JP2008137040A - プレスライン - Google Patents

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Abstract

【課題】ワーク搬送速度の高速化を促進する。
【解決手段】ワーク搬送装置10が、上流側プレス1Mと下流側プレス1Nとの中間位置に設けられかつ第1の回動軸18を中心に回動可能な第1のアーム21と、第2の回動軸28を中心に回動可能な第2のアーム31と、この第2のアーム31の先端側に設けられた吸着手段51と、第3の回動軸38を利用して吸着手段51の姿勢を調整可能な姿勢調整手段を具備し、ボルスタ8よりも低い位置に設けた第1の回動軸18を中心に第1のアーム21を回動させかつ第2のアーム31を第2の回動軸28を中心に回動させつつ吸着手段51をプレス加工領域内に移動可能に形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数のプレスがX方向に配列され、ワーク搬送装置を用いて上流側プレスから下流側プレスにワークを搬送しつつ各プレスにプレス加工させるプレスラインに関する。
複数のプレスをX方向に配列し、ワーク搬送装置を用いて上流側プレスから下流側プレスにワークを搬送しつつ、各プレスにプレス加工させるプレスラインが周知である。また、ワーク搬送装置には、大別して間接搬送タイプと直接搬送タイプとがある。
間接搬送タイプは、上流側搬送装置が上流側プレスから取出したワークをプレス間中央に設けたアイドルステージ(例えば、中継テーブル)に搬送(搬出)する。次に、下流側搬送装置が中継テーブルから取出したワークを下流側プレスに搬送(搬入)する。
例えば、特許文献1に係るワーク搬送装置(従来例1)は、上流側搬送装置(アンローダ4)と下流側搬送装置(ローダ7)と中継テーブル(台車6)とを含み、さらに台車6を中間搬送装置5でアンローダ側位置Aからローダ側位置Bまで搬送可能に形成されている。
特許文献2に係るワーク搬送装置(従来例2)は、上下駆動手段(23等)と搬送バーユニット21(15,16等)とワーク保持手段17(17A,17B)とワークテーブル30とワーク位置決め手段とを具備し、第1の搬送バーを用いて上流側プレス(第1搬送位置N1)からワークテーブル(第2搬送位置N2)に搬送し、ワークテーブル30を揺動させてワークテーブル(第3搬送位置N3)に移動させる。と同時的に、第1の搬送バーを用いてワークテーブル(第3搬送位置N3)にあった先のワークを下流側プレス(第4搬送位置N4)に搬送する構造である。
また、特許文献3に係るワーク搬送装置(従来例3)は、上流側関節ロボット40を用いて上流側プレスからワークテーブル(シャトルフィード30)に搬送し、シャトルフィード30を移動させてワークを上流側から下流側に移動させる。と同時的に、シャトルフィード30の下流側にあった先のワークを下流側関節ロボット40を用いて下流側プレスに搬送する構造である。
一方、直接搬送タイプは、ワーク搬送装置が上流側プレスと下流側プレスに共通として構築され、上流側プレスから取出したワークをアイドルステージ等を介することなく下流側プレスに直接(一気)に搬送する。
例えば、特許文献4に係る装置(従来例4)は、上下移動可能なガイド体2に左右移動可能なアーム3を支持させ、左右駆動機構で駆動されるアーム3の左右端に保持部4,5を取付けた構造である。アームの左右駆動機構は、第1のギヤプーリー19と、第1レバー12と、第2のギヤプーリー20と、ベルト26と、第2レバー13とを含み、アーム3を左右に往復移動可能に形成されている。
また、特許文献5に係るプレス間ワーク搬送装置(従来例5)は、両プレス1,10間に渡設されたガイド部材24に可動機構27を往復移動可能に設け、この可動機構27にアーム機構30を回動・屈伸可能に装着しかつアーム機構30にワーク保持部31を回動可能に設けた構造である。プレス1から取出されたワークは可動機構27の移動によりプレス10側に移動し、可動機構27に対するアーム機構30(ワーク保持部31)の左右反転動作により向き変更された後に下流側プレス10に引き渡される。
ここに、間接搬送タイプと直接搬送タイプとを比較する。間接搬送タイプは、上流側プレス(アイドルステージ)からアイドルステージ(下流側プレス)までの搬送距離が短い(半分でよい。)が、上流側プレスから下流側プレスまでのワーク搬送時間は長くなる。潤滑系統のメンテナンスの頻度は低い。一方、直接搬送タイプは、アイドルステージを介した2段階搬送でないから、上流側プレスから下流側プレスまでの搬送時間は短い。しかし、直動ガイドが長大化する。潤滑系統のメンテナンスの頻度も高くなる。
実公昭60−32908号公報 特開平10−5903号公報 特開平5−200465号公報 実開昭60−42418号公報 特開平5−261458号公報
ところで、生産性の向上の観点から、ワーク搬送速度を一段と高速化したいとの要請が強い。併せて、プレス間距離の長短に対する適応性の広いワーク搬送装置が求められている。
高速化の観点からは、アイドルステージの無い直接搬送タイプ(従来例4、従来例5)の方が優位である。しかし、移動体(従来例4のアーム3等、従来例5の可動機構27)を直動ガイド(従来例4のガイド体2、従来例5のガイド部材24)に沿って往復移動させる構造は、移動時の騒音が大きい。移動速度が速くなればなる程に、過大となり作業者が苦痛を感じ、装置寿命も短い。さらに、ワーク搬送距離が長くなるほど、装置大型・高重量化を招き、また取扱い(潤滑系統の日常的なメンテナンスを含む)が難しい。
しかも、移動体の移動速度の高速化だけで、ワーク搬送速度の高速化を達成できるわけではない。つまり、従来例4の場合は、左右駆動機構(レバー6等)と相対移動可能とされたガイド体2を上下動しつつ、保持部4,5とワークとの吸着・解放をしなければならない。この上下動時間もワーク搬送時間に含まれる。従来例5の場合は、可動機構27の移動開始前にアーム機構30を駆動してワーク保持部31を回動・屈伸に要する前段階時間および可動機構27の移動終了後にアーム機構30の向きを反転させかつワーク保持部31を回動・屈伸に要する後段階時間がワーク搬送時間に含まれるからである。
また、直動ガイドを有する装置では、プレス間距離が長く(例えば、2m以上)なると、振動を抑制しつつ所定の搬送精度を保障できる装置を構築することが、現実的には難しいとされている。このために、未だに、関節搬送タイプを採用する場合が多く、一段の搬送高速化を諦めなければならないが実状である。
さらに、従来例4は、アーム3を直動ガイド(2)に沿って往復移動させる機構およびワーク保持部4,5をガイド体2とともに上下動させる機構の組合せ構造である。従来例5は、可動機構27を直動ガイド(24)に沿って往復移動させる機構、可動機構27に対するアーム機構30の姿勢を調整する機構およびワーク保持部31を直動ガイド(2)ごと上下動させる機構を重畳的に組合せた構造であるから、構造複雑で大型化し、プレス間距離の大小に対する適応性も狭い。
本発明の目的は、ワーク搬送速度の高速化を促進でき、構造簡単で適応性が広く、生産性の高いプレスラインを提供することにある。
本発明は、多数の実機運用を通じた分析(試験・研究)から、(A)ワーク吸着位置およびワーク解放位置の位置決め精度を担保できるならば、搬送軌跡は直線状(直動…直線に沿って移動させる。)に限定されない筈であること。途中の搬送速度の厳密な一定化も必要でないこと。(B)アームの回動運動だけで、ワークを搬送することができるならば、構造を大幅に簡素化できかつ搬送負荷の軽減、搬送速度の飛躍的な高速化を促進し得ること等に着目し、かつ多数の固有的技術事項や事象を一つずつ潰すように段階的かつ重畳的に構築していた従来例4、5の考え方とは決別し、それらを一挙に解決すべきとする発想の転換に基づき創生されたものである。
すなわち、本発明は、ワーク搬送装置を、構造簡単なアーム回動機構を基本とし、第1のアームの下端側を回動中心として回動させて、その上端側をX方向に往復移動させかつ第2のアームを第1のアームの上端側の移動位置に対応さて回動させつつ、吸着手段を上流側プレスから下流側プレスまで直接搬送するとともに、下流側プレスのスライド(上金型)と下金型との間にほぼ水平方向から移動可能かつ所定位置に位置決め可能に形成されている。
詳しくは、請求項1の発明に係るプレスラインは、複数のプレスがX方向に配列され、ワーク搬送装置を用いて上流側プレスから下流側プレスにワークを搬送しつつ各プレスにプレス加工させるプレスラインにおいて、前記ワーク搬送装置が、前記X方向の上流側プレスと下流側プレスとの中間でかつZ方向においてボルスタよりも下方の位置に設けられたY方向に延びる第1の回動軸と、下端側が第1の回動軸を中心に回動可能に装着されかつ第1の回動軸を中心とする回動により上端側がX方向に往復移動可能に形成された第1のアームと、基端側が第1のアームの上端側に設けられたY方向に延びる第2の回動軸を中心に回動可能に装着された第2のアームと、この第2のアームの先端側に設けられかつワークを吸着・解放可能に形成された吸着手段と、第2のアームの先端側に設けたY方向に延びる第3の回動軸を利用して吸着手段の姿勢を調整可能な姿勢調整手段を具備し、第1のアームを第1の回動軸を中心に回動させかつ第2のアームを第2の回動軸を中心に回動させつつ吸着手段をプレス加工領域内に移動可能に形成されている、ことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、姿勢調整手段が、吸着手段の自重を利用して姿勢を調整する自重調整方式とされている。
また、請求項3の発明は、姿勢調整手段が、動力付与により強制的に吸着手段の姿勢を調整する強制調整方式とされている。
さらに、請求項4の発明は、姿勢調整手段が、自重調整方式と強制調整方式とを具備しかつその一方を選択的に使用可能に形成されている。
さらに、請求項5の発明は、調整駆動制御装置を設け、駆動制御指令に基づき、第1のアームの回動運動に、第2のアームの回動運動と第3の回動軸を中心とする吸着手段の回動運動とを連関させつつ、吸着手段の姿勢を調整駆動制御可能に形成されている。
さらにまた、請求項6の発明は、ワークが薄板形状材で、吸着手段がバキューム吸着方式とされている。
請求項1の発明によれば、ワーク搬送速度の高速化を促進でき、構造簡単で適応性が広く、生産性の高いプレスラインを提供することができる。
請求項2の発明によれば、ワーク姿勢を正確に維持した確実かつ安定した搬送を行なえるとともに、構成要素(回動軸,駆動源等)や駆動制御の簡素化並びにコスト低減を促進できる。
また、請求項3の発明によれば、例えば、上流側プレスでのワーク姿勢と下流側プレスでのワーク姿勢を変えたワーク搬送ができる。つまり、プレス加工態様に対する適応性を拡大できる。
また、請求項4の発明によれば、高速搬送中は自重利用として強制制御をせずかつ吸着・脱離時に強制制御として姿勢を積極的に安定させることができ、搬送工程全体としての高速化を促進できる。
さらに、請求項5の発明によれば、吸着手段の姿勢を自動的に行なえかつ制御単純化によるワーク搬送速度の高速化にも有効である。
さらにまた、請求項6の発明によれば、ワークを一段と確実かつ無傷で吸着・搬送できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本プレスライン(1M,10,1N等)は、図1〜図3に示す如く、複数のプレス1がX方向に配列され、ワーク搬送装置10が、上流側プレス1Mと下流側プレス1Nとの中間位置に設けられかつ第1の回動軸18を中心に回動可能な第1のアーム21と、第2の回動軸28を中心に回動可能な第2のアーム31と、この第2のアーム31の先端側に設けられた吸着手段51と、第3の回動軸38を利用して吸着手段51の姿勢を調整可能な姿勢調整手段を具備し、ボルスタ8よりも低い位置に設けた第1の回動軸18を中心に第1のアーム21を回動させかつ第2のアーム31を第2の回動軸28を中心に回動させつつ吸着手段51をプレス加工領域内に移動可能に形成されている。
確認的に、プレスラインの基本的構成・機能は、複数のプレス1がX方向(ワーク搬送方向)にタンデム状に配列されかつワーク搬送装置10を用いて上流側プレス1Mから下流側プレス1Nにワーク57を搬送しつつ、各プレス1にプレス加工させるように形成されている。この実施の形態におけるプレス1(1M,1N)は、図1に示すように、本体フレーム1Fの側面側から見た形状がC字形状とされたいわゆるC型プレスとされ、フレーム上部側1FUにスライド5が昇降可能に装着されかつフレーム下部側1FLにボルスタ8を設けた構造である。上金型6を取付けたスライド5をフレーム解放部(1FO)内で昇降させ、ボルスタ側の下金型7にセットされたワーク57にプレス加工を施すことができる。
他のプレス(例えば、4本のコラムを有する箱型フレーム)の場合は、例えば従来例5(図1)に示された如く搬送装置の一部構成要素(ブラケット35)を取付けることができる。しかし、C型プレスの場合は、部位的・場所的にも、取付けることが至難である。すなわち、本願発明は、特に、C型プレス間(1M,1N)にワーク搬送装置を設けたプレスラインの場合に有効である。
図1(側面図)、図2(正面図)において、第1の回動軸18は、X方向と直交するY方向(プレス前後方向)の上流側プレス1Mと下流側プレス1Nとの中間位置に設けられかつY方向に延びる。この第1の回動軸18は、X方向およびY方向に直交するZ方向(上下方向)においては、作業用床面91に立設された固定ベース11(ベース軸受17)に回動自在に設けられている。
すなわち、第1の回動軸18は、ボルスタ8の配設位置よりも下方の位置に設けられ、ボルスタ8よりも上方(Z方向)のワーク搬送装置が占有する空間を小さくしながら、ワーク搬送距離の拡大に対する適応性を高めている。また、第1のアーム21の長さおよび傾斜角度θとの関係で、プレス間距離の大小に対する適応性も広がる。
この第1の回動軸18は、減速機(図示省略)を介して連結された第1の駆動源により右回転方向および左回転方向に回動される。第1の駆動源は、固定ベース11に固着された1台の第1のモータ19を含む。
第1のアーム21は、下端側22が第1の回動軸18に同期回転連結具(キーやスプライン)を介して連結されている。つまり、第1の回動軸18を中心に同期回動可能に装着されている。この第1の回動軸18を中心とする回動運動により、第1のアーム21の上端側26を、図2に示す如く、X方向に往復移動させることができる。すなわち、第1のアーム21は、下端側22が回動中心とされかつ本体部24,上端側26を含む全体として、X方向に回動(あるいは揺動乃至旋回)運動可能である。
なお、「第1のアーム21が第1の回動軸18を中心として回動する。」とは、「第1の回動軸18の中心軸線を中心に回動する。」という意味である。ベース軸受17(固定ベース11)に枢着された第1の回動軸18に第1のアーム21の下端側22を被嵌しかつキー等を用いて回動方向に一体的に固定(相対回動不能)し、第1のアーム21を第1の回動軸(元側)18の回動により、それと同期回動させる、いわゆる元側回動構造である。
ただし、先側回動構造として実施することもできる。因みに、この先側回動構造は、固定ベース11に回動不能に固定された第1の回動軸18に、第1のアーム21の下端側22を回転自在に嵌装させ、第1の駆動源(19)を用いて静止側である第1の回動軸18を中心として可動側である第1のアーム21自体(先側)を回動させる構造である。
詳細後記の第2の回動軸28と第2のアーム31との関係も、同様な元側回動構造として構築してある。ただし、先側回動構造として実施するこができる。
第1の駆動源は、第1の回動軸18に連結された第1のサーボモータ19と、図3に示す第1のモータドライバ19Dとからなる。第1のモータドライバ19Dは、駆動制御装置61から出力される制御指令に基づき、第1のサーボモータ19を速度・位置(角度)制御しつつ第1の回動軸18を回動駆動することができる。サーボモータ駆動用電力は、商用電源を入力とする駆動電源生成装置(図示省略)で生成されかつ出力される。
かかる第1の駆動源(19等)や駆動電源生成装置は、図1に示すように作業用床面(91)上に配設される。したがって、従来例4,5等の直動ガイド近辺に配設する場合に比較して、形態的、重量的、電気的な制限を厳しくしなくてもよいから、設計が楽で、コスト低減がし易い。プレス(1M,1N)間のX方向距離の短縮にも役立つ。
さらに、第1のサーボモータ19と第1の回動軸18とを一段と減速比の大きい減速機を介して連結することができる。したがって、第1のサーボモータ19や第1のモータドライバ19Dの容量(定格)を小さくでき、ワーク搬送装置(10)全体としての負荷の軽減およびワーク搬送高速化に有効である。
先側回動構造として実施する場合には、第1のサーボモータ19側に駆動歯車,ウオーム歯車等を設けかつ第1のアーム21側に従動歯車,ウオームホイール等を設け、第1のアーム21全体を第1の回動軸18の周りにその軸線を中心として回動可能に形成すればよい。第2のアーム31、吸着手段51(52)も、先側回動構造とする場合は、同様にして構築することができる。
第1のアーム21の下端側22は、Y方向の位置を拘束した状態(Y方向の変位不能状態)で、第1の回動軸18に装着されている。プレス1(フレーム解放部1FO)に対する吸着手段51(バキュームカップ53)のY方向位置を一定に保持するためである。
第1のアーム21のアーム長は、プレス(1M,1N)間のX方向距離(ワーク搬送距離)をカバーするに必要で十分な長さとして決定することができる。ワーク搬送装置の大部分をボルスタ8の位置よりも高い位置に配設する従来例4,5の場合と比較して、Z方向寸法が厳しく制限されることがない。
すなわち、本ワーク搬送装置10の構造は、プレスライン全体およびプレス(1M,1N)間に及ぼす影響が非常に小さいといえる。つまり、プレス強度および荷重の増大,設置スペースの拡大,駆動制御の複雑化等の弊害を与えない。
また、プレス停止時には、第1のアーム21を、図2に示すようにX方向の一方側(プレス1M側または1N側)に傾けた状態で静止しておけば、金型の搬入・搬出および交換作業に際して邪魔にならない。したがって、第1のアーム21の形態設計に関する自由度が大幅に拡大する。例えば、アーム断面形状やその寸法を充分な剛性を担保しつつ小型・軽量化できる。この点からも、負荷軽減に伴う搬送高速化を促進で、コスト低減にも有効である。
また、従来例4,5と比較すれば、本発明に係るワーク搬送装置10の場合は、駆動源(19等)がプレス(1M,1N)と構造的に直接関与するところがない。つまり、プレス1側から第1のアーム21側に伝播される振動の影響が軽微乃至皆無である。結果として、ワーク57を安定搬送でき、かつ吸着手段51の位置決め精度を向上できる。
次に、第2のアーム31は、基端側32が第2の回動軸28に同期回転連結具(キーやスプライン)を介して連結され、第2の回動軸28を中心に回動可能に装着されている。第2の回動軸28は、第1のアーム21の上端側26に設けられかつY方向に延びる。第2の回動軸28(基端側32)を中心とする回動運動により、第2のアーム31の本体部34,先端側36を含む全体をX方向およびZ方向に往復移動させることができる。すなわち、第2のアーム31は、アーム回動機構を第1のアーム21のみから構築する場合と比較して、プレス間距離が一定の場合においてZ方向必要空間を狭小化できかつ吸着手段51を水平方向から下金型7の上に移動させることができる。
第2のアーム31用の第2の駆動源は、第1の回動軸18を被嵌する第2のエコライザ軸281に減速機(図示省略)を介して連結された図1に示す第2のサーボモータ29と、図3の第2のモータドライバ29Dとからなる。第2のモータドライバ29Dは、図3に示す駆動制御装置61から出力される制御指令に基づき、第2のサーボモータ29を速度・位置(角度)制御しつつ第2のエコライザ軸(281)を回動駆動することができる。
この第2のエコライザ軸281には図1のスプロケット41が固着され、第2の回動軸28にも対応するスプロケット43が固着され、これらスプロケット間にはタイミングベルト42が張設されている。したがって、第2の駆動源(第2のサーボモータ29)により第2のエコライザ軸281を回動駆動すれば、動力伝達機構(スプロケット、タイミングベルト、スプロケット)を介して第2の回動軸28を速度・位置(角度)制御しつつ、第2のアーム31を第2の回動軸28の軸線を中心としてかつ第2の回動軸28と一体的に回動駆動することができる。
この第2の駆動源(29等)も、第1の駆動源(19等)の配設位置による優位点[設計容易、コスト低減、床面上の有効スペースの拡大、プレス(1M,1N)間のX方向距離の短縮等]を一段と助長・促進することができる。さらに、ワーク搬送装置(10)全体としての負荷の軽減およびワーク搬送高速化に有効である。
このように、アーム(21,31)の回動運動のみでワーク57を搬送することができる構造(本発明)は、以下の技術的根拠および実験を通した確認事実(技術的認識)を背景として、はじめて創出(成立)するものと確信される。
すなわち、ワーク(薄板形状材)57の搬送は、所定のサイクル時間内にプレス1Mの下金型(7)上の所定位置からプレス1Nの下金型(7)上の所定位置に移動させかつ後者位置に正確に位置決めしなければならない。しかしながら、搬送速度は、常に一定(単位時間当たりの速度が一定)としなければならない理由や制約は見当たらない。その途中に、一定幅の速度変動があっても差し支えない筈である。また、前者位置から後者位置までの搬送軌跡を常に一定(例えば、下金型7の上部面から所定高の一直線状経路を維持する。)としなければならない理由・制約もない。
しかるに、従来例4,5では、トランスファプレスの場合に多く採用されている全ステージを共通の一体的構造(例えば、3次元駆動方式のワーク搬送装置)による搬送方法や過去の慣習からか、搬送中の全域(または、殆ど)において一直線状経路(軌跡)に沿いかつ一定速度で搬送するという考え方が採られている。かくして、直動ガイドを用いて水平移動させる構造では、騒音が大きく、複雑で大型な構造になるばかりか、搬送速度の飛躍的な高速化を期待できない。
本発明においては、上記した発想の転換の下に、第1のアーム21の上端側26を円弧状軌跡R1(図2を参照)に沿って移動させかつ回動傾斜角度θによってX方向の移動速度が一定範囲内で変動することを許容する。また、第3の回動軸38(第2のアーム31の先端側36)を円弧状軌跡R2に沿って移動させかつ回動角度θによってX方向の移動速度が一定範囲内で変動することを許容する。つまり、簡単な構造(アーム21,31)の回動運動で、ワーク57を高速搬送することができる。
なお、第2のアーム31を、2分割した構造扱いとして2つのアームから形成しても実施することができる。つまり、第1のアーム21に第2のAアーム(21A)を回動可能に取り付けかつこの第2のAアーム(21A)の先端側に第2のBアーム(21B)を回動可能に取付けた構造としても実施することができる。
吸着手段51は、第2のアーム31の先端側36に設けられている。図1において、第2のアーム31の先端側36には、Y方向に延びる第3の回動軸38が第3の軸受37を介して回転自在に装着され、この第3の回動軸38に吸着手段51が取付けられている。
もとより、第2のアーム31の回動運動で吸着手段51を水平方向からスライド昇降領域内に出入りさせることができるから、第1のアーム21(第2のアーム31)とスライド5との干渉を確実に回避させることができる。また、下金型7の上面部よりも上方において出入りさせることができるから、下金型7と吸着手段51との干渉も回避できる。さらに、プレス間距離が一定の場合、第1のアーム21と第2のアーム31とを同時に回動できるから、ワーク搬送時間の短縮(搬送速度の高速化)ができる。
吸着手段51のX方向の搬送距離は、第1のアーム21の長さをLとした場合、図2に示す傾斜(角度θ)状態にある第1のアーム21のX方向長さL1(=L×Cosθ)と、水平状態にある第2のアーム31のX方向長さL2との和(=L1+L2)である。中立状態(第1のアーム21が起立状態でかつ第1のアーム21が垂下状態)における第1の回転軸18(乃至作業用床面91)上の高さは、第2のアーム31の長さには関係なく、第1のアーム21の長さだけで決まる。つまり、ワーク搬送距離が所定値の場合において、有効利用可能なZ方向の自由空間を拡大できる。一方、第1のアーム21の長さ(垂直方向長さ)を一定としても、第2のアーム31の長さを変えるだけで、大きなワーク搬送距離(プレス間距離)に対しても適応できる。
また、第1のアーム21(第2のアーム31)は、上流(下流)のプレス1M(1N)側の金型交換作業に際しては、図2に示すように、その下流(上流)のプレス1N(1M)側に傾斜状態で待機させることができるから、交換作業を迅速、安全に行なえる。第1のアーム21を起立(第2のアーム31を垂下)させた中立状態で待機させれば、両側のプレス1M、1Nに関する諸作業等を同時的かつそれぞれを円滑に行なえる。
次に、姿勢調整手段は、吸着手段51(バキュームカップ53)の姿勢を調整する手段で、この実施の形態では、自重調整方式と強制調整方式との組合せとして構築してある。なお、自重調整方式だけまたは強制調整方式だけでも実施することができる。
ここに、「姿勢調整手段が第2のアーム31の先端側36に設けたY方向に延びる第3の回動軸38を利用して吸着手段51の姿勢を調整可能に形成されている。」中の「第3の回動軸38を利用して」とは、“第3の回動軸38(静止側)を吸着手段51(可動側)の回動中心とする。”という意味および“可動側である第3の回動軸38自体を第3の軸受37を静止側として回動させることで吸着手段51(可動側)を同期回動させる。”という意味を含む。
ここに、自重調整方式は、第2のアーム31の回動傾斜角度の大小に拘わらずに、吸着手段51の自重を利用しかつ第3の回動軸38を回動中心として相対回動を誘起させることで、一定の姿勢(例えば、吸着面55を下向きにする。)を保持する方式である。
この実施の形態では、第2のアーム31(先端側36)に設けたY方向に延びる第3の回動軸38に吸着手段51(53)を回転自在に装着しかつ吸着手段51の自重の働きにより吸着面55を常に下方に向けた姿勢に調整可能に形成してある。第3の回動軸38に保持された吸着手段51のみをZ方向の上・下金型6・7間に出入りさせるだけでよい。第1のアーム21および第2のアーム31は、スライド5(上金型6)の下方に出入りすることはない。したがって、スライド5や上金型6との干渉回避ができる。また、吸着面55を下金型7に接近させた状態で、ワーク57を吸着あるいは解放することができる。
強制調整方式は、第2のアーム31(先端側36)の第3の回動軸38に吸着手段51を相対回転不能に装着しておく。そして、吸着手段51を第3の回動軸38の回動に伴って同期回動させることで、強制的に吸着手段51の姿勢(例えば、吸着面55の傾斜角度)を調整可能に形成される。
この実施の形態の場合は、吸着手段51を、第2のアーム31の先端側36(第3の軸受37)に回転自在に装着(枢着)されたY方向に延びる第3の回動軸38を中心に回動不能として装着する。この第3の回動軸38の回動により、吸着手段51(吸着面55)の傾斜角度を自動的に調整できるように形成してある。
第3の回動軸38は、第3のサーボモータ39の回転により回動される。第3のサーボモータ39は、図3に示す第3のモータドライバ39Dとともに第3の駆動源を形成する。この第3の駆動源は、図示省略したが、固定ベース11に取付けられている。動力伝達機構(図示省略)は、第1,第2のアーム21,31に沿わせて配置されたタイミングベルト等からなり、吸着手段51の姿勢調整用の動力を伝達(付与)する。第2のアーム31(36)を静止側として、第3の回動軸38を可動側とする。かくして、アームの回動傾斜角度の大小に拘わらずに、例えば吸着面55のワーク57(乃至金型6,7)に対する接近(および離反)の際の傾きを設定変更できる。
なお、第3のサーボモータ39は、他のモータ19、29よりも小型・小容量なので、第2のアーム31の先端側36に取付けることでも実施することができる。このように構築すれば、動力伝達機構を省略することができる。
因みに、第1,第2,第3サーボモータ19,29,39は、静止(ホールド)トルクの維持機能をもつ。電磁ブレーキ機能を設けることも好ましい。
この実施の形態では、自重調整方式と強制調整方式とを選択的に動作できるように構成してある。第3の回動軸38と吸着手段51(52)とは、図示しないクラッチ(・ブレーキ)を介して連結されている。自重調整方式を選択する場合はクラッチをOFF状態として、両者38,51の機械的連結を相対回動可能に切換える。強制調整方式を選択する場合にはクラッチをON状態として、両者38,51の機械的連結を相対回動不能に切換える。
吸着手段51は、ワーク57を吸着解放可能な手段であり、バキュームカップや電磁マグネット等から形成される。この実施の形態では、ワーク57が図1に示す薄板形状材であるから、バキュームカップ53を採用している。複数のバキュームカップ53は、第3の回動軸38に固定された複数の保持部材52に相対回転不能状態で取付けられている。つまり、バキュームカップ53の吸着面55の姿勢(向き)は、第1,第2のアーム21,31の傾斜角度θの関係を踏まえかつ第3の回動軸38の傾斜角度θに対応するものとして決まる。
図3において、駆動制御装置61は、制御部(CPU,ROM,RAM),シーケンス記憶部(ハードディスク装置),設定・表示部62およびセンサー部63等を含み、姿勢調整手段の駆動制御手段を形成する各モータドライバ19D・29D・39Dに回転駆動制御信号を出力して当該各サーボモータ19・29・39を回転駆動制御する。バキュームコントローラ65に吸着・解放制御信号を出力して各バキュームカップ53の吸着・解放を制御する。
ワーク搬送プログラムを構成する基本的な固定的情報(例えば、ワーク搬送情報、姿勢調整情報、吸着・開放情報等)はハードディスク装置(図示省略)に格納されており、選択的情報(例えば、ワーク57の種類)は表示部(62)の表示を参照しつつ設定部(62)を用いて設定変更(選択)でき、この情報もハードディスク装置に記憶される。
プレス運転に際しては、設定部(62)を用いて複数のワーク搬送プログラムの中からその1つを選択設定することができる。制御部は選択設定されたワーク搬送プログラムを実行する。なお、プレス1側の各種動作(例えば、スライド昇降動作)は、図示しないプレス運転制御盤からの信号により実行される。このプレス1側の動作は、プレス動作信号としてかつ通信線69を介して伝送され、駆動制御装置61はこのプレス動作信号を用いてタイミング同期させつつワーク搬送を行なう。
ワーク搬送運転に関しては、駆動制御指令に基づき、駆動制御装置61が、第1の回動軸18を中心とする第1のアーム21の回動運動に、第2の回動軸28を中心とする第2のアーム31の回動運動とを連関(例えば、連動)させつつ、吸着手段51を搬送する。これらと並行して、第3の回動軸38を中心とする吸着手段51の回動運動を連動させることで、吸着手段51(バキュームカップ53)の姿勢を所定姿勢に調整可能に駆動制御することができる。一段の搬送高速化を促進できる。
なお、第1のアーム21および第2のアーム31の回動運動中は、自重調整方式(姿勢調整手段)のみを働かせかつ強制調整方式は休止状態とした運転を選択することができる。運用の実際は、これを選択する方が好ましい場合が多い。
これを選択した場合は、第1のアーム21および第2のアーム31の回動運動終了直前(または直後)に強制調整方式を働かせる。この際、自重調整方式は休止状態とする。つまり、第3の回動軸38の傾斜角度を変化させることにより、ワーク57に対するバキュームカップ53の吸着面55の姿勢(向き)を微妙に調整することができる。吸着面55をワーク面に全面的に平行姿勢で接近・吸着させ、ワーク面に対して吸着面55を傾斜させた状態で部分的に接近・吸着させつつ最終的には全面的に平行姿勢で吸着させるソフトタッチ方式での運転ができる。
なお、第2のアーム31(先端側36)に対する第3の回動軸38の傾斜角度を絶対量として管理しつつ、第2のアーム31の回動運動中に強制調整方式を起動して常に吸着手段51の姿勢調整を行なえば、この点からも搬送高速化を図れる。
まず、アーム回動機構の基本動作(作用)を説明する。
図2において、垂直起立状態(中立状態)を基準とした場合、上流側プレス1Mに半加工品(ワーク57)を取出しに向かう取出し搬送の場合を考える。駆動制御装置61は、第1の回動軸18(第1のアーム21)を左回転方向に角度(−θ1)だけ回動させ、この角度(−θ1)に対応させて第2の回動軸28(第2のアーム31)を右回転方向に角度(+θ2)だけ回動させる。これにより、第2のアーム31を水平状態に保持する。すると、第2のアーム31の先端側36(吸着手段51)を、プレス1Mの下金型7上に位置決めできる。これまでは、自重調整方式により吸着面55は常に下向きである。その後に、強制調整方式を働かせて、第3の回動軸38を右回転方向に角度(+θ3)[または、左回転方向に角度(−θ3)]だけ回動させつつ、吸着手段51の姿勢を予め設定された姿勢(ワーク57に対する傾斜角度)に自動調整する。
下流側プレス1Nに半加工品(57)を送り出し搬送する場合を考える。駆動制御装置61は、第1の回動軸18(第1のアーム21)を右回転方向に角度(+θ1)だけ回動させ、この角度(+θ1)に対応させて第2の回動軸28(第2のアーム31)を左回転方向に角度(−θ2)だけ回動させる。これにより、第2のアーム31を水平状態に保持する。その後に、強制調整方式を働かせて、第3の回動軸38を左回転方向に角度(−θ3)[または、右回転方向に角度(+θ3)]だけ回動しつつ、吸着手段51の姿勢を予め設定された姿勢(ワーク57に対する傾斜角度)に自動調整する。
吸着手段51は、第2のアーム31(先端側36)の第3の回転軸38に固着された複数の保持部材52と、各保持部材52に取付けられたバキュームカップ53とからなる。図3に示すバキュームコントローラ65は、各バキュームカップ53とは多枝接続具(図示省略)およびチューブを介して連通されている。多枝接続具として、中空構造とした第3の回動軸38の一部から形成することもできる。
次に、プレスライン全体としての作用・動作等々を説明する。
(製造)
ワーク搬送装置10に関し、第1,第2のアーム21,31の形態や剛性の選択自由性が広い。第1アーム21の長大化が容易である。つまり、プレス間距離の長短に対する適応性が広い。特性的には、回動用負荷が小さく、高速回動性に優れ、位置決め精度も高い。駆動制御も容易である。全体として、構造簡単で小型・軽量であるから、低コストで具現化できる。
(組立て)
プレス1M,1Nの各組立作業に並行して、ワーク搬送装置10の組立てができるから、大幅な工期短縮およびコスト低減ができる。ワーク搬送装置10の重量がプレス1の荷重となることもない。したがって、システム全体として、小型・軽量化を図れる。プレス間距離を小さくでき、ワーク搬送の高速化に有効である。
(プレス運転)
プレス運転のスタンバイ状態では、図2に示すように、第1のアーム21は中立位置(上向き起立状態)とされ、第2のアーム31は第2の回動軸28を保持点として下向き起立(垂下)状態とされ、バキュームカップ53(吸着手段51)の吸着面55は、姿勢調整手段(自重調整方式)の働きで、下向き状態に保持されている。
図3に示す駆動制御装置61は、通信線69を通してプレス運転制御盤からプレス運転情報を受けてプレス運転を確認すると、ワーク搬送装置10を駆動制御する。まず、上流側のプレス1Mのプレス加工終了以前に、第1のアーム21がプレス1M側に回動(左回転:−θ)し始める。上流側に傾斜する。第2のアーム31は右回転(+θ)方向に回動し始める。つまり、第2のアーム31を水平状態に維持するように回動制御される。このようにアーム(21,31)の回動運動だけでよいから、搬送制御が容易である。騒音は殆ど生じない。吸着手段51は、自重調整方式の働きで、第3の回動軸38を中心として左回転(−θ)方向に回動しつつ、吸着面55を下向きに維持する。なお、例えばアーム(21,31)の回動終了後に、自重調整方式から強制調整方式に切換え、吸着面55の姿勢(傾き)を自動調整することができる。
スライド5の上昇に伴い、第1,2のアーム21,31が更に回動して吸着手段51を下金型7に搬送しつつ吸着面55を下降させて下金型7に当接させる。負荷も小さく、高精度位置決めができる。これと同時的にバキュームコントローラ65が働く。つまり、上流側プレス1Mの半加工品(ワーク47)を各バキュームキャップ53で吸着する。
(ワーク搬送)
次のプレス加工のためにスライド5が下降して来る以前に、第1のアーム21は右回転(+θ)され、第2のアーム31は左回転(−θ)されかつ吸着手段51は第3の回動軸38を中心として右回転(+θ)方向に回動しつつ、直接に、X方向の下流側プレス1Nに向けてワーク57を搬送する。第1のアーム21は下流側に傾斜する。アーム(21,31)の回動運動だけなので、高速搬送(例えば、15〜20spm相当速度)できる。直動ガイドを有する従来例4,5の場合に比較して極めて低音である。バキュームカップ53の吸着面55は下向き状態に保持されている。
各アーム(21,31)はスライド昇降領域内には立ち入らず、スライド5の昇降領域内には第3の回動軸38に保持された吸着手段51(バキュームカップ53)だけが搬入される。したがって、スライド5との干渉および金型(6,7)との干渉を確実に回避できる。
下流側プレス1Nの下金型(7)上に接近させた状態でバキュームカップ53を停止させ、ワーク57を離して下金型7にセットする。この場合も、自重調整方式から強制調整方式に切換え、吸着面55の姿勢(傾き)を自動調整することができる。第1のアーム21(第1の回動軸18)等および駆動源(19)等が固定ベース11に設置されプレス1M,1Nと直接連結さていないから、プレス1M,1Nの振動が伝播されない。この点からも、高精度搬送(位置決め)できる。その後、第1のアーム21が回動(左回転方向:−θ)され、第2のアーム31が右回転(+θ)方向に回動される。
(プレス停止)
プレス停止では、上記のスタンバイ状態の場合と同じく、第1のアーム21は中立状態(中立位置)で上向き起立状態とされ、第2のアーム31は下向き起立(垂下)状態とされとされる。バキュームカップ53(吸着手段51)の吸着面55は、下向き状態に保持される。
(金型交換)
金型交換作業に先立って、第1のアーム21および第2のアーム31は、X方向の邪魔にならない位置(プレス1M側または1N側)に傾斜停止させておく。金型の搬入・搬出後の金型交換に伴う調整作業を容易かつ迅速に行なえる。
かかる構成とされた第1の実施の形態によれば、ワーク搬送装置10が、X方向の上流側プレス1Mと下流側プレス1Nとの中間位置に設けられかつ第1のアーム21と第2のアーム31と吸着手段51と姿勢調整手段を具備し、第1のアーム21をボルスタ8よりも低い位置に設けた第1の回動軸18を中心に回動させかつ第2のアーム31を第2の回動軸28を中心に回動させつつ吸着手段51をプレス加工領域内に移動可能に形成されているので、ワーク搬送速度の高速化を促進でき、構造簡単で適応性が広く、生産性の高いプレスラインを提供することができるとともに、プレス間距離を一段と短縮化できかつワーク搬送の高速化を促進できる。しかも、プレス間距離の大小に対する適応性が広く、一段と正確で安定した姿勢調整を行なえる。
また、Y方向に離隔配設された1対のアーム回動機構が同期搬送動作可能に形成されているから、構成要素(回動軸,駆動源等)や駆動制御の簡素化並びに一層のコスト低減を促進できるとともに、ワーク姿勢を正確に維持した確実かつ安定した搬送を行なえる。
さらに、姿勢調整手段が、吸着手段51の自重を利用して姿勢を調整する自重調整方式とされているので、構成要素(回動軸,駆動源等)や駆動制御の簡素化並びに一層のコスト低減を促進できるとともに、ワーク姿勢を正確に維持した確実かつ安定した搬送を行なえる。
姿勢調整手段が、動力付与により強制的に吸着手段51の姿勢を調整する強制調整方式とされているので、例えば、上流側プレスでのワーク姿勢と下流側プレスでのワーク姿勢を変えたワーク搬送ができる。つまり、プレス加工態様に対する適応性を拡大できる。
姿勢調整手段が、自重調整方式と強制調整方式とを具備しかつその一方を選択的に使用可能に形成されているので、高速搬送中は自重利用として強制制御をせずかつ吸着・脱離時に強制制御として姿勢を積極的に安定させることができ、搬送工程全体としての高速化を促進できる。
駆動制御指令に基づき、調整駆動制御装置が、第1のアーム21の回動運動に、第2のアーム31の回動運動と吸着手段51の回動運動とを連関させつつ、吸着手段51の姿勢を調整駆動制御可能に形成されているので、吸着手段51の姿勢を自動的に行なえかつ制御単純化によるワーク搬送速度の高速化にも有効である。
さらにまた、ワーク57が薄板形状材で、吸着手段51がバキューム吸着方式であるから、一段と確実かつ無傷で吸着搬送できる。
本発明は、複数のプレスを配置しかつ各プレス間にワーク搬送装置を設けたプレスラインのワーク搬送速度の高速化および生産性の向上に大きく貢献することができる。特に、C型プレスを採用したラインに有効である。
本発明の実施の形態を説明するための側面図である。 同じく、図1の矢視線A−Aに基づく正面図である。 同じく、駆動制御盤を説明するためのブロック図である。
符号の説明
1 プレス
5 スライド
8 ボルスタ
10 ワーク搬送装置
18 第1の回動軸
21 第1のアーム
22 下端側
26 上端側
28 第2の回動軸
281 第2のエコライザ軸
31 第2のアーム
32 基端側
36 先端側
38 第3の回動軸
51 吸着手段
53 バキュームカップ
57 ワーク
61 駆動制御装置
91 作業用床面

Claims (6)

  1. 複数のプレスがX方向に配列され、ワーク搬送装置を用いて上流側プレスから下流側プレスにワークを搬送しつつ各プレスにプレス加工させるプレスラインにおいて、
    前記ワーク搬送装置が、
    前記X方向の上流側プレスと下流側プレスとの中間でかつZ方向においてボルスタよりも下方の位置に設けられたY方向に延びる第1の回動軸と、
    下端側が第1の回動軸を中心に回動可能に装着されかつ第1の回動軸を中心とする回動により上端側がX方向に往復移動可能に形成された第1のアームと、
    基端側が第1のアームの上端側に設けられたY方向に延びる第2の回動軸を中心に回動可能に装着された第2のアームと、
    この第2のアームの先端側に設けられかつワークを吸着・解放可能に形成された吸着手段と、
    第2のアームの先端側に設けたY方向に延びる第3の回動軸を利用して吸着手段の姿勢を調整可能な姿勢調整手段を具備し、
    第1のアームを第1の回動軸を中心に回動させかつ第2のアームを第2の回動軸を中心に回動させつつ吸着手段をプレス加工領域内に移動可能に形成された、プレスライン。
  2. 前記姿勢調整手段が、前記吸着手段の自重を利用して姿勢を調整する自重調整方式とされている、請求項1記載のプレスライン。
  3. 前記姿勢調整手段が、動力付与により強制的に吸着手段の姿勢を調整する強制調整方式とされている、請求項1記載のプレスライン。
  4. 前記姿勢調整手段が、前記吸着手段の自重を利用して姿勢を調整する自重調整方式と動力付与により強制的に吸着手段の姿勢を調整する強制調整方式とを具備しかつその一方を選択的に使用可能に形成されている、請求項1記載のプレスライン。
  5. 駆動制御指令に基づき、前記第1の回動軸を中心とする前記第1のアームの回動運動に、前記第2の回動軸を中心とする前記第2のアームの回動運動と前記第3の回動軸を中心とする前記吸着手段の回動運動とを連関させつつ、前記吸着手段の姿勢を調整駆動制御する調整駆動制御装置が設けられている、請求項3または請求項4記載のプレスライン。
  6. 前記吸着手段が複数のバキュームカップを有するバキューム吸着方式とされている、請求項1〜5までのいずれか1項に記載されたプレスライン。
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