JP4827164B2 - 成形体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回折、偏向、拡散等の光学特性を有する光学物品として使用される光学シートや光学フィルム等の成形体およびその製造方法に関するものであり、例えば、CCD検出器を用いた撮像素子におけるモアレの発生を抑制する光学的ローパスフィルター等に用いることができる。
プラスチックフィルムやシートに一次元あるいは二次元の規則構造を形成して光制御板等の光学用途に使用する試みがなされている。例えば、二次元の規則構造を形成するものとしては、ブロックポリマーをフィルムの厚さ方向に垂直な面内で整列配置させることが提案されている(非特許文献1)。また、一次元の規則構造を形成するものとしては、膜状に維持した紫外線硬化性組成物に特定方向から紫外線を照射し、次いで得られた硬化膜に紫外線硬化性組成物を膜状に保持して別の方向から紫外線を照射することを繰り返して、シートの厚さ方向と垂直な方向に層状構造を形成させることが提案されている(例えば、特許文献1)。
Maclomoecules 2003, 36, 3272-3288 特開昭63−309902号公報
しかしながら、非特許文献1記載の規則構造は、nmオーダーの規則性を有しているため、80nm〜1000μm程度の規則性を必要とする一般の光学用途には使用できないものであった。一方、特許文献1記載の規則構造はサブミクロンオーダーの規則性を有しているものの、規則性の程度が低いためレーザ光線を照射した場合に回折スポットが得られず、高度な光制御が要求される光学用途には適さないという問題点を有していた。
そこで、本発明は、一般の光学用途に使用可能な80nm〜1000μm程度のオーダーで高い規則性を有し、レーザ光線を照射した場合に回折スポットが得られ、高度な光制御が可能な光学用途に適した成形体およびその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の成形体は、広がり角が0.03rad以下であり、半値全幅が100nm以下であり、波長250〜400nmの平行光を照射して光重合性組成物を光重合して得られた成形体であって、該成形体にレーザ光線を照射した時に該成形体に形成された周期的屈折率変化を反映した回折パターンが得られることを特徴とするものである。また、本発明の成形体の製造方法は、2官能以上の多官能モノマーあるいはオリゴマーと光重合開始剤とを含有する光重合性組成物を、少なくとも光照射側が光透過性である成形型に注入し、広がり角が0.03rad以下であり、半値全幅が100nm以下であり、波長250〜400nmの平行光を照射し、前記光重合性組成物を重合することを特徴とするものである。
本発明は、一般の光学用途に使用可能な80nm〜1000μm程度のオーダーで、レーザ光線を照射した時に該成形体に形成された周期的屈折率変化を反映した回折パターンが得られる規則性の高い構造を成形体に付与することにより、高度な光制御が可能な光学用途に適した光学シートや光学フィルム等の成形体およびその製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の成形体の規則構造を模式的に示したものである。図中1は成形体であり、マトリックス2中に、マトリックス2と屈折率が異なる複数の柱状構造体3が一方向に配向して形成されている。この柱状構造体3は、直径(角柱の場合には外接円の直径をいう。)あるいは配列周期が80nm以上1000μm以下であることが好ましく、より好ましくは90〜5000nmの範囲であり、さらに好ましくは100〜500nmの範囲である。柱状構造体3の直径あるいは配列周期をこの範囲内とすることによって、成形体として350〜2000nmの波長範囲の光に対する干渉効果を十分に発現させることができ、一般的な光学用途で使用可能な波長範囲において回折や偏向等の高度な光制御が可能となる。
本発明の成形体は、光重合性組成物を所定の型に注入して、光を照射して重合硬化して得られる。光重合性組成物としては、2官能以上の多官能モノマーあるいはオリゴマーと光重合開始剤を含有するものを使用することができる。2官能以上の多官能モノマーとしては、例えば、分子内に2個以上の重合性炭素−炭素二重結合を有するモノマーであれば、特に限定されるものではないが、中でも、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等を含有するものが特に好ましい。
このような2官能以上のモノマーを組成物中に含有させることにより、成形体の膜厚方向に垂直な面内で重合度(架橋密度)の粗密を発現させやすくなる。重合度が密な部分は疎な部分よりも屈折率が高くなるため、屈折率の高い部分と低い部分が形成される。このように屈折率の高低部分が形成されると、屈折率の高い部分が導波モードとなり、より多くの光が高屈折率部分を通るようになる。このため、重合度が密で屈折率が高くなった領域の下部での光重合性組成物の光反応は重合度の粗密がより強調されて進行し、マトリックス中に屈折率が異なる複数の柱状構造体が形成されると考えられる。
このような2官能以上の多官能モノマーの具体例としては、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、水添ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、多官能のエポキシ(メタ)アクリレート、多官能のウレタン(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルクロレンデート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート等が挙げられ、これらを単独であるいは2種以上の混合物として使用することができる。
中でも、分子内に3個以上の重合性炭素−炭素二重結合を有する多官能性モノマーが、重合度の粗密がより大きくなり柱状構造体が形成されやすくなることから好ましい。特に、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3個以上の重合性炭素−炭素二重結合を有する多官能性モノマーが好ましい。
光重合性組成物として2種以上の多官能モノマーあるいはオリゴマーを使用する場合には、それぞれの単独重合体としたときに互いに屈折率が異なるものを使用することが、回折、偏向、拡散などの光学機能を効率よく発現させることができる点から好ましく、特に、その屈折率差が大きいものを組み合わせることが好ましい。この場合、その屈折率差が0.01以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましい。なお、3種以上の多官能モノマーあるいはオリゴマーを使用する場合は、それぞれの単独重合体の少なくともいずれか2つの屈折率差が上記範囲内となるようにすればよい。また、単独重合体の屈折率差が最も大きい2つのモノマーあるいはオリゴマーは、回折、偏向、拡散などの光学機能を効率よく発現させることから、重量比で10:90〜90:10の割合で用いることが好ましい。
本発明においては、光重合性組成物として、上記のような多官能モノマーあるいはオリゴマーとともに、分子内に1個の重合性炭素―炭素二重結合を有する単官能モノマーあるいはオリゴマーを使用してもよい。このような単官能モノマーあるいはオリゴマーとしては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等を含有するものが特に好ましい。
単官能モノマーの具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、フェニル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、p−ブロモベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物;スチレン、p−クロロスチレン、ビニルアセテート、アクリロニトリル、N-ビニルピロリドン、ビニルナフタレン等のビニル化合物;エチレングリコールビスアリルカーボネート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート等のアリル化合物等が挙げられる。
これら単官能モノマーあるいはオリゴマーの使用量は、成形体に柔軟性を付与するために用いられ、多官能モノマーあるいはオリゴマーとの合計量のうち10〜99質量%の範囲とすることが好ましく、より好ましくは10〜50質量%の範囲である。
また、光重合性組成物として、前記多官能モノマーあるいはオリゴマーと重合性炭素―炭素二重結合を持たない化合物を含む均一溶解混合物を用いることもできる。重合性炭素―炭素二重結合を持たない化合物としては、例えば、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ナイロン等のポリマー類、トルエン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアルコール、エチルアルコール、酢酸エチル、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランのような低分子化合物、有機ハロゲン化合物、有機ケイ素化合物、可塑剤、安定剤のような添加剤等が挙げられる。
これら重合性炭素―炭素二重結合を持たない化合物は、成形体を製造する際の光重合性組成物の粘度を低下させ取り扱い性を良くするために使用され、多官能モノマーあるいはオリゴマーとの合計量のうち1〜99質量%の範囲とすることが好ましい。さらに、規則的な配列を持った柱状構造体を効率的に形成させるためには、1〜50質量%の範囲とすることが好ましい。
本発明において、光重合性組成物に使用する光重合開始剤は、紫外線等の活性エネルギー線を照射して重合を行う通常の光重合で用いられるものであれば、特に限定されるものではく、例えば、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、p-t−ブチルトリクロロアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)-ブタノン−1、ジベンゾスベロン等が挙げられる。
これら光重合開始剤の使用量は、その他の光重合性組成物100重量部に対して0.001〜10重量部の範囲で使用することが好ましく、成形体の透明性を落とさないようにするためには0.01〜5重量部の範囲とすることがより好ましい。
本発明の成形体は、マトリックス中に、マトリックスと屈折率が異なる複数の柱状構造体が一方向に配向しており、この配向方向と垂直な面内において柱状構造体が二次元的に規則性を有して配置されている。柱状構造体としては、円柱状、楕円柱状、角柱状等ものが挙げられる。この柱状構造体の規則性は、基本並進ベクトルa、bで構成される二次元のブラベー格子で表され、単位格子が、図2〜6に示される正方、六方、単純長方、面心長方、斜方の5種の格子のいずれかとなる。これら単位格子は、表1に示すベクトルaとbの大きさと、それらのなす角φによって表される。中でも、円柱状構造体が、六方格子状(図7に、マトリックス2中に円柱状構造体3が配列した状態を模式的に示す。)あるいは正方格子状に配置されたものは、3軸あるいは2軸の回折パターンが発生し、一つの成形体において多軸の光分離ができることから、光学的ローパスフィルター等の光学物品として好ましい。なお、六方格子とは、三角格子とハニカム格子を含むものである。
本発明の成形体において、その規則性は、より好ましくは二次までのパターンが得られるものであるが、偏向などのような用途によっては図8に示したような一次までの回折パターンのものでも良い。
Figure 0004827164
このような80nm以上1000μm以下程度のオーダーで柱状構造体が規則的に配列した構造を有する本発明の成形体は、図9に示したように柱状構造体の配向方向から試料7にレーザ光源5を使用してレーザ光線6を照射した時に、スクリーン8上に柱状構造体の規則性に基づく回折パターン9が観察される。
プラスチックフィルムを始めとする高分子固体の結晶化や相分離に基づく高次構造を評価する方法として、高分子固体にレーザ光線を照射して、その構造に反映して生じる散乱パターンを検出する光散乱法と呼ばれる方法がある。図10に、光拡散法に使用される光学系を示した。レーザ光源5からのレーザ光線6を、偏光子10を通して試料7に照射し、試料7の内部の構造に起因した散乱光を、検光子11を通して後方のスクリーン8へ投影し散乱パターン12を観察する。ここで、矢印13は偏光子10および検光子11を通過した後の光の偏光方向を示す。図10に示すように、偏光方向が直行する場合の光学系をHv散乱、平行な場合をVv散乱と呼んでいる。Hv散乱から試料の光学的異方性の情報が、Vv散乱から試料の密度揺らぎや光学的異方性に関する情報が得られる。このような光学系で結晶性高分子として知られるポリエチレンの光散乱パターンを観察すると、このポリエチレン結晶が放射状の光学異方性を有する球晶を形成することに基づいて、図10に示したようなクローバー型の散乱パターン12が観察される。
これに対して、本発明のように80nm以上1000μm以下オーダーで柱状構造体が六方格子状や正方格子状等の規則性を有して配列している成形体においては、図10の光学系のうちで検光子11を取り除いた光学系で散乱パターンをスクリーン8上に投影した場合に、柱状構造体の規則性配置に基づいた光の干渉効果により回折パターンが得られる。本発明において、回折パターンが得られるとは、図14に示したような回折パターンが観察されることをいう。
本発明において、成形体の形状としては、その用途に応じて適宜設定されるものであるが、本発明は、光学用途に使用される部材として一般的に使用されるシートやフィルムに特に適したものである。
次に、本発明の成形体の製造方法について説明する。
前述したような重合性組成物を、図11に示すような成形型14(セル)の空隙部に充填する。図11は、成形型14の上方からの平面図および断面図を示している。次いで、成形型14の厚み方向から紫外線等の活性エネルギー線の平行光を照射して、成形型14中の重合性組成物を重合硬化して成形体を得る。成形型13としては、少なくとも上部カバー15等の光照射側の部材が、照射光源の波長に対して光学的な吸収のない光透過性のものが用いられ、具体的には、パイレックス(登録商標)ガラスや石英ガラス、フッ素化(メタ)アクリル樹脂等の透明プラスチック材料等を使用することができる。成形型14としては、成形する成形体の形状に応じた種々の形状のものが使用でき、例えば、図11に示したような矩形のもの他、フィルム形状の成形体を得る場合には、二枚のガラス板の間に空隙を設け、その空隙内に光重合性混合物を保持するようにしてもよい。
本発明においては、前述のような光重合性組成物を光重合する際には、重合が阻害されないように光重合性組成物が空気に接しないように、成形型14中に液密にして封入することが好ましい。
このような状態で成形型14中に封入された重合性組成物に紫外線等の活性エネルギー線を平行光として照射して、重合性組成物を重合硬化させる。この際、照射する平行光は、柱状構造体の規則的な配列を形成させるためには、光の進行方向に対して垂直断面内の光強度分布が略一定であることが好ましい。使用される光源としては、特に限定されるものではないが、例えば、点光源や棒状光源からの光をミラーやレンズ等により光強度分布が略一定(ハット型分布)の平行光としたもの、VCSEL等の面状光源等が挙げられる。照射する光の平行度としては、柱状構造体の規則的な配列を形成させるためには、ビーム広がり角が±0.03rad以下であるものが好ましく、より好ましくは±0.001rad以下の範囲である。ここで、レーザ光線は平行度の点では好ましい光源であるが、その光強度分布がガウス型の分布を有しているため、適当なフィルター等を用いて光強度分布を略一定にして使用することが好ましい。
また、本発明において、成形体に形成させる柱状構造体を規則性高く配列させるには、成形体の膜厚方向に垂直な平面内において重合反応を均一に進めることが好ましく、光強度分布、図12に示すように照射エリアの複数点(I〜IX)の光強度を測定し、下記式(1)で与えられる照度分布の値が、2.0%以下であるものが好ましく、1.0%以下であるものがより好ましい。
Figure 0004827164
また、本発明においては、柱状構造体の規則的な配列を得るためには、照射光の波長幅が狭いほうが好ましい。照射光の波長幅としては、半値全幅で100nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
単独の重合体の屈折率が1.489であるメチルメタクリレート50質量部と同じく単独の重合体の屈折率が1.535であるトリメチロールプロパントリアクリレート50質量部からなる混合物に、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1質量部を溶解させ光重合性組成物を得た。得られた光重合性組成物を、図11に示したような50mm×50mm、厚さ0.1mmのガラスセル中にフィルム状に封入した。次いで、上部カバー15の表面に対して垂直方向から、ビームの広がり角が±0.001rad以下であり、光の進行方向に対して垂直断面内の光強度分布における照度分布が2.0%以下である紫外線を照射して、光重合性組成物を重合硬化してプラスチックフィルムを得た。なお、光源には、図13に示すような発光スペクトルを有する超高圧水銀灯を使用した平行光紫外線照射装置を用い、干渉フィルターにより中心波長365nm、半値全幅10nmの単色光を取り出して照射した。
得られたプラスチックフィルムに、図9に示したように、膜厚方向から波長532nmのレーザ光線を照射して、回折パターンの評価を行ったところ、図14に示したようにポリマー内部の膜厚方向に垂直な面内で直径2μmの円柱状構造体が周期5μmで六方格子状に配列したことに起因する回折パターンが観察された。また、得られたプラスチックフィルムを偏光顕微鏡で観察し、その画像を図15に示した。この偏光顕微鏡画像のフーリエ変換画像は、図16に示すように、円柱状構造体が六方格子状に配列したことに起因するパターンが観察された。
(実施例2)
光重合性組成物として、単独の重合体の屈折率が1.537であるペンタエリスリトールテトラアクリレート100質量部に2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)-ブタノン−1を1質量部溶解させ光重合性組成物を得た。次いで、広がり角が±0.001rad以下であり、光の進行方向に対して垂直断面内の光強度分布における照度分布が2.0%以下である紫外線を照射して、光重合性組成物を重合硬化してプラスチックフィルムを得た。なお、光源には、図13に示すような発光スペクトルを有する超高圧水銀灯を使用した平行光紫外線照射装置を用い、紫外透過フィルター(駿河精機社製U360)により半値全幅が100nmの波長250〜400nmの紫外光を用いた。
得られたプラスチックフィルムを実施例1と同様にして回折パターンの評価を行ったところ、実施例1と同様にポリマー内部の膜厚方向に垂直な面内で直径2μmの円柱状構造体が周期6μmで六方格子状に配列したことに起因する回折パターンが得られた。
(比較例1)
図13に示すような発光スペクトルを有する超高圧水銀灯を使用した平行光紫外線照射装置を用い、広がり角が±0.001rad以下であり、光の進行方向に対して垂直断面内の光強度分布における照度分布が2.0%以下である紫外線を光学フィルター等を介することなく光重合性組成物を充填したガラス製セルに照射しプラスチックフィルムを得た。光重合性組成物は、単独の重合体の屈折率が1.535であるトリメチロールプロパントリアクリレート100質量部に、光重合開始剤として1質量部の2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)-ブタノン−1を溶解させ得た。得られたプラスチックフィルムを実施例1と同様にして回折パターンの評価を行ったところ、図17に示した光散乱像が得られ、特徴的なパターンは観察されなかった。また、得られたプラスチックフィルムを偏光顕微鏡で観察し、その画像を図18に示した。この偏光顕微鏡画像のフーリエ変換画像でも、特徴的なパターンは観察されなかった。
本発明の成形体を模式的に示す図面である。 正方格子の説明図である。 六方格子の説明図である。 単純長方格子の説明図である。 面心長方格子の説明図である。 斜方格子の説明図である。 本発明の成形体の円柱状構造体の規則性配列を模式的に示す図面である。 一次回折パターンを模式的に示す図面 成形体の回折パターンを測定する概略構成図である。 光散乱法の光学系の概略構成図である。 本発明の成形体を製造する成形型であるセルの構造を示す上方平面図および断面図である。 照射光の照度分布を測定する測定点を示す図面である。 本発明で使用する超高圧水銀灯の発光スペクトルを示す図面である。 本発明の成形体で観察される回折スポットを示す図面である。 本発明の成形体の偏光顕微鏡画像を示す図面である。 本発明の成形体の偏光顕微鏡画像のフーリエ変換画像を示す図面である。 比較例の成形体で観察される光散乱像を示す図面である。 比較例の成形体の偏光顕微鏡画像を示す図面である。
符号の説明
1 成形体
2 マトリックス
3 円柱状構造体
4 一次回折パターン
5 レーザ光源
6 レーザ光線
7 試料
8 スクリーン
9 回折スポット
10 偏光子
11 検光子
12 散乱パターン
13 偏光方向を示す矢印
14 成形用セル
15 上部カバー

Claims (2)

  1. 2官能以上の多官能モノマーあるいはオリゴマーと光重合開始剤とを含有する光重合性組成物に、広がり角が0.03rad以下であり、半値全幅が100nm以下であり、波長250〜400nmの平行光を照射し、前記光重合性組成物を重合することを特徴とする光学物品成形体の製造方法。
  2. 前記光重合性組成物を少なくとも光照射側が光透過性である成形型に注入した後に、該光重合性組成物に平行光を照射することを特徴とする請求項1記載の光学物品成形体の製造方法。
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