JP2008142614A - 黒色セラミックの溶解除去液及びこれを用いた除去方法 - Google Patents

黒色セラミックの溶解除去液及びこれを用いた除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】輸送機材用ガラスとして使用されたガラス廃材から黒色セラミックを、環境への負担が無く効率よく溶解除去する。
【解決手段】アミノカルボン酸系キレート剤、及びグルコン酸又はアスコルビン酸を含有する強アルカリ性水溶液である、輸送機材廃ガラスをリサイクルするための黒色セラミックの溶解除去液であり、好ましくは上記強アルカリ性水溶液は5重量%〜50重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液であって、促進物質としてEDTA及びそのナトリウム塩等のキレート剤を含有してなる、黒色セラミックの溶解除去液及びこれを用いた除去方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ガラス面に塗工された黒色セラミックを溶解除去するための溶解除去液及び方法に関し、より詳しくは、輸送機材用ガラスとして使用されたガラス廃材から黒色セラミックを溶解除去してリサイクルできるようにするための溶解除去液及び方法に関する。上記「輸送機」とは、自動車、鉄道車両、船舶、航空機等の輸送機械を表す。
使用済みの廃ガラスを砕いて作るカレットは、ガラス製造の原料として再利用されており、リサイクルの推進とともにその利用率が向上してきている。この利用率の向上によるメリットは、まず第一に、けい砂・石灰石・ソーダ灰など、ガラスの主原料となる貴重な天然資源を節約できることである。
さらにカレットの利用により、原料をガラス溶解炉で溶融する時間が短縮でき、重油の使用量を削減できる。工場での省エネルギーが実現することにより、二酸化炭素の排出量を削減でき、地球温暖化の防止対策にもつながる。さらに、廃ガラスをリサイクルできることにより、廃棄物の排出量を削減し、最終処分される廃ガラス量を減少させることができる。
輸送機材用ガラスとして使用されたガラス廃材も、回収された後、通常はカレットとして再利用される。しかし、黒色セラミックが塗工されたガラス表面部分は、黒色顔料を含有するため、そのままではカレットとして再利用できず、やむを得ず廃棄物として埋立処分されていた。
しかし、これらの黒色セラミックが塗工された部分についても、黒色セラミックを分離除去して、ガラス部分をカレットとして再利用できることが、リサイクル率をさらに向上させる観点から望まれている。
上記ガラス表面の黒色セラミックは、一般的に、ガラスフリット及び酸化ビスマス、酸化亜鉛等のセラミックス並びに、マグネタイト、Fe34、酸化チタン、炭素、酸化マンガン等の黒色顔料を混合したペーストが塗布され焼結されたものである。フリットの成分は主にガラスであり、ガラスの主成分はシリカであるから黒色セラミックは黒色顔料を含むシリカ微粒子又は粉末の焼結体であり、例えば、Cr23―CuO―MnO系黒色顔料とフリットガラス(SiO2―ZnO―B23系)を含む黒色セラミックが挙げられる。
ここで、アルカリがシリカに対する溶解力があることは知られており、粉末状又は粒状の無定形シリカをアルカリ水溶液に溶解させてケイ酸アルカリ(水ガラスなど)を合成、製造することは広く行われている。また、廃ガラスをアルカリ水溶液に溶解させて水ガラスを製造することも知られており、例えば、特許文献1では、半導体や光ファイバ製造工程で発生する高純度の廃棄ガラスを出発原料として用いる水ガラスの製造方法が開示されている。
特開2003−238143号公報
ガラスを溶解する物質としてはフッ酸(フッ化水素酸)がよく知られており、フッ酸を使用すれば、黒色セラミックを溶解除去することは可能である。しかし、フッ酸は人体に対する毒性が強いため取り扱いが困難であり、また環境への汚染が大きく、水質汚濁防止法などでその排出は厳しく規制されているため、排水処理に大きな負担がかかることになる。
そこで、フッ化アンモニウムなどのフッ化物塩を使用することにより、人体への毒性をある程度は低減させることはできるが、やはりフッ素化合物であるため排水処理にかかる負担はフッ酸の場合と大きく変わらない。
そこで、本発明者は、フッ素化合物を使用しないで黒色セラミックを溶解除去できる方法を鋭意検討した結果、特定の添加剤を含む水酸化ナトリウムを使用することにより、自動車、鉄道車両、船舶、航空機などの輸送機材用ガラスとして使用されたガラス廃材から黒色セラミックを効率よく溶解除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
尚、アルカリ水溶液を使用して、輸送機材用ガラスに使用されたガラス廃材中の焼結された黒色セラミックを溶解除去することは、これまで知られておらず、アルカリ水溶液のシリカ溶解力を黒色セラミック中のシリカ分に作用させることも知られていなかった。
すなわち、本発明は、アミノカルボン酸系キレート剤、及びグルコン酸又はアスコルビン酸を含有する強アルカリ性水溶液である、輸送機材廃ガラスをリサイクルするための黒色セラミックの溶解除去液を提供することである。その際、強アルカリ性水溶液は水酸化ナトリウム濃度が5重量%〜50重量%のものであると、溶解除去が効率的に進行し好ましい。
アミノカルボン酸系キレート剤としては、下記一般式(1)
Figure 2008142614
(式中、R1〜R5は、それぞれ独立にH又は有機基を示す)
で表されるアミノカルボン酸系キレート剤又はそのナトリウム塩であることが好ましい。これらの中でも、EDTA及びそのナトリウム塩が溶解力の促進に効果が大きく好ましい。さらに、アミノカルボン酸系キレート剤の添加量が、水酸化ナトリウム水溶液100重量部に対して0.005重量部を超えて5重量部までであることが、溶解力の促進にさらに効果が大きくより好ましい。
本発明では、これにさらにグルコン酸又はアスコルビン酸を併用することにより、溶解力の促進効果が増し、溶解速度を向上させることができることを見出した。グルコン酸又はアスコルビン酸の添加量としては、水酸化ナトリウム水溶液100重量部に対して0.005重量部を超えて5重量部までであると十分な促進効果が得られ好ましい。
本発明の別の態様は、前記溶解除去液を使用した、黒色セラミックをガラス面から溶解除去する方法を提供することである。この際、溶解除去液を80℃以上に加熱及び/又は超音波を照射して黒色セラミックの溶解と剥離を促進することが好ましい。
本発明の溶解除去液では、アルカリ成分がフリット中のシリカに浸透して溶解作用を示し、結合力を失った黒色顔料などの不溶分が剥離してきて除去されるものと考えられる。
したがって、本発明における「溶解除去」とは、黒色セラミックのすべての成分を溶解することを意味するのではなく、黒色セラミックをガラス表面へ焼結させている結合力を弱化させて黒色顔料を含む不溶分がガラス表面から剥離、除去されることを言う。
本発明の溶解除去液及び方法を使用することにより、輸送機材用ガラスとして使用されたガラス廃材中の黒色セラミックを塗工された部分から黒色セラミックを容易にガラス面から分離除去することができ、したがって、黒色セラミックを分離除去されたガラスはカレットとして再利用することができるようになる。
本発明のアルカリ水溶液としては、強アルカリ性を示すあらゆる種類のアルカリが使用できると考えられるが、コスト面、排水処理の容易性、再生可能な資源であることから、水酸化ナトリウムを使用することが好ましい。水酸化ナトリウムの濃度としては、5重量%以上が好ましい。5重量%未満では、溶解力が弱く、溶解除去に時間がかかる。上限は特に制限はないが、室温における飽和濃度である50重量%程度以下が、取り扱いの面から実用的な限界濃度となる。その中でも、20重量%〜30重量%が特に好ましい。
本発明の水酸化ナトリウム水溶液は、その効果を阻害しない範囲で、他の物質を含有していてもよい。主成分である水酸化ナトリウムが本発明の効果を発揮できれば十分であり、それで本発明の目的を達成することができる。したがって、本発明における「水酸化ナトリウム水溶液」とは、他の成分をまったく含有しない純粋な水酸化ナトリウムの水溶液を意味するのではなく、水酸化ナトリウムが有効成分として本発明の効果を発揮し本発明の目的を達成する程度に、主成分として十分に含有されていればよい。
本発明では、促進物質として、さらに特定のキレート剤を含有する。キレート剤を含有することにより、アルカリのシリカに対する溶解が促進され、相乗効果で溶解除去速度を向上させることができる。溶解除去液の主成分であるアルカリがシリカ中のシロキサン結合を切断して低分子量化し、シリカ分が水溶性となって溶解するとともに、キレート剤がキレート錯体を形成して安定化し反応系から除外されることにより、溶解が促進されるものと考えられる。
キレート剤としては、アミノカルボン酸系キレート剤とグルコン酸又はアスコルビン酸を併用する。アミノカルボン酸系キレート剤は、下記一般式(1)
Figure 2008142614
(式中、R1〜R5は、それぞれ独立にH又は有機基を示す)
で表されるアミノカルボン酸系キレート剤又はそのナトリウム塩であることが好ましい。R1〜R5の置換基は、C、H、O以外の元素を含んでいてもよく、直鎖状、分岐状、環状、芳香族のいずれであってもよい。この構造を有するアミノカルボン酸系キレート剤としては、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、HEDTA(ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、TTHA(トリエチレンテトラミン六酢酸)、CyDTA(1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸)及びそれらのナトリウム塩などがあり、それらからなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。これらのキレート剤を使用した場合、顕著な促進効果が発現される。
キレート剤が酸型の場合は、水酸化ナトリウム水溶液中で中和されてナトリウム塩型となるので、その効果は同じであり、どちらの型も同様に使用することができる。アミノカルボン酸系キレート剤については、EDTA−Naは人体に対する有害性や環境への悪影響の懸念が少ないため排水処理の負担も少なく、使用しやすい。
グルコン酸やアスコルビン酸に関しても同様であり、酸型もナトリウム塩型も同様に使用することができる。したがって、本発明における「グルコン酸」や「アスコルビン酸」とは、それらのナトリウム塩型を含むものとし、安全性、コスト、取り扱いやすさ、入手容易性、環境への影響などを考慮して適宜選択使用すればよい。
水酸化ナトリウム水溶液に、促進物質としてEDTAなどのアミノカルボン酸系キレート剤を加えた場合、水酸化ナトリウム水溶液単独の場合に比べて顕著な溶解速度の向上が見られる。だが、その効果には限界があり、アミノカルボン酸系キレート剤の添加量を必要量以上に増やしていっても、ある一定以上の効果は得られない。他方、水酸化ナトリウム水溶液に、グルコン酸又はアスコルビン酸のみを促進物質として添加した場合は、その促進効果自体はそれほど大きいものではなく、EDTAなどのアミノカルボン酸系キレート剤の効果と比べると小さい。しかし、EDTAなどアミノカルボン酸系キレート剤とグルコン酸又はアスコルビン酸を併用すると、両者の促進効果は当業者の予測を超えたものとなり、単独添加では見られなかった溶解速度の向上が得られることが見出された。
アミノカルボン酸系キレート剤の添加量としては、酸型で添加する場合として、水酸化ナトリウム水溶液100重量部に対して0.005重量部を超えて5重量部までが好ましい。0.005重量部以下では効果が低下する。また、5重量部を超えて添加しても顕著な効果の向上は見られない。その中でも、0.025重量部〜1重量部が特に好ましく、0.1重量部が最も好ましい。
グルコン酸又はアスコルビン酸の添加量としては、酸型で添加する場合として、水酸化ナトリウム水溶液100重量部に対して0.005重量部を超えて5重量部までが好ましい。0.005重量部以下では効果が低下する。また、5重量部を超えて添加しても顕著な効果の向上は見られない。その中でも、0.025重量部〜1重量部が特に好ましく、0.1重量部が最も好ましい。
本発明の溶解除去液を使用して黒色セラミックをガラス面から溶解除去する方法としては、本発明の溶解除去液を廃ガラスの黒色セラミックに直接接触作用させればよく、このためのあらゆる方法を採用することができる。例えば、黒色セラミックが塗工されたガラス片を本発明の溶解除去液に浸漬する、本発明の溶解除去液を吹き付けるか噴射する、黒色セラミック表面に本発明の溶解除去液を流下させるなどの方法があるが、接触効率の点から、黒色セラミックが塗工されたガラス片を本発明の溶解除去液に浸漬する方法が好ましい。
また、本発明の溶解除去液を使用して黒色セラミックをガラス面から溶解除去する場合、溶解除去液を80℃以上に加熱することが好ましい。アルカリのシリカに対する溶解速度は一般的に温度に大きく影響され、本発明においても、溶解除去液を加熱することにより、溶解除去速度を大きく向上させることができる。95℃以上に加熱することがさらに好ましい。上限は特に制限はないが、大気圧下で行う場合は、溶液の沸点以下である。圧力容器を使用する場合は、さらに温度を上げることができ、特に溶解速度を上げることを目的とする場合は、圧力容器を使用して溶液の常圧での沸点以上の温度で溶解を行うことはきわめて有効である。
本発明の溶解除去液を加熱する方法としては、一般に液体を加熱するために通常用いられる加熱方法を採用することができる。例えば、本発明の溶解除去液をヒーター機能を有する溶解槽に入れる方法、本発明の溶解除去液を入れた溶解槽全体を加熱雰囲気に設置する方法、本発明の溶解除去液を入れた溶解槽に投げ込みヒーターを投入する方法、本発明の溶解除去液を溶解槽に投入する前に熱交換器を通して加熱される方法などを用いることができる。
さらに、本発明の溶解除去液を使用して黒色セラミックをガラス面から溶解除去する場合は、また、超音波を照射して黒色セラミックの剥離を促進することが好ましい。反応界面での攪拌効果を得ることができるとともに、物理的機械的作用を与えて剥離を促進することができる。本発明の溶解除去液で黒色セラミックの焼結組織が脆弱化されてくるとともに黒色セラミック中の不溶分が剥離されてくるが、機械的作用がない状態の場合では、この不溶分がガラス表面に付着した状態が長く続くことがある。機械的作用を与えることにより、これらの付着した不溶分を「揺すり落とす」効果が得られ、除去効率を向上させることができる。他の方法としては、往復振とう、回転による遠心力、手で振るなどの方法でも同様の効果を得ることができるが、効率の点から、超音波を照射する方法が最も好ましい。
超音波を照射する方法としては、超音波洗浄槽のように槽自体が超音波照射機能を有する溶解槽とする方法、通常の槽を使用してセパレート式の超音波振動子を本発明の溶解除去液中に投入する方法などを用いることができる。また、槽自体が超音波照射機能を有する場合は、超音波照射機能を有した一つの溶解槽に直接本発明の溶解除去液を入れる方法、超音波照射機能を有した外側の大きい槽に水などの非腐食性液体を入れ、その中に小さい溶解槽を設置して内部に本発明の溶解除去液を入れる方法などを用いることができる。これらの方法は、超音波の照射効率、材質の耐腐食性、取り扱いやすさや経済性などを考慮して、適宜選択することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
(試験例1〜8)
純水に粒状水酸化ナトリウムを添加して、表1に示す濃度の水酸化ナトリウム水溶液を調製した。それぞれの水溶液40gをスクリュー試験管に仕込み、その中に黒色セラミックが塗工された自動車廃ガラスの試験片を約6cm2(約3.3g)に切り取って投入した。表1に示す温度に加熱したオーブン中に静置し、確認時間ごとに取り出して手で激しく振った後、溶解剥離状況を目視で観察した。結果を表1に示す。尚、表1,2中の記号は下記の通りである。×:溶解剥離が始まっていない。△:溶解剥離が進行中。○:溶解剥離が終了して清浄透明なガラス面が得られた。↓:確認せずに試験を継続した。又、表1〜5中の「−」は、溶解剥離が終了したので試験を終了したことを示す。
Figure 2008142614
表1に示したように、水酸化ナトリウム水溶液を使用して自動車廃ガラスから黒色セラミックを溶解剥離させることが可能であることが分かる。ただし、水酸化ナトリウム濃度が低く温度も低い領域では溶解速度は遅く、水酸化ナトリウム濃度が高いほど、また温度も高いほど有利であることを示している。水酸化ナトリウム濃度が低い場合は温度を上げることにより、また温度が低い場合は水酸化ナトリウム濃度を上げることにより、黒色セラミックを効率よく溶解除去することができる。
(試験例9〜18)
純水に粒状水酸化ナトリウムを添加して、20重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液40gをスクリュー管に仕込み、これにそれぞれ表2に示す量(水酸化ナトリウム水溶液100重量部に対する重量部)のEDTA(粉末)、グルコン酸(50%水溶液)、アスコルビン酸(粉末)を添加して完全に溶解した。グルコン酸は純分換算で添加した。その中に試験例1と同様に試験片を投入した。市販の卓上型超音波洗浄器の水槽内温度を80℃に加熱した後、水槽内に上記スクリュー管を設置して超音波を照射し、確認時間ごとに試験片を取り出して温水で軽くすすぎ、分光光度計で透過率を測定した。透過率の測定は、自動車廃ガラスの黒色セラミックを塗工していない透明部分のガラス片をバックグラウンドとし、これに対する可視光領域の波長380nm〜800nmの透過率(%T)の測定値の面積平均値として算出した。黒色セラミックが完全に溶解除去されても、ガラス表面上がわずかに侵食されて細かい凹凸やわずかな曇りが生じるために100%Tまでは到達せず95%T程度に留まる。結果を表2に示す。
Figure 2008142614
表2に示したように、EDTAを添加することによって、水酸化ナトリウム水溶液単独の場合より溶解速度が急激に向上することが分かるが、グルコン酸を添加した場合の溶解速度の向上効果はEDTAよりは小さく、アスコルビン酸ではまったく促進効果は認められない。しかし、EDTAとグルコン酸又はアスコルビン酸を併用して添加すると、その相乗効果で溶解速度が非常に大きく向上することが分かる。また、機械的振動の付与手段として超音波を照射したことにより、不溶分がガラス表面に付着せず溶液中に分散している状態であった。そのため、手で振らなくても不溶分をガラス面から剥離でき、効率よく黒色セラミックを溶解除去することができた。
(試験例19〜24)
卓上型超音波洗浄器の水槽内温度を95℃に加熱した以外は、試験例9と同様にして試験を実施した。結果を表3に示す。
Figure 2008142614
表3に示したように、温度を95℃にすると著しく溶解速度が向上するが、ここでもEDTAとグルコン酸又はアスコルビン酸を併用添加することにより、溶解速度が非常に向上していることが分かる。
(試験例25〜31)
表4に示す量のEDTA(粉末)及びグルコン酸(50%水溶液)を添加し、試験例9と同様にして試験を実施した。結果を表4に示す。
Figure 2008142614
表4に示したように、グルコン酸の添加量が0.005重量部になると、確認時間が1時間単位であるために95%T到達時間は変わらないように見えるが、中間速度の低下が著しく、促進効果の低下が起こっていると見られる。したがって有効な促進効果を発揮させるためには、0.005重量部を超える添加量が必要であることが分かる。また、添加したグルコン酸が有効に促進効果を発揮している領域では、グルコン酸添加量による溶解速度の著しい差は見られず、5重量部あれば十分であることが分かる。
(試験例32〜38)
表5に示す量のEDTA(粉末)及びグルコン酸(50%水溶液)を添加し、試験例9と同様にして試験を実施した。結果を表5に示す。
Figure 2008142614
表5に示したように、EDTAの添加量が0.005重量部になると、促進効果の低下が見られる。したがって有効な促進効果を発揮させるためには、0.005重量部を超える添加量が必要であることが分かる。また、EDTAの添加量が0.3重量部〜5重量部の領域では、EDTAの添加による促進効果が飽和に達しており、5重量部を超えて添加したとしても添加量の増加に見合った効果の向上は見込めないことから、5重量部あれば十分であることが分かる。

Claims (9)

  1. アミノカルボン酸系キレート剤、及びグルコン酸又はアスコルビン酸を含有する強アルカリ性水溶液である、輸送機材廃ガラスをリサイクルするための黒色セラミックの溶解除去液。
  2. 上記強アルカリ性水溶液が5重量%〜50重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液である、請求項1に記載の黒色セラミックの溶解除去液。
  3. アミノカルボン酸系キレート剤が、下記一般式(1)で表されるアミノカルボン酸系キレート剤又はそのナトリウム塩である、請求項1又は2に記載の黒色セラミックの溶解除去液。
    Figure 2008142614
    (式中、R1〜R5は、それぞれ独立にH又は有機基を示す)
  4. アミノカルボン酸系キレート剤がEDTAである、請求項3に記載の黒色セラミックの溶解除去液。
  5. アミノカルボン酸系キレート剤の添加量が、水酸化ナトリウム水溶液100重量部に対して0.005重量部を超えて5重量部までである、請求項1〜4のいずれかに記載の黒色セラミックの溶解除去液。
  6. グルコン酸又はアスコルビン酸の添加量が、水酸化ナトリウム水溶液100重量部に対して0.005重量部を超えて5重量部までである、請求項1〜5のいずれかに記載の黒色セラミックの溶解除去液。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の黒色セラミックの溶解除去液を使用することを特徴とする、黒色セラミックをガラス面から溶解除去する除去方法。
  8. 溶解除去液を80℃以上に加熱することを特徴とする、請求項7に記載の除去方法。
  9. 超音波を照射して黒色セラミックの剥離を促進することを特徴とする、請求項7又は8に記載の除去方法。
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