JP2008133530A - 軸受鋼部品およびその製造方法並びに軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも転動疲労強度を一層向上させた軸受鋼部品を提供する。
【解決手段】成分組成を規定した素材を、800〜1000℃での総加工率が80%以上となる熱間加工工程と、700〜500℃の温度域を0.2℃/s以上の冷却速度で冷却する冷却工程、さらに、該冷却工程の前に700〜800℃未満の温度域で20%以上の加工を施すか、あるいは該冷却工程の後にA1点変態点以下の温度域で20%以上の加工を施す第2加工工程を施す。その後に素材の少なくとも一部分に、昇温速度400℃/s以上かつ到達温度1000℃以下で滞留時間を5秒以下の高周波加熱を1回以上施し、焼入れ組織の旧オーステナイト粒の平均粒径を12μm以下かつ最大粒径を平均粒径の4倍以下とする。
【選択図】なし
【解決手段】成分組成を規定した素材を、800〜1000℃での総加工率が80%以上となる熱間加工工程と、700〜500℃の温度域を0.2℃/s以上の冷却速度で冷却する冷却工程、さらに、該冷却工程の前に700〜800℃未満の温度域で20%以上の加工を施すか、あるいは該冷却工程の後にA1点変態点以下の温度域で20%以上の加工を施す第2加工工程を施す。その後に素材の少なくとも一部分に、昇温速度400℃/s以上かつ到達温度1000℃以下で滞留時間を5秒以下の高周波加熱を1回以上施し、焼入れ組織の旧オーステナイト粒の平均粒径を12μm以下かつ最大粒径を平均粒径の4倍以下とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、転送面に焼入れによる硬化層をそなえる、軸受鋼部品およびその製造方法、さらには、前記軸受鋼部品を用いた軸受に関するものである。
軸受は、自動車、機械などの回転部品に利用されており、優れた転動疲労特性が要求される。転動疲労特性を向上する方法としては、例えば、特許文献1に記載されているように、軸受鋼の加熱方法を規定する手法があり、旧オーステナイト粒径を平均4.0μm以下に微細化することで、転動疲労寿命2倍以上を達成している。この特許文献1に記載の技術では、軸受鋼の旧オーステナイト粒径の平均粒径の微細化によりある程度の疲労強度の向上を図っているものの、平均旧オーステナイト粒径が微細であっても、焼入れ組織中に粗大な旧γ粒が残留する場合があり、これが転送面に存在する場合には、所期した転動疲労強度の向上効果が得られない場合があり、改良の余地があった。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、従来よりも転動疲労強度を一層向上させた軸受鋼部品を、さらにはこれらを用いた軸受をその有利な製造方法と共に提案することを目的とする。ここで、本発明で言う軸受鋼部品とは、ベアリング内外輪、軸受ボール、軸受ころおよびニードルなどの軸受を構成する部品であって、素材として鋼が用いられているものを指す。
さて、発明者らは、前記したような疲労特性を効果的に向上させるべく、特に転送面に形成させる焼入れ組織について鋭意検討を行った。
その結果、焼入れ組織の旧オーステナイト粒の粒径分布に着目し、旧オーステナイト粒の平均粒径および最大粒径を微細化することにより、転動疲労強度が改善することを見出すに到った。
その結果、焼入れ組織の旧オーステナイト粒の粒径分布に着目し、旧オーステナイト粒の平均粒径および最大粒径を微細化することにより、転動疲労強度が改善することを見出すに到った。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
(i)転送面に焼入れを施した軸受鋼部品であって、該焼入れ組織は、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下であることを特徴とする軸受鋼部品。
(i)転送面に焼入れを施した軸受鋼部品であって、該焼入れ組織は、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下であることを特徴とする軸受鋼部品。
(ii)C:0.3〜1.5mass%、
Si:3.0mass%以下および
Mn:2.0mass%以下
を含有し、かつ下記式(1)を満足し、残部はFeおよび不可避不純物の成分組成を有することを特徴とする前記(i)に記載の軸受鋼部品。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)>2.0 ・・・(1)
Si:3.0mass%以下および
Mn:2.0mass%以下
を含有し、かつ下記式(1)を満足し、残部はFeおよび不可避不純物の成分組成を有することを特徴とする前記(i)に記載の軸受鋼部品。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)>2.0 ・・・(1)
(iii)前記成分組成として、さらに、
Al: 0.25mass%以下
を含有することを特徴とする前記(ii)に記載の軸受鋼部品。
Al: 0.25mass%以下
を含有することを特徴とする前記(ii)に記載の軸受鋼部品。
(iv)前記成分組成として、さらに、
Cr:2.5mass%以下、
Mo:1.0mass%以下、
Cu:1.0mass%以下、
Ni:2.5mass%以下、
Co:1.0mass%以下、
V:0.5mass%以下および
W:1.0mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、かつ前記式(1)に替えて下記式(2)を満足することを特徴とする前記(ii)または(iii)に記載の軸受鋼部品。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)(1+2.1Cr)(1+3.0Mo)(1+0.4Cu)(1+0.3Ni)(1+5.0V)(1+0.5W)>2.0 ・・・(2)
Cr:2.5mass%以下、
Mo:1.0mass%以下、
Cu:1.0mass%以下、
Ni:2.5mass%以下、
Co:1.0mass%以下、
V:0.5mass%以下および
W:1.0mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、かつ前記式(1)に替えて下記式(2)を満足することを特徴とする前記(ii)または(iii)に記載の軸受鋼部品。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)(1+2.1Cr)(1+3.0Mo)(1+0.4Cu)(1+0.3Ni)(1+5.0V)(1+0.5W)>2.0 ・・・(2)
(v)前記成分組成として、
Ti:0.1mass%以下、
Nb:0.1mass%以下、
Zr:0.1mass%以下、
B:0.01mass%以下、
Ta:0.5mass%以下、
Hf:0.5mass%以下および
Sb:0.015mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、かつ前記式(1)又は(2)に替えて下記式(3)を満足することを特徴とする前記(ii)、(iii)または(iv)に記載の軸受鋼部品。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)(1+2.1Cr)(1+3.0Mo)(1+0.4Cu)(1+0.3Ni)(1+5.0V)(1+1000B)(1+0.5W)>2.0 ・・・(3)
Ti:0.1mass%以下、
Nb:0.1mass%以下、
Zr:0.1mass%以下、
B:0.01mass%以下、
Ta:0.5mass%以下、
Hf:0.5mass%以下および
Sb:0.015mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、かつ前記式(1)又は(2)に替えて下記式(3)を満足することを特徴とする前記(ii)、(iii)または(iv)に記載の軸受鋼部品。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)(1+2.1Cr)(1+3.0Mo)(1+0.4Cu)(1+0.3Ni)(1+5.0V)(1+1000B)(1+0.5W)>2.0 ・・・(3)
(vi)前記成分組成として、さらに
S:0.1mass%以下、
Pb:0.1mass%以下、
Bi:0.1mass%以下、
Se:0.1mass%以下、
Te:0.1mass%以下、
Ca:0.01mass%以下、
Mg:0.01mass%以下および
REM:0.1mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする前記(ii)乃至(v)のいずれかに記載の軸受鋼部品。
S:0.1mass%以下、
Pb:0.1mass%以下、
Bi:0.1mass%以下、
Se:0.1mass%以下、
Te:0.1mass%以下、
Ca:0.01mass%以下、
Mg:0.01mass%以下および
REM:0.1mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする前記(ii)乃至(v)のいずれかに記載の軸受鋼部品。
(vii)前記軸受鋼部品は、軸受用の球あるいはコロであることを特徴とする前記(i)乃至(vi)に記載の軸受鋼部品。
(viii)前記軸受鋼部品は、軸受内輪あるいは軸受外輪であることを特徴とする前記(i)乃至(vi)に記載の軸受鋼部品。
(ix)微細なベイナイト組織および微細なマルテンサイト組織のいずれか一方または両方を合計で10体積%以上含有する鋼材を素材として、該素材の少なくとも一部分に、昇温速度400℃/s以上かつ到達温度1000℃以下の高周波加熱を1回以上施すことを特徴とする軸受鋼部品の製造方法。
(x)前記(ix)において、前記素材は、800〜1000℃での総加工率が80%以上となる熱間加工工程と、該熱間加工工程後に700〜500℃の温度域を0.2℃/s以上の冷却速度で冷却する冷却工程と、さらに、該冷却工程の前に700〜800℃未満の温度域で20%以上の加工を施すか、あるいは該冷却工程の後にA1点変態点以下の温度域で20%以上の加工を施す第2加工工程と、を経て製造することを特徴とする軸受鋼部品の製造方法。
(xi)前記(ix)または(x)において、1回の高周波加熱における800℃以上の滞留時間を5秒以下とすることを特徴とする軸受鋼部品の製造方法。
(xii)前記鋼材は、
C:0.3〜1.5mass%、
Si:3.0mass%以下および
Mn:2.0mass%以下
を含有し、かつ下記式(1)を満足し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成であることを特徴とする前記(ix)乃至(xi)のいずれかに記載の軸受鋼部品の製造方法。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)>2.0 ・・・(1)
(xiii)前記鋼材は、さらに、
Al:0.25mass%以下
を含有することを特徴とする前記(xii)に記載の軸受鋼部品の製造方法。
C:0.3〜1.5mass%、
Si:3.0mass%以下および
Mn:2.0mass%以下
を含有し、かつ下記式(1)を満足し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成であることを特徴とする前記(ix)乃至(xi)のいずれかに記載の軸受鋼部品の製造方法。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)>2.0 ・・・(1)
(xiii)前記鋼材は、さらに、
Al:0.25mass%以下
を含有することを特徴とする前記(xii)に記載の軸受鋼部品の製造方法。
(xiv) 前記鋼材は、さらに、
Cr:2.5mass%以下、
Mo:1.0mass%以下、
Cu:1.0mass%以下、
Ni:2.5mass%以下、
Co:1.0mass%以下、
V:0.5mass%以下および
W:1.0mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、かつ前記式(1)に替えて下記式(2)を満足する組成であることを特徴とする前記(xii)または(xiii)に記載の軸受鋼部品の製造方法。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)(1+2.1Cr)(1+3.0Mo)(1+0.4Cu)(1+0.3Ni)(1+5.0V)(1+0.5W)>2.0 ・・・(2)
Cr:2.5mass%以下、
Mo:1.0mass%以下、
Cu:1.0mass%以下、
Ni:2.5mass%以下、
Co:1.0mass%以下、
V:0.5mass%以下および
W:1.0mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、かつ前記式(1)に替えて下記式(2)を満足する組成であることを特徴とする前記(xii)または(xiii)に記載の軸受鋼部品の製造方法。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)(1+2.1Cr)(1+3.0Mo)(1+0.4Cu)(1+0.3Ni)(1+5.0V)(1+0.5W)>2.0 ・・・(2)
(xv)前記成分組成として、さらに、
Ti:0.1mass%以下、
Nb:0.1mass%以下、
Zr:0.1mass%以下、
B:0.01mass%以下、
Ta:0.5mass%以下、
Hf:0.5mass%以下および
Sb:0.015mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、かつ前記式(1)又は(2)に替えて下記式(3)を満足することを特徴とする前記(xii)乃至(xiv)のいずれかに記載の軸受鋼部品の製造方法。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)(1+2.1Cr)(1+3.0Mo)(1+0.4Cu)(1+0.3Ni)(1+5.0V)(1+1000B)(1+0.5W)>2.0 ・・・(3)
Ti:0.1mass%以下、
Nb:0.1mass%以下、
Zr:0.1mass%以下、
B:0.01mass%以下、
Ta:0.5mass%以下、
Hf:0.5mass%以下および
Sb:0.015mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、かつ前記式(1)又は(2)に替えて下記式(3)を満足することを特徴とする前記(xii)乃至(xiv)のいずれかに記載の軸受鋼部品の製造方法。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)(1+2.1Cr)(1+3.0Mo)(1+0.4Cu)(1+0.3Ni)(1+5.0V)(1+1000B)(1+0.5W)>2.0 ・・・(3)
(xvi)前記成分組成として、さらに
S:0.1mass%以下、
Pb:0.1mass%以下、
Bi:0.1mass%以下、
Se:0.1mass%以下、
Te:0.1mass%以下、
Ca:0.01mass%以下、
Mg:0.01mass%以下および
REM:0.1mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする前記(xii)乃至(xiv)のいずれかに記載の軸受鋼部品の製造方法。
S:0.1mass%以下、
Pb:0.1mass%以下、
Bi:0.1mass%以下、
Se:0.1mass%以下、
Te:0.1mass%以下、
Ca:0.01mass%以下、
Mg:0.01mass%以下および
REM:0.1mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする前記(xii)乃至(xiv)のいずれかに記載の軸受鋼部品の製造方法。
(xvii)前記軸受鋼部品は、軸受用の球あるいはコロであることを特徴とする前記(ix)乃至(xvi)に記載の軸受鋼部品の製造方法。
(xviii)前記軸受鋼部品は、軸受内輪あるいは軸受外輪であることを特徴とする前記(ix)乃至(xvi)に記載の軸受鋼部品の製造方法。
(xix)軸受の球あるいはコロとして、前記(vii)記載の軸受鋼部品が用いられてなる軸受。
(xx)軸受の内輪あるいは外輪として、前記(viii)記載の軸受鋼部品が用いられてなる軸受。
本発明によれば、転動疲労特性に優れた軸受鋼部品や軸受を安定して得ることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の軸受鋼部品は、鋼素材、好適には棒鋼あるいは鋼線材を、成型工程(鍛造・切削など)を経てベアリング内外輪、軸受ボール、軸受ころおよびニードルなどの軸受を構成する部品の形状に加工した後、転走面もしくは部品全体に焼入れを施して製造される。
鋼部品としては、上記のベアリング内外輪、軸受ボール(鋼球)、軸受ころおよびニードルなど、部品毎に様々な形状並びに構造に成るが、いずれにおいても、特に転動疲労強度が要求される転送面または全部に焼入れを施した硬化層を有し、この硬化層の焼入れ組織は、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下、さらに最大粒径が平均粒径の4倍以下であることが肝要である。
本発明の軸受鋼部品は、鋼素材、好適には棒鋼あるいは鋼線材を、成型工程(鍛造・切削など)を経てベアリング内外輪、軸受ボール、軸受ころおよびニードルなどの軸受を構成する部品の形状に加工した後、転走面もしくは部品全体に焼入れを施して製造される。
鋼部品としては、上記のベアリング内外輪、軸受ボール(鋼球)、軸受ころおよびニードルなど、部品毎に様々な形状並びに構造に成るが、いずれにおいても、特に転動疲労強度が要求される転送面または全部に焼入れを施した硬化層を有し、この硬化層の焼入れ組織は、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下、さらに最大粒径が平均粒径の4倍以下であることが肝要である。
以下に、この知見を得るに到った研究結果について説明する。
下記a鋼またはb鋼に示す成分組成の鋼素材を150kg真空溶解炉にて溶製し、150mm角に熱間鍛造後、ダミービレットを製造し、種々の条件にて熱間加工、冷間引き抜き加工を行った後、切削を施して12mmΦの棒鋼とした。
記
[a鋼]C:0.48mass%、Si:0.55mass%、Mn:0.78mass%、P:0.011mass%、S:0.019mass%、Al:0.024mass%、N:0.0043mass%、残部Feおよび不可避不純物。
[b鋼]C:0.48mass%、Si:0.51mass%、Mn:0.79mass%、P:0.011mass%、S:0.021mass%、Al:0.024mass%、N:0.0039mass%、Mo:0.45mass%、Ti:0.021mass%、B:0.0024mass%、残部Feおよび不可避不純物。
この棒鋼の表面に種々の条件にて高周波焼入れを施し、所定の長さに切断して転動疲労試験片として、図1に示したラジアル型転動疲労試験を実施した。また、同様にして得られた試験片について、その硬化層の組織を、光学顕微鏡を用いて観察し、旧オーステナイト平均粒径および最大旧オーステナイト粒径を求めた。
下記a鋼またはb鋼に示す成分組成の鋼素材を150kg真空溶解炉にて溶製し、150mm角に熱間鍛造後、ダミービレットを製造し、種々の条件にて熱間加工、冷間引き抜き加工を行った後、切削を施して12mmΦの棒鋼とした。
記
[a鋼]C:0.48mass%、Si:0.55mass%、Mn:0.78mass%、P:0.011mass%、S:0.019mass%、Al:0.024mass%、N:0.0043mass%、残部Feおよび不可避不純物。
[b鋼]C:0.48mass%、Si:0.51mass%、Mn:0.79mass%、P:0.011mass%、S:0.021mass%、Al:0.024mass%、N:0.0039mass%、Mo:0.45mass%、Ti:0.021mass%、B:0.0024mass%、残部Feおよび不可避不純物。
この棒鋼の表面に種々の条件にて高周波焼入れを施し、所定の長さに切断して転動疲労試験片として、図1に示したラジアル型転動疲労試験を実施した。また、同様にして得られた試験片について、その硬化層の組織を、光学顕微鏡を用いて観察し、旧オーステナイト平均粒径および最大旧オーステナイト粒径を求めた。
旧オーステナイト平均粒径の測定は、光学顕微鏡により、400倍(1視野の面積:0.25mm×0.225mm)から1000倍(1視野の面積:0.10mm×0.09mm)で、表面から硬化層厚の1/5位置、1/2位置および4/5位置のそれぞれの位置について5視野の観察を行い、各位置おける平均旧オーステナイト粒径を測定し、その最大値を平均旧オーステナイト粒径とした。なお、硬化層厚は、表面からマルテンサイト組織の面積率が98%に減少するまでの深さ領域とした。
一方、最大旧オーステナイト粒径は、400倍(1視野の面積:0.25mm×0.225mm)で硬化層厚さ方向の上記各位置で5視野相当、計15視野相当の面積について測定し、全視野内の粒度分布から下記式で求められる値を最大粒径とした。
最大粒径=平均粒径+3σ(σ:標準偏差)
なお、旧オーステナイト粒の測定は、硬化層の厚さ方向に切断した断面について、水500gに対しピクリン酸:50gを溶解させたピクリン酸水溶液に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:11g、塩化第1鉄:1gおよびシュウ酸:1.5gを添加したものを腐食液として作用させ、旧オーステナイト粒界を現出させて行った。
最大粒径=平均粒径+3σ(σ:標準偏差)
なお、旧オーステナイト粒の測定は、硬化層の厚さ方向に切断した断面について、水500gに対しピクリン酸:50gを溶解させたピクリン酸水溶液に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:11g、塩化第1鉄:1gおよびシュウ酸:1.5gを添加したものを腐食液として作用させ、旧オーステナイト粒界を現出させて行った。
図2には、この試験結果を示す。平均旧オーステナイト粒径が12μm以下である場合に、最大旧オーステナイト粒径/平均旧オーステナイト粒径を4以下とすることにより、疲労強度を格段に向上できることがわかる。また、平均オーステナイト粒径を5μm以下、さらは3μm以下とすると、最大旧オーステナイト粒径/平均旧オーステナイト粒径が4以下であることによる疲労強度向上効果がさらに顕著になることがわかる。
なお、図2を得るのに用いた結果を表1に示す。また、転動疲労特性は、破損に至るまでの時間を、従来品に相当する表1中の試験No.1の同時間に対する比として示した。
なお、図2を得るのに用いた結果を表1に示す。また、転動疲労特性は、破損に至るまでの時間を、従来品に相当する表1中の試験No.1の同時間に対する比として示した。
ここで、旧オーステナイト粒の平均粒径を12μm以下、さらに最大粒径を平均粒径の4倍以下とするためには、高周波焼入れ前の組織に、均一微細なベイナイト組織および/またはマルテンサイト組織を含有させておく方法が有利に適合する。以下に、この方法について説明する。
すなわち、高周波焼入れ前組織に関しては、ベイナイト組織および/またはマルテンサイト組織の組織分率を10vol%以上、好ましくは25vol%以上とする。焼入れ前組織にベイナイト組織あるいはマルテンサイト組織が多いと、ベイナイト組織あるいはマルテンサイト組織は炭化物が微細に分散した組織であるため、焼入れ加熱時にオーステナイトの核生成サイトであるフェライト/炭化物界面の面積が増加し、生成したオーステナイトは微細化するため、焼入れ硬化層の旧オーステナイト粒径を微細化するのに有効に寄与する。焼入れ加熱時にオーステナイト粒径が微細化することで粒界強度が上昇し、疲労強度は向上する。
すなわち、高周波焼入れ前組織に関しては、ベイナイト組織および/またはマルテンサイト組織の組織分率を10vol%以上、好ましくは25vol%以上とする。焼入れ前組織にベイナイト組織あるいはマルテンサイト組織が多いと、ベイナイト組織あるいはマルテンサイト組織は炭化物が微細に分散した組織であるため、焼入れ加熱時にオーステナイトの核生成サイトであるフェライト/炭化物界面の面積が増加し、生成したオーステナイトは微細化するため、焼入れ硬化層の旧オーステナイト粒径を微細化するのに有効に寄与する。焼入れ加熱時にオーステナイト粒径が微細化することで粒界強度が上昇し、疲労強度は向上する。
均一微細なベイナイト組織および/またはマルテンサイト組織の組織分率を10vol%以上とするには、後述する成分組成の鋼を800〜1000℃での総加工率が80%以上となる熱間加工を施し、この熱間加工後に700〜500℃の温度域を0.2℃/s以上の冷却速度で冷却するとよい。なぜなら、800〜1000℃での総加工率が80%未満であると、十分に均一微細なベイナイト組織あるいはマルテンサイト組織が得られないからである。また、熱間加工後に700〜500℃の温度域を0.2℃/s以上の冷却速度で冷却しないと、ベイナイト組織および/またはマルテンサイト組織を合計で10vol%以上とできない。
さらに、高周波焼入れ後の硬化層について、旧オーステナイトの平均粒径および最大粒径を微細化するためには、高周波焼入れ前に800℃未満の温度域で20%以上の加工を施す(第2加工工程)必要がある。800℃未満の温度域での加工は、熱間加工工程で、前記冷却速度の冷却前(700〜800℃未満の温度域)に行ってもよいし、冷却後に別途冷間加工を施すか、あるいはA1変態点以下の温度で再加熱して温間加工を施しても良い。800℃未満での加工率は、30%以上とする事がより好ましい。
なお、加工法としては、例えば冷間鍛造、冷間しごき、転造加工、ショット等が挙げられる。
なお、加工法としては、例えば冷間鍛造、冷間しごき、転造加工、ショット等が挙げられる。
次に、このような前組織を得るための好適な鋼成分について説明する。
C:0.3〜1.5mass%
Cは、焼入れ性への影響が最も大きい元素であり、焼入れ硬化層の硬さおよび深さを高めて疲労強度の向上に有効に寄与する。しかしながら、含有量が0.3mass%に満たないと、必要とされる疲労強度を確保するために焼入れ硬化層深さを飛躍的に高めねばならず、その際焼割れの発生が顕著となり、またベイナイト組織も生成し難くなるため、0.3mass%以上を添加する。一方、1.5mass%を越えて含有させると、粒界強度が低下し、それに伴い疲労強度も低下し、また切削性、冷間鍛造性および耐焼割れ性も低下する。このため、Cは0.3〜1.5mass%の範囲に限定した。好ましくは0.4〜0.6mass%の範囲である。
C:0.3〜1.5mass%
Cは、焼入れ性への影響が最も大きい元素であり、焼入れ硬化層の硬さおよび深さを高めて疲労強度の向上に有効に寄与する。しかしながら、含有量が0.3mass%に満たないと、必要とされる疲労強度を確保するために焼入れ硬化層深さを飛躍的に高めねばならず、その際焼割れの発生が顕著となり、またベイナイト組織も生成し難くなるため、0.3mass%以上を添加する。一方、1.5mass%を越えて含有させると、粒界強度が低下し、それに伴い疲労強度も低下し、また切削性、冷間鍛造性および耐焼割れ性も低下する。このため、Cは0.3〜1.5mass%の範囲に限定した。好ましくは0.4〜0.6mass%の範囲である。
Si:3.0mass%以下
Siは脱酸剤として作用するだけでなく、強度の向上にも有効に寄与するが、含有量が3.0mass%を超えると、被削性および鍛造性の低下を招くため、Si量は3.0mass%以下が好ましい。
なお、強度向上のためには0.05mass%以上とすることが好ましい。
Siは脱酸剤として作用するだけでなく、強度の向上にも有効に寄与するが、含有量が3.0mass%を超えると、被削性および鍛造性の低下を招くため、Si量は3.0mass%以下が好ましい。
なお、強度向上のためには0.05mass%以上とすることが好ましい。
Mn:2.0mass%以下
Mnは、焼入れ性を向上させ、焼入れ時の硬化層深さを確保する上で有用な成分であるため添加する。含有量が0.2mass%未満ではその添加効果に乏しいので、0.2mass%以上が好ましい。より好ましくは0.3mass%以上である。一方、Mn量が2.0mass%を超えると焼入れ後の残留オーステナイトが増加し、かえって表面硬度が低下し、ひいては疲労強度の低下を招くので、Mnは2.0mass%以下が好ましい。なお、Mnは含有量が多いと、母材の硬質化を招き、被削性に不利となるきらいがあるので、1.2mass%以下とするのが好適である。さらに好ましくは1.0mass%以下である。
Mnは、焼入れ性を向上させ、焼入れ時の硬化層深さを確保する上で有用な成分であるため添加する。含有量が0.2mass%未満ではその添加効果に乏しいので、0.2mass%以上が好ましい。より好ましくは0.3mass%以上である。一方、Mn量が2.0mass%を超えると焼入れ後の残留オーステナイトが増加し、かえって表面硬度が低下し、ひいては疲労強度の低下を招くので、Mnは2.0mass%以下が好ましい。なお、Mnは含有量が多いと、母材の硬質化を招き、被削性に不利となるきらいがあるので、1.2mass%以下とするのが好適である。さらに好ましくは1.0mass%以下である。
本発明では、以上の3成分を基本成分とし、これら基本成分において、次式(1)を満足することが肝要である。
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)>2.0 ・・・(1)
これは、(1)式を満たすようにC、Si、Mnの含有量を調整することにより、高周波焼入前組織として、ベイナイトとマルテンサイトの合計組織分率を10vol%以上とすることが可能となり、高周波焼入れ後の硬化層を本発明の組織とすることが可能となる。また、(1)式の値が2.0以下では高周波焼入後の硬化層の硬さも小さくなり、さらに、硬化層深さを十分に確保することも困難となる。
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)>2.0 ・・・(1)
これは、(1)式を満たすようにC、Si、Mnの含有量を調整することにより、高周波焼入前組織として、ベイナイトとマルテンサイトの合計組織分率を10vol%以上とすることが可能となり、高周波焼入れ後の硬化層を本発明の組織とすることが可能となる。また、(1)式の値が2.0以下では高周波焼入後の硬化層の硬さも小さくなり、さらに、硬化層深さを十分に確保することも困難となる。
さらに、上記基本成分に加えて、以下のAlを添加することができる。
Al:0.25mass%以下
Alは、脱酸に有効な元素である。また、焼入れ加熱時におけるオーステナイト粒成長を抑制することによって焼入れ硬化層の粒径を微細化する上でも有用な元素である。しかしながら、含有量が0.25mass%を超えて含有させてもその効果は飽和し、むしろ成分コストの上昇を招く不利が生じるので、Alは0.25mass%以下の範囲で含有させることが好ましい。より好ましくは0.001乃至0.10mass%の範囲である。
以上、基本成分およびAlについて説明したが、本発明ではその他にも、以下に述べる6成分のうちの1種または2種以上を適宜含有させることができる。
Al:0.25mass%以下
Alは、脱酸に有効な元素である。また、焼入れ加熱時におけるオーステナイト粒成長を抑制することによって焼入れ硬化層の粒径を微細化する上でも有用な元素である。しかしながら、含有量が0.25mass%を超えて含有させてもその効果は飽和し、むしろ成分コストの上昇を招く不利が生じるので、Alは0.25mass%以下の範囲で含有させることが好ましい。より好ましくは0.001乃至0.10mass%の範囲である。
以上、基本成分およびAlについて説明したが、本発明ではその他にも、以下に述べる6成分のうちの1種または2種以上を適宜含有させることができる。
Cr:2.5mass%以下
Crは、焼入れ性の向上に有効であり、硬化深さを確保する上で有用な元素である。しかし、過度に含有されると炭化物を安定化させて残留炭化物の生成を助長し、粒界強度を低下させて疲労強度を劣化させる。従って、Crの含有は極力低減することが望ましいが、2.5mass%までは許容できる。好ましくは1.5mass%以下である。
Crは、焼入れ性の向上に有効であり、硬化深さを確保する上で有用な元素である。しかし、過度に含有されると炭化物を安定化させて残留炭化物の生成を助長し、粒界強度を低下させて疲労強度を劣化させる。従って、Crの含有は極力低減することが望ましいが、2.5mass%までは許容できる。好ましくは1.5mass%以下である。
Mo:1.0mass%以下
Moは、オーステナイト粒の成長を抑制する上で有用な元素であり、そのためには0.05mass%以上で含有することが好ましいが、1.0mass%を超えて添加すると、被削性の劣化を招くため、Moは1.0mass%以下とすることが好ましい。
Moは、オーステナイト粒の成長を抑制する上で有用な元素であり、そのためには0.05mass%以上で含有することが好ましいが、1.0mass%を超えて添加すると、被削性の劣化を招くため、Moは1.0mass%以下とすることが好ましい。
Cu:1.0mass%以下
Cuは、焼入れ性の向上に有効であり、またフェライト中に固溶し、この固溶強化によって、疲労強度を向上させる。さらに、炭化物の生成を抑制することにより、炭化物による粒界強度の低下を抑制し、疲労強度を向上させる。しかしながら、含有量が1.0mass%を超えると熱間加工時に割れが発生するため、1.0mass%以下の添加とすることが好ましい。なお、より好ましくは0.5mass%以下である。なお、0.03mass%未満の添加では焼入れ性の向上効果および粒界強度の低下抑制効果が小さいので、0.03mass %以上含有させることが望ましい。
Cuは、焼入れ性の向上に有効であり、またフェライト中に固溶し、この固溶強化によって、疲労強度を向上させる。さらに、炭化物の生成を抑制することにより、炭化物による粒界強度の低下を抑制し、疲労強度を向上させる。しかしながら、含有量が1.0mass%を超えると熱間加工時に割れが発生するため、1.0mass%以下の添加とすることが好ましい。なお、より好ましくは0.5mass%以下である。なお、0.03mass%未満の添加では焼入れ性の向上効果および粒界強度の低下抑制効果が小さいので、0.03mass %以上含有させることが望ましい。
Ni:2.5mass%以下
Niは、焼入れ性を向上させる元素であるので、焼入れ性を調整する場合に用いる。また、炭化物の生成を抑制し、炭化物による粒界強度の低下を抑制して、疲労強度を向上させる元素でもある。しかしながら、Niは極めて高価な元素であり、2.5mass%を超えて添加すると鋼材のコストが上昇するので、2.5mass%以下の添加とすることが好ましい。なお、0.05mass%未満の添加では焼入れ性の向上効果および粒界強度の低下抑制効果が小さいので、0.05mass%以上で含有させることが望ましい。さらに、好ましくは0.1〜1.0mass%である。
Niは、焼入れ性を向上させる元素であるので、焼入れ性を調整する場合に用いる。また、炭化物の生成を抑制し、炭化物による粒界強度の低下を抑制して、疲労強度を向上させる元素でもある。しかしながら、Niは極めて高価な元素であり、2.5mass%を超えて添加すると鋼材のコストが上昇するので、2.5mass%以下の添加とすることが好ましい。なお、0.05mass%未満の添加では焼入れ性の向上効果および粒界強度の低下抑制効果が小さいので、0.05mass%以上で含有させることが望ましい。さらに、好ましくは0.1〜1.0mass%である。
Co:1.0mass%以下
Coは、炭化物の生成を抑制して、炭化物による粒界強度の低下を抑制し、疲労強度を向上させる元素である。しかしながら、Coは極めて高価な元素であり、1.0mass%を超えて添加すると鋼材のコストが上昇するので、1.0mass%以下の添加とする。なお、0.01mass%未
満の添加では、粒界強度の低下抑制効果が小さいため、0.01mass%以上は添加することが望ましい。より好ましくは0.02〜0.5mass%である。
Coは、炭化物の生成を抑制して、炭化物による粒界強度の低下を抑制し、疲労強度を向上させる元素である。しかしながら、Coは極めて高価な元素であり、1.0mass%を超えて添加すると鋼材のコストが上昇するので、1.0mass%以下の添加とする。なお、0.01mass%未
満の添加では、粒界強度の低下抑制効果が小さいため、0.01mass%以上は添加することが望ましい。より好ましくは0.02〜0.5mass%である。
V:0.5mass%以下
Vは、鋼中でC、Nと結合し析出強化元素として作用する。また、焼もどし軟化抵抗性を向上させる元素であり、これらの効果により疲労強度を向上させる。しかしながら、0.5mass%を超えて含有させてもその効果は飽和するため、0.5mass%以下とすることが好ましい。なお、0.01mass%未満の添加では、疲労強度の向上効果が小さいため、0.01mass%以上で添加することが望ましい。さらに好ましくは0.03〜0.3mass%である。
Vは、鋼中でC、Nと結合し析出強化元素として作用する。また、焼もどし軟化抵抗性を向上させる元素であり、これらの効果により疲労強度を向上させる。しかしながら、0.5mass%を超えて含有させてもその効果は飽和するため、0.5mass%以下とすることが好ましい。なお、0.01mass%未満の添加では、疲労強度の向上効果が小さいため、0.01mass%以上で添加することが望ましい。さらに好ましくは0.03〜0.3mass%である。
W:1.0mass%以下
Wは、オーステナイト粒の成長を抑制する上で有用な元素であり、そのためには0.005mass%以上で含有することが好ましいが、1.0mass%を超えて添加すると、被削性の劣化を招くため、Wは1.0mass%以下とすることが好ましい。
Wは、オーステナイト粒の成長を抑制する上で有用な元素であり、そのためには0.005mass%以上で含有することが好ましいが、1.0mass%を超えて添加すると、被削性の劣化を招くため、Wは1.0mass%以下とすることが好ましい。
上記の6成分のうちの1種または2種以上を、基本成分に添加する場合は、上記した式(1)と同様の理由から、次式(2)を満足する必要がある。
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)(1+2.1Cr)(1+3.0Mo)(1+0.4Cu)(1+0.3Ni)(1+5.0V)(1+0.5W)>2.0 ・・・(2)
さらに、本発明では、Ti:0.1mass%以下、Nb:0.1mass%以下、Zr:0.1mass%以下、B:0.01mass%以下、Ta:0.5mass%以下、Hf:0.5mass%以下およびSb:0.015mass%以下のうちから選んだ1種または2種異常を含有させることができる。
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)(1+2.1Cr)(1+3.0Mo)(1+0.4Cu)(1+0.3Ni)(1+5.0V)(1+0.5W)>2.0 ・・・(2)
さらに、本発明では、Ti:0.1mass%以下、Nb:0.1mass%以下、Zr:0.1mass%以下、B:0.01mass%以下、Ta:0.5mass%以下、Hf:0.5mass%以下およびSb:0.015mass%以下のうちから選んだ1種または2種異常を含有させることができる。
Ti:0.1mass%以下
Tiは、不可避不純物として混入するNと結合することで、BがBNとなってBの焼入れ性向上効果が焼失するのを防止し、Bの焼入れ性向上効果を十分に発揮させる作用を有する。この効果を得るためには、0.005mass%以上で含有することが好ましいが、0.1mass%を超えて含有されるとTiNが多量に形成される結果、これが疲労破壊の起点となって疲労強度の著しい低下を招くため、Tiは0.1mass%以下とすることが好ましい。好ましくは0.01〜0.07mass%の範囲である。
Tiは、不可避不純物として混入するNと結合することで、BがBNとなってBの焼入れ性向上効果が焼失するのを防止し、Bの焼入れ性向上効果を十分に発揮させる作用を有する。この効果を得るためには、0.005mass%以上で含有することが好ましいが、0.1mass%を超えて含有されるとTiNが多量に形成される結果、これが疲労破壊の起点となって疲労強度の著しい低下を招くため、Tiは0.1mass%以下とすることが好ましい。好ましくは0.01〜0.07mass%の範囲である。
Nb:0.1mass%以下
Nbは、焼入れ性の向上効果があるだけでなく、鋼中でC、Nと結合し析出強化元素として作用する。また、焼もどし軟化抵抗性を向上させる元素でもあり、これらの効果によって疲労強度を向上させる。しかしながら、0.1mass%を超えて含有させてもその効果は飽和するので、0.1mass%以下とすることが好ましい。なお、0.005mass%未満の添加では、析出強化作用および焼もどし軟化抵抗性の向上効果が小さいため、0.005mass%以上添加することが望ましい。さらに好ましくは0.01〜0.05mass%である。
Nbは、焼入れ性の向上効果があるだけでなく、鋼中でC、Nと結合し析出強化元素として作用する。また、焼もどし軟化抵抗性を向上させる元素でもあり、これらの効果によって疲労強度を向上させる。しかしながら、0.1mass%を超えて含有させてもその効果は飽和するので、0.1mass%以下とすることが好ましい。なお、0.005mass%未満の添加では、析出強化作用および焼もどし軟化抵抗性の向上効果が小さいため、0.005mass%以上添加することが望ましい。さらに好ましくは0.01〜0.05mass%である。
Zr:0.1mass%以下
Zrは、焼入れ性向上効果があるだけでなく、鋼中でC、Nと結合し析出強化元素として作用する。また、焼もどし軟化抵抗性を向上させる元素であり、これらの効果によって疲労強度を向上させる。しかしながら、0.1mass%を超えて含有させてもその効果は飽和するため、0.1mass%以下とすることが好ましい。なお、0.005mass%未満の添加では、析出強化作用および焼もどし軟化抵抗性の向上効果が小さいため、0.005mass%以上添加することが望ましい。さらに、好ましくは0.01〜0.05mass%である。
Zrは、焼入れ性向上効果があるだけでなく、鋼中でC、Nと結合し析出強化元素として作用する。また、焼もどし軟化抵抗性を向上させる元素であり、これらの効果によって疲労強度を向上させる。しかしながら、0.1mass%を超えて含有させてもその効果は飽和するため、0.1mass%以下とすることが好ましい。なお、0.005mass%未満の添加では、析出強化作用および焼もどし軟化抵抗性の向上効果が小さいため、0.005mass%以上添加することが望ましい。さらに、好ましくは0.01〜0.05mass%である。
B:0.01mass%以下
Bは、粒界強化により疲労特性を改善するだけでなく、強度を向上させる有用な元素であり、好ましくは0.0003mass%以上で添加するが、0.01mass%を超えて添加しても、その効果は飽和するため、0.01mass%以下に限定した。
Bは、粒界強化により疲労特性を改善するだけでなく、強度を向上させる有用な元素であり、好ましくは0.0003mass%以上で添加するが、0.01mass%を超えて添加しても、その効果は飽和するため、0.01mass%以下に限定した。
Ta:0.5mass%以下
Taは、ミクロ組織変化の遅延に対して効果があり、疲労強度、特に転動疲労の劣化防止する効果があるので、添加してもよい。しかし、その含有量が0.5mass%を超えて含有量を増加させても、それ以上強度向上に寄与しないので、0.5mass%以下とする。なお、疲労強度の向上作用を発現させるためには、0.02mass%以上とすることが好ましい。
Taは、ミクロ組織変化の遅延に対して効果があり、疲労強度、特に転動疲労の劣化防止する効果があるので、添加してもよい。しかし、その含有量が0.5mass%を超えて含有量を増加させても、それ以上強度向上に寄与しないので、0.5mass%以下とする。なお、疲労強度の向上作用を発現させるためには、0.02mass%以上とすることが好ましい。
Hf:0.5mass%以下
Hfは、ミクロ組織変化の遅延に対して効果があり、疲労強度、特に転動疲労の劣化防止する効果があるので、添加してもよい。しかし、その含有量が0.5mass%を超えて含有量を増加させても、それ以上強度向上に寄与しないので、0.5mass%以下とする。なお、疲労強度の向上作用を発現させるためには、0.02mass%以上とすることが好ましい。
Hfは、ミクロ組織変化の遅延に対して効果があり、疲労強度、特に転動疲労の劣化防止する効果があるので、添加してもよい。しかし、その含有量が0.5mass%を超えて含有量を増加させても、それ以上強度向上に寄与しないので、0.5mass%以下とする。なお、疲労強度の向上作用を発現させるためには、0.02mass%以上とすることが好ましい。
Sb:0.015mass%以下
Sbは、ミクロ組織変化の遅延に対して効果があり、疲労強度、特に転動疲労の劣化防止する効果があるので、添加してもよい。しかし、その含有量が0.015mass%を超えて含有量を増加させると靭性が劣化するので、0.015mass%以下、好ましくは0.010mass%以下とする。なお、疲労強度の向上作用を発現させるためには、0.005mass%以上とすることが好ましい。
Sbは、ミクロ組織変化の遅延に対して効果があり、疲労強度、特に転動疲労の劣化防止する効果があるので、添加してもよい。しかし、その含有量が0.015mass%を超えて含有量を増加させると靭性が劣化するので、0.015mass%以下、好ましくは0.010mass%以下とする。なお、疲労強度の向上作用を発現させるためには、0.005mass%以上とすることが好ましい。
上記7成分のうちの1種または2種以上を、基本成分に添加する場合は、上記した式(1)と同様の理由から、次式(3)を満足する必要がある。
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)(1+2.1Cr)(1+3.0Mo)(1+0.4Cu)(1+0.3Ni)(1+5.0V)(1+1000B)(1+0.5W)>2.0 ・・・(3)
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)(1+2.1Cr)(1+3.0Mo)(1+0.4Cu)(1+0.3Ni)(1+5.0V)(1+1000B)(1+0.5W)>2.0 ・・・(3)
さらにまた、本発明では、S:0.1mass%以下、Pb:0.1mass%以下、Bi:0.1mass%以下、Se:0.1mass%以下、Te:0.1mass%以下、Ca:0.01mass%以下、Mg:0.01mass%以下およびREM:0.1mass%以下を含有させることができる。
S:0.1mass%以下
Sは、鋼中でMnSを形成し、切削性を向上させる有用元素であるが、0.1mass%を超えて含有させると粒界に偏析して粒界強度を低下させるため、Sは0.1mass%以下に制限した。好ましくは0.04mass%以下である。
Sは、鋼中でMnSを形成し、切削性を向上させる有用元素であるが、0.1mass%を超えて含有させると粒界に偏析して粒界強度を低下させるため、Sは0.1mass%以下に制限した。好ましくは0.04mass%以下である。
Pb:0.1mass%以下
Bi:0.1mass%以下
PbおよびBiはいずれも、切削時の溶融、潤滑および脆化作用により、被削性を向上させるので、この目的で添加することができる。しかしながら、Pb:0.1 mass%、Bi:0.1 mass%を超えて添加しても効果が飽和するばかりか、成分コストが上昇するため、それぞれ上記の範囲で含有させるものとした。なお、被削性の改善のためには、Pbは0.01mass%以上、Biは0.01mass%以上含有させることが好ましい。
Bi:0.1mass%以下
PbおよびBiはいずれも、切削時の溶融、潤滑および脆化作用により、被削性を向上させるので、この目的で添加することができる。しかしながら、Pb:0.1 mass%、Bi:0.1 mass%を超えて添加しても効果が飽和するばかりか、成分コストが上昇するため、それぞれ上記の範囲で含有させるものとした。なお、被削性の改善のためには、Pbは0.01mass%以上、Biは0.01mass%以上含有させることが好ましい。
Se:0.1mass%以下
Te:0.1mass%以下
Te:0.1mass%以下
SeおよびTeはそれぞれ、Mnと結合してMnSeおよびMnTeを形成し、これがチップブレーカーとして作用することにより被削性を改善する。しかしながら、含有量が0.1 mass%を超えると、効果が飽和する上、成分コストの上昇を招くので、いずれも0.1 mass%以下で含有させるものとした。また、被削性の改善のためには、Seの場合は 0.003mass%以上およびTeの場合は 0.003mass%以上で含有させることが好ましい。
Ca:0.01mass%以下
REM:0.1mass%以下
CaおよびREMはそれぞれ、MnSと共に硫化物を形成し、これがチップブレーカーとして作用することにより被削性を改善する。しかしながら、CaおよびREMをそれぞれ、0.01mass%および0.1mass%を超えて含有させても、効果が飽和する上、成分コストの上昇を招くので、それぞれ上記の範囲で含有させるものとした。なお、被削性の改善のためには、Caは0.0001mass%以上およびREM は0.0001mass%以上含有させることが好ましい。
REM:0.1mass%以下
CaおよびREMはそれぞれ、MnSと共に硫化物を形成し、これがチップブレーカーとして作用することにより被削性を改善する。しかしながら、CaおよびREMをそれぞれ、0.01mass%および0.1mass%を超えて含有させても、効果が飽和する上、成分コストの上昇を招くので、それぞれ上記の範囲で含有させるものとした。なお、被削性の改善のためには、Caは0.0001mass%以上およびREM は0.0001mass%以上含有させることが好ましい。
Mg:0.01mass%以下
Mgは、脱酸元素であるだけでなく、応力集中源となって被削性を改善する効果があるので、必要に応じて添加することができる。しかしながら、過剰に添加すると効果が飽和する上、成分コストが上昇するため、0.01mass%以下で含有させるものとした。なお、被削性の改善のためには、Mgは0.0001mass%以上で含有させることが好ましい。
Mgは、脱酸元素であるだけでなく、応力集中源となって被削性を改善する効果があるので、必要に応じて添加することができる。しかしながら、過剰に添加すると効果が飽和する上、成分コストが上昇するため、0.01mass%以下で含有させるものとした。なお、被削性の改善のためには、Mgは0.0001mass%以上で含有させることが好ましい。
以上説明した元素以外の残部はFeおよび不可避不純物であることが好ましく、不可避不純物としてはP、O、Nが挙げられ、それぞれ、P:0.10mass%、N:0.01mass%、O:0.008mass%までをそれぞれ許容できる。
次に、本発明の製造方法について説明する。
上記した所定の成分組成に調整した鋼材を、棒鋼圧延後に熱間鍛造などの熱間加工を施して軸受鋼部品とし、部品の少なくとも転動面に加熱温度:800〜1000℃の条件下で焼入れを施す。
上記した所定の成分組成に調整した鋼材を、棒鋼圧延後に熱間鍛造などの熱間加工を施して軸受鋼部品とし、部品の少なくとも転動面に加熱温度:800〜1000℃の条件下で焼入れを施す。
この一連の工程において、まず、熱間加工を800〜1000℃の温度域の総加工率を80%以上として行った後、700〜500℃の温度域を0.2℃/s以上の速度で冷却し、次いで、800℃未満の温度域で20%以上の加工を施すか、あるいは、熱間加工を800〜1000℃の温度域の総加工率が80%以上として行った後、800℃未満の温度域で20%以上の加工を施した後、700〜500℃の温度域を0.2℃/s以上の速度で冷却すること、さらに、以下に詳述する焼入れ条件を採用することにより、旧オーステナイト粒径の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下の焼入れ組織とすることが可能となる。
以下、各規制について詳しく説明する。
[加工条件]
熱間加工の際の800〜1000℃での総加工率を80%以上とし、その後700〜500℃の温度域を0.2℃/s以上の速度で冷却する。この条件により、焼入れ前の組織を均一微細なベイナイトおよび/またはマルテンサイト組織とすることができ、その後の焼入の加熱時にオーステナイト粒が微細化する。より好ましくは、冷却速度を0.5℃/s以上とする。
[加工条件]
熱間加工の際の800〜1000℃での総加工率を80%以上とし、その後700〜500℃の温度域を0.2℃/s以上の速度で冷却する。この条件により、焼入れ前の組織を均一微細なベイナイトおよび/またはマルテンサイト組織とすることができ、その後の焼入の加熱時にオーステナイト粒が微細化する。より好ましくは、冷却速度を0.5℃/s以上とする。
さらに、焼入れ前に、800℃未満の温度域で20%以上の加工を施す。800℃以下の温度域での加工は、熱間加工工程で、前記冷却速度の冷却の前(700〜800℃未満の温度域)で行ってもよいし、冷却後に別途冷間加工を施すか、あるいは、A1変態点以下の温度で再加熱して温間加工を施しても良い。800℃未満での加工は、30%以上とする事が好ましい。なお、加工法としては、例えば、冷間鍛造、冷間しごき、転造加工、ショット等が挙げられる。800℃以下で加工を施すことにより、高周波焼入れ前のベイナイトあるいはマルテンサイト組織が微細化し、結果として焼入れ後に得られる硬化層における旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下のものとなり、これにより、疲労強度が向上する。
なお、ここで言う、加工率とは、圧延、鍛造、伸線の場合には加工前後での断面減少率である。また、断面減少率で定義できないようなショット等のような場合には、断面減少率に対応する硬さ変化によって見積もるものとする。
なお、ここで言う、加工率とは、圧延、鍛造、伸線の場合には加工前後での断面減少率である。また、断面減少率で定義できないようなショット等のような場合には、断面減少率に対応する硬さ変化によって見積もるものとする。
[焼入条件]
加熱温度を800〜1000℃とし、600〜800℃を400℃/s以上の昇温速度で昇温する。加熱温度が800℃未満の場合、オーステナイト組織の生成が不十分となり、硬化層を得ることができない。一方、加熱温度が1000℃を超えると、オーステナイト粒の成長速度が著しく増加し、平均粒径が増加すると同時に、急成長する温度域においては個々の粒成長速度にも著しい差が生じ易いため、最大粒径が平均粒径の4倍超となり疲労強度の低下を招く。
加熱温度を800〜1000℃とし、600〜800℃を400℃/s以上の昇温速度で昇温する。加熱温度が800℃未満の場合、オーステナイト組織の生成が不十分となり、硬化層を得ることができない。一方、加熱温度が1000℃を超えると、オーステナイト粒の成長速度が著しく増加し、平均粒径が増加すると同時に、急成長する温度域においては個々の粒成長速度にも著しい差が生じ易いため、最大粒径が平均粒径の4倍超となり疲労強度の低下を招く。
また、600〜800℃の昇温速度が400℃/s未満の場合にもオーステナイト粒の成長が促進されると同時に粒の大きさのばらつきが大きくなり、最大粒径が平均粒径の4倍超となり、疲労強度の低下を招く。これは、昇温速度が遅いとより低い温度でフェライトからオーステナイトへの逆変態が開始し、場所により不均一な粒成長を生じ易いためと推定される。
なお、加熱温度は800〜950℃とすることが好ましく、600〜800℃の昇温速度は700℃/s以上であることが好ましい。より好ましくは1000℃/s以上である。また、加熱時において800℃以上の滞留時間が長くなると、オーステナイト粒が成長して、結果として最大粒径が平均粒径の4倍超となり易くなるので、800℃以上の滞留時間は5秒以下とすることが好ましい。このような条件を満足させる方法としては、高周波加熱を用いることが特に好ましい。
以上の製造方法にて製造された、本発明における軸受鋼部品は、上述のとおり軸受鋼球あるいは軸受鋼コロ、軸受内輪、軸受外輪等の軸受部品として適用できる。ここで、これらの部品のうちどの部品に適用するかは適宜選択できる。軸受鋼球あるいはコロ、軸受内輪、軸受外輪のうち、その形状や軸受鋼球あるいはコロの個数に応じて、転動疲労寿命が最も弱くなる部品に対して用いればよい。
以上の製造方法にて製造された、本発明における軸受鋼部品は、上述のとおり軸受鋼球あるいは軸受鋼コロ、軸受内輪、軸受外輪等の軸受部品として適用できる。ここで、これらの部品のうちどの部品に適用するかは適宜選択できる。軸受鋼球あるいはコロ、軸受内輪、軸受外輪のうち、その形状や軸受鋼球あるいはコロの個数に応じて、転動疲労寿命が最も弱くなる部品に対して用いればよい。
図3に示すように、軸受部品として、軸受外輪3、軸受内輪1、および軸受鋼球4を有する軸受10を製造した。
軸受内輪1は、その内周面に軸部2を嵌合させ、一方、その外周面において外輪3との間に挿入した軸受鋼球4を介して軸受を構成している。この図3に示したところにおいて、軸受鋼球4、軸受外輪3の軸受鋼球4との接触面31(転走面31)、および、軸受内輪1の軸受鋼球4との接触面11(転走面11)は転動疲労寿命の向上が要求される。
軸受内輪1は、その内周面に軸部2を嵌合させ、一方、その外周面において外輪3との間に挿入した軸受鋼球4を介して軸受を構成している。この図3に示したところにおいて、軸受鋼球4、軸受外輪3の軸受鋼球4との接触面31(転走面31)、および、軸受内輪1の軸受鋼球4との接触面11(転走面11)は転動疲労寿命の向上が要求される。
まず、軸受内輪1に本発明を適用した実施例について説明する。表2に示す成分組成になる鋼素材を、転炉により溶製し、連続鋳造により鋳片とした。鋳片サイズは300×400mmであった。この鋳片を、ブレークダウン工程を経て150mm角ビレットに圧延したのち、24mmφの棒鋼に圧延した。ついで、この棒鋼を所定の長さに切断後、熱間鍛造によって軸受内輪に粗成形後、表3に示す冷却速度で冷却した。ついで、切削あるいは冷間鍛造により軸受内輪の軸受鋼球が転動する外周面を形成し、次いで、表3に示す条件で高周波焼入れを行って焼入れ組織層を形成したのち、加熱炉を用いて170℃、30分の焼戻しを行い、さらに仕上げ加工を施して、製品とした。ここで、一部の軸受内輪(以下、単に内輪という)については焼戻しを省略した。なお、熱間鍛造、冷間鍛造における総加工率は、転動面についての軸方向と直行する断面の面積変化率を調整することにより調整した。かくして得られた内輪の転動疲労寿命について調べた結果を、表3に示す。
ここで、内輪の転動疲労寿命は、次のようにして評価した。
内輪1の内周面に軸部2を嵌合させ、内輪1の外周面に軸受鋼球4(以下、単に鋼球4という)を配置すると共に、軸受外輪3(以下単に外輪3という)を装着し、外輪3を固定した状態で、図4に示すように、外輪3に一定の荷重(900N)を負荷した状態で内輪1を一定の回転速度(300rpm)で回転させる耐久試験を行って、焼入れ組織層22が転動疲労破壊するまでの時間を転動疲労寿命として評価した。
内輪1の内周面に軸部2を嵌合させ、内輪1の外周面に軸受鋼球4(以下、単に鋼球4という)を配置すると共に、軸受外輪3(以下単に外輪3という)を装着し、外輪3を固定した状態で、図4に示すように、外輪3に一定の荷重(900N)を負荷した状態で内輪1を一定の回転速度(300rpm)で回転させる耐久試験を行って、焼入れ組織層22が転動疲労破壊するまでの時間を転動疲労寿命として評価した。
そして、この転動疲労寿命は、表3中No.22の従来例(本発明外の熱間加工、高周波焼入れ条件を適用したもの)の転動疲労寿命を1とした時の相対比で表した。
なお、ここで、他の外輪、鋼球等の寸法・形状は、耐久試験時に内輪の軸部転動面が最弱部になるように設定した。
また、同じ内輪について、その焼入れ組織を硬化層の平均旧オーステナイト粒径および最大旧オーステナイト粒径を、前述した方法と同様の手法にて求めた。
これらの結果も表3に併記する。
また、同じ内輪について、その焼入れ組織を硬化層の平均旧オーステナイト粒径および最大旧オーステナイト粒径を、前述した方法と同様の手法にて求めた。
これらの結果も表3に併記する。
表3から明らかなように、硬化層が、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下である、焼入れ組織を有する内輪はいずれも、従来例に比べて10倍以上の優れた転動疲労寿命を得ることができた。
これに対し、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下となっていない比較例は転動疲労寿命が短い。
これに対し、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下となっていない比較例は転動疲労寿命が短い。
次に、軸受外輪3に本発明を適用した実施例について説明する。表2に示す成分組成になる鋼素材を、転炉により溶製し、連続鋳造により鋳片とした。鋳片サイズは300×400mmであった。この鋳片を、ブレークダウン工程を経て150mm角ビレットに圧延したのち、24mmφの棒鋼に圧延した。ついで、この棒鋼を所定の長さに切断後、熱間鍛造によって軸受外輪に粗成形後、表3に示す冷却速度で冷却した。そして、切削あるいは冷間鍛造により軸受外輪の軸受鋼球が転動する内周面を形成し、次いで、表3に示す条件で高周波焼入れを行って焼入れ組織層を形成したのち、加熱炉を用いて170℃、30分の焼戻しを行い、さらに仕上げ加工を施して、製品とした。ここで、一部の軸受外輪(以下、単に外輪という)については焼戻しを省略した。なお、熱間鍛造、冷間鍛造における総加工率は、転動面についての軸方向と直行する断面の面積変化率を調整することにより調整した。
かくして得られた外輪の転動疲労寿命について調べた結果を表3に示す。
かくして得られた外輪の転動疲労寿命について調べた結果を表3に示す。
外輪の転動疲労寿命は、次のようにして評価した。
外輪3の内周面に軸受鋼球4(以下、単に鋼球4という)を配置すると共に、軸受内輪1(以下、単に内輪1という)を装着し、外輪3を固定した状態で、図4に示すように、外輪3に一定の荷重(900N)を負荷した状態で内輪1を一定の回転速度(300rpm)で回転させる耐久試験を行って、焼入れ組織層22が転動疲労破壊するまでの時間を転動疲労寿命として評価した。
外輪3の内周面に軸受鋼球4(以下、単に鋼球4という)を配置すると共に、軸受内輪1(以下、単に内輪1という)を装着し、外輪3を固定した状態で、図4に示すように、外輪3に一定の荷重(900N)を負荷した状態で内輪1を一定の回転速度(300rpm)で回転させる耐久試験を行って、焼入れ組織層22が転動疲労破壊するまでの時間を転動疲労寿命として評価した。
そして、この転動疲労寿命は、表3中No.22の従来例(本発明外の熱間加工、高周波焼入れ条件を適用したもの)の転動疲労寿命を1とした時の相対比で表した。
なお、ここで、他の内輪、鋼球等の寸法・形状は、耐久試験時に外輪の軸部転動面が最弱部になるように設定した。
なお、ここで、他の内輪、鋼球等の寸法・形状は、耐久試験時に外輪の軸部転動面が最弱部になるように設定した。
また、同じ外輪について、その焼入れ組織を硬化層の平均旧オーステナイト粒径および最大旧オーステナイト粒径を、前述した方法と同様の手法にて求めた。
これらの結果も表3に併記する。
これらの結果も表3に併記する。
表3から明らかなように、硬化層が、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下である、焼入れ組織を有する内輪はいずれも、従来例に比べて10倍以上の優れた転動疲労寿命を得ることができた。
これに対し、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下となっていない比較例は転動疲労寿命が短い。
さらに、軸受鋼球4に本発明を適用した場合の実施例を説明する。表2に示す成分組成になる鋼素材を、転炉により溶製し、連続鋳造により鋳片とした。鋳片サイズは300×400mmであった。この鋳片を、ブレークダウン工程を経て150mm角ビレットに圧延したのち、24mmφの棒鋼に圧延した。ついで、この棒鋼を所定の長さに切断後、熱間鍛造に行い棒鋼径を調整した後、表3に示す冷却速度で冷却した。さらに、切削あるいは冷間鍛造により径を調整した。得られた鋼素材に切削を施して軸受鋼球に粗成形し、次いで、表3に示す条件で高周波焼入れを行って焼入れ組織層を形成したのち、加熱炉を用いて170℃、30分の焼戻しを行い、さらに仕上げ加工を施して、製品とした。ここで、一部の軸受鋼球(以下、単に鋼球という)については焼戻しを省略した。なお、熱間鍛造、冷間鍛造における総加工率は、断面減少率を調整することにより調整した。
かくして得られた鋼球の転動疲労寿命について調べた結果を表3に示す。
かくして得られた鋼球の転動疲労寿命について調べた結果を表3に示す。
鋼球の転動疲労寿命は、次のようにして評価した。
軸受内輪1の内周面に軸部2を嵌合させ、内輪1の外周面に軸受鋼球4(以下単に鋼球4という)を配置すると共に、軸受外輪3(以下単に外輪3という)を装着し、外輪3を固定した状態で、図4に示すように、外輪3に一定の荷重(900N)を負荷した状態で内輪1を一定の回転速度(300rpm)で回転させる耐久試験を行って、焼入れ組織層22が転動疲労破壊するまでの時間を転動疲労寿命として評価した。
軸受内輪1の内周面に軸部2を嵌合させ、内輪1の外周面に軸受鋼球4(以下単に鋼球4という)を配置すると共に、軸受外輪3(以下単に外輪3という)を装着し、外輪3を固定した状態で、図4に示すように、外輪3に一定の荷重(900N)を負荷した状態で内輪1を一定の回転速度(300rpm)で回転させる耐久試験を行って、焼入れ組織層22が転動疲労破壊するまでの時間を転動疲労寿命として評価した。
そして、この転動疲労寿命は、表3中No.22の従来例(本発明外の熱間加工、高周波焼入れ条件を適用したもの)の転動疲労寿命を1とした時の相対比で表した。
なお、ここで、他の外輪、内輪等の寸法・形状は、耐久試験時に鋼球の表面が最弱部になるように設定した。
なお、ここで、他の外輪、内輪等の寸法・形状は、耐久試験時に鋼球の表面が最弱部になるように設定した。
また、同じ鋼球について、その焼入れ組織を硬化層の平均旧オーステナイト粒径および最大旧オーステナイト粒径を、前述した方法と同様の手法にて求めた。
これらの結果も表3に併記する。
表3から明らかなように、硬化層が、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下である、焼入れ組織を有する鋼球はいずれも、従来例に比べて10倍以上の優れた転動疲労寿命を得ることができた。
これに対し、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下となっていない比較例は転動疲労寿命が短い。
表3から明らかなように、硬化層が、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下である、焼入れ組織を有する鋼球はいずれも、従来例に比べて10倍以上の優れた転動疲労寿命を得ることができた。
これに対し、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下となっていない比較例は転動疲労寿命が短い。
次に、図5に示すような、軸受鋼部品として、軸受外輪8、軸受内輪6、およびコロ9を有する軸受20を製造した。
軸受内輪6は、その内周面に軸部2を嵌合させ、一方、その外周面において外輪8との間に挿入したコロ9を介して軸受を構成している。この図5に示したところにおいて、コロ9、軸受外輪8のコロ9との接触面81(転走面81)、および、軸受内輪6のコロ9との接触面61(転走面61)は転動疲労寿命の向上が要求される。
軸受内輪6は、その内周面に軸部2を嵌合させ、一方、その外周面において外輪8との間に挿入したコロ9を介して軸受を構成している。この図5に示したところにおいて、コロ9、軸受外輪8のコロ9との接触面81(転走面81)、および、軸受内輪6のコロ9との接触面61(転走面61)は転動疲労寿命の向上が要求される。
まず、軸受内輪6に本発明を適用した実施例について説明する。表2に示す成分組成になる鋼素材を、転炉により溶製し、連続鋳造により鋳片とした。鋳片サイズは300×400mmであった。この鋳片を、ブレークダウン工程を経て150mm角ビレットに圧延したのち、24mmφの棒鋼に圧延した。ついで、この棒鋼を所定の長さに切断後、熱間鍛造によって軸受内輪に粗成形後、表4に示す冷却速度で冷却した。ついで、切削あるいは冷間鍛造により軸受内輪のコロが転動する外周面を形成し、次いで、表4に示す条件で高周波焼入れを行って焼入れ組織層を形成したのち、加熱炉を用いて170℃、30分の焼戻しを行い、さらに仕上げ加工を施して、製品とした。ここで、一部の軸受内輪(以下、単に内輪という)については焼戻しを省略した。なお、熱間鍛造、冷間鍛造における総加工率は、転動面についての軸方向と直行する断面の面積変化率を調整することにより調整した。かくして得られた内輪の転動疲労寿命について調べた結果を表4に示す。
ここで、内輪の転動疲労寿命は、次のようにして評価した。
内輪6の内周面に軸部2を嵌合させ、内輪6の外周面にコロ9を配置すると共に、軸受外輪8(以下単に外輪8という)を装着し、外輪8を固定した状態で、図6に示すように、外輪8に一定の荷重(900N)を負荷した状態で内輪6を一定の回転速度(300rpm)で回転させる耐久試験を行って、焼入れ組織層22が転動疲労破壊するまでの時間を転動疲労寿命として評価した。
そして、この転動疲労寿命は、表4中No.22の従来例(本発明外の熱間加工、高周波焼入れ条件を適用したもの)の転動疲労寿命を1とした時の相対比で表した。
内輪6の内周面に軸部2を嵌合させ、内輪6の外周面にコロ9を配置すると共に、軸受外輪8(以下単に外輪8という)を装着し、外輪8を固定した状態で、図6に示すように、外輪8に一定の荷重(900N)を負荷した状態で内輪6を一定の回転速度(300rpm)で回転させる耐久試験を行って、焼入れ組織層22が転動疲労破壊するまでの時間を転動疲労寿命として評価した。
そして、この転動疲労寿命は、表4中No.22の従来例(本発明外の熱間加工、高周波焼入れ条件を適用したもの)の転動疲労寿命を1とした時の相対比で表した。
なお、ここで、他の外輪、コロ等の寸法・形状は、耐久試験時に内輪の軸部転動面が最弱部になるように設定した。
また、同じ内輪について、その焼入れ組織を硬化層の平均旧オーステナイト粒径および最大旧オーステナイト粒径を、前述した方法と同様の手法にて求めた。
これらの結果も表4に併記する。
また、同じ内輪について、その焼入れ組織を硬化層の平均旧オーステナイト粒径および最大旧オーステナイト粒径を、前述した方法と同様の手法にて求めた。
これらの結果も表4に併記する。
表4から明らかなように、硬化層が、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下である、焼入れ組織を有する内輪はいずれも、従来例に比べて10倍以上の優れた転動疲労寿命を得ることができた。
これに対し、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下となっていない比較例は転動疲労寿命が短い。
これに対し、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下となっていない比較例は転動疲労寿命が短い。
次に、軸受外輪8に本発明を適用した実施例について説明する。表2に示す成分組成になる鋼素材を、転炉により溶製し、連続鋳造により鋳片とした。鋳片サイズは300×400mmであった。この鋳片を、ブレークダウン工程を経て150mm角ビレットに圧延したのち、24mmφの棒鋼に圧延した。ついで、この棒鋼を所定の長さに切断後、熱間鍛造によって軸受外輪に粗成形後、表4に示す冷却速度で冷却した。そして、切削あるいは冷間鍛造により軸受外輪の軸受鋼球が転動する内周面を形成し、次いで、表4に示す条件で高周波焼入れを行って焼入れ組織層を形成したのち、加熱炉を用いて170℃、30分の焼戻しを行い、さらに仕上げ加工を施して、製品とした。ここで、一部の軸受外輪(以下、単に外輪という)については焼戻しを省略した。なお、熱間鍛造、冷間鍛造における総加工率は、転動面についての軸方向と直行する断面の面積変化率を調整することにより調整した。
かくして得られた外輪の転動疲労寿命について調べた結果を表4に示す。
かくして得られた外輪の転動疲労寿命について調べた結果を表4に示す。
外輪の転動疲労寿命は、次のようにして評価した。
外輪8の内周面にコロ9を配置すると共に、軸受内輪6(以下、単に内輪6という)を装着し、外輪8を固定した状態で、図6に示すように、外輪8に一定の荷重(900N)を負荷した状態で内輪6を一定の回転速度(300rpm)で回転させる耐久試験を行って、焼入れ組織層22が転動疲労破壊するまでの時間を転動疲労寿命として評価した。
外輪8の内周面にコロ9を配置すると共に、軸受内輪6(以下、単に内輪6という)を装着し、外輪8を固定した状態で、図6に示すように、外輪8に一定の荷重(900N)を負荷した状態で内輪6を一定の回転速度(300rpm)で回転させる耐久試験を行って、焼入れ組織層22が転動疲労破壊するまでの時間を転動疲労寿命として評価した。
そして、この転動疲労寿命は、表4中No.22の従来例(本発明外の熱間加工、高周波焼入れ条件を適用したもの)の転動疲労寿命を1とした時の相対比で表した。
なお、ここで、他の内輪、コロ等の寸法・形状は、耐久試験時に外輪の軸部転動面が最弱部になるように設定した。
また、同じ外輪について、その焼入れ組織を硬化層の平均旧オーステナイト粒径および最大旧オーステナイト粒径を、前述した方法と同様の手法にて求めた。
これらの結果も表4に併記する。
なお、ここで、他の内輪、コロ等の寸法・形状は、耐久試験時に外輪の軸部転動面が最弱部になるように設定した。
また、同じ外輪について、その焼入れ組織を硬化層の平均旧オーステナイト粒径および最大旧オーステナイト粒径を、前述した方法と同様の手法にて求めた。
これらの結果も表4に併記する。
表4から明らかなように、硬化層が、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下である、焼入れ組織を有する外輪はいずれも、従来例に比べて10倍以上の優れた転動疲労寿命を得ることができた。
これに対し、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下となっていない比較例は転動疲労寿命が短い。
これに対し、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下となっていない比較例は転動疲労寿命が短い。
さらに、コロ9に本発明を適用した場合の実施例を説明する。表2に示す成分組成になる鋼素材を、転炉により溶製し、連続鋳造により鋳片とした。鋳片サイズは300×400mmであった。この鋳片を、ブレークダウン工程を経て150mm角ビレットに圧延したのち、24mmφの棒鋼に圧延した。ついで、この棒鋼を所定の長さに切断後、熱間鍛造に行い棒鋼径を調整した後、表4に示す冷却速度で冷却した。さらに、切削あるいは冷間鍛造により径を調整した。得られた鋼素材に切削を施して軸受鋼球に粗成形し、次いで、表4に示す条件で高周波焼入れを行って焼入れ組織層を形成したのち、加熱炉を用いて170℃、30分の焼戻しを行い、さらに仕上げ加工を施して、製品とした。ここで、一部のコロについては焼戻しを省略した。なお、熱間鍛造、冷間鍛造における総加工率は、断面減少率を調整することにより調整した。
かくして得られたコロの転動疲労寿命について調べた結果を表8に示す。
コロの転動疲労寿命は、次のようにして評価した。
軸受内輪6の内周面に軸部2を嵌合させ、内輪6の外周面にコロ9を配置すると共に、軸受外輪8(以下単に外輪8という)を装着し、外輪8を固定した状態で、図6に示すように、外輪8に一定の荷重(900N)を負荷した状態で内輪6を一定の回転速度(300rpm)で回転させる耐久試験を行って、焼入れ組織層22が転動疲労破壊するまでの時間を転動疲労寿命として評価した。
かくして得られたコロの転動疲労寿命について調べた結果を表8に示す。
コロの転動疲労寿命は、次のようにして評価した。
軸受内輪6の内周面に軸部2を嵌合させ、内輪6の外周面にコロ9を配置すると共に、軸受外輪8(以下単に外輪8という)を装着し、外輪8を固定した状態で、図6に示すように、外輪8に一定の荷重(900N)を負荷した状態で内輪6を一定の回転速度(300rpm)で回転させる耐久試験を行って、焼入れ組織層22が転動疲労破壊するまでの時間を転動疲労寿命として評価した。
そして、この転動疲労寿命は、表4中No.22の従来例(本発明外の熱間加工、高周波焼入れ条件を適用したもの)の転動疲労寿命を1とした時の相対比で表した。
なお、ここで、他の外輪、内輪等の寸法・形状は、耐久試験時にコロの表面が最弱部になるように設定した。
なお、ここで、他の外輪、内輪等の寸法・形状は、耐久試験時にコロの表面が最弱部になるように設定した。
また、同じコロについて、その焼入れ組織を硬化層の平均旧オーステナイト粒径および最大旧オーステナイト粒径を、前述した方法と同様の手法にて求めた。
これらの結果も表4に併記する。
これらの結果も表4に併記する。
表4から明らかなように、硬化層が、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下である、焼入れ組織を有する鋼球はいずれも、従来例に比べて10倍以上の優れた転動疲労寿命を得ることができた。
これに対し、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下となっていない比較例は転動疲労寿命が短い。
これに対し、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下で、かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下となっていない比較例は転動疲労寿命が短い。
1 軸受内輪
2 軸部
3 軸受外輪
4 軸受鋼球
6 軸受内輪
8 軸受外輪
9 コロ
11 軸受内輪の転走面
22 焼入れ層組織
31 軸受外輪の転送面
2 軸部
3 軸受外輪
4 軸受鋼球
6 軸受内輪
8 軸受外輪
9 コロ
11 軸受内輪の転走面
22 焼入れ層組織
31 軸受外輪の転送面
Claims (20)
- 転送面に焼入れを施した軸受鋼部品であって、該焼入れ組織は、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下かつ最大粒径が平均粒径の4倍以下であることを特徴とする軸受鋼部品。
- C:0.3〜1.5mass%、
Si:3.0mass%以下および
Mn:2.0mass%以下
を含有し、かつ下記式(1)を満足し、残部はFeおよび不可避不純物の成分組成を有することを特徴とする請求項1に記載の軸受鋼部品。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)>2.0 ・・・(1) - 前記成分組成として、さらに、
Al: 0.25mass%以下
を含有することを特徴とする請求項2に記載の軸受鋼部品。 - 前記成分組成として、さらに、
Cr:2.5mass%以下、
Mo:1.0mass%以下、
Cu:1.0mass%以下、
Ni:2.5mass%以下、
Co:1.0mass%以下、
V:0.5mass%以下および
W:1.0mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、かつ前記式(1)に替えて下記式(2)を満足することを特徴とする請求項2または3に記載の軸受鋼部品。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)(1+2.1Cr)(1+3.0Mo)(1+0.4Cu)(1+0.3Ni)(1+5.0V)(1+0.5W)>2.0 ・・・(2) - 前記成分組成として、さらに、
Ti:0.1mass%以下、
Nb:0.1mass%以下、
Zr:0.1mass%以下、
B:0.01mass%以下、
Ta:0.5mass%以下、
Hf:0.5mass%以下および
Sb:0.015mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、かつ前記式(1)又は(2)に替えて下記式(3)を満足することを特徴とする請求項2、3または4に記載の軸受鋼部品。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)(1+2.1Cr)(1+3.0Mo)(1+0.4Cu)(1+0.3Ni)(1+5.0V)(1+1000B)(1+0.5W)>2.0 ・・・(3) - 前記成分組成として、さらに
S:0.1mass%以下、
Pb:0.1mass%以下、
Bi:0.1mass%以下、
Se:0.1mass%以下、
Te:0.1mass%以下、
Ca:0.01mass%以下、
Mg:0.01mass%以下および
REM:0.1mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の軸受鋼部品。 - 前記軸受鋼部品は、軸受用の球あるいはコロであることを特徴とする請求項1乃至6に記載の軸受鋼部品。
- 前記軸受鋼部品は、軸受内輪あるいは軸受外輪であることを特徴とする請求項1乃至6に記載の軸受鋼部品。
- 微細なベイナイト組織および微細なマルテンサイト組織のいずれか一方または両方を合計で10体積%以上含有する鋼材を素材として、該素材の少なくとも一部分に、昇温速度400℃/s以上かつ到達温度1000℃以下の高周波加熱を1回以上施すことを特徴とする軸受鋼部品の製造方法。
- 請求項9において、前記素材は、800〜1000℃での総加工率が80%以上となる熱間加工工程と、該熱間加工工程後に700〜500℃の温度域を0.2℃/s以上の冷却速度で冷却する冷却工程と、さらに、該冷却工程の前に700〜800℃未満の温度域で20%以上の加工を施すか、あるいは該冷却工程の後にA1点変態点以下の温度域で20%以上の加工を施す第2加工工程と、を経て製造することを特徴とする軸受鋼部品の製造方法。
- 請求項9または10において、1回の高周波加熱における800℃以上の滞留時間を5秒以下とすることを特徴とする軸受鋼部品の製造方法。
- 前記鋼材は、
C:0.3〜1.5mass%、
Si:3.0mass%以下および
Mn:2.0mass%以下
を含有し、かつ下記式(1)を満足し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の軸受鋼部品の製造方法。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)>2.0 ・・・(1) - 前記鋼材は、さらに、
Al:0.25mass%以下
を含有することを特徴とする請求項12に記載の軸受鋼部品の製造方法。 - 前記鋼材は、さらに、
Cr:2.5mass%以下、
Mo:1.0mass%以下、
Cu:1.0mass%以下、
Ni:2.5mass%以下、
Co:1.0mass%以下、
V:0.5mass%以下および
W:1.0mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、かつ前記式(1)に替えて下記式(2)を満足する組成であることを特徴とする請求項12または13に記載の軸受鋼部品の製造方法。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)(1+2.1Cr)(1+3.0Mo)(1+0.4Cu)(1+0.3Ni)(1+5.0V)(1+0.5W)>2.0 ・・・(2) - 前記成分組成として、
Ti:0.1mass%以下、
Nb:0.1mass%以下、
Zr:0.1mass%以下、
B:0.01mass%以下、
Ta:0.5mass%以下、
Hf:0.5mass%以下および
Sb:0.015mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、かつ前記式(1)又は(2)に替えて下記式(3)を満足することを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載の軸受鋼部品の製造方法。
記
C1/2(1+0.7Si)(1+3Mn)(1+2.1Cr)(1+3.0Mo)(1+0.4Cu)(1+0.3Ni)(1+5.0V)(1+1000B)(1+0.5W)>2.0 ・・・(3) - 前記成分組成として、さらに
S:0.1mass%以下、
Pb:0.1mass%以下、
Bi:0.1mass%以下、
Se:0.1mass%以下、
Te:0.1mass%以下、
Ca:0.01mass%以下、
Mg:0.01mass%以下および
REM:0.1mass%以下
のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載の軸受鋼部品の製造方法。 - 前記軸受鋼部品は、軸受用の球あるいはコロであることを特徴とする請求項9乃至16に記載の軸受鋼部品の製造方法。
- 前記軸受鋼部品は、軸受内輪あるいは軸受外輪であることを特徴とする請求項9乃至16に記載の軸受鋼部品の製造方法。
- 軸受の球あるいはコロとして、請求項7記載の軸受鋼部品が用いられてなる軸受。
- 軸受の内輪あるいは外輪として、請求項8記載の軸受鋼部品が用いられてなる軸受。
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