JP2008142863A - スナップリング表裏判定治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な機械的構造により表裏を判定して、スナップリングをスナップリング嵌込治具へ受け渡すことができるスナップリング表裏判定治具を提供すること。
【解決手段】スナップリング表裏判定治具2は、保持部22及び表裏判定部21を有している。スナップリング9は、軸方向一方端面901が垂直面であると共に軸方向他方端面902にテーパ面部92を有している。表裏判定部21は、スナップリング9を保持する保持部22に対して移動させた際、一方側当接面211が軸方向一方端面901の全体に合わさると共に、他方側当接面212が軸方向他方端面902の全体に合わさったときに、スナップリング9の一部に係合する係合位置まで移動する。スナップリング表裏判定治具2は、表裏判定部21が係合位置まで移動したときにのみ、スナップリング9を保持する保持部22を、スナップリング嵌込治具4への受渡位置までスライドさせることができる。
【選択図】図16

Description

本発明は、スナップリングをスナップリング嵌込治具へ受け渡す際に、スナップリングの表裏を判定するためのスナップリング表裏判定治具に関する。
オートマチックトランスミッション等の機能部品においては、ケーシング内に配置した構成部品の軸方向の位置ずれを防止するために、切欠部を備えたC字形状を有するスナップリングを使用している。そして、このスナップリングにおいては、軸方向一方端面を垂直面に形成すると共に、組付後のガタツキ等が生じることを防止するために、軸方向他方端面にテーパ面部を形成する場合がある。この場合には、ケーシング内においてスナップリングを嵌め込むためのリング状溝には、上記垂直面と対面させる垂直対面部と、上記テーパ面部と対面させるテーパ対面部とを形成している。
そのため、スナップリングを上記ケーシング内に形成したリング用溝へ嵌め込む際には、軸方向一端面における垂直面を垂直対面部に対面させると共に軸方向他端面におけるテーパ面部をテーパ対面部に正しく対面させるために、スナップリングの表裏をその都度確認して嵌め込む必要があった。しかしながら、作業者の目視のみでスナップリングの表裏を確認する際には、作業者によるケアレスミスが発生し、上記機能部品の不良品を発生させてしまうおそれがあった。
なお、特許文献1においては、基部に対して放射状に配置した複数個のアームを揺動自在に保持し、作業者が操作部を操作することによって、制御部材を介して複数個のアームを開閉させるよう構成したスナップリング組付装置が開示されている。このスナップリング組付装置においては、複数個のアームにおける保持つめによってスナップリングを弾性的に縮径させて保持し、複数個のアームを被装着部材内に移動させた後、複数個のアームを開けてスナップリングをスナップリング溝へ組み付けている。
しかしながら、特許文献1においても、表裏の形状が異なるスナップリングを、表裏を誤ることなく組み付けるための工夫はなされていない。
特開2006−205320号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な機械的構造により表裏を判定して、スナップリングをスナップリング嵌込治具へ受け渡すことができるスナップリング表裏判定治具を提供しようとするものである。
本発明は、スナップリングを被組付部品へ嵌め込むためのスナップリング嵌込治具へ、上記スナップリングを受け渡す際に、該スナップリングの表裏を判定するためのスナップリング表裏判定治具であって、
上記スナップリングは、その周方向の一部に切欠部を備えたC字形状を有し、軸方向一方端面が垂直面であると共に軸方向他方端面にテーパ面部を有しており、
上記スナップリング表裏判定治具は、上記スナップリングを保持する保持部と、該保持部に対して移動して上記スナップリングの一部に係合する表裏判定部とを有しており、
上記表裏判定部は、上記スナップリングにおける上記軸方向一方端面に沿った形状を有する一方側当接面と、上記スナップリングにおける上記軸方向他方端面に沿った形状を有する他方側当接面とを有しており、
上記表裏判定部は、上記スナップリングを保持する上記保持部に対して移動させた際、上記スナップリングの表裏が正しく、上記一方側当接面が上記軸方向一方端面の全体に合わさると共に、上記他方側当接面が上記軸方向他方端面の全体に合わさったときに、当該スナップリングの一部に係合する係合位置まで移動可能であり、
上記表裏判定部が上記係合位置まで移動したときにのみ、上記スナップリングを保持する上記保持部を、上記スナップリング嵌込治具への受渡位置までスライドさせることができるよう構成してあることを特徴とするスナップリング表裏判定治具にある(請求項1)。
本発明のスナップリング表裏判定治具は、スナップリング嵌込治具へスナップリングを受け渡す際にスナップリングの表裏を判定し、スナップリング嵌込治具へ表裏を誤ることなくスナップリングを受け渡すことができるものである。
スナップリング表裏判定治具は、上記保持部及び表裏判定部を有しており、表裏判定部には、スナップリングにおける軸方向一方端面に沿った形状を有する一方側当接面と、スナップリングにおける軸方向他方端面に沿った形状を有する他方側当接面とが形成してある。
表裏判定部は、スナップリングを保持する保持部に対して移動させた際、スナップリングの表裏が正しく、一方側当接面が軸方向一方端面の全体に合わさると共に、他方側当接面が軸方向他方端面の全体に合わさったときには、スナップリングの一部に係合する係合位置まで移動させることができる。このときには、スナップリングを保持する保持部を、スナップリング嵌込治具への受渡位置までスライドさせることができ、表裏に誤りがないことを確実に識別した後に、スナップリングをスナップリング嵌込治具へ受け渡すことができる。
一方、表裏判定部は、スナップリングを保持する保持部に対して移動させた際、スナップリングの表裏に誤りがあり、一方側当接面が軸方向他方端面の一部に対向すると共に、他方側当接面が軸方向一方端面の一部に対向するときには、上記係合位置まで移動させることができない。このときには、スナップリングを保持する保持部を、スナップリング嵌込治具への受渡位置までスライドさせることができない。そのため、作業者は、表裏に誤りがないようスナップリングを保持部へ保持し直した後に、再び表裏判定部を移動させることができる。
このように、本発明においては、表裏に誤りがないときのみスナップリングをスナップリング嵌込治具へ受け渡すことができる。また、本発明においては、スナップリングの表裏を判定する際に、センサ等による電気的制御を必要とせず、機械的構造により極めて簡単に表裏を判定することができる。
それ故、本発明のスナップリング表裏判定治具によれば、簡単な機械的構造により表裏を判定して、スナップリングをスナップリング嵌込治具へ受け渡すことができる。そして、スナップリング嵌込治具によって、スナップリングを、表裏を誤ることなく安定して被組付部品へ嵌め込むことができる。
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記保持部は、上記スナップリングを嵌め込んで載置する凹形状を有しており、当該保持部には、上記スナップリングにおける上記切欠部に内周側から係合して、該切欠部の周方向における位置決めを行う位置決めブロックが、当該保持部の径方向へスライド可能に配設してあり、上記位置決めブロックは、上記切欠部に内周側から係合するよう径方向外方に向けて徐々に周方向幅が縮小する一対のテーパ面を有していると共に、付勢手段によって径方向外方へ付勢されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、位置決めブロックにより、スナップリングを保持部に保持する際に、スナップリングの切欠部の向きを確実に確定することができる。そして、スナップリングをスナップリング嵌込治具へ受け渡す際に、スナップリング嵌込治具がスナップリングを縮径するよう弾性変形させるときには、位置決めブロックが、スナップリングの切欠部を構成する両端部によって押されて付勢手段を弾性変形させながら径方向内方へスライドし、スナップリングの向きを安定して維持することができる。
また、上記保持部及び上記表裏判定部は、架台に対して水平方向へスライド可能なベース部に配設してあり、該ベース部は、上記スナップリングを上記保持部へセットするためのセット位置と、上記受渡位置との間をスライド可能であり、上記表裏判定部は、上記一方側当接面及び上記他方側当接面を上下に形成した表裏判定ブロックであり、上記ベース部は、上記セット位置及び上記受渡位置において上記架台に設けたストッパーと係合して上記ベース部のスライドを固定するスライド固定リンクと、上記表裏判定ブロックと係合して上記スライド固定リンクをスライドさせる連結リンクとを有しており、上記スナップリング表裏判定治具は、上記表裏判定ブロックを上記係合位置まで移動させたときに、上記連結リンクを介して上記スライド固定リンクの上記ストッパーへの係合を解除するよう構成することができる(請求項3)。
この場合には、スナップリングを保持する保持部に対して、表裏判定ブロックを係合位置まで移動させることができたときには、スライド固定リンク及び連結リンクを用いて、保持部及び表裏判定ブロックを配設したベース部をスナップリング嵌込治具への受渡位置まで容易にスライドさせることできる。また、スライド固定リンク及び連結リンクを用いることにより、上記表裏判定部が係合位置まで移動したときにのみ保持部をスナップリング嵌込治具への受渡位置までスライドさせることができる機械的構造を容易に構成することができる。
また、上記表裏判定ブロック及び上記ベース部には、作業者が操作する操作部がそれぞれ設けてあり、当該表裏判定ブロック及び当該ベース部は、上記各操作部を介してスライド操作するよう構成することができる(請求項4)。
この場合には、作業者の手動操作によって、表裏判定ブロック及びベース部をスライド操作することができ、電気、流体等による駆動源を用いることなく表裏を判定して、スナップリングをスナップリング嵌込治具へ受け渡すことができる。
また、上記スナップリング嵌込治具は、上記スナップリングの外周をチャックするチャック部と、該チャック部によってチャックした状態の上記スナップリングを押し出すプッシャー部とを有しており、上記チャック部は、上記スナップリングの外周をチャックするチャック爪を複数有しており、該複数のチャック爪は、上記スナップリングの上記切欠部を構成する両端部を含む当該スナップリングの周方向における複数箇所をチャックする位置に設けることが好ましい(請求項5)。
この場合には、スナップリング嵌込治具は、チャック部における複数のチャック爪によってスナップリング表裏判定治具における保持部から容易にスナップリングを受け取ることができる。また、スナップリング嵌込治具は、プッシャー部によって、複数のチャック爪がチャックするスナップリングを、安定して被組付部品へ押し出すことができる。
また、複数のチャック爪が、スナップリングの切欠部を構成する両端部を含むスナップリングの周方向における複数箇所をチャックすることにより、スナップリング嵌込治具は、スナップリングを、縮径させるように弾性変形させて安定してチャックすることができる。
また、上記被組付部品は、オートマチックトランスミッションのケーシングであり、上記スナップリングは、上記ケーシング内の周方向に形成したリング用溝内に嵌め込んで、上記オートマチックトランスミッションの構成部品の軸方向の位置ずれを防止するものであることが好ましい(請求項6)。
この場合には、オートマチックトランスミッションのケーシングにおけるリング用溝へ、スナップリングを、表裏を誤ることなく安定して嵌め込むことができる。
(実施例1)
以下に、本発明のスナップリング表裏判定治具にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
図1、図8〜図12に示すごとく、本例のスナップリング表裏判定治具2は、スナップリング嵌込治具4へスナップリング9を受け渡す際に、スナップリング9の表裏を判定するための治具である。また、スナップリング嵌込治具4は、スナップリング9を被組付部品8へ嵌め込むための治具である。
図4、図5に示すごとく、本例のスナップリング9は、その周方向の一部に切欠部91を備えたC字形状を有し、軸方向一方端面901が垂直面であると共に軸方向他方端面902にテーパ面部92を有している。テーパ面部92は、径方向外方に向けてスナップリング9の厚みが縮小するよう傾斜して形成されている。また、スナップリング9の切欠部91を構成する両端部911には、当該スナップリング9を取り外すときに使用する取外用穴912が形成してある。
図12、図16に示すごとく、スナップリング表裏判定治具2は、スナップリング9を保持する保持部22と、保持部22に対して移動してスナップリング9の一部に係合する表裏判定部21とを有している。図16に示すごとく、表裏判定部21は、スナップリング9における軸方向一方端面901に沿った形状を有する一方側当接面211と、スナップリング9における軸方向他方端面902に沿った形状を有する他方側当接面212とを有している。
図17に示すごとく、表裏判定部21は、スナップリング9を保持する保持部22に対して移動させた際、スナップリング9の表裏が正しく、一方側当接面211が軸方向一方端面901の全体に合わさると共に、他方側当接面212が軸方向他方端面902の全体に合わさったときに、スナップリング9の一部に係合する係合位置201まで移動可能である。そして、図9、図10に示すごとく、スナップリング表裏判定治具2は、表裏判定部21が係合位置201まで移動したときにのみ、スナップリング9を保持する保持部22を、スナップリング嵌込治具4への受渡位置302までスライドさせることができるよう構成してある。
以下に、本例のスナップリング表裏判定治具2につき、図1〜図18、図29と共に詳説する。
図6、図7に示すごとく、本例の被組付部品8は、オートマチックトランスミッション(以下、A/Tという。)のケーシング8である。また、本例のスナップリング9は、ケーシング8内の周方向に形成したリング用溝82内に嵌め込んで、A/Tの構成部品85の軸方向の位置ずれを防止するものである。本例の構成部品85は、内周孔にワンウェイクラッチのアウターレースが圧入され、外周縁がケースの内周にスプライン嵌合したハブ部材である。なお、構成部品85は、これ以外にも、多板ブレーキのドラム部材、ケーシング8に固定されるセンターサポート(隔壁)等、ケーシング8に対してその軸方向において高い位置決め精度を要求される部材とすることができる。
ケーシング8における組付穴81内には、その周方向に沿ってリング用溝82が形成してある。このリング用溝82においては、組付穴81の奥側に、組付穴81の形成方向に垂直であると共にスナップリング9の垂直面(軸方向一方端面)901と対面する垂直対面部821が形成されており、組付穴81の開口側に、垂直対面部821に対して傾斜していると共にスナップリング9のテーパ面部92と対面するテーパ対面部822が形成されている。また、組付穴81には、組付穴81の形成方向に沿って、組付穴81の周方向における複数箇所に深さ方向溝83が形成されている。
図29に示すごとく、スナップリング9をリング用溝82へ嵌め込む際には、構成部品85はケーシング8内に組み付けてある。そして、本例においては、スナップリング9をリング用溝82へ嵌め込んだときには、スナップリング9の垂直面(軸方向一方端面)901が構成部品85の表面に当接し、スナップリング9のテーパ面部92がリング用溝82のテーパ対面部822に当接する。これにより、スナップリング9のテーパ面部92が、リング用溝82のテーパ対面部822へ及ぼす力の反力の軸方向(図29における垂直方向)の成分により、スナップリング9の垂直面901が構成部品85の表面に密接し、高い位置決め精度が確保される。
図1〜図3に示すごとく、本例のスナップリング表裏判定治具2は、スナップリング9を被組付部品8へ嵌め込むためのスナップリング嵌込治具4と共にスナップリング組付装置1を構成する。スナップリング表裏判定治具2及びスナップリング嵌込治具4は、いずれも電気又は流体等の駆動源を用いることなく、作業者の手動操作により動作させるものである。
スナップリング組付装置1は、被組付部品8としてのA/Tのケーシング8を載置する載置台12と、スナップリング嵌込治具4を載置台12に載置したA/Tのケーシング8へ移動させる移動手段13と、載置台12、移動手段13及びスナップリング表裏判定治具2を固定した架台11とを有している。
本例の載置台12は、上方に組付穴81の開口側を向けてA/Tのケーシング8を載置するよう構成してある。本例の移動手段13は、スナップリング嵌込治具4を上下方向へ移動させるよう構成してあり、スナップリング嵌込治具4を固定した嵌込治具ベース部41と(図19参照)、嵌込治具ベース部41を上下にガイドして移動させるためのガイド部14と、スナップリング嵌込治具4及び嵌込治具ベース部41による重力を低減させてスナップリング嵌込治具4及び嵌込治具ベース部41の移動を容易にするためのバランス部15とを有している。
図8〜図10に示すごとく、本例のバランス部15は、ワイヤ151の一端に嵌込治具ベース部41に取り付けると共に、ワイヤ151の他端にバランスウェイト152を取り付けて、複数の滑車153を介して、スナップリング嵌込治具4及び嵌込治具ベース部41に作用する重力と、バランスウェイト152に作用する重力とをバランスさせるよう構成してある。
図12に示すごとく、本例のスナップリング表裏判定治具2における保持部22は、スナップリング9の外周をガイドするよう構成されており、保持部22には、保持部22からスナップリング嵌込治具4へスナップリング9を受け渡すときに、スナップリング嵌込治具4におけるチャック部5の各チャック爪521が対向する部位に、この各チャック爪521との干渉を避けるための逃げ部221が形成してある。
図11、図12に示すごとく、保持部22は、スナップリング9を嵌め込んで載置する凹形状を有している。保持部22には、スナップリング9における切欠部91に内周側から係合して、切欠部91の周方向における位置決めを行う位置決めブロック23が、当該保持部22の径方向へスライド可能に配設してある。位置決めブロック23は、スナップリング9の切欠部91に内周側から係合するよう径方向外方に向けて徐々に周方向幅が縮小する一対のテーパ面231を有していると共に、付勢手段232によって径方向外方へ付勢されている。
図16に示すごとく、本例のスナップリング表裏判定治具2における表裏判定部21は、保持部22に対してスライド可能に配設した表裏判定ブロック21であり、表裏判定ブロック21は、スナップリング9の一部に係合する判定用溝210を水平方向に形成してなる。判定用溝210は、スナップリング9の軸方向一方端面901における垂直面に当接する一方側当接面211を下方に形成し、スナップリング9の軸方向他方端面902におけるテーパ面部92に当接する他方側当接面212を下方に形成してなる。
また、同図に示すごとく、本例の保持部22は、表裏判定ブロック21と水平方向に対向する位置に、スナップリング9の内周側をガイドするガイド部223を有している。そして、表裏判定ブロック21を保持部22に保持するスナップリング9へ移動させるときには、ガイド部223がスナップリング9の内周側を受け止めて、スナップリング9の位置ずれを防止することができる。
図8〜図11に示すごとく、本例の保持部22及び表裏判定ブロック21は、上記架台11に対して水平方向へスライド可能な表裏判定治具ベース部3に配設してある。表裏判定治具ベース部3は、スナップリング9を保持部22へセットするためのセット位置301と、スナップリング9をスナップリング嵌込治具4へ受け渡すための受渡位置302との間をスライド可能である。
図13〜図15に示すごとく、表裏判定治具ベース部3は、セット位置301及び受渡位置302において架台11に設けたストッパー16と係合して当該表裏判定治具ベース部3のスライドを固定するスライド固定リンク31と、表裏判定ブロック21と係合してスライド固定リンク31をスライドさせる連結リンク32とを有している。
図14、図17に示すごとく、スナップリング表裏判定治具2は、表裏判定ブロック21を係合位置201まで移動させたときに、連結リンク32を介してスライド固定リンク31のストッパー16への係合を解除するよう構成してある。
図13に示すごとく、表裏判定治具ベース部3は、架台11に設けたガイドレール17に対してスライダー170をスライドさせることによって水平方向へスライド可能である。スライド固定リンク31は、付勢手段311によって、ストッパー16に係合する方向に付勢されている。
本例の連結リンク32は、保持部22に設けた回動支点部222を中心に回動可能であり、一端を表裏判定ブロック21に係合させると共に、他端をスライド固定リンク31に係合させている。連結リンク32の一端及び他端には、それぞれ長溝321が形成してあり、一端における長溝321は、表裏判定ブロック21に設けたピン213に係合しており、他端における長溝321は、スライド固定リンク31に設けたピン312に係合している。
図8、図13に示すごとく、本例の表裏判定ブロック21は、表裏判定治具ベース部3のスライド方向に沿ってスライドするよう構成してある。本例のスライド固定リンク31は、スライド方向に直交する方向にスライドするよう構成してある。連結リンク32は、L形状を有しており、L形状の角部において回動支点部222に支持されている。
そして、図14に示すごとく、連結リンク32は、表裏判定ブロック21をスライド方向へスライドさせる動作を受けて回動し、この回動によってスライド固定リンク31をスライド方向に直交する方向にスライドさせて、スライド固定リンク31のストッパー16に対する係合を解除することができる。
図10、図11に示すごとく、本例のストッパー16は、架台11の水平方向に設けた長尺状のストッパーバー16によって構成してあり、表裏判定治具ベース部3は、ストッパーバー16の長尺方向の端面にスライド固定リンク31の端部を係止させて、セット位置301又は受渡位置302にスライド固定される。
また、図9に示すごとく、表裏判定ブロック21及び表裏判定治具ベース部3には、作業者が操作する操作部214、33がそれぞれ設けてある。表裏判定ブロック21及び表裏判定治具ベース部3は、各操作部214、33を介してスライド操作するよう構成してある。
図9、図10に示すごとく、表裏判定治具ベース部3は、作業者によって受渡位置302にスライドさせた後には、復帰手段34によってセット位置301に復帰するよう構成してある。本例の復帰手段34は、ワイヤ341の一端に表裏判定治具ベース部3に取り付けると共に、ワイヤ341の他端にウェイト342を取り付けて、複数の滑車343を介して表裏判定治具ベース部3をセット位置301へ引っ張るよう構成してある。
本例のスナップリング表裏判定治具2は、スナップリング嵌込治具4へスナップリング9を受け渡す際にスナップリング9の表裏を判定し、スナップリング嵌込治具4へ表裏を誤ることなくスナップリング9を受け渡すことができるものである。
図12、図13に示すごとく、作業者は、保持部22にスナップリング9をセットし、スナップリング9の表裏を判定する際には、上記操作部214を介して上記表裏判定ブロック21を保持部22に対してスライドさせる。このとき、図17に示すごとく、保持部22にセットしたスナップリング9の表裏に誤りがなく、表裏判定ブロック21の一方側当接面211がスナップリング9の軸方向一方端面901の全体に合わさると共に、表裏判定ブロック21の他方側当接面212がスナップリング9の軸方向他方端面902の全体に合わさったときには、表裏判定ブロック21を、スナップリング9の一部に係合する係合位置201までスライドさせることができる。
そして、図14に示すごとく、表裏判定ブロック21を係合位置201までスライドさせるときには、上記連結リンク32が回動し、この回動に伴ってストッパー16に対するスライド固定リンク31の係合状態が解除される。これにより、表裏判定治具ベース部3がスライド可能になり、作業者は、操作部33を介して表裏判定治具ベース部3をセット位置301から受渡位置302へスライドさせることができる。
そのため、図1、図9に示すごとく、スナップリング9を保持する保持部22を受渡位置302までスライドさせて、保持部22をスナップリング嵌込治具4におけるチャック部5と対向させることができる。こうして、作業者は、保持部22にセットしたスナップリング9の表裏に誤りがないことを確実に識別した後に、このスナップリング9をスナップリング嵌込治具4へ送り出すことができる。
一方、図18に示すごとく、作業者が表裏判定ブロック21を保持部22に対してスライドさせたときに、スナップリング9の表裏が逆であり、表裏判定ブロック21の一方側当接面211がスナップリング9の軸方向他方端面902の一部に対向すると共に、表裏判定ブロック21の他方側当接面212がスナップリング9の軸方向一方端面901の一部に対向するときには、表裏判定ブロック21を係合位置201までスライドさせることができない。このとき、図15に示すごとく、連結リンク32が回動せず、ストッパー16に対するスライド固定リンク31の係合状態を解除することができない。
これにより、作業者は、表裏判定治具ベース部3をスライドさせることができず、保持部22にセットしたスナップリング9の表裏に誤りがあることを識別することができる。
その後、作業者は、スナップリング9の表裏を変更して、スナップリング9を正しく保持部22へセットし直した後に、再び表裏判定ブロック21をスライドさせることができる。
このように、本例においては、表裏に誤りがないときのみスナップリング9をスナップリング嵌込治具4へ受け渡すことができる。また、本例においては、スナップリング9の表裏を判定する際に、センサ等による電気的制御を必要とせず、機械的構造により極めて簡単に表裏を判定することができる。また、本例においては、何らの動力源を必要とせず、表裏判定ブロック21及び表裏判定治具ベース部3の各スライド操作を、作業者の手動操作によって行うことができる。
それ故、本例のスナップリング表裏判定治具2によれば、簡単な機械的構造により表裏を判定して、スナップリング9をスナップリング嵌込治具4へ受け渡すことができる。そして、スナップリング嵌込治具4によって、スナップリング9を、表裏を誤ることなく安定してA/Tのケーシング8におけるリング用溝82内へ嵌め込むことができる。
(実施例2)
本例においては、上述したスナップリング嵌込治具4につき、特に図19〜図29と共に詳説する。
図1、図19〜図22に示すごとく、本例のスナップリング嵌込治具4は、被組付部品8における組付穴81内の周方向に形成したリング用溝82内へ、切欠部91を備えたC字形状を有するスナップリング9を嵌め込むための治具である。本例の被組付部品8における組付穴81には、組付穴81の周方向に垂直な深さ方向に沿って、組付穴81の周方向における複数箇所に深さ方向溝83が形成してある。
図24、図28に示すごとく、スナップリング嵌込治具4は、スナップリング9の外周をチャックするチャック部5と、チャック部5によってチャックした状態のスナップリング9を押し出すプッシャー部6とを有している。チャック部5は、スナップリング9の外周をチャックするチャック爪521を複数有しており、各チャック爪521は、深さ方向溝83内に入り込んでスナップリング9の外周をチャックした状態を維持することができる形状に形成してある。
また、図26、図27に示すごとく、複数のチャック爪521は、スナップリング9の切欠部91を構成する両端部911を含む当該スナップリング9の周方向における複数箇所をチャックする位置に設けてある。
図25に示すごとく、プッシャー部6においてスナップリング9を押し出す押出先端面611は、スナップリング9の切欠部91とは反対側の中間部93(図4参照)に当接する部位611Aが最も突出して形成してある。そして、スナップリング嵌込治具4は、図28に示すごとく、複数のチャック爪521の先端面をリング用溝82の開口側端面822の位置に合わせ、図29に示すごとく、プッシャー部6における押出先端面611によって、中間部93から先にスナップリング9を押し出すよう構成してある。
図26、図27に示すごとく、本例の複数のチャック爪521は、スナップリング9の切欠部91を構成する両端部911をまとめてチャックする第1チャック爪521Aと、スナップリング9の周方向における残りの箇所を分散してチャックする複数の第2チャック爪521Bとからなる。本例の第2チャック爪521Bは、第1チャック爪521Aによるチャック箇所を除く部位の4箇所にほぼ等間隔に配置してある。
また、第1チャック爪521Aのスナップリング9に対する移動量は、第2チャック爪521Bのスナップリング9に対する移動量よりも大きくすることができる。そして、第1チャック爪521Aによりスナップリング9を弾性変形させる弾性変形量(チャック変形量)を、第2チャック爪521Bによりスナップリング9を弾性変形させる弾性変形量(チャック変形量)に比べて大きくすることができる。これにより、切欠部91の周辺を最も強くチャックすることにより、スナップリング9を安定してチャックすることができる。また、第1チャック爪521Aのスナップリング9に対する移動量を大きくする工夫は、例えば、図24に示すごとく、回動支点部511を形成したブロックとチャックベース51との間にシム512を挟み込むことによって容易に行うことができる。
図19〜図21に示すごとく、本例のスナップリング嵌込治具4は、載置台12に載置したA/Tのケーシング8における組付穴81内へ下降するよう構成されている。
本例のスナップリング嵌込治具4におけるチャック部5は、被組付部品8における組付穴81に向けて前進するメインベース57に対して配設してある。また、チャック部5は、メインベース57に対して固定したチャックベース51と、チャックベース51に対して回動可能に配設した複数の回動リンク52と、メインベース57に対して移動可能に配設すると共に複数の回動リンク52に係合する回動操作部材53とを有している。
図23、図24に示すごとく、各回動リンク52は、L形状を有しており、L形状の角部において、チャックベース51に形成した回動支点部511に対して回動可能に支持されている。チャック爪521は、回動リンク52において下方へ伸びるアーム部の下端部に形成してあり、回動操作部材53は、回動リンク52において内周側へ伸びるアーム部の端部に係合している。
なお、図23、図24、図28等においては、便宜上、回動操作部材53の中心軸線(チャック部5及びプッシャー部6の中心位置)に対して、左側にチャック爪521を設けた回動リンク52を示し、右側にプッシャー部6を示している。
図19、図20に示すごとく、スナップリング嵌込治具4におけるメインベース57には、作業者によって操作可能な旋回ハンドル54と、旋回ハンドル54の旋回動作を、複数の動力伝達部材581、582を介して回動操作部材53へ伝達するボールネジユニット55とが配設してある。ボールネジユニット55は、回動操作部材53の軸方向に連結したボールネジ551と、ボールネジ551に螺合する状態でメインベース57に固定したナット552とを有している。
そして、本例のチャック部5のチャック及びアンチャックの動作は、作業者が旋回ハンドル54を動かすことによって行われる。本例の回動操作部材53は、ボールネジ551の軸方向に連結されており、チャックベース51は、回り止めが行われた状態で複数のシャフト56を介してメインベース57に固定されている。メインベース57には、ボールネジ551に螺合したナット552が固定されている。
また、図20、図22に示すごとく、旋回ハンドル54は、メインベース57に設けた旋回支点部571を中心に旋回操作が可能であると共に、旋回支点部571に対して回転可能にした第1ギヤ581に固定されている。第1ギヤ581は、第2ギヤ582と噛合しており、第2ギヤ582は、ボールネジ551に固定されている。
図19に示すごとく、第2ギヤ582は、ボールネジ551の回転により軸方向に上下する。そのため、第2ギヤ582は、第1ギヤ581との噛合が外れないよう、第1ギヤ581よりも歯幅(図19中の上下方向の幅)を厚くしてある。そして、第2ギヤ582は、第1ギヤ581の回転力をボールネジ551へ伝達しつつ、第1ギヤ581に対して軸方向に噛合位置を変化させることにより、ボールネジ551の軸方向への動きを許容する。
そして、図20、図24に示すごとく、作業者が旋回ハンドル54を旋回させたときには、第1ギヤ581及び第2ギヤ582を介してボールネジ551及び回動操作部材53が回動し、ボールネジ551の回動に伴って、回動操作部材53が、ナット552、メインベース57、複数のシャフト56及びチャックベース51に対して相対的にスライドする。これにより、回動操作部材53に係合する複数の回動リンク52が同時に回動して、複数のチャック爪521によるスナップリング9のチャック又はアンチャックを行うことができる。
図21、図22に示すごとく、本例のスナップリング嵌込治具4におけるプッシャー部6は、メインベース57に対して移動可能に配設してあり、メインベース57には、作業者によって操作可能な操作レバー64が配設してある。そして、プッシャー部6の進退動作は、作業者が操作レバー64を動かすことによって行われる。
プッシャー部6は、上記押出先端面611を形成したプッシャーブロック61と、操作レバー64の操作を受けて進退するスライドプレート62と、スライドプレート62とプッシャーブロック61とを連結する複数のシャフト63とを有している。また、操作レバー64は、この操作レバー64に係合する係合リンク65、この係合リンク65に係合するロッド66を介してスライドプレート62に連結されている。
操作レバー64と係合リンク65とは、操作レバー64の一端に形成した第1ギヤ部641と、係合リンク65の一端に形成した第2ギヤ部651とによって噛合して、連動して回動するよう構成されている。ロッド66の一端は、係合リンク65の他端に係合しており、ロッド66の他端はスライドプレート62に連結されている。
そして、図21、図24、図28に示すごとく、作業者が操作レバー64を操作したときには、第1ギヤ部641及び第2ギヤ部651を介して係合リンク65が回動すると共に、この回動に伴ってロッド66、スライドプレート62、複数のシャフト63及びプッシャーブロック61が上記チャック部5に対して相対的にスライドする。これにより、プッシャー部6は、チャック部5における複数のチャック爪521にチャックしたスナップリング9を、複数のチャック爪521から押し出すことができる。
なお、図21に示すごとく、プッシャーブロック61は、シャフト63の外周に配置した付勢手段631によって、元の位置に後退することができる。
また、図25、図26に示すごとく、本例のプッシャーブロック61における押出先端面611は、複数のチャック爪521の形成箇所を除く周方向における残部において形成してある。そして、プッシャーブロック61において、複数のチャック爪521と対応する箇所には、逃げ部612が形成してある。
また、押出先端面611は、スナップリング9の中間部93に当接する部位611Aが最も突出するよう全体が押出方向(プッシャー部6の下降方向)に対して傾斜するテーパ面状に形成してある。また、押出先端面611は、スナップリング9の切欠部91の周辺に位置する部位611Bが最も奥に位置する。
図19〜図21に示すごとく、スナップリング嵌込治具4には、当該スナップリング嵌込治具4の保持部22に対する位置決めと、当該スナップリング嵌込治具4の被組付手段8に対する位置決めとを行う位置決めガイド42が、スライドロッド421によって上下方向にスライド可能に配設してある。スライドロッド421は、メインベース57に対してスライド可能に配設してある。
図1、図19に示すごとく、上記表裏判定治具ベース部3を受渡位置302までスライドさせたときには、スナップリング9を保持する保持部22と、スナップリング嵌込治具4におけるチャック部5とが対向する。
そして、図19、図23に示すごとく、作業者は、スナップリング嵌込治具4を下降させて、表裏判定治具ベース部3と対向させ、上記旋回ハンドル54を旋回させて、チャック部5における複数のチャック爪521により、保持部22に保持されたスナップリング9の外周をチャックする。このとき、複数のチャック爪521は、スナップリング9を、縮径させるように弾性変形させてチャックすることができる。そして、このスナップリング9のチャックを行う際には、上記位置決めブロック23により、スナップリング9の向き(切欠部91の周方向位置)が変わってしまうことを防止することができる。
また、図27、図28に示したように、チャック部5において、複数のチャック爪521は、スナップリング9の切欠部91を構成する両端部911を含むスナップリング9の周方向における複数箇所をチャックする位置に設けてある。そのため、複数のチャック爪521によってスナップリング9を縮径させるように弾性変形させたときには、第1チャック爪521Aが、弾性反発力が最も大きくなるスナップリング9の両端部911をチャックすることができ、スナップリング9を安定してチャックすることができる。
次いで、作業者がスナップリング嵌込治具4を表裏判定治具ベース部3から上昇させたときには、表裏判定治具ベース部3は、上記復帰手段34によってセット位置301まで復帰する(図10参照)。
次いで、図20、図28に示すごとく、作業者は、スナップリング嵌込治具4を、載置台12に載置したA/Tのケーシング8における組付穴81内へ下降させる。このとき、スナップリング9の外周をチャックする複数のチャック爪521は、A/Tのケーシング8における深さ方向溝83内のスペースを利用して、組付穴81内へ下降することができる。
そして、図28に示すごとく、作業者は、複数のチャック爪521の先端面がリング用溝82の開口側端面822の内周側に位置するまで、スナップリング嵌込治具4を下降させる。
次いで、図21、図28に示すごとく、作業者は、上記操作レバー64を操作し、プッシャーブロック61を複数のチャック爪521に対して下降させる。これにより、図29に示すごとく、複数のチャック爪521によってチャックした状態のスナップリング9を、プッシャーブロック61における押出先端面611によって複数のチャック爪521から押し出す。このとき、スナップリング9は、その弾性復元力により拡径しながらリング用溝82内へ嵌り込む。
そして、図25に示したように、押出先端面611は、スナップリング9の中間部93に当接する部位611Aが最も突出するよう全体が傾斜するテーパ面状に形成してある。そのため、図28、図29に示すごとく、スナップリング9は、切欠部91の付近がチャック爪521から外れてしまう前に、中間部93の付近がチャック爪521から外れ、その弾性復元力により、切欠部91の付近よりも先に中間部93の付近がリング用溝82内へ嵌まり込むことができる。
その後、スナップリング嵌込治具4を、A/Tのケーシング8における組付穴81内から上昇させて、スナップリング9の組付を行う一連の動作を完了することができる。
それ故、本例のスナップリング嵌込治具4によれば、スナップリング9を安定して被組付部品8におけるリング用溝82内へ嵌め込むことができる。
実施例1における、スナップリング組付治具を示す正面図。 実施例1における、スナップリング組付治具を示す側面図。 実施例1における、スナップリング組付治具を示す平面図。 実施例1における、スナップリングを示す平面図。 実施例1における、スナップリングを示す断面図。 実施例1における、被組付部品(A/Tのケーシング)を示す平面説明図。 実施例1における、被組付部品(A/Tのケーシング)を部分的に拡大して示す断面説明図。 実施例1における、表裏判定治具ベース部がセット位置にある状態のスナップリング表裏判定治具を示す平面説明図。 実施例1における、表裏判定治具ベース部が受渡位置にある状態のスナップリング表裏判定治具を示す平面説明図。 実施例1における、表裏判定治具ベース部が受渡位置にある状態のスナップリング表裏判定治具を示す正面説明図。 実施例1における、スナップリング表裏判定治具を示す側面説明図。 実施例1における、スナップリング表裏判定治具を拡大して示す平面説明図。 実施例1における、スライド固定リンクがストッパーに係合した状態のスナップリング表裏判定治具を示す平面説明図。 実施例1における、表裏判定部を係合位置までスライドさせて、スライド固定リンクのストッパーに対する係合を解除した状態のスナップリング表裏判定治具を示す平面説明図。 実施例1における、表裏判定部が係合位置までスライドせず、スライド固定リンクのストッパーに対する係合が解除されていない状態のスナップリング表裏判定治具を示す平面説明図。 実施例1における、表裏判定部の周辺を拡大して示す正面説明図。 実施例1における、係合位置までスライドした状態の表裏判定部の周辺を拡大して示す正面説明図。 実施例1における、係合位置までスライドしていない状態の表裏判定部の周辺を拡大して示す正面説明図。 実施例2における、スナップリング表裏判定治具の保持部と係合する状態のスナップリング嵌込治具を示す側面説明図。 実施例2における、被組付部品の組付穴へ挿入した状態のスナップリング嵌込治具を示す側面説明図。 実施例2における、被組付部品の組付穴へ挿入した状態のスナップリング嵌込治具を示す側面説明図。 実施例2における、スナップリング嵌込治具を示す平面説明図。 実施例2における、スナップリング表裏判定治具の保持部と係合する状態のスナップリング嵌込治具を拡大して示す側面説明図。 実施例2における、スナップリング嵌込治具におけるチャック部及びプッシャー部を拡大して示す断面説明図。 実施例2における、スナップリング嵌込治具におけるプッシャー部を拡大して示す断面説明図。 実施例2における、スナップリング嵌込治具におけるチャック部及びプッシャー部を示す平面説明図。 実施例2における、スナップリング嵌込治具におけるチャック部を示す平面説明図。 実施例2における、被組付部品の組付穴へ挿入した状態のスナップリング嵌込治具におけるチャック部及びプッシャー部を示す平面説明図。 実施例2における、プッシャー部によってチャック部からスナップリングを押し出し、被組付部品の組付穴におけるリング用溝へスナップリングを嵌め込んだ状態を示す断面説明図。
符号の説明
1 スナップリング組付装置
11 架台
12 載置台
13 移動手段
16 ストッパー(ストッパーバー)
2 スナップリング表裏判定治具
21 表裏判定部(表裏判定ブロック)
201 係合位置
210 判定用溝
211 一方側当接面
212 他方側当接面
214 操作部
22 保持部
23 位置決めブロック
231 テーパ面
3 表裏判定治具ベース部
301 セット位置
302 受渡位置
31 スライド固定リンク
32 連結リンク
33 操作部
4 スナップリング嵌込治具
41 嵌込治具ベース部
5 チャック部
51 チャックベース
511 回動支点部
52 回動リンク
521 チャック爪
53 回動操作部材
6 プッシャー部
61 プッシャーブロック
611 押出先端面
62 スライドプレート
8 被組付部品(A/Tのケーシング)
81 組付穴
82 リング用溝
821 垂直対面部
822 テーパ対面部(開口側端面)
83 深さ方向溝
85 構成部品
9 スナップリング
91 切欠部
911 両端部
901 軸方向一方端面
902 軸方向他方端面
92 テーパ面部
93 中間部

Claims (6)

  1. スナップリングを被組付部品へ嵌め込むためのスナップリング嵌込治具へ、上記スナップリングを受け渡す際に、該スナップリングの表裏を判定するためのスナップリング表裏判定治具であって、
    上記スナップリングは、その周方向の一部に切欠部を備えたC字形状を有し、軸方向一方端面が垂直面であると共に軸方向他方端面にテーパ面部を有しており、
    上記スナップリング表裏判定治具は、上記スナップリングを保持する保持部と、該保持部に対して移動して上記スナップリングの一部に係合する表裏判定部とを有しており、
    上記表裏判定部は、上記スナップリングにおける上記軸方向一方端面に沿った形状を有する一方側当接面と、上記スナップリングにおける上記軸方向他方端面に沿った形状を有する他方側当接面とを有しており、
    上記表裏判定部は、上記スナップリングを保持する上記保持部に対して移動させた際、上記スナップリングの表裏が正しく、上記一方側当接面が上記軸方向一方端面の全体に合わさると共に、上記他方側当接面が上記軸方向他方端面の全体に合わさったときに、当該スナップリングの一部に係合する係合位置まで移動可能であり、
    上記表裏判定部が上記係合位置まで移動したときにのみ、上記スナップリングを保持する上記保持部を、上記スナップリング嵌込治具への受渡位置までスライドさせることができるよう構成してあることを特徴とするスナップリング表裏判定治具。
  2. 請求項1において、上記保持部は、上記スナップリングを嵌め込んで載置する凹形状を有しており、当該保持部には、上記スナップリングにおける上記切欠部に内周側から係合して、該切欠部の周方向における位置決めを行う位置決めブロックが、当該保持部の径方向へスライド可能に配設してあり、
    上記位置決めブロックは、上記切欠部に内周側から係合するよう径方向外方に向けて徐々に周方向幅が縮小する一対のテーパ面を有していると共に、付勢手段によって径方向外方へ付勢されていることを特徴とするスナップリング表裏判定治具。
  3. 請求項1又は2において、上記保持部及び上記表裏判定部は、架台に対して水平方向へスライド可能なベース部に配設してあり、該ベース部は、上記スナップリングを上記保持部へセットするためのセット位置と、上記受渡位置との間をスライド可能であり、
    上記表裏判定部は、上記一方側当接面及び上記他方側当接面を上下に形成した表裏判定ブロックであり、
    上記ベース部は、上記セット位置及び上記受渡位置において上記架台に設けたストッパーと係合して上記ベース部のスライドを固定するスライド固定リンクと、上記表裏判定ブロックと係合して上記スライド固定リンクをスライドさせる連結リンクとを有しており、
    上記表裏判定ブロックを上記係合位置まで移動させたときに、上記連結リンクを介して上記スライド固定リンクの上記ストッパーへの係合を解除するよう構成してあることを特徴とするスナップリング表裏判定治具。
  4. 請求項3において、上記表裏判定ブロック及び上記ベース部には、作業者が操作する操作部がそれぞれ設けてあり、当該表裏判定ブロック及び当該ベース部は、上記各操作部を介してスライド操作するよう構成してあることを特徴とするスナップリング表裏判定治具。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記スナップリング嵌込治具は、上記スナップリングの外周をチャックするチャック部と、該チャック部によってチャックした状態の上記スナップリングを押し出すプッシャー部とを有しており、
    上記チャック部は、上記スナップリングの外周をチャックするチャック爪を複数有しており、該複数のチャック爪は、上記スナップリングの上記切欠部を構成する両端部を含む当該スナップリングの周方向における複数箇所をチャックする位置に設けてあることを特徴とするスナップリング表裏判定治具。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記被組付部品は、オートマチックトランスミッションのケーシングであり、
    上記スナップリングは、上記ケーシング内の周方向に形成したリング用溝内に嵌め込んで、上記オートマチックトランスミッションの構成部品の軸方向の位置ずれを防止するものであることを特徴とするスナップリング表裏判定治具。
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