JP2008135265A - 放電灯点灯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】点灯始動時は、イグナイタから放電灯へ効率よく高圧パルスを印加させ、通常点灯時は放電灯へ効率よく電力を供給させるようにする。
【解決手段】直流電源11の電圧を所望の直流および交流電圧に変換した出力をそれぞれ出力する第1のDC/DC変換回路13を構成するトランスTRの一次側コイルn1から交流電圧Va1を生成し、この交流電圧を定電圧回路18の直流電圧Vd3に変換する。この直流電圧は、交流電圧Va1を生成されるための制御回路20および放電灯16を点灯させるDC/AC変換回路17を駆動するDC/AC変換駆動回路19の電源として供給する。DC/AC変換回路17の出力とイグナイタ15間にインダクタL1,L2とコンデンサC1構成される高周波カット用のフィルタ回路21を接続し、放電灯16が点灯された後はコンデンサC1を切り離すようにした。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両の前照灯用等に用いられる高圧放電灯を点灯させる放電灯点灯装置に関する。
従来の放電灯点灯装置は、始動時に高圧パルスを発生させる始動回路の入力側に、コイルとコンデンサによるフィルタ回路を構成し、放電灯の極性反転時に発生する高周波電流をフィルタ回路によりブロックさせ、始動回路と放電灯との接続ライン間で放射される電磁波を抑えている。(例えば、特許文献1)
特開2001−126886公報
上記した特許文献1の技術は、放電灯の点灯が開始して極性の反転が行われるときに、始動回路の出力端子間に接続されたコンデンサに流れる電流は、始動回路を構成するブリッジ回路のスイッチング素子にも流れることになりノイズが発生する、という問題があった。
この発明の目的は、放電灯が通常点灯に以降したときに電磁波を抑えるフィルタ回路の動作を停止させることで、ブリッジ回路へのノイズの突入を抑えることが可能な放電灯点灯装置を提供することにある。
上記した課題を解決するために、この発明の放電灯点灯装置は、直流電源と、前記直流電源の電圧を所望の電圧に昇圧する第1のDC/DCコンバータと、前記第1のDC/DCコンバータから出力される直流電圧を交流電圧に変換して放電灯の点灯に必要な電力を供給するDC/ACインバータと、前記第1のDC/DCコンバータから出力される直流電圧を、所望の直流電圧に変換する第2のDC/DCコンバータと、前記第2のDC/DCコンバータから出力される直流電圧に基づき高圧パルス電圧を生成し、前記放電灯を始動させるイグナイタと、前記DC/ACインバータの出力と前記イグナイタの入力との間に接続し、前記放電灯の高周波電流に基づく電磁波の発生を抑えるフィルタ回路と、前記放電灯の通常点灯は、前記フィルタ回路を非接続状態に設定する切換手段とを具備したことを特徴とする。
この発明によれば、放電灯始動時の電磁波を抑えるフィルタ回路の動作を、通常点灯時は停止させることで、ノイズ発生を抑えることが可能となる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態について説明するための回路構成図である。11は例えば12Vの定電圧の直流電源であり、この直流電源11の電力を、スイッチ12を介して第1のDC/DCコンバータ13に供給する。また、直流電源11は第2のDC/DCコンバータ14にも供給し、ここで例えば1kVに昇圧された直流電圧Vd1を生成し、イグナイタ15に供給する。イグナイタ15では供給された1kVの直流電圧に基づき、例えば25kVの高圧パルス電圧を発生させて放電灯16に供給し、放電灯16をグロー放電させる。
第1のDC/DCコンバータ13では、例えば375Vの高い直流電圧Vd2を生成し、DC/ACインバータ17に供給するとともに、交流電圧Va1を生成し、定電圧回路18に供給する。
また、定電圧回路18は、出力から定電圧化された直流電圧Vd3を生成し、DC/AC変換駆動回路19と制御回路20の電源としてそれぞれ供給する。DC/AC変換駆動回路19では、駆動交流電圧Va2を生成してDC/ACインバータ17に供給し、第1のDC/DCコンバータ13から供給される直流電圧Vd2を交流電圧Va3に変換して出力する。
第1のDC/DCコンバータ13の出力と接地間には、抵抗R1,R2を直列接続し、その接続点に発生する抵抗R1,R2抵抗比による分割電圧を、放電灯16のランプ電圧情報として制御回路20に供給する。
イグナイタ15は、第2のDC/DCコンバータ14から供給される直流電圧Vd1に基づき生成された高圧直流電圧で25kV程度の高圧パルス電圧を生成し、これを放電灯16に印加することでグロー放電の状態にする。そして、DC/ACインバータ17から供給される例えば375Vの交流電圧Va3を供給し、放電灯16をグロー放電からアーク放電に切り替える。
DC/ACインバータ17とイグナイタ15とラインla,lb中には、インダクタL1,L2をそれぞれ介在接続させる。また、インダクタL1,L2とイグナイタ15と接地間には、直列接続のコンデンサC1とCMOS型トランジスタで構成される切換手段であるスイッチ素子SW1を並列接続する。インダクタL1,L2、コンデンC1は、高周波をカットするローパスのフィルタ回路21を構成している。コンデンサC1は、Xコンデンサと呼ばれるもので、DC/ACインバータ17とイグナイタ15とのラインla,lb間のノイズを除去する役割も果たす。
次に、図1の第1のDC/DCコンバータ13、定電圧回路18、DC/ACインバータ17をより詳細に示した図2の回路構成図および図3の波形図を参照しながら、図1についてさらに詳しく説明する。図2において、図1と同一の部分には同一の符号を付している。
図2において、まず、第1のDC/DCコンバータ13の構成について説明する。直流電源11の正極は、スイッチ12を介してトランスTRの一次側コイルn1の一端に接続する。一次側コイルn1の他端は、例えばCMOS型トランジスタで構成されるスイッチ回路SW2を介して接地する。スイッチ回路SW2は、制御回路20の出力により駆動される。一次側コイルn1の両端には、図示極性のダイオードD1とコンデンサC4の直列回路を並列接続し、さらにコンデンサC4には抵抗R3を並列接続する。ダイオードD1、コンデンサC4、抵抗R3はスナバ回路を構成し、トランスTRで発生するサージ電圧を吸収してスイッチ回路SW2にサージ電圧が印加されないようにする。
トランスTRの二次側コイルn2の一端は、第2のDC/DCコンバータ14に接続するとともに、ダイオードD2、コンデンサC5を介して接地する。ダイオードD2とコンデンサC5の接続点は、DC/ACインバータ17に接続する。ニ次側コイルn2の他端は一次側コイルn1の他端に接続する。
次いで、定電圧回路18の構成について説明する。トランスTRの一次側コイルn1とスイッチ12の接続点にダイオードD3のアノードを接続する。ダイオードD3のカソードは、高周波成分を抑制するインピーダンス素子である、例えばビーズ型のインダクタL3、電解コンデンサC6を介して接地する。インダクタL3と電解コンデンサC6の接続点は、コレクタがコンデンサC7を介して接地されたPNP型トランジスタQ1のエミッタに接続する。トランジスタQ1のエミッタ・ベース間には抵抗R4を接続する。トランジスタQ1のベースは、ツェナーダイオードZDを介して接地する。
また、DC/ACインバータ17は、例えばCMOS型のスイッチングトランジスタのスイッチSa,Sb,Sc,Sdからフルブリッジ回路を構成しており、スイッチSaとスイッチSd、スイッチSbとスイッチScは同時にオンオフ制御される。これらの2群のスイッチは、DC/AC変換駆動回路19からの駆動用の交流電圧Va2に基づき交互にオンオフ制御される。
次に、上記した図2構成の動作について図3の波形図とともに説明する。スイッチ回路SW2をオンオフ制御させることで、トランスTRの一次側コイルn1に発生する交流電圧Va1は、第2のDC/DCコンバータ14を構成する一次側コイルn1より巻線数の多い図示しない三次側コイルに高い交流電圧を生成し、この交流電圧に基づいた例えば1kVの直流電圧Vd1に変換してイグナイタ15に供給する。イグナイタ15では供給された1kVに基づき図3(b)に示す例えば25kVを生成して放電灯16に供給し、放電灯16をグロー放電させる。
また、トランスTRは二次側コイルn2を、一次側コイルn1より巻線比を多くし、それに応じた高い交流電圧を生成する。この交流電圧は、ダイオードD2、コンデンサC5を用いて図3(a)に示す例えば375Vの直流電圧Vd2に整流してDC/ACインバータ17に供給する。
トランスTRの一次側に発生した交流電圧Va1は、ダイオードD3、インダクタL3、電解コンデンサC6により図3(c)に示すような直流電圧に変換する。交流電圧Va1は、リップル電流およびリップル電圧を含むため、高周波成分をインダクタL3で図3(d)に示すように除去する。変換された直流電圧は、ツェナーダイオードZDのツェナー電圧で決まる電圧で一定にされた直流電圧Vd3をトランジスタQ1のコレクタから生成し、この直流電圧Vd3を制御回路20およびDC/AC変換駆動回路19の電源としてこれらに供給する。
制御回路20は、スイッチング信号を生成し、スイッチ回路SW2をオンオフ制御して直流電源11の直流電圧を交流電圧に変換する。また、フルブリッジ構成のDC/ACインバータ17は、DC/AC変換駆動回路19から出力される駆動用の交流電圧Va2で、スイッチSaとスイッチSdをオン、スイッチSbとスイッチScをオフ、次にスイッチSaとスイッチSdをオフ、スイッチSbとスイッチScをオンする制御を交互に行い、出力から直流電圧Vd2に交流電圧Va2が重畳された交流電圧Va3を生成する。
放電灯16は、これまで直流電圧Vd1に基づきイグナイタ15で生成された高いパルス電圧でグロー放電された状態から、放電破壊を起こし放電灯16のインピーダンスは急激に低下する。低下するとDC/ACインバータ17から供給される電力で放電灯16を点灯させる。
ところで、上記したようにイグナイタ15では、放電灯16を始動させるための25kVの高圧パルス電圧が放電灯16に印加させている。このパルス電圧が放電灯16を介してDC/ACインバータ17の出力端子に誘起され、DC/AC変換駆動回路19が破壊される虞がある。
そこで、制御回路20は、放電灯16が点灯されたことを抵抗R1,R2の分圧電圧の変化を検出し、出力から検出信号Dsをフィルタ回路21のスイッチ素子SW1に供給する。スイッチ素子SW1では、検出信号Dsを受けてオフ状態となる。
これにより、放電灯16が点灯された後はコンデンサC1に流れる電流が極めて小さいことになる。この電流がブリッジを構成するスイッチング素子Sa〜Sdを流れない状態となることから損失を低減させることができる。また、コンデンサC1に電流が流れないということは、DC/AC変換駆動回路19の出力電圧が極性反転する際に、発生する電圧の振幅が小さくなり出力線から放射するノイズを抑えることができる。
図4(a),(b)は、DC/ACインバータ17から出力される、点灯後におけるコンデンサC1を切り離した場合のランプ電流ILとランプ電圧VLの状態を示している。
また、図4(A)は、図4(a)を拡大して示し、実線は点灯後にコンデンサC1が切り離されたこの発明の、破線は点灯後においてもコンデンサC1が接続された従来のランプ電流ILをそれぞれ示している。図4(B)は、図4(b)を拡大して示し、実線は点灯後にコンデンサC1が切り離されたこの発明のランプ電圧VLを、破線は点灯後においてもコンデンサC1が接続された従来のランプ電圧VLをそれぞれ示している。
図4(A)から明らかなように、ランプ電流ILの信号にはコンデンサC1が切り離された場合、ノイズの発生はほとんど見られない。また、図4(B)から明らかなように、ランプ電圧VLの信号にはコンデンサC1が切り離された場合、ノイズの発生を抑えることが可能となる。
この実施形態では、フィルタ回路のコンデンサがランプ点灯後に回路から切り離されることから、コンデンサに電流が流れなくなりブリッジを構成するスイッチング素子の損失を低減させることができる。また、コンデンサに電流が流れなくなることから、DC/AC変換駆動回路の出力電圧が極性反転する際に、発生する電圧の振幅が小さくなり出力線から放射するノイズを抑えることができる。
図5は、この発明の他の実施形態について説明するための回路構成図である。この実施形態は、図1の直列接続のコンデンサC1とスイッチ素子SW1の構成を、直列接続のコンデンサC1と電圧クランプ素子の一例であるバリスタVRに置き換えた部分の構成が異なるだけである。ここでのバリスタVRは、例えば400V以上で導通状態となりそれ以下では非導通状態を呈するもの使用する。図1と同一の構成部分には同一に符号を付してここでは異なる部分について説明する。
始動時のバリスタVRは、イグナイタ15例えば25kV程度の高圧のパルス電圧を発生されていることからショートされた状態にある。放電灯16が点灯状態になると、バリスタVRにはDC/ACインバータ17から出力される375V程度の交流電圧Va3が供給され非導通状態となる。
この実施形態でもフィルタ回路のコンデンサがランプ点灯後に回路から切り離されることから、コンデンサに電流が流れなくなりブリッジを構成するスイッチング素子の損失を低減させることができる。また、コンデンサに電流が流れなくなることから、DC/AC変換駆動回路の出力電圧が極性反転する際に、発生する電圧の振幅が小さくなり出力線から放射するノイズを抑えることができる。この場合、バリスタVRによる自己制御でコンデンサを接続したり非接続にしたりできることから、制御回路からの制御等が不要となり構成の簡略化が期待できる。
図6は、フィルタ回路21の第1の変形例について説明するためのもので、図7は、フィルタ回路21の第2の変形例について説明するためのものである。
図6は、ラインla,lb間にコンデンサC2,C3を直列接続にして接続点を接地した、いわゆるYコンデンサを用いたものである。この場合のスイッチ素子SW1は、コンデンサC2と接地間と、コンデンサC3と接地間にそれぞれスイッチS1,S2を設け、制御回路20からの制御信号Dsで通常点灯時に同時にオンさせている。Yコンデンサを用いた場合は、DC/ACインバータ17とイグナイタ15のライン間および接地間ノイズを除去にも寄与する。
図7は、インダクタL1,L2をトランスTrにしたものである。この場合は、ラインla,lb間のノイズをトランスTrで逆相にしてキャンセルさせている。これにより、ラインla,lb間上のノイズキャンセルを向上させることが可能となる。
フィルタ回路21は、図6、図7の変形例だけではなく、図1のコンデンサC1とスイッチ素子SW1に図7を組み合わせたもの、図5のコンデンサC1とバリスタVRに図7を組み合わせても構わない。
この発明の一実施形態について説明するための回路構成図。 図1の回路ブロックの詳細な回路図。 図1の動作について説明するための説明図。 図3の動作について説明するための説明図。 この発明の他の実施形態について説明するための回路構成図。 この発明に用いるフィルタ回路の第1の変形例について説明するための構成図。 この発明に用いるフィルタ回路の第2の変形例について説明するための構成図。
符号の説明
11 直流電源
12 スイッチ
13 第1のDC/DCコンバータ
14 第2のDC/DCコンバータ
15 イグナイタ
16 放電灯
17 DC/ACインバータ
18 定電圧回路
19 DC/AC変換駆動回路
20 制御回路
21 フィルタ回路
L1,L2 インダクタ
C1〜C3 コンデンサ
SW1 スイッチ素子
VR バリスタ
Tr トランス

Claims (4)

  1. 直流電源と、
    前記直流電源の電圧を所望の電圧に昇圧させる第1のDC/DCコンバータと、
    前記第1のDC/DCコンバータから出力される直流電圧を交流電圧に変換して放電灯の点灯に必要な電力を供給するDC/ACインバータと、
    前記第1のDC/DCコンバータから出力される直流電圧を、所望の直流電圧に変換する第2のDC/DCコンバータと、
    前記第2のDC/DCコンバータから出力される直流電圧に基づき高圧パルス電圧を生成し、前記放電灯を始動させるイグナイタと、
    前記DC/ACインバータの出力と前記イグナイタの入力との間に接続し、前記放電灯の高周波電流に基づく電磁波の発生を抑えるフィルタ回路と、
    前記放電灯の通常点灯は、前記フィルタ回路を非接続状態に設定する切換手段とを具備したことを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 前記フィルタ回路は、前記放電灯が点灯された以降は、前記DC/ACインバータの出力と前記イグナイタの入力との間に並列に接続されたコンデンサを切り離すことを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  3. 前記切換手段は、前記放電灯が点灯されたことを検出し、該検出信号に基づき前記コンデンサを切り離すことを特徴とする請求項2記載の放電灯点灯装置。
  4. 前記切換手段は、前記放電灯の点灯開始時に該放電灯に印加される高圧パルス電圧では導通し、点灯時には前記DC/ACインバータから前記放電灯に印加される前記交流電圧の印加により非導通となる電圧クランプ素子であることを特徴とする請求項2記載の放電灯点灯装置。
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