JP2008131844A - 電線中間皮剥ぎ器 - Google Patents
電線中間皮剥ぎ器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008131844A JP2008131844A JP2006317598A JP2006317598A JP2008131844A JP 2008131844 A JP2008131844 A JP 2008131844A JP 2006317598 A JP2006317598 A JP 2006317598A JP 2006317598 A JP2006317598 A JP 2006317598A JP 2008131844 A JP2008131844 A JP 2008131844A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- opening
- arm
- electric wire
- open
- biting force
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】架空配電線の絶縁被覆に対する剥ぎ刃の食い込み不足を解消可能な電線中間皮剥ぎ器を提供する。
【解決手段】剥ぎ刃16の絶縁被覆13への食い込み力を高める食い込み力補助手段を電線中間皮剥ぎ器10に設けた。これにより、使用時、把持機構17により架空配電線15を両開閉アーム11,12により挟み込むと同時に、絶縁被覆13に対して剥ぎ刃16を食い込ませる。その後、食い込み力補助手段により、絶縁被覆13への剥ぎ刃16の食い込み力を増大させる。これにより、絶縁被覆13への剥ぎ刃16の食い込み不足を解消することができる。
【選択図】図1
【解決手段】剥ぎ刃16の絶縁被覆13への食い込み力を高める食い込み力補助手段を電線中間皮剥ぎ器10に設けた。これにより、使用時、把持機構17により架空配電線15を両開閉アーム11,12により挟み込むと同時に、絶縁被覆13に対して剥ぎ刃16を食い込ませる。その後、食い込み力補助手段により、絶縁被覆13への剥ぎ刃16の食い込み力を増大させる。これにより、絶縁被覆13への剥ぎ刃16の食い込み不足を解消することができる。
【選択図】図1
Description
この発明は電線中間皮剥ぎ器、詳しくは活線状態の架空配電線において、架空配電線の中間部の絶縁被覆を剥ぎ取る電線中間皮剥ぎ器に関する。
架空配電線の無停電工事として、元側にハンドルを有した絶縁操作棒またはマニュピュレータの先端部に剥ぎ刃付きの電線中間皮剥ぎ器を装着し、その後、作業者が絶縁操作棒などを握り、電線中間皮剥ぎ器を活線状態の架空配電線(以下、電線)の中間部に引っ掛け、ハンドルを回転操作して、前記剥ぎ刃を電線の周方向へ回転させながら電線の軸線方向へ移動させることで、電線の絶縁被覆を螺旋状に剥ぎ取る工法が知られている。
従来、この工法で使用される電線中間皮剥ぎ器として、例えば、前記ハンドルを操作して鋏構造の1対の開閉アームにより電線を挟み込み、この時、一方の開閉アームに固定された剥ぎ刃を絶縁被覆に食い込ませ、その状態のままで、電線を中心とした周方向へ剥ぎ刃を回転させ、絶縁被覆を剥ぐものが知られている(例えば特許文献1)。
特開平11−98639号公報
ところで、特許文献1にあっては、このように剥ぎ刃を電線の絶縁被覆に食い込ませる力は、ハンドルの回転操作力を動力源とした開閉アームの把持力のみに頼っていた。その結果、刃幅が大きい剥ぎ刃を適用しようとすると、絶縁被覆への食い込み量(深さ)が不足し、1回の皮剥ぎ作業では絶縁被覆を完全に除去することができないことがあった。その際には、続いて残部の絶縁被覆を処理する必要があり、絶縁被覆の皮剥ぎの作業効率が低下していた。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、両開閉アームにより架空配電線を挟み込むことで剥ぎ刃を絶縁被覆に食い込ませる把持機構とは別に、絶縁被覆に対する剥ぎ刃の食い込み力を高める食い込み力補助手段を電線中間皮剥ぎ器に設ければ、絶縁被覆への剥ぎ刃の食い込み不足を解消可能であることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、架空配電線の絶縁被覆に対する剥ぎ刃の食い込み不足を解消することができる電線中間皮剥ぎ器を提供することを目的としている。
また、この発明は、構造が簡単でかつ安定的に絶縁被覆への剥ぎ刃の食い込み力を増大させることができる電線中間皮剥ぎ器を提供することを目的としている。
さらに、この発明は、従来通りの皮剥ぎ操作を行うだけで、電線への剥ぎ刃の食い込み力を自動的に増大させることができる電線中間皮剥ぎ器を提供することを目的としている。
また、この発明は、構造が簡単でかつ安定的に絶縁被覆への剥ぎ刃の食い込み力を増大させることができる電線中間皮剥ぎ器を提供することを目的としている。
さらに、この発明は、従来通りの皮剥ぎ操作を行うだけで、電線への剥ぎ刃の食い込み力を自動的に増大させることができる電線中間皮剥ぎ器を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、一方の開閉アームと他方の開閉アームとのうち、少なくとも何れか一方を移動させて両開閉アームにより前記架空配電線を挟み込み、前記両開閉アームの何れかに設けられた剥ぎ刃を架空配電線の絶縁被覆に食い込ませる把持機構と、前記絶縁被覆への剥ぎ刃の食い込み力を増大させる食い込み力補助手段と、前記把持機構により前記架空配電線を挟み込んだ両開閉アームを、前記架空配電線の周りに回転させる回転機構とを備えた電線中間皮剥ぎ器である。
請求項1に記載の発明によれば、把持機構を用いて架空配電線を両開閉アームにより挟み込むと同時に、絶縁被覆に対して剥ぎ刃が食い込む。その後、食い込み力補助手段により、絶縁被覆への剥ぎ刃の食い込み力を増大させる。これにより、例えば刃幅が大きい剥ぎ刃を採用した場合などに生じる絶縁被覆に対する剥ぎ刃の食い込み不足が解消される。
電線中間皮剥器とは、活線状態の架空配電線のうち、軸線方向の両端部を除く部分の絶縁被覆を剥ぎ刃により剥ぎ取る器具である。
架空配電線の種別は任意である。例えば、水密電線、磨耗検知層付電線などを採用することができる。
絶縁被覆の素材としては、ポリエチレン、架橋ポリエチレンなどを採用することができる。
絶縁被覆の厚さは任意である。例えば、2.0〜3.0mm程度である。
開閉アームの移動は、直線移動でもよいし、曲線移動でもよい。
移動させられるのは一方の開閉アームだけでもよいし、他方の開閉アームだけでもよい。または、両方の開閉アームでもよい。剥ぎ刃が設けられるのは、一方の開閉アームでもよいし、他方の開閉アームでもよい。また、両方の開閉アームに設けてもよい。
架空配電線の種別は任意である。例えば、水密電線、磨耗検知層付電線などを採用することができる。
絶縁被覆の素材としては、ポリエチレン、架橋ポリエチレンなどを採用することができる。
絶縁被覆の厚さは任意である。例えば、2.0〜3.0mm程度である。
開閉アームの移動は、直線移動でもよいし、曲線移動でもよい。
移動させられるのは一方の開閉アームだけでもよいし、他方の開閉アームだけでもよい。または、両方の開閉アームでもよい。剥ぎ刃が設けられるのは、一方の開閉アームでもよいし、他方の開閉アームでもよい。また、両方の開閉アームに設けてもよい。
両開閉アームのうち、架空配電線の挟み込み部分の形状は、挟持可能な架空配電線の太さ(直径)の自由度が大きくなるため、円弧形状とした方が好ましい。
剥ぎ刃は、刃幅方向が架空配電線の軸線方向と平行なものでもよいし、傾斜したものでもよい。また、剥ぎ刃の幅は絶縁被覆の剥ぎ取り幅と略同じ(例えば60mm)でもよいし、それより短くてもよい。電線中間皮剥ぎ器により剥ぎ取られるのは、架空配電線のうち、両端部を除いた部分(中間部)の絶縁被覆である。剥ぎ刃および架空配電線は、相対的に移動してもよいし、そうでなくてもよい。
剥ぎ刃は、刃幅方向が架空配電線の軸線方向と平行なものでもよいし、傾斜したものでもよい。また、剥ぎ刃の幅は絶縁被覆の剥ぎ取り幅と略同じ(例えば60mm)でもよいし、それより短くてもよい。電線中間皮剥ぎ器により剥ぎ取られるのは、架空配電線のうち、両端部を除いた部分(中間部)の絶縁被覆である。剥ぎ刃および架空配電線は、相対的に移動してもよいし、そうでなくてもよい。
回転機構の構造は任意である。把持機構により架空配電線を挟み込んだ両開閉アームを、架空配電線の周りに回転させることができればよい。
食い込み力補助手段の構造は、絶縁被覆への剥ぎ刃の食い込み力を増大可能であれば任意である。例えば、両開閉アームをアーム締め付けボルトのねじ込み力により閉じるねじ込み構造を有したものでもよい。また、絶縁被覆に対する剥ぎ刃の食い込み力が所定の大きさに達するまで、回転機構による両開閉アームの回転を阻止するボルトと、これに螺合されるナットとからなるボルトナット構造体でもよい。その他、ディスクブレーキ(パッド挟み込み)、電磁ブレーキ、ばねなどを採用することができる。
食い込み力補助手段の構造は、絶縁被覆への剥ぎ刃の食い込み力を増大可能であれば任意である。例えば、両開閉アームをアーム締め付けボルトのねじ込み力により閉じるねじ込み構造を有したものでもよい。また、絶縁被覆に対する剥ぎ刃の食い込み力が所定の大きさに達するまで、回転機構による両開閉アームの回転を阻止するボルトと、これに螺合されるナットとからなるボルトナット構造体でもよい。その他、ディスクブレーキ(パッド挟み込み)、電磁ブレーキ、ばねなどを採用することができる。
請求項2に記載の発明は、前記把持機構は、前記移動させられる開閉アームの回動中心となる回動軸を有した請求項1に記載の電線中間皮剥ぎ器である。
請求項2に記載の発明によれば、移動させられる開閉アームを回動軸を中心にして回動させることで、例えば鋏のように両開閉アームの開閉を行う。
両開閉アームは、長さ方向の中間部を回動軸により軸支したものでもよいし、長さ方向の一端部(元部)を回動軸により軸支したものでもよい。
両開閉アームは、長さ方向の中間部を回動軸により軸支したものでもよいし、長さ方向の一端部(元部)を回動軸により軸支したものでもよい。
請求項3に記載の発明は、前記食い込み力補助手段は、前記両開閉アームにねじ部が横架されたアーム締め付けボルトを有している請求項1または請求項2に記載の電線中間皮剥ぎ器である。
請求項3に記載の発明によれば、アーム締め付けボルトのねじ込み力により両開閉アームを閉じることで、絶縁被覆への剥ぎ刃の食い込み力が増す。これにより、構造が簡単でかつ安定的に絶縁被覆への剥ぎ刃の食い込み力の増大を図ることができる。
アーム締め付けボルトとは、ボルトの締め付け力により両開閉アームのうち、少なくとも架空配電線の挟み込み部分(把持部分)を接近可能なボルトをいう。アーム締め付けボルトにより近接されるのは、両開閉アームまたは何れか一方の開閉アームでもよい。
請求項4に記載の発明は、前記移動させられる開閉アームは、前記一方の開閉アームのみで、前記食い込み力補助手段は、前記他方の開閉アームの回転を阻止可能なブレーキ構造体を有している請求項2に記載の電線中間皮剥ぎ器である。
請求項4に記載の発明によれば、例えば絶縁操作棒などのハンドル操作を行うことで把持機構を作動させ、一方の開閉アームを回動させて両開閉アームにより架空配電線を挟持すると同時に、絶縁被覆に剥ぎ刃を食い込ませる。その後、回転機構により両開閉アームとともに剥ぎ刃を架空配電線の周りに回転させ、絶縁被覆を剥ぎ取る。
このとき、剥ぎ刃の食い込み力が所定の大きさに達するまで、ブレーキ構造体が他方の開閉アームの回転を阻止する。その結果、従来通りの皮剥ぎ操作を行うだけで、架空配電線への剥ぎ刃の食い込み力を自動的に増大させることができる。
所定の食い込み力に到達後は、ブレーキ構造体による他方の開閉アームの回転の阻止状態が解除され、両開閉アームが回転して剥ぎ刃による絶縁被覆の皮剥ぎが行われる。
このとき、剥ぎ刃の食い込み力が所定の大きさに達するまで、ブレーキ構造体が他方の開閉アームの回転を阻止する。その結果、従来通りの皮剥ぎ操作を行うだけで、架空配電線への剥ぎ刃の食い込み力を自動的に増大させることができる。
所定の食い込み力に到達後は、ブレーキ構造体による他方の開閉アームの回転の阻止状態が解除され、両開閉アームが回転して剥ぎ刃による絶縁被覆の皮剥ぎが行われる。
ブレーキ構造体とは、絶縁被覆に対する剥ぎ刃の食い込み力が所定の大きさに達するまで、回転機構による両開閉アームの回転を阻止可能なものであれば任意である。例えば、ボールプランジャなどを採用することができる。その他、ディスクプレーキ、電磁ブレーキ、ばねなどでもよい。
ブレーキ構造体の設置位置は任意である。例えば、電線中間皮剥ぎ器の本体となり、かつ両開閉アームが回転自在に取り付けられる本体プレートと、他方の開閉アームとの間でもよい。また、回転プレートを介して、他方の開閉アームが本体プレートに取り付けられている場合には、本体プレートと回転プレートとの間にブレーキ構造体を設けてもよい。
ブレーキ構造体の設置位置は任意である。例えば、電線中間皮剥ぎ器の本体となり、かつ両開閉アームが回転自在に取り付けられる本体プレートと、他方の開閉アームとの間でもよい。また、回転プレートを介して、他方の開閉アームが本体プレートに取り付けられている場合には、本体プレートと回転プレートとの間にブレーキ構造体を設けてもよい。
この発明の請求項1に記載の発明によれば、食い込み力補助手段を電線中間皮剥ぎ器に備えたので、把持機構により剥ぎ刃を絶縁被覆に食い込ませた後、その食い込み力を食い込み力補助手段により増大させることができる。その結果、例えば刃幅が大きい剥ぎ刃を適用した場合などに生じる架空配電線の絶縁被覆に対する剥ぎ刃の食い込み不足を解消することができる。
特に、請求項3に記載の発明によれば、食い込み力補助手段として、両開閉アームにねじ部が横架されたアーム締め付けボルトを有したものを採用したので、構造が簡単でかつ安定的に絶縁被覆への剥ぎ刃の食い込み力の増大を図ることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、食い込み力補助手段として、架空配電線の絶縁被覆に対する剥ぎ刃の食い込み力が所定の大きさに達するまで、他方の開閉アームの回転を阻止するブレーキ構造体を採用したので、従来通りの皮剥ぎ操作を行うだけで、架空配電線への剥ぎ刃の食い込み力を自動的に増大させることができる。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。まず、図1〜図6を参照して、この発明の実施例1に係る電線中間皮剥ぎ器について述べる。
図1において、10はこの発明の実施例1に係る電線中間皮剥ぎ器で、この電線中間皮剥ぎ器10は、架空配電線15の絶縁被覆13を剥ぐ剥ぎ刃16を有した第1の開閉アーム(一方の開閉アーム)11と、第2の開閉アーム(他方の開閉アーム)12とのうち、第1の開閉アーム11を回動軸18を中心にして回動させ、両開閉アーム11,12により架空配電線15を挟み込んで、剥ぎ刃16を絶縁被覆13に食い込ませる把持機構17と、把持機構17により架空配電線15を挟み込んだ両開閉アーム11,12を、架空配電線15の周りに回転させる回転機構21とを備えている。
以下、これらの構成部品を詳細に説明する。
図1〜図6に示すように、電線中間皮剥ぎ器10は、略下向きC字形状の本体プレート22を有している。本体プレート22の中央部には、曲率が一定した円弧形状のC字切欠部23が形成されている。C字切欠部23には、C字切欠部23の内縁部をガイドにして回転自在で、かつC字切欠部23と略同じ円弧の長さを有する厚肉な外筒体24が内挿されている。外筒体24の軸線方向の長さは、本体プレート22の厚さより長い。外筒体24の外周側のうち、外筒体24の軸線方向の長さの略中間部分には、外筒体24の周方向の全長にわたって、前記C字切欠部23の内縁部が内挿される1条のガイド溝22aが形成されている。これにより、外筒体24はC字切欠部23の内縁部をガイドにして、その軸線を中心として回転自在に構成されている。
図1〜図6に示すように、電線中間皮剥ぎ器10は、略下向きC字形状の本体プレート22を有している。本体プレート22の中央部には、曲率が一定した円弧形状のC字切欠部23が形成されている。C字切欠部23には、C字切欠部23の内縁部をガイドにして回転自在で、かつC字切欠部23と略同じ円弧の長さを有する厚肉な外筒体24が内挿されている。外筒体24の軸線方向の長さは、本体プレート22の厚さより長い。外筒体24の外周側のうち、外筒体24の軸線方向の長さの略中間部分には、外筒体24の周方向の全長にわたって、前記C字切欠部23の内縁部が内挿される1条のガイド溝22aが形成されている。これにより、外筒体24はC字切欠部23の内縁部をガイドにして、その軸線を中心として回転自在に構成されている。
外筒体24の外周側のうち、本体プレート22の裏面から突出した部分には、外筒体24の周方向の全長にわたって外ギヤ25が周設されている。本体プレート22の元部の裏側には、互いに離間してかつ外ギヤ25に噛合する1対の従動側の小ギヤ26が配設されている。また、本体プレート22の元部の裏側には、両従動側の小ギヤ26に跨がって噛合される駆動側の小ギヤ27が設けられている。駆動側の小ギヤ27の回転軸27aは、本体プレート22を貫通して本体プレート22の表側から外方へ突出している。この突出部分に傘歯車28が固着されている。
本体プレート22の元部の表側には、円筒ソケット30が片持ちされている。円筒ソケット30の内部空間には、短尺な六角柱の操作入力軸31が、その元部付近を円筒ソケット30の元部に軸支した状態で収納されている。操作入力軸31には、元部にハンドルを有した図示しない第1の絶縁操作棒の先端部の連結ソケットが着脱自在に連結される。連結ソケットは、操作入力軸31の六角柱形状に合わせた六角筒体である。ハンドルを回転操作することで、連結ソケットを介して操作入力軸31を回転させる。操作入力軸31の元部は、円筒ソケット30から外方へ突出している。この突出部分に、前記傘歯車28に噛合される別の傘歯車29が固着されている。
外筒体24の表側の部分は、前記本体プレート22の表面から外方へ突出している。この突出部分の外周面には、近接配置された前記傘歯車28との接触を回避するため、外筒体24の周方向の全長にわたって1条の溝24aが形成されている。外筒体24の表側の端面には、その一側部(C字の略半分)の領域に、厚肉で円弧形状を有した第1の円弧ブロック32が固定されている。第1の円弧ブロック32の表側の外方には、回動軸18を介して、第2の開閉アーム12に回動自在に連結された厚肉な第1の開閉アーム11が配置されている。すなわち、第1の開閉アーム11と第1の円弧ブロック32とは、非接触状態にある。
第1の開閉アーム11の先部のうち、長さ方向の中間部付近には、正面視して円弧形状の電線挟み込み部38が設けられている。
第1の開閉アーム11の長さ方向の中間部から元部にかけては、第1の開閉アーム11の両側面を貫通した略矩形状の駒摺動用長孔34bが形成されている。また、第1の開閉アーム11の元部には、その表側部と裏側部との対向部分に、長さ方向を第1の開閉アーム11の長さ方向へ向けた長孔34cがそれぞれ形成されている。
第1の開閉アーム11の長さ方向の中間部から元部にかけては、第1の開閉アーム11の両側面を貫通した略矩形状の駒摺動用長孔34bが形成されている。また、第1の開閉アーム11の元部には、その表側部と裏側部との対向部分に、長さ方向を第1の開閉アーム11の長さ方向へ向けた長孔34cがそれぞれ形成されている。
駒摺動用長孔34bには、短尺な円柱駒36が、駒摺動用長孔34bの長さ方向へ摺動自在に収納されている。円柱駒36には、その外周面の両端部を貫通してねじ孔36aが形成されている。また、円柱駒36の両端面の中心部には、対応する長孔34cに挿入された短尺ピン40がそれぞれ突設されている。円柱駒36は、両短尺ピン40が長孔34cの形成部をガイドにして、駒摺動用長孔34bの長さ方向へ摺動する。また、第1の開閉アーム11の元部の表側のうち、長孔34cの形成部の回動軸18側には、ばね掛止ピン43が螺着されている。ばね掛止ピン43には、両開閉アーム11,12を常開させる細長い常開コイルばね42の一端部が掛止される。
第1の開閉アーム11の先部には、その両側面を貫通し、かつ電線挟み込み部38に向かって徐々に開口面積が大きくなる矩形状の開口部35bが形成されている。開口部35bのうち、第1の開閉アーム11の先側の辺部には、前記剥ぎ刃16がねじ止めされている。
剥ぎ刃16は、その幅方向が架空配電線15の軸線方向と平行に配置されている。剥ぎ刃16の刃先が、開口部の電線挟み込み部側の面から突出する長さは3.25mmである。剥ぎ刃16の幅は、架空配電線15から分岐される引き下げ線の接続が可能な60mmである。すなわち、剥ぎ刃16を絶縁被覆13に突き刺し、この状態のまま剥ぎ刃16を絶縁被覆13の周りで1回転させれば、絶縁被覆13の皮剥ぎは完了する。
剥ぎ刃16は、その幅方向が架空配電線15の軸線方向と平行に配置されている。剥ぎ刃16の刃先が、開口部の電線挟み込み部側の面から突出する長さは3.25mmである。剥ぎ刃16の幅は、架空配電線15から分岐される引き下げ線の接続が可能な60mmである。すなわち、剥ぎ刃16を絶縁被覆13に突き刺し、この状態のまま剥ぎ刃16を絶縁被覆13の周りで1回転させれば、絶縁被覆13の皮剥ぎは完了する。
外筒体24の表側の外縁部には、第1の円弧ブロック32の外周縁より外方に突出し、略C字形状のフランジであるカム(原動節)45が一体形成されている。カム45のうち、第1の円弧ブロック32との対向部分から若干離れた領域には、この対向部分の長さの略半分の長さを有したカム凹部45aが形成されている。外筒体24の内側には、外筒体24の内周面に沿って回転可能で、かつ外筒体24と略同じ大きさ(円弧の長さが略同じ)のC字形状を有した内筒体47が内挿されている。
内筒体47は外筒体24に比べて薄肉である。外筒体24の裏側の端には、内筒体47が外筒体24の裏側から抜け落ちないように、外筒体24と略同じ大きさのC字ストッパ48が固定されている。また、内筒体47の表側の端面には、外筒体24における第1の円弧ブロック32の設置部分とは反対側となる他側部(C字の略半分)の領域に、厚肉で略円弧形状を有した第2の円弧ブロック33が固定されている。
内筒体47は外筒体24に比べて薄肉である。外筒体24の裏側の端には、内筒体47が外筒体24の裏側から抜け落ちないように、外筒体24と略同じ大きさのC字ストッパ48が固定されている。また、内筒体47の表側の端面には、外筒体24における第1の円弧ブロック32の設置部分とは反対側となる他側部(C字の略半分)の領域に、厚肉で略円弧形状を有した第2の円弧ブロック33が固定されている。
第2の円弧ブロック33の長さ方向の一端部の表側には、第1の円弧ブロック32との接触時の衝撃を減衰させる衝撃減衰部49が取り付けられている。ただし、衝撃減衰部49は必ずしも設けなくてもよい。衝撃減衰部49は、第1の円弧ブロック32との接触側の面が開口した略コの字形状のケーシング50を本体とする。ケーシング50は、その元側の一隅部が、第2の円弧ブロック33から外方に突出状態となっている。
ケーシング50には、衝撃減衰ブロック51が出し入れ自在に収納されている。衝撃減衰ブロック51は、第1の円弧ブロック32と接触する先端部が面取り(円弧形状に加工)されている。また、衝撃減衰ブロック51の元部にはピン51aが突設されている。ピン51aの先部は、ケーシング50の元部に形成されたピン孔を通して外部へ突出している。この突出部分に、緩衝ばねを内蔵した摘まみ52が取り付けられている。
ケーシング50には、衝撃減衰ブロック51が出し入れ自在に収納されている。衝撃減衰ブロック51は、第1の円弧ブロック32と接触する先端部が面取り(円弧形状に加工)されている。また、衝撃減衰ブロック51の元部にはピン51aが突設されている。ピン51aの先部は、ケーシング50の元部に形成されたピン孔を通して外部へ突出している。この突出部分に、緩衝ばねを内蔵した摘まみ52が取り付けられている。
第2の円弧ブロック33の一端部付近の表側には、前記常開コイルばね42の他端部が掛止される別のばね掛止ピン44が螺着されている。常開コイルばね42が、1対のばね掛止ピン43,44に掛止されることで、常開コイルばね42のばね力により、第1の開閉アーム11の元部が回動軸18を中心にして別のばね掛止ピン44側へ付勢状態で引っ張られる。
第2の円弧ブロック33の一端部付近には、前記第2の開閉アーム12の先部が固定されている。第2の開閉アーム12の先部は、第1の開閉アーム11の先部と略同じ厚さを有している。しかしながら、第2の開閉アーム12の長さ方向の中間部から元部にかけては、前記駒摺動用長孔34bに挿通可能な大きさまで細く形成されている。
第2の円弧ブロック33の一端部付近には、前記第2の開閉アーム12の先部が固定されている。第2の開閉アーム12の先部は、第1の開閉アーム11の先部と略同じ厚さを有している。しかしながら、第2の開閉アーム12の長さ方向の中間部から元部にかけては、前記駒摺動用長孔34bに挿通可能な大きさまで細く形成されている。
第1の開閉アーム11の長さ方向の中間部と、第2の開閉アーム12の長さ方向の中間部とは、本体プレート22の厚さ方向へ軸線方向を向けた前記回動軸18により、回動自在に連結されている。第2の開閉アーム12の元部には、両側面を貫通して貫通孔35aが形成されている。貫通孔35aには、1本の細長い操作ボルト(アーム締め付けボルト)37が挿通されている。このとき、貫通孔35aと操作ボルト37との間には、操作ボルト37の周側面の全域にわたって若干の隙間が現出するように構成されている。
また、操作ボルト37の先部は、前記円柱駒36のねじ孔36aに螺合されている。操作ボルト37の頭部には、操作リング37aが取り付けられている。操作リング37aには、元部にハンドルを有した図示しない第2の絶縁操作棒の先端部のフックが掛止される。フックを操作リング37aに掛止後、ハンドルを回すことで操作ボルト37が回転し、第1の開閉アーム11の元部と、第2の開閉アーム12の元部とが互いに近接または離反する。これに伴い、第1の開閉アーム11および第2の開閉アーム12が開閉する。なお、両開閉アーム11,12による架空配電線15の挟み込み力は、両開閉アーム11,12における操作ボルト37の取り付け位置と回動軸18との間の距離を変更することで調整することができる。
第2の開閉アーム12の先部のうち、長さ方向の中間部付近には、前記第1の開閉アーム11の電線挟み込み部38と線対称となる別の電線挟み込み部38が設けられている。このように、両電線挟み込み部38を、各対応する開閉アーム11,12の軸支部付近に設けるようにしたので、架空配電線15の絶縁被覆13に対して、剥ぎ刃16をより大きな力で食い込ませることができる。
第2の円弧ブロック33の他端部には、その外周側に開口形状が矩形の凹部33aが1つ形成されている。凹部33aには、内筒体47の回転をストップさせる掛止フック53の爪部53aが掛止される。掛止フック53は、前記本体プレート22の先部の表側に、回動ピン54を介して、回動自在に設けられている。回動ピン54と掛止フック53との間には、常時、爪部53aを第2の円弧ブロック33の方向へ付勢させる短尺なコイルばね55が介在されている。
第2の円弧ブロック33の他端部には、その外周側に開口形状が矩形の凹部33aが1つ形成されている。凹部33aには、内筒体47の回転をストップさせる掛止フック53の爪部53aが掛止される。掛止フック53は、前記本体プレート22の先部の表側に、回動ピン54を介して、回動自在に設けられている。回動ピン54と掛止フック53との間には、常時、爪部53aを第2の円弧ブロック33の方向へ付勢させる短尺なコイルばね55が介在されている。
掛止フック53の長さ方向の中間部には、矩形状の貫通孔53bが形成されている。貫通孔53bには、前記コイルばね55のばね力により、常時、前記カム45の外周縁に押し付けられるカムフォロア46が軸支されている。掛止フック53の元側の端には、コイルばね55による掛止フック53の回動を規制するストッパピン53cが突設されている。
本体プレート22の回動ピン54の近傍には、ストッパピン53cの当接により、掛止フック53の回動を規制するばね止めピン56が突設されている。前記コイルばね55の一端部はばね止めピン56に掛止される。一方、コイルばね55の他端部は、掛止フック53の長さ方向の略中間部に掛止される。
前記把持機構17は、回動軸18、外筒体24、円柱駒36、操作ボルト37および内筒体47を備えている。このうち、円柱駒36および操作ボルト37は、絶縁被覆13への剥ぎ刃16の食い込み力を増大させるねじ込み式の食い込み力補助手段を兼ねている。また、前記回転機構21は、操作入力軸31、傘歯車28、別の傘歯車29、駆動側の小ギヤ27、1対の従動側の小ギヤ26および外ギヤ25を有している。
本体プレート22の回動ピン54の近傍には、ストッパピン53cの当接により、掛止フック53の回動を規制するばね止めピン56が突設されている。前記コイルばね55の一端部はばね止めピン56に掛止される。一方、コイルばね55の他端部は、掛止フック53の長さ方向の略中間部に掛止される。
前記把持機構17は、回動軸18、外筒体24、円柱駒36、操作ボルト37および内筒体47を備えている。このうち、円柱駒36および操作ボルト37は、絶縁被覆13への剥ぎ刃16の食い込み力を増大させるねじ込み式の食い込み力補助手段を兼ねている。また、前記回転機構21は、操作入力軸31、傘歯車28、別の傘歯車29、駆動側の小ギヤ27、1対の従動側の小ギヤ26および外ギヤ25を有している。
次に、この発明の実施例1に係る電線中間皮剥ぎ器10を用いた架空配電線15の絶縁被覆13の皮剥ぎ作業を説明する。
図1〜図6に示すように、予め作業者が操作ボルト37を回転させ、第1の開閉アーム11と第2の開閉アーム12とを開状態で保持する。そして、C字切欠部23の内縁部をガイドにして外筒体24を所定角度だけ正方向(アーム閉方向)へ回動させ、短尺なコイルばね55のばね力により、掛止フック53の爪部53aを第2の円弧ブロック33の凹部33aに掛止させておく。これにより、内筒体47の回転は規制されるとともに、本体プレート22のC字切欠部23の開口部と、外筒体24の開口部と、内筒体47の開口部とが全て合致し、電線中間皮剥ぎ器10を架空配電線15の中間部に装着(掛止)可能な状態となる。このとき、カムフォロア46は、カム凹部45aに配置される。
図1〜図6に示すように、予め作業者が操作ボルト37を回転させ、第1の開閉アーム11と第2の開閉アーム12とを開状態で保持する。そして、C字切欠部23の内縁部をガイドにして外筒体24を所定角度だけ正方向(アーム閉方向)へ回動させ、短尺なコイルばね55のばね力により、掛止フック53の爪部53aを第2の円弧ブロック33の凹部33aに掛止させておく。これにより、内筒体47の回転は規制されるとともに、本体プレート22のC字切欠部23の開口部と、外筒体24の開口部と、内筒体47の開口部とが全て合致し、電線中間皮剥ぎ器10を架空配電線15の中間部に装着(掛止)可能な状態となる。このとき、カムフォロア46は、カム凹部45aに配置される。
次いで、作業者は、第1の絶縁操作棒の連結ソケットを操作入力軸31に連結し、第1の絶縁操作棒の先端部に電線中間皮剥ぎ器10を装着する。その後、作業者は第1の絶縁操作棒を握って電線中間皮剥ぎ器10を持ち上げ(掲げ)、電線中間皮剥ぎ器10を活線状態の架空配電線15の中間部に引っ掛ける。
この状態で、第2の絶縁操作棒のフックを操作リング37aに掛止し、第2の絶縁操作棒のハンドルをアーム閉方向へ手回しする。これにより、操作ボルト37が回転し、両開閉アーム11,12の元部同士が近接して両開閉アーム11,12が閉じる。この時、剥ぎ刃16が絶縁被覆13に食い込む。なお、操作ボルト37は第2の開閉アーム12に螺着されておらず、単に貫通孔35aに挿通されているだけである。そのため、操作ボルト37が両開閉アーム11,12の閉動作を阻害することはない。
この状態で、第2の絶縁操作棒のフックを操作リング37aに掛止し、第2の絶縁操作棒のハンドルをアーム閉方向へ手回しする。これにより、操作ボルト37が回転し、両開閉アーム11,12の元部同士が近接して両開閉アーム11,12が閉じる。この時、剥ぎ刃16が絶縁被覆13に食い込む。なお、操作ボルト37は第2の開閉アーム12に螺着されておらず、単に貫通孔35aに挿通されているだけである。そのため、操作ボルト37が両開閉アーム11,12の閉動作を阻害することはない。
その後は、第2の絶縁操作棒のハンドルをさらに回転させ、絶縁被覆13に対する剥ぎ刃16の食い込み力を増大させる。このように、把持機構17を兼ねた形態ではあるものの、食い込み力補助手段を電線中間皮剥ぎ器10に設けたので、剥ぎ刃16の絶縁被覆13への食い込み力が増大する。その結果、刃幅が60mmと従来に比べて大きい剥ぎ刃16を使用しても、絶縁被覆13の皮剥ぎに必要な食い込み力を確保することができる。よって、架空配電線15の絶縁被覆13に対する剥ぎ刃16の食い込み不足が解消される。しかも、実施例1では食い込み力補助手段として、操作ボルト37を有したねじ込み(ボルト締結)構造を採用したので、食い込み力補助手段の構造が簡単でかつ安定して絶縁被覆13への剥ぎ刃16の食い込み力の増大を図ることができる。
次に、剥ぎ刃16の食い込み力を増大させたまま、第1の絶縁操作棒のハンドルを回し、操作入力軸31をアーム閉方向へ回転させる。この回転力は、別の傘歯車29から傘歯車28、駆動側の小ギヤ27、2個の従動側の小ギヤ26、外ギヤ25へと順次伝達される。よって、外筒体24が本体プレート22のC字切欠部23内で、アーム閉方向へ徐々に回転して行く。これにより、カムフォロア46がカム凹部45aから再びカム45の通常部分(隆起部分)に乗り上げ、コイルばね55のばね力に抗して、掛止フック53が回動ピン54を中心にして回動し、凹部33aから爪部53aが離反する。こうして、内筒体47の回転規制状態が解除される。引き続き、閉じた両開閉アーム11,12を、C字切欠部23の内縁部をガイドにして架空配電線15の周りに1回転させる。
これにより、幅が狭い剥ぎ刃16を使用していた従来のように、架空配電線15の周りを何回転もさせなくても、剥ぎ刃16を架空配電線15の周りで1回転させるだけで、絶縁被覆13の中間部を幅60mmにわたり皮剥ぎすることができる。その結果、皮剥ぎの作業時間が短縮し、皮剥ぎの作業性を高めることができる。
その後は、皮剥ぎで露出した心線14の一部に、前記引き下げ線の心線の一端部を接続する。
皮剥ぎ終了後は、第1の絶縁操作棒のハンドルを逆回転させ、再び掛止フック53の爪部53aを凹部33aに掛止して内筒体47の回転を阻止する。その後、第2の絶縁操作棒のハンドルを逆回転させ、両開閉アーム11,12を開く。これにより、本体プレート22のC字切欠部23の開口部と、外筒体24の開口部と、内筒体47の開口部とが全て合致する。よって、電線中間皮剥ぎ器10を架空配電線15の中間部から外すことができる。
その後は、皮剥ぎで露出した心線14の一部に、前記引き下げ線の心線の一端部を接続する。
皮剥ぎ終了後は、第1の絶縁操作棒のハンドルを逆回転させ、再び掛止フック53の爪部53aを凹部33aに掛止して内筒体47の回転を阻止する。その後、第2の絶縁操作棒のハンドルを逆回転させ、両開閉アーム11,12を開く。これにより、本体プレート22のC字切欠部23の開口部と、外筒体24の開口部と、内筒体47の開口部とが全て合致する。よって、電線中間皮剥ぎ器10を架空配電線15の中間部から外すことができる。
次に、図7〜図9を参照して、この発明の実施例2に係る電線中間皮剥ぎ器を説明する。
図7〜図9に示すように、実施例2に係る電線中間皮剥ぎ器10Aの特徴は、食い込み力補助手段として、第2の開閉アーム12の回転を阻止可能なボールプランジャ(ブレーキ構造体)60を有した点である。しかも、電線中間皮剥ぎ器10Aでは、両開閉アーム11,12の元部と、操作ボルト37と、常開コイルばね42とがそれぞれ削除されている。また、ここでの剥ぎ刃16の刃幅は20mmで、電線挟み込み部側の面から突出する長さは2.0mmであり、把持機構17Aは食い込み力補助手段を兼ねていない。
図7〜図9に示すように、実施例2に係る電線中間皮剥ぎ器10Aの特徴は、食い込み力補助手段として、第2の開閉アーム12の回転を阻止可能なボールプランジャ(ブレーキ構造体)60を有した点である。しかも、電線中間皮剥ぎ器10Aでは、両開閉アーム11,12の元部と、操作ボルト37と、常開コイルばね42とがそれぞれ削除されている。また、ここでの剥ぎ刃16の刃幅は20mmで、電線挟み込み部側の面から突出する長さは2.0mmであり、把持機構17Aは食い込み力補助手段を兼ねていない。
さらに、第1の開閉アーム11の先部には、その表裏面を貫通し、かつ長さ方向を略アーム長さ方向へ向けて長孔34aが形成されている。長孔34aには、第1の円弧ブロック32の一端部の表側から突出した摺動ボルト39が、摺動自在に挿入されている。摺動ボルト39の頭部の直径は、長孔34aの長さ方向の端部の直径より長い。これにより、第1の開閉アーム11が第1の円弧ブロック32に摺動自在に連結される。
そして、ここでは前記剥ぎ刃16を、第1の開閉アーム11ではなく、第2の開閉アーム12に取り付けている。すなわち、第2の開閉アーム12には、第2の開閉アーム12の先部の両側面を貫通し、かつ別の電線挟み込み部38に向かって徐々に開口面積が小さくなる矩形状の開口部35bが形成されている。開口部35bのうち、第2の開閉アーム12の先側の辺部に、前記剥ぎ刃16がねじ止めされる。
そして、ここでは前記剥ぎ刃16を、第1の開閉アーム11ではなく、第2の開閉アーム12に取り付けている。すなわち、第2の開閉アーム12には、第2の開閉アーム12の先部の両側面を貫通し、かつ別の電線挟み込み部38に向かって徐々に開口面積が小さくなる矩形状の開口部35bが形成されている。開口部35bのうち、第2の開閉アーム12の先側の辺部に、前記剥ぎ刃16がねじ止めされる。
ボールプランジャ60は、本体プレート22に形成されたねじ孔22bに螺合されている。ボールプランジャ60は、第2の円弧ブロック33を介して、第2の開閉アーム12に設けられたケーシング50に押し付けられることで、回転機構21による第2の開閉アーム12の回転を、絶縁被覆13に対する剥ぎ刃16の食い込み力が所定の大きさに達するまで阻止する。
以下、ボールプランジャ60を詳細に説明する。
ボールプランジャ60は、本体プレート22の先端部に形成された大径なねじ孔22bに螺合され、かつ先部が本体プレート22の表側から突出した中空ねじ部61を本体とする。中空ねじ部61は、その先端部が徐々に先細り化している。中空ねじ部61の内部空間には、中空ねじ部61の内径より若干小径な鋼鉄製のボール62と、このボール62の一部のみを中空ねじ部61の先端の開口部から外方へ付勢状態で突出させるコイルばね63とがそれぞれ収納されている。
前記ケーシング50の元部のうち、第2の円弧ブロック33から外方に突出した一隅部の裏側には、前記外方へ突出したボール62の一部が押し付けられて嵌まり込む半球凹部50aが形成されている。コイルばね63のばね力により、ボール62の一部が半球凹部50aに嵌合されると、内筒体47はその開口部とC字切欠部23の開口部とが合致する。このような両開口部の合致状態は、半球凹部50aからボール62が外れるまで維持される。
ボールプランジャ60は、本体プレート22の先端部に形成された大径なねじ孔22bに螺合され、かつ先部が本体プレート22の表側から突出した中空ねじ部61を本体とする。中空ねじ部61は、その先端部が徐々に先細り化している。中空ねじ部61の内部空間には、中空ねじ部61の内径より若干小径な鋼鉄製のボール62と、このボール62の一部のみを中空ねじ部61の先端の開口部から外方へ付勢状態で突出させるコイルばね63とがそれぞれ収納されている。
前記ケーシング50の元部のうち、第2の円弧ブロック33から外方に突出した一隅部の裏側には、前記外方へ突出したボール62の一部が押し付けられて嵌まり込む半球凹部50aが形成されている。コイルばね63のばね力により、ボール62の一部が半球凹部50aに嵌合されると、内筒体47はその開口部とC字切欠部23の開口部とが合致する。このような両開口部の合致状態は、半球凹部50aからボール62が外れるまで維持される。
次に、実施例2の電線中間皮剥ぎ器10Aを使用した架空配電線15の絶縁被覆13の皮剥ぎ作業を説明する。
作業者が第1の絶縁操作棒のハンドルをアーム開方向へ回転操作することで、掛止フック53の爪部53aが凹部33aに掛止され、第2の開閉アーム12が固定される。引き続き操作ボルト37を同じ方向へ回転させると、摺動ボルト39を介して第1の開閉アーム11が開く。このとき、コイルばね63のばね力により、ボール62の一部が半球凹部50aに、所定の掛合力で掛合される。
作業者が第1の絶縁操作棒のハンドルをアーム開方向へ回転操作することで、掛止フック53の爪部53aが凹部33aに掛止され、第2の開閉アーム12が固定される。引き続き操作ボルト37を同じ方向へ回転させると、摺動ボルト39を介して第1の開閉アーム11が開く。このとき、コイルばね63のばね力により、ボール62の一部が半球凹部50aに、所定の掛合力で掛合される。
この掛合力の大きさは、絶縁被覆13に対する剥ぎ刃16の食い込み力が所定の大きさに達するまで、回転機構21による両開閉アーム11,12の回転を阻止可能な大きさである。
ボール62の一部と半球凹部50aとの嵌合力の調整は、ねじ孔22bに螺合された中空ねじ部61を、若干量だけ正転(中空ねじ部61を本体プレート22の表側から突出させる回転)させたり、中空ねじ部61を若干量だけ逆転(中空ねじ部61を本体プレート22の裏側へ引き込ませる回転)させることで対応する。
ボール62の一部と半球凹部50aとの嵌合力の調整は、ねじ孔22bに螺合された中空ねじ部61を、若干量だけ正転(中空ねじ部61を本体プレート22の表側から突出させる回転)させたり、中空ねじ部61を若干量だけ逆転(中空ねじ部61を本体プレート22の裏側へ引き込ませる回転)させることで対応する。
次に、第1の絶縁操作棒のハンドルをアーム閉方向へ回転操作し、摺動ボルト39を介して第1の開閉アーム11を閉じ、両開閉アーム11,12により架空配電線15を挟持することで、剥ぎ刃16が絶縁被覆13に食い込む。このとき、両開閉アーム11,12の回転は、絶縁被覆13への剥ぎ刃16の食い込み力が所定の大きさに達するまで阻止(抑制/規制)される。その結果、従来通りの回転操作を行うだけで、電線15への剥ぎ刃16の食い込み力を自動的に増大させることができる。
所定の食い込み力に到達後は、コイルばね63のばね力に抗してボール62が円筒ケーシング61内に押し込められ、ボールプランジャ60による両開閉アーム11,12の回転阻止状態が解除される。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と略同じであるので説明を省略する。
所定の食い込み力に到達後は、コイルばね63のばね力に抗してボール62が円筒ケーシング61内に押し込められ、ボールプランジャ60による両開閉アーム11,12の回転阻止状態が解除される。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と略同じであるので説明を省略する。
10,10A 電線中間皮剥ぎ器、
11 第1の開閉アーム(一方の開閉アーム)、
12 第2の開閉アーム(他方の開閉アーム)、
13 絶縁被覆、
15 架空配電線、
16 剥ぎ刃、
17 把持機構(食い込み力補助手段)、
17A 把持機構、
18 回動軸、
21 回転機構、
37 操作ボルト(アーム締め付けボルト)、
60 ボールプランジャ(食い込み力補助手段/ブレーキ構造体)。
11 第1の開閉アーム(一方の開閉アーム)、
12 第2の開閉アーム(他方の開閉アーム)、
13 絶縁被覆、
15 架空配電線、
16 剥ぎ刃、
17 把持機構(食い込み力補助手段)、
17A 把持機構、
18 回動軸、
21 回転機構、
37 操作ボルト(アーム締め付けボルト)、
60 ボールプランジャ(食い込み力補助手段/ブレーキ構造体)。
Claims (4)
- 一方の開閉アームと他方の開閉アームとのうち、少なくとも何れか一方を移動させて両開閉アームにより前記架空配電線を挟み込み、前記両開閉アームの何れかに設けられた剥ぎ刃を架空配電線の絶縁被覆に食い込ませる把持機構と、
前記絶縁被覆への剥ぎ刃の食い込み力を増大させる食い込み力補助手段と、
前記把持機構により前記架空配電線を挟み込んだ両開閉アームを、前記架空配電線の周りに回転させる回転機構とを備えた電線中間皮剥ぎ器。 - 前記把持機構は、前記移動させられる開閉アームの回動中心となる回動軸を有した請求項1に記載の電線中間皮剥ぎ器。
- 前記食い込み力補助手段は、前記両開閉アームにねじ部が横架されたアーム締め付けボルトを有している請求項1または請求項2に記載の電線中間皮剥ぎ器。
- 前記移動させられる開閉アームは、前記一方の開閉アームのみで、
前記食い込み力補助手段は、前記他方の開閉アームの回転を阻止可能なブレーキ構造体を有している請求項2に記載の電線中間皮剥ぎ器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006317598A JP2008131844A (ja) | 2006-11-24 | 2006-11-24 | 電線中間皮剥ぎ器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006317598A JP2008131844A (ja) | 2006-11-24 | 2006-11-24 | 電線中間皮剥ぎ器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008131844A true JP2008131844A (ja) | 2008-06-05 |
Family
ID=39557149
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006317598A Pending JP2008131844A (ja) | 2006-11-24 | 2006-11-24 | 電線中間皮剥ぎ器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008131844A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012161161A (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-23 | Kyudenko Corp | 皮剥ぎ器 |
CN109768506A (zh) * | 2017-11-09 | 2019-05-17 | 株式会社泉精器制作所 | 下层覆层用电线覆层剥除装置 |
KR102020921B1 (ko) * | 2018-07-05 | 2019-09-11 | 조덕승 | 전선용 절연피복 박리장치 |
-
2006
- 2006-11-24 JP JP2006317598A patent/JP2008131844A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012161161A (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-23 | Kyudenko Corp | 皮剥ぎ器 |
CN109768506A (zh) * | 2017-11-09 | 2019-05-17 | 株式会社泉精器制作所 | 下层覆层用电线覆层剥除装置 |
KR102020921B1 (ko) * | 2018-07-05 | 2019-09-11 | 조덕승 | 전선용 절연피복 박리장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5816580B2 (ja) | 電線被覆屑の脱落防止工具 | |
JP4903538B2 (ja) | 被覆剥取装置およびこれを用いた被覆剥取方法 | |
TW201801863A (zh) | 間接活線工事用把持工具 | |
JP5063263B2 (ja) | 被覆剥取装置 | |
JP2008131844A (ja) | 電線中間皮剥ぎ器 | |
JP2980568B2 (ja) | ケーブルストリッパ | |
KR20090013726A (ko) | 내시경용 처치구의 조작부 구조 | |
JP5792241B2 (ja) | 架線の被覆剥取器具 | |
JP5153453B2 (ja) | 電線被覆剥離用工具 | |
JP2014176144A (ja) | 電線皮剥器 | |
US8191266B2 (en) | Shielded conduit cutting device for small BX electrical cables | |
JP2008289306A (ja) | 引下線用コネクタ | |
JP6071750B2 (ja) | 電線被覆の皮剥工具、及びそれを用いた電線被覆の皮剥方法 | |
JP2005218683A (ja) | 内視鏡用把持鉗子の操作部 | |
JPH06261432A (ja) | 電線被覆剥離用工具および電線被覆の遠隔剥離方法 | |
JP2015177673A (ja) | 電線被覆剥取器 | |
JP2008125166A (ja) | 絶縁テ−プ等の巻付け工具 | |
JP2016103911A (ja) | 架線の被覆剥取器具 | |
JPH08265929A (ja) | 被覆剥離工具 | |
JP3065265B2 (ja) | 被覆剥取器 | |
KR101898054B1 (ko) | 전선 피박기 | |
CN212462628U (zh) | 一种电缆剥皮装置 | |
JPH0640411Y2 (ja) | 皮むき工具用回転ユニット | |
JP2020089148A (ja) | 電線皮剥工具 | |
JP2006322151A (ja) | 基礎杭用ヤットコ |