JP2008133849A - スラストベアリングの位置決め構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】スラストベアリングの位置決め構造において、分離可能な一対のレースを有するスラストベアリングを確実に位置決めする。
【解決手段】遊星歯車装置13のプラネタリキャリア17のハブ部17Aとリングギヤブレーキハブ28のフランジ部29との間にスラストベアリング32を介装する。スラストベアリング32のインナレースをプラネタリキャリア17の軸部17Bの外周面33によって位置決めする。リングギヤブレーキハブ28のフランジ部29に凸部34を形成してスラストベアリング32のアウタレースを位置決めする。遊星歯車装置13は、トランスアクスルケースに組込む際、天地を反転させたとき、ハブ部17Aとフランジ部29との隙間が大きくなるが、スラストベアリング32のインナレース及びアウタレースは、それぞれ外周面33及び凸部34によって位置決めされるので、位置ずれすることがない。
【選択図】図1
【解決手段】遊星歯車装置13のプラネタリキャリア17のハブ部17Aとリングギヤブレーキハブ28のフランジ部29との間にスラストベアリング32を介装する。スラストベアリング32のインナレースをプラネタリキャリア17の軸部17Bの外周面33によって位置決めする。リングギヤブレーキハブ28のフランジ部29に凸部34を形成してスラストベアリング32のアウタレースを位置決めする。遊星歯車装置13は、トランスアクスルケースに組込む際、天地を反転させたとき、ハブ部17Aとフランジ部29との隙間が大きくなるが、スラストベアリング32のインナレース及びアウタレースは、それぞれ外周面33及び凸部34によって位置決めされるので、位置ずれすることがない。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両の動力伝達装置等に使用される分離可能な一対のレースを有するスラストベアリングの位置決め構造に関するものである。
一例として車両に搭載される動力伝達装置である自動変速機の組立工程の一部について、図6及び図7を参照して説明する。図7に示すように、自動変速機1は、前輪駆動の車両に搭載されるトランスアクスルであって、ケース2内に遊星歯車装置3、終減速機構4、差動装置5及びトルクコンバータ(図示せず)等が組込まれて一体化される。図6に示すように、遊星歯車装置3は、サンギヤ6、プラネタリピニオン7、プラネタリキャリア8、これら各要素の回転を適宜ロックして減速比を切換えるための多板式クラッチ・ブレーキ10等を備えており、プラネタリキャリア8のハブ部8Aとブレーキハブ11のフランジ部11Aとの間にスラストベアリング12が介装されている。この種の遊星歯車装置については、例えば特許文献1に記載されている。
特開2006−132633号公報
遊星歯車装置3は、図6に示すように、プラネタリキャリア8のハブ部8Aの上方にブレーキハブ11のフランジ部11Aが配置される姿勢で組立てられる。このとき、スラストベアリング12は、下方に位置するプラネタリキャリア8の軸部8Bの基部に内周部が嵌合してプラネタリキャリア8と同心上に位置決めすることができる。そして、図7に示すように、遊星歯車装置3は、図6に示す姿勢から天地を反転した状態で、終減速機構4及び差動装置5等が装着されたケース2内に組込まれる。
遊星歯車装置3をケース2に組込む時点では、ブレーキハブ11は軸方向に遊びを有しているため、遊星歯車装置3を反転させたとき、図8に示すように、ブレーキハブ11が下方へ移動して、プラネタリキャリア8のハブ部8Aとブレーキハブ11のフランジ部11Aとの間に軸方向の隙間Cが形成される。なお、フランジ部11Aには、その強度及び剛性を高めるために、円周方向に沿って環状のビード11Bが形成されている。ここで、軸の結合及びギヤの噛み合わせを行うため、遊星歯車装置3を揺すったり、たたいたりすると、スラストベアリング12がプラネタリキャリア8のハブ部8Aから落下して中心位置がずれてしまうことがある。そこで、従来は、スラストベアリング12に潤滑剤等を塗布してプラネタリキャリア8側に貼り付けることにより、スラストベアリング12の位置ずれを防止している。
しかしながら、上記従来のスラストベアリングの位置決め方法では、次のような問題がある。従来は、スラストベアリング12として、インナレース12A、アウタレース12B及び転動体12Cが一体化されたものが使用されていたが、より潤滑性に優れたインナレース12Aとアウタレース12Bが分離可能なタイプのスラストベアリング12を使用した場合、図9に示すように、アウタレース12Bが分離してブレーキハブ11のフランジ部11A側に落下しやすくなり、アウタレース12Bの位置のずれが問題となる。このように、アウタレース12Bの位置がずれた状態で自動変速機1の組立が行われると、図10に示すように、アウタレース12Bと転動体12Cとが干渉して、スラストベアリング12の損傷、焼付の原因となる。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、分離可能な一対のレースを有するスラストベアリングを確実に位置決めすることができるスラストベアリングの位置決め構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係るスラストベアリングの位置決め構造は、互いに同心上に配置されて相対回転する第1回転部材及び第2回転部材と、該第1、第2回転部材間に介装されたスラストベアリングとを備え、該スラストベアリングは、前記第1回転部材に係合する第1レースと、前記第2回転部材に係合する第2レースと、該第1、第2レース間に介装された転動体とを備え、前記第1レースと前記第2レースとが分離可能であり、前記第1回転部材には、前記第1レースを同心上に位置決めする第1位置決め部が形成され、前記第2回転部材には、前記第2レースを同心上に位置決めする第2位置決め部が形成されていることを特徴とする。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の(1)、(2)及び(3)の内容がそれぞれ請求項1、2及び3に対応する。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の(1)、(2)及び(3)の内容がそれぞれ請求項1、2及び3に対応する。
(1) 互いに同心上に配置されて相対回転する第1回転部材及び第2回転部材と、該第1、第2回転部材間に介装されたスラストベアリングとを備え、該スラストベアリングは、前記第1回転部材に係合する第1レースと、前記第2回転部材に係合する第2レースと、該第1、第2レース間に介装された転動体とを備え、前記第1レースと前記第2レースとが分離可能であり、前記第1回転部材には、前記第1レースを同心上に位置決めする第1位置決め部が形成され、前記第2回転部材には、前記第2レースを同心上に位置決めする第2位置決め部が形成されていることを特徴とするスラストベアリングの位置決め構造(請求項1)。
第1レースと第2レースとを分離可能なスラストベアリングに対して、第1及び第2レースをそれぞれ第1及び第2回転部材の第1及び第2位置決め部によって位置決めすることにより、スラストベアリングの位置ずれを防止することができる。スラストベアリングは、第1レースと第2レースとを分離可能にすることにより、これらが一体化されたものに比して潤滑性を高めることが可能になる。第1及び第2回転部材は、例えば動力伝達装置の軸、ハブ等の回転要素であり、車両用自動変速機の遊星歯車装置のプラネタリキャリア及びブレーキハブ等が含まれる。スラストベアリングの転動体は、第1レース又は第2レースと一体化されるか、あるいは、これらから分離できるものでもよい。
第1レースと第2レースとを分離可能なスラストベアリングに対して、第1及び第2レースをそれぞれ第1及び第2回転部材の第1及び第2位置決め部によって位置決めすることにより、スラストベアリングの位置ずれを防止することができる。スラストベアリングは、第1レースと第2レースとを分離可能にすることにより、これらが一体化されたものに比して潤滑性を高めることが可能になる。第1及び第2回転部材は、例えば動力伝達装置の軸、ハブ等の回転要素であり、車両用自動変速機の遊星歯車装置のプラネタリキャリア及びブレーキハブ等が含まれる。スラストベアリングの転動体は、第1レース又は第2レースと一体化されるか、あるいは、これらから分離できるものでもよい。
(2)上記(1)の構成において、前記第2回転部材は、前記第1回転部材に対向するフランジ部を有し、前記第2位置決め部は、前記フランジ部に形成された円周方向に延びる凸部であることを特徴とするスラストベアリングの位置決め構造(請求項2)。
フランジ部に円周方向に延びる凸部を形成することにより、フランジ部の強度及び剛性を高めることができる。なお、凸部は環状の1つの突起部とするほか、複数の突起部を環状に配置してもよい。
フランジ部に円周方向に延びる凸部を形成することにより、フランジ部の強度及び剛性を高めることができる。なお、凸部は環状の1つの突起部とするほか、複数の突起部を環状に配置してもよい。
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記第1位置決め部は、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に軸方向に所定の隙間があるとき、前記第1レースが前記隙間の分だけ前記第2回転部材側に軸方向に移動した場合でも同心上に位置決めできるように、軸方向に延びる案内部を有していることを特徴とするスラストベアリングの位置決め構造(請求項3)。
組付の際に第1回転部材及び第2回転部材の姿勢を反転させた場合等において、第1、第2回転部材間に隙間が生じて、第1レースが第2回転部材側に移動した場合でも、案内部によって第1レースの同心位置を保持することができる。
組付の際に第1回転部材及び第2回転部材の姿勢を反転させた場合等において、第1、第2回転部材間に隙間が生じて、第1レースが第2回転部材側に移動した場合でも、案内部によって第1レースの同心位置を保持することができる。
本発明に係るスラストベアリングの位置決め構造によれば、第1レースと第2レースとが分離可能なスラストベアリングに対して、第1及び第2レースをそれぞれ第1及び第2回転部材の第1及び第2位置決め部によって位置決めすることにより、スラストベアリングの位置ずれを防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図6乃至図10に示す従来例に対して同様の部分には同一の符号を付して説明する。
図1及び図2に本発明が適用される遊星歯車装置13を示す。遊星歯車装置13は、図6に示す従来例と同様、図7に示す自動変速機1のケース2内に組込まれるものである。遊星歯車装置13は、中心部に配置されたサンギヤ14と、その周囲に噛合わされた複数のプラネタリピニオン15と、これらのプラネタリピニオン15の外周に噛合うリングギヤ16と、プラネタリピニオン15を自転及び公転可能に支持するプラネタリキャリア17(第1回転部材)と、これらを支持する本体18とを備えている。
図1及び図2に本発明が適用される遊星歯車装置13を示す。遊星歯車装置13は、図6に示す従来例と同様、図7に示す自動変速機1のケース2内に組込まれるものである。遊星歯車装置13は、中心部に配置されたサンギヤ14と、その周囲に噛合わされた複数のプラネタリピニオン15と、これらのプラネタリピニオン15の外周に噛合うリングギヤ16と、プラネタリピニオン15を自転及び公転可能に支持するプラネタリキャリア17(第1回転部材)と、これらを支持する本体18とを備えている。
サンギヤ14は、円筒状に形成されており、本体18にベアリング19によって回転可能に支持された入力軸20及び入力軸20にスプライン結合された入力軸21が挿通されて、入力軸20のフランジ部20Aがスプライン結合されている。入力軸20、21は、エンジン、モータ等の駆動源によって駆動されるトルクコンバータ(図示せず)のタービン軸に連結される。
プラネタリキャリア17は、プラネタリピニオン15を支持する大径のハブ部17Aと、ハブ部17Aの一端側から軸方向に延出された円筒状の軸部17Bとを備えており、ハブ部17Aの内周部がベアリング22によって本体18に回転可能に支持されている。プラネタリキャリア17のハブ部17Aには、複数のピニオンシャフト23が取付けられてピン24によって固定されており、プラネタリピニオン15がピニオンシャフト23にベアリング25によって回転可能に支持されている。プラネタリキャリア17の軸部17Bには、軸部17Bと入力軸21との間に挿入された中空の中間軸26がスプライン結合されている。また、プラネタリキャリア17の外周部には、リングギヤ16の一部を覆う略円筒状のキャリアブレーキハブ27が取付けられている。
リングギヤ16の外周部には、略有底円筒状のリングギヤブレーキハブ28(第2回転部材)の円筒部が嵌合、固定されており、リングギヤブレーキハブ28の底部であるフランジ部29の中央部に設けられた開口部にプラネタリキャリア17の軸部17Bが挿通されている。
サンギヤ14と本体18との間、入力軸20のフランジ部20Aとプラネタリキャリア17との間及びプラネタリキャリア17のハブ部17Aとリングギヤブレーキハブ28のフランジ部29との間に、それぞれスラストベアリング30、31及び32が介装されている。
そして、キャリアブレーキハブ27及びリングギヤブレーキハブ28に多板式ブレーキ又はクラッチのプレートが連結されて、キャリアブレーキハブ27及びリングギヤブレーキハブ28、すなわち、プラネタリキャリア17及びリングギヤ16と本体18との相対回転を適宜ロックすることにより、減速比を切換えるようになっている。
図2に示すように、プラネタリキャリア17とリングギヤブレーキハブ28のフランジ部29との間に介装されたスラストベアリング32は、インナレース32A(第1レース)とアウタレース32B(第2レース)とこれらの間に介装された転動体32Cとを備え、インナレース32Aと転動体32Cとが一体化されたベアリングアセンブリとアウタレース32Bとが分離可能な分割構造となっている。このような分割構造を採用することにより、スラストベアリング32は、インナレース、アウタレース及び転動体が一体化され従来のスラストベアリングに比して潤滑性が高められている。
プラネタリキャリア17の軸部17Bの基部には、スラストベアリング32のインナレース32Aの内周部が嵌合する外周面33(第1位置決め部)が形成されている。また、リングギヤブレーキハブ28のフランジ部29には、プラネタリキャリア17側に突出する凸部34(第2位置決め部)が円周方向に沿って形成されており、スラストベアリング32のアウタレース32Bの外周部が凸部34の内周部に嵌合して同心上に位置決めされる。なお、凸部34は、環状の1つの突起部とするほか、複数の突起部を環状に配置してもよい。
図5に示すように、リングギヤブレーキハブ28のフランジ部29におけるスラストベアリング32の取付部の背面側には、スラストベアリング35(インナレース35Aのみ図示する)が取付けられる。スラストベアリング35は、インナレース35Aの内周部から突出された円筒状の保持部36がリングギヤブレーキハブ28のフランジ部29の開口部に圧入されることによってリングギヤブレーキハブ28に保持される。スラストベアリング35のインナレース35Aは、このほか、フランジ部29の開口部に挿入した保持部36をかしめてリングギヤブレーキハブ28に保持され、あるいは、フランジ部29に形成した係合部との係合によってリングギヤブレーキハブ28に保持されるようにしてもよい。
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
遊星歯車装置13は、図6及び図7に示す従来例と同様、プラネタリキャリア17の軸部17Bが上側に位置する姿勢(図1参照)で組立てられ、このとき、スラストベアリング32には潤滑剤等が塗布される。そして、組立てられた遊星歯車装置13は、図1に示す姿勢から天地が反転されてケース2に組込まれる。このとき、図3に示すように、リングギヤブレーキハブ28は、軸方向に遊びを有しているため、下方へ移動し、プラネタリキャリア17とリングギヤブレーキハブ28のフランジ部29との間に隙間が形成される。このとき、アウタレース32Bは、インナレース32Aから分離してフランジ部29と共に下方へ移動しても、外周部が凸部34の内周部に嵌合してリングギヤブレーキハブ28に同心上に位置決めされる。このようにして、遊星歯車装置13のケース2への組付け時にスラストベアリング32のアウタレース32Bの位置ずれを防止することができ、スラストベアリング32の組付け不良による損傷、焼付を防止することができる。
遊星歯車装置13は、図6及び図7に示す従来例と同様、プラネタリキャリア17の軸部17Bが上側に位置する姿勢(図1参照)で組立てられ、このとき、スラストベアリング32には潤滑剤等が塗布される。そして、組立てられた遊星歯車装置13は、図1に示す姿勢から天地が反転されてケース2に組込まれる。このとき、図3に示すように、リングギヤブレーキハブ28は、軸方向に遊びを有しているため、下方へ移動し、プラネタリキャリア17とリングギヤブレーキハブ28のフランジ部29との間に隙間が形成される。このとき、アウタレース32Bは、インナレース32Aから分離してフランジ部29と共に下方へ移動しても、外周部が凸部34の内周部に嵌合してリングギヤブレーキハブ28に同心上に位置決めされる。このようにして、遊星歯車装置13のケース2への組付け時にスラストベアリング32のアウタレース32Bの位置ずれを防止することができ、スラストベアリング32の組付け不良による損傷、焼付を防止することができる。
また、凸部34を設けることにより、フランジ部29の強度及び剛性が高まるので、従来の補強用のビード11Bの代わり凸部34を設けることができ、製造コストが高くなることがない。
次に本発明の第2実施形態について図4を参照して説明する。なお、上記第1実施形態に対して、同様の部分には同一の符号を用いて異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図4に示すように、本実施形態では、プラネタリキャリア17の軸部17Bの基部には、案内部37が形成されている。案内部37は、スラストベアリング32のインナレース32Aを位置決めする外周面33に沿って軸方向に延ばされ、また、円周方向に沿って複数配置されて、インナレース32Aの内周部に当接して、インナレース32Aをプラネタリキャリア17に対して同心上に位置決めするように形成されている。そして、遊星歯車装置13のケース2への組付時に、インナレース32A及び転動体32Cがプラネタリキャリア17のハブ部17Aから剥れてアウタレース32Bと共にリングギヤブレーキハブの28のフランジ部29側に落下した場合でも、案内部37によってインナレース32Aの内周面を案内して、その同心位置が維持されるようになっている。なお、案内部37は、軸部17Bの全周にわたって環状に形成してもよい。
このように構成したことにより、遊星歯車装置13をケース2に組付ける際。潤滑剤等によってプラネタリキャリア17に貼り付けられたインナレース32A及び転動体32Cが剥れて落下した場合でも案内部37によってインナレース32Aを案内してプラネタリキャリア17に対して同心上に維持することができ、スラストベアリング32の組付け不良による損傷、焼付を防止することができる。
17 プラネタリキャリア、28 リングギヤブレーキハブ、32 スラストベアリング、32A インナレース(第1レース)、32B アウタレース(第2レース)、32C 転動体、33 外周面(第1位置決め部)、34 凸部(第2位置決め部)、37 案内部
Claims (3)
- 相対回転する第1回転部材及び第2回転部材と、該第1、第2回転部材間に介装されたスラストベアリングとを備え、該スラストベアリングは、前記第1回転部材に係合する第1レースと、前記第2回転部材に係合する第2レースと、前記第1、第2レース間に介装された転動体とを備え、前記第1レースと前記第2レースとが分離可能であり、前記第1回転部材には、前記第1レースを同心上に位置決めする第1位置決め部が形成され、前記第2回転部材には、前記第2レースを同心上に位置決めする第2位置決め部が形成されていることを特徴とするスラストベアリングの位置決め構造。
- 前記第2回転部材は、前記第1回転部材に対向するフランジ部を有し、前記第2位置決め部は、前記フランジ部に形成された円周方向に延びる凸部であることを特徴とする請求項1に記載のスラストベアリングの位置決め構造。
- 前記第1位置決め部は、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間に軸方向に所定の隙間があるとき、前記第1レースが前記隙間の分だけ前記第2回転部材側に軸方向に移動した場合でも同心上に位置決めできるように、軸方向に延びる案内部を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のスラストベアリングの位置決め構造。
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Cited By (1)
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2006
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