JP2008143169A - グラビア製版ロール及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、毒性がなくかつ公害発生の心配も皆無な表面強化被覆層を具備するとともに耐刷力に優れた新規なグラビア製版ロール及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
版母材と、該版母材の表面に設けられかつ表面に多数のグラビアセルが形成された銅めっき層と、該銅めっき層の表面を被覆する3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層と、を含み、前記3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層を過熱水蒸気によって加熱処理することによってその硬度を向上させてなるようにした。
【選択図】図1
本発明は、毒性がなくかつ公害発生の心配も皆無な表面強化被覆層を具備するとともに耐刷力に優れた新規なグラビア製版ロール及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
版母材と、該版母材の表面に設けられかつ表面に多数のグラビアセルが形成された銅めっき層と、該銅めっき層の表面を被覆する3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層と、を含み、前記3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層を過熱水蒸気によって加熱処理することによってその硬度を向上させてなるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、6価クロムめっき液を用いることなく、充分な強度を有する表面強化被覆層を具備することができるようにしたグラビア製版ロール及びその製造方法に関し、特に六価クロムめっき液から得られるクロムめっき層の代替として3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層を設けるようにしたグラビア製版ロール及びその製造方法に関する。
グラビア印刷では、版母材に対し、製版情報に応じた微小な凹部(グラビアセル)を形成して版面を製作し当該グラビアセルにインキを充填して被印刷物に転写するものである。一般的なグラビア製版ロールにおいては、アルミニウムや鉄などの金属製中空ロール(版母材)又はCFRP(炭素繊維強化プラスチックス)等のプラスチック製中空ロール(版母材)の表面に版面形成用の銅めっき層(版材)を設け、該銅めっき層にエッチング法又は電子彫刻法によって製版情報に応じ多数の微小な凹部(グラビアセル)を形成し、次いでグラビア製版ロールの耐刷力を増すための六価クロムめっき液から得られるクロムめっき層によって硬質の層を形成して表面強化被覆層とし、製版(版面の製作)が完了する。しかし、クロムめっき工程においては毒性の高い6価クロムめっき液を用いているために、作業の安全維持を図るために余分なコストがかかる他、公害発生の問題もあり、6価クロム層に替わる表面強化被覆層の出現が待望されているのが現状である。
六価クロムめっき液から得られるクロムめっき層に替わるめっき方法としては、3価クロムめっき液によってクロムめっき層を形成する方法があり、下記に示す特許文献1〜4等の文献が知られている。
特開昭56−112493号
特開平9−95793号
特開2002−322599号
特開2006−249518号
本発明者らは、上記した従来技術の問題点に鑑み、六価クロムめっき液から得られるクロムめっき層形成方法に替わる新規なめっき方法を開発すべく種々のめっき溶液をあらたに調製して多数の実験を重ねた結果、3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層が有力な六価クロムめっき液から得られるクロムめっき層代替めっきとなりうると考えて研究を進めたところ、得られた3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層の強度が十分ではなく、その硬度を向上をすべく種々研究を重ねた結果、過熱水蒸気による加熱処理を利用することによって、従来の六価クロムめっき液から得られるクロムめっき層に匹敵する硬度を有しかつ毒性はなく公害発生の心配も全くない表面強化被覆層を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、毒性がなくかつ公害発生の心配も皆無な表面強化被覆層を具備するとともに耐刷力に優れた新規なグラビア製版ロール及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のグラビア製版ロールは、版母材と、該版母材の表面に設けられかつ表面に多数のグラビアセルが形成された銅めっき層と、該銅めっき層の表面を被覆する3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層と、を含み、前記3価クロムめっき層を過熱水蒸気によって加熱処理することによってその硬度を向上させてなることを特徴とする。
本発明のグラビア製版ロールの製造方法は、版母材を準備する工程と、該版母材の表面に銅めっき層を形成する銅めっき工程と、該銅めっき層の表面に多数のグラビアセルを形成するグラビアセル形成工程と、該グラビアセルが形成された銅めっき層の表面に3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層を形成するクロムめっき工程と、前記3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層を過熱水蒸気によって加熱処理する加熱処理工程とを含むことを特徴とする。
前記加熱処理された3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層の表面を冷水又は温水で洗浄する工程をさらに含むことによって、3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層の硬度をさらに向上させることができる。冷水は常温水を用いればよく、温水は40℃〜100℃程度の加熱水を用いればよい。洗浄時間は30秒〜10分程度で十分である。
前記過熱水蒸気による加熱処理の条件を100℃を超え400℃以下、1分〜1時間とするのが好ましい。
本発明のグラビア製版ロールにおいては、前記銅めっき層の厚さが50〜200μm、前記グラビアセルの深度が5〜150μm、及び前記3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層の厚さが0.1〜15μmであるのが好適である。
前記グラビアセルの形成は、エッチング法又は電子彫刻法によって行えばよいが、エッチング法が好適である。ここでエッチング法は版母材の銅めっき層に感光液を塗布して直接焼き付けた後、エッチングしてグラビアセルを形成する方法である。電子彫刻法は、デジタル信号によりダイヤモンド彫刻針を機械的に作動させ版母材の銅めっき層表面にグラビアセルを彫刻する方法である。
本発明のグラビア製版ロールによれば、表面強化被覆層として過熱水蒸気によって加熱処理した3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層を用いることにより、六価クロムめっき液から得られるクロムめっき層工程を省略することができるので、毒性の高い6価クロムを用いることがなくなり、作業の安全性を図るための余分なコストが不要で、公害発生の心配も全くなく、しかも過熱水蒸気によって加熱処理した3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層は六価クロムめっき液から得られるクロムめっき層に匹敵する強度を有し耐刷力にも優れるという大きな効果を奏するものである。本発明のグラビア製版ロールの製造方法によれば、本発明のグラビア製版ロールを公害発生の心配も全くなく有効に製造できるものである。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、これら実施の形態は例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
本発明のグラビア製版ロールの製造方法について図1及び図2を用いて説明する。図1は本発明のグラビア製版ロールの製造工程を模式的に示す説明図で、(a)は版母材の全体断面図、(b)は版母材の表面に銅めっき層を形成した状態を示す部分拡大断面図、(c)は版母材の銅めっき層にグラビアセルを形成した状態を示す部分拡大断面図、(d)は版母材の銅めっき層表面に3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層を形成した状態を示す部分拡大断面図、及び(e)は3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層を過熱水蒸気による加熱処理によってその硬度を向上させた状態を示す部分拡大断面図である。図2は本発明のグラビア製版ロールの製造方法を示すフローチャートである。
図1(a)において、符号10は版母材で、アルミニウムや鉄などの金属製中空ロール又はCFRP(炭素繊維強化プラスチックス)等のプラスチック製中空ロールが用いられる(図2のステップ100)。該版母材10の表面には銅めっき処理によって銅めっき層12が形成される(図1(b)及び図2のステップ102)。
該銅めっき層12の表面には多数の微小な凹部(グラビアセル)14が形成される(図1(c)及び図2のステップ104)。グラビアセル14の形成方法としては、エッチング法(版胴面に感光液を塗布して直接焼き付けた後、エッチングしてグラビアセル14を形成する)や電子彫刻法(デジタル信号によりダイヤモンド彫刻針を機械的に作動させ銅表面にグラビアセル14を彫刻する)等の公知の方法を用いることができるが、エッチング法が好適である。
次に、前記グラビアセル14を形成した銅めっき層12(グラビアセル14を含む)の表面に3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層16を形成する(図1(d)及び図2のステップ106)。3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層16の形成方法としては、公知の3価クロムめっき法が適用される。
続いて、前記3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層16に対して過熱水蒸気による加熱処理を行うことにより硬度の向上した3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層18とする(図1(e)及び図2のステップ108)。
上記硬度の向上した3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層18を表面強化被覆層として作用させることによって、毒性がなくかつ公害発生の心配も皆無となるとともに耐刷力に優れたグラビア製版ロール10aを得ることができる。
前記銅めっき層の厚さが50〜200μm、前記グラビアセルの深度が5〜150μm、前記3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層の厚さが0.1〜15μmであることが好適である。前記3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層の厚さとしては、さらに好ましくは1〜10μm、最も好ましくは3〜10μmである。
この3価クロムめっき層16は光輝性及び高反射性を有し、析出した状態でビッカース硬度700〜850の範囲の硬度を有し、過熱水蒸気による加熱処理をするとビッカース硬度900〜1100の硬度を有する。この過熱水蒸気による加熱処理は100℃を超え400℃以下で1分〜1時間程度行えばよい。過熱水蒸気による加熱処理を行った3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層はマイクロクラックが発生し、六価クロムめっき液から得られるクロムめっき層の代替品になることができる利点がある。
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
(実施例1)
円周760mm、面長1100mm、面積83.6dm2の版母材(アルミ中空ロール)について、ブーメランライン(株式会社シンク・ラボラトリー製グラビア製版ロール製造装置)を用いて下記する銅めっき層の形成及びエッチング処理までを行った。まず、版母材(アルミ中空ロール)をめっき槽に装着し、陽極室をコンピューターシステムによる自動スライド装置で20mmまで中空ロールに近接させ、めっき溶液をオーバーフローさせ、中空ロールを全没させて18A/dm2、6.0Vで80μmの銅めっき層を形成した。めっき時間は20分、めっき表面はブツやピットの発生がなく、均一な銅めっき層を得た。この銅めっき層の表面を4H研磨機(株式会社シンク・ラボラトリー製研磨機)を用いて12分間研磨して当該銅めっき層の表面を均一な研磨面とした。
円周760mm、面長1100mm、面積83.6dm2の版母材(アルミ中空ロール)について、ブーメランライン(株式会社シンク・ラボラトリー製グラビア製版ロール製造装置)を用いて下記する銅めっき層の形成及びエッチング処理までを行った。まず、版母材(アルミ中空ロール)をめっき槽に装着し、陽極室をコンピューターシステムによる自動スライド装置で20mmまで中空ロールに近接させ、めっき溶液をオーバーフローさせ、中空ロールを全没させて18A/dm2、6.0Vで80μmの銅めっき層を形成した。めっき時間は20分、めっき表面はブツやピットの発生がなく、均一な銅めっき層を得た。この銅めっき層の表面を4H研磨機(株式会社シンク・ラボラトリー製研磨機)を用いて12分間研磨して当該銅めっき層の表面を均一な研磨面とした。
上記形成した銅めっき層に感光膜(サーマルレジスト:TSER−2104E4)を塗布(フオンテインコーター)、乾燥した。得られた感光膜の膜厚は膜厚計(FILLMETRICS社製F20、松下テクノトレーデイング社販売)で計ったところ、4μmであった。ついで、画像をレーザー露光し現像した。上記レーザー露光は、Laser Stream FXを用い露光条件5分/m2/10Wで所定のパターン露光を行った。また、上記現像は、TLD現像液(株式会社シンク・ラボラトリー製現像液)を用い、現像液希釈比率(原液1:水7)で、24℃60秒間行い、所定のパターンを形成した。このパターンを乾燥(バーニング)してレジスト画像を形成した。
さらに、シリンダーエッチングを行ってグラビアセルからなる画像を彫り込み、その後レジスト画像を取り除くことにより印刷版を形成した。このとき、グラビアセルの深度を12μmとしてシリンダーを作製した。上記エッチングは、銅濃度60g/L、塩酸濃度35g/L、温度37℃、時間70秒の条件でスプレー方式によって行った。
上記したシリンダー印刷版に対して下記のめっき液を準備した。
塩化クロム(III):200〜300g/L
グリシン:40〜60g/L
ホウ酸:20〜40g/L
塩化アンモン:100〜150g/L
残部:水
浴温度:40〜60℃
pH:2〜3
陰極電流密度:30〜50A/dm2
陽極:カーボン、チタン白金、チタン酸イリジウム
塩化クロム(III):200〜300g/L
グリシン:40〜60g/L
ホウ酸:20〜40g/L
塩化アンモン:100〜150g/L
残部:水
浴温度:40〜60℃
pH:2〜3
陰極電流密度:30〜50A/dm2
陽極:カーボン、チタン白金、チタン酸イリジウム
上記めっき液を用い、上記したシリンダー印刷版に対して温度50℃、pH2.0、30A/dm2で40分めっきしてグラビアシリンダーを作製した。このグラビアシリンダーの表面には光沢あるクロムめっき層が約10μm得られた。このクロムめっき層の硬度は780HV(ビッカース硬度)であった。このクロムめっき層を過熱水蒸気で250℃、RH100%、10分加熱処理したところクロムめっき層の硬度は900HVとなった。最終的に硬度の高いクロムめっき層からなる表面強化被覆層を具備したグラビア製版ロールを得た。
さらに、作成された上記グラビア製版ロールに対して印刷インキとしてシアンインキザーンカップ粘度18秒(サカタインクス社製水性インクスーパーラミピュア藍800PR−5)を適用しOPP(Oriented Polypropylene Film:2軸延伸ポリプロピレンフィルム)を用いて印刷テスト(印刷速度:120m/分)を行った。得られた印刷物は版カブリがなく、50,000mの長さまで印刷できた。パターンの精度は変化がなかった。また、エッチングされた銅めっきシリンダーに対するクロムめっき層の密着性は問題がなかった。この本発明のグラビアシリンダーのハイライト部からシャドウ部のグラデーションは、常法に従って作製したクロムめっきグラビアシリンダーと変わらなかったことからインキ転移性は問題ないと判断される。この結果として、3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層からなる表面強化被覆層は従来の6価クロムめっき液から得られるクロムめっき層に匹敵する性能を有し、6価クロムめっき液から得られるクロムめっき層代替品として充分使用できることを確認した。
(実施例2)
実施例1における3価クロムめっき処理を温度40℃、pH2.5、40A/dm2、30分の条件に変え厚さ約10μmの3価クロムめっき層を得た以外は実施例1と同様にしてグラビアシリンダーを作製した。この3価クロムめっき層の硬度は800HV(ビッカース硬度)であった。この3価クロムめっき層を過熱水蒸気で300℃10分加熱処理したところ3価クロムめっき層の硬度は980HVとなった。実施例1の場合と同様に、最終的に硬度の高い3価クロムめっき層からなる表面強化被覆層を具備したグラビアシリンダーを得た。続いて、このグラビアシリンダーを用いて実施例1と同様に印刷テストを行ったところ、実施例1と同様に3価クロムめっき層からなる表面強化被覆層は従来の6価クロムめっき層に匹敵する性能を有し、六価クロムめっき液から得られるクロムめっき層代替品として充分使用できることを確認した。
実施例1における3価クロムめっき処理を温度40℃、pH2.5、40A/dm2、30分の条件に変え厚さ約10μmの3価クロムめっき層を得た以外は実施例1と同様にしてグラビアシリンダーを作製した。この3価クロムめっき層の硬度は800HV(ビッカース硬度)であった。この3価クロムめっき層を過熱水蒸気で300℃10分加熱処理したところ3価クロムめっき層の硬度は980HVとなった。実施例1の場合と同様に、最終的に硬度の高い3価クロムめっき層からなる表面強化被覆層を具備したグラビアシリンダーを得た。続いて、このグラビアシリンダーを用いて実施例1と同様に印刷テストを行ったところ、実施例1と同様に3価クロムめっき層からなる表面強化被覆層は従来の6価クロムめっき層に匹敵する性能を有し、六価クロムめっき液から得られるクロムめっき層代替品として充分使用できることを確認した。
(実施例3)
実施例1における3価クロムめっき処理を温度60℃、pH3.0、50A/dm2、20分の条件に変え厚さ約10μmのクロムめっき層を得た以外は実施例1と同様にしてグラビアシリンダーを作製した。このクロムめっき層の硬度は850HV(ビッカース硬度)であった。このクロムめっき層を過熱水蒸気で350℃10分加熱処理したところクロムめっき層の硬度は1050HVとなった。実施例1の場合と同様に、最終的に硬度の高いクロムめっき層からなる表面強化被覆層を具備したグラビアシリンダーを得た。続いて、このグラビアシリンダーを用いて実施例1と同様に印刷テストを行ったところ、実施例1と同様に3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層からなる表面強化被覆層は従来の6価クロムめっき液から得られるクロムめっき層に匹敵する性能を有し、3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層代替品として充分使用できることを確認した。
実施例1における3価クロムめっき処理を温度60℃、pH3.0、50A/dm2、20分の条件に変え厚さ約10μmのクロムめっき層を得た以外は実施例1と同様にしてグラビアシリンダーを作製した。このクロムめっき層の硬度は850HV(ビッカース硬度)であった。このクロムめっき層を過熱水蒸気で350℃10分加熱処理したところクロムめっき層の硬度は1050HVとなった。実施例1の場合と同様に、最終的に硬度の高いクロムめっき層からなる表面強化被覆層を具備したグラビアシリンダーを得た。続いて、このグラビアシリンダーを用いて実施例1と同様に印刷テストを行ったところ、実施例1と同様に3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層からなる表面強化被覆層は従来の6価クロムめっき液から得られるクロムめっき層に匹敵する性能を有し、3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層代替品として充分使用できることを確認した。
10:版母材(中空ロール)、10a:グラビア製版ロール、12:銅めっき層、14:グラビアセル、16:3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層、18:過熱水蒸気によって加熱処理した3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層。
Claims (6)
- 版母材と、該版母材の表面に設けられかつ表面に多数のグラビアセルが形成された銅めっき層と、該銅めっき層の表面を被覆する3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層と、を含み、前記クロムめっき層を過熱水蒸気によって加熱処理することによってその硬度を向上させてなることを特徴とするグラビア製版ロール。
- 前記銅めっき層の厚さが50〜200μm、前記グラビアセルの深度が5〜150μm、及び前記3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層の厚さが0.1〜15μmであることを特徴とする請求項1記載のグラビア製版ロール。
- 版母材を準備する工程と、該版母材の表面に銅めっき層を形成する銅めっき工程と、該銅めっき層の表面に多数のグラビアセルを形成するグラビアセル形成工程と、該グラビアセルが形成された銅めっき層の表面に3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層を形成するクロムめっき工程と、前記3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層を過熱水蒸気によって加熱処理する加熱処理工程とを含むことを特徴とするグラビア製版ロールの製造方法。
- 前記銅めっき層の厚さが50〜200μm、前記グラビアセルの深度が5〜150μm、及び前記3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層の厚さが0.1〜15μmであることを特徴とする請求項3記載のグラビア製版ロールの製造方法。
- 前記加熱処理された3価クロムめっき液から得られるクロムめっき層の表面を冷水又は温水で洗浄する工程をさらに含むことを特徴とする請求項3又は4記載のグラビア製版ロールの製造方法。
- 前記過熱水蒸気による加熱処理の条件を100℃を超え400℃以下、1分〜1時間とすることを特徴とする請求項3〜5いずれか1項記載のグラビア製版ロールの製造方法。
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