0.8質量部を添加して重合を開始した。その15分後、第一工程に記載の単量体および連鎖移動剤のうち残りの90質量%の単量体混合物を7時間かけて反応器に添加し、ペルオキソ二硫酸ナトリウム添加30分後から、表1記載の水溶液を一定速度で3時間かけて添加した。単量体添加が終わって一時間後から一時間かけて95℃まで温度を上昇させ、その後40分間95℃で維持し、共重合体ラテックスを得た。得られた共重合体ラテックスに実施例1と同様の処理を行うことによってラテックスCを得た。ラテックスフィルムの物性、及び塗工紙物性を評価し、表3に記載した。
[比較例1〜7]
表2記載の事項以外は、実施例1と同様の方法で重合を行い、ラテックスI、J、K、L、M、N、Oを得た。ラテックスフィルムの物性、及び塗工紙物性を評価し、表4に記載した。
Figure 2008144058
Figure 2008144058
Figure 2008144058
Figure 2008144058
ラテックスフィルムの調製
PETフィルムに得られた共重合体ラテックスをNO.18のワイヤーバーで塗布して130℃で30秒乾燥してラテックスフィルムを調製した。
塗工紙の調製
まず、共重合体ラテックスを除く以下の構成材料でマスターカラーを調製した。
微粒カオリンクレー:50質量部
粗粒カオリンクレー:10質量部
重質炭酸カルシウム(微粒):30質量部
重質炭酸カルシウム(粗粒):10質量部
ポリアクリル酸ナトリウム:0.2質量部
水酸化ナトリウム:0.1質量部
リン酸エステル化でんぷん:2.5質量部
水(塗工液の全固形分が68質量%となるように添加)
なお、微粒カオリンクレーとしては、ハイドラグロス90(米国、J.M.HUBER社製;粒子径2μm以下の割合=96質量%以上)、粗粒カオリンクレーとしては、ハイドラスパース(米国、J.M.HUBER社製;粒子径2μm以下の割合=80〜82質量%)、微粒重質炭酸カルシウムとしてはカービタル97(イメリスミネラルズ・ジャパン社製;粒子径2μm以下の割合=97質量%以上)、粗粒重質炭酸カルシウムとしてはカービタル75(イメリスミネラルズ・ジャパン社製;粒子径2μm以下の割合=75質量%)、ポリアクリル酸ナトリウムとしてはアロンT−40(東亞合成社製)およびリン酸エステル化でんぷんとしてはMS−4600(日本食品加工社製)をそれぞれ使用した。
このマスターカラーを目開き50μmの金属網に通過させて濾過した後、小分けし、各々のマスターカラーに、顔料100質量部当たり10質量部の割合で共重合体ラテックスを、及び最終固形分が64質量%になるよう水を、それぞれ添加し混合して塗工カラーを得た。
次いで、上記塗工カラーを塗工量が片面13g/mになるよう、坪量74g/mの塗工原紙にブレードコーターで塗工し、乾燥した。その後、ロール温度50℃、線圧147000N/mでスーパーカレンダー処理を行い、塗工紙を得た。得られた塗工紙を印刷試験に用いた。
評価
(1)共重合体ラテックス中に含有されるアクリル酸濃度の測定
固形分濃度が50質量%に調整された共重合体ラテックス1.5gを採取し、純水40gを添加して希釈する。次いでこの希釈された共重合体ラテックスに、硫酸バンド2gを添加・混合し、共重合体ラテックスの固形分を沈降させ、濾過して分離する。この操作で共重合体ラテックス中に含有されていた単量体としてのアクリル酸は、全て上澄み水溶液中に含まれる。液体クロマトグラフィー(島津製作所株式会社製LC−10AD型)を使用し、得られた上澄み水溶液中のアクリル酸単量体の濃度(ppm)を求めた。
(2)塗工紙物性(ピック強度)
RI印刷試験機(明製作所製)を用いて、印刷インク(ティーアンドケイ東華社製SDスーパーデラックス50紅B;タック18)0.4ccを重ね刷りし、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の台紙に裏取りし、その状態を観察した。評価は10点評価法とし、ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。
(3)塗工紙物性(湿潤ピック強度)
RI印刷試験機(明製作所製)を用いてスリーブロールで塗工紙表面に給水し、その直後に印刷インク(ティーアンドケイ東華社製SDスーパーデラックス50紅B;タック15)0.4cc1回刷りし、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の台紙に裏取りし、その状態を観察した。評価は10点評価法とし、ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。
(4)塗工紙物性(着肉性)
RI印刷試験機(明製作所製)を用いてロールで塗工紙表面に薄く水を塗布し、その直後に印刷インク(東洋インキ製造社製ハイエコー藍M)0.4cc1回刷りし、塗工紙へのインクの転移量を観察した。評価は10点評価法とし、インクの転移量の多いものほど高得点とした。
(5)ラテックスフィルムの物性(湿潤時ベタツキ性)
ラテックスフィルムを、30℃の水中に5秒間浸漬させた黒ラシャ紙と重ね合わせ、温度80℃、線圧19600N/mのスーパーカレンダーを通過させた後、黒ラシャ紙を剥離する。この黒ラシャ紙繊維のラテックスフィルムのベタツキによる転移状態を目視評価した。評価は10点評価法で行い、転移の少ないものほど高得点とした。
(6)ラテックスフィルムの物性(ドライベタツキ性)
ラテックスフィルムを、乾燥状態の黒ラシャ紙と重ね合わせ、温度80℃、線圧9800N/mのスーパーカレンダーを通過させた後、黒ラシャ紙を剥離する。この通過と剥離の工程を8回繰り返した後、この黒ラシャ紙繊維のラテックスフィルムのベタツキによる転移状態を目視評価した。評価は10点評価法で行い、転移の少ないものほど高得点とした。
表1〜3の記載内容から、本実施の形態の共重合体ラテックスについては、得られた共重合体ラテックスの湿潤時ベタツキ性、ドライベタツキ性が優れている。更に、本実施の形態の共重合体ラテックスを使用した場合、塗工紙のピック強度、湿潤ピック強度、着肉はいずれも高いレベルにあった。
また、実施例7と比較例6の比較より明らかなように、使用する共役ジエン系単量体の使用量が共重合体混合物100質量部あたり40〜60質量%の範囲に入らない共重合体ラテックスについては、エステル化合物(イ)を添加する事による各種物性の向上効果が、共役ジエン系単量体の使用量が共重合体混合物100質量部あたり40〜60質量%の範囲に入る共重合体ラテックスにおけるエステル化合物(イ)の添加の効果に比べて小さくなった。
本発明によって得られる共重合体ラテックスは、紙塗工における顔料バインダー、カーペットバッキング剤、接着剤、繊維結合剤および塗料などに好ましく用いられる。更に、本発明で得られる共重合体ラテックスは、例えば、紙塗工工程における操業性の中でも特にバッキングロール汚れ適性に関わる操業性に優れ、かつ高いピック強度、湿潤ピック強度、および着肉性を持つ塗工紙を与え得るため、印刷用塗工紙分野で好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 原料単量体として、(a)成分:共役ジエン系単量体を20〜80質量部、(b)成分:エチレン系不飽和カルボン酸単量体を0.5〜6質量部、及び(c)成分:前記(a)成分又は(b)成分と共重合可能な他の単量体を14〜79.5質量部、を合計で100質量部となるように用い、乳化重合を行なうことによって得られる乳化重合体と、
    (イ)成分:下記一般式で示されるエステル化合物を前記原料単量体の総量100質量部に対して0.01〜4質量部と、
    (ロ)成分:核置換α−アルキルスチレン多量体を前記原料単量体の総量100質量部に対して0.1〜5質量部と
    を含むことを特徴とする共重合体ラテックス。
    Figure 2008144058
    (式中、R,R’はそれぞれ独立に、炭素数10〜22のアルキル基またはアルケニル基である。)
  2. 前記乳化重合は、少なくとも2以上の工程において前記原料単量体を逐次添加する逐次重合であると共に、当該2以上の工程のうち最終工程において添加される原料単量体中に占める(a)成分の割合が、当該最終工程以前の各工程において添加される原料単量体中に占める(a)成分の割合よりも小さい請求項1記載の共重合体ラテックス。
  3. 前記原料単量体の総量に占める(a)成分の割合が40〜60質量%であると共に、前記最終工程において添加される原料単量体中に占める(a)成分の割合が25〜45質量%である請求項2記載の共重合体ラテックス。
  4. アクリル酸が前記原料単量体に含まれると共に、当該アクリル酸が残存モノマー成分として50〜3500ppmの割合で含まれる請求項1,2又は3記載の共重合体ラテックス。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の共重合体ラテックスを含む紙塗工剤。
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