JP2008134630A - 成形体及びその製造方法 - Google Patents
成形体及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008134630A JP2008134630A JP2007280522A JP2007280522A JP2008134630A JP 2008134630 A JP2008134630 A JP 2008134630A JP 2007280522 A JP2007280522 A JP 2007280522A JP 2007280522 A JP2007280522 A JP 2007280522A JP 2008134630 A JP2008134630 A JP 2008134630A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- photopolymerizable composition
- matrix
- diffraction
- molded body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
【解決手段】マトリックス2と、マトリックス2中に配設されたマトリックス2と屈折率が異なる複数の柱状構造体3と、を備えた成形体1であって、標準正規分布の強度分布を有し且つ強度分布の半値幅が0.5°であるレーザ光線を照射したときに得られる角度スペクトルにおいて、回折スポットの半値幅が0.6°以下であり、且つ、回折効率が10%以上である。複数の柱状構造体3は、略同一方向に配向され、且つ、該配向方向と垂直な面において規則的な格子状に配置されている。
【選択図】図1
Description
このフィルムの作製方法では、まず光重合性組成物を塗布面上に均一厚さに塗布し、その表面をマスクで覆う。このマスクには、島構造を形成するための多数の穿孔がランダムにパターニングされている。次いで、このマスクを介して光重合性組成物の表面に紫外光を照射して、島構造をなす柱状体を形成する。そして、柱状体を形成した後、マスクを取り除いてさらに紫外線を照射し、海構造部分を硬化させる。これによりフィルムが作製される。
I=(πa2)2[2J1(R)/R]2・・・(1)
(R=2πar/λL)
また、像面で回折光強度が最初に極小値を示す距離rminは、J1(R)の最初の零点、すなわちR=3.83のときのrとして求められる。全光量のうち、約84%のエネルギーが、rminを半径とする円内に集中することが知られており、rminは円形開口からの回折光の拡がりの目安となる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記複数の柱状構造体は、前記配向方向と垂直な断面形状が略同一である。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記柱状構造体は、アスペクト比が10以上である。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記マトリックス及び前記柱状構造体は、アクリル系光重合性組成物の硬化体からなる。
さらに、本発明の光学的ローパスフィルターは、上記光学積層体を用いたことを特徴とする。
第1の光照射ステップでは、平行光が照射された光重合性組成物を、光重合によって完全には硬化させず、好ましくは、硬化度10%〜80%に硬化させて、柱状構造体の形成位置を定めるのみである。
このため、本発明では、第2の光照射ステップにおいて、光重合性組成物のうち、柱状構造体以外のマトリックスと、柱状構造体とがある程度の硬度差にある未完全な硬化状態で、全体に平行光を照射して、全体の硬化を完了させている。
図1に示すように、成形体1は、光重合性組成物からなる薄板状の基質であるマトリックス2と、このマトリックス2中に配設された光重合性組成物である柱状構造体3と、を備えた相分離構造を有する。柱状構造体3は、マトリックス2と屈折率が異なっている。成形体1は、厚さが略一定のフィルム状に成形されている。
本発明の成形体は、光学用途に使用される部材としては、一般的に使用されるフィルム形状が適している。しかしながら、本発明の成形体は、その用途に応じて形状が適宜設定されるものであり、フィルム形状に限定することなく、他の形状に形成してもよい。例えば、成形体は、その長さ方向において厚さが異なる形状であってもよい。
柱状構造体3は、その配向方向(軸線方向)Aが、成形体1の厚さ方向Bと略同一方向に設定されているが、これに限らず、方向Aと方向Bに所定の角度が設けられていてもよい。また、柱状構造体3は、その断面形状が円形に設定されているが、これに限らず、楕円形状,矩形状等であってもよい。
このように成形体1は、マトリックス2に屈折率が相違する多数の柱状構造体3が規則的な格子形状に配列している。したがって、成形体1に面方向から光が入射すると、柱状構造体3の配列に起因して、成形体1は回折スポットを与え、光回折素子として機能する。
成形体1を製造するには、まず、成形型10内に光重合性組成物20を注入した後、照射光源30と成形型10との間にフォトマスク40を配置する(図2乃至図6参照)。その後、フォトマスク40を介して、照射光源30から光を成形型10内の光重合性組成物20に向けて照射し、フォトマスク40を取り除いて、さらに照射光源30から光を成形型10内の光重合性組成物20に向けて照射する。これにより、光重合性組成物20の光重合を完了させる。この光重合が完了した光重合性組成物20を成形型10から離型することにより、使用波長に対して透明な成形体1を得ることができる。
図2に基づいて、成形体1の製造方法に用いる成形型10について説明する。図2(a)、(b)は、それぞれ光重合性組成物20を充填する成形型(セル)10の平面図、断面図である。
成形型10は、矩形状の空間部(凹部)11aを有する本体部11と、空間部11aを覆うカバー部材12と、を備える。成形型10は、本体部11をカバー部材12で覆うことにより、内部に空間部11aによって規定されるキャビティが形成されるようになっている。後述するように、このキャビティに、光重合性組成物20が注入され、保持される。キャビティに充填された光重合性組成物20は、光重合させる際に重合が阻害されないよう、外部空気と接触しないことが望ましい。このため、成形型10は、光重合性組成物20を液密で封入可能となっている。
カバー部材12は、成形体1の製造時に光照射側に配置されるため、照射光源の波長に対して光学的な吸収の少ない光透過性部材が用いられ、平均厚みは150μmである。光透過性部材は、具体的には、パイレックス(登録商標)ガラス,石英ガラス,フッ素化(メタ)アクリル樹脂等の透明プラスチック材料等である。
(多官能モノマー)
光重合性組成物20には、多官能モノマーが含まれることが好ましい。このような多官能モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルモノマーや、ビニル基、アリル基等を含有するものが特に好ましい。
特に好ましい3個以上の重合性炭素−炭素二重結合を有する多官能性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートがある。
回折、偏向、拡散などの機能を高効率で得られるようにする為には屈折率差を大きくとることが必要であり、その屈折率差が0.01以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましい。また、重合過程でモノマーが拡散することにより屈折率差が大きくなるので、拡散定数の差が大きい組み合わせが好ましい。
また、光重合性組成物20には、上記のような多官能モノマーあるいはオリゴマーとともに、分子内に1個の重合性炭素−炭素二重結合を有する単官能モノマーあるいはオリゴマーを使用してもよい。このような単官能モノマーあるいはオリゴマーとしては、(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルモノマーや、ビニル基、アリル基等を含有するものが特に好ましい。
また、光重合性組成物20には、前記多官能モノマーあるいはオリゴマーと重合性炭素−炭素二重結合を持たない化合物を含む均一溶解混合物を用いることもできる。
重合性炭素−炭素二重結合を持たない化合物としては、例えば、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ナイロン等のポリマー類、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアルコール、エチルアルコール、酢酸エチル、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランのような低分子化合物、有機ハロゲン化合物、有機ケイ素化合物、可塑剤、安定剤のような添加剤等が挙げられる。
光重合性組成物20に使用する光重合開始剤は、紫外線等の活性エネルギー線を照射して重合を行う通常の光重合で用いられるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ジベンゾスベロン等が挙げられる。
(フォトマスク)
図1に示した成形体1では、マトリックス2中にマトリックス2と屈折率が異なる複数の柱状構造体3が同一方向に配向しており、この配向方向と垂直な面内において柱状構造体3があるパターンで配置されている。このパターンはフォトマスク40によるテクスチャリングで任意に決定することができる。
本実施形態では、屈折率の異なる柱状構造体3の配置を決定する方法として、テクスチャリングを用いている。ここで述べるテクスチャリングとは、あらかじめ位置情報を入力することで、形成される規則構造に高い規則性をもたせる方法である。
なお、本実施形態では、柱状構造体3を形成するためにフォトマスク40によるテクスチャリングを使用しているが、これに限らず、可視あるいは紫外域の波長帯のレーザ光、X線、γ線等の放射線を走査照射して位置情報を入力してもよい。
照射光源30(図6参照)は、成形型10に対して紫外線等の平行光を照射することができるものが用いられる。照射する光の平行度は、広がり角が±0.03rad以下であるものが好ましく、より好ましくは±0.001rad以下の範囲である。
また、照射光源30は、平行光を照射可能であることに加えて、照射する平行光の進行方向に対する垂直断面内で、平行光の光強度分布を略一定とすることができるものを用いる。具体的には、照射光源30には、点光源や棒状光源からの光を、ミラーやレンズ等により光強度分布が略一定(ハット型分布)の平行光としたもの、VCSEL等の面状光源等を使用することができる。
なお、レーザ光線は平行度の点では好ましい光源であるが、その光強度分布がガウス型の分布を有しているため、適当なフィルター等を用いて光強度分布を略一定にして使用することが好ましい。
照射光源30は、図5に示すように照射エリア31を複数の領域に分割して(本実施形態では、9領域)、各領域の点31a〜31iの光強度を測定し、式(2)で与えられる照度分布の値が、2.0%以下であるものを用いている。より好ましくは、1.0%以下であるものを用いている。
照度分布=(最大値−最小値)/(最大値+最小値)×100・・・(2)
成形体1の製造方法では、第1の光照射ステップと第2の光照射ステップからなる2つの光照射ステップにより光照射を行う。
<第1の光照射ステップ>
第1の光照射ステップでは、まず、図6(a)に示すように、光重合性組成物20を充填した成形型10の上部(すなわち、成形型10と照射光源30との間)に、柱状構造体3の形成位置を定めるためのフォトマスク40を配置する。このとき、フォトマスク40を、成形型10(カバー部材12)の上面に対して略平行に配置する。より精密に柱状構造の円径及びピッチを制御するためには、成形型10とフォトマスク40との間の空隙を100μm以下にすることが好ましい。フォトマスクを用いて形成位置を定める方法では、マスク開口で紫外光が回折される点に注意する必要がある。回折により、フォトマスクとは異なるパターンに形成位置が定められてしまったり、パターンが劣化しすぎて形成位置を定めることができなかったりするので、フォトマスクと光重合性組成物との距離を正確に定めねばならない。
本実施形態では、光DSC法で、光重合性組成物20が完全に反応し光照射してもそれ以上発熱しない状態を硬化率100%としている。そして、第1の光照射ステップでは、光DSC法での発熱量から計算した硬化率が、所定の硬化度(10%〜80%)となるまで、光重合性組成物20に対して、所定量の光照射を行う。
第1の光照射ステップに続き、第2の光照射ステップでは、図6(b)に示すように、フォトマスク40を取り外して、さらに波長半値全幅が100nm以下であり光強度分布が略一定の平行光を成形型10に対して照射する。これにより、平行光を光重合性組成物20全体に照射し、第1の光照射ステップで形成位置が定められた柱状構造体3の形成部位と、それ以外のマトリックス2形成部位とからなる柱状相分離構造を膜厚方向に形成して、マトリックス2と複数の柱状構造体3との間の屈折率差を高めつつ光重合性組成物20の硬化を完全に終了させる。
F=a(2/λL)1/2・・・(3)
(回折効率の算出)
製造した成形体1に、標準正規分布の強度分布を持つレーザ光線を照射して回折スポットの強度を測定し、回折スポットの測定強度を、入射光全体の強度で除した値を成形体1の回折効率として算出した。回折スポットが複数点現れる場合は、それらの合計の強度を入射光全体の強度で除した値とする。
本実施形態では、成形体1は、回折効率が、10%以上(10%≦回折効率≦100%)であった。
また、図7に示すように、レーザ光源51から標準正規分布の強度分布を持つレーザ光線52を、製造した成形体1の面に対し直交するように入射し、成形体1に対するフォトダイオード54の角度θを角度可変台53によって変えながら、成形体1からの透過光の光強度をフォトダイオード54によって測定した。入射レーザ光線52が透過直進した点を0°とし、横軸に角度θ、縦軸に光強度をとって描画すると図8のような角度スペクトルが得られる。この角度スペクトルから回折スポットの半値幅を求めた。相分離構造の配置の規則性が高いほど、ピークの半値幅は小さくなる。
本実施形態では、成形体1は、角度スペクトルから求めた回折スポットの半値幅が、0.6°以下(0°<半値幅≦0.6°)であった。
(実施例1)
実施例1では、フェノキシエチルアクリレート30質量部とトリメチロールプロパントリメタクリレート70質量部からなる混合物に、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.6質量部を溶解させ光重合性組成物を得た。
得られた光重合性組成物を、20mmφ、厚さ0.2mmのガラスセル中にフィルム状に封入した。照射面側のガラスの厚みは150μmとした。次いで、ガラスセル上部に2μmφの光通過域が5μmピッチで六方格子状(三角格子状)に配列したフォトマスクを配置し、表面に対して垂直方向から、光強度分布が略一定である紫外平行光を840mJ/cm2で照射した。このときの光重合性組成物の硬化度は40%であった。
その後、フォトマスクを取り外し、更に6300mJ/cm2で紫外平行光を照射して光重合性組成物を重合硬化しプラスチックフィルムを得た。
また、プラスチックフィルムの面に対して垂直に強度分布の半値幅が0.5°であるレーザ光を照射して回折パターンの評価を行った。図10にポリマー内部の規則的相分離構造に起因した回折点の観察像を示す。回折像の角度スペクトルから一次回折点の角度幅(半値幅)は0.5°と良好であった。また、回折効率は75%と良好であった。
実施例2は、実施例1と第1の光照射ステップの硬化度を異ならせて、硬化度を上限値(80%)にした例である。
実施例2では、実施例1と同じ組成の光重合性組成物を、20mmφ、厚さ0.2mmのガラスセル中にフィルム状に封入した。照射面側のガラスの厚みは150μmとした。次いで、ガラスセル上部に2μmφの光通過域が5μmピッチで六方格子状に配列したフォトマスクを配置し、表面に対して垂直方向から、光強度分布が略一定である紫外平行光を1400mJ/cm2で照射した。このときの光重合性組成物の硬化度は80%であった。
その後フォトマスクを取り外し、更に6300mJ/cm2で紫外平行光を照射して光重合性組成物を重合硬化しプラスチックフィルムを得た。
このように、実施例2では、実施例1と比べて、回折スポットの半値幅は同程度で良好であり、回折効率はやや劣るが10%以上の良好な値を示すことが分かった。
実施例3は、実施例1と第1の光照射ステップの硬化度を異ならせて、硬化度を上限値付近(75%)にすると共に、フォトマスクの光透過域のパターンを異ならせた例(6μmφ,12μmピッチ)である。
実施例3では、実施例1と同じ組成の光重合性組成物を、20mmφ、厚さ0.2mmのガラスセル中にフィルム状に封入した。照射面側のガラスの厚みは150μmとした。次いで、ガラスセル上部に6μmφの光通過域が12μmピッチで六方格子状に配列したフォトマスクを配置し、表面に対して垂直方向から、光強度分布が略一定である紫外平行光を1260mJ/cm2で照射した。このときの光重合性組成物の硬化度は75%であった。
その後フォトマスクを取り外し、更に6300mJ/cm2で紫外平行光を照射して光重合性組成物を重合硬化しプラスチックフィルムを得た。
このように、実施例3では、実施例1と比べて、回折スポットの半値幅は同程度で良好であり、回折効率はやや劣るが10%以上の良好な値を示すことが分かった。
実施例4は、実施例1と第1の光照射ステップの硬化度は同程度(40%)であるが、フォトマスクの光透過域のパターンを正方格子状に異ならせた例である。
実施例4では、実施例1と同じ組成の光重合性組成物を、20mmφ、厚さ0.2mmのガラスセル中にフィルム状に封入した。照射面側のガラスの厚みは150μmとした。次いで、ガラスセル上部に2μmφの光通過域が5μmピッチで正方格子状に配列したフォトマスクを配置し、表面に対して垂直方向から、光強度分布が略一定である紫外平行光を840mJ/cm2で照射した。このときの光重合性組成物の硬化度は30%であった。
その後フォトマスクを取り外し、更に6300mJ/cm2で紫外平行光を照射して光重合性組成物を重合硬化しプラスチックフィルムを得た。
このように、実施例4では、実施例1と比べて、回折スポットの半値幅は同程度で良好であり、回折効率はやや劣るが10%を越える良好な値を示すことが分かった。
比較例1は、実施例1と異なり、フォトマスクを使用した第1の光照射ステップを行わず(もしくは、第1の光照射ステップでの硬化度が0%)、第2の光照射ステップのみを行った例である。
比較例1では、実施例1と同じ組成の光重合性組成物を、20mmφ、厚さ0.2mmのガラスセル中にフィルム状に封入した。照射面側のガラスの厚みは150μmとした。次いで、表面に対して垂直方向から、光強度分布が略一定である紫外平行光を6300mJ/cm2で照射して光重合性組成物を重合硬化しプラスチックフィルムを得た。
また、プラスチックフィルムの面に対して垂直に強度分布の半値幅が0.5°であるレーザ光を照射して回折パターンの評価を行った。図12にポリマー内部の規則的相分離構造に起因した回折点の観察像を示す。回折像の角度スペクトルから一次回折点の角度幅は1.3°であった。また、回折効率は24%であった。
比較例2は、実施例1と異なり、第1の光照射ステップで柱状構造体の硬化をほぼ完了させた例である。
比較例2では、実施例1と同じ組成の光重合性組成物を、20mmφ、厚さ0.2mmのガラスセル中にフィルム状に封入した。照射面側のガラスの厚みは150μmとした。
次いで、ガラスセル上部に2μmφの光通過域が5μmピッチで六方格子状に配列したフォトマスクを配置し、表面に対して垂直方向から、光強度分布が略一定である紫外平行光を15J/cm2で照射した。このときの光重合性組成物の硬化度は90%以上であった。
その後フォトマスクを取り外し、更に6300mJ/cm2で紫外平行光を照射して光重合性組成物を重合硬化しプラスチックフィルムを得た。
このように、比較例2では、回折スポットの半値幅は、実施例1と同程度で良好であったものの、回折効率が10%未満と良好な値を示さなかった。
比較例3は、実施例1と異なり、照射面側のガラスの厚みを5mmとした例である。
比較例3では、実施例1と同じ組成の光重合性組成物を、20mmφ、厚さ0.2mmのガラスセル中にフィルム状に封入した。照射面側のガラスの厚みは5mmとした。次いで、ガラスセル上部に2μmφの光通過域が5μmピッチで六方格子状に配列したフォトマスクを配置し、表面に対して垂直方向から、光強度分布が略一定である紫外平行光を840mJ/cm2で照射した。このときの光重合性組成物の硬化度は30%であった。
その後、フォトマスクを取り外し、更に6300mJ/cm2で紫外平行光を照射して光重合性組成物を重合硬化しプラスチックフィルムを得た。
このように、比較例3では、回折スポットの半値幅は、実施例1と同程度で良好であったものの、回折効率が10%未満と良好な値を示さなかった。
2 マトリックス
3 柱状構造体
10 成形型
11 本体部
12 カバー部材
20 光重合性組成物
30 照射光源
40 フォトマスク
Claims (10)
- マトリックスと、該マトリックス中に配設され該マトリックスと屈折率が異なる複数の柱状構造体と、を備えた相分離構造を有する成形体であって、
標準正規分布の強度分布を有し且つ強度分布の半値幅が0.5°であるレーザ光線を照射したときに得られる角度スペクトルにおいて、回折スポットの半値幅が0.6°以下であり、且つ、回折効率が10%以上であることを特徴とする成形体。 - 前記複数の柱状構造体は、略同一方向に配向され、且つ、該配向方向と垂直な面において規則的な格子状に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の成形体。
- 前記複数の柱状構造体は、前記配向方向と垂直な断面形状が略同一であることを特徴とする請求項1に記載の成形体。
- 前記柱状構造体は、アスペクト比が10以上であることを特徴とする請求項1に記載の成形体。
- 前記マトリックス及び前記柱状構造体が、アクリル系光重合性組成物の硬化体からなることを特徴とする請求項1に記載の成形体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の成形体と、この成形体に貼り合わされた光学的に透明なフィルムと、を備えたことを特徴とする光学積層体。
- 請求項6に記載の光学積層体を用いたことを特徴とする光学的ローパスフィルター。
- 光重合性組成物からなるマトリックスと、該マトリックス中に配設され該マトリックスと屈折率が異なる複数の柱状構造体と、を備えた相分離構造を有する成形体の製造方法であって、
光硬化性モノマー又はオリゴマーと光重合開始剤とを含有する光重合性組成物を成形型に注入する工程と、
前記成形型と光源との間に、光通過域と光不通過域とを有するフォトマスクを配置する工程と、
前記光源から、波長半値全幅が100nm以下であり光強度分布が略一定の平行光を、前記フォトマスクを通して前記成形型内の光重合性組成物に向けて照射して、前記光重合性組成物のうち平行光が照射された部位を、未完全な硬化状態に硬化させる第1の光照射工程と、
前記フォトマスクを取り外して、更に波長半値全幅が100nm以下であり光強度分布が略一定の平行光を前記成形型内の光重合性組成物に向けて照射して、前記光重合性組成物の硬化を完了させる第2の光照射工程と、を備えたことを特徴とする成形体の製造方法。 - 前記第1の光照射工程では、前記光重合性組成物を、硬化度10%以上、80%以下に硬化させることを特徴とする請求項8に記載の成形体の製造方法。
- 前記フォトマスクは、前記光不通過域に多数の前記光通過域が規則的な格子状に配置されたことを特徴とする請求項8に記載の成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007280522A JP5247117B2 (ja) | 2006-10-31 | 2007-10-29 | 成形体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006296685 | 2006-10-31 | ||
JP2006296685 | 2006-10-31 | ||
JP2007280522A JP5247117B2 (ja) | 2006-10-31 | 2007-10-29 | 成形体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008134630A true JP2008134630A (ja) | 2008-06-12 |
JP5247117B2 JP5247117B2 (ja) | 2013-07-24 |
Family
ID=39559476
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007280522A Active JP5247117B2 (ja) | 2006-10-31 | 2007-10-29 | 成形体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5247117B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010008831A (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-14 | Toyota Central R&D Labs Inc | 光学素子及びその製造方法 |
JP2010061096A (ja) * | 2008-08-05 | 2010-03-18 | Hitachi Chem Co Ltd | プリズムシート及び面光源装置 |
JP2010145492A (ja) * | 2008-12-16 | 2010-07-01 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 光学的ローパスフィルタ及びその製造方法 |
JP2011123097A (ja) * | 2009-12-08 | 2011-06-23 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 成形体の製造方法 |
JP2012051965A (ja) * | 2010-08-31 | 2012-03-15 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 成形体及びその製造方法 |
JP2012141593A (ja) * | 2010-12-16 | 2012-07-26 | Lintec Corp | 光拡散フィルムおよび光拡散フィルムの製造方法 |
JP2014002188A (ja) * | 2012-06-15 | 2014-01-09 | Lintec Corp | 光拡散フィルムの製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005242340A (ja) * | 2004-01-30 | 2005-09-08 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 成形体およびその製造方法 |
-
2007
- 2007-10-29 JP JP2007280522A patent/JP5247117B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005242340A (ja) * | 2004-01-30 | 2005-09-08 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 成形体およびその製造方法 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010008831A (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-14 | Toyota Central R&D Labs Inc | 光学素子及びその製造方法 |
JP2010061096A (ja) * | 2008-08-05 | 2010-03-18 | Hitachi Chem Co Ltd | プリズムシート及び面光源装置 |
JP2010145492A (ja) * | 2008-12-16 | 2010-07-01 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 光学的ローパスフィルタ及びその製造方法 |
JP2011123097A (ja) * | 2009-12-08 | 2011-06-23 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 成形体の製造方法 |
JP2012051965A (ja) * | 2010-08-31 | 2012-03-15 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 成形体及びその製造方法 |
JP2012141593A (ja) * | 2010-12-16 | 2012-07-26 | Lintec Corp | 光拡散フィルムおよび光拡散フィルムの製造方法 |
JP2014002188A (ja) * | 2012-06-15 | 2014-01-09 | Lintec Corp | 光拡散フィルムの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5247117B2 (ja) | 2013-07-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5247117B2 (ja) | 成形体及びその製造方法 | |
JP4827164B2 (ja) | 成形体およびその製造方法 | |
KR101178627B1 (ko) | 성형체 및 그 제조 방법 | |
JP5480049B2 (ja) | 成形体およびその製造方法 | |
JP4913422B2 (ja) | 光学的ローパスフィルタ及びこれを備えた撮像光学系 | |
JP2007030373A (ja) | 成形体の製造方法 | |
US20110042838A1 (en) | Shaped article for use as an optical component and method of producing the shaped article | |
JP5371194B2 (ja) | 成形体およびその製造方法 | |
JP2011128253A (ja) | 成形体およびその製造方法 | |
JP5610208B2 (ja) | 成形体及びその製造方法 | |
JP2011203425A (ja) | 成形体及びその製造方法 | |
US8173329B2 (en) | Molded product and method for manufacturing same | |
JP2011232522A (ja) | 光学的ローパスフィルタ及びその製造方法 | |
JP2009294600A (ja) | 成形体およびその製造方法 | |
JP2011247999A (ja) | 成形体の製造方法 | |
JP2008194864A (ja) | 成形体およびその製造方法 | |
JP2010164767A (ja) | 光学的ローパスフィルタおよびその製造方法 | |
JP2009037127A (ja) | 光学的ローパスフィルタ及びその製造方法 | |
JP2011221123A (ja) | 光学的ローパスフィルタ | |
JP5308141B2 (ja) | 光学的ローパスフィルタ及びその製造方法 | |
JP2009015032A (ja) | 光学的ローパスフィルタ及びその製造方法並びに撮像光学系 | |
JP2011112991A (ja) | 成形体製造方法 | |
JP2012011709A (ja) | 成形体の製造方法 | |
JP2012027493A (ja) | 光学的ローパスフィルタ及びこれを備えた撮像光学系 | |
JP2011203312A (ja) | 成形体及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101013 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110905 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130121 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130128 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130314 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130401 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130409 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5247117 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160419 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |