JP2009037127A - 光学的ローパスフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

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俊明 服部
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Abstract

【課題】高次回折光の発生を抑制することができ且つ安価で小型の光学的ローパスフィルタ、その製造方法、または、該光学的ローパスフィルタを用いた画像コントラストの良好な光学系を提供すること。
【解決手段】本発明の光学的ローパスフィルタの製造方法は、光重合性組成物18を成形型16に塗布及び/または注入するステップと、複数の光通過領域が光不通過領域内に規則的に配列されたフォトマスク24を成形型と光源22との間に配置するステップと、平行光をフォトマスクを通して光重合性組成物が不完全な硬化状態となるまで照射する第1の照射ステップと、フォトマスクを取り除くステップと、平行光を光重合性組成物が完全に硬化するまで更に照射する第2の照射ステップと、を含み、フォトマスクの光通過領域の幅に対する光重合性組成物の厚さの比が10以上である、ことを特徴としている。
【選択図】図4

Description

本発明は、光学的ローパスフィルタ及びその製造方法等に関し、詳細には、携帯電話などに装着されるデジタルカメラ等で、モアレを防止するために使用される光学的ローパスフィルタ及びその製造方法等に関する。
近年、ホームビデオカメラやデジタルスチルカメラは高性能化が著しい。これらにおいては、撮像手段としてCCDエリアイメージセンサやCMOSエリアイメージセンサが用いられている。これらのセンサは、シリコン基板上に二次元的に配置された多数の撮像素子(受光素子)で光電変換を行い、各撮像素子で発生した電荷をCCD素子、あるいはCMOS回路を通じて、外部に転送する構成を備えている。これらのセンサでは、撮像素子は格子状に規則的に配置されている。さらに、撮像素子(ピクセル)毎にカラー情報を得るために、各ピクセル上に、例えばRGBのカラーフィルタがストライプ状に、または4種のカラーフィルタが方形モザイク状に配置されている。
このように、上述のCCDエリアイメージセンサ等では、撮像素子が格子状に規則的に配置されているため、例えば生成された被写体画像に擬似信号(モアレ)が発生する等の、色を再現する際に不都合となる問題が生じることがある。
このような問題を解決するため、特定周波数以上の光をカットする光学的ローパスフィルタ(OLPF)が用いられている。このような光学的ローパスフィルタとしては、3枚以上の水晶板を貼り合わせたものが用いられている。しかし、このような積層構造を有する光学的ローパスフィルタは、量産性に劣り、高価であるという問題がある。また、厚さが1mm以上であるので、携帯電話のデジタルカメラ用光学系等、光学長を短くすることが必要な光学系には使用できないという問題がある。
上記の問題を解決するために、表面凹凸型の二次元位相格子である光学的ローパスフィルタが特許文献1に開示されている。これら表面凹凸型二次元位相格子は、表面に規則的な微細凹凸を有する。この微細凹凸は、透明媒体の表面に機械的な切削加工を施す方法、微細凹凸を有する型を押し当てるスタンパ法などの方法、あるいは、蒸着やイオンエッチング法などにより形成することができる。
特開平7−5394号公報
しかしながら、特許文献1の表面凹凸型二次元位相格子からなる光学的ローパスフィルタを用いた撮像装置で撮影すると、2次以上の回折光が発生してしまい、光学的ローパスフィルタを用いないで撮影したときと比べて、撮影した画像のコントラストが低く、画像がぼけるという問題があった。
一般に、一次元位相格子による回折パターンはラマン−ナス型と、ブラッグ型に分類される。これらを区別する指標として、(1)式で表されるQ値と呼ばれるパラメータがある。

Q = 2π・λ・L/Λ2 ・・・ (1)
ここで、λは光波長、Lは位相格子の厚さ、Λは位相格子の周期である。Q≦10のとき、位相格子は多数の高次(2次以上の)回折パターンを発生することが知られている。また、Q>10のときには、発生する回折パターンは、ブラッグ回折と呼ばれ、基本次数(1次)の回折パターンのみとなる。二次元位相格子においてもほぼ同様のことが言える。従って、2次以上の回折光を低減させるためには、Q>10となるように二次元位相格子を設計する必要がある。しかし、表面凹凸型二次元位相格子の場合、上記の機械的な切削加工や、スタンパ法、あるいは、蒸着やイオンエッチング法などの手段によっては、Q値が10を超えるような高いアスペクト比の凹凸構造を形成することは困難であり、回折光が1次回折光のみとなる二次元位相格子は今まで実現していなかった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、高次回折光の発生を抑制することができ且つ安価で小型の光学的ローパスフィルタ、その製造方法、または、該光学的ローパスフィルタを用いた画像コントラストの良好な光学系を提供することを目的としている。
本発明によれば、
光学的ローパスフィルタの製造方法であって、
光硬化性モノマーまたはオリゴマーと光重合開始剤とを含有する光重合性組成物を成形型に塗布及び/または注入するステップと、
複数の光通過領域が光不通過領域内に規則的に配列されたフォトマスクを前記成形型と光源との間に配置するステップと、
前記光源から、波長半値全幅が100nm以下で且つ均一な光強度分布を有する平行光を、前記フォトマスクを通して、前記成形型内の前記光重合性組成物に向けて、前記光重合性組成物が不完全な硬化状態となるまで照射する第1の照射ステップと、
前記成形型と光源との間から、前記フォトマスクを取り除くステップと、
前記光源から、波長半値全幅が100nm以下で且つ均一な光強度分布を有する平行光を、前記成形型内の前記光重合性組成物に向けて、前記光重合性組成物が完全に硬化するまで更に照射する第2の照射ステップと、を含み、
前記フォトマスクの光通過領域の幅に対する前記光重合性組成物の厚さの比が10以上である、
ことを特徴とする光学的ローパスフィルタの製造方法が提供される。
このような構成によれば、小型で、高次回折光を発生させない光学的ローパスフィルタを安価に製造することができる。
本発明によれば、前記製造方法により製造した光学的ローパスフィルタであって、光重合性組成物からなるシート状のマトリックスと、前記マトリックスと異なる屈折率を有し該マトリックスの厚さ方向に延びるように該マトリックス内で規則的に配列された、アスペクト比が10以上である複数の柱状構造体と、を有する、屈折率変調型二次元位相格子である、光学的ローパスフィルタが提供される。
このような構成によれば、小型で安価な光学的ローパスフィルタとなる。
本発明によれば、前記光学的ローパスフィルタと前記固体撮像素子の受光面との間にギャップ層が設けられている、撮像光学系が提供される。
このような構成によれば、コントラストが高い画像を得ることができる。
さらに、本発明によれば、
光重合性組成物からなるシート状のマトリックスと、
前記マトリックスと異なる屈折率を有し該マトリックスの厚さ方向に延びるように該マトリックス内で規則的に配列された、アスペクト比が10以上である複数の柱状構造体と、を備えている、
ことを特徴とする光学的ローパスフィルタが提供される。
本発明によれば、高次回折光の発生を抑制することができ且つ安価で小型の光学的ローパスフィルタ、その製造方法、または、該光学的ローパスフィルタを用いた画像コントラストの良好な光学系が提供される。
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態の光学的ローパスフィルタ及びその製造方法等について説明する。図1は、本発明の好ましい実施形態の光学的ローパスフィルタ1を用いた撮像光学系2の概略図である。
この撮像光学系2は、デジタルスチルカメラ用光学系、携帯電話などに装着されるデジタルカメラ用光学系等の、所定ピッチの画素を有する固体撮像素子により画像を撮影する撮像光学系等として使用される。
図1に示すように、本発明の好ましい実施形態の光学的ローパスフィルタ1を用いた撮像光学系2では、光学的ローパスフィルタ1が、固体撮像素子4の受光面に所定厚さのギャップ層6を介して配置されている。本実施形態の撮像光学系2は更に、レンズ8と、赤外カットフィルタ10とを備えている。
本実施形態では、固体撮像素子4は、シリコン基板上に多数の受光素子が二次元的に配置されたもので、各受光素子で発生した電荷をCCD素子、またはCMOS回路を通じて外部に信号として転送することができるエリアイメージセンサである。
ギャップ層6は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、またはポリイミド樹脂で構成されているが、透明な材料であればどのような材料を用いてもよく、空気層でもよい。
ギャップ層6の厚さは、回折により生じる画像ボカシ量が、撮像素子の画素ピッチ以下の有限な量になるように設定される。回折光の回折角θは、回折の次数として1次の時だけを考えると、規則構造の周期をΛ、光の波長をλ、ギャップ層の媒体の屈折率をn(空気層の時はn=1)とすると、式(2)のように表される。

n・Λ・sinθ= λ ・・・(2)

式(2)と、画像ボカシ量として撮像素子の画素ピッチPに対してPを設定すると、ギャップ層6の厚さLは、(3)式のように決まる。

L=P/tan(sin-1(λ/n・Λ)) ・・・(3)

(3)式より、ギャップ層6の厚さLは、0.01μmないし10mmの範囲に設定するのがよく、好ましくは0.1μmないし1000μmの範囲、より好ましくは1μmないし500μmの範囲である。
レンズ8は、無機ガラスからなるガラスレンズ、またはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂などからなるプラスチックレンズである。
赤外カットフィルタ10は、無機ガラスからなるガラスフィルタ、または有機色素を添加したポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂からなるプラスチックフィルタで構成されている。
本実施形態の撮像光学系によれば、光学的ローパスフィルタの厚さが薄いため、光学系全体の厚さを薄くすることができ、小型化することができる。従って、光学長を短くすることが必要とされる、携帯電話などに装着されるデジタルカメラ等にも用いることができる。
図2は、本発明の好ましい実施形態の光学的ローパスフィルタ1の内部構造を模式的に示す斜視図である。
光学的ローパスフィルタ1は、シートまたはフィルム状のマトリックス12と、マトリックス12を厚さ方向に貫通して延びるように配置された透明な柱状構造体14とを備えた屈折率変調型二次元位相格子から構成されている。マトリックス12および柱状構造体14のいずれもが光学的ローパスフィルタ1の使用波長に対して透明であるが、柱状構造体14とマトリックス12は屈折率が異なっている。
マトリックスおよび柱状構造体の屈折率は、光硬化性樹脂が通常、採る値であり、例えば、1.4から2.0の間の値に設定される。また、両者の屈折率差は、ローパスフィルタの設計に応じ、回折効率が決められ、例えば、0.0001から0.1の間に調節される。
各柱状構造体14は、略同一の円柱形状を有し、各円柱の軸線が光学的ローパスフィルタ1の厚さ方向に延びるように配向され、正方格子状に規則的に配置されている。
本実施形態の光学的ローパスフィルタ1では、柱状構造体14は、アスペクト比(高さ/直径)が10以上、好ましくは20以上、より好ましくは50以上となるように、長さ(すなわちマトリックス12の厚さ)と直径が設定されている。
具体的には、柱状構造体14の直径(角柱状の場合は外接円の直径をいう。)は、80nmないし1000μmであり、好ましくは90nmないし100μm、より好ましくは100nmないし50μmである。
また、柱状構造体14の配列周期は、80nmないし1000μmに設定するのがよく、好ましくは90nmないし100μm、より好ましくは100nmないし50μmである。
このような構成を有する光学的ローパスフィルタ1に面方向から光が入射すると、柱状構造体14の配列に起因して、光学的ローパスフィルタ1は回折スポットを与え、光回折素子として機能する。
柱状構造体14の直径あるいは配列周期を上記範囲内とすることによって、光学製品として350nmないし2000nmの波長範囲の光に対する干渉効果を十分に発現させることができ、光学的ローパスフィルタとして使用可能な波長範囲において回折や偏向等の高度な光制御が可能となる。
また、柱状構造体14のアスペクト比を10以上とすることにより、光学的ローパスフィルタ1より得られる回折光が1次回折光のみとなり、その結果、得られる画像のコントラストを低下させることなく、モアレの発生を効果的に防止することが可能となる。
光学的ローパスフィルタ1に平行光を入射させると図3に示すような回折パターンが得られる。上述したように、光学的ローパスフィルタ1はアスペクト比の高い柱状構造体を規則的に有していることにより、図3に示すとおり、回折パターンでは、高次の回折光は得られず、(1,0)次光、(0,1)次光、(−1,0)次光、(0,−1)次光、(1,1)次光、(−1,−1)次光、(1,−1)及び(−1,1)次光のみの回折光が得られる。
このように光学的ローパスフィルタ1から得られる回折光が1次光のみに限られるため、画像コントラストが低下することなくモアレの発生を効果的に防止することが可能となる。この結果、薄い構造でありながら、画像コントラストを低下させずに、モアレの発生を効果的に防止することができる。
上記実施形態では、柱状構造体14の配向方向(軸線A)が、光学的ローパスフィルタ1の厚さ方向Bと略同一方向に設定されているが、本発明は、これに限定されず、方向Aと方向Bに所定の角度が設けられたものでもよい。また、柱状構造体14は円柱形状であるが、本発明は、これに限定されず、楕円柱状、角柱状等の他の柱状形状でもよい。
さらに、上記実施形態では、複数の柱状構造物14が、配向方向と垂直な面内において、正方格子状に配列されているが、複数の柱状構造物14は、例えば、三角格子状等の他の格子状、または他の規則的なパターンに配列されていてもよい。
次に、光学的ローパスフィルタ1の製造方法について説明する。
光学的ローパスフィルタ1を製造するには、図4に示すように、まず、成形型16内に光重合性組成物18を充填した後、成形型16の表面を透明カバー部材20で覆う。照射光源22と成形型16との間にフォトマスク24を配置する。その後、フォトマスク24を介して、照射光源22から成形型16内の光重合性組成物18に向けて、光重合性組成物18が不完全な硬化状態になるまで光を照射する(第1の照射ステップ)。
次いで、フォトマスク24を取り除いて、さらに照射光源22から成形型16内の光重合性組成物18に向けて光を照射する(第2の照射ステップ)。このように2段階の照射ステップにより、光重合性組成物18の光重合を完了させる。この光重合が完了した光重合性組成物18を成形型16から離型することにより、光学的ローパスフィルタ1が得られる。
図5に基づいて、光学的ローパスフィルタ1の製造方法に用いる成形型16について説明する。図5(a)、(b)は、それぞれ光重合性組成物18を充填する成形型(セル)16の平面図、断面図である。
成形型16は、矩形状の空間部(凹部)26を有する本体部28と、空間部を覆うカバー部材20とを備えている。本体部28をカバー部材20で覆うことにより、成形型16の内部に空間部26によって規定されるキャビティが形成され、このキャビティに、未反応(未重合)の光重合性組成物18が注入され、保持される。
キャビティに充填された光重合性組成物18は、光重合する際に重合が阻害されないように、外部空気と接触しないことが望ましい。このため、成形型16は、光重合性組成物18を液密で封入することができるようになっており、更にカバー部材20で光重合性組成物18の表面を覆って、空気との接触を防ぐようになっている。
本実施形態では、空間部26は、フィルム形状の光学的ローパスフィルタ1を形成するために、薄膜状または薄板状の空間とされている。しかしながら、成形する光学的ローパスフィルタ1の形状に応じて、空間部26を種々の形状とすることができる。
カバー部材20は、光学的ローパスフィルタ1の、製造時に光が照射される側、すなわち光源側に配置される。このため、照射光源の波長に対して光学的な吸収の少ない、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、フッ素化(メタ)アクリル樹脂等の透明プラスチック材料等の光透過性部材が用いられる。また、本実施形態では、カバー部材20の平均厚みは150μmとされている。
成形型は、平板状の基板でもよい。この場合、光重合性組成物は平板状の基板の表面に塗布され、これに光が照射されることになる。基板はどのような材料でもよいが、基板のどちら側からでも重合用の光を照射することができるという点では、照射光源の波長に対して光学的な吸収の少ない光透過性部材が好ましい。また、光重合後に、基板から硬化した光学的ローパスフィルタ1を離型せずに、基板と一体の状態で使用する場合には、基板として光透過性部材が用いられる。
次に、光重合性組成物18として用いることができる材料について説明する。
光重合性組成物18には、多官能モノマーが含まれることが好ましい。このような多官能モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルモノマーや、ビニル基、アリル基等を含有するものが特に好ましい。
多官能モノマーの具体例としては、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、多官能のエポキシ(メタ)アクリレート、多官能のウレタン(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルクロレンデート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート等が挙げられ、これらを単独であるいは2種以上の混合物として使用することができる。
中でも、分子内に3個以上の重合性炭素−炭素二重結合を有する多官能性モノマーは、重合度差による架橋密度の粗密がより大きくなりやすく、上述の柱状構造体が形成されやすくなるので好ましい。
特に好ましい3個以上の重合性炭素−炭素二重結合を有する多官能性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートがある。
重合性組成物として2種以上の多官能モノマーあるいはそのオリゴマーを使用する場合には、それぞれの単独重合体としたときに互いに屈折率が異なるものを使用することが好ましく、その屈折率差が大きいものを組み合わせることがより好ましい。
回折、偏向、拡散などの機能を高効率で得るためには、屈折率差を大きくとることが必要であり、その屈折率差が0.001以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましい。また、重合過程でモノマーが拡散することにより屈折率差が大きくなるので、拡散定数の差が大きい組み合わせが好ましい。
なお、3種以上の多官能モノマーあるいはオリゴマーを使用する場合は、それぞれの単独重合体の少なくともいずれか2つの屈折率差が上記範囲内となるようにすればよい。また、単独重合体の屈折率差が最も大きい2つのモノマーあるいはオリゴマーは、高効率な回折、偏向、拡散などの機能を得るために、重量比で10:90〜90:10の割合で用いることが好ましい。
光重合性組成物18には、上記のような多官能モノマーあるいはオリゴマーとともに、分子内に1個の重合性炭素−炭素二重結合を有する単官能モノマーあるいはオリゴマーを使用してもよい。このような単官能モノマーあるいはオリゴマーとしては、(メタ)アクリロイル基を含む(メタ)アクリルモノマーや、ビニル基、アリル基等を含有するものが特に好ましい。
単官能モノマーの具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、フェニル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、p−ブロモベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物;スチレン、p−クロロスチレン、ビニルアセテート、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、ビニルナフタレン等のビニル化合物;エチレングリコールビスアリルカーボネート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート等のアリル化合物等が挙げられる。
これら単官能モノマーあるいはオリゴマーは成形体である光学的ローパスフィルタ1に柔軟性を付与するために用いられ、その使用量は多官能モノマーあるいはオリゴマーとの合計量のうち10〜99質量%の範囲が好ましく、10〜50質量%の範囲がより好ましい。
光重合性組成物18には、前記多官能モノマーあるいはオリゴマーと重合性炭素−炭素二重結合を持たない化合物とを含む均一溶解混合物を用いることもできる。
重合性炭素−炭素二重結合を持たない化合物としては、例えば、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ナイロン等のポリマー類、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアルコール、エチルアルコール、酢酸エチル、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランのような低分子化合物、有機ハロゲン化合物、有機ケイ素化合物、可塑剤、安定剤のような添加剤等が挙げられる。
これら重合性炭素−炭素二重結合を持たない化合物は、成形体である光学的ローパスフィルタ1を製造する際に光重合性組成物18の粘度を調節し取り扱い性を良くするために用いられ、その使用量は多官能モノマーあるいはオリゴマーとの合計量のうち1〜99質量%の範囲とすることが好ましく、取り扱い性も良くしつつ柱状構造体の配列の規則性を高くするためには1〜50質量%の範囲がより好ましい。
光重合性組成物18に使用する光重合開始剤は、紫外線等の活性エネルギー線を照射して重合を行う通常の光重合で用いられるものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ジベンゾスベロン等が挙げられる。
これら光重合開始剤の使用量は、その他の光重合性組成物の重量に対して0.001〜10質量%の範囲とすることが好ましく、光学的ローパスフィルタ1の透明性を落とさないようにするためには0.01〜5質量%とすることがより好ましい。
本実施形態の光学的ローパスフィルタ1では、柱状構造体14の配置パターンは、フォトマスク24によるタイリングで任意に決定することができる。ここで述べるタイリングとは、あらかじめ位置情報を入力することで、形成される柱状構造体の配列に高い規則性をもたせることを指す。
すなわち、本実施形態では、光重合性組成物18が不完全な硬化状態になるまで光が照射される第1の照射ステップにおいて、所定マスクパターンを有するフォトマスクを介して光を照射することにより、形成される柱状構造体14の配置パターンを制御している。
図6に示すように、本実施形態で使用されるフォトマスク24は、光源22からの光を通さない光不通過領域32内に、光透過領域である多数の円形のマスク孔30が配置されている。本実施形態では、マスク孔30は正方格子パターンで規則的に配列されている。
マトリックス12内にアスペクト比が10以上、好ましくは20以上、より好ましくは50以上の柱状構造体を形成するためには、フォトマスク24の光通過領域であるマスク孔30の幅(直径)に対する光重合性組成物18の厚さの比を10以上、好ましくは20以上、より好ましくは50以上とする必要がある。
したがって、本実施形態では、使用する光重合性組成物18の厚さとの比率が上記範囲となるように、使用するフォトマスク24のマスク孔30の直径が設定される。
具体的には、本実施形態では、マスク孔30は、孔径が80nm〜50μm、ピッチが120nm〜50μmに設定される。
なお、マスク孔30が四角形の場合は、マスク孔の幅とは、マスク孔の外接円の直径を意味する。
また、光重合性組成物18の厚さとは、成形型16の空間部26の厚さ、または基板への光重合性組成物の塗布厚さを意味する。
さらに、マスク孔30は、上記パターンに限らず、他のパターンで配列されていてもよい。例えば、図7に示すフォトマスク34のように、マスク孔30を三角格子パターンで規則的に配列したものでもよい。
照射光源22(図4参照)は、成形型16に向けて紫外線等の平行光を照射することができるものが用いられる。照射する光の平行度は、ビーム広がり角が±0.03rad以下であるものが好ましく、より好ましくは±0.001rad以下の範囲である。
また、照射光源22は、平行光を照射可能であることに加えて、照射する平行光の進行方向に対する垂直断面内で、平行光の光強度分布を略一定とすることができるものを用いる。具体的には、照射光源22には、例えば、点光源や棒状光源からの光をミラーやレンズ等により光強度分布が略一定(ハット型分布)の平行光としたもの、VCSEL等の面状光源等を使用することができる。レーザ光線は平行度の点では好ましい光源であるが、その光強度分布がガウス型の分布を有しているため、適当なフィルター等を用いて光強度分布を略一定にして使用することが好ましい。
光学的ローパスフィルタ1において、柱状構造体14を高い規則性で配列するためには、光学的ローパスフィルタ1の膜厚方向Bに垂直な平面内において重合反応を均一に進めることが必要である。このため、照射光源22は、その光強度分布を照射範囲で略均一としている。
照射光源22は、図8に示すように照射エリア36を複数の領域(図8では9領域)に分割して、各領域の点36a〜36iの光強度を測定し、式(4)で与えられる照度分布の値が、2.0%以下であるものを用いる。照度分布は、1.0%以下であるのがより好ましい。
照度分布=(最大値−最小値)/(最大値+最小値)×100・・・(4)
柱状構造体の規則的な配列を得るためには照射光の波長幅が狭いほうが良く、従って、半値全幅で100nm以下、より好ましくは20nm以下であるのがよい。
上述のように、本発明の好ましい実施形態の製造方法では、第1の光照射ステップと第2の光照射ステップからなる2つの光照射ステップにより光重合性組成物を硬化させ、内部に柱状構造体14を備えた光学的ローパスフィルタ1を形成する。以下、各ステップを詳細に説明する。
第1の光照射ステップでは、まず、図4(a)に示すように、光重合性組成物18を充填した成形型16の上部(すなわち、成形型16と照射光源22との間)に、柱状構造体14の形成位置を定めるフォトマスク24を配置する。フォトマスク24は、成形型16(カバー部材20)の上面に対して略平行に配置される。より精密に柱状構造の円径及びピッチを制御するためには、成形型16とフォトマスク24との間の空隙を100μm以下にすることが好ましい。
次いで、照射光源22から波長半値全幅で100nm以下であり、光強度分布が照射対象範囲で略一定である紫外線等の平行光を照射する。これにより、フォトマスク24を通過して所定のパターンを有する状態に変換された平行光が、光重合性組成物18に照射される。
第1の光照射ステップでは、光重合性組成物18の平行光照射部位がゲル状に硬化する(すなわち、不完全な硬化状態となる)まで紫外線等の光を平行光として照射し、光学的ローパスフィルタ1内部における柱状構造体14の形成位置を定める。
第1の光照射ステップでは、光重合性組成物18の光照射部位(マスク孔に対応する部位)がゲル状に硬化し(すなわち、不完全な硬化状態となり)、光重合性組成物18の硬化度が10%〜60%の範囲となるまで、より好ましくは、20%〜50%の範囲となるまで光源から光を照射する。
本実施形態では、光DSC法で、光重合性組成物18が完全に反応し、光照射してもそれ以上発熱しない状態を硬化度100%としている。
光硬化性樹脂にマスク越しに光を照射して光硬化性樹脂を重合させると、マスク孔を透過した光が直接、照射される光照射部位に加え、その周囲の領域でも光重合が進行する。したがって、上記のように、光重合性組成物18の光照射部位(マスク孔に対応する部位)において、光重合性組成物18の硬化度が10%〜60%の範囲となるまで、マスク越しに光を照射すると、柱状構造体となる光照射部位の周囲のマトリックス12も、光照射部位(柱状構造体)よりも僅かに低い硬化度まで反応硬化することになる。
第1の光照射ステップが終了すると、フォトマスク24を取り外し、第2の光照射ステップを行う。第2の光照射ステップでは、図4(b)に示すように、フォトマスク24無しで、波長半値全幅で100nm以下であり光強度分布が略一定である紫外平行光を光源22から成形型16に対して照射し、光重合性組成物18の硬化を完了させる。硬化が完了した光重合性組成物18は、第1の光照射ステップで形成位置が定められた柱状構造体14と、それ以外のマトリックス12からなる柱状相分離構造を備えている。完全に硬化した光重合組成物18を成形型16から離型し、光学的ローパスフィルタ1の製造を終了する。
尚、本実施形態では、照射光強度は、第1ステップも第2ステップも同一とされている。
本実施形態の製造方法によれば、形成される柱状構造体14は、外周面が、外方に拡がることこなく、光の入射方向すなわち光学的ローパスフィルタ1(マトリックス12)の表面に直交する方向に延び、且つマトリックス12との境界で、屈折率の変化が明確に現れるように形成される。
一般に、高圧水銀ランプ等の点状光源から放出された光を、ミラーやレンズにより照度の均一性や平行度を調整し、フォトマスクを通して露光を行う場合の解像度は、以下の通りである。
フォトマスクのスリット幅をa、ギャップをLとすると、スリットを通過する光は、aの大きさがLに対して無視できない場合(aとLの値が近い場合)は、フレネル回折で近似され、一方、aの大きさがLに対して無視できる場合(a<<Lの場合)は、フラウンホーファ回折で近似される。回折による像の劣化を式(5)の関数Fで表すと、Fが2近くで解像度の限界が現れる。なお、λは光の波長である。

F=a(2/λL)1/2・・・(5)
F=2、λ=0.4の場合、式(5)から、a=0.89・L1/2を得る。このaが解像限界線幅である。Lをセル上部のカバー部材20の平均厚みである150μmとした場合には、解像度は10.9μmになる。
このため、フォトマスクを通過した光は、回折によって拡がり、マスク孔の投影領域(すなわち柱状構造体の領域)からマトリックスの領域に侵入してしまう。したがって、フォトマスクを使用した照射で、光重合性組成物を完全に硬化させると、柱状構造体が切頭円錐形状となる、あるいはマトリックスと柱状構造体の間に有意な屈折率差を生じさせることができない等の問題が起こる。
その他、アスペクト比の高い柱状構造体を形成できない理由として、照射光の定在波の影響や、重合に伴う屈折率ゆらぎによる照射光の散乱なども無視できず、柱状構造体が切頭円錐形状となる、あるいはマトリックスと柱状構造体の間に有意な屈折率差を生じさせることができない等の問題が起こる。
しかしながら、本実施形態では、フォトマスクを用いた第1の光照射ステップにおいては、柱状構造体14に相当する部分の光重合性組成物を完全には硬化させず、柱状構造体14の形成位置を定める程度、すなわちマトリックス12と柱状構造体14の間にある程度の硬度差にある未完全な硬化状態まで硬化させる。
次いで、フォトマスクを取り除いた状態で、光重合性組成物全体に平行光を照射する第2の光照射ステップを行い、光重合性組成物全体を完全に硬化させている。このとき、柱状構造体14の重合自己促進効果によるマトリックス12との架橋密度差と、柱状構造体14とマトリックス12との間での反応拡散による組成分布により、両者間に有意な屈折率差を与えることができ、また、外周面が光学的ローパスフィルタ1の膜厚方向に略平行に延びるアスペクト比の高い柱状構造体14を形成することができる。
本実施形態の製造方法によれば、光学的ローパスフィルタを簡便に作製でき、製造のコスト及び手間を軽減することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含される。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
新中村化学工業社製NKエステル14G:50質量部、新中村化学工業社製NKオリゴU−2PPA:25質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート:7.5質量部、フェノキシエチルアクリレート:17.5質量部からなる混合物に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン:0.6質量部を溶解させ光重合組成物を得た。得られた光重合性組成物を、200mm×200mm、厚さ0.2mmの成形型に充填し、成形型表面をポリエチレンテレフタレート製フィルムからなる透明カバー部材で覆って密封した。
次いで、2μmφの光通過域が5μmピッチで正方格子状に配列されたフォトマスクを成形型上部、すなわち成形型と光源との間に配置し、成形型表面に対して垂直方向から、波長半値全幅が100nm以下で、光強度分布が略一定である紫外平行光を480mJ/cm2で照射した。このときの光重合性組成物の硬化度は25%であった。
その後、フォトマスクを取り外し、更に光重合性組成物に波長半値全幅が100nm以下で光強度分布が略一定である紫外平行光2400mJ/cm2を照射して光学的ローパスフィルタを得た。
得られた光学的ローパスフィルタを断面観察したところ、柱状構造体のアスペクト比(高さ/直径)は75であり、(1)式から求まるQ値は18.8であった。この屈折率変調型位相格子からなる光学的ローパスフィルタの表面に対して、垂直方向からレーザー光を照射して回折光を観察すると、高次(2次以上の)回折光は観察されず、1次回折光のみが生じていた。
この光学的ローパスフィルタを所定の厚さの空気ギャップ層を介して、固体撮像素子上に搭載して、撮像光学系を作製した。この撮像光学系でサーキュラーゾーンプレートを撮影したところ、モアレが抑制され、解像度が低下していない画像が得られた。
(実施例2)
フェノキシエチルアクリレート30質量部とトリメチロールプロパントリメタクリレート70質量部からなる混合物に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン:0.6質量部を溶解させ光重合組成物を得た。得られた光重合性組成物を、200mm×200mm、厚さ0.1mmの成型型に充填し、フォトマスクを用いた第1の照射の露光量が300mJ/cm2で、フォトマスクを用いない第2の照射の露光量が2000mJ/cm2である以外は、実施例1と同様にして、光学的ローパスフィルタを得た。
得られた光学的ローパスフィルタの柱状構造体のアスペクト比は45であり、Q値は11.3であった。実施例1と同様にして、この屈折率変調型位相格子からなる光学的ローパスフィルタの回折光を観察すると、高次回折光は観察されず一次回折光のみが生じていた。
実施例1と同様にこの光学的ローパスフィルタを用いて撮像光学系を作製し、サーキュラーゾーンプレートを撮影したところ、モアレが抑制され、解像度が低下していない画像が得られた。
(実施例3)
実施例1と同様の光重合性組成物を用いて、成形型は200mm×200mm、厚さ0.03mmとし、フォトマスクには光通過域が1μmφでピッチが2μmである正方格子パターンを用い、フォトマスクを用いた第1の照射の露光量が200mJ/cm2で、フォトマスクを用いない第2の照射の露光量が1000mJ/cm2である以外は、実施例1と同様にして、光学的ローパスフィルタを得た。得られた光学的ローパスフィルタの柱状構造体のアスペクト比は15であり、Q値は11.8であった。
実施例1と同様にして、この屈折率変調型位相格子からなる光学的ローパスフィルタの回折光を観察すると、高次回折光は観察されず一次回折光のみが生じていた。
実施例1と同様にこの光学的ローパスフィルタを用いて撮像光学系を作製し、サーキュラーゾーンプレートを撮影したところ、モアレが抑制され、解像度が低下していない画像が得られた。
本発明の好ましい実施形態の光学的ローパスフィルタを用いた撮像光学系の構成を模式的に示す概略図である。 本発明の好ましい実施形態の光学的ローパスフィルタの構造を模式的に示す斜視図である。 本発明の好ましい実施形態の光学的ローパスフィルタの回折パターンを模式的に示す模式図である。 本発明の好ましい実施形態である製造方法の説明図である。 本発明の好ましい実施形態の光学的ローパスフィルタを製造する成形型の上面図及び断面図である。 本発明の好ましい実施形態の製造方法で用いるフォトマスクの平面図である。 本発明の別の好ましい実施形態の製造方法で用いるフォトマスクの平面図である。 本発明の好ましい実施形態の製造方法における照射光源の照度分布の測定点を示す説明面である。
符号の説明
1:光学的ローパスフィルタ
2:撮像光学系
4:固体撮像素子
6:ギャップ層
12:マトリックス
14:柱状構造体

Claims (4)

  1. 光学的ローパスフィルタの製造方法であって、
    光硬化性モノマーまたはオリゴマーと光重合開始剤とを含有する光重合性組成物を成形型に塗布及び/または注入するステップと、
    複数の光通過領域が光不通過領域内に規則的に配列されたフォトマスクを前記成形型と光源との間に配置するステップと、
    前記光源から、波長半値全幅が100nm以下で且つ均一な光強度分布を有する平行光を、前記フォトマスクを通して、前記成形型内の前記光重合性組成物に向けて、前記光重合性組成物が不完全な硬化状態となるまで照射する第1の照射ステップと、
    前記成形型と光源との間から、前記フォトマスクを取り除くステップと、
    前記光源から、波長半値全幅が100nm以下で且つ均一な光強度分布を有する平行光を、前記成形型内の前記光重合性組成物に向けて、前記光重合性組成物が完全に硬化するまで更に照射する第2の照射ステップと、を含み、
    前記フォトマスクの光通過領域の幅に対する前記光重合性組成物の厚さの比が10以上である、
    ことを特徴とする光学的ローパスフィルタの製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法により製造した光学的ローパスフィルタであって、
    光重合性組成物からなるシート状のマトリックスと、
    前記マトリックスと異なる屈折率を有し該マトリックスの厚さ方向に延びるように該マトリックス内で規則的に配列された、アスペクト比が10以上である複数の柱状構造体と、を有する、屈折率変調型二次元位相格子である、
    ことを特徴とする光学的ローパスフィルタ。
  3. 請求項2に記載の光学的ローパスフィルタと、固体撮像素子と、を備える撮像光学系において、
    前記光学的ローパスフィルタと前記固体撮像素子の受光面との間にギャップ層が設けられている、
    ことを特徴とする撮像光学系。
  4. 光重合性組成物からなるシート状のマトリックスと、
    前記マトリックスと異なる屈折率を有し該マトリックスの厚さ方向に延びるように該マトリックス内で規則的に配列された、アスペクト比が10以上である複数の柱状構造体と、を備えている、
    ことを特徴とする光学的ローパスフィルタ。
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