JP2008131024A - 近接場露光によるレジストパターンの形成方法 - Google Patents

近接場露光によるレジストパターンの形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非共鳴光を用いた近接場露光によって、2次元的に配列された高密度な露光パターンを形成することが可能となる近接場露光によるレジストパターンの形成方法を提供する。
【解決手段】近接場露光によるレジストパターンの形成方法において、近接場露光用マスク100として、露光光に対し透明な基板101上に四辺形の複数の遮光膜102を備え、前記複数の遮光膜における隣り合う四辺形の頂点と頂点とが相互に対向するように配設したマスクを用い、該マスクの遮光膜側を前記レジスト膜に密着させる工程と、 露光光として、レジスト膜を構成する分子の共鳴エネルギーに基づく波長より長い波長の露光光を用い、前記遮光膜における隣り合う四辺形の頂点と頂点とが相互に対向する領域から発生する近接場光により、前記レジスト膜を感光させる工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、近接場露光によるレジストパターンの形成方法に関するものである。
微細加工技術として、光リソグラフィー技術の進化・多様化が進み、新たな可能性を探るエマージングリソグラフィー技術として、様々な露光方法についての提案がなされてきている。
近年における更なる微細化が進む中で、光リソグラフィーにおいても、光源の短波長化に伴い、装置の大型化、その波長域でのレンズの開発等解決すべき課題も多い。
これらを解決する一つの方法として、光の回折限界を超えて微細な加工が可能となる光近接場を用いた露光方法が提案されている。
中でも、特許文献1では、レジスト膜を構成する分子の共鳴エネルギーに相当する光の波長よりも長い、非共鳴光をフォトマスクに対して照射し、局所領域に発生する近接場光によってフォトレジスを露光する露光方法が提案されている。
特開2004−235574号公報
ところで、上記光近接場を用いた微細なパターンを形成できる光リソグラフィー技術は、様々なデバイスへの応用が期待されている。
特に、近年におけるデバイスの高密度化、高集積化が進展するなか、更に高密度なホールアレイパターンやドットアレイパターンが必要とされ半導体用のコンタクトホールや量子ドット、光反射防止機能を有するサブ波長素子、等への応用が検討されている。
上記した従来例の特許文献1の露光方法では、既存の露光装置をそのまま適用することにより、非共鳴光によるリソグラフィーを可能としたことについて開示されている。
しかし、そこには2次元に配列された高密度なホールやドットパターン等の露光パターンを形成するための、具体的な露光方法等について明らかにされていない。
本発明は、上記課題に鑑み、非共鳴光を用いた近接場露光によって、2次元的に配列された高密度な露光パターンを形成することが可能となる近接場露光によるレジストパターンの形成方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、以下のように構成した近接場露光によるレジストパターンの形成方法を提供するものである。
本発明の近接場露光によるレジストパターンの形成方法は、遮光膜パターンを有する近接場露光用マスクを、基板上に形成されたレジスト膜に密着させて、前記近接場露光用マスクを介して露光光を前記レジスト膜に向けて照射し、
前記レジスト膜に、前記遮光膜パターンを転写する近接場露光によるレジストパターンの形成方法において、
前記近接場露光用マスクとして、露光光に対し透明な基板上に四辺形の複数の遮光膜を備え、前記複数の遮光膜における隣り合う四辺形の頂点と頂点とが相互に対向するように配設したマスクを用い、該マスクの遮光膜側を前記レジスト膜に密着させる工程と、
前記露光光として、前記レジスト膜を構成する分子の共鳴エネルギーに基づく波長より長い波長の露光光を用い、前記複数の遮光膜における隣り合う四辺形の頂点と頂点とが相互に対向する領域から発生する近接場光により、前記レジスト膜を感光させる工程と、
を有することを特徴とする。
また、本発明の近接場露光によるレジストパターンの形成方法は、前記近接場露光用マスクにおいて、前記複数の遮光膜の四辺形の頂点が、露光光の波長よりも小さい曲率半径の先端部を備えると共に、
前記複数の遮光膜における隣り合う四辺形の頂点と頂点とが相互に対向する領域が、露光光の波長よりも小さい空隙を備えていることを特徴とする。
また、本発明の近接場露光によるレジストパターンの形成方法は、
前記レジスト膜を感光させる工程において、前記露光光を調節することによって、前記複数の遮光膜における隣り合う四辺形の頂点と頂点とが相互に対向する領域以外の領域での近接場光の発生を抑制することを特徴とする。
また、本発明の近接場露光によるレジストパターンの形成方法は、前記露光光を調節するに際し、前記複数の遮光膜における隣り合う四辺形の頂点と頂点とが相互に対向する領域の近接場光強度勾配を、現像後の規格化膜厚が0に近くなるようにする一方、
前記複数の遮光膜における隣り合う四辺形の頂点と頂点とが相互に対向する領域以外の領域での近接場光強度勾配を、現像後の規格化膜厚が1に近くなるようにすることを特徴とする。
また、本発明の近接場露光によるレジストパターンの形成方法は、前記レジスト膜が、表面イメージング法によってパターンが形成されるフォトレジスト膜であることを特徴とする。
本発明によれば、非共鳴光を用いた近接場露光によって、2次元的に配列された高密度な露光パターンを形成することが可能となる近接場露光によるレジストパターンの形成方法を実現することができる。
本発明は、近接場光を用いることで、フォトレジスト膜を構成する分子の共鳴エネルギーよりも低いエネルギーの光を照射しフォトレジスト膜を感光させることを特徴の一つとし、さらに、2次元的に配列された高密度な露光パターンを形成することを特徴とする。
すなわち、通常フォトレジスト膜は、その膜を構成する分子の共鳴エネルギーと同等のエネルギーを有する光を照射することで感光する。
なお、ここで、フォトレジスト膜を構成する分子の共鳴エネルギーとは、レジスト膜を構成する分子が感光に至る光化学反応を起こすために、必要な電子の遷移エネルギーと共鳴するエネルギーのことを指す。
しかしながら本発明では、近接場光を用いることで、フォトレジスト膜を構成する分子の共鳴エネルギーよりも低いエネルギーの光を照射しフォトレジスト膜を感光させるようにされている。
つぎに、これらの具体的な実施の形態について、図に基づいて説明する。
図1に、本発明の実施の形態における近接場露光マスクの構成を説明するための図を示す。
図1(a)はパターンを有する近接場露光マスクの一例を示す図であり、図1(b)は基板面垂直方向から見た近接場露光マスクを示す図である。
図1において、100は近接場露光マスク、101は透明基板、102は遮光膜、103は近接場露光マスクの遮光膜パターン領域、104は遮光膜の頂点部である。
本実施の形態における近接場露光マスク100は、露光光に対して透明である透明基板101と露光光を遮光する遮光膜102から構成されている。
図1(b)のように、この遮光膜102は、基板面垂直方向から見て正方形の形状をしており、透明基板101上に複数周期的に配列している。
さらに、この遮光膜102の頂点は、隣り合う遮光膜102の頂点と対向して配置する。
このような近接場露光マスクの遮光膜パターン領域103に露光光を照明すると、遮光膜102の頂点部104に非常に強度の強い近接場光が発生する。
図2を用いて、この近接場露光マスクを用いた本発明の露光方法について説明する。
レジスト201を塗布した基板202に対して、上述した遮光膜パターンを有する近接場露光マスク203の遮光膜102が形成されている面(以下マスクおもて面という)と、
レジスト201を塗布した基板202のレジスト201が露出されている面(以下レジストおもて面という)とを、近接場光の存在する領域にまで近接もしくは接触させる。
次に近接場露光マスク203の透明基板101側から、レジスト膜を構成する分子の共鳴エネルギーに基づく波長よりも長い波長の光(露光光EL)を照明する。
このとき、図3に示すように遮光膜102の縁(頂点が対向している領域301、及び遮光膜の各辺の領域302)に近接場光が発生する。特に隣り合う遮光膜の頂点が対向している領域301では、非常に強い近接場光が発生する。
また、遮光膜が無い領域は通常の伝播する光として、露光光は近接場露光マスク203を透過する。
特許文献1に記載されているように、局所的に存在する近接場光は、空間的に急峻な光強度勾配を有している。この急峻な光強度勾配の存在によって、レジストを構成する分子を、その分子の振動レベルへ直接的に励起することができる。そのため通常のレジストの感光波長よりも長い波長の光であっても、近接場光を用いることでフォトレジストを感光させることができる。
本実施の形態においては、近接場光が発生する領域である遮光膜102の縁に近接場光が発生する。
その中で、隣り合う遮光膜の頂点が対向している領域301において、特に非常に大きい強度勾配を持った近接場光が発生する。
ここで、図6に近接場光強度勾配と現像後におけるレジストの規格化膜厚の関係を表すグラフを示す。
このグラフにあるように、隣り合う遮光膜の頂点が対向している領域301の近接場光強度勾配では、現像後の規格化膜厚が0に近くなるように、
また、遮光膜の各辺の領域302における近接場光強度勾配では、現像後の規格化膜厚が1に近くなるように露光光を調節する。
このようにすることで、隣り合う遮光膜の頂点が対向している領域301から発生した近接場光でのみフォトレジストを感光させることができる。
また、遮光膜102が存在しない領域では、通常の感光しない波長の光が伝播するのみであるためレジストは感光しない。
その後、レジストを現像することで、遮光膜の頂点部のみが露光されたレジストパターンを得ることができる。
以上の本実施の形態における近接場露光方法によれば、レジストに対する非共鳴な光によって発生させた近接場光を用いて、2次元に配列したホールやドットパターン等による高密度な露光パターンを形成することが可能となる。
以下に、本発明の実施例について説明する。
図4に、本実施例に用いる近接場露光マスクの遮光膜パターンを示す。
図4において、400は近接場露光マスク、401は石英基板、402はクロムによる遮光膜である。
本実施例の近接場露光マスク400では、一辺の長さL=90nmの正方形で厚さ50nmのクロムによる遮光膜402が、正方形の対角線方向に約141nmピッチP1で周期的に平坦な石英基板401上に配置されている。
このとき隣り合う正方形の頂点同士の間隔x1は約13nmとなっている。
つぎに、本実施例における近接場露光方法について説明する。
図5に、その作製手順を説明するための工程図を示す。
まず、被露光物であるレジスト付き基板500としては、以下のように、シリコン基板501/下層レジスト502/中間層503/上層レジスト504という3層構成の表面イメージング法によってパターン形成が可能なレジストが塗布されている基板を用いる。
具体的には、シリコン基板501に、下層レジスト502として酸素ガスによるドライエッチングが容易なポジ型レジストを150nmの厚さで塗布し、120℃で加熱し感光性を消失させる。
次に、中間層503としてスパッタリング法にて、酸素ドライエッチング耐性を有するSiO2を20nmの厚さで膜を形成する。
さらに、上層レジスト504として波長436nmの光に感度を有するポジ型フォトレジストをスピンコート法にて20nmの厚さで形成し、90℃で加熱しプリベークを行う(図5(a))。
上記の近接場露光マスク400とレジスト付き基板500のおもて面同士を対向させて配置し、近接場光の存在する領域である100nm以下まで近接、もしくは、接触させる。
その後、波長532nmの光を近接場露光マスク400の石英基板側から照明し、遮光膜の縁に近接場光を発生させる。このとき遮光膜の頂点が対向している部分404に、特に強い近接場光が発生する。
このとき、隣り合う遮光膜の頂点が対向している領域404(図3の領域301)の近接場光強度勾配が、現像後の規格化膜厚が0に近くなるように、
また、遮光膜の各辺の領域(図3の領域302)における近接場光強度勾配が、現像後の規格化膜厚が1に近くなるように露光光を調節する。
その後、レジスト付き基板を現像し、上層レジスト504にパターンを形成する(図5(b))。
形成したレジストパターンは、周期100nmの正方格子状に並んだホールアレイとなる。
この上層レジストパターンをエッチングマスクとして、CHF3とSF6の混合ガスを用いたドライエッチングによって、中間層503のSiO2をパターニングする(図5(c))。
さらに中間層503のSiO2をエッチングマスクとして、酸素とArの混合ガスを用いたドライエッチングによって下層レジスト502をエッチングする(図5(d))。
上記の工程を経ることで、シリコン基板501の加工に耐えられる厚さの周期100nmの正方格子状に並んだホールアレイのレジストパターンを形成することができる。
また、本実施例では上層レジストとしてポジ型レジストを用いた。
しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、ネガ型レジストを用いて上記の工程を行うことで、周期100nmの正方格子状に並んだドットアレイのレジストパターンを形成することもできる。
また、本実施例ではフォトレジスト膜として3層レジストを用いた。
しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、1層のレジスト膜へ露光後、シリル化を行いドライエッチングにて現像する方法を用いても良い。
あるいは、シリコン原子を含有した上層レジストへ露光・現像し、上層レジストをマスクとして下層をドライエッチングにてパターンを形成する方法など、様々な表面イメージング法を用いてパターンを形成しても良い。
本発明の実施の形態におけるパターンを有する近接場露光マスクを説明するための図。 本発明の実施の形態における近接場露光マスクを用いた露光方法を説明するための図。 本発明の実施の形態における近接場光の発生を説明するための図。 本発明の実施例に用いる近接場露光マスクの遮光膜パターンを示す図。 本発明の実施例におけるパターン形成方法を説明するための図。 近接場光強度勾配と現像後におけるレジストの規格化膜厚の関係を表すグラフ。
符号の説明
100:近接場露光マスク
101:透明基板
102:遮光膜
103:近接場露光マスクの遮光膜パターン領域
104:遮光膜の頂点部
201:レジスト
202:基板
203:近接場露光マスク
301:隣り合う遮光膜の頂点が対向している領域
302:遮光膜の各辺の領域
400:近接場露光マスク
401:石英基板
402:遮光膜
404:遮光膜の頂点が対向している部分
500:レジスト付き基板
501:シリコン基板
502:下層レジスト
503:中間層
504:上層レジスト

Claims (4)

  1. 遮光膜パターンを有する近接場露光用マスクを、基板上に形成されたレジスト膜に密着させて、前記近接場露光用マスクを介して露光光を前記レジスト膜に向けて照射し、
    前記レジスト膜に、前記遮光膜パターンを転写する近接場露光によるレジストパターンの形成方法において、
    前記近接場露光用マスクとして、露光光に対し透明な基板上に四辺形の複数の遮光膜を備え、前記複数の遮光膜における隣り合う四辺形の頂点と頂点とが相互に対向するように配設したマスクを用い、該マスクの遮光膜側を前記レジスト膜に密着させる工程と、
    前記露光光として、前記レジスト膜を構成する分子の共鳴エネルギーに基づく波長より長い波長の露光光を用い、前記複数の遮光膜における隣り合う四辺形の頂点と頂点とが相互に対向する領域から発生する近接場光により、前記レジスト膜を感光させる工程と、
    を有することを特徴とする近接場露光によるレジストパターンの形成方法。
  2. 前記近接場露光用マスクにおいて、前記複数の遮光膜の四辺形の頂点が、露光光の波長よりも小さい曲率半径の先端部を備えると共に、
    前記複数の遮光膜における隣り合う四辺形の頂点と頂点とが相互に対向する領域が、露光光の波長よりも小さい空隙を備えていることを特徴とする請求項1に記載の近接場露光によるレジストパターンの形成方法。
  3. 前記レジスト膜が、表面イメージング法によってパターンが形成されるフォトレジスト膜であることを特徴とする請求項1に記載の近接場露光によるレジストパターンの形成方法。
  4. 前記レジスト膜を構成する分子の共鳴エネルギーとは、該レジスト膜を構成する分子が感光に至る光化学反応を起こすために、必要な電子の遷移エネルギーと共鳴するエネルギーであることを特徴とする請求項1に記載のレジストパターンの形成方法。
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