JP2008135318A - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
基板上に設けられた第一電極の抵抗を下げることができる有機EL素子を提供することを課題とする。さらには、隔壁の形状を工夫することによって、均一な発光が可能な有機EL素子を提供することを課題とする。
【解決手段】
基板と、この基板上に設けられたストライプ状の第一電極と、これら第一電極の間に設けられた隔壁と、第一電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一電極に対向する第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記隔壁が、前記第一電極の両端部上に設けられた金属材料からなる第一隔壁と、前記第一電極間及び前記第一隔壁の上面と側面を覆って設けられた第二隔壁を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【選択図】 図3

Description

本発明は、情報表示端末などのディスプレイや面発光光源として幅広い用途が期待される有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とする)とその製造方法に関するものである。
近年、情報表示端末のディスプレイ用途として、大小の光学式表示装置が使用されるようになってきている。中でも、有機EL素子を用いた表示装置は、自発光型であるため、応答速度が速く、消費電力も低いことから次世代のディスプレイとして注目されている。
有機EL素子は、有機発光媒体層を第一の電極と第二の電極とで挟んだ単純な基本構造を有している。この電極間に電圧を印加し、一方の電極から注入されるホールと、他方の電極から注入される電子とが発光層内で再結合する際に生じる光を画像表示や光源として用いるというものである。なお、有機発光媒体層はこの有機発光層単独から構成される場合もあるが、これに加えて発光効率を向上させる発光補助層を積層した積層構造から構成されている場合もある。発光補助層としては、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層等がある。
有機EL素子で何らかの画像表示を行うためには画素毎に発光のオンオフを調整する必要がある。そのため、少なくとも一方の電極はパターニングされて設けられる必要がある。例えば、先に基板上に形成される第一電極をストライプ状に構成すると共に、第二電極をこれと交差する方向のストライプ状に構成し、これら第一電極と第二電極の交点を画素として画面表示している。
この有機EL素子の製造工程を説明すると、まず、基板上に、ストライプ状の前記第一電極を形成する。この第一電極は陽極として利用されることが多い。また、その材質としてはITO薄膜が好便に利用されている。
次に、ストライプ状のこれら第一電極の間に隔壁を設ける。この隔壁は、隣接する画素の有機発光層同士の混色を防ぐと共に、第一の電極と第二の電極との短絡を防ぐものである。このため隔壁は電気絶縁材料で構成される。
そして、これらの隔壁の間、すなわち、画素部位に有機発光媒体層を形成する。有機発光媒体層を形成する方法にはドライコート方式やウェットコート方式があるが、大面積の有機EL素子を製造しやすい点で、ウェットコート法が有利である。ウェットコート方式としては、スピンコート法、ダイコート法、ディップコート法、吐出コート法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法、印刷法などがある。
さらに、有機発光層をRGB3色に塗り分けしたりするためには、塗り分け・パターニングに適している印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。各種印刷法のなかでも、ガラスを基板とする有機EL素子やディスプレイでは、グラビア印刷法等のように金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は不向きであり、弾性を有するゴムブランケットを用いるオフセット印刷法や同じく弾性を有するゴム版や樹脂版を用いる凸版印刷法が適当である。実際にこれらの印刷法による試みとして、オフセット印刷による方法(特許文献1)、凸版印刷による方法(特許文献2)などが提唱されている。
そして、有機発光媒体層を形成した後、蒸着法等のドライコート方式によって第二電極を形成する(図1参照)。最後に封止することによって、有機EL素子を製造することができる。
しかしながら、上述のような方法で基板上に形成された第一電極の抵抗は高く、有機EL素子を発光させた時、輝度が小さいという問題点があった。また、ウエットコート方式で有機発光媒体層を形成する場合、その材料と上記隔壁との親和性が高いと隔壁近傍において液溜りが発生しやすい。そして、このため、有機発光媒体層の膜厚が隔壁近傍で大きくなり、画素内の膜厚が不均一になり、発光ムラが生じるという問題点があった。

特開2001−93668号公報 特開2001−155858号公報
本発明では、基板上に設けられた第一電極の抵抗を下げることができる有機EL素子を提供することを課題とする。さらには、基板上に設けられた第一電極の抵抗を下げることができると同時に、隔壁の形状を工夫することによって、隔壁近傍の液溜りによる発光ムラを防止し、輝度が大きく、均一な発光が可能な有機EL素子を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、基板と、この基板上に設けられたストライプ状の第一電極と、これら第一電極の間に設けられた隔壁と、第一電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一電極に対向する第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記隔壁が、前記第一電極の両端部上に設けられた金属材料からなる第一隔壁と、前記第一電極間及び前記第一隔壁の上面と側面を覆って設けられた第二隔壁を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
ストライプ状の第一電極の両端部上に金属材料からなる第一隔壁が設けられているため、第1電極全体にわたり、電圧降下が生じず、第一電極の全体の抵抗を十分に下げることができ、また、この金属材料からなる第一隔壁の上面と側面が第二隔壁で覆われていることから、第一隔壁と第二電極との短絡を防止することができる。
請求項2に係る発明は、基板と、この基板上に設けられた画素状の第一電極と、これら第一電極の間に設けられた隔壁と、第一電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一電極に対向する第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記隔壁が、前記第一電極の外周端部上に設けられた金属材料からなる第一隔壁と、前記第一電極間及び前記第一隔壁の上面と側面を覆って設けられた第二隔壁を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
画素状の第一電極の外周端部上に金属材料からなる第一隔壁が設けられているため、第一電極の抵抗を十分に下げることができ、また、この金属材料からなる第一隔壁の上面と側面が第二隔壁で覆われていることから、第一隔壁と第二電極との短絡を防止することができる。
請求項3に係る発明は、前記第一隔壁の幅が0.1μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
第一隔壁の幅を、0.1μm以上500μm以下とすることで、第一電極の抵抗を十分に下げることができると同時に、第一電極上に十分な発光領域を得ることができる。
請求項4に係る発明は、前記第二隔壁が前記第一電極の端部を覆う幅は、0.1μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
第一隔壁の側面に設けられた第二隔壁によって、第一電極の端部が覆われる幅を0.1μm以上500μm以下とすることで、第一隔壁と第二電極との短絡を防止することができると同時に、第一電極上に十分な発光領域を得ることができる。
請求項5に係る発明は、基板と、この基板上に設けられたストライプ状の第一電極と、これら第一電極の間に設けられた隔壁と、第一電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一電極に対向する第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記隔壁が、前記第一電極の両端部上に設けられた金属材料からなる第一隔壁と、前記第一電極間及び前記第一隔壁の上面に設けられた第二隔壁を含み、且つ、前記第一隔壁のうち前記第一電極上に存在する領域の幅が、前記第二隔壁のうち前記第一電極上且つ前記第一隔壁の上面に存在する領域の幅よりも、大きいことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
ストライプ状の第一電極の両端部上に金属材料からなる第一隔壁が設けられているため、第一電極の抵抗を十分に下げることができる。
そして、第二隔壁は、第一隔壁の上面にも設けられ、且つ第一隔壁のうち第一電極上に存在する領域の幅が、第二隔壁のうち第一電極上且つ第一隔壁の上面に存在する領域の幅よりも大きいことから、上記液溜まりは、この第二隔壁が設けられていない第一隔壁上に発生する。よって、第一隔壁領域は非発光領域であることから、発光ムラとはならない。そして、このため、均一な発光が可能となる。
請求項6に係る発明は、基板と、この基板上に設けられた画素状の第一電極と、これら第一電極の間に設けられた隔壁と、第一電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一電極に対向する第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記隔壁が、前記第一電極の外周端部上に設けられた金属材料からなる第一隔壁と、前記第一電極間及び前記第一隔壁の上面に設けられた第二隔壁を含み、且つ、前記第一隔壁のうち前記第一電極上に存在する領域の幅が、前記第二隔壁のうち前記第一電極上且つ前記第一隔壁の上面に存在する領域の幅よりも、大きいことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
画素状の第一電極の外周端部上に金属材料からなる第一隔壁が設けられているため、第一電極の抵抗を十分に下げることができる。
そして、第二隔壁は、第一隔壁の上面にも設けられ、且つ第一隔壁のうち第一電極上に存在する領域の幅が、第二隔壁のうち第一電極上且つ第一隔壁の上面に存在する領域の幅よりも大きいことから、上記液溜まりは、この第二隔壁が設けられていない第一隔壁上に発生する。よって、第一隔壁領域は非発光領域であることから、発光ムラとはならない。そして、このため、均一な発光が可能となる。
請求項7に係る発明は、前記第一隔壁のうち前記第一電極上に存在する領域の幅が0.1μm以上1000μm以下であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
第一隔壁のうち第一電極上に存在する領域の幅を0.1以上1000μm以下とすることで、第一電極の抵抗を十分に下げることができると同時に、十分な発光領域も得ることができる。
請求項8に係る発明は、前記第一隔壁のうち前記第一電極上に存在する領域の幅が、前記第二隔壁のうち前記第一電極上且つ前記第一隔壁の上面に存在する領域の幅よりも、0.05μm以上999μm以下の範囲で大きいことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
第一隔壁のうち第一電極上に存在する領域の幅が、第二隔壁のうち第一電極上且つ第一隔壁の上面に存在する領域の幅よりも、0.05μm以上999μm以下の範囲で大きいことで、上記液溜まりを非発光領域の第一隔壁上に発生させることができ、発光ムラを防止できると同時に、第一隔壁と第二電極の短絡を防止することができる。
請求項9に係る発明は、前記第一隔壁の高さが0.01μm以上99μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
第一隔壁の高さを0.01μm以上99μm以下とすることで、第一電極の抵抗を十分に下げることができると同時に、上記液溜まりを第一隔壁上に発生させることができる。
請求項10に係る発明は、前記第一隔壁と第二隔壁をあわせた隔壁の高さが0.2μm以上100μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
第一隔壁と第二隔壁をあわせた隔壁の高さを0.2μm以上100μm以下とすることで、複数色の有機発光層を塗り分ける際の混色を防止できると同時に第二電極の断線やショートを防止することができる。
請求項11に係る発明は、前記第一隔壁の金属材料が、Ni、Cu、Cr、Ti、Fe、Co、Au、Ag、Al、Pt、Rh、Pd、Pb、Sn、またはこれらの金属元素を少なくとも一成分以上含む合金のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
第一隔壁の金属材料が、Ni、Cu、Cr、Ti、Fe、Co、Au、Ag、Al、Pt、Rh、Pd、Pb、Sn、またはこれらの金属元素を少なくとも一成分以上含む合金のいずれかであることで、第一電極の抵抗を十分に下げることができる。
請求項12に係る発明は、前記第二隔壁が無機絶縁物若しくは感光性樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
第二隔壁が無機絶縁物若しくは感光性樹脂からなることで、第一電極及び第一隔壁と第二電極との短絡を防ぐことができる。
請求項13に係る発明は、前記有機発光媒体層の少なくとも一層が、ウエットコート方式で形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
有機発光媒体層の少なくとも一層をウエットコート方式で形成することで、大面積の有機EL素子の製造が容易となる。
請求項14に係る発明は、基板と、この基板上に設けられたストライプ状の第一電極と、これら第一電極の間に設けられた隔壁と、第一電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一電極に対向する第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
(a)前記第一電極を備える基板上に、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法のいずれかの方法で金属膜を形成する第1工程、
(b)フォトリソグラフィとウェットエッチングによって、第一隔壁をパターニングする第2工程
(c)感光性樹脂の塗布する第3工程
(d)露光と現像とポストベークによって、第二隔壁を形成する第4工程
を含む工程で、前記第一電極の両側の端部上に設けられた金属材料からなる第一隔壁と、前記第一電極間及び前記第一隔壁の上面と側面を覆って設けられた第二隔壁を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
上述の製造方法で、ストライプ状の第一電極の抵抗を十分に下げることができ、且つ金属材料からなる第一隔壁と第二電極との短絡も防止された有機EL素子を製造することができる。
請求項15に係る発明は、基板と、この基板上に設けられた画素状の第一電極と、これら第一電極の間に設けられた隔壁と、第一電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一電極に対向する第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
(a)前記第一電極を備える基板上に、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法のいずれかの方法で金属膜を形成する第1工程、
(b)フォトリソグラフィとウェットエッチングによって、第一隔壁をパターニングする第2工程
(c)感光性樹脂の塗布する第3工程
(d)露光・現像・ポストベークによって、第二隔壁を形成する第4工程
を含む工程で、前記第一電極の外周端部上に設けられた金属材料からなる第一隔壁と、前記第一電極間及び前記第一隔壁の上面と側面を覆って設けられた第二隔壁を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
上述の製造方法で、画素状の第一電極の抵抗を十分に下げることができ、且つ金属材料からなる第一隔壁と第二電極との短絡も防止された有機EL素子を製造することができる。
請求項16に係る発明は、基板と、この基板上に設けられたストライプ状の第一電極と、これら第一電極の間に設けられた隔壁と、第一電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一電極に対向する第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
(a)前記第一電極を備える基板上に、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法のいずれかの方法で金属膜を形成する第一工程
(b)フォトリソグラフィとウェットエッチングによって金属膜をパターニングし、金属材料からなる第一隔壁を形成する第2工程
(c)感光性樹脂を塗布する第3工程
(d)露光と現像とポストベークによって、第二隔壁を形成する第4工程、
を含む工程によって、前記第一隔壁の幅が、第一隔壁の上面の第二隔壁の幅よりも、第一電極の内側に向けて大きい隔壁を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
上述の製造方法で、ストライプ状の第一電極の抵抗を十分に下げることができ、且つ上記液溜まりを非発光領域に発生させ、発光ムラが防止された有機EL素子を製造することができる。
請求項17に係る発明は、基板と、この基板上に設けられた画素状の第一の電極と、これら第一の電極の間に設けられた隔壁と、第一の電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一の電極に対向する第二の電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
(a)前記第一の電極を備える基板上に、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法のいずれかの方法で金属膜を形成する第一工程
(b)フォトリソグラフィとウェットエッチングによって金属膜をパターニングし、金属材料からなる第一隔壁を形成する第2工程
(c)感光性樹脂を塗布する第3工程
(d)露光と現像とポストベークによって、第二隔壁を形成する第4工程、
を含む工程によって、前記第一隔壁の幅が、第一隔壁の上面の第二隔壁の幅よりも、第一電極の内側に向けて大きい隔壁を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
上述の製造方法で、画素状の第一電極の抵抗を十分に下げることができ、且つ上記液溜まりを非発光領域に発生させ、発光ムラが防止された有機EL素子を製造することができる。
本発明によれば、金属材料からなる第一隔壁を第一電極の端部上に設けることで、第一電極の抵抗を十分に下げることができるとともに、この第一隔壁の上面と側面も覆う第二隔壁を設けることで第一隔壁と第二電極の短絡が防止された有機EL素子及びその製造方法を提供することができた。
また、金属材料からなる第一隔壁を第一電極の端部上に設けることで、第一電極の抵抗を十分に下げることができるとともに、第二隔壁を第一隔壁の上面にも設け、且つ第一隔壁のうち第一電極上に存在する領域の幅を、第二隔壁のうち第一電極上且つ第一隔壁の上面に存在する領域の幅よりも大きくすることにより、液溜まりをこの第二隔壁が設けられていない第一隔壁上に発生させることができた。そして、発光領域に位置する有機発光媒体層の膜厚の均一性が向上され、発行ムラのない有機EL素子及びその製造方法を提供することができた。
以下、図面を参照して、本発明を説明する。なお、以下の実施の形態の説明において参照する図面は、本発明の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さ、寸法等は、実際のものとは異なる。また、本発明はこれらに限定されるものではない。
図2及び図3に本発明の有機EL素子の一例に係る説明図を示す。図2は、本発明のパッシブマトリックス駆動方式の有機EL素子に係る、隔壁の断面模式図である。図3は図2の隔壁を含むパッシブマトリックス駆動方式の有機EL素子の断面模式図である。
なお、本発明はパッシブマトリックス駆動方式の有機EL素子に限定されるものではなく、アクティブマトリックス駆動方式の有機EL素子にも適用可能である。パッシブマトリックス方式とはストライプ状の電極を直交させるように対向させ、その交点を発光させる方式であるのに対し、アクティブマトリックス駆動方式は画素毎にトランジスタを形成した、いわゆる薄膜トランジスタ(TFT)基板を用いることにより、画素毎に独立して発光する方式である。
図2に示すように、本発明の有機EL素子は、基板1の上に、第一電極2を有している。この第一電極2はストライプ状のパターンを有している。なお、アクティブマトリックス駆動方式の場合、第一電極は画素電極ごとにパターン化される。
そして、これら第一電極2の間に設けられた隔壁3を有しており、パッシブマトリックス駆動方式の場合、隔壁3も、第一電極2と同じ方向に伸びるストライプ状である。図2からわかるように、隔壁3は第一隔壁31と第二隔壁32からなり、第一隔壁31は第一電極2の両端部上に金属材料で設けられ、第二隔壁32は第一電極間及び第一隔壁31の上面と側面を覆って設けられている。ここで、第二隔壁32は第一隔壁31の端面も覆い、第一隔壁31の露出面の全面を覆うように設けても良い。
また、第一電極が画素状である場合、第一隔壁は、第一電極の外周端部上に設けられ、第二隔壁は第一電極間及び第一隔壁の上面と側面を覆って設けられる(図示せず)。このとき第一隔壁の露出面は第二隔壁により全面が覆われる。そして、隔壁は格子状を成して形成される。
そして、本発明の有機EL素子は、図3に示すように、第一電極2上であって、隔壁3で区画された領域に有機発光媒体層を有している。有機発光媒体層は、発光層単独から構成されたものであっても良いし、発光層と発光補助層との積層構造から構成されたものでも良い。図3では、発光補助層である正孔輸送層41、発光層42との積層構造から構成された有機発光媒体層を示している。
そして、本発明の有機EL素子は、有機発光媒体層を挟んで、第一電極2と交差する方向に伸びる第二電極5を有している。これら第一電極2と第二電極5に電圧を印加することにより、その交差部位の有機発光媒体層に含まれる発光層中で、ホールと電子とを再結合させて発光させ、この発光によって画面表示することができる。なお、アクティブマトリックス駆動方式の場合、第二電極は、有機EL素子全面に形成される。
図3に示した有機EL素子においては、図1に示した従来の有機EL素子に対して、金属材料からなる第一隔壁31が設けられていることで、第一電極の抵抗を十分に下げることができ、有機EL素子を発光させた際、十分な輝度を得ることができる。
ここで、第一電極2の両端部上に設けられる第一隔壁31の幅は0.1以上500μm以下が好ましい。もしこれより狭いと十分に第一電極2の抵抗を下げることができない。さらには、第一電極をフォトリソ法により、エッチングでパターニングする場合、第一電極両端部にバリが発生することがある。第一電極端部に発生したバリは、第一電極層上に有機発光層を含む有機発光媒体層、第二電極層を形成した際に、第一電極と第二電極の短絡によるショートを引き起こす可能性がある。従って、第一隔壁は第一電極の端部に発生したバリを覆うように設けることが好ましい。一方、500μmより広いと、第一隔壁領域は非発光領域であるため、発光領域が狭くなり、明るい画面表示が困難になる。
また、第一隔壁31の側面に設けられた第二隔壁61が前記第一電極2の端部を覆う幅は、0.1μm以上500μm以下が好ましい。0.1μmより狭いと、絶縁性良く第一隔壁31を覆うことができず、第一隔壁31と第二電極5とが短絡する危険がある。500μmより広いと第二隔壁領域は非発光領域となるため、発光領域が狭くなり、明るい画面表示が困難になる。
また、第一隔壁31の高さは0.01μm以上99μm以下が好ましい。0.01μmより低いと、十分に第一電極の抵抗を下げることができない。99μmより高いと、隔壁が高すぎて、有機発光媒体層の印刷ができない可能性がある。
また、第一隔壁と第二隔壁をあわせた隔壁の高さは0.2μm以上100μm以下が好ましい。0.2μmより低いと隔壁の役割を果たせなくなり、例えば、有機発光層をRGB3色に塗り分けた場合、隣接する画素に有機発光インキが互いに侵入してしまい、混色が発生することがある。また、100μmより高いと、隔壁が高すぎて、有機発光媒体層の印刷ができない可能性があり、さらには、第二電極の断線やショートなどを引き起こしてしまう可能性がある。
次に、図4及び図5に本発明の有機EL素子の別の一例に係る説明図を示す。図4は、本発明のパッシブマトリックス駆動方式の有機EL素子に係る、隔壁の断面模式図である。図5は図4の隔壁を含むパッシブマトリックス駆動方式の有機EL素子の断面模式図である。
なお、本発明はパッシブマトリックス駆動方式の有機EL素子に限定されるものではなく、アクティブマトリックス駆動方式の有機EL素子にも適用可能である。パッシブマトリックス方式とはストライプ状の電極を直交させるように対向させ、その交点を発光させる方式であるのに対し、アクティブマトリックス駆動方式は画素毎にトランジスタを形成した、いわゆる薄膜トランジスタ(TFT)基板を用いることにより、画素毎に独立して発光する方式である。
図4に示すように、本発明の有機EL素子は、基板1の上に、第一電極2を有している。この第一電極2はストライプ状のパターンを有している。なお、アクティブマトリックス駆動方式の場合、第一電極は画素電極ごとにパターン化される。
そして、図4に示す有機EL素子は、これら第一電極の間に設けられた隔壁3を有している。隔壁3も、第一電極2と同じ方向に伸びるストライプ状である。
隔壁3は第一隔壁33と第二隔壁34からなり、第一隔壁33は第一電極2の両端部上に金属材料で設けられ、第二隔壁34は第一電極間及び第一隔壁33の上面に設けられている。ここで、第一隔壁33のうち第一電極2上に存在する領域の幅は、第二隔壁34のうち第一電極2上且つ第一隔壁33の上面に存在する領域の幅よりも大きく設けられている。
また、第一電極が画素状である場合、第一隔壁は、第一電極の外周端部上に設けられ、第二隔壁は第一電極間及び第一隔壁の上面に設けられる(図示せず)。ここで、第一隔壁のうち第一電極上に存在する領域の幅は、第二隔壁のうち第一電極上且つ第一隔壁の上面に存在する領域の幅よりも大きく設けられる。また、このとき隔壁は格子状を成して形成される。
そして、本発明の有機EL素子は、図5に示すように、第一電極2上であって、隔壁3で区画された領域に有機発光媒体層を有している。有機発光媒体層は、発光層単独から構成されたものであっても良いし、発光層と発光補助層との積層構造から構成されたものでも良い。図では、発光補助層である正孔輸送層41、発光層42との積層構造から構成された有機発光媒体層を示している。
そして、本発明の有機EL表示素子は、有機発光媒体層を挟んで、第一電極2と交差する方向に伸びる第二電極5を有している。これら第一電極2と第二電極5に電圧を印加することにより、その交差部位の有機発光媒体層に含まれる発光層中で、ホールと電子とを再結合させて発光させ、この発光によって画面表示することができる。なお、アクティブマトリックス方式の場合、第二電極は、有機EL素子全面に形成される。
図5に示した有機EL素子においては、図1に示した有機EL素子に対して、金属材料からなる第一隔壁33が設けられていることで、第一電極の抵抗を下げることができ、有機EL素子を発光させた際、十分な輝度を得ることができる。
さらには、第一隔壁33のうち第一電極2上に存在する領域の幅を、第二隔壁34のうち第一電極2上且つ第一隔壁33の上面に存在する領域の幅よりも大きくすることにより、液溜まりをこの第二隔壁が設けられていない第一隔壁上に発生させることができる。そして、発光領域に位置する有機発光媒体層の膜厚の均一性が向上され、発行ムラのない、均一な発光が可能となる。
ここで、第一隔壁33のうち第一電極2上に存在する領域の幅は0.1以上1000μm以下が好ましい。もしこれより狭いと十分に第一電極の抵抗を下げることができない。さらには、第一電極をフォトリソ法により、エッチングでパターニングする場合、第一電極両端部にバリが発生することがある。第一電極端部に発生したバリは、第一電極層上に有機発光層を含む有機発光媒体層、第二電極層を形成した際に、第一電極と第二電極の短絡によるショートを引き起こす可能性がある。従って、第一隔壁は第一電極の端部に発生したバリを覆うように設けることが好ましい。一方、1000μmより広いと、第一隔壁領域は非発光領域であるため、発光領域が狭くなり、明るい画面表示が困難になる。
また、図4及び図5に示すように、本発明の有機EL素子においては、第一隔壁33のうち第一電極2上に存在する領域の幅は、第二隔壁34のうち第一電極2上且つ第一隔壁33の上面に存在する領域の幅よりも大きいことで、金属材料からなる第一隔壁33の一部が第二隔壁に覆われず、露出してしまう。有機発光媒体層がこの露出部を完全に覆わなければ、第一隔壁33と第二電極5との短絡が発生してしまうが、この露出部の幅を調整すれば、短絡を防止することができる。従って、第一隔壁33のうち第一電極2上に存在する領域の幅が、第二隔壁34のうち第一電極2上且つ第一隔壁33の上面に存在する領域の幅よりも大きい幅は0.05μm以上999μm以下が好ましい。0.05μmより狭いと、有機発光媒体層の膜厚が大きくなっている液溜りを第一隔壁上に発生させることできず、液溜り部分も発光領域となってしまい、発光ムラが発生してしまう。999μmより広いと第一隔壁の露出部が大きくなり、第二電極5と短絡を引き起こす可能性があると同時に発光領域が狭くなり、明るい画面表示が困難になる。
また、第一隔壁33の高さは0.01μm以上99μm以下が好ましい。0.01μmより低いと、十分に第一電極の抵抗を下げることができない。99μmより高いと、液溜まりが非発光領域の第一隔壁33上ではなく図1同様、第一電極2上に発生してしまう。また、有機発光媒体層が第一隔壁を完全に覆えず、第二電極5が第一隔壁33と接触して、ショートを引き起こす恐れがある。さらには、隔壁が高すぎて、発光媒体層の印刷ができない可能性がある。
また、第一隔壁33と第二隔壁34をあわせた隔壁の高さは0.2μm以上100μm以下が好ましい。0.2μmより低いと隔壁の役割を果たせなくなり、例えば、有機発光層をRGB3色に塗り分けた場合、隣接する画素に有機発光インキが互いに侵入してしまい、混色が発生することがある。また、100μmより高いと、隔壁が高すぎて、有機発光媒体層の印刷ができない可能性があり、さらには、第二電極の断線やショートなどを引き起こしてしまう可能性がある。
次に、本発明に係る有機EL素子の製造方法を説明する。
本発明にかかる基板1としては、絶縁性を有する基板であればいかなる基板も使用することができる。この基板側から光を出射するボトムエミッション素子の場合には、基板として透明なものを使用する必要がある。
例えば、ガラス基板や石英基板が使用できる。また、ポリプロピレン、ポリエーテルサ
ルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド
、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
等のプラスチックフィルムやシートであっても良い。これら、プラスチックフィルムやシ
ートに、金属酸化物薄膜、金属弗化物薄膜、金属窒化物薄膜、金属酸窒化膜薄膜、あるい
は高分子樹脂膜を積層したものを基板として利用してもよい。
金属酸化物薄膜としては、酸化珪素、酸化アルミニウム等が例示できる。金属弗化物薄
膜としては、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等が例示できる。金属窒化物薄膜とし
ては、窒化珪素、窒化アルミニウム等が例示できる。また、高分子樹脂膜としては、アク
リル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等が例示できる。また、ト
ップエミッション素子の場合には、不透明な基板を使用することもできる。例えば、シリ
コンウエハ、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、金属シート金属板等である。また
、前記プラスチックフィルムやシートにアルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスなどの
金属薄膜を積層させたものを用いることも可能である。
また、これらの基板は、あらかじめ加熱処理を行うことにより、基板内部や表面に吸着
した水分を極力低減することがより好ましい。また、基板上に積層される材料に応じて、
密着性を向上させるために、超音波洗浄処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾ
ン処理などの表面処理を施してから使用することが好ましい。
また、これらに薄膜トランジスタ(TFT)を形成して、駆動用基板としても良い。T
FTの材料としては、ポリチオフェンやポリアニリン、銅フタロシアニンやペリレン誘導
体等の有機TFTでもよく、また、アモルファスシリコンやポリシリコンTFTでもよい
。また、カラーフィルター層や光散乱層、光偏向層等を設けて基板としてよい。
次に、この基板1上に、第一電極2を形成する(図3及び図5)。
第一電極2を陽極とした場合その材料として、ITO(インジウムスズ複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物が利用できる。被膜形成方法としてはドライコーティング方式が利用できる。例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等である。そして、真空製膜された金属酸化物被膜にフォトレジストを塗布して露光・現像し、ウェットエッチング又はドライエッチングして、パターン状に加工することができる。
次に、第一隔壁及び第二隔壁からなる隔壁3を形成する。
金属材料からなる第一隔壁に用いる導電性材料としては、Ni、Cu、Cr、Ti、Fe、Co、Au、Ag、Al、Pt、Rh、Pd、Pb、Sn、またはこれらの金属元素を少なくとも一成分以上含む合金のいずれかであることが好ましい。合金で形成する場合には、例えば、Pb−Sn、Ni−Co、Ni−Sn等が適している。
第二隔壁に用いられる材料としては、無機絶縁物のSiO、Alなどを用いるこ
とができ、また、絶縁性を有する感光性樹脂を用いることができる。感光性樹脂としては
、ポジ型であってもネガ型であってもよく、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬
化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、
ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、ポリイミド樹脂、およびシアノエチルプルラン
等を用いることができる。
ディスプレイとしてのコントラスト向上のために第一隔壁、第二隔壁のどちらか一方、
若しくは両方に遮光性材料を含有させてもよい。また、第二隔壁に撥インキ材料を含有さ
せても良い。第二隔壁に撥インキ材料を含有させることにより、隔壁を低くしても有機発
光層をRGB三色に塗り分けする場合に発生する混色を防ぐことができる。
ここで、第一隔壁及び第二隔壁の形成方法について、図6に一例を示す。図6は断面模式図である。
まず、第一電極2が形成された基板1を用意する(図6(a))。次に、基板に金属材料をスパッタリング法、CVD法といった乾式成膜法により全面にコーティングしてから、フォトリソグラフィとウエットエッチングによりパターニングをして第一隔壁31を形成する(図6(b))。
次に、第二隔壁32を形成する。第二隔壁の材料としては無機絶縁物や感光性材料を用いることが出来るが、感光性材料を使用する場合、例えば感光性樹脂を溶媒に溶解させ、スリットコート法やスピンコート法により全面にコーティングし(図6(c))、露光と現像でパターニングを行った後ポストベークすることで、図のような第一電極間及び第一隔壁の上面と側面を覆う第二隔壁32を形成することができる。(図6(d))。
図7に、別の第一隔壁及び第二隔壁の形成方法を示す。図7は断面模式図である。
まず、第一電極2が形成された基板1を用意する(図7(a))。次に、基板に金属材料をスパッタリング法、CVD法といった乾式成膜法により全面にコーティングしてから、フォトリソグラフィとウエットエッチングによりパターニングをして第一隔壁を形成する(図7(b))。
次に、第二隔壁34を形成する。第二隔壁の材料としては無機絶縁物や感光性材料を用いることが出来るが、感光性材料を利用する場合、例えば感光性樹脂材料を溶媒に溶解させ、スリットコート法やスピンコート法により全面にコーティングし(図7(c))、露光と現像でパターニングを行った後ポストベークすることで、図のような、第一隔壁33のうち第一電極2上に存在する領域の幅が、第二隔壁34のうち第一電極2上且つ第一隔壁33の上面に存在する領域の幅よりも大きい、第二隔壁34を形成することができる(図7(d))。
上述のようにして隔壁3を形成した後、有機発光媒体層を形成する。有機発光媒体層は、有機発光層単独から構成されたものでもよいし、有機発光層と正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層といった発光を補助するための発光補助層との積層構造としてもよい。なお、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層は必要に応じて適宜選択される。
有機発光媒体層の形成方法としては、ウェットコート法により形成することが大画面化が容易となることから好ましい。なお、有機発光媒体層が積層構造から構成される場合には、その各層の全てをウェットコート法により形成する必要はない。ウェットコート法としては、スピンコート法、ダイコート法、ディップコート法、吐出コート法、プレコート法、ロールコート法、バーコート法等の塗布法と、凸版印刷法、インクジェット印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法等の印刷法が挙げられる。特に、有機発光層を形成する際、印刷法を用いると画素部に選択的に異なる色彩に発光する発光層を設けることができ、カラー表示可能な有機EL素子を製造することができる。
有機発光層の形成方法としては、さらには、凸版印刷法が好ましい。凸版印刷法はインクジェット法と異なり、版と印刷基板が接するようにしてインキが転移されるため、隔壁を低くすることが可能となる。凸版印刷法に用いる凸版は水現像タイプの樹脂凸版を用いることが好ましい。樹脂版を構成する水現像タイプの感光性樹脂としては、例えば親水性のポリマーと不飽和結合を含む架橋性モノマーと光重合開始剤を構成要素とするタイプが挙げられる。親水性ポリマーとしてはポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等を用いることができる。また、架橋性モノマーとしては、例えばビニル結合を有するメタクリレート類が挙げられ、光重合開始剤としては例えば芳香族カルボニル化合物が挙げられる。中でも、印刷適性の面からポリアミド系の親水性ポリマーを使用した水現像タイプの感光性樹脂が好適である。
有機発光層の主成分は、電圧の印加によって発光する発光材料である。このような発光材料としては、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレ
ン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノラート)
アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(8
−キノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノラー
ト)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノラート)アルミニウ
ム錯体、ビス(2−メチルー5−トリフルオロメチルー8−キノリノラート)[4−(4
−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチルー5−シアノー
8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、
トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス[8−(パラートシル)アミノキ
ノリン]亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジ
エン、ポリー2,5−ジヘプチルオキシーパラーフェニレンビニレンなどの低分子系発光
材料が使用できる。
また、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、
ポリフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン
系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光対
等、Ir錯体等の燐光性発光体などの低分子系発光材料を、高分子中に分散させたものが
使用できる。高分子としてはポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカル
バゾール等が使用できる。
また、ポリ(2−デシルオキシ−1,4−フェニレン)(DO−PPP)、ポリ[2−
メトキシ−5−(2’−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH
−PPV)、ポリ[2,5−ビス−[2−(N,N,N−トリエチルアンモニウム)エト
キシ]−1,4−フェニル−アルト−1,4−フェニルレン]ジブロマイド(PPP−N
Et3+)、ポリ[2−(2’−エチルヘキシルオキシ)−5−メトキシ−1,4−フェ
ニレンビニレン](MEH−PPV)、ポリ[5−メトキシ−(2−プロパノキシサルフ
ォニド)−1,4−フェニレンビニレン](MPS−PPV)、ポリ[2,5−ビス−(
ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)](CN−PPV)、
ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)(PDAF)などの高分子発光材料であってもよ
い。PPV前駆体、PNV前駆体、PPP前駆体などの高分子前駆体が挙げられる。また
、これら高分子材料に前記低分子発光材料の分散又は共重合した材料や、その他既存の発
光材料を用いることもできる。
発光補助層の材料としては、例えば、正孔輸送層の材料としては、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系低分子正孔注入輸送材料や、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物などの高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。
また、電子輸送層の材料としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチ
ルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3
,4−オキサジアゾール、オキサジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h
]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾール化合物等を用いることができる。
有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、ヘ
キサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール
、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−メチル−(t−
ブチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、ペンチルベンゼン、1,3
,5−トリエチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、1,3,5−トリ−イソプロピル
ベンゼン等を単独又は混合して用いることができる。また、有機発光インキには、必要に
応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
正孔輸送材料、電子輸送材料を溶解または分散させる溶剤としては、例えば、トルエン
、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等
の単独またはこれらの混合溶剤などが挙げられる。特に、正孔輸送材料をインキ化する場
合には水またはアルコール類が好適である。
次に、第二電極を形成する。第二電極を陰極とした場合その材料としては電子注入効率の高い物質を用いる。具体的にはMg、AL、Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li、LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いることができる。または電子注入効率と安定性を両立させるため、低仕事関数なLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系を用いることもできる。具体的にはMgAg、AlLi,CuLi等の合金が使用できる。また、トップエミッション方式の有機EL素子とする場合は、陰極は透明性を有する必要があり、例えば、これら金属とITO等の透明導電層を組み合わせることにより透明化が可能となる。
第二電極の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸
着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の乾式成膜法を用いることができる。厚さは10nm〜1μm程度が望ましい。なお、本発明では第一の電極を陰極、第二の電極を陽極とすることも可能である。
そして、必要に応じて、ガラス板やガラスキャップ等により接着剤を介して封止をおこない、水分や酸素による発光媒体層等の劣化を防止する。
(実施例1)
まず、ガラス基板1上にスパッタリングで第一電極としてITO層を形成した。さらに、
透明性と導電性を向上させるために、空気中で加熱処理を行いITOを結晶化した。
次に、フォトリソグラフィとウェットエッチングによってITOをパターニングし、
ライン/スペースが200μm/30μmであるストライプ状の第一電極2を形成した(図6(a))。
次に、ストライプ状の第一電極が形成されたガラス基板上にスパッタリングで第一隔壁としてCu層を形成した。
次に、フォトリソグラフィとウェットエッチングによってCuをパターニングし、ストライプ状の第一電極2の両端部上に厚み0.3μm、幅5μmの第一隔壁31を形成した(図6(b))。
その上に第二隔壁としてポリイミド系ポジ型感光性樹脂(東レ製フォトニースPW−1030)をスピンコート法により塗布し(図6(c))、露光と現像でパターニングした後、ポストベークを行い、図6(d)のような第二隔壁32を形成した。
ここで、第一電極2の両端部上に設けられた第一隔壁31の幅は5μmで、高さは、0.3μmであった。また、第一隔壁31の側面に形成された第二隔壁61が、第一電極の端部を覆う幅は3μmで、第一隔壁31と第二隔壁32を合わせた高さは1μmであった。
次に、UV洗浄を行った後、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチ
レンスルホン酸(以下PEDOT/PSSという)の1wt%水分散溶液をスピンコート法で塗布して80nmの正孔輸送層41を形成した。
次に、高分子発光材料であるポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)の1.8wt%o−キシレン溶液を凸版印刷法で印刷し、膜厚80nmの発光層42を形成した。
次いで、第二電極5を陰極としてMgAgを2元共蒸着により200nmの厚みをマスク蒸着することで形成した。最後に素子全体をガラスキャップで封止して本発明の有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子では、第一電極全体の抵抗値が十分に低く、有機EL素子を発光させたところ十分な発光輝度を得ることができた。
(実施例2)
まず、ガラス基板1上にスパッタリングで第一電極としてITO層を形成した。さらに、
透明性と導電性を向上させるために、空気中で加熱処理を行いITOを結晶化した。
次に、フォトリソグラフィとウェットエッチングによってITOをパターニングし、ライン/スペースが200μm/30μmであるストライプ状の第一電極2を形成した(図7(a))。
次に、ストライプ状の第一電極2が形成されたガラス基板上にスパッタリングで第一隔壁としてCu層を形成した。
次に、フォトリソグラフィとウェットエッチングによってCuをパターニングし、ストライプ状の第一電極2の両端部上に厚み0.3μm、幅8μmの第一隔壁33を形成した(図7(b))。
その上に第二隔壁としてポリイミド系ポジ型感光性樹脂(東レ製フォトニースPW−1030)をスピンコート法により塗布し(図7(c))、露光と現像でパターニングした後、ポストベークを行い、図6(d)のような第二隔壁34を形成した。
ここで、第一電極2の両端部上に設けられた第一隔壁33の幅は8μmで、高さは、0.3μmであった。ここで、本実施例では、第一隔壁33のうち第一電極2上に存在する領域の幅は、同じく8μmであった。一方、第二隔壁34のうち第一電極2上且つ第一隔壁33の上面に存在する領域の幅は5μmであった。よって、第一隔壁33のうち第一電極2上に存在する領域の幅の方が、第二隔壁34のうち第一電極2上且つ第一隔壁33の上面に存在する領域の幅よりも3μm大きかった。さらには、第一隔壁33と第二隔壁34を合わせた高さは1μmであった。
次に、UV洗浄を行った後、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸(以下PEDOT/PSSという)の1wt%水分散溶液をスピンコート法で塗布して80nmの正孔輸送層41を形成した。得られた正孔輸送層41は、液溜まりが発生しているものの、第一隔壁上に留まっていた。
次に、発光層として、高分子発光材料であるポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチル
ヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)の1.8wt%o−
キシレン溶液を凸版印刷法で印刷し、膜厚80nmの発光層42を形成した。この発光層42は正孔輸送層41に重ねられており、発光層42独自の液溜まりは認められなかった。
次いで、第二の電極を陰極としてMgAgを2元共蒸着により200nmの厚みをマスク蒸着することで形成した。最後に素子全体をガラスキャップで封止して本発明の有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子では、第一電極全体の抵抗値が十分に低く、有機EL素子を発光させたところ十分な発光輝度を得ることができた。
また、発生した液溜まりは、非発光領域の第一隔壁上に留まっているので、有機EL素子を発光させた際、発光領域に発光ムラは認められず、均一な発光が観察された。
(比較例1)
まず、ガラス基板1上にスパッタリングで第一電極としてITO層を形成した。さらに、
透明性と導電性を向上させるために、空気中で加熱処理を行いITOを結晶化した。
次に、フォトリソグラフィとウェットエッチングによってITOをパターニングし、
ライン/スペースが200μm/30μmであるストライプ状の第一電極2を形成した。
次に、ストライプ状の第一電極2が形成されたガラス基板上に隔壁としてポリイミド系ポジ型感光性樹脂(東レ製フォトニースPW−1030)をスピンコート法により塗布し、露光と現像でパターニングした後、ポストベークを行い、図1のような隔壁3’を形成した。
ここで、第一電極2の両端部上の隔壁3’の幅は5μmで、第一隔壁の高さは、1μmであった。
次に、UV洗浄を行った後、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸(以下PEDOT/PSSという)の1wt%水分散溶液をスピンコート法で塗布して80nmの正孔輸送層41を形成した。得られた正孔輸送層41は、発光領域である隔壁3’近傍の第一電極2上に液溜まりが発生していた。
次に、発光層として、高分子発光材料であるポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチル
ヘキシロキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)の1.8wt%o−
キシレン溶液を凸版印刷法で印刷し、膜厚80nmの発光層42を形成した。この発光層42は正孔輸送層に重ねられており、発光層42独自の液溜まりは認められなかった。
次いで、第二電極5を陰極としてMgAgを2元共蒸着により200nmの厚みをマスク蒸着することで形成した。最後に素子全体をガラスキャップで封止して本発明の有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子の第一電極は電圧降下を生じ、有機EL素子を発光させたところ十分な発光輝度を得ることができなかった。
また、発生した液溜まりは、発光領域の第一電極上に発生しているので、有機EL素子を発光させた際、発光領域に発光ムラが認められた。
従来の有機EL素子の断面模式図 本発明のパッシブマトリックス駆動方式の有機EL素子に係る、隔壁の断面模式図 本発明のパッシブマトリックス駆動方式の有機EL素子の断面模式図 本発明のパッシブマトリックス駆動方式の有機EL素子に係る、隔壁の断面模式図 本発明のパッシブマトリックス駆動方式の有機EL素子の断面模式図 本発明のパッシブマトリックス駆動方式の有機EL素子に係る、隔壁の形成方法の断面模式図 本発明のパッシブマトリックス駆動方式の有機EL素子に係る、隔壁の形成方法の断面模式図
符号の説明
1 基板
2 第一電極
3’ 隔壁
3 隔壁
31 第一隔壁
32 第二隔壁
33 第一隔壁
34 第二隔壁
41 正孔輸送層
42 発光層
5 第二電極
61 第一隔壁31の側面に設けられた第二隔壁
62 第一隔壁33上に設けられた第二隔壁

Claims (17)

  1. 基板と、この基板上に設けられたストライプ状の第一電極と、これら第一電極の間に設けられた隔壁と、第一電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一電極に対向する第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記隔壁が、前記第一電極の両端部上に設けられた金属材料からなる第一隔壁と、前記第一電極間及び前記第一隔壁の上面と側面を覆って設けられた第二隔壁を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 基板と、この基板上に設けられた画素状の第一電極と、これら第一電極の間に設けられた隔壁と、第一電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一電極に対向する第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記隔壁が、前記第一電極の外周端部上に設けられた金属材料からなる第一隔壁と、前記第一電極間及び前記第一隔壁の上面と側面を覆って設けられた第二隔壁を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記第一隔壁の幅が0.1μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記第二隔壁が前記第一電極の端部を覆う幅は、0.1μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 基板と、この基板上に設けられたストライプ状の第一電極と、これら第一電極の間に設けられた隔壁と、第一電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一電極に対向する第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記隔壁が、前記第一電極の両端部上に設けられた金属材料からなる第一隔壁と、前記第一電極間及び前記第一隔壁の上面に設けられた第二隔壁を含み、且つ、前記第一隔壁のうち前記第一電極上に存在する領域の幅が、前記第二隔壁のうち前記第一電極上且つ前記第一隔壁の上面に存在する領域の幅よりも、大きいことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 基板と、この基板上に設けられた画素状の第一電極と、これら第一電極の間に設けられた隔壁と、第一電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一電極に対向する第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記隔壁が、前記第一電極の外周端部上に設けられた金属材料からなる第一隔壁と、前記第一電極間及び前記第一隔壁の上面に設けられた第二隔壁を含み、且つ、前記第一隔壁のうち前記第一電極上に存在する領域の幅が、前記第二隔壁のうち前記第一電極上且つ前記第一隔壁の上面に存在する領域の幅よりも、大きいことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記第一隔壁のうち前記第一電極上に存在する領域の幅が0.1μm以上1000μm以下であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記第一隔壁のうち前記第一電極上に存在する領域の幅が、前記第二隔壁のうち前記第一電極上且つ前記第一隔壁の上面に存在する領域の幅よりも、0.05μm以上999μm以下の範囲で大きいことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記第一隔壁の高さが0.01μm以上99μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記第一隔壁と前記第二隔壁をあわせた隔壁の高さが0.2μm以上100μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記第一隔壁の金属材料が、Ni、Cu、Cr、Ti、Fe、Co、Au、Ag、Al、Pt、Rh、Pd、Pb、Sn、またはこれらの金属元素を少なくとも一成分以上含む合金のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記第二隔壁が無機絶縁物若しくは感光性樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記有機発光媒体層の少なくとも一層が、ウエットコート方式で形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 基板と、この基板上に設けられたストライプ状の第一電極と、これら第一電極の間に設けられた隔壁と、第一電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一電極に対向する第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    (a)前記第一電極を備える基板上に、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法のいずれかの方法で金属膜を形成する第1工程、
    (b)フォトリソグラフィとウェットエッチングによって、第一隔壁をパターニングする第2工程
    (c)感光性樹脂の塗布する第3工程
    (d)露光と現像とポストベークによって、第二隔壁を形成する第4工程
    を含む工程で、前記第一電極の両側の端部上に設けられた金属材料からなる第一隔壁と、前記第一電極間及び前記第一隔壁の上面と側面を覆って設けられた第二隔壁を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  15. 基板と、この基板上に設けられた画素状の第一電極と、これら第一電極の間に設けられた隔壁と、第一電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一電極に対向する第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    (a)前記第一電極を備える基板上に、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法のいずれかの方法で金属膜を形成する第1工程、
    (b)フォトリソグラフィとウェットエッチングによって、第一隔壁をパターニングする第2工程
    (c)感光性樹脂の塗布する第3工程
    (d)露光・現像・ポストベークによって、第二隔壁を形成する第4工程
    を含む工程で、前記第一電極の外周端部上に設けられた金属材料からなる第一隔壁と、前記第一電極間及び前記第一隔壁の上面と側面を覆って設けられた第二隔壁を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  16. 基板と、この基板上に設けられたストライプ状の第一電極と、これら第一電極の間に設けられた隔壁と、第一電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一電極に対向する第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    (a)前記第一電極を備える基板上に、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法のいずれかの方法で金属膜を形成する第一工程
    (b)フォトリソグラフィとウェットエッチングによって金属膜をパターニングし、金属材料からなる第一隔壁を形成する第2工程
    (c)感光性樹脂を塗布する第3工程
    (d)露光と現像とポストベークによって、第二隔壁を形成する第4工程、
    を含む工程によって、前記第一隔壁の幅が、第一隔壁の上面の第二隔壁の幅よりも、第一電極の内側に向けて大きい隔壁を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  17. 基板と、この基板上に設けられた画素状の第一電極と、これら第一電極の間に設けられた隔壁と、第一電極上であって、隔壁で区画された領域に設けられた有機発光媒体層と、この有機発光媒体層を挟んで第一電極に対向する第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    (a)前記第一電極を備える基板上に、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法のいずれかの方法で金属膜を形成する第一工程
    (b)フォトリソグラフィとウェットエッチングによって金属膜をパターニングし、金属材料からなる第一隔壁を形成する第2工程
    (c)感光性樹脂を塗布する第3工程
    (d)露光と現像とポストベークによって、第二隔壁を形成する第4工程、
    を含む工程によって、前記第一隔壁の幅が、第一隔壁の上面の第二隔壁の幅よりも、第一電極の内側に向けて大きい隔壁を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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