JP5133537B2 - ころ軸受、カムシャフト支持構造、内燃機関、およびころ軸受の組み込み方法 - Google Patents

ころ軸受、カムシャフト支持構造、内燃機関、およびころ軸受の組み込み方法 Download PDF

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Description

この発明は、自動車エンジン用のカムシャフト、クランクシャフト、およびロッカーシャフト等を支持するころ軸受、ころ軸受を採用したカムシャフト支持構造および内燃機関、およびころ軸受のカムシャフト等への組み込み方法に関するものである。
自動車用エンジンのカムシャフトを支持する従来の軸受が、例えば、特開2005−90696号公報(特許文献1)に記載されている。図31を参照して、同公報に記載されているカムシャフト101は、カムローブ101aと、ころ軸受102により支持される円筒状のジャーナル部101bと、端部大径部101cとを有している。
ここで、ジャーナル部101bの外径寸法は、カムローブ101aの外径の最大寸法および端部大径部101cの外径寸法より小さくなっている。そのため、ジャーナル部101bに配置されて、カムシャフト101を回転自在に支持するころ軸受102は、カムシャフト101の軸方向から挿入することができない。
そこで、ころ軸受102は、複数のころ103と、周方向に二分された略半円筒状の保持体104,105と、シリンダヘッド108およびキャップ109の間に配置される周方向に二分された略半円筒状のレース板106,107とを有している。また、図32を参照して、レース板107は円周方向両端部それぞれに径方向外側に突出する2つの突起107aを有し、キャップ109は突起107aに対応するくぼみ109aを有する。
そして、この突起107aとくぼみ109aとを係合させることによって、ころ軸受102の回転時に、レース板107とキャップ109との間での周方向および軸方向の相対移動を禁止することができると記載されている。なお、レース板106とシリンダヘッド108との間も同様の構成である。
上記構成のレース板106,107は、冷間圧延鋼板(SPC)等の鋼板をプレス加工して製造されるのが一般的である。また、所定の形状に形成後、硬度等の所定の機械的性質を得るために、熱処理が施される。
特開2005−90696号公報
上記公報に記載されているころ軸受102において、突起107aは、レース板107の内径面に径方向外側への力を加えて外径面を押し出すことによって形成される。その結果、ころ103の軌道面となるレース板107の内径面には、くぼみが形成されることとなる。これは、ころ103がくぼみ上を通過する際に振動が発生したり、ころ103の表面が早期に剥離する等、ころ103のスムーズな回転を阻害する原因となる。
さらに、ころ軸受102は、外部に設置されたオイルポンプ(図示せず)から潤滑油の供給を受けて回転するが、その多くがカムシャフト101とレース板106,107との間の隙間から外部に流出してしまう。一方、近年ではオイルポンプの小型化の要求が強く、ころ軸受102に十分な量の潤滑油を供給できなくなる恐れがある。
なお、この問題は、カムシャフトを支持するころ軸受のみならず、クランクシャフトやロッカーシャフトを支持する軸受にも同様に起こりうる。
そこで、この発明の目的は、自動車用エンジンのカムシャフト等を支持する軸受であって、軸受回転時に外輪がハウジング内で回転するのを防止し、かつ、ころがスムーズに回転可能なころ軸受を提供することである。
さらに、このようなころ軸受をカムシャフトを支持する軸受として採用することにより、耐久性に優れ、信頼性の高いカムシャフト支持構造および内燃機関を提供することを目的とする。
この発明に係るころ軸受は、円弧形状の外輪部材を円周方向に複数連ねて形成される外輪と、外輪の内径面に沿って配置される複数のころとを備える。そして、外輪部材は、その円周方向端部にハウジングと係合するように径方向外側に折り曲げられた係合爪を有する。
上記構成のように、外輪を複数の外輪部材に分割することにより、カムシャフトのように、軸受を軸方向から挿入することのできない場所にも適用することが可能となる。また、ハウジングに係合する係合爪を設けることによって、軸受回転時に外輪がハウジング内で回転するのを防止することができる。
さらに、外輪部材の円周方向端部を径方向外側に折り曲げて係合爪を形成することにより、ころの軌道面となる外輪部材の内径面を平滑な状態に保つことができる。その結果、ころがスムーズに回転可能なころ軸受を得ることができる。
好ましくは、外輪部材は複数の係合爪を有し、複数の係合爪は、軸受の回転軸線と平行な直線上に配置される。例えば、カムシャフトを回転自在に支持する軸受として使用する場合、カムシャフトを収容するシリンダヘッドとベアリングキャップとの突合面は、通常、カムシャフトの軸線方向と平行な面となる。そこで、複数の係合爪を軸受回転軸線と平行な直線状に配置することにより、係合爪をシリンダヘッドとベアリングキャップとの突合面に係合させることが可能となる。
好ましくは、外輪部材は、円周方向一方側端部に円周方向に突出する凸部と、凸部の軸方向の両側に軸受の軸線方向と平行な平坦部と、円周方向他方側端部に円周方向に凹んで隣接する外輪部材の凸部を受け入れる凹部と、凹部の軸方向の両側に係合爪とを有する。
隣接する外輪部材の突合部分には、外輪部材の熱膨張等による寸法変化を考慮して円周方向および軸方向にある程度の隙間が形成される。そのため、互いに突合する外輪部材の円周方向端部を軸方向に平行に形成すると、突合部分に軸方向に延びる溝が形成されることとなる。この場合、軸受回転時にころが突合部分の溝に嵌まり込んで、ころの円滑な回転が阻害される。そこで、突合部分の形状を略V字型とすることにより、ころがスムーズに回転可能となる。
好ましくは、係合爪は、外輪部材の他の部分と比較して硬度が低い。ハウジングに係合する係合爪には、ころ軸受の回転方向に荷重が負荷される。この荷重によって係合爪が破損するのを防止するために、係合爪の硬度を他の部分より低くすることによって靭性を高めることが有効である。なお、自動車エンジン用のカムシャフトを支持する軸受に使用される外輪部材に必要な硬度Hvは、653以上であるのに対し、係合爪の硬度Hvは300以上、600以下の範囲に設定するのが望ましい。硬度Hvが600以上になると、突発的な負荷によって係合爪22cが破損等する恐れがある。一方、硬度Hvが300未満になると、係合爪22cが早期に磨耗する恐れがあるからである。
係合爪の靭性を向上させる具体的な方法としては、外輪部材全体を焼入れする第1の工程と、第1の工程の後に係合爪のみを焼鈍しする第2の工程とを経て製造する。
好ましくは、係合爪の外輪部材の外径面と連続する壁面、および/または係合爪の外輪部材の内径面と連続する壁面は、相対的に高さの異なる複数の部分で構成される。このように、係合爪の壁面を相対的に高さの異なる複数の部分、すなわち、壁面からの高さが相対的に高い部分と相対的に低い部分とで構成することにより、ハウジングと係合爪との密着力を強化することができる。これにより、大きな回転トルクが発生しても、外輪をハウジングに対して確実に位置決めすることが可能となる。
一実施形態として、係合爪の外輪部材の外径面と連続する壁面、および/または係合爪の外輪部材の内径面と連続する壁面は、壁面から突出する突出部を有する。
他の実施形態として、係合爪の外輪部材の外径面と連続する壁面、および/または係合爪の外輪部材の内径面と連続する壁面はローレット溝を有する。
さらに他の実施形態として、係合爪は、その先端を壁面と交差する方向に曲げた屈曲部をさらに有する。
好ましくは、係合爪は、外輪部材の円周方向端部の複数個所から突出し、円周方向端部から離れた位置で相互に連結されている。このように、外輪部材の円周方向端部の複数個所から突出する係合爪を相互に連結することによって、ハウジングから負荷される荷重を係合爪全体で均一に支持することができると共に、荷重によって係合爪が変形するのを防止することができる。
一実施形態として外輪部材の円周方向端部と係合爪とで囲まれた領域は、ハウジングを固定するボルトを挿通するボルト穴として機能する。
好ましくは、外輪部材は、その外径面および内径面に開口を有する油穴をさらに有し、ころの有効長さをl、油穴の内径面側の直径をdとすると、d/l<0.5を満たす。
上記構成のように、外輪部材に軸受内部に潤滑油を供給する油穴を設けることによって、潤滑性に優れたころ軸受を得ることができる。ここで、油穴は、外輪部材の軌道面上に形成されるので、穴径が大きすぎるところのスムーズな回転を阻害するおそれがある。そこで、油穴の内径面側の直径を上記範囲内とすることにより、高い潤滑性能ところのスムーズな回転とを両立したころ軸受を得ることができる。
好ましくは、ころは、軸方向中央部に外輪部材の内径面と当接する転動面と、転動面の両端に面取り部とを有する。そして、油穴は、ころの軌道面に対面する位置に設けられる。
油穴をころの軸方向端部と対面する位置に設けた場合、油穴上を通過するころ軸受の軸方向端部が油穴の壁面に引っ掛かってスムーズに回転できないおそれがある。そこで、油穴をころの転動面に対面する位置に設けることにより、この問題を解消することができる。また、上記構成とすることにより、潤滑油を必要とするころの転動面に潤滑油を直接供給することができるので、さらに潤滑性に優れたころ軸受を得ることができる。
好ましくは、ころ軸受は、複数のころの間隔を保持する保持器をさらに備え、保持器は、円周上の一箇所に軸受の軸線方向に延びる分割線を有する。さらに、外輪部材は、その軸方向端部に径方向内側に突出して保持器の軸方向への移動を規制する鍔部を有することが好ましい。
上記構成の保持器を有するころ軸受も、カムシャフトのように軸受を軸方向から挿入することのできない場所にも適用することが可能となる。また、外輪部材の軸方向両端部に鍔部を設けることにより、保持器の軸方向への移動を規制することが可能となる。
好ましくは、保持器は、鍔部の軸方向内側の壁面に対面する軸方向端面と、軸方向端面から外輪部材の鍔部の最内径部と対面する位置まで延びる張出部とを有する。上記構成のころ軸受において、軸受の軸方向に流出潤滑油は、外輪部材の鍔部の軸方向内側の壁面と保持器の軸方向端面との間、および鍔部の最内径部と保持器の張出部との間を通過する必要がある。このように、保持器に張出部を設けたことにより軸受内部から軸方向外側に向かう油路を長くすることができるので、ころ軸受の潤滑油の保持性が向上する。
好ましくは、張出部は、外輪部材の鍔部の軸方向外側の壁面に対面するように、径方向外側に突出する突出部を有する。さらに好ましくは、外輪部材は、鍔部の最内径部から軸方向内側に屈曲する屈曲部をさらに有し、保持器は、軸方向端面に屈曲部を受け入れる凹部をさらに有する。これにより、軸受内部から軸方向外側へ向かう油路が鍔部の軸方向外側の壁面と突出部との間まで延長されるので、さらに潤滑油の保持性に優れたころ軸受を得ることができる。
この発明に係るカムシャフト支持構造は、カムシャフトと、カムシャフトを収容するハウジングと、カムシャフトをハウジングに対して回転自在に支持するころ軸受を備える。ころ軸受に注目すると、円弧形状の外輪部材を円周方向に複数連ねて形成される外輪と、外輪の内径面に沿って配置される複数のころとを備える。そして、外輪部材は、その円周方向端部にハウジングと係合するように径方向外側に折り曲げられた係合爪を有する。
好ましくは、カムシャフトは、その円周方向において、回転時に相対的に大きな荷重が負荷される負荷領域と、相対的に小さな荷重しか負荷されない非負荷領域とに区分される。そして、係合爪は、非負荷領域に対応する位置に配置される。
さらに好ましくは、外輪部材は、円周方向の一方側端部に円周方向に突出する凸部と、他方側端部に円周方向に凹んで隣接する外輪部材の凸部を受け入れる凹部と、他方側端部に係合爪とを有する。さらに、ころ軸受は、カムシャフトの回転方向と外輪部材に形成された凸部の突出方向とが一致するように配置される。
この発明に係る内燃機関は、ハウジングと、ハウジング内に設けられたシリンダと、シリンダに連通する吸気路および排気路を開閉する弁と、弁の開閉のタイミングを制御するカムシャフトと、カムシャフトを回転自在に支持するころ軸受とを備える。ころ軸受は、円弧形状の外輪部材を円周方向に複数連ねて形成される外輪と、外輪の内径面に沿って配置される複数のころとを備える。そして、外輪部材は、その円周方向端部にハウジングと係合するように径方向外側に折り曲げられた係合爪を有する。
好ましくは、外輪部材は、円周方向の一方側端部に円周方向に突出する凸部と、他方側端部に円周方向に凹んで隣接する外輪部材の凸部を受け入れる凹部と、他方側端部に係合爪とを有する。さらに、ころ軸受は、カムシャフトの回転方向と外輪部材に形成された凸部の突出方向とが一致するように配置される。
上記構成のように外輪がハウジング内で回転するのを防止し、かつ、ころがスムーズに回転可能なころ軸受をカムシャフトを回転自在に支持する軸受として採用することにより、耐久性に優れ、信頼性の高いカムシャフト支持構造および内燃機関を得ることができる。
この発明に係るころ軸受の組み込み方法は、円弧形状の外輪部材を円周方向に複数連ねて形成される外輪と、外輪の内径面に沿って配置される複数のころとを備え、外輪部材は、円周方向の一方側端部に円周方向に突出する凸部と、他方側端部に円周方向に凹んで隣接する外輪部材の凸部を受け入れる凹部と、他方側端部にハウジングと係合するように径方向外側に折り曲げられた係合爪とを有するころ軸受の組み込み方法である。具体的には、ころ軸受をカムシャフトの回転方向と外輪部材に形成された凸部の突出方向とが一致するように配置する工程を含む。
上記構成のころ軸受は、隣接する外輪部材の凸部と凹部とを組み合わせることによって円環形状の外輪を構成する。そのため、カムシャフトの回転方向、すなわち、ころの公転方向を外輪部材に形成された凸部の突出方向と逆向きにすると、軸受回転時にころが凸部の先端に衝突して振動が発生したり、ころがスキューすることで保持器が軸方向に動き、保持器側面や外輪の鍔部の磨耗や、保持器のリム部や外輪の鍔部が破損したりする恐れがある。そこで、ころの公転方向と凸部の突出方向とを一致させることにより、このような問題を解消することができる。
この発明によれば、外輪がハウジング内で回転するのを防止し、かつ、ころがスムーズに回転可能なころ軸受を得ることができる。また、このようなころ軸受をカムシャフトを支持する軸受として採用することにより、耐久性に優れ、信頼性の高いカムシャフト支持構造および内燃機関を得ることができる。
図29および図30を参照して、この発明の一実施形態に係る内燃機関11を説明する。なお、図29はこの発明の一実施形態に係る内燃機関11のシリンダの1つを示す断面図、図30は内燃機関11に使用されるカムシャフト19を示す図である。
まず、図29を参照して、内燃機関11は、ハウジングとしてのシリンダブロック12およびシリンダヘッド13と、往復運動を回転運動に変換する運動変換機構と、混合気の吸気および燃焼ガスの排気を行う給排気機構と、点火装置としてのスパークプラグ20とを備えるレシプロエンジンである。
運動変換機構は、シリンダブロック12に収容され、シリンダブロック12内に設けられたシリンダ12aの内部を往復運動するピストン14と、フライホイール(図示せず)やクラッチ(図示せず)を介してトランスミッション(図示せず)に接続されるクランクシャフト15と、一端がピストン14に接続され他端がクランクシャフト15に接続されて、ピストン14の往復運動をクランクシャフト15の回転運動に変換するコンロッド16とを備える。
給排気機構は、シリンダヘッド13に形成され、シリンダ12aに連通する吸気路13aおよび排気路13bと、シリンダ12aおよび吸気路13aの間に配置される弁としての吸気バルブ17と、シリンダ12aおよび排気路13bの間に配置される弁としての排気バルブ18と、吸気バルブ17および排気バルブ18の開閉のタイミングを制御するカムシャフト19とを備える。
吸気バルブ17は、バルブステム17aと、バルブステム17aの一方側端部に設けられたバルブヘッド17bと、吸気バルブ17を吸気路13aを閉鎖する方向に付勢するバルブスプリング17cとを含み、バルブステム17aの他方側端部には、カムシャフト19が接続される。なお、排気バルブ18は、吸気バルブ17と同様の構成であるので、説明を省略する。
図30を参照して、内燃機関11に使用されるカムシャフト19は、軸部19aと、複数のカム19bとを含む。軸部19aは、後述するこの発明の一実施形態に係る針状ころ軸受21によって回転自在に支持される。このカムシャフト19は、クランクシャフト15とタイミングベルト(図示せず)によって連結されて、クランクシャフト15の回転に伴って回転する。
カム19bは、吸気バルブ17または排気バルブ18それぞれと接続されているので、バルブ17,18と同数設けられる。また、カム19bは、図29に示すように、相対的に径の大きい長径部19cと相対的に径の小さい短径部19dとを含み、複数のカム19bは、図30に示すように、長径部19cの位置を円周方向にずらして配置される。これにより、複数のカム19bそれぞれに接続されるバルブ17,18をタイミングをずらして開閉することが可能となる。
なお、内燃機関11は、カムシャフト19が、シリンダヘッド13の上側に配置され、かつ、吸気バルブ17側と排気バルブ18側とにそれぞれ設けられるDOHC(Double Over Head Camshaft)方式のエンジンである。
次に、この内燃機関の作動原理を説明する。
まず、この内燃機関11は、ピストン14がシリンダ12a内で最も上昇した位置(上死点)と最も降下した位置(下死点)との間を移動する工程を1工程とすると、吸気工程、圧縮工程、燃焼工程、および排気工程の4工程からなる4サイクルエンジンである。
吸気工程では、吸気バルブ17が開いた状態、かつ、排気バルブ18が閉じた状態で、ピストン14が上死点から下死点まで移動する。これにより、シリンダ12a内部(ピストン14の上側の空間を指す、以下同じ)の容積が増加して内部の圧力が低下するので、混合気が吸気路13aからシリンダ12a内部に流入する。なお、混合気とは、空気(酸素)と霧状にしたガソリンの混合物を指す。
圧縮工程では、吸気バルブ17および排気バルブ18が閉じた状態で、ピストン14が下死点から上死点まで移動する。これにより、シリンダ12a内部の容積が減少して内部の圧力が上昇する。
燃焼工程では、吸気バルブ17および排気バルブ18が閉じた状態で、スパークプラグ20を点火する。これにより、圧縮状態の混合気が燃焼することによって急激に膨張してピストン14を上死点から下死点まで押し下げる。この力をコンロッド16を介してクランクシャフト15に回転運動として伝達することによって、駆動力が発生する。
排気工程では、吸気バルブ17が閉じた状態、かつ、排気バルブ18が開いた状態で、ピストン14が下死点から上死点まで移動する。これにより、シリンダ12a内部の容積が減少して、燃焼ガスが排気路13bに流出する。なお、この工程でピストン14が上死点に達した後は、吸気工程に戻る。
なお、上記の各工程において、「吸気バルブ17が開いた状態」とは、カム19bの長径部19cが吸気バルブ17に当接して、吸気バルブ17をバルブスプリング17cに逆らって下方に押し下げられた状態を指し、「吸気バルブ17が閉じた状態」とは、カム19bの短径部19dが吸気バルブ17に当接して、吸気バルブ17がバルブスプリング17cの復元力によって上方に押し上げられた状態を指す。また、排気バルブ18についても同様であるので、説明は省略する。
上記の各工程において、駆動力が発生するのは燃焼工程のみであり、その他の工程では、他のシリンダで発生した駆動力によってピストン14が往復運動する。そのため、クランクシャフト15の円滑な回転を維持する観点からは、複数のシリンダで燃焼行程のタイミングをずらすことが望ましい。
次に、図1〜図15を参照して、この発明の一実施形態に係るころ軸受としての針状ころ軸受21と、この針状ころ軸受21を使用したカムシャフト支持構造を説明する。なお、図1、図13〜図15はこの発明の一実施形態に係るカムシャフト支持構造の組込み前後の状態を示す図、図2〜図12はこの発明の一実施形態に係る針状ころ軸受21の各構成要素を示す図である。
まず、図1を参照して、この発明の一実施形態に係るカムシャフト支持構造は、カムシャフト19と、カムシャフト19を収容するハウジングとしてのシリンダヘッド13およびベアリングキャップ13cと、カムシャフト19をハウジングに対して回転自在に支持する針状ころ軸受21とを備える。
針状ころ軸受21は、円弧形状の外輪部材22a,22bを円周方向に複数連ねて形成される外輪22と、外輪22の内径面に沿って配置される複数のころとしての針状ころ23と、円周上の一箇所に軸受の軸線方向に延びる分割線を有し、複数の針状ころ23の間隔を保持する保持器24とを備える。
なお、カムシャフト19を支持する軸受としては、針状ころ軸受21が採用されるのが一般的である。針状ころ軸受21は、針状ころ23と軌道面とが線接触するので、軸受投影面積が小さい割に高負荷容量と高剛性が得られる利点を有している。したがって、負荷容量を維持しつつ、軸部19bの径方向の厚み寸法を削減することができる点で好適である。
図2〜図10を参照して、外輪部材22aを説明する。なお、図2は外輪部材22aの側面図、図3は図2をIII方向から見た図、図4は図2をIV方向から見た図、図5〜図7は外輪部材22a,22bの鍔部22dの拡大図、図8〜図10は外輪部材22a,22bの突合部分を径方向から見た図である。また、外輪部材22bは外輪部材22aと同一の形状であるので、説明は省略する。
まず、図2を参照して、外輪部材22aは、中心角180°の半円形状であって、円周方向の一方側端部にシリンダヘッド13と係合するように径方向外側に折り曲げられた係合爪22cと、軸方向の両端部に径方向内側に突出して保持器24の軸方向への移動を規制する鍔部22dとを有する。そして、この2つの外輪部材22a,22bを円周方向に連ねて円環形状の外輪22を形成する。また、外輪22の内径面の軸方向中央部は、針状ころ23の軌道面として機能する。
また、図3を参照して、外輪部材22aの円周方向一方側端部には、軸方向の両端部に係合爪22cが2つ設けられており、2つの係合爪22cの間には円周方向に凹んだ略V字型の凹部22eが形成されている。なお、2つの係合爪22cは、外輪部材22aの軌道面となる軸方向中央部を避けて両端部に、かつ、針状ころ軸受21の回転軸線と平行な直線上に配置される。好ましくは、2つの係合爪22cの間の長さLは、針状ころ23の有効長さlより長く設定されている。なお、本明細書中「ころの有効長さ」とは、ころ長さから両端の面取り部の長さを除いた長さを指すものとする。
また、図4を参照して、外輪部材22aの円周方向他方側端部には、軸方向両端部に係合爪22cの軸方向幅と同一幅の2つの平坦部22fと、2つの平坦部22fの間に先端が円弧形状で円周方向に突出した略V字型の凸部22gとが設けられている。なお、凹部22eは、外輪部材22a,22bを円周方向に連ねたときに隣接する外輪部材の凸部22gを受け入れる。
ここで、隣接する外輪部材22a,22bの突合部分には、外輪部材22a,22bの熱膨張等による寸法変化を考慮して円周方向および軸方向にある程度の隙間が形成される。そのため、互いに突合する外輪部材22a,22bの円周方向端部を軸方向に平行に形成すると、突合部分に軸方向に延びる溝が形成されることとなる。この場合、軸受回転時に針状ころ23が突合部分の溝に嵌まり込んで、針状ころ23の円滑な回転が阻害される。
そこで、突合部分の形状を略V字型とすることにより、針状ころ23がスムーズに回転可能となる。なお、外輪部材22a,22bの突合部分の形状は、略V字型に限らず、針状ころ23がスムーズに回転可能な任意の形状、例えば、略W型であってもよい。
また、図2を参照して、外輪部材22aの円弧形状の部分、すなわち軌道面の板厚をz、係合爪22cの板厚をsとすると、s/z≧0.7を満たすように設定する。係合爪22cは、外輪部材22aの円周方向端部を径方向外側に曲げて形成しているので、加工時に板厚がある程度薄くなる。しかし、板厚sが薄くなりすぎると係合爪22cに必要な強度を維持することができず、外輪部材22aをハウジングに対して確実に位置決めすることができない。なお、板厚の均一な鋼板を出発材料として外輪部材22aを形成する場合には、0.7≦s/z≦1.1となる。
また、外輪部材22aの外径寸法をDo、外輪部材22aの外径面からの係合爪22cの突出量をhとすると、0.03≦h/Do≦0.3を満たすように設定する。係合爪22cの突出量hが小さすぎると、ハウジングとの係合が不十分で外輪部材22aをハウジングに対して確実に位置決めすることができない。一方、係合爪22cの突出量が大きすぎると、係合爪22cの先端にモーメント荷重が負荷された場合に、係合爪22cが破損しやすくなる。そこで、係合爪22cの突出量は上記の範囲内とするのが望ましい。
さらに、図3を参照して、外輪部材22aの外径面の軸方向幅寸法をW、全ての係合爪22cの軸方向幅tの合計をttotalとすると、0.1≦ttotal/W≦0.5を満たすように設定する。係合爪22cの軸方向幅の合計ttotalが大きすぎると、十分な大きさの凸部22gおよび凹部22eを形成することができなくなり、針状ころ23のスムーズな回転を阻害するおそれがあるからである。したがって、外輪部材22aの円周方向端部における凸部22gおよび凹部22eの占める割合を、外輪部材22aの外輪の軸方向幅寸法Wに対して50%以上とすることにより、外輪部材22a,22bの突合部分を通過する針状ころ23のスムーズな回転を維持することができる。
一方、係合爪22cの軸方向幅tが小さすぎると、係合爪22cに必要な強度を確保することができず、外輪部材22aをハウジングに対して確実に位置決めすることができない。したがって、ttotal/W≧0.1、好ましくは、各係合爪22cの軸方向幅寸法tがそれぞれt/W≧0.1(図3のように係合爪22cが2箇所に形成されている場合は、ttotal/W≧0.2となる)とすることにより、係合爪22cに必要な強度を確保することができる。
さらに、図3および図4を参照して、外輪部材22aの外径面には、径方向外側から径方向内側に貫通する油穴22hが設けられている。この油穴22hは、ハウジングに設けられた油路(図示せず)に対応する位置に設けられて、潤滑油を針状ころ軸受21内部に供給する。なお、油穴22hの大きさ、位置、個数は、ハウジングに設けられた油路の大きさ、位置、個数に依存する。
ここで、油穴22hは、外輪部材22aの外径面および内径面に開口を有し、内径面側の直径をd、外径面側の直径をdとすると、d≦dとなるように設定する。これにより、油穴22hから軸受内部に流入する潤滑油の流れがスムーズになる。
また、図2を参照して、油穴22hの内径面側の直径dは、外輪部材22aの内径寸法Diとの関係でd/Di<0.2を満たすように設定される。これにより、針状ころ軸受21の潤滑性能を高めると同時に、外輪部材22aの強度の低下を抑えることができる。
さらに、図3を参照して、油穴22hは、針状ころ23が軸方向に最大限移動した場合でも、常に針状ころ23の転動面23aと対面する位置に配置され、油穴22hの内径面側の直径dは、針状ころ23の有効長さlとの関係でd/l<0.5を満たすように設定される。これにより、油穴22hが、油穴22h上を通過する針状ころ23の回転を阻害することがなくなるので、針状ころ23がスムーズに回転可能な針状ころ軸受21を得ることができる。
なお、針状ころ23の転動面23aとは、針状ころ23の軸方向中央部の外輪部材22aの内径面と当接する部分を指し、有効長さlの範囲と一致する。また、転動面23aの軸方向の両端には、外輪部材22aの内径面と当接しない面取り部23bが設けられている。
また、図5を参照して、鍔部22dは、軸受回転時の熱膨張等を考慮して回転軸(図示省略)との間にある程度の隙間を設ける必要がある。一方、鍔部22dの突出量が小さいと、保持器24の軸方向の移動を規制することができないことに加えて、外輪部材22aと回転軸(図示省略)との間の隙間からの潤滑油の流出量が多くなる。
そこで、針状ころ23のころ径をdw、鍔部22dの外輪部材22a,22bの内径面からの突出量をcとすると、0.5≦c/dw≦0.9を満たすように鍔部22dを形成するとよい。
さらに、図6を参照して、外輪部材22a,22bを突合させたとき、外輪部材22a,22bそれぞれに形成されている鍔部22dの互いに対面する端面の間には、軸受回転時の熱膨張等を考慮してある程度の隙間が設けられる。一方、潤滑油の外部への流出を防止するためには、この隙間は小さいほうが望ましい。
そこで、外輪22の内径寸法をDi、隣接する外輪部材22a,22bそれぞれに形成されている鍔部22dの互いに対面する端面の間の最小隙間をaとすると、0<a/Di<0.2を満たすように鍔部22dを形成するとよい。
鍔部22dを上記構成とすることにより、保持器24の軸方向の移動を適切に規制することができると共に、軸受内部からの潤滑油の流出を抑制することによって潤滑性に優れた針状ころ軸受21を得ることができる。さらに、潤滑油の流出量が減少することによって、外部に設置されたオイルポンプ(図示せず)を小型化することができるので、装置全体をコンパクト化することができる。
なお、図6に示す実施形態では、互いに対面する鍔部22dの先端部分の隙間が最も小さい例を示したが、これに限ることなく、先端部分から根元部分まで隙間が一定であってもよいし、図7に示すように、根元部分の隙間を最も小さくしてもよい。軸受内部の潤滑油は、軸受の回転による遠心力によって径方向外側に移動するので、径方向外側に位置する根元部分の隙間を小さくすることにより、より効果的に潤滑油の流出を抑制することができる。
次に、図8〜図10を参照して、外輪部材22a,22bの突合部分の各種寸法関係について説明する。外輪部材22a,22bの突合部分は、前述のとおり円周方向および軸方向にある程度の隙間を設ける必要がある。しかし、外輪部材22a,22bの突合部分を通過する針状ころ23がスムーズに回転するためには、針状ころ23の有効長さの50%以上が外輪部材22a,22bの内径面に接触している必要がある。したがって、これを満たす範囲内で、各寸法を決定する必要がある。
まず、図8を参照して、針状ころ23の有効長さをl、外輪部材22aの内径面の軸方向幅をB、係合爪22cの軸方向幅をt、凸部22gの根元部分における隣接する外輪部材22a,22bの間の軸方向隙間をα、および凸部22gの根元部分における外輪部材22aの内径面と針状ころ23との接触長さをXとすると、以下の関係が成立する。
Figure 0005133537
次に、図9および図10を参照して、針状ころ23の有効長さをl、凸部22gの先端の中心角をθ、凸部22gの先端の円弧の曲率半径をR、隣接する外輪部材22a,22bの円周方向の隙間をβ、および凸部22gの先端における外輪部材22aの内径面と針状ころ23との非接触長さをYとすると、以下の関係が成立する。
Figure 0005133537
なお、δは、凸部22gの先端を円弧形状としたことによって生じた円周方向隙間であり、図10に示すように、凸部22gの先端の中心角θおよび曲率半径Rとから、以下の式で表すことができる。
Figure 0005133537
ここで、針状ころ23がスムーズに回転するためには、X/l≧0.5,Y/l<0.5を満たす必要があるので、上記の各式を代入すると、針状ころ23の有効長さlは以下のように表される。これらのうちの少なくとも一方、好ましくは両方を満たすことにより、針状ころ23がスムーズに回転可能な針状ころ軸受21を得ることができる。
Figure 0005133537
Figure 0005133537
次に、図11および図12を参照して、保持器24を説明する。なお、図11は保持器24の側面図、図12は保持器24の分割部分を含む部分断面図である。保持器24は、円周上の一箇所に軸受の軸線方向に延びる分割線を有する略C型形状であって、針状ころ23を収容するポケット24cが円周方向の等間隔に設けられている。また、この保持器24は、樹脂材料を射出成型して形成される。
また、分割部分の円周方向一方側の切断端面24aには凹部24dが、他方側の切断端面24bには凹部24dに対応する凸部24eが設けられており、凹部24dおよび凸部24eが係合することにより、円環形状の保持器24を得ることができる。なお、この実施形態においては、凸部24eの先端部分の幅が根元部分より大きく、凹部24dは開口部分の幅が最奥部より小さく設定されている。これにより、凹部24dと凸部24eの係合を確実なものとしている。
上記構成の針状ころ軸受21は、係合爪22cがハウジングと係合するので、軸受回転中に外輪22がハウジング内で回転するのを確実に防止することができる。また、係合爪22cは、外輪部材22a,22bの円周方向端部を曲げ加工によって径方向外側に折り曲げて形成しているので、軌道面を平滑な状態に保つことができる。これにより、針状ころ23が軌道面上をスムーズに回転可能となる。
また、係合爪22cを外輪部材22aの軌道面からはずれた位置に設けることにより、係合爪22cの曲げ加工等による外輪部材22a,22bの微小な変形が針状ころ23の回転に与える影響を極小化することができる。その結果、針状ころ23の回転がさらにスムーズとなる。
さらに、外輪部材22a,22bに油孔22hを設けることによって、軸受内部に流入する潤滑油量が増加すると共に、鍔部22dの突出量を所定範囲内とすることによって、軸受内部からの潤滑油の流出量を削減することができる。これにより、潤滑性能に優れた針状ころ軸受21を得ることができる。
次に、図1、図13〜図15を参照して、針状ころ軸受21をカムシャフト19に組み込む手順を説明する。
まず、保持器24のポケット24cそれぞれに針状ころ23を組み込む。次に、保持器24の弾性を利用して分割部分を広げ、カムシャフト19に組み込む。さらに、凹部24dと凸部24eとを係合させて、保持器24が外れないようにする。
次に、シリンダヘッド13の上に、一方側の外輪部材22a、保持器24を組み込んだカムシャフト19、他方側の外輪部材22b、およびベアリングキャップ13cの順に組込み、シリンダヘッド13とベアリングキャップ13cとをボルト等で固定する。このとき、外輪部材22aの凹部22eと外輪部材22bの凸部22g、外輪部材22aの凸部22gと外輪部材22bの凹部22eとがそれぞれ突合するように配置する。
また、外輪部材22aの係合爪22cは、シリンダヘッド13のベアリングキャップ13cとの突合面に設けられた係合溝13dと係合するように配置し、外輪部材22bの係合爪22cは、ベアリングキャップ13cのシリンダヘッド13との突合面に設けられた係合溝13dと係合するように配置する。これにより、外輪部材22a,22bが、軸受回転中にハウジング内部で回転するのを防止することができる。
ここで、一般的にシリンダヘッド13とベアリングキャップ13cとの突合面は、カムシャフト19の軸線方向、すなわち軸受の回転軸線と平行な面となる。そこで、外輪部材22a,22bの円周方向端部に設けた2つ係合爪22cを針状ころ軸受21の回転軸線と平行な直線状に配置することにより、係合爪22cをシリンダヘッド13とベアリングキャップ13cとの間に係合させることができる。
なお、図13を参照して、針状ころ軸受21は、カムシャフト19の回転方向、すなわち針状ころ23の公転方向と、外輪部材22a,22bの凸部22gの突出方向とが一致するように配置される。これにより、針状ころ23がスムーズに回転可能となる。
針状ころ23の公転方向が外輪部材22a,22bの凸部22gの突出方向と逆向きの場合、軸受回転時に針状ころ23が外輪部材22a,22bの凸部22gの先端に衝突して振動が発生したり、針状ころ23が破損したりするおそれがあるからである。
上記の組み込み手順とすることにより、カムシャフト19と、外輪22と、保持器24と、ハウジングとが同心円状に配置され、針状ころ23が安定して回転可能な針状ころ軸受21得ることができる。また、上記構成の針状ころ軸受21は、外輪22を2つの外輪部材22a,22bに分割し、保持器24を円周方向の一箇所で分割したことにより、支持部分の径方向から組み込むことが可能となるので、カムシャフト19の軸部19bを支持する軸受として採用することができる。
また、外輪部材22a,22bは、カムシャフト19の回転方向と反対方向に回転しようとするので、その反作用として、係合爪22cにはハウジングからカムシャフト19の回転方向と同一方向の荷重が作用する。ここで、係合爪22cは、外輪部材22aの円周方向に折り返す方向(図2中、イの方向)に大きな荷重が作用しても破損等の可能性は少ないが、その反対の方向(図2中、ロの方向)に荷重が作用すると破損等をするおそれがある。
そこで、針状ころ軸受21をカムシャフト19の回転方向と外輪部材22a,22bの凸部22gの突出方向とが一致するように配置する場合、係合爪22cを凹部22eが形成されている側の円周方向端部に設けることによって、係合爪22cの破損を防止して、外輪部材22a,22bを確実に位置決めすることができる。
さらに、外輪部材22a,22bの突合部分は、カムシャフト19を円周方向に負荷領域と非負荷領域に区分した場合に、非負荷領域に配置するのが望ましい。外輪部材22a,22bの突合部分は、温度上昇による膨張を考慮して円周方向および軸方向にある程度の隙間が設けられている。したがって、突合部分が負荷領域に配置されると、突合部分を通過する針状ころ23の円滑な回転が阻害されるおそれがあるからである。
なお、本明細書中「負荷領域」とは、外輪部材22a,22bの円周方向において、相対的に大きな荷重が負荷される領域を指すものとする。また、「非負荷領域」とは、外輪部材22a,22bの円周方向において、相対的に小さな荷重しか負荷されない領域を指すものとする。
ただし、油穴22hは、ハウジングに設けられた油路に対応する位置に配置する必要があり、カムシャフト19の非負荷領域に配置することができるとは限らない。そこで、d/Di<0.2,d/l<0.5のうちの少なくとも一方、好ましくは両方を満たすことにより、油穴22hが負荷領域に配置された場合でも、針状ころ23のスムーズな回転を維持することが可能となる。
上記の実施形態においては、カムシャフト19を支持する軸受として針状ころ軸受21を採用した例を示したが、この発明は、他のころ軸受、例えば、円筒ころ軸受や棒状ころ軸受にも適用することができる。
また、上記の実施形態における針状ころ軸受21は、外輪22と、針状ころ23と、保持器24とを含む例を示したが、これに限ることなく、保持器24を省略した総ころ形式のころ軸受であってもよい。
また、上記の実施形態における外輪22は、円周方向の二箇所で外輪部材22a,22bに分割した例を示したが、これに限ることなく、任意の個数に分割することが可能である。例えば、中心角120°の外輪部材を円周方向に3つ連ねて外輪を形成してもよい。さらには、互いに中心角の異なる複数の外輪部材を組み合わせて円環形状の外輪を形成してもよい。同様に、保持器24についても任意の形態のものを採用することができる。
また、上記の実施形態における保持器24は、生産効率が高く、かつ、弾性変形能の高い樹脂製保持器の例を示したが、これに限ることなく、切削加工による削り出し保持器でもよく、または、鋼板をプレス加工したプレス保持器であってもよい。
また、上記の実施形態における係合爪22cは、各外輪部材22a,22bの円周方向の両側端部のうち一方側端部にのみ設けた例を示したが、これに限ることなく、外輪部材22aの円周方向両端部に係合爪22cを設けて、外輪部材22bには設けないこととしてもよい。また、係合爪22cは、軸方向両端部の二箇所に設けた例を示したが、これに限ることなく、任意の位置に少なくとも一箇所以上設けられていればよい。例えば、軸方向の一方側端部の一箇所にのみ設けてもよいし、軸方向中央部の一箇所にのみ設けてもよい。
また、上記の実施形態における鍔部22dは、外輪部材22a,22bの円周方向の全域に設けた例を示したが、これに限ることなく、円周方向の一部に部分的に設けてもよい。その際、鍔部の場所や個数は任意に設定することができるが、カムシャフト19に組み込んだときに、非負荷領域に配置されるのが望ましい。
また、上記の実施形態における針状ころ軸受21は、カムシャフト19を支持する軸受としてだけではなく、クランクシャフトやロッカーシャフト等を支持する軸受としても広く使用することが可能である。
また、上記の実施形態における内燃機関11は、カムシャフト19が吸気バルブ17側と排気バルブ18側とにそれぞれ設けられ、カム19bがバルブ17,18に直接接続されるDOHC方式の例を示したが、これに限ることなく、1つのカムシャフトがロッカーアームを介して吸気バルブおよび排気バルブと接続されるSOHC(Single Over Head Camshaft)方式であってもよいし、カムシャフトがクランクシャフトの横に配置され、プッシュロッドおよびロッカーアームを介してバルブと接続されるOHV(Over Head Valve)方式であってもよい。
さらに、この発明は、上記の実施形態における内燃機関11に限られず、カムシャフトを有するあらゆる形態の内燃機関に適用することが可能である。また、この発明は、単気筒の内燃機関にも適用可能であるが、図30に示すような多気筒エンジンに採用されるカムシャフト19の軸部19bのように、軸方向から針状ころ軸受21を挿入できない箇所を支持する軸受として好適である。
次に、図16を参照して、この発明の一実施形態に係る外輪部材22aの製造方法を説明する。なお、図16は、外輪部材22aの製造工程の一部を示す図であって、上段は平面図、下段は断面図を示す。また、外輪部材22bの製造方法は、外輪部材22aと同様であるので、説明は省略する。
まず、出発材料としては、炭素含有量が0.15wt%以上、1.1wt%以下の炭素鋼を使用する。具体的には、炭素含有量が0.15wt%以上、0.5wt%以下のSCM415やS50C等、または、炭素含有量が0.5wt%以上、1.1wt%以下のSAE1070やSK5等が考えられる。
なお、炭素含有量が0.15wt%未満の炭素鋼は、焼入処理によって硬化層が形成されにくく、外輪部材22aに必要な硬度を得るためには、浸炭窒化処理を行う必要がある。浸炭窒化処理は、後述する各焼入処理と比較して設備費用が高額になるので、結果として、針状ころ軸受21の製造コストが上昇する。また、炭素含有量が0.15wt%未満の炭素鋼では浸炭窒化処理によっても十分な浸炭硬化層が得られない場合があり、軌道面に表面起点型の剥離が早期に発生するおそれがある。一方、炭素含有量が1.1wt%を超える炭素鋼はで加工性が著しく低下するので、加工精度が低下したり、加工工数の増加による製造コストの上昇が問題となる。
図16を参照して、第1の工程としては、鋼板を打ち抜き加工して外輪部材22aの外輪を形成する(a工程)。また、長手方向の一方側端部に凹部22eおよび係合爪22cとなる部分を形成し、他方側端部に平坦部22fおよび凸部22gを形成する。さらに、外形の形成と同時に油穴22hを加工してもよい。
このとき、外輪部材22aの長手方向の長さは、カムシャフト19の直径に基づいて決定し、短手方向の長さは、使用する針状ころ23のころ長さに基づいて決定する。ただし、短手方向には鍔部22dとなる部分が含まれているので、この工程での短手方向の長さは、外輪部材22aの完成品の軸方向幅寸法より長くなる。
この工程は、一度の打ち抜き加工で全ての部分を打ち抜いてもよいし、打ち抜き加工を複数回繰り返して所定の形状を得てもよい。なお、順送プレスを用いる場合には、各加工工程の加工位置を決めるためのパイロット穴25を形成すると共に、隣接する外輪部材との間に連結部26を設けるとよい。
第2の工程としては、曲げ加工により外輪部材22aの円周方向端部を径方向外側に折り曲げて、係合爪22cを形成する(b工程)。係合爪22cの曲げ角度は、ハウジングの係合溝13cに沿う角度とする。なお、この実施形態では、係合爪22cが、外輪部材22aに対して90°の角度となるように折り曲げている。
第3の工程としては、曲げ加工により外輪部材22aの外形を所定の曲率に曲げる工程と、外輪部材22aの軸方向両端部に径方向内側に突出する鍔部22dを形成する工程とを含む(c工程〜g工程)。具体的には、連結部26を含む中央部分を残して、長手方向の両端部側から順に曲げていく(c工程、d工程)。次に、曲げ加工を施した長手方向両端部について、短手方向の両端部に曲げ加工を施して鍔部22dを形成する(e工程)。次に、外輪部材22aの外形が所定の曲率となるように、長手方向中央部についても曲げ加工を行う(f工程)。最後に、連結部26を除去して、長手方向中央部に鍔部22dを形成する(g工程)。
上記のプレス加工工程終了後、外輪部材22aに必要とされる硬度等の所定の機械的性質を得るために、熱処理を行う。なお、軌道輪として機能する外輪部材22aの内径面の表面硬さHvは、635以上が必要となる。
外輪部材22aが十分な深さの硬化層を得るためには、出発材料の炭素含有量によって適切な熱処理方法を選択する必要がある。具体的には、炭素含有量が0.15wt%以上、0.5wt%以下の材料の場合には浸炭焼入処理を、炭素含有量が0.5wt%以上、1.1wt%以下の材料の場合には光輝焼入処理または高周波焼入処理を施す。
浸炭焼入処理は、高温の鋼に炭素が固溶する現象を利用した熱処理方法であって、鋼内部は炭素量が低いまま、炭素量の多い表面層(浸炭硬化層)を得ることができる。これにより、表面は硬く、内部は軟らかく靭性の高い性質が得られる。また、浸炭窒化処理設備と比較して設備費用が安価である。
光輝焼入処理は、保護雰囲気や真空中で加熱することによって、鋼表面の酸化を防止しながら行う焼入処理を指す。また、浸炭窒化処理設備や浸炭焼入処理設備と比較して設備費用が安価である。
高周波焼入処理は、誘導加熱の原理を利用して、鋼表面を急速に加熱、急冷して焼入硬化層を作る方法である。他の焼入処理設備と比較して設備費用が大幅に安価であると共に、熱処理工程でガスを使用しないので環境に優しいというメリットがある。また、部分的な焼入処理が可能となる点でも有利である。
さらに、焼入によって生じた残留応力や内部ひずみを低減し、靭性の向上や寸法を安定化させるために、上記の焼入処理の後に焼戻を行うのが望ましい。
また、ハウジングに係合爪22cには、針状ころ軸受21の回転方向に荷重が負荷される。この荷重によって係合爪22cが破損するのを防止するために、係合爪22cの硬度を他の部分より低くすることによって靭性を高めることが有効である。
なお、係合爪22cの硬度Hvは300以上、600以下の範囲に設定するのが望ましい。硬度Hvが600以上になると、突発的な負荷によって係合爪22cが破損等する恐れがある。一方、硬度Hvが300未満になると、係合爪22cが早期に磨耗する恐れがあるからである。
係合爪22cの靭性を高める具体的な方法としては、上記の熱処理工程の後に、係合爪22cにのみ部分焼鈍しを行うか、または、上記の熱処理工程の前に係合爪22cにのみ防浸炭処理を行うことが有効である。なお、部分焼鈍しや防浸炭処理は係合爪22cの全域に施してもよいが、係合爪22cの根元部分にのみ施しても効果がある。
焼鈍しは、焼入処理によって硬化した材料を軟化させて靭性を高めるために行うものであって、材料を所定温度まで加熱後に徐冷することによって行う。なお、焼鈍しの効果が外輪部材22aの軌道面にまで及ぶのを防止するためには、高周波焼鈍しが適している。
防浸炭処理は、浸炭焼入処理等によって材料に炭素が固溶するのを防止するために行うものであって、係合爪22cに被膜を形成する等の処理を指す。これによって、浸炭焼入処理をした場合でも、被膜が形成された係合爪22cの部分に浸炭層が形成されにくくなる。
なお、この実施形態においては、外輪部材22aの外形の曲率を形成する工程と、鍔部22dを形成する工程とを平行して行う例を示したが、これに限ることなく、外形の曲率を形成する工程と、鍔部22dを形成する工程とを独立して行ってもよい。
また、上記の第1の工程から第3の工程は、この発明に係る外輪部材の製造方法の一例であって、各工程をさらに細分化してもよいし、必要な工程をさらに追加することもできる。また、加工工程の順番も任意に入れ替えることができるものとする。
さらに、上記の各工程(a工程〜g工程)は、それぞれ別々の工程として単能プレスで行ってもよいが、順送プレス、または、トランスファプレスによって行うこととしてもよい。これにより、各工程を連続的に行うことができる。また、上記の各工程(a工程〜g工程)の全部または一部に相当する加工部を有する外輪部材22aの製造装置を使用することにより、生産性を高めることができ、結果として針状ころ軸受21の製品価格を抑えることができる。
なお、本明細書中で「順送プレス」とは、プレス内に複数の加工工程を持ち、材料をプレス入口のフィーダにより各工程を移動させることによって、材料を連続的に加工する方法を指すものとする。また、本明細書中で「トランスファプレス」とは、複数の加工工程を必要とする場合に、各工程を行うステージを必要数分設け、搬送装置によって工程品を移動させながら、各ステージで加工を行う方法を指すものとする。
次に、図17〜図21を参照して、この発明の他の実施形態に係るころ軸受としての針状ころ軸受31およびその変形例を説明する。なお、図17は針状ころ軸受31をカムシャフト19に組み込む状態を示す図、図18は針状ころ軸受31に採用される外輪部材32aを示す図、図19〜図21は外輪部材32aの係合爪32cの拡大図である。なお、針状ころ軸受31の基本構成は針状ころ軸受21と共通するので、共通点の説明は省略し、相違点を中心に説明する。
まず、図17を参照して、針状ころ軸受31は、円弧形状の外輪部材32a,32bを円周方向に複数連ねて形成される外輪32と、外輪32の内径面に沿って配置される複数のころとしての針状ころ33と、円周上の一箇所に軸受の軸線方向に延びる分割線を有し、複数の針状ころ33の間隔を保持する保持器34とを備え、カムシャフト19をハウジング13に対して回転自在に支持する。
次に、図18を参照して、外輪部材32aは、中心角180°の半円形状であって、円周方向の一方側端部にシリンダヘッド13と係合するように径方向外側に折り曲げられた係合爪32cと、軸方向の両端部に径方向内側に突出して保持器34の軸方向への移動を規制する鍔部32dとを有する。
また、図19を参照して、係合爪32cの外輪部材32aの外径面と連続する壁面は、相対的に高さの異なる複数の部分で構成される。この実施形態においては、係合爪32cの中央部に突出部32iが形成されており、この突出部32iの高さが他の部分より相対的に高くなっている。この突出部32iは、係合爪32cの裏面(「係合爪32cの外輪部材32aの内径面と連続する壁面」を指す)から係合爪32cの中央部を押し上げて形成される。この突出部32iは、ハウジングと係合爪32cとの密着力を高める機能を有するので、外輪部材32aをハウジングに対して確実に位置決めすることが可能となる。
さらに、図20および図21を参照して、係合爪を有する外輪部材の他の実施形態を説明する。なお、基本構成は、図2〜図10に示した外輪部材22aと同様であるので、相違点を中心に説明する。
まず、図20を参照して、係合爪42cの外輪部材42aの外径面と連続する壁面には、複数のローレット溝42iが形成されており、ローレット溝42iの部分が他の部分より相対的に低くなっている。このローレット溝42iは、切削加工、または印圧加工(コイニング)等によって形成する。
次に、図21を参照して、係合爪52cは、その先端を90°折り曲げて屈曲部52iが形成されており、この屈曲部52iが係合爪52cの外輪部材52aの外径面と連続する壁面より相対的に高くなっている。この屈曲部52iは、曲げ加工によって形成可能な他、係合爪52cの先端を加締めて形成してもよい。
なお、図19に示す実施形態においては、突出部32iを係合爪32cの外輪部材32aの外径面と連続する壁面にのみ設けた例を示したが、これに限ることなく、係合爪32cの外輪部材32aの内径面と連続する壁面に設けてもよいし、両面に設けてもよい。図20および図21に示すローレット溝42iおよび屈曲部52iも同様である。
また、図19に示す突出部32iは、一箇所に限らず複数個所に設けてもよい。図20に示すローレット溝42iは、任意の幅、深さで形成することが可能で、隣接するローレット溝42iの間隔も任意に設定することができる。図21に示す屈曲部52iは、壁面に対して任意の角度とすることが可能で、例えば、180°の角度で折り返してもよい。
なお、上記構成の針状ころ軸受31をカムシャフト19に組み込む場合、シリンダヘッド13の係合溝13dとベアリングキャップ13cの当接面との間、およびベアリングキャップ13cの係合溝13dとシリンダヘッド13の当接面との間の隙間は、突出部32iを考慮せずに設定される。そのため、突出部32iおよび突出部32iに当接する係合溝13dの壁面は、互いに変形を伴いながら密着する。
その結果、シリンダヘッド13およびベアリングキャップ13cの突合面との密着力が強化される。これにより、針状ころ軸受31に大きな回転トルクが発生しても、外輪部材32a,32bをハウジングに対して確実に位置決めすることが可能となる。
なお、図21に示す屈曲部52iを有する係合爪52cについても、上記と同様の理由により、ハウジングと係合爪52cとの密着力を強化することが可能となる。また、図20に示すローレット溝42iを有する係合爪42cについては、係合爪42cとハウジングとの間の摩擦が大きくなることによって、両者の密着力を強化している。
次に図22〜図26を参照して、この発明のさらに他の実施形態に係る針状ころ軸受61を説明する。なお、図22および図25は針状ころ軸受61をカムシャフト19に組み込む前後の状態を示す図、図23は針状ころ軸受61に採用される外輪部材62aを示す図、図24は外輪部材62aの係合爪62cの拡大図、図26は外輪部材62aの製造方法の一部を示す図である。なお、針状ころ軸受61の基本構成は針状ころ軸受21と共通するので、共通点の説明は省略し、相違点を中心に説明する。
まず、図22を参照して、針状ころ軸受61は、円弧形状の外輪部材62a,62bを円周方向に複数連ねて形成される外輪62と、外輪62の内径面に沿って配置される複数の針状ころ63と、円周上の一箇所に軸受の軸線方向に延びる分割線を有し、複数の針状ころ63の間隔を保持する保持器64とを備え、カムシャフト19をハウジング13に対して回転自在に支持する。
次に図23を参照して、外輪部材62aは、中心角180°の半円形状であって、円周方向の一方側端部にシリンダヘッド13と係合するように径方向外側に折り曲げられた係合爪62cと、軸方向の両端部に径方向内側に突出して保持器64の軸方向への移動を規制する鍔部62dとを有する。
次に図24を参照して、係合爪62cは、外輪部材62aの円周方向端部の2箇所から径方向外側に突出し、円周方向端部から離れた位置で相互に連結されている。具体的には、略コの字型の係合爪62cの開口部を外輪部材62aの円周方向端部に向けて配置している。また、外輪部材62aの円周方向端部と略コの字型の係合爪62cとで囲まれた領域は、ハウジングを固定するボルトを挿通するボルト穴62iとして機能する。
上記構成の係合爪62cは、円周方向端部に独立して設けられる係合爪と比較して、ハウジングから負荷される荷重を係合爪62c全体で均一に支持することができると共に、荷重によって係合爪62cが変形するのを防止することができる点で有効である。
なお、図24に示す実施形態においては、係合爪62cを略コの字型とした例を示したが、これに限ることなく、任意の形状とすることが可能である。例えば、円弧形状や三角形状であってもよい。
次に図25を参照して、上記構成の針状ころ軸受61をカムシャフト19に組み込む場合、シリンダヘッド13とベアリングキャップ13cとを固定するボルトは、係合爪62cのボルト穴62iに挿通される。また、図25に示すように、係合爪62cの径方向の長さをシリンダヘッド13とベアリングキャップ13cとの当接部分の長さと同じにすることにより、両部材13,13cの当接部分に係合爪22cを受け入れる係合溝を設ける必要がなくなり、製造工数を削減することが可能となる。
ここで、一般的にシリンダヘッド13とベアリングキャップ13cとの突合面は、カムシャフト19の軸線方向、すなわち軸受の回転軸線と平行な面となる。そこで、外輪部材62a,62bの円周方向端部に設けた2つ係合爪62cを針状ころ軸受61の回転軸線と平行な直線状に配置することにより、係合爪62cをシリンダヘッド13とベアリングキャップ13cとの間に係合させることができる。
次に図26を参照して、外輪部材62aを製造する場合には、打ち抜き加工工程(a工程)においてボルト穴62iを含む係合爪62cを形成する。出発材料およびその後の製造工程については図16に示す製造方法と同じであるので、詳しい説明は省略する。
次に図27および図28を参照して、潤滑油の保持性が向上させた針状ころ軸受71,81を説明する。なお、基本構成は針状ころ軸受21と同様であるので、相違点を中心に説明する。
図27を参照して、この発明の他の実施形態に係る針状ころ軸受71は、外輪を形成する外輪部材72aと、外輪の内径面に沿って配置される複数の針状ころ73と、隣接する針状ころ73の間隔を保持する保持器74とを備える。
保持器74は、外輪部材72aの鍔部72dの軸方向内側の壁面に対面する軸方向端面と、左右両側の軸方向端面から鍔部72dの最内径部に対面する位置まで延びる張出部74fをさらに有する。この張出部74fは、保持器74の全周に形成されている。
上記構成の保持器74を採用することにより、外輪部材72aの油穴72hから流入して針状ころ軸受71の軸方向端部から流出する潤滑油は、外輪部材72aの鍔部72dの軸方向内側の壁面と保持器74の軸方向端面との間、および鍔部72dの最内径部と張出部74fとの間を通過する必要がある。このように、張出部74fによって軸受内部から軸方向外側に向かう油路が長くなるので、針状ころ軸受71の潤滑油保持性が向上する。
図28を参照して、この発明の他の実施形態に係る針状ころ軸受81は、外輪を形成する外輪部材82aと、外輪82の内径面に沿って配置される複数の針状ころ83と、隣接する針状ころ83の間隔を保持する保持器84とを備える。
外輪部材82aは、軸方向の両端部に径方向内側に突出する鍔部82dと、鍔部82dの最内径部から軸方向内側に屈曲する屈曲部82iとを有する。この実施形態においては、屈曲部82iは鍔部82dに対して90°の角度を有する。
保持器84は、外輪部材82aの鍔部82dの軸方向内側の壁面に対面する軸方向端面と、左右両側の軸方向端面から軸方向外側に鍔部82dの最内径部に対面する位置まで延びる張出部84fと、鍔部84dの軸方向外側の壁面と対面するように、張出部84fの先端から径方向外側に突出する突出部84gと、軸方向端面に屈曲部82iを受け入れる凹部84hとを有する。
上記構成とすることにより、軸受内部から軸方向外側に向かう油路が図27に示した保持器84と比較してさらに長くなるので、さらに潤滑油保持性に優れた針状ころ軸受71を得ることができる。
なお、外輪部材82aは保持器84の径方向外側から組み込むので、屈曲部82iは外輪部材82aを弾性変形して保持器84の凹部84hに嵌め入れることになる。したがって、屈曲部82iおよび凹部84hの寸法は、外輪部材82aの弾性変形能の範囲内で決定する必要がある。同様に軸方向端面から軸方向内側に凹む凹部84hを有する保持器84は、射出成型時に樹脂材料の弾性変形を利用して型から抜く(無理抜き)必要があるので、凹部84hの寸法は、保持器84の弾性変形能の範囲内で決定する必要がある。
また、この実施形態では、屈曲部82iを鍔部82dに対して90°屈曲させた例を示したが、これに限ることなく、鍔部82dと屈曲部82iとがなす角を鈍角とすることによって、屈曲部82iの寸法を長くすることが可能となる。同様に、保持器84の凹部84hを開口部が径方向外側を向くように形成することにより、凹部84hの凹み量を大きくすることが可能となる。
また、屈曲部82iと凹部84hとの間は、潤滑油の保持性の観点からは隙間を小さくすることが好ましいが、針状ころ軸受81のスムーズな回転を維持する観点からは、ある程度の隙間が必要となる。さらに、保持器84の突出部84gは、突出量が大きい程潤滑油の保持性が高くなるが、針状ころ軸受81の回転を阻害しないために、先端が外輪部材82aの外径面より内側に位置する必要がある。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明は、自動車用エンジンのカムシャフトを支持するころ軸受、カムシャフト支持構造、および内燃機関に有利に利用される。
この発明の一実施形態に係るカムシャフト支持構造の組込み前の状態を示す図である。 この発明の一実施形態に係るころ軸受の外輪部材を示す図である。 図2のIII方向から見た図である。 図2のIV方向から見た図である。 図2の外輪部材に設けられた鍔部の突出高さを示す図である。 図2の外輪部材を突合したときの突合部分の一例を示す図である。 図2の外輪部材を突合したときの突合部分の他の例を示す図である。 この発明の一実施形態に係るころ軸受の外輪部材の突合部分であって、凸部の根元部分での外輪部材ところとの接触状態を示す図である。 この発明の一実施形態に係るころ軸受の外輪部材の突合部分であって、凸部の先端部分での外輪部材ところとの接触状態を示す図である。 図9の凸部の先端部分の拡大図である。 この発明の一実施形態に係るころ軸受の保持器の側面図を示す図である。 図11の保持器の分割部分を含む部分断面図である。 図2の外輪部材を突合させたときの突合部分の拡大図である。 図1のカムシャフト支持構造の組込み後の状態を軸方向から見た断面図である。 図1のカムシャフト支持構造の組込み後の状態を径方向から見た断面図である。 この発明の一実施形態に係る外輪部材の製造工程の一部を示す図であって、上段は平面図、下段は断面図である。 この発明の他の実施形態に係るカムシャフト支持構造の組込み前の状態を示す図である。 この発明の他の実施形態に係るころ軸受の外輪部材を示す図である。 図18の外輪部材の係合爪の拡大図である。 図19の係合爪の他の実施形態を示す図である。 図19の係合爪のさらに他の実施形態を示す図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るカムシャフト支持構造の組込み前の状態を示す図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るころ軸受の外輪部材を示す図である。 図23の外輪部材の係合爪の拡大図である。 図22のカムシャフト支持構造の組込み後の状態を軸方向から見た断面図である。 図23の外輪部材の製造工程の一部を示す図であって、上段は平面図、下段は断面図である。 この発明の一実施形態に係る保持器を示す図であって、軸方向の両端部に張出部を有する保持器を示す図である。 この発明の他の実施形態に係る保持器を示す図であって、軸方向の両端部に張出部および突出部を有する保持器を示す図である。 この発明の一実施形態に係る内燃機関のシリンダ1つを示す断面図である。 図29の内燃機関に採用されるカムシャフトを示す図である。 従来のカムシャフト支持構造を示す図である。 図31のころ軸受のレース板とキャップとの拡大図である。
符号の説明
11 内燃機関、12 シリンダブロック、12a シリンダ、13,108 シリンダヘッド、13a 吸気路、13b 排気路、13c ベアリングキャップ、13d 係合溝、14 ピストン、15 クランクシャフト、16 コンロッド、17,18 バルブ、17a,18a バルブステム、17b,18b バルブヘッド、17c,18c バルブスプリング、19,101 カムシャフト、19a 軸部、19b カム、19c 長径部、19d 短径部、101a カムローブ、101b ジャーナル部、101c 端部大径部、20 スパークプラグ、21,31,61,71,81 針状ころ軸受、22,32,62,72,82 外輪、22a,22b,32a,32b,42a,52a,62a,62b,72a,82a 外輪部材、22c,32c,42c,52c,62c 係合爪、22d,32d,42d,52d,62d,72d,82d 鍔部、22e,24d,84h 凹部、22f 平坦部、22g,24e 凸部、22h 油穴、82i 屈曲部、23,33,63,73,83 針状ころ、24,34,64,74,84 保持器、24a,24b 切断端面、24c ポケット、74f,84f 張出部、84g 突出部、102 ころ軸受、103 ころ、104,105 保持体、106,107 レース板、107a 突起、109 キャップ、109a くぼみ。

Claims (24)

  1. 円弧形状の外輪部材を円周方向に複数連ねて形成される外輪と、
    前記外輪の内径面に形成された軌道面に沿って配置される複数のころとを備え、
    前記外輪部材は、前記外輪部材の軌道面となる軸方向中央部を避けて両端部に配置され、その円周方向端部にハウジングと係合するように径方向外側に折り曲げられた係合爪を有する、ころ軸受。
  2. 前記外輪部材は、複数の前記係合爪を有し、
    前記複数の係合爪は、軸受の回転軸線と平行な直線上に配置される、請求項1に記載のころ軸受。
  3. 前記外輪部材は、
    円周方向一方側端部に円周方向に突出する凸部と、
    前記凸部の軸方向の両側に軸受の軸線方向と平行な平坦部と、
    円周方向他方側端部に円周方向に凹んで隣接する前記外輪部材の前記凸部を受け入れる凹部と、
    前記凹部の軸方向の両側に前記係合爪とを有する、請求項1または2に記載のころ軸受。
  4. 前記係合爪は、前記外輪部材の他の部分と比較して硬度が低い、請求項1〜3のいずれかに記載のころ軸受。
  5. 前記外輪部材は、外輪部材全体を焼入れする第1の工程と、
    前記第1の工程の後に、前記係合爪のみを焼鈍しする第2の工程とを経て製造される、請求項1〜4のいずれかに記載のころ軸受。
  6. 前記係合爪の前記外輪部材の外径面と連続する壁面、および/または前記係合爪の前記外輪部材の内径面と連続する壁面は、相対的に高さの異なる複数の部分で構成される、請求項1〜5のいずれかに記載のころ軸受。
  7. 前記係合爪の前記外輪部材の外径面と連続する壁面、および/または前記係合爪の前記外輪部材の内径面と連続する壁面は、前記壁面から突出する突出部を有する、請求項6に記載のころ軸受。
  8. 前記係合爪の前記外輪部材の外径面と連続する壁面、および/または前記係合爪の前記外輪部材の内径面と連続する壁面は、ローレット溝を有する、請求項6に記載のころ軸受。
  9. 前記係合爪は、その先端を前記壁面と交差する方向に曲げた屈曲部をさらに有する、請求項6に記載のころ軸受。
  10. 前記係合爪は、前記外輪部材の円周方向端部の複数個所から突出し、前記円周方向端部から離れた位置で相互に連結されている、請求項1〜9のいずれかに記載のころ軸受。
  11. 前記外輪部材の円周方向端部と、前記係合爪とで囲まれた領域は、ハウジングを固定するボルトを挿通するボルト穴として機能する、請求項10に記載のころ軸受。
  12. 前記外輪部材は、その外径面および内径面に開口を有する油穴をさらに有し、
    前記ころの有効長さをl、前記油穴の内径面側の直径をdとすると、
    /l<0.5
    を満たす、請求項1〜11のいずれかに記載のころ軸受。
  13. 前記ころは、軸方向中央部に前記外輪部材の内径面と当接する転動面と、前記転動面の両端に面取り部とを有し、
    前記油穴は、前記ころの前記軌道面に対面する位置に設けられる、請求項12に記載のころ軸受。
  14. 前記ころ軸受は、前記複数のころの間隔を保持する保持器をさらに備え、
    前記保持器は、円周上の一箇所に軸受の軸線方向に延びる分割線を有する、請求項1〜13のいずれかに記載のころ軸受。
  15. 前記外輪部材は、その軸方向端部に径方向内側に突出して前記保持器の軸方向への移動を規制する鍔部を有する、請求項14に記載のころ軸受。
  16. 前記保持器は、前記鍔部の軸方向内側の壁面に対面する軸方向端面と、前記軸方向端面から前記外輪部材の鍔部の最内径部と対面する位置まで延びる張出部とを有する、請求項15に記載のころ軸受。
  17. 前記張出部は、前記外輪部材の鍔部の軸方向外側の壁面に対面するように、径方向外側に突出する突出部を有する、請求項16に記載のころ軸受。
  18. 前記外輪部材は、前記鍔部の最内径部から軸方向内側に屈曲する屈曲部をさらに有し、
    前記保持器は、軸方向端面に前記屈曲部を受け入れる凹部をさらに有する、請求項16または17に記載のころ軸受。
  19. カムシャフトと、
    前記カムシャフトを収容するハウジングと、
    前記カムシャフトを前記ハウジングに対して回転自在に支持するころ軸受を備えるカムシャフト支持構造であって、
    前記ころ軸受は、円弧形状の外輪部材を円周方向に複数連ねて形成される外輪と、前記外輪の内径面に形成された軌道面に沿って配置される複数のころとを備え、前記外輪部材は、前記外輪部材の軌道面となる軸方向中央部を避けて両端部に配置され、その円周方向端部に前記ハウジングと係合するように径方向外側に折り曲げられた係合爪を有する、カムシャフト支持構造。
  20. 前記カムシャフトは、その円周方向において、回転時に相対的に大きな荷重が負荷される負荷領域と、相対的に小さな荷重しか負荷されない非負荷領域とに区分され、
    前記係合爪は、前記非負荷領域に対応する位置に配置される、請求項19に記載のカムシャフト支持構造。
  21. 前記外輪部材は、円周方向の一方側端部に円周方向に突出する凸部と、他方側端部に円周方向に凹んで隣接する前記外輪部材の前記凸部を受け入れる凹部と、他方側端部に前記係合爪とを有し、
    前記ころ軸受は、前記カムシャフトの回転方向と前記外輪部材に形成された凸部の突出方向とが一致するように配置される、請求項19または20に記載のカムシャフト支持構造。
  22. ハウジングと、
    前記ハウジング内に設けられたシリンダと、
    前記シリンダに連通する吸気路および排気路を開閉する弁と、
    前記弁の開閉のタイミングを制御するカムシャフトと、
    前記カムシャフトを回転自在に支持するころ軸受とを備える内燃機関であって、
    前記ころ軸受は、円弧形状の外輪部材を円周方向に複数連ねて形成される外輪と、前記外輪の内径面に形成された軌道面に沿って配置される複数のころとを備え、前記外輪部材は、前記外輪部材の軌道面となる軸方向中央部を避けて両端部に配置され、その円周方向端部に前記ハウジングと係合するように径方向外側に折り曲げられた係合爪を有する、内燃機関。
  23. 前記外輪部材は、円周方向の一方側端部に円周方向に突出する凸部と、他方側端部に円周方向に凹んで隣接する前記外輪部材の前記凸部を受け入れる凹部と、他方側端部に前記係合爪とを有し、
    前記ころ軸受は、前記カムシャフトの回転方向と、前記外輪部材に形成された凸部の突出方向とが一致するように配置される、請求項22に記載の内燃機関。
  24. 円弧形状の外輪部材を円周方向に複数連ねて形成される外輪と、前記外輪の内径面に形成された軌道面に沿って配置される複数のころとを備え、
    前記外輪部材は、円周方向の一方側端部に円周方向に突出する凸部と、他方側端部に円周方向に凹んで隣接する前記外輪部材の前記凸部を受け入れる凹部と、前記外輪部材の軌道面となる軸方向中央部を避けて両端部に配置され、他方側端部にハウジングと係合するように径方向外側に折り曲げられた係合爪とを有する、ころ軸受の組み込み方法であって、
    前記ころ軸受を前記カムシャフトの回転方向と前記外輪部材に形成された凸部の突出方向とが一致するように配置する工程を含む、ころ軸受の組み込み方法。
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