JP2008139365A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コロナ帯電器内が汚れてしまうことによる画質低下を防止するとともに、像流れによる画質低下も防止することができ、長期にわたり形成される画像の品質が安定し、長寿命の画像形成装置を提供する
【解決手段】画像形成装置1において、像担持体と、像担持体表面を一様に帯電させるため像担持体に対向して配置されるコロナ帯電器32と、像担持体上に静電潜像を形成するための露光装置33と、静電潜像にトナーを供給して静電潜像を現像しトナー像を形成するための現像装置34とを少なくとも有し、コロナ帯電器32と導管37により接続され送風又は吸引を行うための送風装置70を備えていて、送風装置70は、画像形成装置1が像担持体上に画像を形成する画像形成動作中は送風を行い、画像形成動作の終了後には、吸引を行う。
【選択図】図2
【解決手段】画像形成装置1において、像担持体と、像担持体表面を一様に帯電させるため像担持体に対向して配置されるコロナ帯電器32と、像担持体上に静電潜像を形成するための露光装置33と、静電潜像にトナーを供給して静電潜像を現像しトナー像を形成するための現像装置34とを少なくとも有し、コロナ帯電器32と導管37により接続され送風又は吸引を行うための送風装置70を備えていて、送風装置70は、画像形成装置1が像担持体上に画像を形成する画像形成動作中は送風を行い、画像形成動作の終了後には、吸引を行う。
【選択図】図2
Description
本発明は、電子写真方式を採用した複写機、プリンタ、ファクシミリ機等の画像形成装置に関する。
一般に、電子写真方式の画像形成装置(複写機、プリンタ等)では、像担持体の表面を一様に帯電させ、その後に像担持体の表面を形成すべき画像にあわせて露光することで像担持体上に静電潜像を形成する。そして、トナーが静電潜像に現像装置によって供給されることで、静電潜像が現像され、このトナー像を用紙等に転写し定着させて画像形成が行われる。ここで、像担持体の表面を一様に帯電させるために、画像形成装置は、一般に帯電器を有する。
そして、帯電器としては、コロナ放電を利用したコロナ帯電器が画像形成装置に備えられることがある。コロナ帯電器は、一般に、その内部にワイヤを備える。このワイヤに電圧が印加されることでコロナ放電が生じ、コロナ帯電器は像担持体の近傍に対向して配されているから、電荷が像担持体の表面に供給される。
その後に、像担持体表面を露光し、静電潜像が形成された像担持体にトナーを供給することで、静電潜像の可視化がなされるが(電子写真方式)、このトナーには、帯電制御や流動性向上等の観点から、様々な表面処理剤が付着されている。例えば、よく知られた表面処理剤としては、シリカや酸化チタン等が挙げられる。これら表面処理剤は、ナノメートルオーダーの非常に小さい粒径であり、飛散しやすい。
ここで、コロナ帯電器は、コロナ放電を行うものであるから、上記表面処理剤等の画像形成プロセスで生ずる微粒子、粉塵を集塵する作用がある。この集塵作用により、何ら対策をとらなければ、コロナ帯電器内のワイヤがシリカ等の粉塵で汚れてしまう。ワイヤが汚れると、コロナ放電がワイヤ上で不均一に生じることになり、像担持体の表面を均一に帯電させることができない。そうすると、濃度ムラやスジや画像カブリ等の不具合が生じてしまい、ワイヤの汚れは、形成される画像の品質低下の原因となる。
このようなワイヤの汚れの問題に対し、特許文献1や特許文献2の発明が提案されている。特許文献1には、トナー像を形成して画像形成を行う画像形成装置において、コロナ帯電器と、コロナ帯電器の長手方向に沿う送風路と、コロナ帯電器の両側端部に連通する2つの流路と、流路から送風路に送風する送風機を備えた画像形成装置が記載されている。このように構成することで、ワイヤへの塵埃の付着を防いでいる(特許文献1:請求項1、段落0008、図1等参照)。
又、特許文献2には、像担持体と、コロナ帯電器を含む画像形成装置において、コロナ帯電器の側壁部に防塵シート部材を像担持体に接触又は極めて近づけて配設し、コロナ帯電器内に空気を送り込むダクトを接続した画像形成装置が記載されている。このように構成することで、コロナ帯電器内への含塵空気の侵入を防ぎ、コロナ帯電器の放電状態を維持するようにしている(特許文献2:請求項1、図1、作用の欄参照)。
特開平09−330008号
特開昭61−200556号
ここで、放電を行うと、NH4+(アンモニウムイオン)等の帯電生成物が発生し、空気中の水分に溶け込む場合がある。この水分は、特に高湿環境では、像担持体の表面に付着することがある。又、放電を行うとオゾンが発生するが、特に、像担持体がアモルファスシリコンの感光層を有する感光体ドラムの場合、感光層表面がオゾンで酸化されて水分を吸着しやすくなる。このように、空気中の水分、更には帯電生成物が溶け込んだ水分が像担持体に付着したり、像担持体が水分を吸着しやすくなったりすると、像流れが発生してしまう。
像流れは、水分や水溶性の帯電生成物が像担持体の表面に付着することで、その部分の表面抵抗が下がり、像担持体上の静電潜像が保持できなくなることで生じ、画像が白く抜けたり、エッジ部分がぼやけたりして、形成される画像の画質低下の原因となる。
確かに、特許文献1及び2記載の発明では、コロナ帯電器のワイヤの汚れを防止でき、又、水分、粉塵を吹き飛ばすことは可能ではある。しかし、特許文献1及び2記載の発明は、外気を導入しコロナ帯電器から像担持体に向けて送風を行うから、コロナ帯電器内の水分や粉塵、帯電生成物を像担持体表面に積極的に吹き付けることになり、像流れ防止という観点からすれば、その効果は望めないという問題がある。特に、画像形成動作が終了し像担持体の回転が止まった状態で送風を行うと、風が像担持体の同じ部分に吹き付けられ続けることになり、像流れが生じてしまう。
一方で、水分や帯電生成物を感光体ドラムに吹き付けることを避けるため、コロナ帯電器内の空気の吸引を行うことも考えられるが、単に吸引を行えば、感光体ドラム周辺の粉塵も同時に吸い込むことになり、コロナ帯電器の集塵作用により加速度的にコロナ帯電器内のワイヤが汚れてしまうことになる。即ち、形成される画像の品質低下が早い段階で発生してしまう。
まとめると、特許文献1又は2記載の発明は、コロナ帯電器内の汚れを防止するという点では有効であるものの、像流れが発生してしまうという点では問題があり、像流れの問題に対して対応できない。現に、特許文献1又は2には、像流れの発生についての言及はない。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、コロナ帯電器を備えた画像形成装置において、コロナ帯電器内が汚れてしまうことによる画質低下を防止するとともに、像流れによる画質低下も防止することができ、長期にわたり形成される画像の品質が安定し、長寿命の画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、像担持体と、前記像担持体表面を一様に帯電させるため前記像担持体に対向して配置されるコロナ帯電器と、前記像担持体上に静電潜像を形成するための露光装置と、静電潜像にトナーを供給して静電潜像を現像しトナー像を形成するための現像装置とを少なくとも有し、画像形成を行う画像形成装置において、前記コロナ帯電器と導管により接続され送風又は吸引を行うための送風装置を備え、前記送風装置は、前記画像形成装置が前記像担持体上に画像を形成する画像形成動作中は送風を行い、画像形成動作の終了後には、吸引を行うこととした。
又、請求項2に係る発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記送風装置は、前記コロナ帯電器内の風速において、画像形成動作中の風速が画像形成動作終了後の風速よりも速くなるように、送風及び吸引動作を実行することとした。
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記送風装置は、画像形成動作中においては、前記コロナ帯電器内において風速が0.6m/s以上となるように送風を行うこととした。
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記送風装置は、画像形成動作終了後においては、前記コロナ帯電器内において風速が0.2m/s以上となるように吸引を行うこととした。
又、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記送風装置は、画像形成動作終了後から、15秒以上吸引を行うこととした。
又、請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記像担持体は、アモルファスシリコンの感光層を有する感光体ドラムであることとした。
請求項1記載の発明によれば、画像形成動作中は、送風装置が送風を行うから、シリカ等の粉塵が、コロナ帯電器のワイヤに付着することを防止することができる。又、画像形成動作中は、像担持体は回転しているから、像担持体上の同じ部分に風が当たらないから像流れも生じない。
一方で、画像形成動作の終了後は、コロナ帯電器のワイヤに印加されている電圧がオフされ集塵作用がなくなり、吸引を行っても粉塵がワイヤに吸着することがないから、ワイヤは汚れない。又、像担持体に対し風を吹き付けず、コロナ帯電器内の空気を吸引して、像担持体に水分、帯電生成物、粉塵が付着することを防ぐから、像流れの発生を防止することができる。
従って、請求項1記載の発明によれば、コロナ帯電器のワイヤが汚れないから形成される画像の濃度ムラ等がなく、又、像流れも発生せず、長期間にわたり形成される画像が高品質で安定した長寿命の画像形成装置を提供することができる。又、送風装置の動作をコントロールするだけでよく、低コストで構成が簡易でありつつも長寿命の画像形成装置を提供できる。
請求項2乃至5記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、請求項2乃至5のように送風装置を設定するだけで、より顕著な効果を得ることができる。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5記載の発明の効果に加え、像担持体としてアモルファスシリコンの感光層を有する感光体ドラムを用いるものであるが、コロナ帯電器により発生したオゾンでアモルファスシリコンが酸化され水分を吸着しやすくなっても、像流れの発生を防ぐことができる。アモルファスシリコンの感光層を有する感光体ドラムは長寿命であり、この感光体ドラムでの画像品質の低下を防止するから、なお一層長寿命の画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図1〜4を参照しつつ説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の概略を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を説明するための模型的断面図である。
本実施形態に係る画像形成装置1は、図1に示すように、上下方向に2つの部分に大別でき、上ハウジング1aと、下ハウジング1bとに区分される。
そして、図1に示すように、上ハウジング1aには画像読取部10、原稿載置台11等が配され、下ハウジング1b内には、下方から、用紙Pの搬送方向に沿って順番に、給紙部20、画像形成部30、定着部40、排出部50がそれぞれ配されている。又、上ハウジング1aと下ハウジング1bの間の空間であって、排出部50とつながっている部分は画像形成済みの用紙Pを排出された際に用紙Pを受け止めるための排出空間Sとなっている。
まず、上ハウジング1aの構成について説明する。上ハウジング1aには、画像読取部10、原稿載置台11、上面カバー12が配されている。
前記画像読取部10は、原稿載置台11に載置された原稿の画像情報を読み取り、データ化するためのものである。画像読取部10は、上ハウジング1a内部であって、原稿載置台11の下面に配されている。そして、画像読取部10は、走査ユニット13、複数の反射ミラー14、15、16、レンズ17、CCD18等を有している。
前記走査ユニット13は、図1の紙面垂直方向に伸びて形成され、原稿載置台11上の原稿の画像面を光照射しながら図1の左方から右方に移動する。前記反射ミラー14、15、16は、走査ユニット13により照射された光に対して原稿が反射した反射光を反射し、又、反射光をレンズ17にまで導くために設けられている。前記レンズ17は、反射光をCCD18に結像させるためのものであり、前記CCD18は、結像された反射光を光電変換することで、原稿を画像データ化する。尚、最終的には、画像情報は、後述する露光装置33に送られる。
前記原稿載置台11は、画像を読み取るために原稿を載置するためのものである。原稿載置台11には、光を透過するため、コンタクトガラス11aが設けられており、原稿の画像面を下方に向けて原稿が載置される。又、前記上面カバー12は、原稿載置台11に載置された原稿を押圧するためのものである。上面カバー12は画像形成装置1の最上部に配されていて、図1の紙面奥側に支点を有しており、開閉自在となっている。
本実施形態における画像形成装置1は、原稿を固定し、かつ走査ユニット13を移動させる、いわゆる固定読みを行うようになっている。しかし、別途自動原稿送り装置(不図示)を、上面カバー12の代わりに設けることも可能である。その場合、原稿は、自動原稿送り装置用のコンタクトガラス11bの上面に接しつつ、画像面を下方にして通過し、原稿の読み取りが行われるようにすることもできる。
次に、下ハウジング1b内の構成について説明する。下ハウジング1bには、給紙部20、画像形成部30、定着部40、排出部50、用紙搬送路60等が配される。
前記給紙部20は、図1において、画像形成装置1の最下方に配されていて、給紙カセット21と手差しトレイ22とピックアップローラ23、24等が設けられている。前記給紙カセット21は、複数枚の用紙Pを積載し収納するものであり、用紙Pは、平板矩形状の用紙載置台21aに積載される。又、給紙カセット21は、画像形成装置1に対し、引き出し可能となっており、収納した用紙Pが無くなると、給紙カセット21を引き出して用紙Pを補給できる。
前記手差しトレイ22は、使用者が手差しにより用紙Pを給紙するものであり、図1において画像形成装置1の左側面に設けられている。又、手差しトレイ22は、支点を有し、回動可能になっていて、手差しトレイ22を使用しない場合には手差しトレイ22を回動させ、画像形成装置1の左側面が平面状となるように、画像形成装置1に収容できるようになっている。前記ピックアップローラ23、24は、給紙カセット21又は手差しトレイ22の最上位に位置する用紙Pと当接するようになっており、用紙Pを一枚ずつ後述する画像形成部30に向けて送り出す。
前記画像形成部30は、給紙部20の上方に設けられていて、像担持体としてのアモルファスシリコンの感光層を有する感光体ドラム31と、感光体ドラム31表面を一様、均一に帯電させるためのコロナ帯電器32と、帯電後の感光体ドラム31表面を露光して静電潜像を形成する露光装置33と、この静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像装置34と、感光体ドラム31上のトナー像を搬送されてきた用紙Pに転写する転写ローラ35と、転写後に感光体ドラム31表面に残った残留トナーを除去するクリーナ36とを備えている。
前記感光体ドラム31は、画像形成部30の中心に位置していて、所定の方向、速度で回転駆動される。本実施形態における感光体ドラム31の外径は、例えば、25〜40mm程度のものを用いることが可能である。又、その表面は、アモルファスシリコンの感光層を有しており、その表面電位は、例えば、200〜500V程度とすることができる。この表面電位は、後に説明する現像装置34の現像ローラ34aに印加される電圧やトナーの帯電電位との兼ね合いで決まり、250V程度が好ましい。
前記コロナ帯電器32は、図1に示すように、像担持体の近傍に対向して配置される。このコロナ帯電器32は、感光体ドラム31の軸線方向(図1の紙面垂直方向)に沿ってワイヤWが内部に架け渡されていて、このワイヤWに所定の電圧(電流)が印加され、コロナ放電により像担持体の表面に電荷を供給する。そして、コロナ帯電器32には、コロナ帯電器32内に送風又はコロナ帯電器32内の空気を吸引するための導管37が接続されている。ここで、ワイヤWの直径は例えば、40〜75μm程度のものを用いることが可能である。そして、ワイヤWには、例えば、電源装置(不図示)により約5kV程度の電圧を印加することが可能である。尚、ワイヤWに加える電圧値は、あくまで目安であり、例えば、300μA〜1000μAの範囲における定電流がワイヤWに流れるように電圧値を変動させることが可能である。即ち、ワイヤWの抵抗値は、素材やその径、長さ等の要因によって変動するものであり、コロナ帯電器32の大きさひいては、画像形成装置1の大きさ等の要因によって変動するため、感光体ドラム31表面上の設定すべき電位も考慮しつつ適宜設定すればよい。
前記露光装置33は、画像形成装置1内の中央よりやや下方にレーザユニットとして設けられている。そして、露光装置33は、画像読取部10で形成された画像情報やネットワークにより接続されているコンピュータ(図略)からの画像情報に基づき、ON/OFF制御されるレーザ光Lをレーザ出力部(不図示)から出力し、感光体ドラム31表面を走査露光する。これにより画像情報に応じた静電潜像を形成する。
前記現像装置34は、図1において、コロナ帯電器32の下方かつ感光体ドラム31の右側方に設けられている。現像装置34は、内部にトナーを収容しており、現像装置34内に設けられた現像ローラ34a上にトナーの薄層を形成し、この現像ローラ34aを回転させつつ感光体ドラム31に所定の隙間を設け対向させることで、所定の電位に帯電したトナーが感光体ドラム31に向けて飛翔し静電潜像が現像される。
前記転写ローラ35は、感光体ドラム31の左側方に当接して回転可能に支持されている。この感光体ドラム31と転写ローラ35で形成されるニップに用紙Pが進入し、又、その際に、転写ローラ35に電圧が印加されることで、感光体ドラム31表面上のトナー像が用紙Pに転写される。尚転写後の残トナーを回収し、次の画像形成に備えるため、クリーナ36が、転写ローラ35の感光体ドラム31の回転方向下流側に感光体ドラム31に接して設けられる。
前記定着部40は、ヒータHを内蔵する定着ローラ41と、この定着ローラ41に圧接されて定着ローラ41との間に定着ニップ部を構成する加圧ローラ42とを備える。そして、画像形成部30において、表面にトナー像が転写された用紙Pが定着ニップ部を通過する際に、トナーが加熱・加圧されて溶融し、用紙P表面にトナー像が定着される。
前記排出部50は、画像形成装置1内の用紙搬送の終端部に設けられており、排出ローラ対51が設けられている。この排出部50から、画像形成済みの用紙Pが排出空間Sに向けて排出され、排出空間S下方に設けられた排出トレイ52に、画像面(トナー像が定着された面)を下方に向けた、フェースダウンで用紙Pが積載される。
前記用紙搬送路60は、画像形成装置1内で給紙部20から排出部50まで用紙Pを搬送するための通路であり、複数のガイド板を有している。尚、用紙搬送路60上の、画像形成部30の手前には、レジストローラ対61が設けられている。レジストローラ対61は、給紙部20から供給された用紙Pを一旦、停止させ、用紙Pへのトナー像の転写が的確になされるように画像形成部30に同期をとって供給する。尚、用紙Pの搬送方向を図1において破線で示す。
ここで、画像形成動作ついて説明しておく。
まず、画像形成装置1に設けられた操作部(不図示)若しくは、外部コンピュータ(不図示)から、使用者が、画像形成装置1に画像形成を行う旨を入力すると、画像形成部30において、感光体ドラム31が矢印方向に回転駆動され、その表面がコロナ帯電器32により所定の極性・所定の電位に均一に帯電される。帯電後の感光体ドラム31表面に対し、露光装置33が形成すべき画像の画像情報に基づいて露光を行って、静電潜像が形成される。この静電潜像に対し現像装置34がトナーを供給し、感光体ドラム31上の電位に従って、トナー像として現像される。その後、感光体ドラム31は回転を続け、トナー像は、転写ローラ35と感光体ドラム31のニップ部にタイミングを合わせて進入してきた用紙Pに、転写ローラ35により用紙P表面に転写される。このとき用紙Pの進入タイミングはレジストローラ対61で行う。
トナー像転写後の用紙Pは、定着部40に搬送され、ここで定着ローラ41及び加圧ローラ42によって加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。定着が完了した用紙Pは、排出ローラ対51に導かれ、図1において右方の排出トレイ52上に、次々と積載される。
次に、本発明の実施形態に係るコロナ帯電器32における送風・吸引を行うための構成について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る送風・吸引機構を説明するための模型的断面図である。
図2に示すように、アモルファスシリコンの感光層を有する感光体ドラム31に近接してコロナ帯電器32が設けられている。コロナ帯電器32内のワイヤWは、感光体ドラム31の軸線方向に沿って平行になるように設けられている。コロナ帯電器32の枠体32aは、感光体ドラム31と対向する面が開口し、図1において紙面垂直方向に伸びた箱形となっている。更に、コロナ帯電器32の枠体32aには、感光体ドラム31と対向する面以外の一面に通風・吸引用開口32bが設けられている。この通風・吸引用開口32bには導管37が接続されていて、導管37の他端には、送風装置70が接続されている。
ここで送風装置70は、正逆回転可能な電動のファン71を用いることが可能であり、例えば、画像形成装置1の背面や側面に設けられる。例えば、送風装置70(ファン71)には、定格24V(0.1A)のものを用いることが可能であるが、これに限られるものではない。そして、送風装置70は、画像形成装置1が感光体ドラム31上に画像(トナー像)を形成する画像形成動作中は送風を行い、画像形成動作の終了後には、吸引を行うようになっている(図2において風向きを2点鎖線で示す。)。尚、コロナ放電により生ずるオゾンや帯電生成物を除去するために送風装置70に近接して処理装置(不図示)を設けてもよい。
ここで、コロナ帯電器32はコロナ放電を利用するものであり、ワイヤWに電圧が印加されるものであるから、静電力により、画像形成装置1内の粉塵を集塵する作用があり、ワイヤWに粉塵が吸着してしまう。特に、トナーの表面処理剤として用いられるシリカや酸化チタン等がワイヤWに吸着する。このようにワイヤWが汚れると、コロナ放電が不均一となり、感光体ドラム31の帯電に影響を与え、濃度ムラや画像カブリ等の画像不具合が生じてしまう。
しかし、送風装置70は、画像形成動作中は、風がコロナ帯電器32から感光体ドラム31に向かうように送風を行うから、シリカ等の粉塵が、コロナ帯電器32のワイヤWに付着することを防止することができる。
一方で、コロナ放電を行うと、コロナ帯電器32内の空気に含まれる物質がイオン化することがあり、帯電生成物が生成される。この帯電生成物は、空気中の水分に溶け込むことがある。この水分が、感光体ドラム31に付着すると、感光体ドラム31の表面抵抗が低下し、像流れが生ずる(特に、高湿環境で生じやすい)。
しかし、送風装置70は、画像形成終了後は、コロナ帯電器32内の空気を吸引するから、感光体ドラム31に水分が付着しがたくなり像流れが防止できる。
又、本実施形態に示すように、アモルファスシリコンの感光層を有する感光体ドラム31は、コロナ放電により生ずるオゾンにより感光層が酸化する場合がある。そうすると、水分を吸着しやすくなるが、送風装置70は、画像形成終了後は、コロナ帯電器32内の空気を吸引するから、感光体ドラム31表面に水分が付着することが無くなり、アモルファスシリコンの感光層を有する感光体ドラム31であっても像流れの発生を防ぐことができる。
次に、図3及び4に基づき、本発明の実施形態における送風装置70の送風方向を変えるための制御について説明する。図3は、本発明の実施形態における送風装置70の制御を説明するためのブロック図である。図4は、本発明の実施形態における送風装置70の制御を説明するためのフローチャートである。
図3に示すように、本実施形態では、送風装置70を制御するための構成として制御部80が設けられる。この制御部80は、例えば、コロナ帯電器32、感光体ドラム31、現像装置34、露光装置33及び送風装置70と信号線でつながっている。
ここで、制御部80は、画像形成装置1を使用する上で必要となる画像形成装置1に係る多くの制御も行う中央処理的な制御部80の一部に設けられるようにしてもよいし、送風装置70の制御のため別途、制御部80が設けられてもよい。尚、図3では、送風装置70の制御に関する部分のみ図示している。
制御部80は、中央演算処理装置としてのCPU、読み出し専用の記憶部であるROM読み書き自在の記憶部であるRAMや場合によりハードディスクドライブ等の記憶装置を有する(不図示)。又、制御部80は、コロナ帯電器32、感光体ドラム31、現像装置34、露光装置33、送風装置70を制御したり、各装置に設けられたセンサ等からのデータの入出力を行ったりするため、I/F(インターフェイス)(不図示)を備える。
このような構成に基づき、実際の送風装置70の制御について、図4を参照しつつ説明する。まず、画像形成装置1に対し、操作部や外部コンピュータ等から画像形成を行う旨の命令が入力され、画像形成が開始された場合(ST1)、上述したとおり、まず、コロナ帯電器32が作動するとともに感光体ドラム31が回転する。そのため、制御部80は、コロナ帯電器32及び感光体ドラム31を作動させる信号を発し、コロナ帯電器32は電源回路(不図示)により電圧を印加され、感光体ドラム31はモータ(不図示)、ギア等からの回転駆動が伝達され回転する。又、それに併せて露光装置33、現像装置34も動作を開始するように、制御部80は制御する。即ち、画像形成部30が作動する信号を制御部80が発する(ST2)。
そして、送風装置70は、画像形成動作中、コロナ帯電器32に向けて送風を行うから、制御部80は、送風装置70のファン71を送風を行う方向に回転させるように制御信号を発する。このようにして、送風装置70は、送風を行う(ST3)。
そして、形成すべき画像の全ての画像形成が完了するまで(ジョブが完了)、画像形成部30は動作し続け(ST4)、画像形成動作が終了すれば、コロナ帯電器32等の画像形成部30は動作を停止する(ST5)。制御部80は、この停止信号を発した後、送風装置70に対しては、送風装置70のファン71の回転方向を逆にするための信号を送風装置70に向けて発する。これにより、送風装置70のスイッチが切り替えられ(ST6)、送風装置70は、コロナ帯電器32内の空気を吸引する方向にファン71が回転する(ST7)。そして、新たに画像形成を行う旨の命令が画像形成装置1に入力されないまま、その経過時間をタイマー等でカウントしつつ、例えば15秒〜240分の間で任意に定めることができる一定時間が経過すれば(ST8)、制御部80は、送風装置70を停止させるための信号を発する(ST9)。
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。尚、本発明は、実施例によって限定されるものではない。
ここで、以下に示す実施例、比較例における画像形成装置1は、外径が30mmで表面がアモルファスシリコンの感光層を有する感光体ドラム31を用いた。又、コロナ帯電器32は、感光体ドラム31の周方向において対向するコロナ帯電器32の側壁部分32cの幅が12mmのスコロトロン型帯電器を用いた(図2参照)。又、コロナ帯電器32のワイヤWの直径は60μmのタングステン製のチャージワイヤWを用い、ワイヤWには、5kVの電圧を印加し、感光体ドラム31の表面上の電位を250Vとなるように設定した。
尚、試験機は、上記で説明した本実施形態に係る画像形成装置1と同様の出願人(京セラミタ株式会社)製の複写機(形式:KM−2550)の改造機を用いた。
具体的な実験方法としては、気温32.5°C、湿度80%RHという高温高湿環境のもと、2万枚(A4用紙)の画像形成を行って、コロナ帯電器32のワイヤWの汚れを確認した。又、画像形成の終了後2時間経過してから像流れの発生の有無を確認した。
(実施例1)
画像形成動作中、送風装置70は、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。又、画像形成動作終了後は、送風装置70は、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。尚、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sとなるように設定した。(印字中=送風、終了後=吸引)
(比較例1)
画像形成動作中、送風装置70は、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。又、画像形成動作終了後も、送風装置70は、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。尚、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sとなるように設定した。(印字中=送風、終了後=送風)
(比較例2)
画像形成動作中、送風装置70は、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。又、画像形成動作終了後は、送風装置70を停止させた。尚、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sとなるように設定した。(印字中=送風、終了後=停止)
(比較例3)
画像形成動作中、送風装置70は、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。そして、画像形成動作終了後、送風装置70を停止させた。尚、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sとなるように設定した。(印字中=吸引、終了後=停止)
(比較例4)
画像形成動作中、送風装置70はコロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。画像形成動作終了後、送風装置70は、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。尚、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sとなるように設定した。(印字中=吸引、終了後=吸引)
(比較例5)
画像形成動作中、画像形成動作終了後を問わず、送風装置70を停止させた。(印字中=停止、終了後=停止)
これらの実験結果を表1に示す。
尚、以下の表において、ワイヤの汚れの評価は、ハーフトーン画像でワイヤ汚れによる筋が発生しなかったものから顕著に発生したものまで、◎、○、△、×、××の5段階に分け、◎、○、△を問題無いレベルとした。
像流れの評価は、発生しなかったものから顕著に発生したものまで、◎、○、△、×、××の5段階に分け、◎、○、△を問題無いレベルとした。
画像形成動作中、送風装置70は、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。又、画像形成動作終了後は、送風装置70は、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。尚、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sとなるように設定した。(印字中=送風、終了後=吸引)
(比較例1)
画像形成動作中、送風装置70は、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。又、画像形成動作終了後も、送風装置70は、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。尚、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sとなるように設定した。(印字中=送風、終了後=送風)
(比較例2)
画像形成動作中、送風装置70は、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。又、画像形成動作終了後は、送風装置70を停止させた。尚、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sとなるように設定した。(印字中=送風、終了後=停止)
(比較例3)
画像形成動作中、送風装置70は、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。そして、画像形成動作終了後、送風装置70を停止させた。尚、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sとなるように設定した。(印字中=吸引、終了後=停止)
(比較例4)
画像形成動作中、送風装置70はコロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。画像形成動作終了後、送風装置70は、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。尚、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sとなるように設定した。(印字中=吸引、終了後=吸引)
(比較例5)
画像形成動作中、画像形成動作終了後を問わず、送風装置70を停止させた。(印字中=停止、終了後=停止)
これらの実験結果を表1に示す。
尚、以下の表において、ワイヤの汚れの評価は、ハーフトーン画像でワイヤ汚れによる筋が発生しなかったものから顕著に発生したものまで、◎、○、△、×、××の5段階に分け、◎、○、△を問題無いレベルとした。
像流れの評価は、発生しなかったものから顕著に発生したものまで、◎、○、△、×、××の5段階に分け、◎、○、△を問題無いレベルとした。
表1の実施例1、比較例1、2に示すように、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行えば、コロナ帯電器32のワイヤWの汚れはほとんど発生せず、コロナ帯電器32のワイヤWの汚れに対し非常に有効であることが示された。しかし、比較例2は言うまでもなく、比較例1で示すように、画像形成動作終了後に送風を行っても、像流れが発生した。この結果により、画像形成動作終了に伴い停止し感光体ドラム31とコロナ帯電器32の位置が固定された状態においては、コロナ帯電器32内の帯電生成物、水分等を感光体ドラム31に積極的に吹き付けてしまうことになり、像流れが発生してしまうことが確認された。
一方で、比較例3及び4で示すように、画像形成動作中に、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行えば、コロナ帯電器32のワイヤWの汚れが著しいものとなった。このことは、感光体ドラム31やコロナ帯電器32周辺に存在する例えばシリカのような粉塵を引き込み、コロナ帯電器32のワイヤWの集塵作用により生じたことを示している。しかし、実施例1、比較例4に示すように、画像形成動作終了後に吸引を行えば、像流れの発生を防止できることが示された。
従って、本発明の実施例のように、画像形成動作中に送風を行い、画像形成動作終了後に吸引を行うとワイヤWの汚れと像流れの発生を防ぐことが可能であり、画像品質の低下のない画像形成装置1を提供できることが示された。
次に、コロナ帯電器32内での送風における風速と、コロナ帯電器32のワイヤWの汚れの発生との関係について述べる。
実施例1では、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sとしたが、この風速を0.8m/sから下げた場合のコロナ帯電器32内のワイヤWの汚れへの影響について確認を行った。具体的な実施例は、以下の通りである。
実験方法としては、気温32.5°C、湿度80%RHという高温高湿環境のもと、2万枚(A4用紙)の画像形成を行い、送風の風速を異ならせて、コロナ帯電器32のワイヤWの汚れを確認した。
(実施例1)
上記に示すとおり、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sとして、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。
(実施例2)
コロナ帯電器32内の風速を0.6m/sとして、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。
(実施例3)
コロナ帯電器32内の風速を0.4m/sとして、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。
(実施例4)
コロナ帯電器32内の風速を0.2m/sとして、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。
(実施例5)
コロナ帯電器32内の風速を0.1m/sとして、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。
この実験結果を、表2に示す。
(実施例1)
上記に示すとおり、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sとして、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。
(実施例2)
コロナ帯電器32内の風速を0.6m/sとして、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。
(実施例3)
コロナ帯電器32内の風速を0.4m/sとして、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。
(実施例4)
コロナ帯電器32内の風速を0.2m/sとして、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。
(実施例5)
コロナ帯電器32内の風速を0.1m/sとして、コロナ帯電器32から感光体ドラム31に風が向かうように送風を行った。
この実験結果を、表2に示す。
実施例1及び2に示すように、風速0.6m/s以上であれば、ワイヤWの汚れが無く、例えば、ハーフトーンの画像形成を行ってもスジが入ったりすることなく良好な画像品質が維持され、著しい効果がみられた。風速0.4m/s以下であると、コロナ帯電器32内の粉塵を吹き飛ばすには弱い場合があるが、全く送風を行わない場合に比べて効果はあることが確認された。
尚、ここでの実験に用いた画像形成装置1は、小型の部類に属するものであるが、本試験機よりも大型の画像形成装置1でも、コロナ帯電器32と感光体ドラム31との距離は、大きな差はなく、送風装置70(ファン71)の大きさを変えることや、ファン71の回転数を上げる等により風量を増加させ、風速0.6m/s以上とすれば、他の画像形成装置1にも効果があり、適宜適応できるものである。
次に、コロナ帯電器32内での吸引における風速と、像流れの発生との関係について述べる。
実施例1では、コロナ帯電器32内の吸引の風速を0.8m/sとしたが、この風速を0.8m/sから下げた場合の像流れ発生の影響について確認を行った。具体的な実施例は、以下の通りである。
実験方法としては、気温32.5°C、湿度80%RHという高温高湿環境のもと、2万枚(A4用紙P)の画像形成を行い、吸引の風速を異ならせて、画像形成の終了後2時間経過してから像流れの発生の有無を確認した。
(実施例1)
上記に示すとおり、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sとして、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。
(実施例6)
コロナ帯電器32内の風速を0.6m/sとして、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。
(実施例7)
コロナ帯電器32内の風速を0.4m/sとして、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。
(実施例8)
コロナ帯電器32内の風速を0.2m/sとして、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。
(実施例9)
コロナ帯電器32内の風速を0.1m/sとして、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。
この実験結果を、表3に示す。
(実施例1)
上記に示すとおり、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sとして、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。
(実施例6)
コロナ帯電器32内の風速を0.6m/sとして、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。
(実施例7)
コロナ帯電器32内の風速を0.4m/sとして、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。
(実施例8)
コロナ帯電器32内の風速を0.2m/sとして、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。
(実施例9)
コロナ帯電器32内の風速を0.1m/sとして、コロナ帯電器32内の空気の吸引を行った。
この実験結果を、表3に示す。
実施例1、6、7、8に示すように、風速0.2m/s以上であれば、像流れの発生が無く、良好な画像品質が維持され、著しい効果がみられた。実施例9に示すように、風速0.2m/s未満であると、コロナ帯電器32内の水分や帯電生成物を吸い出すには弱い場合があるが、全く吸引を行わない場合に比べて効果は見られることが確認された。ここで、送風を行う場合に比べて、吸引の風速が弱くても像流れの発生を防止できる要因は、ワイヤWの汚れに対しては、粉塵をワイヤWの集塵作用(静電力)に逆らって吹き飛ばすために比較的強い風速が必要であるが、像流れの発生においては、帯電生成物(イオン)や水分を吸引するだけでよいため、比較的弱い風速でもよいためと考えられる。
尚、ここでの実験に用いた画像形成装置1は、上述したように小型の部類に属するものであるが、大型の画像形成装置1においても、コロナ帯電器32と感光体ドラム31との距離は、大きな差はなく、送風装置70(ファン71)を変えることや、ファン71の回転数を上げる等風量を増加させ、風速0.2m/s以上とすれば、他の画像形成装置1にも効果があり、適宜適応できるものである。
次に、コロナ帯電器32内での吸引時間と、像流れの発生との関係について述べる。
実験方法としては、気温32.5°C、湿度80%RHという高温高湿環境のもと、2万枚(A4用紙)の画像形成を行い、以下に示すように吸引時間を異ならせて、2時間放置し、像流れの発生を確認した。尚、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sとした。
(実施例10)
画像形成動作終了後、送風装置70のファン71を300秒運転させ、コロナ帯電器32内の空気を吸引した。
(実施例11)
画像形成動作終了後、送風装置70のファン71を250秒運転させ、コロナ帯電器32内の空気を吸引した。
(実施例12)
画像形成動作終了後、送風装置70のファン71を200秒運転させ、コロナ帯電器32内の空気を吸引した。
(実施例13)
画像形成動作終了後、送風装置70のファン71を100秒運転させ、コロナ帯電器32内の空気を吸引した。
(実施例14)
画像形成動作終了後、送風装置70のファン71を50秒運転させ、コロナ帯電器32内の空気を吸引した。
(実施例15)
画像形成動作終了後、送風装置70のファン71を15秒運転させ、コロナ帯電器32内の空気を吸引した。
(実施例16)
画像形成動作終了後、送風装置70のファン71を10秒運転させ、コロナ帯電器32内の空気を吸引した。
この実験結果を、表4に示す。
(実施例10)
画像形成動作終了後、送風装置70のファン71を300秒運転させ、コロナ帯電器32内の空気を吸引した。
(実施例11)
画像形成動作終了後、送風装置70のファン71を250秒運転させ、コロナ帯電器32内の空気を吸引した。
(実施例12)
画像形成動作終了後、送風装置70のファン71を200秒運転させ、コロナ帯電器32内の空気を吸引した。
(実施例13)
画像形成動作終了後、送風装置70のファン71を100秒運転させ、コロナ帯電器32内の空気を吸引した。
(実施例14)
画像形成動作終了後、送風装置70のファン71を50秒運転させ、コロナ帯電器32内の空気を吸引した。
(実施例15)
画像形成動作終了後、送風装置70のファン71を15秒運転させ、コロナ帯電器32内の空気を吸引した。
(実施例16)
画像形成動作終了後、送風装置70のファン71を10秒運転させ、コロナ帯電器32内の空気を吸引した。
この実験結果を、表4に示す。
表4に示すように、吸引時間を15秒以上とすれば、像流れの発生をまず防ぐことができ良好な画像品質が維持され、著しい効果がみられた。一方、15秒未満の吸引時間であると、像流れが発生する場合も見られたが、全く吸引を行わない場合に比べて効果はみられることが確認された。又、実施例10、11に示すように、吸引時間が長ければ長いほど、像流れの発生は防止できるものの、15秒程度でも像流れの発生を防ぐという点では十分な効果が見られた。
尚、ここでの実験に用いた画像形成装置1は、小型の部類に属するものであるが、大型の画像形成装置1においても、コロナ帯電器32と感光体ドラム31との距離は、大きな差はなく、15秒以上の吸引を行えば、他の画像形成装置1にも効果があり、適宜適応できる。又、吸引におけるコロナ帯電器32内の風速は、表3に示すように、0.2m/s以上であれば、まず確実に像流れの発生を防ぐことができるから、コロナ帯電器32内の風速を0.8m/sから変化させても15秒程度の吸引を行えば、像流れの発生を防ぐ効果は十分現れるという結論が導き出せる。
従って、上記実験の結果に示すように、画像形成装置1によっては、多少の相違は出ると考えられるものの、送風装置70からコロナ帯電器32への送風においては、0.6m/s以上、コロナ帯電器32からの空気の吸引においては、0.2m/s以上、吸引時間は15秒以上とすれば、ワイヤWの汚れ、像流れといった不具合の発生を防ぐことができる。又、ファン71の回転数を必要以上に挙げたり、必要以上に大きなファン71を設けたりすることが無くなり、又、動作時間が必要以上に長くならないから、画像形成装置1の製造コスト面や省電力の点で有意義である。
このように、像担持体としての感光体ドラム31と、感光体ドラム31表面を一様に帯電させるため感光体ドラム31に対向して配置されるコロナ帯電器32と、感光体ドラム31上に静電潜像を形成するための露光装置33と、静電潜像にトナーを供給して静電潜像を現像しトナー像を形成するための現像装置34とを少なくとも有し、画像形成を行う画像形成装置1において、コロナ帯電器32と導管37により接続され送風又は吸引を行うための送風装置70を備え、送風装置70は、画像形成装置1が感光体ドラム31上に画像を形成する画像形成動作中は送風を行い、画像形成動作の終了後には、吸引を行うようにすれば、画像形成動作中は、送風装置70が送風を行うから、シリカ等の粉塵が、コロナ帯電器32のワイヤWに付着することを防止することができる。又、画像形成動作中は、像担持体は回転しているから、像担持体上の同じ部分に風が当たらないから像流れも生じない。一方で、画像形成動作の終了後は、コロナ帯電器32のワイヤWに印加されている電圧がオフされ集塵作用がなくなり、吸引を行っても粉塵がワイヤWに付着することがないから、ワイヤWは汚れない。又、像担持体に対し風を吹き付けず、コロナ帯電器32内の空気を吸引して、像担持体に水分、帯電生成物、粉塵が付着することを防ぐから、像流れの発生を防止することができる。コロナ帯電器32のワイヤWが汚れないから形成される画像の濃度ムラ等がなく、又、像流れも発生せず、長期間にわたり形成される画像が高品質で安定した長寿命の画像形成装置1を提供することができる。又、送風装置70の動作をコントロールするだけでよく、低コストで構成が簡易でありつつも長寿命の画像形成装置1を提供できる。
又、送風装置70は、コロナ帯電器32内の風速において、画像形成動作中の風速が画像形成動作終了後の風速よりも速くなるように、送風及び吸引動作を実行するようにし、具体的に、例えば、送風装置70は、画像形成動作中においては、コロナ帯電器32内において風速が0.6m/s以上となるように送風を行うようにし、又、例えば、送風装置70は、画像形成動作終了後においては、コロナ帯電器32内において風速が0.2m/s以上となるように吸引を行い、更には、例えば、送風装置70は、画像形成動作終了後から、15秒以上吸引を行うように、送風装置70を設定すれば、より顕著な効果を得ることができる。
又、画像形成装置1において、感光体ドラム31は、アモルファスシリコンの感光層を有するようにすれば、コロナ帯電器32により発生したオゾンでアモルファスシリコンが酸化され水分を吸着しやすくなっても、像流れの発生を防ぐことができる。アモルファスシリコンの感光層を有する感光体ドラム31は長寿命であり、この感光体ドラム31での画像品質の低下を防止するから、なお一層長寿命の画像形成装置1を提供することができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、コロナ帯電器を備えた画像形成装置おいて利用可能である。
1 画像形成装置
31 感光体ドラム(像担持体)
32 コロナ帯電器
33 露光装置
34 現像装置
70 送風装置
31 感光体ドラム(像担持体)
32 コロナ帯電器
33 露光装置
34 現像装置
70 送風装置
Claims (6)
- 像担持体と、前記像担持体表面を一様に帯電させるため前記像担持体に対向して配置されるコロナ帯電器と、前記像担持体上に静電潜像を形成するための露光装置と、静電潜像にトナーを供給して静電潜像を現像しトナー像を形成するための現像装置とを少なくとも有し、画像形成を行う画像形成装置において、
前記コロナ帯電器と導管により接続され送風又は吸引を行うための送風装置を備え、
前記送風装置は、前記画像形成装置が前記像担持体上に画像を形成する画像形成動作中は送風を行い、画像形成動作の終了後には、吸引を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 前記送風装置は、前記コロナ帯電器内の風速において、画像形成動作中の風速が画像形成動作終了後の風速よりも速くなるように、送風及び吸引動作を実行することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記送風装置は、画像形成動作中においては、前記コロナ帯電器内において風速が0.6m/s以上となるように送風を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記送風装置は、画像形成動作終了後においては、前記コロナ帯電器内において風速が0.2m/s以上となるように吸引を行うことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記送風装置は、画像形成動作終了後から、15秒以上吸引を行うことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体は、アモルファスシリコンの感光層を有する感光体ドラムであることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の画像形成装置。
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