JP2008136271A - モータ制御装置およびファンモータ - Google Patents

モータ制御装置およびファンモータ Download PDF

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Abstract

【課題】120度矩形波PWM方式で始動するものにおいて、フリーラン状態にあるモータを確実に始動する。
【解決手段】回転判定回路26aは、選択信号stoが「オフ」の非通電状態で、回転方向信号shに基づいてモータ5の回転方向を検出する。ファン4に受ける外風等により逆転方向に回転しているモータ5をセンサレス120度矩形波駆動により正転方向に始動する逆転からの始動シーケンスでは、120度通電信号形成回路22は、誘起電圧信号eu、ev、ewのゼロクロスタイミングに基づく6分解能の位置信号bu、bv、bwを選択して通電を開始し、電圧Vu、Vv、Vwと中性点電圧Vnとの比較に基づく6分解能の位置信号cu、cv、cwが正しく検出可能となった時点で、位置信号cu、cv、cwに基づく通電に切り替える。
【選択図】図1

Description

本発明は、永久磁石モータをセンサレスで駆動するモータ制御装置およびそのモータ制御装置で駆動されるファンモータに関する。
エアコン等のコンプレッサモータやファンモータ、電気自動車の駆動用モータなどに対しては、広範囲の可変速制御性能、低消費電力化、メンテナンス性の向上などの要請が高く、回転子に永久磁石を使用した永久磁石モータをインバータ装置によりセンサレスで駆動制御する方式が多く採用されている。
例えばエアコンの室外機などに使用されているファンモータでは、インバータ装置により始動する前に、ファンモータが風などの外力を受けてフリーラン(自走)している場合がある。このようなフリーラン状態にあるモータをインバータ装置により始動する場合、通電開始時に過大な電流が流れたり始動に失敗する虞がある。
これに対しては、始動前にフリーラン状態にあるファンモータの回転速度を検出し、検出結果に応じて適時始動方法を選択、実行できるインバータ装置が必要になる。特許文献1には、d軸電流、q軸電流、d軸電圧指令値、回転子角周波数推定値およびモータ定数に基づいてd軸誘起電圧を推定し、そのd軸誘起電圧推定値を比例積分演算し、角周波数指令値からその比例積分演算結果を減算することにより回転子角周波数推定値を求めるインバータ装置が開示されている。
特開2003−259679号公報
特許文献1に記載されたものは所謂ベクトル制御方式のインバータ装置であり、少なくとも始動時において120度矩形波PWM方式を用いて駆動するインバータ装置には適用することができない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、120度矩形波PWM方式で始動するものにおいて、フリーラン状態にあるモータを確実に始動できるモータ制御装置およびそのモータ制御装置で駆動されるファンモータを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載のモータ制御装置は、
永久磁石を有するロータと3相巻線を設けたステータとからなる永久磁石モータを制御するモータ制御装置において、
前記3相巻線の電流を検出する電流検出手段と、
検出した3相巻線電流から相電圧方程式に基づいて各相の誘起電圧を演算し誘起電圧信号を出力する誘起電圧演算手段と、
演算した各相の誘起電圧の比較により6分解能の第1のロータ回転位置を検出する第1の位置検出手段と、
前記第1のロータ回転位置に基づいてn倍(nは2以上の整数)の逓倍信号を得る逓倍手段と、
前記第1のロータ回転位置と前記n倍の逓倍信号とから6n分解能の第2のロータ回転位置を検出する第2の位置検出手段と、
前記第2のロータ回転位置に基づいて6n分解能の第1の通電信号を形成する第1の通電信号形成手段と、
前記3相巻線の電圧に基づいて前記永久磁石モータの3相巻線に発生する誘起電圧のゼロクロスタイミングを検出し、そのゼロクロスタイミングに基づいて6分解能の第3のロータ回転位置を検出する第3の位置検出手段と、
前記演算した各相の誘起電圧のゼロクロスタイミングを検出し、そのゼロクロスタイミングに基づいて6分解能の第4のロータ回転位置を検出する第4の位置検出手段と、
前記第3または第4のロータ回転位置に基づいて120度通電波形を有する第2の通電信号を形成する第2の通電信号形成手段と、
所定条件に応じて前記第1、第2の通電信号の何れか一方を選択する選択手段と、
この選択手段により選択された通電信号をPWM変調しその変調後の3相通電信号に応じた電圧を前記3相巻線に供給する通電手段とから構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、通電手段が3相巻線に電圧を供給していない始動前の状態においても第4のロータ回転位置を検出できるので、この第4のロータ回転位置に基づく第2の通電信号を選択すれば適切な転流タイミングで通電を開始することができる。そして、この通電開始により3相巻線の電圧に基づく第3のロータ回転位置を検出可能となるので、以降は第3のロータ回転位置に基づく第2の通電信号を選択して始動処理を継続することができる。
本発明のモータ制御装置によれば、フリーラン状態にあるモータであっても、120度矩形波PWM方式を用いて適切な通電タイミングにより確実に始動することができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、永久磁石モータの駆動制御装置の全体構成を示している。この駆動制御装置1は、ゲートドライブ回路2とスイッチング回路3a、3b、3cを介して、ファン4を回転させるファンモータ5を駆動するモータ制御装置である。ファンモータ5(以下単にモータ5と称す)は、永久磁石を有するロータ5rと3相の巻線5u、5v、5wを設けたステータとから構成された3相の永久磁石モータである。駆動制御装置1の制御回路6は、例えばIC(半導体集積回路装置)として構成されており、プロセッサによるソフトウェア処理ではなくハードウェアの処理により各機能を実現するようになっている。駆動制御装置1はファンモータ5と別に設けてもよく、また一体化した(内蔵された)構成としてもよい。
スイッチング回路3a、3b、3cは、それぞれ上アームを構成するIGBT3pと下アームを構成するIGBT3nとからなるブリッジ回路であって、全体として3相ブリッジ接続されたインバータ回路を構成している。これらスイッチング回路3a、3b、3cの入力端子には交流電源を整流して得られる直流電圧が入力されており、各出力端子はモータ5の巻線5u、5v、5wに接続されている。
スイッチング回路3a、3b、3cの下アーム側IGBT3nのエミッタと負側電源線7との間にはそれぞれ抵抗8a、8b、8cが接続されており、これら抵抗8a、8b、8cの端子間電圧は制御回路6の電流検出回路9(電流検出手段に相当)に入力されている。なお、スイッチング回路3a、3b、3cにおいて、IGBTに替えてバイポーラトランジスタ、FETなどを用いてもよい。
電流検出回路9は、抵抗8a、8b、8cの端子間電圧に基づいてスイッチング回路3a、3b、3cの出力電流Iu、Iv、Iwに応じた電流信号iu、iv、iwを検出するもので、所定の基準電圧Vrを基準電位として増幅を行う増幅回路9aと、三角波形成回路24がPWM周期に同期して出力する電流検出タイミング信号s1によりラッチ動作を行うラッチ回路9bとから構成されている。ラッチされた電流信号iu、iv、iwは、振幅検出回路10と位相検出回路11に入力されるとともに、制御回路6の外部に設けられた抵抗13a、13b、13c、抵抗14a、14b、14cおよびコンデンサ12a、12b、12cを介して制御回路6の誘起電圧演算回路15に入力されている。
振幅検出回路10は、例えば各相の電流信号iu、iv、iwの絶対値の合成処理により、電流振幅に比例した電圧振幅信号vaを生成して電圧制御回路23に出力するもので、電流信号iu、iv、iwの絶対値回路と当該絶対値回路が出力する絶対値信号の合成回路(例えば加算回路)とから構成されている。また、位相検出回路11は、電流位相を示す6分解能の電流位相信号si(図6参照)を生成して位相制御回路16に出力するもので、電流信号iu、iv、iw同士を比較する比較器から構成されている。
モータ5の各相の端子電圧Vu、Vv、Vwは、分圧回路17を介して制御回路6の120度位置検出回路18に入力されるとともに、フィルタ回路19a、19b、19cを介して電圧信号vu、vv、vwとして制御回路6の誘起電圧演算回路15に入力されている。
誘起電圧演算回路15(誘起電圧演算手段に相当)は、図2に示すように電圧信号vu、vv、vwを入力して誘起電圧信号eu、ev、ewを出力するもので、オペアンプ等により構成される反転回路15x、15y、15z、電圧信号vu、vv、vwの非反転加算回路である演算器15nおよび3入力の加算回路15a、15b、15cから構成されている。加算回路15a、15b、15cは、それぞれオペアンプと抵抗値R3、R4、R5を持つ3つの抵抗により構成されている。
120度位置検出回路30(第4の位置検出手段に相当)は、図3に示すように誘起電圧信号eu、ev、ewとその中央値(所定の基準電圧Vr)とを比較して、誘起電圧信号eu、ev、ewのゼロクロスタイミングを検出することにより、6分解能の位置信号bu、bv、bw(第4のロータ回転位置に相当)を得るもので、比較回路30a、30b、30cから構成されている。
正弦波位置検出回路20は、誘起電圧信号eu、ev、ewを入力して位置データDp2を出力するもので、比較回路20a、逓倍回路20bおよび位置判定回路20cから構成されている。比較回路20a(第1の位置検出手段に相当)は、誘起電圧信号eu、ev、ew同士を比較することにより、互いに60度の位相差を持つ6つのデータからなる6分解能の位置データDp1(第1のロータ回転位置に相当)と、回転信号sp1(図6参照)を生成する。
逓倍回路20b(逓倍手段に相当)は、回転信号sp1を入力して所定倍例えば32倍(n=32)の周波数に逓倍した逓倍信号sk(図6参照)を生成する。位置判定回路20c(第2の位置検出手段に相当)は、カウンタ20dを内蔵しており、上記位置データDp1と逓倍信号skを入力して位置データDp2(第2のロータ回転位置に相当:図6参照)を生成する。
位相制御回路16は、位相検出回路11が出力する電流位相信号siと正弦波位置検出回路20が出力する回転信号sp1を入力し、位相データDp3を生成するものである。なお、回転信号sp1に替えて位置データDp1を入力してもよい。
正弦波形成回路21は、正弦波位置検出回路20から出力された位置データDp2、位相制御回路16から出力された位相データDp3、電圧制御回路23から出力された出力電圧信号voおよび三角波形成回路24から出力された三角波信号ssを入力し、PWM変調された通電信号u1、v1、w1、x1、y1、z1を出力するものである。
この正弦波形成回路21は、加算回路21a、分圧回路21b、スイッチ回路21u、21v、21wおよびPWM回路21cにより構成されている。ここで、加算回路21aは、位置データDp2と位相データDp3とを加算して通電角度データDp4を出力するもので、分圧回路21bは、出力電圧信号voに応じた180度分の余弦値を96分解能の振幅精度で出力するラダー抵抗(分圧抵抗)により構成されている。
スイッチ回路21u、21v、21wは、分圧回路21bから出力される余弦値の中から通電角度データDp4に応じた余弦値を選択するためのアナログスイッチを備えており、3相の正弦波波形である信号su、sv、sw(第1の通電信号、3相通電信号に相当:図6参照)を出力するようになっている。PWM回路21cは、信号su、sv、swを三角波信号ssでPWM変調し、通電信号u1、v1、w1、x1、y1、z1(変調後の3相通電信号に相当)を生成するようになっている。なお、加算回路21a、分圧回路21bおよびスイッチ回路21u、21v、21wにより通電信号形成回路21x(第1の通電信号形成手段に相当)が構成されている。
120度位置検出回路18(第3の位置検出手段に相当)は、図4に示すように分圧回路17により分圧された電圧Vu、Vv、Vwと中性点電圧Vn(実際には仮想中性点電圧Vn’)との比較により6分解能の位置信号cu、cv、cwを得るもので、比較回路18a、18b、18cと合成回路18nとから構成されている。合成回路18nは、中性点電圧Vnを得るためのスター結線された抵抗から構成されている。位置信号cu、cv、cwは第3のロータ回転位置に相当する信号であるが、より厳密には不要なパルスが除去された位置データDp5(後述)が第3のロータ回転位置に相当する信号となる。
120度通電信号形成回路22は、位置信号bu、bv、bwおよび位置信号cu、cv、cwを入力してPWM変調された通電信号u2、v2、w2、x2、y2、z2を出力するもので、波形整形回路22a、カウンタ22bと22cを内蔵するタイミング回路22xおよびPWM回路22dから構成されている。
波形整形回路22aは、位置信号cu、cv、cwに含まれる通電切替時のパルスを除去して、位置信号bu、bv、bwまたは位置信号cu、cv、cwからなる6分解能の位置データDp5(第3のロータ回転位置または第4のロータ回転位置に相当)を出力し、タイミング回路22x(第2の通電信号形成手段に相当)は、120度通電波形を有する信号so1〜so6(第2の通電信号に相当)を出力するようになっている。なお、波形整形回路22aは、位置信号bu、bv、bwまたは位置信号cu、cv、cwの相順に基づいて、回転方向信号shを出力する。
電圧制御回路23は、外部から与えられる電圧指令vcと振幅検出回路10で検出された電圧振幅信号vaとの差を求める減算器と、減算器から出力される電圧偏差の比例信号である出力電圧信号voを出力する比例制御器を備えている。比例制御器に替えて比例積分制御器を備えてもよい。
三角波形成回路24は、電流検出タイミング信号s1を電流検出回路9のラッチ回路9bに出力するとともに、三角波信号ssをPWM回路25および正弦波形成回路21のPWM回路21cに出力する。三角波信号ssと電流検出タイミング信号s1とは同期している。PWM回路25は、PWM信号saを120度通電信号形成回路22のPWM回路22dに出力する。
シーケンス制御回路26は、外部から与えられる動作指令信号Modeおよび制御回路6内で作られる回転信号sp1、sp2、sp3と回転方向信号shを入力する。そして、内蔵する回転判定回路26a、停止始動シーケンス回路26b、正転始動シーケンス回路26c(正転シーケンス手段に相当)、逆転始動シーケンス回路26d(逆転シーケンス手段に相当)および回転信号形成回路26xにより、外部に出力する回転信号rot1と回転方向信号rot2、通電信号選択回路27に対して出力する選択信号sto、120度通電信号形成回路22に対して出力する方向信号mcw、位置決め信号mci、強制転流信号mcfを生成する。
回転判定回路26a(回転状態検出手段に相当)は、選択信号stoが「オフ」の状態で、位置信号bu、bv、bwに基づく回転方向信号shを用いてモータ5の回転方向を検出し、比較回路20aから出力される位置データDp1に同期した回転信号sp1または波形整形回路22aから出力される位置信号bu、bv、bwもしくは位置信号cu、cv、cwに同期した回転信号sp3に基づいてモータ5の回転速度を検出するようになっている。
通電信号選択回路27(選択手段に相当)は、選択信号st1に応じて通電信号u1、v1、w1、x1、y1、z1と通電信号u2、v2、w2、x2、y2、z2の何れか一方を選択して出力するようになっている。また、選択信号stoを「オフ」とすることにより、通電信号の出力を停止することができる。また、デッドタイム形成回路28は、通電信号に対しデッドタイムを設定し、それを最終的な通電信号としてゲートドライブ回路2に出力する。なお、デッドタイム形成回路28、ゲートドライブ回路2およびスイッチング回路3a、3b、3cにより通電回路29(通電手段に相当)が構成されている。
次に、本実施形態の作用について、図5ないし図12も参照しながら説明する。
はじめに、第1の通電信号形成手段に係る動作を、図6に示す波形図を参照しながら説明する。図6には、上から順に電圧信号vu、vv、vw、電流信号iu、iv、iw、電流位相信号si、誘起電圧信号eu、ev、ew、位置信号bu、bv、bw、回転信号sp1、逓倍信号sk、位置データDp2、通電角度データDp4および信号su、sv、swが示されている。
PWM制御される各相のスイッチング回路3a、3b、3cによりモータ5の各巻線に電圧が印加されると、抵抗8a、8b、8cには下アーム側IGBT3nのオンタイミングに同期して電流が流れる。抵抗8a、8b、8cにより電圧に変換された信号は、電流検出回路9の増幅回路9aにより基準電圧Vrを基準とした電流信号iu、iv、iwに変換され、ラッチ回路9bにより電流検出タイミング信号s1に同期してサンプルホールドされる。
一方、モータ5の入力電圧Vu、Vv、Vwは、分圧回路17により例えば1/100の電圧に分圧され、さらにフィルタ回路19(19a、19b、19c)により平滑された後、PWM波形成分が除去された略正弦波形を有する電圧信号vu、vv、vwに変換される。誘起電圧演算回路15において、反転回路15x、15y、15zは、基準電圧Vrのバイアス条件の下で電圧信号vu、vv、vwを反転し、演算器15nは、電圧信号vu、vv、vwからモータ5の中性点電圧Vnに相当する非反転電圧(仮想中性点電圧)vnを生成する。
加算回路15a、15b、15cは、電流信号iu、iv、iw、電圧信号vu、vv、vwの反転信号および仮想中性点電圧に相当する非反転電圧vnに基づいて、次の(1)式および(2)式の演算を実行する。この(1)式はU相についての演算式であり、V相とW相についても同様の演算式となる。R2〜R5、C1は、図1に示す各素子の抵抗値、容量値を示している。
eu=−R5・C1・diu/dt−(R5/R2)iu
+(R5/R3)vu−(R5/R4)vn …(1)
vn=(vu+vv+vw)/3 …(2)
図5は、モータ5の等価回路を示している。この等価回路と(1)式との比較から分かるように、(1)式の右辺第1項は、インダクタンスLの電圧L・dIu/dtに対応し、第2項は巻線抵抗Rの電圧R・Iuに対応し、第3項は入力電圧Vuに対応し、第4項は中性点電圧Vnに対応している。従って、使用するモータの巻線の抵抗値RとインダクタンスLに対応して抵抗値R2〜R5とコンデンサ12の容量値C1を設定することにより、誘起電圧信号eu、ev、ewを演算することができる。なお、抵抗13a〜13c、14a〜14cおよびコンデンサ12a〜12cが制御回路6の外に設けられているのは、これらの抵抗値R1、R2と容量値C1をモータ定数に応じて調整できるようにしたためである。
正弦波位置検出回路20は、誘起電圧信号eu、ev、ewに基づいて、ロータ5rの回転位置を表す位置データDp2を生成する。位置判定回路20c内のカウンタ20dは、逓倍信号skをカウントし、位置データDp1を構成する6つの位置データの各変化点でカウント値をリセットするとともに、当該変化点に対応するデータとして次に示すデータを基準データとする。位置データDp2は、この基準データにカウンタ20dのカウント値を加算して得られ、例えば0から191までの192分解能(6n=6×32)のデータとなる。
ew≧eu≧ev ⇒ eu≧ew≧ev の時 基準データ“16”
eu≧ew≧ev ⇒ eu≧ev≧ew の時 基準データ“48”
eu≧ev≧ew ⇒ ev≧eu≧ew の時 基準データ“80”
ev≧eu≧ew ⇒ ev≧ew≧eu の時 基準データ“112”
ev≧ew≧eu ⇒ ew≧ev≧eu の時 基準データ“144”
ew≧ev≧eu ⇒ ew≧eu≧ev の時 基準データ“176”
位相制御回路16は、電流位相信号siと回転信号sp1との位相関係から位相データDp3を決定する。すなわち、回転信号sp1に対して電流位相信号siが遅れている場合には位相データDp3を増加させ、回転信号sp1に対して電流位相信号siが進んでいる場合には位相データDp3を減少させ、両信号が一致している場合には位相データDp3を維持する。図6は、位相データDp3が正の場合を示している。
上記位置データDp2と位相データDp3は加算回路21aにより加算され、通電角度データDp4が作られる。一方、電圧制御回路23は、モータ5への印加電圧の大きさについて比例制御を行い、電圧指令vcに一致させるために必要となる出力電圧信号voを出力する。分圧回路21bでは、この出力電圧信号voに応じた96分解能の余弦値データが作られる。この余弦値データの分解能(=96)と通電角度データDp4の分解能6n(=192)との間には、以下の(3)式の関係が存在する。
余弦値データの分解能=6n/m (ただしm=2) …(3)
各相のスイッチ回路21u、21v、21wは、余弦値データの中から通電角度データDp4に対応した余弦値データを選択する。これにより、互いに120度の位相差を持つ3相正弦波波形の信号su、sv、swが生成される。
その結果、電圧制御回路23により振幅が制御され、位相制御回路16により位相が制御された3相正弦波波形である信号su、sv、swが形成され、PWM回路21cによりPWM信号に変換された第1の通電信号u1、v1、w1、x1、y1、z1が通電信号選択回路27に出力される。
次に、第2の通電信号形成手段に係る動作を、図7に示す波形図を参照しながら説明する。図7には、上から順に電圧Vu、Vv、Vw、Vn、位置信号cu、cv、cw、位置データDp5、カウンタ22b、22cのカウント値および信号so1〜so6が示されている。
比較回路30a、30b、30cは、誘起電圧信号eu、ev、ewとその中央値(基準電圧Vr)とを比較して位置信号bu、bv、bwを生成する(図6参照)。位置信号bu、bv、bwは、位置信号cu、cv、cwとは異なり、選択信号stoが「オフ」の状態にあっても、ファン4に受ける外風等により回転しているモータ5のロータ回転位置を示している。
一方、比較回路18a、18b、18cは、電圧Vu、Vv、Vwと中性点電圧Vnとを比較して位置信号cu、cv、cwを生成する。120度通電では転流時にスイッチング回路3a、3b、3cのIGBT3p、3nと並列に接続された還流ダイオード(図示せず)が一時的にオンするので、これに伴う幅狭のパルスが位置信号cu、cv、cwに重畳的に現れる。波形整形回路22aは、位置信号bu、bv、bwおよび位置信号cu、cv、cwのうち何れか一方を選択し、位置信号cu、cv、cwを選択した場合には上記幅狭のパルスを除去するため位置信号cu、cv、cwを波形整形した上で、6分解能の位置データDp5を生成する。
タイミング回路22xのカウンタ22bは、位置データDp5の変化点を基点として所定周波数のクロックのアップカウントを繰り返し、カウンタ22cは、位置データDp5の変化点でカウンタ22bのカウント値を得て所定周波数のクロックをダウンカウントする。
タイミング回路22xは、カウンタ22cのカウント値がゼロになったタイミングで変化する信号so1〜so6を生成し、PWM回路22dは、信号so1〜so6をPWM信号に変換した通電信号u2、v2、w2、x2、y2、z2を出力する。PWM回路22dに入力されるPWM信号saは、出力電圧信号voと三角波信号ssにより形成されているので、通電信号u2、v2、w2、x2、y2、z2のデューティ比は電圧制御回路23により制御されている。
次に、シーケンス制御回路26の動作を説明する。
外部から入力される動作指令信号Modeは、“停止“、“正転“、“反転“の何れかを指令する。シーケンス制御回路26は、“停止”の場合、通電信号選択回路27に対して出力する選択信号stoを「オフ」とする。これにより通電信号選択回路27は通電信号としてオフを選択し、ゲートドライブ回路2はオフ状態となりモータ5への通電は行われない。また、位相制御回路16に対して出力するオンオフ信号mcp、120度通電信号形成回路22に対して出力する方向信号mcw、位置決め信号mciおよび強制転流信号mcfも全て「オフ」とする。波形整形回路22aは、選択信号stoが「オフ」の状態にあってもモータ5のロータ回転位置を示す位置信号bu、bv、bwの相順に基づいて回転方向信号shを出力する。
図9は、モータ5を始動する始動シーケンスを示すフローチャートである。モータ5は、停止している状態の他に、ファン4に受ける外風等のため正転方向に回転(フリーラン)している状態、逆転方向に回転(フリーラン)している状態となり得る。そこで、シーケンス制御回路26は、はじめに回転判定回路26aにより回転方向信号shに基づいてモータ5の回転状態を判定する(ステップS1)。
シーケンス制御回路26は、モータ5が停止していると判定すると(ステップS2;停止状態)、モータ5の所定相の巻線への通電(直流励磁)を行いロータ5rの位置決めを実行する(ステップS3)。続いて、120度通電波形による強制矩形波駆動を開始し、モータ5をロータ回転位置に基づくことなく所定の通電パターンにより強制的に駆動して徐々に加速する(ステップS4)。
その後、位置信号cu、cv、cwが正しく検出できるようになると、位置信号cu、cv、cwに基づく120度通電波形を有する通電信号u2、v2、w2、x2、y2、z2(第2の通電信号)によるセンサレス矩形波駆動に移行する(ステップS5)。そして、さらに加速して誘起電圧を正しく演算可能な回転速度に達すると、誘起電圧信号eu、ev、ewに基づく通電信号u1、v1、w1、x1、y1、z1(第1の通電信号)によるセンサレス正弦波駆動に移行する(ステップS6)。
シーケンス制御回路26は、モータ5が逆転していると判定すると(ステップS2;逆転状態)、正回転方向へのトルクを発生させてブレーキ駆動をする(ステップS7)。その後、上記ステップS3の直流励磁以降の処理を実行する。また、モータ5が正転していると判定すると(ステップS2;正転状態)、上記ステップS5のセンサレス矩形波駆動以降の処理を実行する。ただし、回転している状態から始動する場合には、位置信号bu、bv、bwに基づく通電から開始する。以下、モータ5の初期回転状態に応じた始動シーケンスを具体的に説明する。
(逆転始動シーケンス)
図10は、ファン4に受ける外風等により逆転方向に回転しているモータ5を正転方向に始動する逆転からの始動シーケンスのフローチャートである。また、図8は、回転しているモータ5の始動時の波形を示しており、上から順に位置信号bu、bv、bw、信号so1〜so6、位置信号cu、cv、cwを表している。
120度通電信号形成回路22の波形整形回路22aは、モータ5のロータ回転位置を示す位置信号bu、bv、bwを選択する(ステップS11)。方向信号mcwを「逆転」とすることにより(ステップS12)、120度通電信号形成回路22は各相上下の通電信号を入れ替える。そして、逆転始動シーケンス回路26dは、選択信号st1を通電信号u2、v2、w2、x2、y2、z2の選択(つまり第2の通電信号の選択)とし、選択信号stoを「オン」とする(ステップS13)。これにより、位置信号bu、bv、bwに基づく逆方向の通電が開始される。
逆転始動シーケンス回路26dは、回転信号sp3を監視しており、通電開始に伴い位置信号cu、cv、cwが正しく検出可能になるまで位置信号bu、bv、bwに基づく通電を継続する。位置信号cu、cv、cwが正しく検出可能になると(ステップS14;YES)、波形整形回路22aは、より正しくモータ5のロータ回転位置を示す位置信号cu、cv、cwを選択する(ステップS15)。モータ5にはブレーキトルク(正回転方向へのトルク)が発生し、モータ5は徐々に減速する。そして、このブレーキ作用により回転速度(絶対値)が所定値以下に減速するまで通電を継続する(ステップS16)。以上のステップS11〜S16の処理が、図9に示すステップS7のブレーキ駆動に相当する。
逆転始動シーケンス回路26dは、回転速度が所定値以下になり且つ通電信号u2、v2、w2、x2、y2、z2が所定の信号状態になったと判定すると(ステップS16;YES)、方向信号mcwを「正転」とし(ステップS17)、位置決め信号mciをオンする(ステップS18)。これにより、120度通電信号形成回路22は、カウンタ22b、22cのクロックをオフし、モータ5の所定相の巻線への通電を行う通電信号u2、v2、w2、x2、y2、z2を出力する。
その結果、転流しない位置決めのための通電(直流励磁)が所定時間だけ行われる。所定時間が経過すると(ステップS19;YES)、位置決め信号mciをオフする(ステップS20)。このステップS17〜S20の処理が、図9に示すステップS3の直流励磁に相当する。なお、モータ5を完全に停止させると始動しにくくなるため、上記直流励磁は短時間だけ行われる。
続いて、逆転始動シーケンス回路26dは、強制転流信号mcfを「オン」とし(ステップS21)、120度通電波形による強制矩形波駆動を開始する。その後、徐々に加速して位置信号cu、cv、cwが正しく検出可能になると(ステップS22;YES)、強制転流信号mcfを「オフ」として強制矩形波駆動を終了する(ステップS23)。このステップS21〜S23の処理が、図9に示すステップS4の強制矩形波駆動に相当する。
逆転始動シーケンス回路26dは、位置データDp5に対応して図7に示した関係で通電を行う(ステップS5のセンサレス矩形波駆動に相当)。逆転始動シーケンス回路26dは、回転信号sp1を監視して誘起電圧演算回路15の演算が実行可能な回転速度に達したか否かを判定し(ステップS24)、達した(YES)と判定すると通電信号選択回路27に対する選択信号st1を通電信号u1、v1、w1、x1、y1、z1の選択(つまり第1の通電信号の選択)とするとともに、位相制御回路16に対するオンオフ信号mcpを「オン」とする(ステップS25)。これにより、図6に示す正弦波波形の通電が開始されるとともに、通電位相の制御が開始される(ステップS6のセンサレス正弦波駆動に相当)。
(停止始動シーケンス)
図11は、停止しているモータ5を始動する停止始動シーケンスのフローチャートである。図10に示す逆転始動シーケンスの処理と同一の処理には同一のステップ番号を付している。停止始動シーケンス制御回路26bは、方向信号mcwを「正転」とし(ステップS17)、選択信号st1を通電信号u2、v2、w2、x2、y2、z2の選択(つまり第2の通電信号の選択)とし、選択信号stoを「オン」とする(ステップS13)。
そして、位置決め信号mciを「オン」とし(ステップS18)、転流しない位置決めのための通電(直流励磁)が所定時間だけ行われる。所定時間が経過すると(ステップS19;YES)、位置決め信号mciをオフする(ステップS20)。このステップS17〜S20の処理が、図9に示すステップS3の直流励磁に相当する。なお、直流励磁の時間は、逆転始動シーケンスにおける直流励磁の時間よりも長く設定されている。その後は、逆転始動シーケンスの処理と同様にステップS21〜S25の処理、すなわち強制矩形波駆動、センサレス矩形波駆動およびセンサレス正弦波駆動を順に実行する。
(正転始動シーケンス)
図12は、ファン4に受ける外風等により正転方向に回転しているモータ5を始動する正転からの始動シーケンスのフローチャートである。図10に示す逆転始動シーケンスの処理と同一の処理には同一のステップ番号を付している。120度通電信号形成回路22の波形整形回路22aは、モータ5のロータ回転位置を示す位置信号bu、bv、bwを選択する(ステップS11)。正転始動シーケンス回路26cは、方向信号mcwを「正転」とし(ステップS17)、選択信号st1を通電信号u2、v2、w2、x2、y2、z2の選択(つまり第2の通電信号の選択)とした上で、選択信号stoを「オン」とする(ステップS13)。これにより、位置信号bu、bv、bwに基づく正方向の通電が開始される。
正転始動シーケンス回路26cは回転信号sp3を監視しており、通電開始に伴い位置信号cu、cv、cwが正しく検出可能になると(ステップS14;YES)、波形整形回路22aは位置信号cu、cv、cwを選択する(ステップS15)。正転始動シーケンス回路26cは、回転信号sp1を監視して誘起電圧演算回路15の演算が実行可能な回転速度に達するまで加速する(ステップS24)。このステップS11〜S24の処理が、図9に示すステップS5のセンサレス矩形波駆動に相当する。
誘起電圧演算回路15の演算が実行可能な回転速度に達すると(ステップS24;YES)、選択信号st1を通電信号u1、v1、w1、x1、y1、z1の選択(つまり第1の通電信号の選択)とするとともに、オンオフ信号mcpを「オン」とする(ステップS25)。これにより、図6に示す正弦波波形の通電が開始されるとともに、通電位相の制御が開始される(ステップS6のセンサレス正弦波駆動に相当)。
以上説明した本実施形態によれば、制御回路6は120度位置検出回路30を備え、出力オフ状態(非通電状態)であっても、誘起電圧信号eu、ev、ewのゼロクロスタイミングに基づく6分解能の位置信号bu、bv、bw(第4のロータ回転位置)を検出可能となっている。120度位置検出回路18では、120度矩形波駆動により実際に通電を開始しないと、電圧Vu、Vv、Vwと中性点電圧Vnとの比較に基づく6分解能の位置信号cu、cv、cw(第3のロータ回転位置)を検出できない。
そこで、ファン4が外風を受けて正転方向または逆転方向に回転している場合のセンサレス120度矩形波駆動による正転始動シーケンスまたは逆転始動シーケンスでは、はじめに位置信号bu、bv、bwに基づいてロータ回転位置に応じた適切なタイミングで通電を開始することにより、通電開始時の過大な電流や始動の失敗を防止できる。そして、通電を開始して位置信号cu、cv、cwが正しく検出可能となった時点で、位置信号cu、cv、cwに基づく通電に切り替える。これにより、フリーラン状態にあるモータ5であっても、適切なロータ回転位置に基づく安定したセンサレス120度矩形波駆動での始動が可能となる。
相電圧方程式に従って得られた誘起電圧信号eu、ev、ew同士を比較して6分解能の位置データDp1を検出し、その位置データDp1(実際には回転信号sp1)の逓倍信号skと位置データDp1とから192分解能(32逓倍)の位置データDp2を得て通電信号u1、v1、w1、x1、y1、z1を生成している。これにより、逓倍数に応じた分解能の高い正弦波駆動が可能となり、さらに比較回路20aを構成する比較器の数を低減できるなど構成の簡素化と低コスト化が図られる。
この場合、電流信号iu、iv、iw同士を比較して得た電流位相信号siと誘起電圧信号eu、ev、ew同士を比較して得た回転信号sp1とから位相指令である位相データDp3を求め、この位相データDp3により位置データDp2を補正するので、ロータ5rの回転位置と電流の位相が自動調整され、モータ5の駆動効率を高めることができる。
モータ5の回転速度が低い場合、誘起電圧信号eu、ev、ewを正確に演算することができないため位置データDp2を得られない。これに対し、120度位置検出回路18は、誘起電圧が小さい極低速においても位置信号cu、cv、cwの検出が可能である。本実施形態では、誘起電圧信号eu、ev、ewを正確に演算できない極低速領域においては位置データDp5に基づく通電信号u2、v2、w2、x2、y2、z2を選択し、誘起電圧信号eu、ev、ewを正確に演算可能な速度領域においては位置データDp2に基づく通電信号u1、v1、w1、x1、y1、z1を選択する。これにより、極低速から高速までの広い回転速度範囲についてセンサレス駆動を行うことができる。また、モータ5の振動や騒音が課題となる中高速領域では正弦波駆動を行うので、振動や騒音を抑制できる。
なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
制御回路6において、位相検出回路11、位相制御回路16および加算回路21aを省いた構成としてもよい。
分圧回路21bは、正弦波の180度分の余弦値を96分解能の精度で出力するラダー抵抗により構成されているが、正弦波ではなく2相変調方式の波形データを所定分解能の精度で出力する構成としてもよい。この構成によれば、モータ5に対する出力電圧をより大きくでき、より高い回転速度まで駆動可能となる。また、(3)式においてm=1またはm=4に設定し、余弦値データの分解能を192分解能または48分解能にしてもよい。さらに、位置データDp2(通電角度データDp4)の分解能6nは、n(逓倍数)=2、3、4、…の範囲内で適宜変更可能である。
誘起電圧演算回路15に、演算器15nで作られる非反転電圧(仮想中性点電圧)vnに替えてモータ5の実際の中性点電圧Vnを入力してもよい。この場合、(1)式の演算式の第4項は、−(R5/R4)Vnとなる。また、誘起電圧演算回路15に、電圧信号vu、vv、vwに替えてスイッチ回路21u、21v、21wから出力される信号su、sv、swを入力してもよい。この場合、スイッチング回路3aの出力電圧Vuに対するスイッチング回路3aの入力電圧(信号su)の振幅比をαとすれば、図1および(1)式に示す(R5/R3)および(R5/R4)を(1/α)に等しく設定すればよい。
上記実施形態では、電流検出回路9において電流信号iu、iv、iwを直接検出したが、これら3相のうち2相の巻線電流を検出し、残りの1相の巻線電流を他の2相の巻線電流から演算して求めてもよい。
上記実施形態では、誘起電圧演算回路15において誘起電圧信号eu、ev、ewを直接求めたが、これら3相のうち2相の誘起電圧信号を演算し、残りの1相の誘起電圧信号を他の2相の誘起電圧信号から求めてもよい。
上記実施形態では、3つのスイッチ回路21u、21v、21wにおいて信号su、sv、swを直接生成したが、これら3相のうち2相の信号を演算し、残りの1相の信号を他の2相の信号から求めてもよい。
モータ5の回転速度が高くなるにつれて進み位相とする進み位相制御を行う構成としてもよい。
各実施形態では3相永久磁石モータの駆動制御装置について説明したが、3相のみならず一般に複数相永久磁石モータの駆動制御装置についても同様となる。また、ファンモータに限られず、一般に家電機器や情報機器などに用いられるものであってもよい。
本発明の一実施形態であってモータの駆動制御装置の全体構成を示す図 誘起電圧演算回路の構成図 120度位置検出回路(第4の位置検出手段)の構成図 120度位置検出回路(第3の位置検出手段)の構成図 モータの等価回路を示す図 第1の通電信号形成手段に係る動作を示す波形図 第2の通電信号形成手段に係る動作を示す波形図 フリーラン状態にあるモータの始動時の波形図 始動シーケンスを示すフローチャート 逆転からの始動シーケンスを示すフローチャート 停止からの始動シーケンスを示すフローチャート 正転からの始動シーケンスを示すフローチャート
符号の説明
図面中、1は駆動制御装置(モータ制御装置)、4はファン、5はファンモータ(永久磁石モータ)、5u、5v、5wは巻線(3相巻線)、5rはロータ、9は電流検出回路(電流検出手段)、15は誘起電圧演算回路(誘起電圧演算手段)、18は120度位置検出回路(第3の位置検出手段)、20aは比較回路(第1の位置検出手段)、20bは逓倍回路(逓倍手段)、20cは位置判定回路(第2の位置検出手段)、21xは通電信号形成回路(第1の通電信号形成手段)、22xはタイミング回路(第2の通電信号形成手段)、26aは回転判定回路(回転状態検出手段)、26cは正転始動シーケンス回路(正転シーケンス手段)、26dは逆転始動シーケンス回路(逆転シーケンス手段)、27は通電信号選択回路(選択手段)、29は通電回路(通電手段)、30は120度位置検出回路(第4の位置検出手段)を示す。

Claims (4)

  1. 永久磁石を有するロータと3相巻線を設けたステータとからなる永久磁石モータを制御するモータ制御装置において、
    前記3相巻線の電流を検出する電流検出手段と、
    検出した3相巻線電流から相電圧方程式に基づいて各相の誘起電圧を演算し誘起電圧信号を出力する誘起電圧演算手段と、
    演算した各相の誘起電圧の比較により6分解能の第1のロータ回転位置を検出する第1の位置検出手段と、
    前記第1のロータ回転位置に基づいてn倍(nは2以上の整数)の逓倍信号を得る逓倍手段と、
    前記第1のロータ回転位置と前記n倍の逓倍信号とから6n分解能の第2のロータ回転位置を検出する第2の位置検出手段と、
    前記第2のロータ回転位置に基づいて6n分解能の第1の通電信号を形成する第1の通電信号形成手段と、
    前記3相巻線の電圧に基づいて前記永久磁石モータの3相巻線に発生する誘起電圧のゼロクロスタイミングを検出し、そのゼロクロスタイミングに基づいて6分解能の第3のロータ回転位置を検出する第3の位置検出手段と、
    前記演算した各相の誘起電圧のゼロクロスタイミングを検出し、そのゼロクロスタイミングに基づいて6分解能の第4のロータ回転位置を検出する第4の位置検出手段と、
    前記第3または第4のロータ回転位置に基づいて120度通電波形を有する第2の通電信号を形成する第2の通電信号形成手段と、
    所定条件に応じて前記第1、第2の通電信号の何れか一方を選択する選択手段と、
    この選択手段により選択された通電信号をPWM変調しその変調後の3相通電信号に応じた電圧を前記3相巻線に供給する通電手段とから構成されていることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記通電手段が通電オフの状態で前記第1のロータ回転位置に基づいて回転速度および回転方向を検出する回転状態検出手段と、
    この回転状態検出手段により逆転状態と検出された場合、前記第4のロータ回転位置に基づく第2の通電信号を選択して通電を開始した後に、前記第3のロータ回転位置に基づく第2の通電信号を選択して正回転方向へのトルクを発生させる段階と、前記回転状態検出手段により検出された回転速度が所定回転速度以下で且つ前記第2の通電信号が所定の信号状態になった時に直流励磁を行う段階と、直流励磁を所定時間実行した後に正回転方向の強制転流を行う段階と、前記第1のロータ回転位置を正常に検出可能になった時に前記第1の通電信号を選択して通電を行う段階とからなる逆転シーケンス手段を有することを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 前記通電手段が通電オフの状態で前記第1のロータ回転位置に基づいて回転速度および回転方向を検出する回転状態検出手段と、
    この回転状態検出手段により正転状態と検出された場合、前記第4のロータ回転位置に基づく第2の通電信号を選択して通電を開始した後に、前記第3のロータ回転位置に基づく第2の通電信号を選択して正回転方向へのトルクを発生させる段階と、前記第1のロータ回転位置を正常に検出可能になった時に前記第1の通電信号を選択して通電を行う段階とからなる正転シーケンス手段を有することを特徴とする請求項1または2記載のモータ制御装置。
  4. 永久磁石を有するロータと3相巻線を設けたステータとからなる永久磁石モータであってファンを回転駆動するファンモータにおいて、
    請求項1ないし3の何れかに記載したモータ制御装置を内蔵し、当該モータ制御装置により駆動されることを特徴とするファンモータ。
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