JP2008138612A - カムシャフト及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【構成】 カムシャフトのカム12のカムノーズ部15をチル化するためのチラー20に高硬度材16を装着した状態で、チラー20とともに高硬度材16を鋳ぐるんで中間鋳造品23を鋳造し、この中間鋳造品23を図の破線に沿って切削加工して、カムノーズ部15に高硬度材16の一部18を表出させる。この高硬度材16は、抜け止め部17と表層部18とを首部19で接続した構造であり、抜け止め部17の断面積が首部19よりも大きい。
【効果】 カムノーズ部15をチル化するためのチラー20を利用して高硬度材16を鋳ぐるんだカムシャフトを容易に鋳造することができる。また、高硬度材16の首部19を内部の抜け止め部17よりも細くしているので、高硬度材16の脱落を確実に防止することができる。
【選択図】 図3
【効果】 カムノーズ部15をチル化するためのチラー20を利用して高硬度材16を鋳ぐるんだカムシャフトを容易に鋳造することができる。また、高硬度材16の首部19を内部の抜け止め部17よりも細くしているので、高硬度材16の脱落を確実に防止することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、自動車用内燃機関の動弁系に好適に用いられるカムシャフト及びその製造方法に関する。
特許文献1〜3には、自動車用内燃機関のカムシャフトの製造方法として、高い耐摩耗性や耐面圧性が要求される摺動部すなわちカムのカムノーズ部に、被鋳ぐるみ部材(高硬度材)を鋳ぐるむ技術が記載されている。また、このカムノーズ部をチル化することで耐摩耗性や耐面圧性を向上する技術が知られている。
特開平11−210414号公報
特開平11−294115号公報
特開平8−257737号公報
しかしながら、前者のように被鋳ぐるみ部材を単に鋳ぐるむものでは、上記特許文献1〜3のように溶着性能を向上させても、やはり被鋳ぐるみ部材の脱落が懸念される。一方、後者のチル化によりカムノーズの耐摩耗性等を向上する技術では、材質そのものが一様のために、その耐摩耗性等の向上には限界があり、仕様に応じた十分な要求特性,強度,面圧,加工性を得られないことがあり、更なる改善が望まれていた。本発明はこのような課題に鑑みてなされたものである。
第1の発明に係るカムシャフトは、カムに高硬度材が鋳ぐるまれており、この高硬度材が、上記カムの内部に形成される抜け止め部と、上記カムのカムノーズ部に表出する表層部と、上記抜け止め部と表層部とを接続する首部と、を有し、上記抜け止め部の断面積を首部の断面積よりも大きく設定したことを特徴としている。
第2の発明に係るカムシャフトの製造方法は、カムシャフトのカムのカムノーズ部をチル化するためのチラー(冷やし金)に高硬度材を装着した状態で、チラーとともに高硬度材を鋳ぐるんだ中間鋳造品を鋳造する鋳造工程と、上記カムノーズ部が表出するように中間鋳造品を切削して、このカムノーズ部に高硬度材の一部を表出させる切削工程と、を有することを特徴としている。
第1の発明によれば、カムノーズ部に高硬度材を鋳ぐるんで、その一部を表出させているために、カムノーズ部の耐摩耗性や耐面圧性を有効に向上することができる上、この高硬度材の首部を内部の抜け止め部より細くしているので、この高硬度材の脱落を確実に防止することができる。
第2の発明によれば、カムノーズ部をチル化するためのチラーを利用して、鋳造時に高硬度材を所定位置に保持することができ、既存の鋳型設備を利用して高硬度材を鋳ぐるんだカムシャフトを容易に製造することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例に係るカムシャフト10を示している。このカムシャフト10は、複数箇所でシリンダヘッド側へ回転可能に支持されており、その内部にオイル通路11(図2等参照)が形成された中空形状をなしている。このカムシャフト10には、各気筒毎に吸気弁又は排気弁(以下、吸・排気弁と略す)を駆動する一対の動弁カム12が設けられており、かつ、気筒間に、例えば筒内直噴型内燃機関に適用される高圧燃料ポンプやバキュームポンプ等を駆動するための補機駆動カム13が設けられている。つまり、カムシャフト10の軸方向についてポンプ駆動カム13の両側に動弁カム12が配置されている。後述するように、このカムシャフト10は上記の動弁カム12及びポンプ駆動カム13を含めて鋳造により一体的に形成される。
図2に示すように、各動弁カム12には、ベースサークル部14に比して径方向外方へ張り出したカムノーズ部15が形成されており、このカムノーズ部15のカムプロフィールに応じて吸・排気弁がリフトすることとなる。そして高い耐摩耗性や耐面圧性が要求されるカムノーズ部15に対応して、被鋳ぐるみ部材としての高硬度材16が鋳ぐるまれている。
この高硬度材16は、例えばSUJ2(高炭素工具鋼)、SK材(炭素工具鋼)あるいはSKD材(合金工具鋼)のような、他の一般部を形成する鋳鉄に比して硬度が高く耐摩耗性や耐面圧性に優れた材料により形成されていて、動弁カム12の内部に形成される抜け止め部17と、カムノーズ部15に表出する表層部18と、抜け止め部17と表層部18とを接続する棒状の首部19と、を有している。そして、首部19の長手方向に直交する断面積に関し、抜け止め部17の断面積を首部19の断面積よりも大きく設定している。つまり、首部19の長手方向である抜け方向に関して、この首部19を内側の抜け止め部17よりも細く設定している。
図3に示すように、本実施例にあっては、カムノーズ部15を高硬度化するために、このカムノーズ部15が鋳造時に適宜なチラー20を用いてチル化されている。このチラー20には、高硬度材16の先端部22が嵌合する凹部21が形成されている。製造時には、先ず鋳造工程において、高硬度材16の先端部22をチラー20の凹部21に嵌合して、高硬度材16をチラー20に保持・装着した状態で、このチラー20を砂型内にセットし、チラー20とともに高硬度材16が鋳ぐるまれた中間鋳造品23を鋳造する。そして、型ばらしや後の切削工程において、カムノーズ部15が表出するように中間鋳造品23の表層部分を図3の破線で示す位置まで切削して、高硬度材16の先端部22を削除し、カムノーズ部15に高硬度材16の一部である表層部18を表出させる。
図4に示すように、ポンプ駆動カム13は、ベースサークル部14に比して径方向へ張り出した合計3つのカムノーズ部15が三方に形成された略三角形状をなしている。そしてこれらのカムノーズ部15のそれぞれに対して、上記の動弁カム12と同様に、被鋳ぐるみ部材としての高硬度材16が鋳ぐるまれている。各高硬度材16は、上記の動弁カム12の場合と同様に、鋳鉄に比して硬度の高い材料により形成されていて、抜け止め部17と表層部18とを細い首部19で接続した構造をなし、鋳造時にはチラー20により位置決めされた状態でチラー20とともに鋳ぐるまれる。
なお、図5に示すように、表層部18Aを首部19よりも断面積の大きい形状として、この表層部18Aをカムノーズ部15の広い範囲にわたって表出させて、耐摩耗性や耐面圧性を向上させるようにしても良い。
このような本実施例によれば、高硬度材16における表層部18と抜け止め部17とを繋ぐ首部19が抜け止め部17よりも細いために、抜け止め部17が首部19を通り抜けることが物理的に不可能であり、高硬度材16の脱落を確実に防止することができる。
また、カムノーズ部15の中でも特に高い面圧が要求される頂部の付近にのみ、高硬度材16の表層部18を表出させることによって、その耐摩耗性や耐面圧性を効率的に向上することができる。しかも、高硬度材16を鋳造時に鋳ぐるんでいるために、例えば周知の焼嵌め工法や圧入工法により鋳造後のカムの外周に高硬度材を固定する場合に比して、製造作業の簡素化や製造コストの低減化を図ることができる。更に、カムノーズ部15の耐摩耗性や耐面圧性を向上するためのチラー20を利用して、鋳造時に鋳ぐるまれる高硬度材16を所定位置に良好に保持することができ、既存の鋳造設備に大きな変更を加える必要がないので、その適用が極めて容易である。
両側に動弁カム12が配置されるポンプ駆動カム13に対し、上記の焼嵌めや圧入工法により鋳造後に高硬度材を固定するためには、高硬度材が動弁カム12を通り抜けることができるように、高硬度材の内径を少なくとも動弁カム12の外径よりも大きく設定する必要があり、ポンプ駆動カムの大型化を招いてしまう。これに対して本実施例のようにポンプ駆動カム13に対して高硬度材16を鋳造時に鋳ぐるむ場合には、両側の動弁カム12の外径による制約を受けることがないので、ポンプ駆動カム13の外径を例えば動弁カム12の外径以下に縮小することが可能であり、小型化・軽量化を図ることができる。
以上のように本発明を具体的な実施例に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形・変更を含むものである。例えば、高硬度材の形状に関しては、抜け止め部と表層部との間に部分的に細くなった首部が存在するものであれば良く、図示実施例の形状や寸法に限定されるものではない。
10…カムシャフト
12…動弁カム
13…補機駆動カム
15…カムノーズ部
16…高硬度材
17…抜け止め部
18…表層部
19…首部
20…チラー
12…動弁カム
13…補機駆動カム
15…カムノーズ部
16…高硬度材
17…抜け止め部
18…表層部
19…首部
20…チラー
Claims (6)
- カムシャフトのカムに高硬度材が鋳ぐるまれており、この高硬度材が、上記カムの内部に形成される抜け止め部と、上記カムのカムノーズ部に表出する表層部と、上記抜け止め部と表層部とを接続する首部と、を有し、上記抜け止め部の断面積を首部の断面積よりも大きく設定したことを特徴とするカムシャフト。
- 上記カムノーズ部がチル化されていることを特徴とする請求項1に記載のカムシャフト。
- 上記カムシャフトには、補機駆動カムの両側に動弁カムが設けられており、少なくとも補機駆動カムに上記高硬度材が鋳ぐるまれていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカムシャフト。
- 上記表層部がカムノーズ部の広い範囲にわたって表出するように、この表層部を首部よりも断面積の大きい形状とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカムシャフト。
- カムシャフトのカムのカムノーズ部をチル化するためのチラーに高硬度材を装着した状態で、上記チラーとともに高硬度材を鋳ぐるんだ中間鋳造品を鋳造する鋳造工程と、
上記カムノーズ部が表出するように中間鋳造品を切削して、このカムノーズ部に高硬度材の一部を表出させる切削工程と、
を有することを特徴とするカムシャフトの製造方法。 - 上記高硬度材が、上記カムの内部に形成される抜け止め部と、カムノーズ部に表出する表層部と、上記抜け止め部と表層部とを接続する首部と、を有し、上記抜け止め部の断面積を首部の断面積よりも大きく設定したことを特徴とする請求項5に記載のカムシャフトの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006326450A JP2008138612A (ja) | 2006-12-04 | 2006-12-04 | カムシャフト及びその製造方法 |
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JP2008138612A true JP2008138612A (ja) | 2008-06-19 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013029024A (ja) * | 2011-07-26 | 2013-02-07 | Nippon Piston Ring Co Ltd | カムシャフト |
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2006
- 2006-12-04 JP JP2006326450A patent/JP2008138612A/ja active Pending
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