JP2008140687A - X線源 - Google Patents

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Abstract

【課題】微小焦点で低エネルギのX線を放出できるX線源を提供する。
【解決手段】真空容器12の透過ターゲット13を接地電位とし、真空容器12内で電子光学系19を正電位に浮遊させる。電子光学系19で収束する電子ビーム16を透過ターゲット13へ入射する直前に減速させる。電子ビーム16は電子光学系19を通過するまで最終設定値の数倍のエネルギを有しており、空間電荷効果による発散作用が低減する。電子光学系19の色収差は電子ビーム16のエネルギに比例するので、電子光学系19を通過した後に電子ビーム16を減速させれば、減速の度合いに比例して収差を低減し、その分の焦点サイズの減少を可能とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、微小焦点で低エネルギのX線を放出するX線源に関する。
一般的な微小焦点を有するX線源は、マイクロフォーカスX線源として既に製品化がなされており、対象物の微小領域を高分解能で検査する非破壊検査装置などに広く利用されている。このX線源は、電子源から放出される電子ビームを電界または磁界レンズなどの電子光学系により収束させ、透過ターゲット表面のμmオーダ、またはそれ以下の狭い領域に焦点を持たせて、そこで放出されるX線を、透過ターゲットを透過させて放出させる構成が採られている(例えば、特許文献1参照)。
一定量の電流値で、電子ビームを小さなスポットに収束させるためには、電子源と電子光学系とのマッチングをとって設計することが重要であるが、現在では、様々な工夫を凝らすことによって、0.1μmに迫る微小焦点を有するX線源が達成されている。
ここで、高い分解能で検査対象の透過撮影を行うX線源には、空間分解能を確保するうえで、上記のような微小焦点を持つことが必要条件であるが、もう一方、高いコントラストを確保するために適切なエネルギのX線を放出できることが重要となる。これは、検査部位の微小領域の透過撮影を行うとき、使用するX線のエネルギが高すぎると、撮影画像にコントラスト(濃淡度)がつかず、欠陥の有無などの判定ができなくなることによる。
現有のマイクロファーカスX線源は、70kV以上あるいは150kV以上の高い電圧で駆動し、高エネルギのX線を放出させるものがほとんどである。しかし、検査対象が数10μmの小さなサンプル、あるいはその構成元素がX線の減弱率の小さな軽元素、とりわけ有機物であったりするような場合には、利用するX線のエネルギとしては、30keV以下、場合によっては5keV以下の軟X線領域に及ぶような低エネルギのX線を利用することが必要となる。さらに、近年、有機系材料を多用するような製品分野、製薬の分野、さらには細胞に至るような軽元素で構成される微小な対象物に対する高分解能検査の要求が高まっていることから、上記の軟X線領域に及ぶような低エネルギのX線を放出できる微小焦点を有するX線源の実用化が求められている。
特開2004−28845号公報(第4−5頁、図1)
しかしながら、従来のマイクロフォーカスX線源の構成のまま、低エネルギのX線を放出できるようにした場合に、次のような課題がある。
低エネルギの電子ビームを小さな領域に収束しようとしたときに生じる物理的な制約条件として、主に以下の2点の課題がある。1つは、電子光学系内の電子ビームのクロスオーバーで空間電荷効果により発散効果が生じる。もう1つは、低エネルギになるほど電子光学系の磁界あるいは電界レンズの色収差の影響を強く受け、結像面での焦点のぼけ量が大きくなる。
低エネルギのX線の放出強度(線量率)を確保するうえでの物理的な制約条件として、主に以下の2点があげられる。1つは、制動X線の放出量は、励起電子のエネルギにほぼ比例関係にあるため、低エネルギの電子ビームを適用するのは線量率増加の観点から不利となる。もう1つは、透過ターゲットでの減弱(吸収)作用により、低エネルギのX線ほど、放出強度の確保が困難となる。
したがって、現在の高エネルギ対応のマイクロフォーカスX線源の駆動電圧を低減して動作させるだけでは、当初の微小な焦点サイズは維持しきれず、また、その構成のまま低電圧駆動に対応できるよう設計変更するだけでは、達成しうる焦点サイズの限界点は、満足できる範囲に収めることは困難である。そのため、エネルギを低減させて、高い効率で十分な強度(線量)の軟X線を放出でき、さらに現状の高エネルギ対応のマイクロフォーカスX線源と同等またはそれより優れた微小焦点性能を達成するためには、X線源の構成上の工夫が必要となる。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、低エネルギのX線を放出できるうえに、現状の高エネルギ対応のマイクロファーカスX線源と同等またはより優れた焦点サイズ性能を確保できるX線源を提供することを目的とする。
本発明は、接地電位の透過ターゲットを備えた真空容器と、この真空容器内に接地電位から絶縁して収納され、電子ビームを発生する電子源と、前記真空容器内に接地電位から絶縁して収納され、電子源が発生した電子ビームを収束させる電子光学系と、この電子光学系で収束される電子ビームが前記透過ターゲットへ入射する直前に減速作用を受けるように電位配分する駆動電源とを具備しているものである。
本発明によれば、電子光学系で収束される電子ビームが接地電位の透過ターゲットへ入射する直前に減速作用を受けるように構成しているため、電子ビームは電子光学系を通過するまで最終設定値の数倍のエネルギを有しており、空間電荷効果による発散作用を低減させることが可能となり、また、電子光学系の各種収差の中で色収差は、電子ビームのエネルギにそのまま比例するので、電子光学系を通過した後に減速させる構成を採ることにより、減速の度合いに比例して収差を低減し、その分の焦点サイズの減少が可能となり、したがって、微小焦点で低エネルギのX線を放出できるX線源を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に、X線源11の第1の実施の形態を示す。
X線源11は、内部が真空保持される真空容器12を有し、この真空容器12の一端にX線を外部に放出するX線放出窓を兼ねた透過ターゲット13が配設されている。
真空容器12の他端には絶縁体としての絶縁筒14を介在して支持体15が配設され、この支持体15に、透過ターゲット13へ向けて電子ビーム16を発生する電子源17を有する電子銃18が配設されているとともに、真空容器12内に位置して電子源17から発生した電子ビーム16を収束、偏向、さらに収差補正を加えて透過ターゲット13に入射させる例えば静電レンズ(ガンレンズ)などを有する静電型の電子光学系19が配設されている。支持体15には真空容器12と電子光学系19との間に介在して電子光学系19を覆うとともに透過ターゲット13に離間対向する面が開口された覆い部20が形成されている。支持体15、電子銃18および電子光学系19は、絶縁筒14を介して真空容器12から電気的に絶縁されている。
電子銃18には、電子ビーム16を発生させる駆動電源21が接続されている。
真空容器12および透過ターゲット13は接地電位とされ、支持体15および電子光学系19は駆動電源21から正電圧が印加され、電子光学系19で収束される電子ビーム16が電子光学系19を通過して透過ターゲット13へ入射する直前に減速作用を受けるように構成されている。
ここで、低エネルギの電子ビーム16を微小焦点に収束するための手段について、図7(a)を参照して説明する。例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)、あるいは電子ビーム露光装置で適用されているような減速型の電子光学系をX線源構成に適用することを考える。この場合、電子ビーム16は、電界または磁界レンズなどで構成された電子光学系19を通過するまでは、最終設定のエネルギEの数倍Mを持たせておき、透過ターゲット13に到達する直前で目的のエネルギEまで減速させる機構を採り入れる。しかし、走査型電子顕微鏡(SEM)あるいは電子ビーム露光装置では、試料に大きな負電圧を印加して、このプロセスを達成する構成となっているが、X線源11で試料に大きな負電圧を加えて電位的に浮遊させることは、検査装置の体系に対して大きな制約を生じさせるため、同様の構成を適用することは困難である。そのため、透過ターゲット13を接地電位として減速機構を得るために、X線源11内で電子光学系19を正電位に浮遊させることにより、同じ効果を得る構成を採用する。なお、図7(b)は従来例に相当する比較例であり、電子ビーム16は最終設定のエネルギEで電子光学系19を通過するため、上述したように電子光学系19内の電子ビーム16のクロスオーバーで空間電荷効果により発散効果が生じ、また、低エネルギになるほど電子光学系19のレンズの色収差の影響を強く受け、結像面での焦点のぼけ量が大きくなる。
このように、電子光学系19で収束される電子ビーム16が透過ターゲット13へ入射する直前に減速作用を受けるように構成しているため、電子ビーム16は電子光学系19を通過するまで最終設定値の数倍のエネルギを有しており、そのため、空間電荷効果による影響(発散の度合い)はエネルギの3/2乗に逆比例して低減させることが可能となる。すなわち、1/3の減速を行うことにより、発散の度合いは0.19倍に低減される。
電子光学系19のレンズの各種収差の中で色収差は、エネルギにそのまま比例するので、電子光学系19のレンズを通過した後に減速させる構成を採ることにより、減速の度合いに比例して収差を低減し、その分の焦点サイズの減少が可能となる。
そのため、透過ターゲット13に入射する電子ビーム16のエネルギよりも高いエネルギを持って電子光学系19を通過することができるので、電子光学系19内の電子ビーム16の結像点における空間電荷効果による発散作用が低減され、さらに電子光学系19を構成するレンズの収差項の中で色収差を低減することができる。
この電子ビーム16の発散を抑制させる作用によって、電子ビーム16の発生点から透過ターゲット13への入射までを一定の低エネルギで通過させるよりも、透過ターゲット13の入射点での電子ビーム16の焦点を小さくすることができ、小さな焦点からX線22を放出させることができる。
したがって、微小焦点で低エネルギのX線を放出できるX線源11を提供できる。
なお、X線源11を構成するうえで、透過ターゲット13を真空容器12と同じ接地電位にするため、電子源17と電子光学系19とを電気的に浮遊させるために真空容器12との間に絶縁を持って設置する構成を採るうえでは、図1に示したように真空容器12との間に絶縁筒14を設置する以外にも、真空容器12の内部に絶縁物を設置してこれら電子源17と電子光学系19を支持する構成を採ることも可能である。
さらに、真空容器12をガラスのような絶縁材のものとし、透過ターゲット13を接地電位とし、その他の構成物を正電位に浮遊させるような構成を採ることも可能である。
また、X線源11の備える電子光学系19は、電子源17から電子ビームを引き出し、収束する機能を設けるため、少なくとも1つの静電レンズ(ガンレンズ)を有したものとなり、これだけも構成することが可能である。さらに、収束される電子ビームの制御性を高めることを目的とするには、もう1つのレンズを備え、さらに、そこに入射する電子ビーム16をアライメント(軸調整)するための偏向用四極子、さらに電子ビームの非点収差を補正するための八極子を備えることが好ましい。これら付加されたレンズおよび多極子は、図1に示したように複数の電極を、絶縁をとって並べた静電型のものを適用する他にも、磁界型(コイル)のものを適用することも可能である。
次に、図2に、X線源11の第2の実施の形態を示す。
X線源11は、真空容器12の一端には先端に透過ターゲット13が配設された筒部24が形成され、この筒部24の内側に電子光学形19で収束されて透過ターゲット13に入射する電子ビーム16が通過するスリーブ25が配設されている。スリーブ25は、支持体の覆い部に形成され、真空容器12と電気的に絶縁されるとともに駆動電源21から正電圧が印加される。
筒部24の外側には、磁界レンズ(対物レンズ)26および磁界型の多極子27を有する磁界型電子光学系28が配設されている。磁界レンズ26および多極子27は、真空容器12や透過ターゲット13と同じ接地電位とされ、磁界を発生させる制御電源29が接続されている。
そして、磁界型電子光学系28は真空容器12の透過ターゲット13と同じ接地電位とし、スリーブ25は前段の電子光学系19と同じく正電位に浮遊させる構成とすることにより、電子ビーム16は、磁界型電子光学系28を通過するまで電子光学系19を通過するときと同じ電位を保ち、透過ターゲット13に入射する直前で減速作用を加えることができる。
そのため、電子光学系19および磁界型電子光学系28内の電子ビーム16の結像点における空間電荷効果による発散作用が低減され、さらに電子光学系19および磁界型電子光学系28を構成するレンズの収差項の中で色収差を低減することができる。
この電子ビーム16の発散を抑制させる作用によって、電子ビーム16の発生点から透過ターゲット13への入射までを一定の低エネルギで通過させるよりも、透過ターゲット13の入射点での電子ビーム16の焦点を小さくすることができ、小さな焦点からX線22を放出させることができる。
したがって、磁界型電子光学系28を備えた構成を採りながら、微小焦点で低エネルギのX線22を放出できるX線源11を提供できる。
特に、走査型電子顕微鏡の例が示すように、磁界レンズ26は、静電レンズよりも収差特性に優れたものを容易に揃えることができるため、小さな焦点サイズを追求するうえでは、その適用は効果的なものとなる。
次に、図3において、各実施の形態の透過ターゲット13について説明する。
透過ターゲット13は、基板32を備え、この基板32上にX線22を放出させる金属元素をコーティングしたコーティング材33が形成されている。
基板32の材料には、通常、X線減弱率の小さなBe(ベリリウム)が利用されるが、コーティング材33の材料には、X線放出率の大きなW(タングステン)のような重元素が用いられる。このコーティング材33に入射した電子ビーム16は、内部で衝突、減衰を繰り返し、エネルギに相当する深さまで浸透するが、その際、コーティング材33の内部では電子ビーム16は衝突作用により拡がりながら浸透していくため、X線22の発生領域のサイズも大きくなり、すなわちX線焦点のにじみが発生する。このX線焦点のにじみは、一般に電子浸透深さa相当のものとなるため、コーティング材33の厚さbは、焦点サイズと放出するX線強度とを考慮して電子浸透深さ程度に抑えるのが一般的となっている。
しかし、本発明のX線源11のように、低エネルギのX線22を放出させる場合には、電子ビーム16のエネルギを極端に低く抑えたものになり、一例として、5keV程度のエネルギの電子ビーム16を使用する場合には、Wのコーティング材33中での浸透深さは30nm程度となる。この場合、コーティング材33中で発生したX線22のエネルギ分布は、5keVをピークとしてさらに低エネルギ成分までが混在する白色スペクトルとなるが、コーティング材33の厚さbを大きく設定した場合、高い方のX線成分は、コーティング材33を透過していく過程で低エネルギ成分に変換されて放出される成分が現れる。
したがって、5keVの電子ビーム16を利用して、3keV以下の低エネルギ成分のX線22の放出強度を高めようとした場合、電子ビーム16の浸透深さaの数倍のコーティング材33の厚さbにすることで最適化を図ることができる。この場合、電子ビーム16の浸透による焦点のにじみのサイズは、コーティング材33の厚さb程度となることを考慮すると、100nm程度となるため、目標の焦点サイズに対する許容量に入っていれば、目的の低エネルギのX線成分の強度の増加を見ながらコーティング材33の厚さbを増加して最適化を図ることができる。
したがって、コーティング材33の厚さbを、電子ビーム16の浸透深さa以上で最適化した透過ターゲット13を用いることにより、微小焦点で低エネルギのX線22の放出強度を高めたX線源11を提供できる。
次に、図4および図5において、各実施の形態の透過ターゲット13の基板32の材料について説明する。
図4に、透過ターゲット13の基板32の材料がBeの場合における各厚さでのX線エネルギと減弱率との関係を示す。透過ターゲット13の基板32の材料には、上述したようにX線減弱率の小さなBeの利用が一般的に考えられるが、真空隔壁としての機能を満足しながらBeの基板32を用いるうえでは、30〜60μmが限界厚さとなる。図4中に示したように、X線エネルギが2keV以下の軟X線領域の成分を有効に取り出すためには、その限界厚さでも不十分であるため、限界厚さをさらに小さくできるような他材料を適用するとこが必要となる。
そのため、本発明のX線源11では、放射光装置の軟X線取出窓として利用されているSiC(炭化ケイ素)、またはSiN(窒化ケイ素)の基板32の材料として適用する。Beの基板32の限界厚さは、一般的にはSUS材が利用されるベースとの接合時、高温度としたときに再結晶化作用して粒界での剥がれが生じることによる。ここで適用するSiC、SiNは単結晶であるため、粒界が無く、高温にしたときにも均一な強度を維持できるため、0.1μmオーダの厚さまで薄いものを適用することができる。
そのため、図5に、透過ターゲット13の基板32の材料がBeとSiNとの場合での特性比較を示すように、SiNの場合、2keV以下の軟X線に対しても90%以上の透過率で放出することができ、微小焦点で高強度の低エネルギのX線22を放出できるX線源11を提供できる。
また、X線源11の透過ターゲット13は、SiC、SiNを基板32としてWなどの金属をコーティングすることを想定したものであるが、これはX線22への変換効率を上げることと、一般的なSiC、SiNは導電性が無いため、透過ターゲット13の表面でのチャージアップを防ぐためも金属のコーティングが必要となることとを理由としている。
しかし、SiCの基板32は、その形成条件を操作することにより導電性を持たせることができ、後者の理由については回避することができるため、基板32の表面にWなどのコーティングを施さなくてもよい。
このように、基板32の表面にWなどのコーティングを施さない場合には、SiC中のSiおよびCが入射する電子ビーム16の衝突を受けてX線22を放出する対象元素となるが、軽元素であり、X線22の変換効率が低いため、X線強度を増すためには、目的のエネルギのX線22の減弱を考慮して厚さを増加するものとする。
なお、コーティングを施さないSiCの基板32では、3keV以下のエネルギの電子ビーム16で、特性X線、すなわちSi−K線(1.74keV)またはC−K線(0.28keV)を効果的に放出させるようにすることも可能となる。
次に、図6において、各実施の形態の透過ターゲット13からの特性X線の放出について説明する。
X線源11は、透過ターゲット13からの放出されるX線として制動X線を対象としており、そのスペクトル分布は入射する電子ビーム16のエネルギをピークとしてブロードな連続分布(連続X線)となる。
ここでは、基板32の表面に形成されるコーティング材33から特性X線を効果的に放出させる構成を適用する。
図6には、基板32上にコーティングする元素を選択したとき、得られるL線(10keV以下)の例を示したものである。今、3keV以下のL−X線を有する(金属)元素を選択し、コーティング材33の厚さと入射する電子ビーム16のエネルギの最適化(おおむね特性X線エネルギの2倍)を選択すれば、目的の特性X線を高い割合で含むX線22を放出できる。さらに、目的とする焦点サイズと放出するX線強度を前提として上記の条件を最適化すれば、微小焦点で低エネルギの特性X線を高い割合で含むX線源11を提供できる。
本発明の第1の実施の形態を示すX線源の説明図である。 本発明の第2の実施の形態を示すX線源の説明図である。 同上各X線源の透過ターゲットの断面図である。 同上透過ターゲットの基板の材料がBeの場合における各厚さでのX線エネルギと減弱率との関係を示すグラフである。 同上透過ターゲットの基板の材料がBeとSiNとの場合での特性比較を示す表である。 同上透過ターゲットの特性X線が放出される材料を(a)(b)に示す表である。 同上各X線源の作用の説明図を示し、(a)は減速作用を有する場合の説明図、(b)は減速作用を有さない比較例の場合の説明図である。
符号の説明
11 X線源
12 真空容器
13 透過ターゲット
16 電子ビーム
17 電子源
19 電子光学系
21 駆動電源
25 スリーブ
28 磁界型電子光学系
29 制御電源
32 基板
33 コーティング材

Claims (6)

  1. 接地電位の透過ターゲットを備えた真空容器と、
    この真空容器内に接地電位から絶縁して収納され、電子ビームを発生する電子源と、
    前記真空容器内に接地電位から絶縁して収納され、電子源が発生した電子ビームを収束させる電子光学系と、
    この電子光学系で収束される電子ビームが前記透過ターゲットへ入射する直前に減速作用を受けるように電位配分する駆動電源と
    を具備していることを特徴とするX線源。
  2. 真空容器内に接地電位から絶縁して収納され、電子光学系で収束されて透過ターゲットへ向かう電子ビームが通過するスリーブと、
    このスリーブの位置で真空容器の外側に配置された磁界型電子光学系と、
    この磁界型電子光学系を制御する制御電源と
    を具備していることを特徴とする請求項1記載のX線源。
  3. 透過ターゲットは、基板およびこの基板の表面に入射する電子ビームの浸透深さ以上の厚みに設けられるコーティング材を備えている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のX線源。
  4. 透過ターゲットは、1μm以下の厚さでSiCおよびSiNのいずれか一方を材料とする基板を備えている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のX線源。
  5. 透過ターゲットは、表面にコーティング材が施されていない導電性のSiCを材料とする基板を備えている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のX線源。
  6. 透過ターゲットは、基板およびこの基板の表面に設けられた特性X線を放出するコーティング材を備えている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のX線源。
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