JP2008137152A - 機械加工方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多量の加工液を用いないで、ワークの仕上面品位及び加工精度が良く、工具寿命を延ばすことができる機械加工を実現する機械加工方法及び装置を提供する。
【解決手段】加工液タンク11から供給される有機極性物質を含む加工液をノズル17からワーク3のこれから加工する表面部分に吹き付けた後、工具9によって加工を行う。有機極性物質によってワーク3の表面の転位の固定が行え、加工中の加工抵抗を小さくすることができる。
【選択図】図1

Description

本願発明は、加工すべきワーク表面にオレイン酸やステアリン酸等の有機極性物質を含む加工液を塗布又は吹き付け、その後ワーク表面を機械加工する機械加工方法及び装置に関する。
工作機械によってワークに切削加工や研削加工の機械加工を施す場合、加工工具をワークに切込んで両者に相対運動を与える。するとワーク表面が加工工具によって削り取られ切屑が発生し、機械加工が進行する。このときワークの変形に伴う内部摩擦および切屑と加工工具との間に摩擦によって切削抵抗と熱が発生する。この熱によって切屑の一部が加工工具のすくい面に融着して構成刃先を形成したり、加工工具のすくい面を浸蝕してクレータを生成したり、高温のため刃先が軟化する等の損傷を加工工具に与える。その結果、工具寿命は短縮し、仕上面品位は低下し、またワークと加工工具の熱ひずみのため加工精度は悪化する。
これらの問題点を軽減するために、通常、加工部に加工液を供給し、その潤滑作用や冷却作用によって切削抵抗を低減させ、発生する熱を冷却している。こうして仕上面品位と加工精度を向上し、工具寿命を長くしている。
加工液の供給方法により加工方法を大きく2つに分けると、従来から行われている加工部に加工液を直接的、連続的にかけながら加工するもの(以下ウェット加工という)と、最近用いられ始めた最少量の加工液をミクロンオーダの細かいミスト状にして加工部に噴射しながら加工するもの(以下MQL加工という)とがある。ウェット加工は、比較的多量の加工液を加工部にかけ、発生した切屑とともに加工液を回収し、切屑と加工液とを分離した後加工液を再循環して利用するものである。加工液は不水溶性と水溶性のものがある。不水溶性加工液は鉱油を主成分とするものが多く、極圧添加剤を含むものもある。水溶性加工液は水を主成分とし、鉱油を混合したり、界面活性剤や防錆剤を添加したものが多い。
MQL加工は、潤滑作用のある不水溶性加工液の細かい粒子を大量の空気の中に最少量だけ混入して加工部へ噴射するものであり、例えば特許文献1に開示されている。本公報には主軸内に気体と加工液とを別々に導入し、主軸内部に設けられたミスト発生装置を通して主軸先端部または工具先端部から加工液ミストを噴出して加工を行う工作機械の主軸装置が説明されている。また、ミストが人体に悪影響を与えないように加工液として植物油を用いると好しいことも知られている。このようにしてMQL加工を行うと、加工液を使わないドライ加工に比べ、仕上げ面品位は良く、工具寿命も延びる効果が出、更に加工液による環境汚染や人体の健康への悪影響、加工液の廃液処理や加工液を含んだ切屑の処理の困難さの問題がかなり解決する。
特許第2687110号公報
ウェット加工は、切削抵抗を低減させ、発熱を低減して、仕上げ面品位や加工精度を向上し、工具寿命を延ばす効果はあるが、多量の加工液を使用するので、切屑と加工液との分離、加工液を含んだ切屑の処理、廃加工液の処理、加工液再利用のための濾過や腐食・酸化防止等多くの困難さを克服しなければならない問題点をかかえている。また加工液は工場環境をよごし、一部はミスト化して人体の健康へ悪影響を及ぼしたり、腐食や酸化して悪臭を放ったりする。
MQL加工は、最少量の加工液しか用いないので加工液処理にまつわる問題点はほぼ解決しているが、発展途上の加工技術であり、ウェット加工に比べ加工面品位や加工精度の向上、及び工具寿命を延ばす効果の確実性にやや疑問がある。植物油を使って人体の健康への悪影響はないものの、ミストが細かく空気中に浮遊しやすいため、機械がベトベトしたり、機械に付着した油が酸化して悪臭を放つ問題点は依然として解決していない。また、ウェット加工やMQL加工は、加工液やミストを高圧で工具に掛けると、工具が小径の場合工具がたわんだり振動して加工精度が悪化したり加工面品位が低下する問題もある。
そこで本願発明の目的は、多量の加工液を用いないで、切削抵抗を低減し、ワークの仕上面品位及び加工精度が良く、工具寿命を延ばすことができる機械加工を実現する機械加工方法及び装置を提供することである。
上述の目的を達成するため、加工工具とワークとを相対移動させワークを所望形状に加工する機械加工方法において、主軸に装着した加工液の塗布工具と前記ワークとを相対移動させてオレイン酸、ステアリン酸等の有機極性物質を含む加工液を加工すべきワーク表面に予め塗布するステップと、その後主軸から前記塗布工具をはずして前記加工工具を装着し前記加工工具とワークとの加工部へ加圧気体を噴射して加工屑を吹き飛ばしながら前記加工すべきワーク表面を機械加工するステップとを含む機械加工方法が提供される。
また、加工工具とワークとを相対移動させワークを所望形状に加工する機械加工装置において、オレイン酸、ステアリン酸等の有機極性物質を含む加工液と、前記加工液を貯蔵し、必要に応じて前記加工液を吐出する加工液タンクと、主軸に装着したとき前記加工液タンクに連通され、前記加工液を加工すべきワーク表面に塗布する塗布工具と、前記加工工具とワークとの加工部へ加圧気体を噴射して加工屑を吹き飛ばす加圧気体供給手段と、前記加工液タンクの加工液を囲い加工すべきワーク表面に塗布するように制御する機械制御装置とを具備し、主軸に装着した前記塗布工具により前記加工液を前記ワーク表面に予め塗布した後に主軸から前記塗布工具をはずして前記加工工具を装着し前記加圧気体を噴射しながら前記ワーク表面を機械加工するようにした機械加工装置が提供される。
本願発明に用いる有機極性物質とは、極性を有する有機物質で、例えばオレイン酸(C17H33COOH)、ステアリン酸(C17H35COOH)等のカルボン酸や、オレイルアルコール(C18H35OH)、ステアリルアルコール(C18H37OH)等の脂肪族アルコールや、ステアリン酸ナトリウム(C17H35C00Na) 等のカルボン酸塩がある。極性を有するということは、1つの単分子が電気的に+か−、あるいは両方を引きつける性質を有していることである。カルボン酸を例にとると、二重結合で炭素と結合している酸素(O=C-OHの初めの方のO )は、電気的に−であり+の物質と吸着する。また、炭素(O=C-OHの真中のC )は、電気的に+であり−の物質と吸着する。
鋼、銅、アルミニウム等の金属ワークを機械加工しているときの現象を考える。加工工具をワークに切込んで両者に相対運動を与えると、ワーク表面が加工工具によって削り取られ、切屑が発生する。これは金属の塑性変形が連続的に起きていることである。塑性変形は、転位が金属結晶中のすべり面を移動して起きると考えられている。つまり機械加工すると金属組織内に転位が生じ、次々に加工を進行させると通常は加工力によりこの転位は移動して元の金属性質とほぼ同じ材料特性となる。しかし何らかの因子でその転位が動きにくくなった場合を今考える。その一例が加工硬化である。
転位の動きが抑制されると、それを動かすために更に余計な外力を必要とすると同時に、破断までの変形能が小さくなる。ということは破断までの吸収エネルギが小さくなる。極端な場合は転位が全く動けなくなり、脆性破壊する。機械加工の場合、転位が動きにくいと切屑は大きな塊にはならず細かなラメラ状(図3(a)に示すように、すだれ状に細かな切屑片が重なって連なる状態)になる。
一方、ワークの加工部分に有機極性物質を含んだ加工液を塗布したり吹き付けたりした後機械加工を行うと、有機極性物質の分子がワークの金属表面の転位組織の金属原子と電子を共有することで化学吸着が起こり、転位の固着が起きる。これにより転位が動きにくくなり金属表面層が硬化し塑性変形能が低下する。この状態で工具によりワーク表面を削り取ろうとすると、削り取られる部分の表面は転位が固着しているため外力によって細かくせん断され易く、ラメラ状に細かく並んだ切屑が発生する。その結果、切削抵抗が減少し、仕上げ面品位が向上し、工具摩耗が減少する。
本発明の原理を田頭孝介らによる1998年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集ページ296の「アルミニウム切削に及ぼすカルボン酸塗布の影響」や1999年3 月7 日開催日本機械学会北海道学生会第28回学生員卒業研究発表講演会前刷集ページ163及び164の「金属の切削におけるカルボン酸を含む溶液の塗布効果」等の研究成果に基づいて説明する。アルミニウムのワークWをバイトTで2次元切削する際、ワーク表面Sに何も塗布しないドライ加工と、ワーク表面Sにオレイン酸と流動パラフィンの溶液である有機極性物質を予め塗布した加工とを行い、切屑発生状態、切削抵抗、仕上げ面品位、工具摩耗を比較した。図3(a)は有機極性物質を予め塗布して加工している時の切屑発生の様子で、図3(b)はドライ加工の時の切屑発生の様子である。有機極性物質を塗布している場合には切屑Cが細かくせん断されたラメラ状を呈しているのに対し、ドライ加工の場合には、切屑Cの大きな塊がむしれるように生成されていることがわかる。
切削抵抗は、有機極性物質を塗布している場合の方がドライ加工の場合に比べ約1/3となっている。仕上面の品位を表面あらさで評価すると、有機極性物質を塗布している場合の方がかなり小さい。また工具摩耗も有機極性物質を塗布してある方が少ない。また、この塗布効果は、流動パラフィン中のオレイン酸濃度(重量比)が0.1%で発揮され、オレイン酸濃度が100%になってもほとんど変わらない特性を示した。オレイン酸濃度0%つまり流動パラフィンのみを塗布した場合は上述の塗布効果は得られないことも確認した。
有機極性物質として、オレイン酸以外のいくつかの物質で塗布効果を調査した。カプリル酸(C7H15COOH )、ペラルゴン酸(C8H17COOH )、カプリン酸(C9H19COOH )、ラウリン酸(C11H23COOH)、ミリスチン酸(C13H27COOH)、パルミチン酸(C15H31COOH)、ステアリン酸(C17H35COOH)、ステアリルアルコール(C18H37OH)、ステアリルアミン(C18H37NH2 )、ステアリン酸ナトリウム(C17H35COONa )、ステアリン酸アミド(C17H35CONH2 )、ステアリン酸メチル(C17H35COOCH3)、ステアリン酸エチル(C17H35COOC2H5 )で塗布効果を確認した。よって室温での切削加工の結果、炭素数が8以上の有機極性物質に塗布効果が顕著に表われることがわかった。炭素数が7以下の例えば酢酸(CH3COOH )、プロピオン酸(C2H5COOH)、酪酸(C3H7COOH)、吉草酸(C4H9COOH)、カプロン酸(C5H11COOH )、エナント酸(C6H13COOH )では塗布効果はほとんど得られなかった。
有機極性物質を塗布するワーク表面Sは、焼鈍材のままでは塗布効果がほとんど表われず、圧延材や予め切削加工してある場合(予備加工材)には塗布効果の表われることもわかった。これは焼鈍材の転位密度は105 本/mm2 、予備加工材の転位密度は109 本/mm2 であること、及び100%オレイン酸の分子密度は3.8×1015分子/mm2 、0.1%オレイン酸の分子密度は3.8×1012分子/mm2 であり、塗布効果にはワーク材料の転位が関係していることがわかる。
更に予備加工材ワークWの表面に有機極性物質を塗布した切削加工中に赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、オレイン酸を塗布しただけで未加工の部分では化学吸着(C-O-M 、M は金属原子)を表す1539cm-1の波数における吸光度スペクトルは表われていないが、切屑Cがワーク表面Sから削り取られようとしている盛り上り部や切屑Cの加工工具に面していない自由表面側では化学吸着を表わす1539cm-1の波数における吸光度スペクトルのピークが存在し、明らかに化学吸着が起きていることがわかる。
以上のことより、予備加工材のワーク表面Sに有機極性物質を塗布して切削すると、有機極性物質の分子がワークWの金属表面の転位組織の金属原子と電子を共有することで化学吸着が起こり、転位の固着が起きる。これにより転位が動きにくくなり金属表面層が硬化し塑性変形能が低下する。この状態で工具Tによりワーク表面Sを削り取ろうとすると、削り取られる部分の表面は転位が固着しているため外力によって細かくせん断され易く、ラメラ状に細かく並んだ切屑Cが発生する。その結果、切削抵抗が減少し、仕上面品位が向上し、工具摩耗が減少する。
これに対して有機極性物質を塗布していない場合は、転位の固着が起きず、金属表面は硬化・脆化しない。従って削り取られる部分は靱性を有しており、せん断されにくいので切屑Cは細かいラメラ状を呈さず、図3(b)のように厚くなりがちである。すると切削抵抗が大きくなり、仕上面品位は悪く、工具摩耗も早いのである。このことは、焼鈍材のように初めから転位密度の低い材料に有機極性物質を塗布してもほとんど塗布効果が現われないことと一致する。
また、有機極性物質を含まない一般のウェット加工に用いている加工液は、前述の転位の固着を起こす効果はなく、図3(b)のような切屑が発生するのである。ただ、工具Tのすくい面と切屑Cとの間、工具Tの逃げ面とワークWとの間、切屑と切屑との間に加工液が入り込み潤滑作用を生じるので、切削抵抗の減少効果は見られる。
図4はフライス工具FでワークWを加工している原理図である。回転するフライス工具Fの1つの刃に着目すると、図3(a)の2次元切削とほぼ同じような工具の動きをしている。ワーク表面Sに有機極性物質を塗布した後にフライス加工を行うとラメラ状の切屑Cが発生し、切削抵抗の低減、良好な加工面品位、工具寿命の向上等の塗布効果を確認できた。
次に図1及び図2を用いて本願発明の実施形態を説明する。図1は有機極性物質を含む加工液をワーク表面に塗布又は吹き付けた後にワーク表面の加工を行うNC工作機械の概略構成を示し、図2は主軸先端に装着する有機極性物質を含む加工液の塗布工具を示している。
NC工作機械のテーブル1上にワーク3が固定される。テーブル1と相対的にX,Y,Z軸方向に移動可能な主軸頭5には回転主軸7が設けられている。回転主軸7の先端にはフライス工具、穴あけ工具、研削工具等の機械加工用工具9が装着される。工具9を回転させながらワーク3に切込み、テーブル1と主軸頭5とをX,Y,Z軸方向に相対移動させてワーク3を所望形状に加工するのである。回転主軸の回転を固定してヘールバイトを装着し、ヘール加工を行うこともある。
回転主軸7には後端から先端にわたって貫通した中心孔があけられており、有機極性物質を含む加工液のタンク11から加工液が吐出され、バルブ13を介して中心孔に供給されている。また、加工液タンク11からバルブ15を介して主軸頭5の前端部に設けられたノズル17まで配管されている。圧縮空気源23からの圧縮空気もノズル17まで配管されている。つまりノズル17は霧吹き機構が内蔵されたスプレーノズルであり、有機極性物質を含む加工液がワーク3の表面に吹き付けられるように噴霧可能になっている。更にノズル17は、主軸7の周りを±180°にわたって適宜のアクチュエータ19によって周回移動可能に構成されている。ノズル17に内蔵されている霧吹き機構は通常の簡単な構造のもので良く、比較的大粒のミストを発生させる。前述のMQL加工に用いるミスト発生装置は、ミクロンオーダの粒子を生成させるため複雑な機構を必要とし、かつ噴出した非常に細かいミストは空気中に浮遊しやすく広範囲に拡散して回収するのが困難である点を鑑みれば、本発明の比較的大粒のミストを発生させる方が非常に有利である。
主軸頭5の側面にはエアーノズル21が設けられ、圧縮空気源23から供給される圧縮空気を加工部へ噴出する。また図2に示す加工液の塗布工具25を主軸7の先端に装着し、バルブ13を開にして主軸7の中心孔を通して加工液を塗布工具25まで少量ずつ供給する。塗布工具25にも後端部から前端部まで貫通孔があけられ、前端部に設けられたブラシ、不織布等で成る柔軟性のある塗布部材に有機極性物質を含む加工液を浸み込ませることができる。NCプログラムに従って塗布工具を低速回転させながらワーク3に軽く押し当て、相対運動を行わせるとこれから加工するワーク3の表面に加工液を塗布することができる。この塗布工具は自動工具交換装置(図示せず)によって自動的に交換するように構成するのが好しい。
このNC工作機械は、NC装置27にNCプログラムを入力することによって制御される。X,Y,Z軸の動き及びノズル17の周回運動のアクチュエータ19の動きはNC装置27からサーボ制御部を通して制御される。主軸7の回転、自動工具交換装置の動作、加工液タンク11のポンプのON/OFF、バルブ13、15の開閉、圧縮空気源23のON/OFF等の制御は機械制御装置(MTC)29を介して指令される。
いまワーク3を加工することを考える。ワーク3の加工部が段差の少いなだらかな面の場合は、塗布工具25を主軸7に装着し、次に加工するワーク表面に塗布工具25を当てて移動させ、ワーク表面に加工液を塗布する。その後加工工具と自動工具交換し加工を行う。2回目の加工を行う場合は、この動作を繰返して行う。
ワーク3の加工部が起伏のある場合は、塗布工具25を用いず、ノズル17を主軸頭5の所定位置に固定した状態でX,Y軸を動かし、バルブ15を開にして有機極性物質を含む加工液を噴霧してワーク表面に吹き付ける。その後加工を行い、2回目の加工を行う場合はこの動作を繰返して行う。加工中は加工液の噴射は行わない。
塗布工具25やノズル17をワークと相対移動させる方法は、予めNCプログラムに塗布工具25やノズル17の移動経路、並びにバルブ13、15のオンオフ指令や加工液タンク11、圧縮空気源23のポンプのON/OFF指令をプログラミングしておき、その後に工具による加工指令をプログラミングしておくこともできる。また、金型などの表面をピックフィードをかけながら往復加工や等高線周回加工を行う場合は、塗布工具25やノズル17の移動経路用のプログラムを予め用意しておくのではなく、工具の加工経路を先読みし、塗布工具25の大きさやノズル17からの噴射面積に応じて工具の加工経路を例えば50パス置きにトレースするような塗布工具25やノズル17用の経路情報を自動的に生成し、その生成した経路に沿って塗布工具25やノズル17を移動させながら加工液をワーク表面に塗布しても良い。このときの送り速度は早送りで良い。更に塗布工具25において塗布部材の代わりに噴射ノズルを設ければ、主軸7を通して供給された加工液が塗布工具25先端からミストで噴霧される構成にすることもできる。
ノズル17がアクチュエータ19を有さず主軸頭5の適宜箇所に固定され、ミスト噴射角度が広く構成されており、1回の吹き付けで小さいワークなら表面全体に、大きいワークなら数箇所の位置で1回ずつ吹き付ければ表面全体に加工液が塗布されるようにしても良い。尚、本明細書でいう加工液の吹き付けとは、噴霧、噴射のことである。
加工液の塗布時間を実質的になくす方法として、加工液が回転している工具に吹き掛からないくらい前方のワーク表面に加工液を間欠的又は連続的に吹き付けながら加工することもできる。NC装置でNCプログラムを先読みし、工具9が次に進むX,Y軸方向を前もって知り、その方向に加工液が吹き付けれるようにアクチュエータ19を制御してノズル17の周回位置を変化させるように制御する。また間欠的に吹き付ける場合の吹き付け頻度は、加工条件に応じて自動的に決定されるように制御させても良い。加工中の回転工具に加工液が吹き付けられないような位置をめがけて加工液を吹き付けるのが好ましい。なぜなら加工液が回転工具によって飛散するのを防止するためである。
また穴あけ加工の場合は、穴の内部に加工液を供給させるため、貫通孔のあいた工具を主軸7に装着し、バルブ13を開にして工具先端から加工液を噴出しながら加工すると良い。この場合、MTC29内に設けられた判別手段によって穴あけ加工を判別し、バルブ13の開指令を自動的に出すのである。
加工により発生した切屑は熱を持っており、ワーク3上に堆積したままではワーク3の温度が上昇して加工精度が悪くなるので、エアーノズル21から圧縮空気を噴出して切屑を吹き飛ばしながら加工するのが好しい。冷却された圧縮空気を用いれば加工部を積極的に冷却することもできる。空気に限らず、窒素などの他の気体を用いても良い。加圧気体の供給は、主軸7の中心孔を通して行っても良い。また、回転工具に限らずヘール加工のような固定式工具による加工を行うこともできる。エアーノズル21からの噴出圧力は、使用している工具径に応じて工具がたわんだり振動しない程度の大きさに調節する必要がある。
ワーク3としてS55Cや金型材などの鋼、放電加工電極として用いる銅、航空機部品などのアルミニウム等について、また工具7としてフラットエンドミル、ボールエンドミル、ドリル、バイト等について、加工形状として平面、斜面、金型等の三次元任意形状等について、加工条件として切込み量、送り速度、主軸回転速度等について種々加工を行い、ドライ加工より仕上面品位及び加工精度が良好で工具寿命が長いことを確認した。中にはウェット加工と同等以上の効果を得たものもあった。
加工液は、有機極性物質を流動パラフィンに溶かし、その濃度は重量比で0.1%以上あれば良く、粘度は非常に低い。従って切屑に加工液が若干混入するが、サラサラしており、ドライ加工の切屑とほとんど変わらない。またオレイン酸やステアリン酸はほぼ無色、無臭である。よって切屑の処理が容易であり、切屑が機械に付着したり、作業環境を悪化させない。その上オレイン酸は食品にも入っている物質であり、人体に無害である。
加工液としてオレイン酸やステアリン酸等の有機極性物質をそのままで用いても良いし、鉱油等の他の液体との溶液で用いても良い。
本願発明によれば、加工すべきワーク表面に有機極性物質を含む加工液を塗布又は吹き付ける加工液塗布手段を有し、ワーク表面に加工液を塗布又は吹き付けて有機極性物質によりワーク表面の転位の固定を行った後にワークを加工するので加工抵抗が減少し、仕上面品位及び加工精度が向上し、工具寿命が延びる。特に切込みの少ない仕上げ加工時に効果が大きい。
加工液としてオレイン酸やステアリン酸等の有機極性物質又は流動パラフィンを用いるので、粘度が低くサラサラしており、塗布又はミストにした吹き付けなので供給量が少く切屑処理が容易となる。また人体の健康に悪影響を与えることもなく、無臭なので作業環境が悪化することもない。加工液の供給量が少ないということは経済的でもある。
工具でワークを加工中には加工液を吹き付けない、または回転工具に向けて加工液を吹き付けないので、工具やワークの回転により加工液が飛散することがほとんどない。また、本発明で加工液を吹き付ける際の加工液の粒子はMQL加工の際の加工液ミストより大きく、空気中に浮遊することは少ない。従って加工液が機械各部に付着してベトベトしたり、付着した加工液が腐食して悪臭を発することもほとんどない。更に、工具でワークを加工中には加工液を吹き付けないことの他の利点は、小径工具の場合に加工液の吹き付け圧力によって工具がたわんだり、振動して加工精度や加工面品位が低下することがあるが、この問題が生じないことである。また、加工中高温になる工具とワークとの加工点に加工液ミストを吹き付けながら加工していないので、加工液が発火する危険もない。このことは無人加工の場合に特に有利である。
NC工作機械の自動機能を用いてあらゆる形状のワークに対して有機極性物質を含む加工液の塗布又は吹き付けが行え、自動化レベルを落とすことはない。また気体供給手段を併用することによって加圧気体を噴射しながら加工でき、切屑排除も行える。冷却された加圧気体を用いれば更に冷却効果も得られ、加工精度の向上、工具寿命の延長を図ることができる。
本願発明の有機極性物質でなる加工液をワーク表面に塗布又は吹き付けて加工を行うNC工作機械の概略構成図である。 本願発明のNC工作機械の主軸に装着され、加工液をワークに塗布する塗布工具の正面図である。 加工工具で金属ワークを加工している時の切屑発生の様子を示す図で、(a)は有機極性物質を塗布した場合、(b)は有機極性物質を塗布しない場合を示している。 フライス工具によるワーク加工の原理図である。
符号の説明
1 テーブル
3 ワーク
5 主軸頭
7 主軸
9 工具
11 加工液タンク
13,15 バルブ
17 ノズル
19 アクチュエータ
21 エアーノズル
23 圧縮空気源
25 塗布工具
27 NC装置
29 機械制御装置

Claims (3)

  1. 加工工具とワークとを相対移動させワークを所望形状に加工する機械加工方法において、
    主軸に装着した加工液の塗布工具と前記ワークとを相対移動させてオレイン酸、ステアリン酸等の有機極性物質を含む加工液を加工すべきワーク表面に予め塗布するステップと、その後主軸から前記塗布工具をはずして前記加工工具を装着し前記加工工具とワークとの加工部へ加圧気体を噴射して加工屑を吹き飛ばしながら前記加工すべきワーク表面を機械加工するステップとを含むことを特徴とする機械加工方法。
  2. 加工工具とワークとを相対移動させワークを所望形状に加工する機械加工装置において、
    オレイン酸、ステアリン酸等の有機極性物質を含む加工液と、
    前記加工液を貯蔵し、必要に応じて前記加工液を吐出する加工液タンクと、
    主軸に装着したとき前記加工液タンクに連通され、前記加工液を加工すべきワーク表面に塗布する塗布工具と、
    前記加工工具とワークとの加工部へ加圧気体を噴射して加工屑を吹き飛ばす加圧気体供給手段と、
    前記加工液タンクの加工液を加工すべきワーク表面に塗布するように制御する機械制御装置と、
    を具備し、主軸に装着した前記塗布工具により加工液を前記ワーク表面に予め塗布した後に主軸から前記塗布工具をはずして前記加工工具を装着し前記加圧気体を噴射しながら前記ワーク表面を機械加工するようにしたことを特徴とする機械加工装置。
  3. 前記加工液は、オレイン酸、ステアリン酸等の有機極性物質を流動パラフィンに溶解させて生成した請求項2に記載の機械加工装置。
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