JP2008135314A - 表面実装コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】基板に沿う方向の外力に対する十分な取付信頼性を確保しつつ、基板に直行する方向の外力に対する取付信頼性を向上させることが可能な表面実装コネクタを提供する。
【解決手段】この表面実装コネクタ1は、相手側コネクタが後方に向けて嵌入される絶縁ハウジング2と、絶縁ハウジング2を回路基板4に固定する固定部材5とを備えている。固定部材5は、単一の金属板により形成されており、絶縁ハウジング2の左右の端部に取り付けられるハウジング取付部51と、半田付けにより回路基板4に取り付けられる取付面53a,54aとを含んでいる。第1取付面53aは、実装面に立直する姿勢で前後に拡がる平板状の第1取付部53の下端面であり、第2取付面54aは、ハウジング取付部51から左右の外側に張り出した平板状の第2取付部54の下面である。そして、第1取付面53aは、第2取付面54aの前方に配されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板に実装される表面実装コネクタに関する。
従来、複数の端子を保持するとともに相手側コネクタと嵌合するハウジングを備えた表面実装コネクタが知られている。この従来の表面実装コネクタでは、端子が半田付けにより基板上に接続されており、その接続状態を確実に維持するためにハウジングも基板に固定されている。例えば特許文献1には、ハウジングの両端に半田付け用の金具(固定部材)を取り付け、この金具を端子とともに例えばリフロー処理で基板上に半田付けする技術が開示されている。
このような従来の表面実装コネクタの構成を図7および図8に示す。従来の表面実装コネクタ101は、左右方向に配列された複数の端子103と、これらの端子103を保持する絶縁ハウジング102とを備えており、この絶縁ハウジング102の左右方向(長手方向)両端部に固定部材である金具105が各々固定されている。これらの金具105は、単一の板材を略L字状に曲げ加工することにより構成されており、絶縁ハウジング102の垂直方向の溝102aに嵌入されて固定されるハウジング取付部151と、このハウジング取付部151の下端から左右方向外側に延びる基板取付部152とを一体に有している。そして、これらの基板取付部152が、端子103の脚部103aとともに、回路基板104(図8参照)上に設けられた半田ペーストS上に載せられ、リフロー処理されることにより、基板取付部152が脚部103aとともに回路基板104上に半田付けされる。また、絶縁ハウジング102には、図略の相手側コネクタを後方に向けて嵌入するための嵌合部121が設けられている。
特開2002−124329号公報
上記のような表面実装コネクタ101では、金具105に作用する主な外力として、リフロー処理時の絶縁ハウジング102の熱変位に起因して金具105に作用する水平方向(特に左右方向)の力、相手側コネクタの着脱動作に伴い金具105に作用する水平方向(特に前後方向)の力、および、当該表面実装コネクタ1と嵌合状態にある相手側コネクタの電線が引っ張られるのに起因して金具105に作用する垂直方向(特に前方斜め上向き)の力が知られている。
そして、上記従来の表面実装コネクタ101では、図8に示すように、基板取付部152をハウジング取付部151から左側に張り出させたので、基板取付部152と回路基板104とを接合する半田ペーストSが回路基板104の上面に沿う方向(水平方向)の外力f2に対抗することが可能となり、これによって水平方向の外力に対する十分な取付信頼性を確保している。これに対して、金具105を回路基板104上の半田ペーストSから引き剥がすような回路基板104に直交する方向(垂直方向)の外力f1がハウジング取付部151に作用した場合には、半田ペーストSの左方のフィレットS1が上記外力f1への対抗に寄与し難いため、上記外力f1による引き剥がし応力が右方のフィレットS2に集中する。これにより、フィレットS2に割れが生じた場合、金具105が基板取付部152のハウジング取付部151寄りの箇所を起点に回路基板104から剥離し易くなるので、垂直方向の外力に対する取付信頼性を向上させることが望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、基板に沿う方向の外力に対する十分な取付信頼性を確保しつつ、基板に直交する方向の外力に対する取付信頼性を向上させることが可能な表面実装コネクタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、この発明の請求項1に記載の表面実装コネクタは、基板に実装され、該実装状態で相手側コネクタと嵌合する表面実装コネクタであって、前記基板の実装面に接続される複数の端子と、これらの端子を前記実装面に沿う特定の端子配列方向に配列した状態で保持する壁部を有する一方、前記実装面に沿うとともに前記端子配列方向に略直交する方向に前記相手側コネクタを嵌入するための嵌合部を有するハウジングと、前記ハウジングの前記端子配列方向の両端部に設けられて前記ハウジングを前記基板に固定する固定部材とを備え、前記固定部材は、単一の金属板により形成されており、前記ハウジングの前記端子配列方向の端部に取り付けられるハウジング取付部と、前記実装面に対向するとともに半田付けにより前記基板に取り付けられる基板取付面とを含み、前記基板取付面は、第1取付面および第2取付面からなり、前記第1取付面は、前記実装面に立直する姿勢で前記相手側コネクタの嵌入方向に拡がる平板状の第1基板取付部の端面であり、前記第2取付面は、前記ハウジング取付部から前記端子配列方向の外側に張り出した平板状の第2基板取付部の底面であり、前記第1取付面は、前記基板取付面のうち少なくとも前記相手側コネクタの引抜方向側の部分を構成することを特徴とする。
この発明の請求項1に記載の表面実装コネクタでは、上記のように、平板状の第1基板取付部の端面を半田付けにより基板に取り付けるとともに、ハウジング取付部から端子配列方向の外側に張り出した平板状の第2基板取付部の底面を半田付けにより基板に取り付けるように構成することによって、基板に沿う方向の外力に対する取付信頼性を確保しつつ、基板と直交方向の外力に対する取付信頼性を向上させることができる。すなわち、平板状の第1基板取付部の端面を半田付けにより基板に取り付けたので、第1基板取付部に実装面と直交方向(上方向)の外力が作用した場合に、第1基板取付部と基板とを接合する半田の端子配列方向の両フィレットが前記上方向の外力への対抗に寄与する。これにより、上方向の外力に起因して半田に発生する引き剥がし応力を、一方のフィレットに集中させずに両フィレットに均等に発生させることができるので、フィレットに割れが生じ難くなる。したがって、第1基板取付部が基板から剥離し難くなるので、基板と直交方向の外力に対する取付信頼性を向上させることができる。また、ハウジング取付部から端子配列方向の外側に張り出した平板状の第2基板取付部の底面を半田付けにより基板に取り付けたので、第2基板取付部と基板とを接合する半田が端子配列方向の外力への対抗に十分に寄与する。これにより、基板に沿う方向の外力に対する取付信頼性が向上する。
特に、当該表面実装コネクタでは、上記のように、第1取付面が、基板取付面のうち相手側コネクタの引抜方向側の部分を構成するようにしたので、例えば当該表面実装コネクタと嵌合状態にある相手側コネクタの電線が引っ張られること等に起因して固定部材に相手側コネクタの引抜方向斜め上向きの外力が作用した場合に、この斜め上向きの外力による引き剥がし応力を、第1取付面と基板とを接合する半田に集中して発生させることができる。これにより、相手側コネクタの引抜方向斜め上向きの外力に対する取付信頼性を向上させることができる。
上記請求項1に記載の表面実装コネクタにおいて、好ましくは、前記固定部材は、前記ハウジング取付部を含む平板部分を有し、この平板部分の端面が前記第1取付面を構成している(請求項2)。このように構成すれば、ハウジング取付部と第1基板取付部とを同一の平板で構成することができるので、固定部材の構成を簡略化することができる。
上記請求項1または2に記載の表面実装コネクタにおいて、前記第1取付面および前記第2取付面が略面一となっていることが好ましい(請求項3)。このように構成すれば、固定部材を容易に基板に取り付けることができるので、当該表面実装コネクタの基板への取付作業性を向上させることができる。
上記請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面実装コネクタにおいて、前記第1取付面が、前記第2取付面を挟んで略対称となるように、前記第2取付面の前記相手側コネクタの引抜方向側および嵌入方向側に各々配されていてもよい(請求項4)。このように構成した場合には、固定部材をハウジングの端子配列方向のいずれの端部に取り付けた場合でも、第1取付面が基板取付面のうち相手側コネクタの引抜方向側の部分を構成することになるので、当該固定部材の汎用性を向上させることができる。
上記請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面実装コネクタにおいて、前記第2基板取付部は、前記ハウジング取付部の前記基板側の端部から前記実装面に平行な姿勢で張り出すとともに、その底面が前記第2取付面を構成している(請求項5)。このように構成した場合、実装面に平行に張り出す第2基板取付部の底面を半田付けにより基板に取り付けることができるので、第2基板取付部と基板とを接合する半田が基板に沿う方向の外力への対抗に十分に寄与することができる。
上記請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面実装コネクタにおいて、前記第2基板取付部は、前記第1基板取付部の側端部から前記実装面に立直する姿勢で前記端子配列方向に張り出すとともに、その端面が前記第2取付面を構成している(請求項6)。このように構成した場合、端子配列方向の外力が固定部材に作用したときに、第1基板取付部と実装面との成す角度が変化する向きに第1基板取付部が変位するのを第2基板取付部によって規制することができる。
この発明の表面実装コネクタによれば、平板状の第1基板取付部の端面を半田付けにより基板に取り付けるとともに、ハウジング取付部から端子配列方向の外側に張り出した平板状の第2基板取付部の底面を半田付けにより基板に取り付けるように構成することによって、基板に沿う方向の外力に対する取付信頼性を確保しつつ、基板と直交方向の外力に対する取付信頼性を向上させることができる。すなわち、平板状の第1基板取付部の端面を半田付けにより基板に取り付けたので、第1基板取付部に実装面と直交方向(上方向)の外力が作用した場合に、第1基板取付部と基板とを接合する半田の端子配列方向の両フィレットが前記上方向の外力への対抗に寄与する。これにより、上方向の外力に起因して半田に発生する引き剥がし応力を、一方のフィレットに集中させずに両フィレットに均等に発生させることができるので、フィレットに割れが生じ難くなる。したがって、第1基板取付部が基板から剥離し難くなるので、基板と直交方向の外力に対する取付信頼性を向上させることができる。また、ハウジング取付部から端子配列方向の外側に張り出した平板状の第2基板取付部の底面を半田付けにより基板に取り付けたので、第2基板取付部と基板とを接合する半田が端子配列方向の外力への対抗に十分に寄与する。これにより、基板に沿う方向の外力に対する取付信頼性が向上する。
特に、当該表面実装コネクタでは、上記のように、第1取付面が、基板取付面のうち相手側コネクタの引抜方向側の部分を構成するようにしたので、例えば当該表面実装コネクタと嵌合状態にある相手側コネクタの電線が引っ張られること等に起因して固定部材に相手側コネクタの引抜方向斜め上向きの外力が作用した場合に、この斜め上向きの外力による引き剥がし応力を、第1取付面と基板とを接合する半田に集中して発生させることができる。これにより、相手側コネクタの引抜方向斜め上向きの外力に対する取付信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による表面実装コネクタを背面側から見た状態を示した斜視図であり、図2〜図4は、表面実装コネクタの固定部材を示した図である。また、図5は、回路基板上に取り付けた固定部材の第1取付部を示した断面図である。まず、図1、図2および図5を参照して、本発明の一実施形態による表面実装コネクタ1の全体構成について説明する。
本実施形態の表面実装コネクタ1は、図1に示すように、略直方体形状の絶縁ハウジング2と、この絶縁ハウジング2に保持される複数の端子3と、絶縁ハウジング2の長手方向の両端部に設けられて絶縁ハウジング2を回路基板4(図5参照)に固定する一対の固定部材5とを備えている。なお、本実施形態では、絶縁ハウジング2の長手方向を左右方向とし、絶縁ハウジング2の短手方向を前後方向とする。また、左右方向は、本発明の「端子配列方向」に相当し、前方向および後方向は、本発明の「相手側コネクタの引抜方向および嵌入方向」に相当している。
絶縁ハウジング2は、合成樹脂等の絶縁性材料により一体成形されており、正面(前面)側に開口する形状を有している。この絶縁ハウジング2は、回路基板4の上面(実装面)に対して立直する背壁部(壁部)21と、この背壁部21の上端縁に連設されて正面側に向けて延在する天壁部22と、背壁部21の下端縁に連設されて正面側に向けて延在する底壁部23と、背壁部21の左右両端縁に各々連設されて正面側および背面(後面)側に向けて延在する側壁部24とを含んでおり、これらの側壁部24によって天壁部22の左右両端と底壁部23の左右両端とが上下方向に連結されている。そして、表面実装コネクタ1は、底壁部23の下面が回路基板4の上面に対向する状態で当該回路基板4に実装されるように構成されている。
また、絶縁ハウジング2は、上記各壁部21〜24によって構成される前面開口形状の嵌合部25を有している。この嵌合部25は、図略の相手側コネクタを後方に向けて嵌入するために設けられている。
背壁部21は、当該背壁部21をその厚み方向に貫通して形成されるとともに、前記端子3が圧入される複数の端子圧入孔21aを有している。端子3は、その所定部位が端子圧入孔21aに圧入されることにより、背壁部21に保持されるようになっている。また、これらの端子圧入孔21aは、背壁部21に規則的に配設されている。すなわち、端子圧入孔21aは、回路基板4の上面に直交する背壁部21の上下方向に4段で、かつ、回路基板4の上面に沿う背壁部21の左右方向に16列となるように設けられており、1段目および4段目の端子圧入孔21aと2段目および3段目の端子圧入孔21aとは、互いに左右方向にずれた千鳥状となるように配列されている。このような配列で端子圧入孔21aを設けることにより、各端子圧入孔21aに並列状態で圧入された端子3同士が互いに干渉し合うのを抑制している。なお、本実施形態では、図1の背面視で左から5列目までの端子圧入孔21aに端子3が圧入されている。
各側壁部24は、固定部材5を取付可能なように構成されている。すなわち、側壁部24は、背壁部21、天壁部22および底壁部23に連設される壁本体24aと、壁本体24aの前後方向の両端部に形成された一対の保持部24bとを有している。一対の保持部24bは、壁本体24aから立ち上がるとともに先端同士が互いに近接する方向に折れ曲がる水平断面で鉤形状となるように形成されている。従って、側壁部24は、当該側壁部24の正面側および背面側に、壁本体24aと保持部24bとで構成されて上下方向に延びる一対の溝24cを有している。そして、固定部材5は、後述するハウジング取付部51の両端の係合部51a(図2参照)が上記一対の溝24cに下方からスライド嵌入されて保持部24bの図略のハウジング側係合部と係合することにより、側壁部24に固定的に保持されるようになっている。
端子3は、回路基板4に電気的に接続可能なように、図例では単一の金属製棒材を略S字状に曲げ加工することにより形成されており、その所定部位が絶縁ハウジング2の背壁部21をその厚み方向に貫くように当該背壁部21に保持されている。この端子3のうちの上記所定部位よりも正面側の部分は、図示しないが、絶縁ハウジング2の嵌合部25内に突出して相手側コネクタの雌型端子と嵌合される雄型の電気接触部となっており、前記所定部位よりも背面側の部分は、前記背壁部21から背面側に突出するとともに回路基板4に向かって垂下する脚部3aとなっている。また、この脚部3aの下端は、前記回路基板4上に半田付け可能な形状の実装端部3bとなっている。
本実施形態の固定部材5は、それぞれ、単一の金属板を曲げ加工することにより構成されており、図2〜図4に示すように、ハウジング取付部51と、基板取付部52とを含んでいる。
ハウジング取付部51は、固定部材5を絶縁ハウジング2に取り付けるために設けられており、回路基板4の上面に立直する姿勢で絶縁ハウジング2の左右両端の側壁部24に取り付けられている。
基板取付部52は、固定部材5を回路基板4に取り付けるためのものであり、半田付けにより回路基板4に取り付けられる基板取付面を有している。この基板取付部52は、前後一対の第1取付部(第1基板取付部)53と、これらの第1取付部53に前後から挟まれる位置に配された第2取付部(第2基板取付部)54とにより構成されている。
第1取付部53は、それぞれ、ハウジング取付部51の下端部に連設されてハウジング取付部51とともに平板部分を構成しており、回路基板4の上面に立直するとともに前後方向に拡がる形状を有している。そして、各第1取付部53の下端面が、前記基板取付面のうちの第1取付面53aを構成している。これらの第1取付面53aは、基板取付面の前部分と後部分とを各々構成しており、回路基板4の上面に対向するとともに、該回路基板4上の半田ペーストSに半田付けされている。
第2取付部54は、ハウジング取付部51の下端部から回路基板4の上面に平行に左右方向の外側に張り出している。この第2取付部54は、例えばハウジング取付部51を含む平板部分の下部を略L字状に曲げ加工することで形成される。そして、第2取付部54の下面が、前記基板取付面のうちの第2取付面54aを構成している。この第2取付面54aは、基板取付面の前後方向の中央部分を構成しており、回路基板4の上面に対向するとともに、該回路基板4上の半田ペーストSに半田付けされている。また、第2取付面54aは、図3および図4に示すように、第1取付面53aと略面一となっている。
また、本実施形態では、一対の第1取付面53aが第2取付面54aを前後から挟むように配されており、これによって固定部材5が側面視(図4参照)で前後方向に対称な形状となっている。
上記した固定部材5は、具体的には、黄銅等の金属からなる単一の板材を曲げ加工して形成されており、例えば、その板厚d1(図3参照)が0.3〜0.5mmで、第2取付部54の張出し寸法d2が1〜2mmで、第2取付部54の前後寸法d3(図4参照)が10〜15mmとなるように形成される。また、上記第2取付部54の前後寸法d3は、固定部材5の前後寸法の約1/2となるように寸法設定されている。
このように構成された表面実装コネクタ1は、絶縁ハウジング2に取り付けられた一対の固定部材5と、背壁部21に保持された各端子3とが回路基板4上に、いわゆるリフロー半田付けされることにより、回路基板4に実装される。そして、実装状態の表面実装コネクタ1に、図略の相手側コネクタが嵌合することで、両コネクタが電気的に接続される。
本実施形態では、上記のように、平板状の第1取付部53の下端面である第1取付面53aを半田付けにより回路基板4に取り付けたので、第1取付部53に上方向の外力f1(図5参照)が作用した場合に、第1取付部53と回路基板4とを接合する半田ペーストSの左右のフィレットS1,S2が前記上方向の外力f1への対抗に寄与する。これにより、上方向の外力f1に起因して半田ペーストSに発生する引き剥がし応力を、一方のフィレットS1(またはS2)に集中させずに両フィレットS1,S2に均等に発生させることができるので、フィレットS1(S2)に割れが生じ難くなる。したがって、第1取付部53が回路基板4から剥離し難くなるので、回路基板4と直交する上方向の外力f1に対する取付信頼性を向上させることができる。
また、ハウジング取付部51から左右方向の外側に張り出した平板状の第2取付部54の下面である第2取付面54aを半田付けにより回路基板4に取り付けたので、第2取付部54と回路基板4とを接合する半田ペーストSが左右方向の外力への対抗に十分に寄与する。これにより、回路基板4に沿う方向の外力に対する取付信頼性が向上する。
以上のことから、本実施形態の表面実装コネクタ1では、回路基板4に沿う方向の外力に対する取付信頼性を確保しつつ、回路基板4と直交方向の外力に対する取付信頼性を向上させることができる。
特に、当該表面実装コネクタ1では、上記のように、第1取付面53aが、基板取付面の前部分を構成するようにしたので、例えば当該表面実装コネクタ1と嵌合状態にある相手側コネクタの電線が引っ張られること等に起因して固定部材5に前方斜め上向きの外力F(図4参照)が作用した場合に、この斜め上向きの外力Fによる引き剥がし応力を、第1取付面53aと回路基板4とを接合する半田ペーストSに集中して発生させることができる。これにより、前方斜め上向きの外力Fに対する取付信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1取付部53を、ハウジング取付部51の下端部に連設されてハウジング取付部51とともに平板部分を構成するようにしたので、ハウジング取付部51と第1取付部53とを同一の平板で構成することができる。これにより、固定部材5の構成を簡略化することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1取付面53aおよび第2取付面54aが略面一となるように構成することによって、固定部材5を容易に回路基板4に取り付けることができるので、当該表面実装コネクタ1の回路基板4への取付作業性を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、一対の第1取付面53aを、第2取付面54aを前後から挟むように配することで固定部材5を前後に対称な形状としたので、固定部材5を絶縁ハウジング2の左右いずれの端部に取り付けた場合でも、第1取付面53aが基板取付面のうち前部分を構成することになる。これにより、当該固定部材5の汎用性を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、ハウジング取付部51の下端部から回路基板4の上面に平行な姿勢で張り出す平板状の第2取付部54の底面である第2取付面54aを、半田付けにより回路基板4の上面に取り付けるように構成することによって、第2取付部54と回路基板4とを接合する半田ペーストSが回路基板4に沿う水平方向の外力への対抗に十分に寄与することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、一対の第1取付面53aを、第2取付面54aを前後から挟み込むように配した例について示したが、これに限らず、後方の第1取付面53aを削除して、前方の第1取付部53aのみを配する構成であってもよい。
また、上記実施形態では、ハウジング取付部51の下端部から回路基板4の上面に平行な姿勢で張り出す平板状の第2取付部54の下面が、基板取付面のうちの第2取付面54aを構成する例について示したが、これに限らず、図6に示すように、一対の第1取付部53の互いに近接する側端部からそれぞれ回路基板4の上面に立直する姿勢で左右方向の外側に張り出す平板状の第2取付部(第2基板取付部)55の下端面が、基板取付面のうちの第2取付面55aであってもよい。このように構成した場合、回路基板4に沿う左右方向の外力が固定部材5に作用したときに、第1取付部53と回路基板4との成す角度が変化する向きに第1取付部53が変位するのを第2取付部54によって規制することができる。
本発明の一実施形態による表面実装コネクタを背面側(後側)から見た状態を示した斜視図である。 図1に示した表面実装コネクタの固定部材を示した斜視図である。 図2に示した固定部材の背面図である。 図2に示した固定部材の側面図である。 回路基板上に取り付けた固定部材の第1取付部を示した概略断面図である。 本発明の変形例による固定部材の斜視図である。 従来の表面実装コネクタを示した斜視図である。 回路基板上に取り付けた従来の固定部材を示した概略断面図である。
符号の説明
1 表面実装コネクタ
2 絶縁ハウジング(ハウジング)
21 背壁部(壁部)
25 嵌合部
3 端子
4 回路基板(基板)
5 固定部材
51 ハウジング取付部
52 基板取付部
53 第1取付部(第1基板取付部)
53a 第1取付面
54,55 第2取付部(第2基板取付部)
54a,55a 第2取付面

Claims (6)

  1. 基板に実装され、該実装状態で相手側コネクタと嵌合する表面実装コネクタであって、
    前記基板の実装面に接続される複数の端子と、
    これらの端子を前記実装面に沿う特定の端子配列方向に配列した状態で保持する壁部を有する一方、前記実装面に沿うとともに前記端子配列方向に略直交する方向に前記相手側コネクタを嵌入するための嵌合部を有するハウジングと、
    前記ハウジングの前記端子配列方向の両端部に設けられて前記ハウジングを前記基板に固定する固定部材とを備え、
    前記固定部材は、単一の金属板により形成されており、前記ハウジングの前記端子配列方向の端部に取り付けられるハウジング取付部と、前記実装面に対向するとともに半田付けにより前記基板に取り付けられる基板取付面とを含み、
    前記基板取付面は、第1取付面および第2取付面からなり、
    前記第1取付面は、前記実装面に立直する姿勢で前記相手側コネクタの嵌入方向に拡がる平板状の第1基板取付部の端面であり、
    前記第2取付面は、前記ハウジング取付部から前記端子配列方向の外側に張り出した平板状の第2基板取付部の底面であり、
    前記第1取付面は、前記基板取付面のうち少なくとも前記相手側コネクタの引抜方向側の部分を構成することを特徴とする表面実装コネクタ。
  2. 前記固定部材は、前記ハウジング取付部を含む平板部分を有し、この平板部分の端面が前記第1取付面を構成していることを特徴とする請求項1に記載の表面実装コネクタ。
  3. 前記第1取付面および前記第2取付面が略面一となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の表面実装コネクタ。
  4. 前記第1取付面が、前記第2取付面を挟んで略対称となるように、前記第2取付面の前記相手側コネクタの引抜方向側および嵌入方向側に各々配されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面実装コネクタ。
  5. 前記第2基板取付部は、前記ハウジング取付部の前記基板側の端部から前記実装面に平行な姿勢で張り出すとともに、その底面が前記第2取付面を構成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面実装コネクタ。
  6. 前記第2基板取付部は、前記第1基板取付部の側端部から前記実装面に立直する姿勢で前記端子配列方向に張り出すとともに、その端面が前記第2取付面を構成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面実装コネクタ。
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