JP2008084579A - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】始動時に必要な電圧を得ると共に、予熱時の制御を可能にする。
【解決手段】 放電灯の始動時において、コンデンサCとコイルL21との自由振動によってコイルL22に発生した電圧は、ダイオードD1によって整流されてコンデンサC21に供給される。コンデンサC21の端子電圧が放電ギャップに到達すると、この端子電圧がコイルL1に供給されて、コイルL2には高電圧が発生する。この高電圧によって放電灯が点灯する。トランジスタQ1〜Q4がオン,オフすることで、コンデンサC21には連続的に充電が行われ、短期間に、高電圧を発生させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】 放電灯の始動時において、コンデンサCとコイルL21との自由振動によってコイルL22に発生した電圧は、ダイオードD1によって整流されてコンデンサC21に供給される。コンデンサC21の端子電圧が放電ギャップに到達すると、この端子電圧がコイルL1に供給されて、コイルL2には高電圧が発生する。この高電圧によって放電灯が点灯する。トランジスタQ1〜Q4がオン,オフすることで、コンデンサC21には連続的に充電が行われ、短期間に、高電圧を発生させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、放電灯点灯装置に関する。
従来、メタルハライドランプ等のHID(High Intensity Discharge)ランプは、高効率で高輝度であることから、道路照明等の屋外照明用等として、また、DLP(デジタル・ライト・プロセッシング)や液晶プロジェクタ等の投射装置の光源としても利用されるようになってきた。
このようなHIDランプを点灯させる従来の放電灯点灯装置においては、例えば、特許文献1に開示された始動器を採用するものがある。
特許文献1の装置は、ランプにアーク放電が継続して起こるような比較的小さい振幅で比較的低い周波数の方形波供給電圧を、ランプに供給すると共に、始動時において、コイル及びキャパシタが電気的に共振する比較的高い周波数の供給電圧をランプに供給するものである。特許文献1の装置では、始動時の比較的高い電圧をランプに供給可能であると共に、ランプの通常点灯を維持する電圧をランプに供給可能である。
特表2005−507553号公報
ところで、一般的な直列共振回路のコンデンサ両端電圧を高くするためには、大きなインダクタンス、小さな静電容量、小さな寄生抵抗の条件が必要となる。特許文献1の装置では更に高周波でのブリッジ駆動の条件も課せられ、始動時の電圧として十分な電圧を得ることが困難である。このため、特許文献1の装置では、再点灯に長時間を要することがあるか又は始動のためのより高い電圧を発生する回路を別途用意する必要がある。
本発明は、簡単な回路でランプ始動時の十分に高い電圧を発生することができ、更に、予熱制御を行うことができる放電灯点灯装置を提供することを目的とする。
本発明に係る放電灯点灯装置は、極性反転に伴い所望の電圧を生成し、該電圧を1次側コイルに供給する第1の回路部と、前記1次側コイルと共にトランスを構成し前記1次側コイルよりも多い巻数を有する2次側コイルと放電灯とが直列接続されて構成され、前記第1の回路部に並列接続される第2の回路部と、電源部からの直流電圧を交流電圧に変換して、並列接続された前記第1の回路部及び第2の回路部の両端に交流電圧を供給する直流交流変換回路と、前記直流交流変換回路を制御して、前記第1の回路部への交流電圧の供給を連続的に行う制御手段と、を具備したものである。
本発明においては、放電灯の始動時において、第1の回路部は、1次側コイルに所望の電圧を供給する。制御手段は、直流交流変換回路を制御して、第1の回路部への交流電圧の供給を連続的に行う。これにより、第1の回路部において、短期間に所望の電圧が得られる。こうして、2次側コイルには、放電灯の始動に必要な十分高い電圧が発生し、この電圧が放電灯に供給されて、放電灯が始動する。
本発明によれば、比較的低い入力電圧を用いて、通常点灯時の比較的低い電圧及び始動時の十分に高い電圧を供給することができ、更に、予熱制御を行うことができるという効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る放電灯点灯装置を示す回路図である。
電源部11は直流電圧を発生する。電源部11は定電力を発生するものである。実際の回路では、例えば、定電力制御チョッパ回路の出力平滑コンデンサ等によって、電源部11を構成することができる。
電源部11の正極性出力端は電源ラインを介してトランジスタQ1,Q3の各ドレインに接続される。また、電源部11の負極性出力端は基準電位ラインを介してトランジスタQ2,Q4の各ソースに接続される。トランジスタQ1のソースとトランジスタQ2のドレインとは相互に接続される。また、トランジスタQ3のソースとトランジスタQ4のドレインとは相互に接続される。
これらのトランジスタQ1〜Q4は、電源部11からの直流電圧を交流電圧に変換するブリッジ型の直流交流変換回路を構成する。
トランジスタQ1のソースとトランジスタQ2のドレインとの接続点(以下、第1の接続点という)は、コイルL1、初段昇圧回路14及びコンデンサCを含む第1の回路部を介して、トランジスタQ3のソースとトランジスタQ4のドレインとの接続点(以下、第2の接続点という)に接続される。初段昇圧回路14はコイルL1及び第1の接続点に接続される。また、第1の接続点と第2の接続点との間には、コイルL2及びランプ12との第2の回路部が接続される。ランプ12としてはHIDランプが採用される。
なお、説明の便宜上、以下、コイルL1と初段昇圧回路14との接続点をx、初段昇圧回路14とコンデンサCとの接続点をy、第1の接続点と初段昇圧回路14との接続点をzとする。
コンデンサCは初段昇圧回路14の駆動及び電流制限のために設けられる。また、コイルL1,L2によってトランスTが構成される。なお、コイルL1をトランスTの1次側とし、コイルL2をトランスTの2次側とする。本実施の形態においては、コイルL2の巻数はコイルL1の巻数のn倍(nは正数)に設定される。巻数比nとしては例えば数倍から数百倍の値が設定される。
図2は図1中の初段昇圧回路14の具体例の1つを示す回路図である。
接続点zは、第1の接続点に直接接続されると共に、コイルL21を介して接続点yに接続される。接続点yは、コンデンサCを介して第2の接続点に接続される。即ち、第1と第2の接続点相互間に、コイルL21及びコンデンサCが直列接続されることになる。接続点zは、コイルL22、ダイオードD1及びコンデンサC21を介して接続点xにも接続される。接続点xはコイルL1を介して第1の接続点に接続される。ダイオードD1とコンデンサC21との接続点とは、放電ギャップ15を介して接続点zに接続される。コイルL21,L22によってトランスが構成される。
図1において、制御部13は、トランジスタQ1〜Q4を駆動するための制御信号を発生する。制御部13は、トランジスタQ1,Q4をオンにすると共に、トランジスタQ2,Q3をオフにする。また、制御部13は、トランジスタQ1,Q4をオフにすると共に、トランジスタQ2,Q3をオンにする。制御部13は、トランジスタQ1〜Q4のオン・オフの切換周波数(駆動周波数)を、ランプ12の点灯時の各フェーズに応じて変化させるようになっている。
即ち、本実施の形態においては、制御部13は、始動時及び予熱時において、トランジスタQ1〜Q4を比較的高い周波数で駆動し、通常点灯時において、トランジスタQ1〜Q4を比較的低い周波数で駆動するようになっている。
次に、このように構成された実施の形態の動作について図3乃至図7を参照して説明する。図3は実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
<始動時>
電源部11は電源ラインに正極性出力を供給し、基準電位ラインに負極性出力を供給する。電源ラインと基準電位ラインとの間に印加された直流電圧は、ブリッジ型の直流交流変換回路を構成するトランジスタQ1〜Q4に供給される。
電源部11は電源ラインに正極性出力を供給し、基準電位ラインに負極性出力を供給する。電源ラインと基準電位ラインとの間に印加された直流電圧は、ブリッジ型の直流交流変換回路を構成するトランジスタQ1〜Q4に供給される。
ランプ12の点灯開始時には、図3のステップS1からステップS2に処理を移行して、制御部13はトランジスタQ1〜Q4の駆動周波数として第1の高い周波数を設定する。制御部13は第1の高い周波数の制御信号をトランジスタQ1〜Q4に与えて、オン,オフさせる(ステップS3)。
即ち、ブリッジ回路を構成するトランジスタQ1,Q4が同時にオン,オフ制御され、トランジスタQ2,Q3も同時にオン,オフ制御される。トランジスタQ1,Q4がオンのときは、トランジスタQ2,Q3はオフであり、トランジスタQ1,Q4がオフのときは、トランジスタQ2,Q3はオンである。なお、短絡防止のために、短時間だけ、トランジスタQ1〜Q4が全てオフの状態が設定される。
トランジスタQ1,Q4がオンの場合には、電源部11の正極性出力端から、トランジスタQ1、初段昇圧回路14の接続点z,y間(コイルL21)、コンデンサC及びトランジスタQ4を介して負極性出力端に電流が流れる。逆に、トランジスタQ2,Q3がオンの場合には、電源部11の正極性出力端から、トランジスタQ3、コンデンサC、初段昇圧回路14の接続点y,z間(コイルL21)及びトランジスタQ2を介して負極性出力端に電流が流れる。
トランジスタQ1,Q4がオンの場合には、初段昇圧回路14内のコイルL21を介してコンデンサCが充電され、コンデンサCの端子電圧が略電源部11の電圧Vinまで上昇する。次に、コイルL21に生じた逆起電力によって、コンデンサCの端子電圧は、コイルL21に生じた電圧VL21が加算されて、Vin+VL21まで上昇する。次に、コイルL21とコンデンサCとの間において自由振動が発生し、コンデンサCの端子電圧は極性を変えながら、所定値に収束する。トランジスタQ2,Q3がオンの場合にも、トランジスタQ1,Q4がオンの場合と同様の動作が行われる。
本実施の形態においては、コイルL21に生じた電圧によってコイルL22に巻数比に応じた電圧を発生させることができる。
更に、コイルL22には1次側のコイルL21の一端が接続されており、コイルL22の端子電圧は、コイルL21との巻数比に応じた電磁結合による電圧と、コイルL21に発生した電圧との和の電圧が現れる。
コイルL22の電圧は、ダイオードD1によって整流されて、コンデンサC21に電荷が蓄積される。即ち、コンデンサC21は、コイルL22、ダイオードD1、コンデンサC21、コイルL1及び接続点zを充電路として充電される。
このコンデンサC21の充電は、トランジスタQ1,Q4とトランジスタQ2,Q3とがオン,オフしてブリッジ回路の導通路が切換わる(以下、ブリッジ回路の極性反転動作という)毎に繰り返される。これにより、コンデンサC21の端子電圧が次第に上昇する。コンデンサC21の端子電圧が放電ギャップ15のギャップ電圧(GAP電圧)まで上昇すると、放電ギャップ15において放電が発生し、コンデンサC21、放電ギャップ15及びコイルL1のループで電流が流れ、電磁誘導によりコイルL2に十分大きなランプ始動電圧が発生する。コイルL2に発生する電圧がランプ12に印加される。
図4は横軸に時間をとり縦軸に電圧をとって始動時におけるコンデンサC21の端子電圧(破線)及びランプ12に印加される両端電圧(実線)を示す波形図である。なお、図4において縦軸のスケールは、コンデンサC21の端子電圧については1目盛500Vであり、出力パルスについては1目盛10KVである。また、図4では2回の出力パルスによってランプ12が点灯した後のコンデンサC21の端子電圧も示している。図5は図4の時間軸を25000倍に拡大して示すランプ12の両端電圧波形を示す波形図である。
ブリッジ回路の極性反転動作によってコンデンサC21が充電されて、コンデンサC21の端子電圧が放電ギャップに到達することで、コイルL2に図4及び図5に示す出力パルスが現れる。即ち、放電ギャップ15が放電した瞬間に、ランプ12の両端には極めて高い電圧が発生する。図5の例では、ランプ12の両端電圧の最大値は約24kVであり、最小値は約−17.22Vである。この極めて高い電圧が、放電ギャップ15の放電毎にランプ12に印加される。なお、始動時における駆動周波数としては、数百Hz〜数百kHzを用いることができる。
このように、トランジスタQ1,Q4とトランジスタQ2,Q3とのオンオフを第1の高い周波数で駆動することにより、初段昇圧回路14が昇圧動作を行い、コンデンサC21の端子電圧が上昇する。この昇圧動作はブリッジ回路の極性反転動作に同期して行われる。一例として数回から数万回の動作でコンデンサC21が放電ギャップ電圧に到達して放電が行われる。
放電ギャップ15が放電することでコンデンサC21電圧がコイルL1に印加され、トランスTの電磁誘導作用によりコイルL2に高電圧が発生し、ランプ12に高電圧が印加されるのである。
即ち、本実施の形態においては、ブリッジ回路の極性反転動作毎に、連続的にコンデンサC21への充電を行う。そして、コンデンサC21の端子電圧が放電ギャップ電圧を超えると、コイルL2に極めて高い電圧が発生して、ランプ12が点灯する。
以後、予熱状態に入ると、第1の回路部に流れる電流は小さくなって、コンデンサC21の充電時間が大きくなり、充放電を繰り返す。その後、通常点灯状態に移行すると、第1の回路部に流れる電流は十分に小さくなって、コイルL2にはランプ12を点灯させる程の比較的大きな電圧が発生することはない。
このように、始動時においては、ブリッジ回路の極性反転動作時にコイルL21とコンデンサCとの自由振動動作によりコンデンサC21に昇圧動作が発生する。そして、この自由振動時に、コイルL21に印加される電圧がコイルL21とコイルL22の巻数比に応じた昇圧作用によりコイルL22に誘導される。その電圧がダイオードD1により整流されコンデンサC21に充電される。なお、上述したように、コイルL21とCの自由振動は次の極性反転までに収束し、電流は略ゼロとなる。
<予熱時>
コイルL2に発生した大きな電圧がランプ12に印加されると、ランプ12は絶縁破壊を起こす。始動期間の制御によってランプ12が絶縁破壊を起こすと、次に、予熱期間に移行する(ステップS4)。予熱期間は、放電開始直後の不安定な放電状態から安定した放電状態に移行させるための期間である。
コイルL2に発生した大きな電圧がランプ12に印加されると、ランプ12は絶縁破壊を起こす。始動期間の制御によってランプ12が絶縁破壊を起こすと、次に、予熱期間に移行する(ステップS4)。予熱期間は、放電開始直後の不安定な放電状態から安定した放電状態に移行させるための期間である。
絶縁破壊がきっかけとなり、ランプ12はグロー放電に移行し、更にアーク放電に移行して通常点灯状態となる。本実施の形態においては、始動期間、予熱期間及び通常点灯期間の全期間に、電源部11からのエネルギーによって、ランプ12を点灯させる。
予熱時には、ランプ12により多くのランプ電流を流した方が、短時間に安定した放電状態が得られる。しかしながら、ランプ電流が大きい場合には、ランプ12の電極等にダメージが発生してしまう。このため、予熱時においては、ランプ電流を制御可能であることが望ましい。本実施の形態においては、トランジスタQ1〜Q4の駆動周波数を制御することで、予熱制御を行っている。
図6は横軸に時間をとり縦軸に電流をとって、予熱時のランプ電流の変化を示す波形図である。図6(a)は図4の例と同様の条件において、予熱時のトランジスタQ1〜Q4の駆動周波数(予熱周波数)を10KHzに設定した場合の特性を示し、図6(b)は12KHzに設定した場合の特性を示している。図6の例は、トランジスタQ1〜Q4の駆動周波数を、始動時と予熱時とにおいて同一に設定した例である。なお、予熱時のランプ電流の特性は、周囲の環境温度等の影響を受けるものであり、図6は特定の条件の元での例である。
図6(a),(b)のいずれの例の場合にも、また、図示しない8KHz〜15KHzまでのいずれの例の場合にも、予熱開始直後において、ランプ電流は交流にならず脈流となる。なお、この極性はランプ12の端子を逆に接続すると反転する。また、予熱開始直後の脈流は、時間の経過と共に交流に変化する。また、予熱周波数が8KHzから15KHzに高くなるほど予熱時のランプ電流値が減少する。また、予熱周波数を8KHzから15KHzに高くするほど脈流から交流に変化するまでの時間が長くなる。即ち、予熱電流を小さくすると交流に変化するまでの時間が長くなる。
以上から、放電開始(予熱開始)直後においては不安定な放電が時間と共に安定して、交流に変化するものと考えられる。予熱期間においては、流れるランプ電流が大きいほど、内部ガス又は電極の温度上昇が早く、安定した放電状態に短時間で移行する。このランプ電流は、予熱周波数を変化させることで、制御可能である。
図7は図6の時間軸を拡大して示す波形図である。図7は予熱周波数が12KHzの例であり、図7(a)は図6の脈流区間を示し、図7(b)は図6の交流区間を示す。
図7に示すように、ランプ電流はのこぎり波状に変化する。コイルのインダクタンス分によって電流が鋸歯状に変化する。電流値のピークは、トランジスタQ1〜Q4の駆動周波数によって決定される。図7(a)の脈流区間では、ランプ電流は若干飽和状態となっているのに対し、図7(b)に示すように、交流区間においては、歪が少ない鋸歯状波形のランプ電流が得られている。脈流区間より交流区間の方が同一方向への電流ピーク値が小さくなるので、飽和しにくくなる。
図6の例では、予熱周波数として10KHzよりも若干高い周波数を採用すると、予熱電流のピーク値も低く、予熱時間も比較的長いと考えられる。このように、予熱周波数を適宜制御することで、ランプ電極等にダメージを与えることなく、予熱が可能である。
<通常点灯期間>
次に、予熱を終了させて通常点灯期間に移行する。この場合には、制御部13は、ステップS6からステップS7に処理を移行して、トランジスタQ1〜Q4の駆動周波数として、始動時及び予熱時の駆動周波数よりも低い周波数に設定する。図6の例では、通常点灯期間において、駆動周波数を100Hzにした例を示している。
次に、予熱を終了させて通常点灯期間に移行する。この場合には、制御部13は、ステップS6からステップS7に処理を移行して、トランジスタQ1〜Q4の駆動周波数として、始動時及び予熱時の駆動周波数よりも低い周波数に設定する。図6の例では、通常点灯期間において、駆動周波数を100Hzにした例を示している。
通常点灯時には、トランジスタQ1〜Q4による直流交流変換回路が発生する矩形波電圧に基づいて、主にコイルL2及びランプ12を介して電流が流れる。なお、駆動周波数が低くなると、コンデンサCが接続される第1の回路部には、電流が流れ続けることはない。従って、図5の高電圧は発生しない。また、通常点灯時には、電源部11の電圧Vinも低い電圧値になるので、極性反転動作時には第1の回路部中のコンデンサCの電流は大幅に低下する。通常点灯期間にはランプ12は安定したアーク放電に移行しており、安定したランプ電流が得られている。
このように本実施の形態においては、第1の回路部と、第2の回路部とを並列接続し、第1の回路及び第2の回路部の両端に、4つのトランジスタを用いたブリッジ型の直流交流変換回路によって矩形波電圧を供給している。初段昇圧回路の昇圧動作及び1次側コイルと2次側コイルとの巻数比に応じて2次側コイルに大電圧を発生させることができ、更に、始動期間が終了して予熱期間になると、トランジスタの駆動周波数を制御することで、ランプ電極等にダメージを与えることなく、安定放電状態に移行させることができる。例えば、従来の高圧パルス始動方式では電源から制御不能なランプラッシュ電流が流れたが、本実施の形態ではこのランプラッシュ電流を十分に抑制しながら、予熱を行うことができる。これにより、ランプの長寿命化を図ることができる。
また、本実施の形態においては、ブリッジ回路が極性反転動作を繰り返すことで初段昇圧回路内のコンデンサを連続的に充電し、このコンデンサの端子電圧が放電ギャップ電圧を超えることで、極めて高い電圧をランプ12に印加可能にしている。これにより、ランプ12の点灯が一層確実になる。
このように、比較的簡単な構成の回路によって、始動から通常点灯まで高圧放電灯を点灯させることができ、始動回路が簡単ですむため、小型化及び低コスト化に有利である。
なお、制御部13は、始動期間、予熱期間及び通常点灯期間の切換えを、例えば、駆動開始からの時間によって制御するようにしてもよい。
図8は図1の実施の形態の第1変形例を示す回路図である。第1変形例は、初段昇圧回路として初段昇圧回路14に代えて初段昇圧回路141を採用したものである。
初段昇圧回路141は、初段昇圧回路14に比べて、コンデンサC21と放電ギャップ15との位置を入れ替えたものである。即ち、初段昇圧回路141は、コンデンサC21の充放電路が初段昇圧回路14と異なる。
図2の初段昇圧回路14は、コイルL22、ダイオードD1及びコンデンサC21の経路で充電が行われ、コンデンサC21から放電ギャップ15、接続点zに至る経路で放電が行われた。これに対し、図8の初段昇圧回路141では、コイルL22、ダイオードD1、コンデンサC21及び接続点zに至る経路で充電が行われ、放電ギャップ15からコンデンサC21に至る経路で放電が行われる。
他の構成、作用及び効果は図1の実施の形態と同様である。
図9は第2変形例を示す回路図である。図9において図2と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
第2変形例は、昇圧用のコンデンサC22及びダイオードD2を付加した初段昇圧回路142を採用した点が図2の初段昇圧回路14と異なる。コイルL22の一端はコンデンサC22を介してダイオードD1のアノードに接続され、コイルL22の他端はダイオードD2を介してダイオードD1のアノードに接続される。即ち、コンデンサC22及びダイオードD2によって、倍電圧回路が構成される。
コンデンサC22には、コイルL22からダイオードD2を介して充電が行われる。コンデンサC22にはコイルL22に発生した電圧も印加され、コンデンサC22とダイオードD1との接続点には、コイルL22に発生する電圧の倍電圧が供給される。これにより、コンデンサC21の端子電圧は、比較的短時間で放電ギャップ電圧に到達する。
このように第2変形例においては、倍電圧回路を採用していることから、コイルL21,L22により構成されるトランスの性能が低く、十分な電圧が得られない場合でも、コンデンサC21を確実に放電ギャップ電圧まで充電することができる。
図10は第3変形例を示す回路図である。この変形例は、初段昇圧回路として初段昇圧回路142に代えて初段昇圧回路143を採用したものである。
初段昇圧回路143は、初段昇圧回路142に比べて、コンデンサC21と放電ギャップ15との位置を入れ替えたものである。即ち、初段昇圧回路141は、コンデンサC21の充放電路が初段昇圧回路142と異なるのみである。
他の構成、作用及び効果は第2変形例と同様である。
なお、上記実施の形態においては、直流交流変換回路として、ブリッジ型のものを採用した例を示したが、ハーフブリッジ型の直流交流変換回路を用いることができることは明らかである。
11…電源部、14…初段昇圧回路、15…放電ギャップ、Q1〜Q4…トランジスタ、L1,L2,L21,L22…コイル、T…トランス、C,C21…コンデンサ、12…ランプ、13…制御部。
Claims (2)
- 極性反転に伴い所望の電圧を生成し、該電圧を1次側コイルに供給する第1の回路部と、
前記1次側コイルと共にトランスを構成し前記1次側コイルよりも多い巻数を有する2次側コイルと放電灯とが直列接続されて構成され、前記第1の回路部に並列接続される第2の回路部と、
電源部からの直流電圧を交流電圧に変換して、並列接続された前記第1の回路部及び第2の回路部の両端に交流電圧を供給する直流交流変換回路と、
前記直流交流変換回路を制御して、前記第1の回路部への交流電圧の供給を連続的に行う制御手段と、
を具備した放電灯点灯装置。 - 前記制御手段は、
前記直流交流変換回路を制御して、始動時に、前記直流交流変換回路を第1の周波数で駆動し、前記始動後の予熱時に、前記直流交流変換回路を前記第1の周波数と同一又は異なる第2の周波数で駆動し、前記予熱後の通常点灯時に、前記第1及び第2の周波数よりも低い第3の周波数で前記直流交流変換回路を駆動することを特徴とする請求項1に記載の放電灯点灯装置。
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JP2006260565A Pending JP2008084579A (ja) | 2006-07-20 | 2006-09-26 | 放電灯点灯装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008084579A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010067604A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Osram Sylvania Inc | セラミックメタルハライド光源用の一体型点火器ベース |
JP2011527077A (ja) * | 2008-07-02 | 2011-10-20 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 高輝度放電ランプの高温再点灯のための低点灯電圧瞬時始動(関連出願に対する相互参照)本出願は、同時出願の「igniterintegratedlampsocketforhotre−strikeofhighintensitydischargelamp」という名称の本出願の譲受人が所有する同時係属中の出願(代理人ドケット番号:220932)に関連する。 |
-
2006
- 2006-09-26 JP JP2006260565A patent/JP2008084579A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011527077A (ja) * | 2008-07-02 | 2011-10-20 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | 高輝度放電ランプの高温再点灯のための低点灯電圧瞬時始動(関連出願に対する相互参照)本出願は、同時出願の「igniterintegratedlampsocketforhotre−strikeofhighintensitydischargelamp」という名称の本出願の譲受人が所有する同時係属中の出願(代理人ドケット番号:220932)に関連する。 |
JP2010067604A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Osram Sylvania Inc | セラミックメタルハライド光源用の一体型点火器ベース |
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