JP2008138580A - キャニスターフィルタ用不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型エンジン用のキャニスターフィルタ用不織布として装備が簡単で、かつ活性炭粒子は通過しないが、通気が容易であり、ガソリン蒸気の大気中への流出を防止する。
【解決手段】二層以上の短繊維層の積層体であって、密度差を有し、少なくとも密層部は親水性繊維を主体とした層構成よりなると共に、積層体全体に樹脂加工が施され、その初期圧縮弾性率が1.0N/cm2・100%以上である不織布である。なお、短繊維層を構成する繊維は疎水性繊維あるいは親水性繊維の単独又は混繊よりなり、また繊度の異なる繊維を混繊することが好適である。
【選択図】 図1

Description

本発明は内燃機関において、特に吸気系を通って漏出される燃料蒸気の外気への拡散を防止する燃料蒸気捕集器、いわゆるキャニスターに用いるフィルタ用不織布に関するものである。
エンジンを停止した自動車あるいはガソリンスタンド等のガソリンタンクから蒸発したガソリン蒸気は、従来は回収することなく殆ど大気中に放出されていた。しかし近年では、環境浄化の要請から吸気系を通って漏れ出てくる燃料蒸気の大気への流出を防止するために、放出パイプの途中に吸気剤を充填した捕集器(キャニスター)を取り付け、蒸発したガソリンを吸気させ、次の走行時、逆方向に空気を通して脱着してエンジンに供給する吸着剤を備えたエアクリーナーが配されている。
そして、この吸気系を通って漏れ出てくる燃料蒸気の大気への流出を防止する吸着剤を配置する方法として、二層の濾紙あるいは不織布の間に吸着剤を挟んだシートを作り、エアクリーナー内に固定する構成(例えば特許文献1参照)や、フィルタエレメントの内燃機関側に、粒状活性炭を耐熱性ネットと不織布で挟んだシート状の吸着フィルタを配置し、エンジン停止時にエンジン内部に付着したガソリン蒸気がエアクリーナーの内部へ侵入するが、そのガソリン蒸気は粒状活性炭に吸着されるため、大気へ流出することがなく、また、バックファイヤーに耐え得るように耐熱性ネットとした内燃機関用エアクリーナーが提案されている。(例えば特許文献2参照)
しかし、上記のものも耐熱性の効果があるにしても、活性炭の粒子やダスト粒子によって不織布フィルタが目詰まりを起こして、その結果、通気抵抗が大幅に上昇して燃料蒸気の吸着能力が大幅に減少するという問題を有していた。そこで本出願人はこれを改善すべく,吸気系を通って漏れだしてくる燃料蒸気の外気への拡散を防止する燃料蒸気捕集器、いわゆるキャニスターの不織布フィルタにおいて、粒状活性炭の微粒子が抜けにくく、ダスト等による目詰まりを起こしにくい不織布フィルタを先に提案した。(例えば特許文献3参照)
実開昭60−14269号公報 特開2002−276486号公報 特開2004−305853号公報
ところで、キャニスターは走行中や炎天下での駐車などの際に、燃料タンク内に発生するガソリン蒸気を消化する部品で、一般の自動車には燃料タンクとエンジンの間に取り付けられているが、同部品の採用はガソリンが大気汚染の原因になることから先進各国でその放散量を規制しているためで、基本的にはガソリン車全てに活性炭を入れた缶状のチャコールキャニスターが装着されている。
しかしながら、例えば芝刈り機などの小型エンジンにはガソリンエンジンのように大掛かりな装置を装備することができないため、上述のようなキャニスターは装備されておらず、大気汚染の原因となっている。
本発明はかかる実状に鑑み、特に上記芝刈り機などの小型エンジン用としてチャコールを保持したものなどのキャニスター構造体において、活性炭(チャコール)粒子は通過しないが通気が容易であり、大気からの汚染空気の濾過機能を有し、かつ不織布の剥離がなく、耐久性を有する各特性に適合したキャニスターフィルタ用の不織布を提供することを目的とするものである。
即ち、上記目的に適合する本発明キャニスターフィルタ用不織布の特徴は、二層以上の短繊維層の積層体であって、密度差を有し、少なくとも密層部は親水性繊維を主体とした層構成で、かつ積層体全体は樹脂加工が施された不織布よりなると共に、該不織布の初期圧縮弾性率が1.0N/cm2・100%以上である不織布である。
請求項2は、短繊維層を構成する繊維が疎水性繊維あるいは親水性繊維のそれぞれ単独又は該親水性繊維と疎水性繊維との混繊であること、そして、請求項3は上記親水性繊維がレーヨン繊維あるいはビニロン繊維であり、疎水性繊維はポリエステル繊維よりなることを夫々、特徴としている。。
また、請求項4は、上記における短繊維層を構成する繊維は繊度の異なる繊維の混繊であってもよいこと、この場合、請求項5の如く短繊維層を構成する繊維の繊度が細繊度は1.0〜5.0デシテックスの範囲であり、太繊維は5.0〜10.0デシテックスの範囲であって、細/太繊度の混繊比率が30/70重量%から50/50重量%であることが好ましいことを特徴としている。
また、請求項6は、上記本発明に係る不織布は目付質量が150〜300g/m2で、厚さが2.0〜4.0mmの範囲であることが好ましく、そして、請求項7は積層体全体に施された樹脂加工用樹脂(バインダー)はアクリル系樹脂で、付着量が繊維層に対し20〜50重量%の範囲であることを特徴としている。
本発明に係る不織布は以上のように、二層以上の積層体で密度差を有し、少なくとも密層部は親水性繊維を主体として構成され、かつ全体が樹脂加工された不織布であって、初期圧縮弾性率が1.0N/cm2・100%以上の特性を具備するものであり、通気が容易であると共に、密層部両面の形態に変化を生じさせず、活性炭微粒子は抜けにくく、しかもダスト等による目詰まりを起こし難い特性を有し、更に不織布の剥離もなく、耐久性にも勝れていて小型エンジンの装着も簡単であり、従来、殆ど装備されていなかった小型エンジンのキャニスター用フィルタに利用して頗る有効で、芝刈り機等の小型エンジンによる大気汚染の原因除去に極めて実用的効果を奏する。
しかも、本発明不織布は全体が樹脂加工されているため、毛抜け,繊維間のズレもなく、寸法安定性にも良好である。
以下、更に添付図面を参照し、本発明キャニスターフィルタ用不織布の具体的態様について説明する。
図1は本発明不織布を芝刈り機などに装備される小型エンジンのキャニスターフィルタ用として用いた例である。
キャニスターフィルタ用不織布は基本的に大気の埃を濾過する性能を有することが必要であると同時に、ガソリン蒸気を外気に放出しないことが必要であり、そのためガソリン蒸気を吸着する活性炭粒子を使用することが好ましく、その構造は、図1に示すように活性炭3の両側に該活性炭3を支持し把持する基材として本発明に係るキャニスターフィルタ用不織布1,2が配設され、ガソリンタンク4内で発生するガソリン蒸気を吸着濾過し得るように構成されている。
上記キャニスターフィルタ用不織布は、図示の如く二層以上の短繊維層1,2の積層体により構成され、 密度差を有して密層部1aと、粗層部1bの外、随時、中間層が配層されていると共に、密層部1aには少なくとも親水性繊維が主体として含有されており、図では明らかでないが、積層体全体には樹脂加工が施されている。なお、図では密層部1aが活性炭側に配置されているが、必らずしもこれに限定されず、活性炭側に粗層部が配置されることもある。これを更に詳述すると、先ず不織布積層体を構成する二層以上の短繊維層は濾過性能を有するために、密度勾配を有し、密層部と粗層部、更に中間層部が形成されて一体に積層されている。
この短繊維層を構成する繊維としては、親水性繊維あるいは疎水性繊維の夫々単独あるいは親水性繊維と疎水性繊維の混繊であり、特に少なくとも密層部1aは親水性繊維を主体として構成されている。親水性繊維としてレーヨン,ビニロン等が挙げられ、疎水性繊維としては汎用合成繊維であれば特に限定されないが、最も一般的にポリエステル繊維が挙げられる。
これら短繊維層を構成する繊維の繊度は0.5〜15デシテックス(dtex)の範囲が好ましく、各繊維はその範囲で同繊度あるいは異なる繊度で組み合わせて密度勾配を設計すればよい。なお、不織布の目付質量は150〜300g/m2の範囲が好ましく、150g/m2未満では不織布の強力,濾過性能が確保てきないので好ましくない。また300g/m2を超えると破裂強力は満足するが、通気抵抗が高くなるので好ましくない。更に不織布は厚さが2.0〜4.0mmの範囲が好適であり、実用的である。2.0mm未満であれば目付質量と同じく不織布の強力,濾過性能の確保に難があり、4.0mmを超えると破裂強力は満足するが、厚すぎ過剰となるので好ましくない。
不織布の構成自体は、上述の如くであるが、本発明は以上のような不織布において、更にキャニスターフィルタ用として、下記の如き各特性を有することが要求される。即ち、1つは大気との通気が容易であることであり、他はキャニスターフィルタとして不織布が保持する活性炭や大気圧によって変形しないこと、また活性炭や大気圧によって破壊されないことである。
大気との通気の容易性については、通気抵抗が大きいとタンクと外気との圧力差が出来て好ましくなく、殊に通気抵抗が40Paを超えると活性炭の抵抗に加えて大気との圧力がより大きくなるので好ましくない。従って、通気抵抗は40Pa以下とすることが効果的である。
また、不織布が活性炭や大気圧によって変形しないためには不織布の初期圧縮弾性率が1.0N/cm2・100%以上であることが必要で、それ以下であると変形が起こり易く、活性炭を把持して行けなくなる。また大気による不織布自身の変化が起こり、その結果、不織布の有する濾過性能が低下する。
更に不織布は活性炭を保持しているので、活性炭や大気圧によって破壊されないためには破裂強力が5.0kPa以上であることが好ましく、5.0kPa以下になると破壊される可能性が高くなる。
かくして、本発明不織布にあって、これら通気抵抗が40Pa以下、好ましくは15〜40Paで、破裂強力が5.0kPa以上であることが好ましいが、最も基本的なことは初期圧縮弾性率が1.0N/cm2・100%以上であることであり、とりわけ1.0〜3.5N/cm2・100%であることがキャニスターフィルタ用として有効な特性であることが特筆される。
しかして、上記不織布をキャニスター用として使用するに際しては、不織布表面は活性炭と接触するので毛羽のないことが好ましく、また、積層された短繊維の単繊維同志がよく接着していることが重要であり、そのため、熱接着繊維だけでは接着が不充分であるので、バインダー(樹脂)加工が必要である。
バインダー(樹脂)としてはアクリル系の樹脂が用いられ、その付着量は繊維層に対し20〜50重量%の範囲が好適である。付着量が20重量%未満であると、単繊維間の接着が不充分となり、厚さや不織布の破裂強力が劣ることになる。また、50重量%を超えると単繊維間の接着は充分となるが、過剰性能となる。以下、更に本発明の具体的な実施例,比較例について説明する。
実施例1
繊度6.6デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(PET)25重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維45重量%、3.3デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)30重量%とからなる目付質量45g/m2の粗層用繊維ウエブと、繊度2.2デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維30重量%と、繊度3.3デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)70重量%とからなる目付質量45g/m2の中層用繊維ウエブと、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維10重量%、1.45デシテックス、繊維長38mmのポリエステル繊維10重量%、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)80重量%とからなる目付質量45g/m2の密層用繊維ウエブを積層した後、密層側より、深さ9mm、打ち込み本数30本/cm2でニードルパンチ処理を施し層間交絡した。引き続きこの交絡処理された繊維層をアクリル酸エステルを主成分(A−2−5)とするバインダーに浸漬し密層側から吸引して樹脂付着を調整して、乾燥温度145℃で乾燥し、樹脂付着量を25.0質量%付与した。得られたキャニスターフィルタ用不織布は目付質量は180g/m2であった。
実施例2
繊度6.6デシテックス(dtex)、繊維長51mm のポリエステル繊維(PTE)25重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維35重量%、3.3デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)40重量%とからなる目付質量70g/m2の粗層用繊維ウエブと、繊度2.2デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維70重量%と、繊度5.6デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)20重量%と繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維 (Ry)10重量%とからなる目付質量45g/m2の中層用繊維ウエブと、繊度1.3デシテックス、繊維長44mmのポリエステル繊維30重量%、1.7デシテックス、繊維長32mmのレーヨン繊維(Ry)70重量%からなる目付質量50g/m2の密層用繊維ウエブを積層した後、密層側より、深さ9m、 打ち込み本数30本/cm2でニードルパンチ処理を施し層間交絡した。引き続きこの交絡処理された繊維層をアクリル酸エステルを主成分(A−2−5)とするバインダーに浸漬し密層側から吸引して樹脂付着を調整して乾燥温度145℃で乾燥し樹脂付着量を31.3質量%付与した。得られたキャニスターフィルタ用不織布は目付質量は240g/m2であった。
実施例3
繊度6.6デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(PET)50重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維50重量%とからなる目付質量32g/m2の粗層用繊維ウエブと、繊度1.7デシテックス(dtex)、繊維長38mmのポリエステル繊維26重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維63重量%と繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)11重量%とからなる目付質量48g/m2の中層用繊維ウエブと、繊度1.5デシテックス、繊維長32mmのレーヨン繊維40重量%、2.2デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維30重量%と、繊度1.4デシテックス、繊維長32mmのビニロン繊維(V)30重量%とからなる目付質量88g/m2の密層用繊維ウエブを積層した後、密層側より、深さ9mm、打ち込み本数30本/cm2でニードルパンチ処理を施し層間交絡した。引き続きこの交絡処理された繊維層をアクリル酸エステルを主成分(A−2−5)とするバインダーに浸漬し密層側から吸引して樹脂付着を調整して乾燥温度145℃で乾燥し、樹脂付着量を25.3質量%付与した。得られたキャニスターフィルタ用不織布は目付質量は225g/m2であった。
実施例4
繊度6.6デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(PET)50重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維50重量%とからなる目付質量32g/m2の粗層用繊維ウエブと、繊度1.7デシテックス(dtex)、繊維長38mmのポリエステル繊維26重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維63重量%と繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)11重量%とからなる目付質量48g/m2の中層用繊維ウエブと、繊度1.5デシテックス、繊維長32mmのレーヨン繊維40重量%、2.2デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維30重量%と、繊度1.4デシテックス、繊維長32mmのビニロン繊維(V)30重量%とからなる目付質量98g/m2の密層用繊維ウエブを積層した後、密層側より、深さ9mm、打ち込み本数30本/cm2でニードルパンチ処理を施し層間交絡した、引き続きこの交絡処理された繊維層をアクリル酸エステルを主成分(A−2−5)とするバインダーに浸漬し密層側から吸引して樹脂付着(SA)を調整して62g/m2になるように付与し、引き続き、密層側からバブル(泡)付与法(CO)により樹脂付着で10g/m2になるように付与し、その後、乾燥温度145℃で乾燥し、樹脂付着量を28.8質量%付与とした。得られたキャニスターフィルタ用不織布は目付質量260g/m2であった。
比較例1
繊度6.6デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(PET)25重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維45重量%、繊度3.3デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)30重量%からなる目付質量45g/m2の粗層用繊維ウエブと、繊度2.2デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維30重量%と、繊度3.3デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)70重量%とからなる目付質量45g/m2の中層用繊維ウエブと、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維10重量%、1.45デシテックス、繊維長38mmのポリエステル繊維10重量%、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)80重量%とからなる目付質量45g/m2の密層用繊維ウエブを積層した後、密層側より、深さ12mm、打ち込み本数180本/cm2でニードルパンチ処理を施し層間交絡してキャニスターフィルタ用不織布を得た。得られた目付質量は135g/m2であった。
比較例2
繊度6.6デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維(PET)85重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維15重量%とからなる目付質量35g/m2の粗層用繊維ウエブと、繊度2.2デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維70重量%と、繊度1.45デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維30重量%とからなる目付質量41g/m2の中層用繊維ウエブと、繊度1.45デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維70重量%、1.25デシテックス、繊維長44mmのポリエステル繊維30重量%とからなる目付質量100g/m2の密層用繊維ウエブを積層した後、密層側より、深さ9mm、打ち込み本数30本/cm2でニードルパンチ処理を施し層間交絡した。引き続きこの交絡処理された繊維層をアクリル酸エステルを主成分(A−2−5)とするバインダーに浸漬し密層側から吸引して樹脂付着(SA)を調整して44g/m2になるようにし付与し、引き続き、密層側からバブル(泡)付与法(CO)により樹脂付着で22g/m2になるように付与し、その後、乾燥温度145℃で乾燥し樹脂付着量を26.6質量%とした。得られたキャニスターフィルタ用不織布の目付質量は240g/m2であった。
比較例3
繊度6.6デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)50重量%と、繊度4.4デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:160℃)50重量%とからなる目付60g/m2の粗層用繊維ウエブと、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)50重量%と、繊度4.4デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点160℃)50重量%となりなる目付90g/m2の中層用繊維ウエブと、繊度1.2デシテックス、繊維長44mmのポリエステル繊維(融点:260℃)50重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:160℃)50重量%とからなる目付170g/m2の密層用繊維とを積層した後、密層側より、深さ11mm、打ち込み本数63本/cm2でニードルパンチ処理を施し、210℃のピンテンター式熱処理機で47秒間熱処理し、密層面を表面温度が215℃の熱ロールに接触させ、粗層面側は常温程度の温度であるロールで、両者のロール間クリアランスは2.5mmにしてカレンダー処理し、冷却してキャニスターフィルタ用不織布とした。得られたキャニスターフィルタ用不織布の目付質量は320g/m2であった。
以上の各実施例1〜4と比較例1〜3について夫々、各繊維層の構成ならびに不織布の特性を表にまとめ、夫々の例について不織布の取扱性,通気抵抗,清浄効率を評価し、後記表1に示す。なお、評価にあたって、繊維層の目付量,厚さ,破裂強力及び初期圧縮弾性率の測定と濾過性能の評価ならびに取扱性の評価は下記に拠った。
(1)目付量
JIS L1906の5.2に記載の方法に準拠して求めた。
(2)厚さ
JIS L1906の5.1に記載の方法に従って荷重2kPaで測定した。
(3)破裂試験機
JIS L1096 8.16.1A法(ミューレン形法)に準拠した。即ち、試料から約15cm×15cmの試験片を5枚採取しミューレン形破裂試験機を用い、試験片の表面を上にして、均一な張力を加えてクランプでつかみ、圧力を加えてゴム膜が試験片を突き破る強さ(kPa{Kgf/cm2})を測り、次の式によって破裂強さ(kPa{Kgf/cm2})を求め、その平均値を算出し、有効数字3桁にまとめる。
Bs=A−B
ここに、Bs:破裂強さ(kPa{Kgf/cm2})
A:ゴム膜が試験片を突き破る強さ(kPa{Kgf/cm2})
B:ゴム膜が試験片を突き破る強さ(kPa{Kgf/cm2})
(4)初期圧縮弾性率
圧縮試験は東洋ボールドイン社製100Kgテンシロンを用い、圧縮面積2cmφで圧縮速度5mm/minで試料を圧縮し初荷重0.02Kg/cm2として荷重0.63Kg/cm2まで荷重し、得られた歪−応力曲線からその初期勾配を求め、厚さ(100%)換算して求めた。単位は単位面積当たりの応力で100%である。
N/cm2・100%
測定はn=5とし、その平均値で示す。
(5)通気度
JIS L1096の6.27.1に記載のフランジール形試験機で測定した。
(6)濾過性能の評価
塵埃捕集性能の試験はJIS D1612の自動車用エアクリーナ試験法に基づいて行なった。但し、試験用のエアクリーナのエレメントは有効面積1000cm2の円板濾材を使用した。
実験条件は、濾材通過見掛け風量を20cm/secとし、JIS Z8901で指定の8種粉体の塵埃濃度は1g/m3とし、濾過面積1000cm2に対し清浄効率は増加抵抗300Aq時における捕集効率とした。
評価項目
初期圧損(通気抵抗) (ΔP)
清浄効率 (η)
実験条件
JIS8種塵埃(JIS Z8901) 塵埃濃度は1g/m3
試験用のエアクリーナのエレメント 有効面積1000cm2の円板濾材
試験風速 20cm/sec
ΔP 試料セット前後の初期圧力差
清浄効率 増加抵抗300mmAq時における塵埃捕集効率(7)取扱性評価
不織布を裁断、加工等をした時の作業性を評価した。
不織布の取扱が問題なく処理できる。 ○
不織布間での剥ぎ取りが稍悪い。引っ掛かりがある。 △
不織布剥ぎ取りが良くない。形態が変形する。 ×
(8)耐久性評価
評価条件
評価資料の形態
内径45mmφ、高さ30mmの円筒状の両面に資料を密層部が内側にくるように取り付けた。その内部には活性炭(太閤活性炭(ヤシ柄破砕炭)太閤CWタイプCW350BR、粒径範囲0.5〜0.3mm通過90%以上)にガソリン50重量%含浸させたもの、20gを封入した。
評価装置:振とう器(ヤマト科学株式会社製)
浸透条件:試料を両面が垂直になるようにセットし、浸透すると活性炭が試料の壁面に当 たるようにした。
ロータリー振とう(3cm円運動)200rpmで振とう
ロータリー振とう時間 100時間
評価項目
1) 通気度
2) 試料の形態状態評価
密層部両面変化なし ○
密層部両面活性炭がやや詰まり毛羽あり △
密層部両面活性炭が詰まり毛羽多い ×
Figure 2008138580
上記表より実施例1〜4に係る本発明不織布は、各比較例1〜3のものに比し、取扱性ならびに評価後の形態保持性がよく、また評価後の通気度においても良好であることが判り、キャニスターフィルタ用不織布として極めて効果的であることが理解される。
本発明不織布をキャニスターに使用した状態を示す断面概要図である。
符号の説明
1,2:不織布
1a:密層部
1b:粗層部

Claims (7)

  1. 二層以上の短繊維積層体であって、密度差を有し、少なくとも密層部は親水性繊維を主体とした層構成で、かつ積層体全体は樹脂加工が施された不織布であり、該不織布の初期圧縮弾性率が1.0N/cm2・100%以上であることを特徴とするキャニスターフィルタ用不織布。
  2. 短繊維層を構成する繊維が疎水性繊維あるいは親水性繊維のそれぞれ単独又は混繊からなる請求項1記載のキャニスターフィルタ用不織布。
  3. 親水性繊維がレーヨン繊維あるいはビニロン繊維であり、疎水性繊維がポリエステル繊維である請求項1または2記載のキャニスターフィルタ用不織布。
  4. 短繊維層を構成する繊維が繊度の異なる繊維の混繊である請求項1,2または3記載のキャニスターフィルタ用不織布。
  5. 短繊維層を構成する繊維の繊度が細繊度は1.0〜5.0デシテックスの範囲であり、太繊度は5.0〜10.0デシテックスの範囲であって、細/太繊度の混繊比率が30/70重量%から50/50重量%である請求項4記載のキャニスターフィルタ用不織布。
  6. 不織布の目付質量が150〜300g/m2で、厚さが2.0〜4.0mmの範囲である請求項1〜5項の何れか1項に記載のキャニスターフィルタ用不織布。
  7. 積層体全体に施された樹脂加工用樹脂(バインダー)がアクリル系樹脂であり、付着量が繊維層に対し20〜50重量%の範囲である請求項1〜6項の何れか1項に記載のキャニスターフィルタ用不織布。
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