JP2008141931A - ステッピングモータ、電子機器、コイルブロック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1及び第2のステータ4,5は、それぞれ、環状の空芯コイル15と、空芯コイルを内部に収納すると共に、空芯コイルの円周方向に一定の間隔を空けて複数形成された磁極歯16aを有する外ヨーク16と、空芯コイルの円周方向に一定の間隔を空けて複数形成された磁極歯17aを有する内ヨーク17と、空芯コイルに取り付けられて空芯コイルから延びる巻線の端末と接続される端末処理部材18とを有する。端末処理部材は、電気的絶縁性と可撓性を有する基板に、空芯コイルから延びる巻線の端末と外部回路とを電気的に接続する導電部19が形成されて構成される。
【選択図】図4
Description
ところで、前記特許文献1に記載されている従来のステッピングモータでは、樹脂性材料から形成されたボビンにコイル巻線を巻きつけて励磁コイルを構成しているので、ヨークで囲まれた励磁コイルの断面的収容スペースの内、ボビンが占めるスペース部分が磁気的には無駄なスペースとなっていた。つまり、ボビンが占めるスペース部分、コイル体積が減少してしまい強いトルクが得られない、あるいは逆に同じトルクを得ようとすると大型化してしまう問題があった。
すなわち、特許文献2に記載されたステッピングモータは、ヨークに端子ピンを一体に形成しておき、空芯コイルをヨークに組み付けた後に、空芯コイルの巻線の端末を端子ピンに接続している。
一方、近年のステッピングモータでは、外部への電気的接続のための端子部を含めたモータ全体の小型化の要求がより強くなってきており、このため、例えば、特許文献3には、コイル巻線の端末に直接フレキシブル基板を接続したステッピングモータが提案されている。
また、上記特許文献2の図3には、ヨークにコイル巻線を直接巻き付ける代わりに、空芯コイルを別箇所で予め作製しておき、この別箇所で作製した空芯コイルをヨークに組み付け、その後、巻線端末を端子ピンに巻き付けたステッピングモータの例が示されている。
しかしながら、このように空芯コイルを予め作製しておき、その後ヨークに組み付ける形式のステッピングモータでは、空芯コイルをヨークに組み付けた後に、コイル用巻線の端末を端子ピンに接続する処理が必要になり、組立工数が増す問題があった。また、空芯コイルを製造した後ヨークに組み付けるまで、空芯コイルから延びる巻線の端末が固定されておらず自由に動いてしまうため、空芯コイルの取り扱いが難しく、ヨークへの組付け時に、コイル巻線の端末を断線させてしまうおそれもあった。
また、上記特許文献3に記載されたステッピングモータにあっては、モータの主要部を組み立てた後、この組み立てたモータの主要部にフレキシブル基板を係合させ、その後、コイル巻線の端末をダミーピンからはずしてフレキシブル基板の導電部にハンダ付けする作業を行わなければならず、モータの主要部を組み立てた後の狭い空間での作業を強いられること、コイル巻線の端末のダミーピンへの仮組付け並びに取り外しを行わなければならないことから、作業効率が悪いという問題があった。
また、空芯コイルから延びる巻線の端末を、端末処理部材に電気的に接続させて端末処理を行っているので、空芯コイルに端末処理部材を取り付けた後は、コイル用巻線の端末が自由に動くことがなく、空芯コイルのヨークへの組付け時に断線等がなく、組付け性の向上並びに信頼性の向上が図れる。また、ヨークとは別に端末処理部材を設けているので、ヨークに端子ピンを設けるときのように、ヨークに対して電気的な絶縁処理を施すことが不要になる。
加えて、端末処理部材を予め空芯コイルに取り付けるので、モータ主要部を組み付けた後に端末処理部材にコイル巻線端末を電気的に接続する構造に比べて、狭い空間での作業を強いられることがなく、また、コイル巻線の端末のダミーピンへの仮組付け並びに取り外し作業が不要になり、作業効率が向上する。
これにより、端末処理部材を空芯コイルに取り付けるにあたり、リング板状の基部を空芯コイルの一端に面接触させた状態で固定することができ、例えば、端末処理部材を空芯コイルの側面に組み付ける場合に比べて、端末処理部材の強固な固定が実現でき、また、組付け作業性に優れ、しかもモータトルクの低下を来たすこともない。
これにより、基板がモータの側面から外方へ出っ張ることがなく、より一層の小型化を図ることができる。
これにより、モータの外形に沿うよう、端子処理部本体部を定められた位置で正確に折り曲げることができ、作業性の向上が図れる。
ここで、切欠部としては、端末処理部材の両側に設けられた半円状あるいは多角形状の欠損部や、折り曲げ箇所の中間部分に設けられた円状、長孔部、あるいは長方形状の欠損部が挙げられる。
これにより、端末処理部材に外ヨークまたは内ヨークとの相対的な位置決めを行う位置決め部が設けられているので、特別な部品を用いることなく、端末処理部材が取り付けられる空芯コイルとヨークとの位置決めが行える。
本発明の電子機器によれば、請求項1〜5のいずれか1項に記載のステッピングモータと同様な効果を奏する。
図1は、本発明に係る電子機器の一例であるカメラ付き携帯電話を示す断面図、図2は、カメラ付き携帯電話で使用されているステッピングモータの外形図、図3は同ステッピングモータの断面図、図4は同ステッピングモータの分解斜視図である。
カメラ付き携帯電話器(電子機器)100は、図1に示すように、ステッピングモータ1と、光軸L1に沿って移動可能に配されたレンズ体101と、ステッピングモータ1の後述するロータ3の回転に伴って、レンズ体101を光軸L1に沿って移動させるレンズ駆動手段102と、光軸L1上に配された撮像素子103とを有するカメラモジュール104とを備えている。
なお、シャフト10と永久磁石2とは、間に接着剤等を介在させることで固定されている。
また、空芯コイル15の表面は、コイル用巻線の外皮に設けられた絶縁層及び接着層により絶縁状態となっている。
なお、本実施形態では、円周方向Rに一定の間隔を空けて4つ並ぶように磁極歯16aが形成されている場合を例にしている。
磁極歯16aは、外筒部16bの内側に位置するように設けられており、先端が段部16dの近傍に位置するように長さが調整されている。また、先端に向かって徐々に幅が狭くなるように、即ち、台形形状となるように設けられている。そして、上述したように、磁極歯16aと外筒部16bとの間に空芯コイル15を収納したときに、各磁極歯16aが空芯コイル15の内周面に対向配置されるようになっている。
また、内ヨーク17は、外ヨーク16に組み合わせた際に、リング部17bが外ヨーク16の段部16dに接触することで、軸線L方向への位置決めがされるようになっている。
端末処理部材18のリング板状の基部18aの内周部には、複数の突起18cが基部18aの円周方向に間隔をあけて形成されている。これら突起18cは、図6に示すように、端末処理部材18が空芯コイル15の一端に取り付けられた状態で空芯コイル15ごと、外ヨーク16と内ヨーク17との間に組み付けられるときに、外ヨーク16の磁極歯16aの先端部の両側並びに内ヨーク17の磁極歯17aの基端部の両側にそれぞれ係合される。つまり、これら突起18cは、磁極歯16a、17aを介して外ヨーク16及び内ヨーク17の端末処理部材18に対する主に円周方向Rの相対的な位置決めを行う位置決め部を構成している。そして、外ヨーク16及び内ヨーク17の磁極歯16a、17aに、端末処理部材18の突起18cが前述したように係合されたときに、磁極歯16a、17aは、非接触状態で円周方向Rに交互に等間隔で並ぶようになっている。
また、第1の支持プレート110の裏面には、図示しない制御部、モータドライバ及び信号処理部や前記撮像素子103が実装された回路基板114が取り付けられている。このうち、撮像素子103は、第1の支持プレート110に形成された開口部110a内に収まるように、設置位置が調整されている。なお、この撮像素子103は、例えば、CCDやCMOS等の半導体デバイスである。
また、信号処理部は、撮像素子103から出力された信号を処理して制御部に出力している。
この一対のガイド軸118、119は、例えば、丸棒であり、レンズ体101を間に挟む位置で光軸L1と平行に配されており、両端がそれぞれカバー112及び第1の支持プレート110に固定されている、つまり、レンズ体101は、一対のガイド軸118、119によって支持された状態でケーシング113の内部空間内に内蔵され、撮像素子103と採光孔112aとの間に配されている。そして、一対のガイド軸118、119と一対のガイド孔116a、117aとの間は、摺動自在となっている。これにより、レンズ対は、一対のガイド軸118、119に沿って光軸L1方向に移動可能とされている。
この送りねじ軸120は、一対のガイド軸118、119のうち、一方のガイド軸118に隣接する位置において、同様に光軸L1に平行となるように配されている。また、この送りねじ軸120の両端は、カバー112及び第1の支持プレート110にそれぞれ回転可能に固定されている。これにより、送りねじ軸120は、光軸L1と平行な軸線L2回りに回転できるようになっている。
具体的に説明すると、ステッピングモータ1のシャフト10の一端側には、駆動歯車122が固定されており、中間歯車123の入力歯車123aに噛合されている。なお、ステッピングモータ1のシャフト10の他端側には、カバー112に固定された図示しない軸受けによって回転可能に支持されている。
前記中間歯車123は、さらに3つの中間歯車124、125、126に順々に噛合されている。そして、送りねじ軸120に隣接配置された中間歯車126の出力歯車126aと被動歯車120bとが噛合している。これにより、シャフト10の回転力は、各中間歯車123、124、125、126によって3段階に減速された後、送りねじ軸120に伝達されるようになっている。
また、ナット部116b、送りねじ軸120及び伝動機構121は、ロータ3、即ち、シャフト10の回転に伴ってレンズ体101を移動させる上述したレンズ駆動手段102を構成している。
図7に示すように、まず、円板状の基板22aとこの基板22a上に同心状に配置された円柱部22bとからなるコイル巻回用治具22に、内ヨーク17をリング部17bが下側となるように同心状にセットする。ここで、内ヨーク17がコイル巻回用治具22に対して相対回転しないよう、両者を例えば両面接着テープや接着剤等を用いて固定するのが好ましい。次に、端末処理部材18を、上方位置にて、突起18cが内ヨーク17の磁極歯17aの基端両側に位置するように位置合わせし、この状態で当該端末処理部材18を下方へ下げて、その下面をリング部17bに当接させる。図7はこの状態を表している。
このとき、突起18cが内ヨーク17の磁極歯17aの基端部に係合するので、端末処理部材18と内ヨーク17との相対回転が規制される。
これにより、図8に示す、空芯コイル15、内ヨーク17及び端末処理部材18が一体になったコイルブロック20を製造することができる。
なお、上述の説明は、コイルブロック20の製造方法のあくまで一例であって、他の製造方法、例えば、空芯コイル15を内ヨーク17とは別に製造し、この別途製造した空芯コイル15に端末処理部材18を取り付けた後、この空芯コイル15を内ヨーク17に取り付けても良い。
まず、使用者が、カメラ付き携帯電話器100の図示しない表示パネルで被写体を確認しながらズーム操作を行うと、カメラモジュール104の回路基板114に実装された制御部がステッピングモータ1を作動させるために、各空芯コイル15に電流を流す。各空芯コイル15に一方向の電流を流すと、第1及び第2のステータ4、5の各磁極歯16a、17aがN極、S極に励磁される。また、各空芯コイル15に他方向の電流を流すと、第1及び第2のステータ4、5の各磁極歯16a、17aがS極、N極に励磁される。そして、第1、第2のステータ4、5の空芯コイル15へ電流を流すか否か、また、電流を流すときその方向を規制することにより、ロータ3を軸線L回りに任意に正回転あるいは逆回転させることができる。
従って、使用者は、被写体をズームした状態で撮像することができる。
なお、ズームを行う場合を説明したが、ロータ3を逆回転させることで、レンズ体101を撮像素子103から離間させたり、接近させたりすることができ、合焦を自由に行うことができる。
また、外ヨーク16を案内するハウジングを利用するタイプではなく、外ヨーク16と、内ヨーク17と、空芯コイル15とを組み合わせる構成であるので、組み立てが容易となり、また、ハウジングが不要であるので、より小型化を図ることができる。
加えて、端末処理部材18を予め空芯コイル15に取り付けるので、モータ主要部を組み付けた後に端末処理部材18にコイル巻線端末を電気的に接続する構造に比べて、狭い空間での作業を強いられることがなく、また、コイル巻線の端末のダミーピンへの仮組付け並びに取り外し作業が不要になり、作業効率が向上する。
また、前記実施形態では、単に外ヨーク16内に空芯コイル15を収納し、内ヨーク17で外ヨーク16に蓋をするような構成であったが、更に外ヨーク16の切欠き部16eからワニス等の液体の絶縁剤を含浸させることもできる。
こうすることで、外ヨーク16と空芯コイル15と内ヨーク17とを絶縁剤により一体的に固定できるので、第1及び第2のステータ4,5単体をより強固に組み立てることができる。よって、強度増加を図ることができ、品質の向上化を図ることができる。
また、図10に示すように、基板を2度にわたって折り曲げ、導電性パット19を、モータの底部に配置することもできる。
また、前記実施形態では、端末処理部材18に設けた突起18cを、外ヨーク16および内ヨーク17の磁極歯16a、17aに係合させることによって、それら両ヨーク16、ヨーク17を位置決めしているが、これに限られることなく、いずれか一方のヨークに係合させてそれのみを位置決めていても良い。
2 永久磁石
3 ロータ
4 第1のステータ(A相ステータ)
5 第2のステータ(B相ステータ)
15 空芯コイル
16 外ヨーク
16a 外ヨークの磁極歯
17 内ヨーク
17a 内ヨークの磁極歯
18 端末処理部材
18a 基部
18b 端末処理本体部
18c 突起(位置決め部)
18d 切欠部
19 導電性パット
100 カメラ付き携帯電話器(電子機器)
101レンズ体
102レンズ駆動手段
103撮像素子
104カメラモジュール
Claims (7)
- 円周方向に多極磁化された円筒状の永久磁石を有するロータと、
該ロータの周囲を囲んだ状態で、ロータの軸線方向に互いに隣接するように配された環状の第1及び第2のステータとを備え、
前記第1及び第2のステータは、それぞれ、
環状の空芯コイルと、
該空芯コイルを内部に収納すると共に、該空芯コイルの円周方向に一定の間隔を空けて複数形成された磁極歯を有する外ヨークと、
前記空芯コイルの円周方向に一定の間隔を空けて複数形成された磁極歯を有し、該磁極歯が外ヨークの磁極歯に対して非接触状態で交互に等間隔で並ぶように配置される内ヨークと、
前記空芯コイルに取り付けられて該空芯コイルから延びる巻線の端末と接続される端末処理部材とを有し、
前記端末処理部材は、電気的絶縁性と可撓性を有する基板に、空芯コイルから延びる巻線の端末と外部回路とを電気的に接続する導電部が形成された構成であることを特徴とするステッピングモータ。 - 前記端末処理部材は、前記空芯コイルの一端に取り付けられるリング板状の基部と、該基部から延びる端末処理本体部とを有し、
前記端末処理本体部に前記導電部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータ。 - 前記端末処理本体部は、前記第1または第2のステータの外周面に沿うように折り曲げられていることを特徴とする請求項2に記載のステッピングモータ。
- 前記端子処理本体部の折曲部に切欠部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のステッピングモータ。
- 前記端末処理部材に、前記外ヨークと前記内ヨークの内少なくとも一方に係合して前記端末処理部材と前記外ヨークまたは前記内ヨークとの相対的な位置決めを行う位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のステッピングモータ。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のステッピングモータを備えた電子機器。
- 環状の空芯コイルと、
該空芯コイルの内側に円周方向に一定の間隔を空けて複数形成された磁極歯を有するヨークと、
前記空芯コイルに取り付けられて該空芯コイルから延びる巻線の端末と接続される端末処理部材とを有し、
前記端末処理部材は、電気的絶縁性と可撓性を有する基板に、空芯コイルから延びる巻線の端末と外部回路とを電気的に接続する導電部が形成された構成であることを特徴とするコイルブロック。
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2006
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