JP2008137736A - 検査対象物搬送装置及び外観検査システム - Google Patents

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Abstract

【課題】検査対象物を1台の撮像手段のみで任意の角度からの撮像を可能とする。
【解決手段】撮像手段40によって略円柱状の検査対象物を撮像した撮像情報に基づいて前記検査対象物2の外観検査を行う外観検査システム1に用いられて、前記撮像手段40が撮像する検査エリア内を横切るように前記検査対象物を搬送する検査対象物搬送装置30であって、前記検査エリアE内を横切り且つ前記検査対象物2が落下しない搬送溝31fを形成するように平行に設けられた螺旋状の一対の螺旋棒部材と、前記一対の螺旋棒部材の各々を同一方向に回動する回動手段32と、を有し、前記一対の螺旋棒部材は、前記検査対象物2が前記搬送溝31fを予め定められた搬送方向に回転しながら移動するように、お互いの螺旋状のピッチをずらして配置されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、撮像手段を用いて外観検査を行う略円柱状の検査対象物を搬送する検査対象物搬送装置及び外観検査システムに関するものである。
ゴム防水栓やゴムブッシュ等の豆粒状の検査対象物の外観検査を行う場合、従来は目視によって外観状態を検査していた。しかしながら、その検査対象物がくびれ形状等の複雑な形状であったり、外観の不良箇所が極めて小さい場合、目視による外観状態を判断するのは困難であった。そのため、人手による外観検査の場合、人的な官能能力や作業環境などに左右されやすく、検査の信頼性を保証するには至らなかった。また、検査対象物の数量が多い場合、長時間連続して人間が検査し続けることは非常に困難であり、検査効率を向上させるのが困難であり且つ不良品を見逃して流出してしまう可能性があった。
また、顧客のニーズに応じるために、板に正常な検査対象物が嵌め込まれる溝を形成した溝板検査治具を用いて外観検査が行われてきたが、多くの工数を費やして対処しなければならないという問題があった。さらには、ショート・ショット、バリ、二度打ち等の検査対象物の不良状態によっては、溝板検査治具ではその不良状態を正確に検出することができないという問題があった。
このように人的な外観検査では、品質の要求ニーズには応じられないことから、自動的に外観検査を行う装置が提案されてきた。特許文献1に示す外観検査装置は、外観検査を自動で行い、低廉なコストで信頼性の高い外観検査を行うために、検査対象物であるゴム栓を整列させ、そのゴム栓の姿勢を維持したまま検査位置に搬送し、検査位置でゴム栓を撮像した画像データに基づいて成型の良否を判定するようにしてきた。
特開2003−344297号公報
しかしながら、上述した特許文献1に示す従来の外観検査装置は、同一のゴム栓から複数の像を得るために、ゴム栓の死角部分の像を撮像手段に導くミラーを設けていたことから、撮像手段とミラーをセットで配置するスペースが必要であり、装置が大型化してしまうという問題があった。
また、外観検査の信頼性を保証するには、ゴム栓を複数の方向から撮像する必要があるが、これを実現しようとすると、従来の外観検査装置のように複数の検査方向に応じて複数の撮像手段を配置しなければならず、外観検査装置が高価なものになってしまうという問題があった。しかしながら、ユーザからは外観検査の信頼性保証して欲しいと要望されており、早急に対応する必要があった。
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、検査対象物を1台の撮像手段のみで任意の角度からの撮像を可能とする検査対象物搬送装置及び外観検査システムを提供することを課題としている。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載の検査対象物搬送装置は、撮像手段によって略円柱状の検査対象物を撮像した撮像情報に基づいて前記検査対象物の外観検査を行う外観検査システムに用いられて、前記撮像手段が撮像する検査エリア内を横切るように前記検査対象物を搬送する検査対象物搬送装置であって、前記検査エリア内を横切り且つ前記検査対象物が落下しない搬送溝を形成するように平行に設けられた螺旋状の一対の螺旋棒部材と、前記一対の螺旋棒部材の各々を同一方向に回動する回動手段と、を有し、前記一対の螺旋棒部材は、前記検査対象物が前記搬送溝を予め定められた搬送方向に回転しながら移動するように、お互いの螺旋状のピッチをずらして配置されていることを特徴とする。
上記請求項1に記載した本発明の検査対象物搬送装置によれば、一対の螺旋棒部材の各々が回動手段によって同一方向に回動された状態で、その間に形成された搬送溝に検査対象物が位置付けられると、検査対象物は一対の螺旋棒部材によってその回動方向に回転され、一対の螺旋棒部材のお互いの螺旋状のピッチがずれていることから、検査エリア内を横切るように回転しながら搬送方向に搬送される。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の検査対象物搬送装置において、前記一対の螺旋棒部材は、前記搬送溝を搬送する複数の検査対象物を溜め且つ前記検査エリアに向けて前記検査対象物を個別に送出する溜め部を有することを特徴とする。
上記請求項2に記載した本発明の検査対象物搬送装置によれば、一対の螺旋棒部材によって搬送する複数の検査対象物は、溜め部に一旦溜められ、該溜め部から一つずつ検査対象物が検査エリアに向けて送出される。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の検査対象物搬送装置において、前記一対の螺旋棒部材は、前記検査エリアに対応する表面における光の反射率が低くなるように形成されていることを特徴とする。
上記請求項3に記載した本発明の検査対象物搬送装置によれば、検査エリアに対応する一対の螺旋棒部材の表面部分の反射率は低いため、撮像手段によって撮像する検査エリアが外部からの光の影響を受けることを防止できる。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項4記載の外観検査システムは、略円柱状の検査対象物を撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した撮像情報に基づいて前記検査対象物の外観検査を行う外観検査手段と、を有する外観検査システムにおいて、請求項1〜3の何れか1項に記載の検査対象物搬送装置を有し、前記撮像手段は、前記検査対象物搬送装置の回動した前記一対の螺旋棒部材によって回転しながら前記検査エリア内を移動する前記検査対象物を、異なるタイミングで複数回撮像する手段であり、前記外観検査手段は、前記撮像手段が撮像した複数の撮像情報と予め定められた判定情報との比較結果に基づいて前記検査対象物の外観検査を行う手段であることを特徴とする。
上記請求項4に記載した本発明の外観検査システムによれば、検査対象物搬送装置によって検査対象物が検査エリア内を回転しながら搬送されると、撮像手段によって異なるタイミングで同一の検査対象物が複数回撮像される。そして、その撮像した複数の撮像情報と判定情報との比較結果に基づいて検査対象物の外観検査が行われる。
以上説明したように請求項1に記載した本発明の検査対象物搬送装置によれば、一対の螺旋棒部材のお互いの螺旋状のピッチをずらして配置し且つ同一方向に回動するようにしたことから、その間の搬送溝にセットされた検査対象物は、検査エリア内を横切るように回転しながら搬送方向に移動される。よって、検査対象物は検査エリア内を回動しながら移動することから、1台の撮像手段によって任意の異なる角度から検査対象物を撮像することができるため、システム構成の複雑化及び大型化を防止して、自動外観検査の信頼性の向上に貢献することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、複数の検査対象物を一対の螺旋棒部材の溜め部に溜め、そこから検査対象物を一つずつ検査エリアに向けて送出するようにしたことから、任意の検査対象物を正確に撮像手段で複数回撮像することができるため、それらの撮像情報に基づいて外観検査を行うことで、検査結果の信頼性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、一対の螺旋棒部材の検査エリアに対応する表面における光の反射率が低くなるように形成したことから、検査エリアが外光、照明光等の影響を受けることが防止でき、撮像手段によって検査対象物を高画質で撮像することができるため、その撮像情報に基づいて外観検査を行うことで、検査結果の信頼性の向上に貢献することができる。
以上説明したように請求項4に記載した本発明の外観検査システムによれば、検査対象物搬送装置によって検査対象物を検査エリア内を回転させながら移動させ、それを1台の撮像手段によって異なるタイミングで複数回撮像し、それらの撮像情報と判定情報との比較結果に基づいて外観検査を行うので、外観検査の信頼性を向上させることができる。従って、1台の撮像手段のみで任意の角度における外観情報を取得することができるため、コストアップ及び装置の大型化を防止でき且つ自動外観検査の信頼性を向上させることができる。即ち、検査対象物の出荷検査のみで品質の保証ができるため、前段階での検査を省略でき且つ検査滞留在庫を無くすことができる。そして、検査対象物の成型機側での製品取り出しによる作り込み不良を検出することもできる。
以下、本発明に係る検査対象物搬送装置を有する外観検査システムで、検査対象物であるゴム栓の外観検査を行う場合の一実施の形態を、図1〜図7の図面を参照して以下に説明する。
図2乃至図4において、外観検査システム1は、例えば、工場の製造工程、検査工程等に設けられ、略円柱状の検査対象物であるゴム栓2の外観検査を自動で行う装置となっている。そして、外観検査システム1は、制御部10と、収容部20と、本発明の検査対象物搬送装置としての搬送部30と、撮像手段としての撮像部40と、進入検出部50と、吸引部60と、表示部70と、照明部80と、回収部90と、を有している。
制御部10は、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)11、CPU11のためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM12、各種のデータを格納するとともにCPU11の処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM13等を有して構成している。
ROM12には、請求項中の外観検査手段としてCPU11を機能させるための外観検査プログラム等の各種プログラムと、ゴム栓2の外観状態の良否を判定するための判定情報と、を記憶している。例えば、判定情報としては、ゴム栓2に対して予め定められた計測箇所における比較対象となるパターンデータ、判定用の閾値データ、判定用の画像データ等の各種データを有している。そして、CPU11は、前記外観検査プログラムを実行することで、外観検査手段として機能することになる。
制御部10には、記憶部14、操作部15等が接続されている。記憶部14は、EEPROM、ハードディスク装置等の各種記憶媒体が用いられ、例えば、不良品と判定した際の撮像情報や判定結果情報、検査対象物に対応した判別情報等が記憶される。操作部15は、複数の操作スイッチ、キー等を有し、利用者の操作に応じた信号を制御部10に出力する。
収容部20は、投入用ホッパー21と振動モータ22とエアシリンダ23とを有している。投入ホッパー21は、漏斗状の装置であり、複数のゴム栓2を一時貯留し、CPU11からの要求等に応じて下部の供給口21aを開いてゴム栓2を搬送部30に供給する。振動モータ22は、CPU11の制御によってゴム栓2の閉塞防止用に投入用ホッパー21を振動させる。エアシリンダ23は、圧縮空気により作動するピストンシリンダであり、CPU11からの要求等に応じて、所定の間隔でゴム栓2を振動している投入ホッパー21から供給するように駆動される。
搬送部30は、図4に示すように、撮像部40が撮像可能な検査エリアE内においてゴム栓2を回転させながら移動させる。搬送部30は、図2,3に示すようにゴム栓2の搬送方向Mに沿って並設される一対のスクリュー部材(螺旋棒部材に相当)31と、該一対のスクリュー部材31を回動させる回動機構(回動手段に相当)32と、を有している。
スクリュー部材31は、図5に示すように、棒状に形成された軸芯31aと、該軸芯31aの外周上に形成されるスクリュー部31bと、を有している。軸芯31aは、金属部材等によって形成されており、その両端が回動自在にハウジングによって軸支され、回動機構32によって回動される。
スクリュー部31bは、検査エリアEに設けられる第1スクリュー31cと、該第1スクリュー31cに連なる第2スクリュー31dと、該第2スクリュー31dに連なる第3スクリュー31eと、を有している。第1スクリュー31cは、その表面における光の反射率が低くなるように、合成樹脂等で略螺旋状に形成されており、それらの溝の溝間隔Hはほぼ均一となっている。なお、第1スクリュー31cは、金属部材で形成してその表面に反射率を低下させる塗料等を施すなど種々異なる実施形態とすることができる。
第1スクリュー31cは、図5に示すように長さL1の場合、その中央に位置する端部31c1から長さL2が進入検出部50のセンサー中心となり、そして、端部31cからの長さL3(L3<L2<L1)が撮像部40の撮像中心となるように組み付けられる。
第1スクリュー31cは、一対のスクリュー部材31が並設されると、図4に示すように、ゴム栓2が搬送溝31fを予め定められた搬送方向Mに向かって移動するように、お互いの螺旋状のピッチをずらした状態で配置される。具体的には、溝間隔Hが約半分だけずれた状態で位置付けられる。
一対のスクリュー部材31の間に形成される搬送溝31fにゴム栓2がセットされ、一対のスクリュー部材31が同一の回動方向Rに回動されることで、ゴム栓2はその回動方向Rに回転されることになる。そして、一対の第1スクリュー31cの螺旋状のピッチがずれていることから、ゴム栓2は搬送方向Mに向かって回転しながら搬送溝31fを移動することになる。なお、搬送溝31fは、搬送するゴム栓2が落下しないように設計されている。
第2スクリュー31dは、合成樹脂等で略螺旋状に形成されており、それらの螺旋状の溝は第1スクリュー31cの溝間隔Hよりも狭くなるように形成されている。即ち、溝間隔Hを狭くすることで、第1スクリュー31cよりも第2スクリュー31dの部分のゴム栓2の搬送速度が遅くなっており、その速度でゴム栓2を第1スクリュー31cに搬送する。
第3スクリュー31eは、収容部20からゴム栓2が供給され、第1スクリュー31cとほぼ同一の形状に金属部材によって形成されている。なお、第3スクリュー31eについても合成樹脂で形成するようにしても差し支えない。よって、第3スクリュー31eは、第1スクリュー31cとほぼ同一の搬送速度でゴム栓2を第2スクリュー31dに搬送する。
このようにスクリュー部31bを構成することで、第3スクリュー31eによって収容部20からゴム栓2が第2スクリュー31dに搬送されると、第2スクリュー31dの搬送速度は第3スクリュー31eよりも遅いため、ゴム栓2が連続的に収容部20から供給されると、第2スクリュー31dから第3スクリュー31eに亘ってゴム栓2が溜まることになる。その結果、第1スクリュー31cには、第2スクリュー31dの搬送速度に対応した所定の間隔でゴム栓2が搬送されてくるため、第1スクリュー31cは所定の間隔を確保した状態で、ゴム栓2を回転させながら検査エリアE内を搬送することになる。即ち、第2スクリュー31dは、前記搬送溝31fを搬送する複数のゴム栓2を溜め且つ検査エリアEに向けてゴム栓2を個別に送出する溜め部として機能している。
回動機構32は、モータ32aと、第1ギア32bと、一対の第2ギア32cと、伝達部材32dと、を有している。モータ32aは、DCモータ等が用いられ、CPU11の制御によって駆動されて出力軸32a1を回動させる。第1ギア32bは、出力軸32a1の先端に固着され、出力軸32a1とともに回動する。一対の第2ギア32cは、スクリュー部材31の軸芯31aの各々に固着されている。伝達部材32dは、第1ギア32bと一対の第2ギア32cの各々の外周に係合されており、第1ギア32bの回動量を一対の第2ギア32cに伝達して各第2ギア32cを回動させる。これにより、一対のスクリュー部材31が同一の回動方向Rに回動される。即ち、回動機構32は、請求項中の回動手段に相当している。
また、図1,2に示す撮像部40は、CCD(Charge Coupled Device)カメラであり、CPU11に接続されている。撮像部40は、CPU11の制御によって搬送部30の検査エリアE内に進入したゴム栓2を異なるタイミングで複数回撮像し、その撮像した撮像情報をCPU11に出力する。なお、撮像部40は、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の各種カメラを用いることができる。
進入検出部50は、赤外線センサ等を用いており、検査エリアEに進入したゴム栓2を検出すると、検出信号をCPU11に出力する。そして、CPU11は、検出信号の入力に応じて撮像開始を撮像部40に要求する。なお、進入検出部50としては、超音波センサーなどの他のセンサーを用いても差し支えない。
吸引部60は、エアー吸引方式の吸引装置(図示せず)と、該吸引装置に接続される吸引ホース61と、を有している。吸引装置は制御部10からの制御によって駆動されると、その吸引力によってノズル60aを介して搬送部30から良品と判定されたゴム栓2のみを吸引する。そして、ゴム栓2は、その吸引力によって吸引ホース61内を通って良品回収容器62に回収される。
このように吸引部60は、良品判定時のみ駆動させることで、停電や故障時でも不良品の混入を防止することができる。また、吸引部50によって不良品と判定されたゴム栓2を吸引する実施形態とすることもできる。
表示部70は、液晶ディスプレー、LCD等の各種表示装置が用いられ、制御部10の制御によって撮像部40が撮像したゴム栓2の撮像情報(外観情報)、検査結果等を表示する。
照明部80は、LED等の各種照明装置が用いられ、制御部10の制御によって検査エリアE等の照明を行う。なお、本最良の形態において照明部80は、回転しながら移動するゴム線2の上下方向から照明する撮像部40の周囲(搬送部30の上方)と、搬送部30の下方に設けられている。
回収部90は、漏斗状に形成されており、搬送部30の搬送経路(例えば、スクリュー部31b)に亘って設けられている。そして、搬送部30から落下したゴム栓2を筒口90aから回収ボックス91に送出する。そして、回収ボックス91に回収された、こぼれたゴム栓2は、収容部20に再投入される。
次に、上述したCPU11が実行する外観検査処理の一例を、図7に示すフローチャートを参照して以下に説明する。
ステップS11において、操作部15からの入力信号に基づいて、利用者から検査開始の要求があったか否かが判定される。要求がなかったと判定された場合(S11でN)、この判定処理を繰り返すことで、検査開始の要求を待つ。一方、要求があったと判定された場合(S11でY)、ステップS12に進む。
ステップS12において、搬送部30のモータ32aの駆動開始を要求する駆動要求が図示しないモータ32aのドライバに出力されることで、モータ32aが駆動されて搬送部30の一対のスクリュー部材31が回動した状態となり、その後、収容部20の振動モータ22とエアシリンダ23を制御する収容部制御モジュールが起動されるとともに、照明部80の照明が開始されることで検査エリアEが照明され、ステップS13に進む。そして、この収容部制御モジュールによって、投入ホッパー21が振動した状態が維持され、エアシリンダ23を間欠的に動作させることで、投入ホッパー21から搬送部30にゴム栓2を供給させる。
ステップS13において、進入検出部50からの検出信号の有無に基づいて、検査エリアE内にゴム栓2が進入したか否かが判定される。進入していないと判定された場合(S13でN)、ステップS22に進む。一方、進入したと判定された場合(S13でY)、ステップS14に進む。
ステップS14において、ゴム栓2の撮像を要求する撮像要求が撮像部40に出力されることで、撮像部40は異なるタイミングで複数回(例えば2回など)撮像し、その各画像を撮像情報としてCPU11に出力することから、ステップS15において、その撮像情報が取り込まれて記憶部14に記憶され、その後ステップS16に進む。
なお、異なるタイミングとは、ゴム栓2の回転速度と計測条件等に基づいて予め定められた間隔となっている。例えば、ゴム栓2の回転速度が1650rpmの場合、1msでゴム栓2は角度が10度移動することになる。その結果、撮像部40は、異なる方向からゴム栓2を撮像することになるため、そのタイミング調整することで、ゴム栓2に対する撮像回数を変更することができる。また、計測条件としては、撮像(測定)回数等があげられる。
ステップS16において、記憶部14に記憶した各撮像情報の中から画像処理等によりゴム栓2が検出され、その部分を示す画像データ等が図8に示す外観情報として抽出され、RAM13等に記憶され、その後ステップS17に進む。なお、外観情報としては、撮像情報をそのまま、又は、ゴム栓2の部分をマーキングして用いるなど種々異なる実施形態とすることができる。
ステップS17において、良品判定処理が実行されることで、図8に示す外観情報Dの中から予め定められた複数の判定ポイントPに対応した画像等のパターンが抽出され、それらの相関値データと予め定められた各判定ポイントPに対応する判定用データとが比較され、該比較結果に基づいてゴム栓2の外観状態が良品であるか否かが判定される。例えば、NG判定基準としては、複数の判定ポイントPの中で1箇所でも相関値が90%以下となればNG判定とする。そして、その判定結果を示す判定結果情報が生成されてRAM13等に記憶され、その後ステップS18に進む。なお、良品判定方法については、画像認識で形状を推測して判定するなど種々異なる実施形態とすることができる。
ステップS18において、RAM13等の判定結果情報に基づいて、撮像したゴム栓2が良品であるか否かが判定される。良品であると判定された場合(S18でY)、ステップS19において、吸引部60に吸引を要求する吸引要求が出力されることで、吸引部60は良品と判定されたゴム栓2を吸引し、吸引ホース61を介して良品回収容器62に良品が回収され、その後ステップS20に進む。
ステップS20において、判定結果情報に基づいて合格の検査結果を表示部70に表示するための結果画面情報がRAM13等に生成されて記憶され、その結果画面情報は表示部70に出力されることで、表示部70には合格を示す結果画面情報が表示され、その後ステップS22に進む。なお、結果画面情報としては、撮像したゴム栓2の画像と判定結果等を表示する構成となっている。また、本最良の形態では、結果画面情報を表示する場合について説明するが、通知が不要な場合はこのステップ20を削除することもできる。
また、ステップS18で良品ではないと判定された場合(S18でN)、ステップS21において、判定結果情報に基づいて不合格の検査結果を表示部70に表示するための結果画面情報がRAM13等に生成されて記憶され、その結果画面情報は表示部70に出力されることで、表示部70には不合格を示す結果画面情報が表示され、その後ステップS22に進む。なお、結果画面情報としては、NGと判定した判定ポイントPを示す画像と判定結果等を表示する構成となっている。
ステップS22において、終了要求を受けたか否かが判定される。終了要求を受けていないと判定された場合(S22でN)、ステップS13に戻り、一連の処理が繰り返されることで、搬送部30から搬送されるゴム栓2を所定の間隔で自動検査することになる。一方、終了要求を受けていると判定された場合(S22でY)、ステップS23において、搬送部30のモータ32aの駆動停止を要求する停止要求が図示しないモータ32aのドライバに出力されることで、一対のスクリュー部材31の回動が停止され、照明部80の照明が消灯され、その後処理を終了する。
次に、上述した構成の外観検査システム1で図7に示す形状のゴム栓2の外観検査を行う場合の動作(作用)の一例を、以下に説明する。
検査対象物である複数のゴム栓2が製造されると、それらは収容部20の投入用ホッパー21に収容される。そして、利用者が操作部15を操作して検査開始が要求されると、外観検査システム1は搬送部30の一対のスクリュー部材31を回動すると共に、収容部20からゴム栓2を搬送部30に供給する。その結果、ゴム栓2は搬送部30の搬送溝31fを搬送方向Mに向かって回転しながら搬送される。
外観検査システム1は、その搬送しているゴム栓2が検査エリアEに進入したことを検出すると、検査エリアEを回転しながら移動している同一のゴム栓2を異なるタイミングで複数回(例えば2回)撮像部40で撮像する。そして、その撮像した各撮像情報の中から図7に示す外観情報Dを抽出し、その外観情報Dの中から判定ポイントPに対応したパターンを抽出し、そのパターンと判定情報を比較して撮像したゴム栓2が良品であるか否かを判定する。
良品と判定した場合、ゴム栓2は吸引部60によって搬送部30から吸引しては良品収容容器62に収容する。一方、不良品と判定した場合、そのゴム栓2を搬送部30から落下させて回収部90の回収ボックス91に回収すると共に、表示部70に不合格の結果画面情報を表示する。その結果、利用者はその不合格の結果画面情報に基づいて、ゴム栓2のショート・ショット、バリ、二度打ち等の不良事例を確認することができる。
以上説明した検査対象物搬送装置である搬送部30によれば、一対のスクリュー部材31のお互いの螺旋状のピッチをずらして配置し且つ同一方向に回動するようにしたことから、その間の搬送溝31fにセットされたゴム栓2は、検査エリアE内を横切るように回転しながら搬送方向Mに移動される。よって、ゴム栓2は検査エリアE内を回動しながら移動することから、1台の撮像部40によって任意の異なる角度からゴム栓2を撮像することができるため、システム構成の複雑化及び大型化を防止して、自動外観検査の信頼性の向上に貢献することができる。
また、複数のゴム栓2を一対のスクリュー部材31の第2スクリュー31d(溜め部)に溜め、そこからゴム栓2を一つずつ検査エリアEに向けて送出するようにしたことから、任意のゴム栓2を正確に撮像部40で複数回撮像することができるため、それらの撮像情報に基づいて外観検査を行うことで、検査結果の信頼性を向上させることができる。
さらに、一対のスクリュー部材31の検査エリアEに対応する表面における光の反射率が低くなるように形成したことから、検査エリアEが外光、照明光等の影響を受けることが防止でき、撮像部40によってゴム栓2を高画質で撮像することができるため、その撮像情報に基づいて外観検査を行うことで、検査結果の信頼性の向上に貢献することができる。
また、以上説明した外観検査システム1によれば、検査対象物搬送装置である搬送部30によってゴム栓2を検査エリアE内を回転させながら移動させ、それを1台の撮像部40によって異なるタイミングで複数回撮像し、それらの撮像情報と判定情報との比較結果に基づいて外観検査を行うので、外観検査の信頼性を向上させることができる。従って、1台の撮像部40のみで任意の角度における外観情報を取得することができるため、コストアップ及び装置の大型化を防止でき且つ自動外観検査の信頼性を向上させることができる。即ち、検査対象物の出荷検査のみで品質の保証ができるため、前段階での検査を省略でき且つ検査滞留在庫を無くすことができる。そして、検査対象物の成型機側での製品取り出しによる作り込み不良を検出することもできる。
また、良品と判定したゴム栓2を搬送部30から回収部60によって吸引により回収するようにしたことから、回収は良品判定時にのみ行われることになり、停電や故障時に不良品が良品収容容器62内に混入することを確実に防止することができる。
また、上述した本最良の形態では、検査エリアEにゴム栓2が進入したことを進入検出部50で検出すると、撮像部が異なるタイミングで複数回撮像する場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、収容部20の供給タイミングに同期するように時間で定期的に撮像する実施形態とすれば、進入検出部50を用いる必要はない。
さらに、上述した本最良の形態では、豆粒状のゴム栓2を検査対象物とした場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、螺子やナットなどの略円柱状で回転することが可能なものを検査対象物とすることができる。
このように上述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の外観検査システム(検査対象物搬送装置)の概略構成を示す構成図である。 本発明の外観検査システム(検査対象物搬送装置)の正面を示す正面図である。 本発明の外観検査システム(検査対象物搬送装置)の側面を示す側面図である。 搬送部が有する一対のスクリュー部材を説明するための図であり、(a)は検査エリアに位置する第1スクリューを示す斜視図、(b)は一対のスクリュー部材の関係を示す模式図となっている。 スクリュー部材の外観を示す一部断面側面図である。 図1のCPUが実行する外観検査処理の一例を示すフローチャートである。 本発明に係る撮像情報を説明するための図である。
符号の説明
1 外観検査システム
10 制御部(外観検査手段)
20 収容部
30 搬送部(検査対象物搬送装置)
31a スクリュー部材(螺旋棒部材)
31d 第2スクリュー(溜め部)
31f 搬送溝
32 回動機構(回動手段)
40 撮像部(撮像手段)
60 吸引部
70 表示部
80 照明部
90 回収部

Claims (4)

  1. 撮像手段によって略円柱状の検査対象物を撮像した撮像情報に基づいて前記検査対象物の外観検査を行う外観検査システムに用いられて、前記撮像手段が撮像する検査エリア内を横切るように前記検査対象物を搬送する検査対象物搬送装置であって、
    前記検査エリア内を横切り且つ前記検査対象物が落下しない搬送溝を形成するように平行に設けられた螺旋状の一対の螺旋棒部材と、
    前記一対の螺旋棒部材の各々を同一方向に回動する回動手段と、
    を有し、
    前記一対の螺旋棒部材は、前記検査対象物が前記搬送溝を予め定められた搬送方向に回転しながら移動するように、お互いの螺旋状のピッチをずらして配置されていることを特徴とする検査対象物搬送装置。
  2. 前記一対の螺旋棒部材は、前記搬送溝を搬送する複数の検査対象物を溜め且つ前記検査エリアに向けて前記検査対象物を個別に送出する溜め部を有することを特徴とする請求項1に記載の検査対象物搬送装置。
  3. 前記一対の螺旋棒部材は、前記検査エリアに対応する表面における光の反射率が低くなるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の検査対象物搬送装置。
  4. 略円柱状の検査対象物を撮像する撮像手段と、前記撮像手段が撮像した撮像情報に基づいて前記検査対象物の外観検査を行う外観検査手段と、を有する外観検査システムにおいて、
    請求項1〜3の何れか1項に記載の検査対象物搬送装置を有し、
    前記撮像手段は、前記検査対象物搬送装置の回動した前記一対の螺旋棒部材によって回転しながら前記検査エリアE内を移動する前記検査対象物を、異なるタイミングで複数回撮像する手段であり、
    前記外観検査手段は、前記撮像手段が撮像した複数の撮像情報と予め定められた判定情報との比較結果に基づいて前記検査対象物の外観検査を行う手段である
    ことを特徴とする外観検査システム。
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