JP2008138580A - キャニスターフィルタ用不織布 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】二層以上の短繊維層の積層体であって、密度差を有し、少なくとも密層部は親水性繊維を主体とした層構成よりなると共に、積層体全体に樹脂加工が施され、その初期圧縮弾性率が1.0N/cm2・100%以上である不織布である。なお、短繊維層を構成する繊維は疎水性繊維あるいは親水性繊維の単独又は混繊よりなり、また繊度の異なる繊維を混繊することが好適である。
【選択図】 図1
Description
しかし、上記のものも耐熱性の効果があるにしても、活性炭の粒子やダスト粒子によって不織布フィルタが目詰まりを起こして、その結果、通気抵抗が大幅に上昇して燃料蒸気の吸着能力が大幅に減少するという問題を有していた。そこで本出願人はこれを改善すべく,吸気系を通って漏れだしてくる燃料蒸気の外気への拡散を防止する燃料蒸気捕集器、いわゆるキャニスターの不織布フィルタにおいて、粒状活性炭の微粒子が抜けにくく、ダスト等による目詰まりを起こしにくい不織布フィルタを先に提案した。(例えば特許文献3参照)
繊度6.6デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(PET)25重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維45重量%、3.3デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)30重量%とからなる目付質量45g/m2の粗層用繊維ウエブと、繊度2.2デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維30重量%と、繊度3.3デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)70重量%とからなる目付質量45g/m2の中層用繊維ウエブと、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維10重量%、1.45デシテックス、繊維長38mmのポリエステル繊維10重量%、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)80重量%とからなる目付質量45g/m2の密層用繊維ウエブを積層した後、密層側より、深さ9mm、打ち込み本数30本/cm2でニードルパンチ処理を施し層間交絡した。引き続きこの交絡処理された繊維層をアクリル酸エステルを主成分(A−2−5)とするバインダーに浸漬し密層側から吸引して樹脂付着を調整して、乾燥温度145℃で乾燥し、樹脂付着量を25.0質量%付与した。得られたキャニスターフィルタ用不織布は目付質量は180g/m2であった。
繊度6.6デシテックス(dtex)、繊維長51mm のポリエステル繊維(PTE)25重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維35重量%、3.3デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)40重量%とからなる目付質量70g/m2の粗層用繊維ウエブと、繊度2.2デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維70重量%と、繊度5.6デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)20重量%と繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維 (Ry)10重量%とからなる目付質量45g/m2の中層用繊維ウエブと、繊度1.3デシテックス、繊維長44mmのポリエステル繊維30重量%、1.7デシテックス、繊維長32mmのレーヨン繊維(Ry)70重量%からなる目付質量50g/m2の密層用繊維ウエブを積層した後、密層側より、深さ9m、 打ち込み本数30本/cm2でニードルパンチ処理を施し層間交絡した。引き続きこの交絡処理された繊維層をアクリル酸エステルを主成分(A−2−5)とするバインダーに浸漬し密層側から吸引して樹脂付着を調整して乾燥温度145℃で乾燥し樹脂付着量を31.3質量%付与した。得られたキャニスターフィルタ用不織布は目付質量は240g/m2であった。
繊度6.6デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(PET)50重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維50重量%とからなる目付質量32g/m2の粗層用繊維ウエブと、繊度1.7デシテックス(dtex)、繊維長38mmのポリエステル繊維26重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維63重量%と繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)11重量%とからなる目付質量48g/m2の中層用繊維ウエブと、繊度1.5デシテックス、繊維長32mmのレーヨン繊維40重量%、2.2デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維30重量%と、繊度1.4デシテックス、繊維長32mmのビニロン繊維(V)30重量%とからなる目付質量88g/m2の密層用繊維ウエブを積層した後、密層側より、深さ9mm、打ち込み本数30本/cm2でニードルパンチ処理を施し層間交絡した。引き続きこの交絡処理された繊維層をアクリル酸エステルを主成分(A−2−5)とするバインダーに浸漬し密層側から吸引して樹脂付着を調整して乾燥温度145℃で乾燥し、樹脂付着量を25.3質量%付与した。得られたキャニスターフィルタ用不織布は目付質量は225g/m2であった。
繊度6.6デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(PET)50重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維50重量%とからなる目付質量32g/m2の粗層用繊維ウエブと、繊度1.7デシテックス(dtex)、繊維長38mmのポリエステル繊維26重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維63重量%と繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)11重量%とからなる目付質量48g/m2の中層用繊維ウエブと、繊度1.5デシテックス、繊維長32mmのレーヨン繊維40重量%、2.2デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維30重量%と、繊度1.4デシテックス、繊維長32mmのビニロン繊維(V)30重量%とからなる目付質量98g/m2の密層用繊維ウエブを積層した後、密層側より、深さ9mm、打ち込み本数30本/cm2でニードルパンチ処理を施し層間交絡した、引き続きこの交絡処理された繊維層をアクリル酸エステルを主成分(A−2−5)とするバインダーに浸漬し密層側から吸引して樹脂付着(SA)を調整して62g/m2になるように付与し、引き続き、密層側からバブル(泡)付与法(CO)により樹脂付着で10g/m2になるように付与し、その後、乾燥温度145℃で乾燥し、樹脂付着量を28.8質量%付与とした。得られたキャニスターフィルタ用不織布は目付質量260g/m2であった。
繊度6.6デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(PET)25重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維45重量%、繊度3.3デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)30重量%からなる目付質量45g/m2の粗層用繊維ウエブと、繊度2.2デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維30重量%と、繊度3.3デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)70重量%とからなる目付質量45g/m2の中層用繊維ウエブと、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維10重量%、1.45デシテックス、繊維長38mmのポリエステル繊維10重量%、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのレーヨン繊維(Ry)80重量%とからなる目付質量45g/m2の密層用繊維ウエブを積層した後、密層側より、深さ12mm、打ち込み本数180本/cm2でニードルパンチ処理を施し層間交絡してキャニスターフィルタ用不織布を得た。得られた目付質量は135g/m2であった。
繊度6.6デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維(PET)85重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維15重量%とからなる目付質量35g/m2の粗層用繊維ウエブと、繊度2.2デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維70重量%と、繊度1.45デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維30重量%とからなる目付質量41g/m2の中層用繊維ウエブと、繊度1.45デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維70重量%、1.25デシテックス、繊維長44mmのポリエステル繊維30重量%とからなる目付質量100g/m2の密層用繊維ウエブを積層した後、密層側より、深さ9mm、打ち込み本数30本/cm2でニードルパンチ処理を施し層間交絡した。引き続きこの交絡処理された繊維層をアクリル酸エステルを主成分(A−2−5)とするバインダーに浸漬し密層側から吸引して樹脂付着(SA)を調整して44g/m2になるようにし付与し、引き続き、密層側からバブル(泡)付与法(CO)により樹脂付着で22g/m2になるように付与し、その後、乾燥温度145℃で乾燥し樹脂付着量を26.6質量%とした。得られたキャニスターフィルタ用不織布の目付質量は240g/m2であった。
繊度6.6デシテックス(dtex)、繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)50重量%と、繊度4.4デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:160℃)50重量%とからなる目付60g/m2の粗層用繊維ウエブと、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル繊維(融点:260℃)50重量%と、繊度4.4デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点160℃)50重量%となりなる目付90g/m2の中層用繊維ウエブと、繊度1.2デシテックス、繊維長44mmのポリエステル繊維(融点:260℃)50重量%と、繊度2.2デシテックス、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:160℃)50重量%とからなる目付170g/m2の密層用繊維とを積層した後、密層側より、深さ11mm、打ち込み本数63本/cm2でニードルパンチ処理を施し、210℃のピンテンター式熱処理機で47秒間熱処理し、密層面を表面温度が215℃の熱ロールに接触させ、粗層面側は常温程度の温度であるロールで、両者のロール間クリアランスは2.5mmにしてカレンダー処理し、冷却してキャニスターフィルタ用不織布とした。得られたキャニスターフィルタ用不織布の目付質量は320g/m2であった。
(1)目付量
JIS L1906の5.2に記載の方法に準拠して求めた。
(2)厚さ
JIS L1906の5.1に記載の方法に従って荷重2kPaで測定した。
(3)破裂試験機
JIS L1096 8.16.1A法(ミューレン形法)に準拠した。即ち、試料から約15cm×15cmの試験片を5枚採取しミューレン形破裂試験機を用い、試験片の表面を上にして、均一な張力を加えてクランプでつかみ、圧力を加えてゴム膜が試験片を突き破る強さ(kPa{Kgf/cm2})を測り、次の式によって破裂強さ(kPa{Kgf/cm2})を求め、その平均値を算出し、有効数字3桁にまとめる。
ここに、Bs:破裂強さ(kPa{Kgf/cm2})
A:ゴム膜が試験片を突き破る強さ(kPa{Kgf/cm2})
B:ゴム膜が試験片を突き破る強さ(kPa{Kgf/cm2})
(4)初期圧縮弾性率
圧縮試験は東洋ボールドイン社製100Kgテンシロンを用い、圧縮面積2cmφで圧縮速度5mm/minで試料を圧縮し初荷重0.02Kg/cm2として荷重0.63Kg/cm2まで荷重し、得られた歪−応力曲線からその初期勾配を求め、厚さ(100%)換算して求めた。単位は単位面積当たりの応力で100%である。
測定はn=5とし、その平均値で示す。
(5)通気度
JIS L1096の6.27.1に記載のフランジール形試験機で測定した。
(6)濾過性能の評価
塵埃捕集性能の試験はJIS D1612の自動車用エアクリーナ試験法に基づいて行なった。但し、試験用のエアクリーナのエレメントは有効面積1000cm2の円板濾材を使用した。
評価項目
初期圧損(通気抵抗) (ΔP)
清浄効率 (η)
実験条件
JIS8種塵埃(JIS Z8901) 塵埃濃度は1g/m3
試験用のエアクリーナのエレメント 有効面積1000cm2の円板濾材
試験風速 20cm/sec
ΔP 試料セット前後の初期圧力差
清浄効率 増加抵抗300mmAq時における塵埃捕集効率(7)取扱性評価
不織布を裁断、加工等をした時の作業性を評価した。
不織布間での剥ぎ取りが稍悪い。引っ掛かりがある。 △
不織布剥ぎ取りが良くない。形態が変形する。 ×
(8)耐久性評価
評価条件
評価資料の形態
内径45mmφ、高さ30mmの円筒状の両面に資料を密層部が内側にくるように取り付けた。その内部には活性炭(太閤活性炭(ヤシ柄破砕炭)太閤CWタイプCW350BR、粒径範囲0.5〜0.3mm通過90%以上)にガソリン50重量%含浸させたもの、20gを封入した。
評価装置:振とう器(ヤマト科学株式会社製)
浸透条件:試料を両面が垂直になるようにセットし、浸透すると活性炭が試料の壁面に当 たるようにした。
ロータリー振とう時間 100時間
評価項目
1) 通気度
2) 試料の形態状態評価
密層部両面変化なし ○
密層部両面活性炭がやや詰まり毛羽あり △
密層部両面活性炭が詰まり毛羽多い ×
1a:密層部
1b:粗層部
Claims (7)
- 二層以上の短繊維積層体であって、密度差を有し、少なくとも密層部は親水性繊維を主体とした層構成で、かつ積層体全体は樹脂加工が施された不織布であり、該不織布の初期圧縮弾性率が1.0N/cm2・100%以上であることを特徴とするキャニスターフィルタ用不織布。
- 短繊維層を構成する繊維が疎水性繊維あるいは親水性繊維のそれぞれ単独又は混繊からなる請求項1記載のキャニスターフィルタ用不織布。
- 親水性繊維がレーヨン繊維あるいはビニロン繊維であり、疎水性繊維がポリエステル繊維である請求項1または2記載のキャニスターフィルタ用不織布。
- 短繊維層を構成する繊維が繊度の異なる繊維の混繊である請求項1,2または3記載のキャニスターフィルタ用不織布。
- 短繊維層を構成する繊維の繊度が細繊度は1.0〜5.0デシテックスの範囲であり、太繊度は5.0〜10.0デシテックスの範囲であって、細/太繊度の混繊比率が30/70重量%から50/50重量%である請求項4記載のキャニスターフィルタ用不織布。
- 不織布の目付質量が150〜300g/m2で、厚さが2.0〜4.0mmの範囲である請求項1〜5項の何れか1項に記載のキャニスターフィルタ用不織布。
- 積層体全体に施された樹脂加工用樹脂(バインダー)がアクリル系樹脂であり、付着量が繊維層に対し20〜50重量%の範囲である請求項1〜6項の何れか1項に記載のキャニスターフィルタ用不織布。
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