JP2008130937A - ダイヤフラムを具備した構造体の製造方法、半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面とその周囲との間に角部のないダイヤフラムを具備した構造体の製造方法、半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基板1の一表面側に絶縁膜3を形成する絶縁膜形成工程と、所望のダイヤフラム7の形状に応じた開口形状の開孔部4を絶縁膜3に形成するパターニング工程と、少なくとも半導体基板1の前記一表面と半導体基板1の前記一表面側に対向配置した陰極とを電解液に接触させた状態で、半導体基板1の他表面側に前記ダイヤフラム7の形状に応じた形状の陽極5と前記陰極との間に通電することで、半導体基板1の前記一表面側における開孔部4から露出する部位に半導体基板1を多孔質化した多孔質部6を形成する陽極酸化工程と、多孔質部6を除去することで半導体基板1の一部からなるダイヤフラム7を形成する多孔質部除去工程とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体基板の一部に他部よりも薄肉のダイヤフラムを具備した構造体の製造方法、半導体装置に関するものである。
従来から、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて半導体基板(たとえばSi基板)から形成された、たとえば圧力センサや加速度センサなどの半導体装置が提供されている。この種の半導体装置の製造方法においては、半導体基板の一部に半導体基板の他の部位よりも薄肉のダイヤフラムを形成するために、アルカリ系の溶液を用いた異方性エッチングにより半導体基板の一表面側に凹部を形成することが行われている。なお、ダイヤフラムにはたとえば検知部としてのピエゾ抵抗が形成される。
ただし、アルカリ系溶液を用いた半導体基板の異方性エッチングはエッチング速度の面方位依存性が高いため、凹部の内底面となるダイヤフラムの表面とその周囲(凹部の内側面)との間に角部が形成されることとなり、上述の製造方法で製造された半導体装置においては、前記ダイヤフラムに比較的大きい応力が生じると(つまり、たとえば圧力センサの場合、高い圧力がかかると)、前記角部に応力が集中してダイヤフラムが破壊されてしまう可能性がある。また、この種の異方性エッチングで形成される凹部は矩形状に開口するのでダイヤフラムも矩形状となり、たとえば円形状のダイヤフラムを形成することは困難である。
一方、図3(d)に示すように、表面面方位が<100>のシリコン基板からなる半導体基板1の一表面側に上述の凹部と同様に矩形状に開口する第1の凹部2aが形成され、さらに、第1の凹部2aの底面の一部に、表面に丸みを帯び且つ開口形状が円形状の第2の凹部2bが形成された構成の半導体装置Aが提案されている。この半導体装置Aでは、第2の凹部2bに対応する部位をダイヤフラム7として使用する。図3においては左側に平面図、右側に断面図を示す。
図3(d)の半導体装置Aは、図3(a)のように半導体基板1の一表面側に耐エッチング性を有するマスク層8を形成し、このマスク層8に矩形状の開口部9を形成した後、半導体基板1における開口部9の内側であってダイヤフラム7を形成する予定の領域に対して先端形状がたとえば三角錐の物体(図示せず)で圧力を加え、その後、異方性エッチングを行うことで、図3(b)のように開口部9内に第1の凹部2aを形成するとともに第1の凹部2aの底面に圧力を加えた部分を中心とした第2の凹部2bを形成し、さらに異方性エッチングを続けることで、図3(c)の状態を経て図3(d)の状態となるように第2の凹部2bを広げることにより製造される(たとえば特許文献1参照)。
特開2002−319684号公報(第4頁、図1)
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法では、図3(d)に示すように、ダイヤフラム7の表面とその周囲(第1の凹部2aの内底面)との間に角部10が形成され、また第1の凹部2aの内底面と内側面との間にも角部11が形成されるので、ダイヤフラム7に比較的大きい圧力が生じると、これらの角部10,11に応力が集中して半導体装置Aが破壊されてしまう可能性がある。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであって、表面とその周囲との間に角部のないダイヤフラムを具備した構造体の製造方法、半導体装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、半導体基板の一部に他部よりも薄肉のダイヤフラムを具備した構造体の製造方法であって、半導体基板の一表面側に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、前記絶縁膜の一部を半導体基板の前記一表面が露出するまで除去し所望のダイヤフラムの形状に応じた開口形状の開孔部を前記絶縁膜に形成するパターニング工程と、少なくとも半導体基板の前記一表面と半導体基板の前記一表面側に対向配置した陰極とを電解液に接触させた状態で、半導体基板の他表面側に前記ダイヤフラムの形状に応じたパターンに形成された陽極と前記陰極との間に通電することで、半導体基板の前記一表面側における開孔部から露出する部位に半導体基板を多孔質化した多孔質部を形成する陽極酸化工程と、多孔質部を除去することで半導体基板の一部からなる前記ダイヤフラムを形成する多孔質部除去工程とを有することを特徴とする。
この構成によれば、陽極のパターンによって、陽極酸化工程において半導体基板に流れる電流密度の面内分布が決まるので、形成される多孔質部の厚みの面内分布を制御することができ、厚みが連続的に変化する多孔質部を形成することができる。したがって、多孔質部を除去することで形成される凹部に関しては、表面に角部がない凹部を形成することができるので、ダイヤフラムの表面とその周囲との間に角部のない構造体を形成することができる。すなわち、ダイヤフラムに圧力が印加されるなどしてダイヤフラムに比較的大きい応力が生じても、ダイヤフラムの表面とその周囲との間に応力が集中することはなく、構造体が破壊されにくい。また、凹部の開口形状については、絶縁膜の開孔部の開口形状によって任意に設定することができるので、たとえば四隅に丸みを帯びた矩形状や、楕円形、円形などのダイヤフラムを形成することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記陽極と前記半導体基板との接触がオーミック接触となるように前記陽極を形成し、且つ、前記電解液として、前記半導体基板の構成元素の酸化物をエッチング除去する溶液を用いることを特徴とする。
この構成によれば、所望の厚さの多孔質部を1回の陽極酸化工程で容易に形成することができるから、任意の厚さで且つ滑らかな表面のダイヤフラムを形成することができる。さらに、陽極と半導体基板との間にショットキー障壁が生じないから、陰極と陽極との間に通電する際にショットキー障壁により電流が遮られることや所望の電流値が得られなくなることを回避できる。また、ショットキー障壁は不安定であり電流印加時に電流密度の面内分布にばらつきを生じやすいのに対し、請求項2の構成では電流印加時に電流密度の面内分布を一定に制御することが可能となる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のダイヤフラムを具備した構造体の製造方法によって製造されたダイヤフラムを有することを特徴とする。
この構成によれば、半導体装置はダイヤフラムの表面とその周囲との間に角部のない構造となるので、ダイヤフラムに圧力が印加されるなどしてダイヤフラムに比較的大きい応力が生じても、ダイヤフラムの表面とその周囲との間に応力が集中することはなく、半導体装置は破壊されにくい。
本発明は、ダイヤフラムの表面とその周囲との間に角部のない構造体を形成することにより、ダイヤフラムに比較的大きい応力が生じても、ダイヤフラムの表面とその周囲との間に応力が集中することを回避でき、構造体が破壊されにくいという効果がある。
本実施形態では、図1(c)に示すように、Si(シリコン)基板からなる半導体基板1の一表面側(図1(c)の上面側)に凹部2が形成されることにより、半導体基板1の凹部2に対応する部位に半導体基板1の他の部位よりも薄肉のダイヤフラム7を具備した半導体装置A(構造体)の製造方法を例示する。なお、本実施形態では半導体基板1として導電形がp形のものを用いる。
以下では、上記半導体装置Aの製造方法のうち、前記ダイヤフラム7の形成方法について図1(a)〜(c)を参照して説明する。
まず、図1(a)に示すように半導体基板1の一表面側(図1(a)の上面側)に、後述の陽極酸化時にマスクとして機能する所定の膜厚の絶縁膜(たとえば窒化シリコン膜)3を成膜する絶縁膜形成工程を行う。絶縁膜3はたとえば膜厚が1000Åに設定され、減圧化学気相成長法(LPCVD法)などにより形成される。それから、所望のダイヤフラム7の形状に応じた開口形状の開孔部4を絶縁膜3に設けるように絶縁膜3をパターニングするパターニング工程を行う。
パターニング工程では、たとえばフォトリソグラフィ技術を利用して、絶縁膜3上に前記開孔部4に対応する部位が開口したレジスト層(図示せず)を形成し、レジスト層をマスクとして絶縁膜3の一部をエッチング除去することにより開孔部4を形成し、その後、レジスト層を除去する。開孔部4は、本実施形態では図2に示すように円形状に開口するように形成される。なお、絶縁膜3の一部を除去する際のエッチングは、たとえばRIE(反応性イオンエッチング)などのドライエッチングであってもよいし、ウェットエッチングであってもよい。
次に、半導体基板1の他表面側(図1(a)の下面側)であって開孔部4と対応する部位に、後述の陽極酸化工程で使用する陽極5を形成する陽極形成工程を行う。陽極形成工程は、所定の膜厚(たとえば1μm)の導電層を形成する導電層形成工程と、導電層を前記ダイヤフラム7の形状に応じたパターンにパターニングすることで陽極5を形成するパターニング工程とを有する。導電層形成工程では、たとえばスパッタ法により半導体基板1の前記一表面側に導電層を成膜した後、NガスおよびHガス雰囲気中で導電層のシンタ(熱処理)を行うことで、導電層と半導体基板1とのオーミック接触を得ている。なお、導電層の成膜方法はスパッタ法に限るものではなく、たとえば蒸着法などを用いてもよい。
パターニング工程では、フォトリソグラフィ技術を利用して、導電層上に陽極5のパターンに対応するレジスト層(図示せず)を形成し、レジスト層をマスクとして導電層の不要部分(陽極5以外の部分)をエッチングにより除去することで導電層の残部からなる陽極5を形成し、その後、レジスト層を除去する。陽極5は、本実施形態では図2に示すように半導体基板1の厚み方向に沿った開孔部4の中心線を中心とする円形状であって、開孔部4の内径よりも径の小さい円形状に形成される。つまり開孔部4と陽極5とは同心円状に形成される。なお、導電層がAl膜やAl−Si膜であれば、導電層の不要部分をウェットエッチングにより除去する場合には、たとえば燐酸系エッチャントを用いればよく、導電層の不要部分をドライエッチングにより除去する場合には、たとえば反応性イオンエッチング装置などを用いればよい。また、上述した陽極形成工程を絶縁膜形成工程の前に行うようにしてもよい。
次に、少なくとも半導体基板1の前記一表面と当該一表面側(絶縁膜3側)に対向配置した陰極(図示せず)とを電解液(図示せず)に接触させた状態で、前記陽極5と前記陰極の間に通電する陽極酸化工程を行う。本実施形態では、半導体基板1の全体と陽極5と陰極とを電解液に浸けた状態で陽極5と陰極との間に通電する。陽極酸化工程においては、半導体基板1が開孔部4を通して電解液が浸入するような系で陽極酸化され多孔質化することとなり、結果的に、図1(b)に示すように半導体基板1の前記一表面側(陰極側)における開孔部4の内側に、多孔質シリコン(ポーラスシリコン)からなる多孔質部6が形成される。
なお、本実施形態では電解液として、55wt%のフッ化水素水溶液とエタノールとを1:1で混合したフッ酸(HF)系溶液を用いている。この電解液は、半導体基板1の構成元素であるSiの酸化物(SiO)をエッチング除去する溶液である。ただし、フッ化水素水溶液の濃度やフッ化水素水溶液とエタノールとの混合比はこの例に限定されるものではない。また、フッ化水素水溶液と混合する液体もエタノールに限らず、メタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)等のアルコールなど、陽極酸化反応で発生した気泡を除去できる液体であれば、特に限定するものではない。
また、陽極酸化工程で用いる陽極酸化装置(図示せず)は、半導体基板1の前記一表面に対向配置する陰極と、陽極5と陰極との間に電圧を印加する電圧源と、電圧源から陽極5に流れる電流を検出する電流センサと、電流センサの検出結果に基づいて電圧源の出力電圧を制御する制御部とを備えており、電圧源から陽極5へ所定の電流密度の電流が所定時間だけ流れるように制御部によって電圧源の出力を制御する。なお、上述の電流密度および所定時間はそれぞれ適宜設定すればよい。さらに、陽極酸化工程では、所定電流密度の条件で通電を行っているが、所定電圧の条件で通電を行うようにしてもよい。
ここにおいて、p形のシリコン基板からなる半導体基板1の一部を陽極酸化工程において多孔質化する際には、ホールをh、電子をeとすると、以下の反応が起こっていると考えられる。
Si+2HF+(2−n)h→SiF+2H+ne
SiF+2HF→SiF+H
SiF+2HF→SiH
すなわち、p形のシリコン基板からなる半導体基板1の陽極酸化では、Fイオンの供給量とホールhの供給量との兼ね合いで多孔質化あるいは電解研磨が起こることが知られており、Fイオンの供給量の方がホールhの供給量よりも多い場合には多孔質化が起こり、ホールhの供給量がFイオンの供給量よりも多い場合には電解研磨が起こる。したがって、本実施形態のように半導体基板1としてp形のシリコン基板を用いる場合には、陽極酸化による多孔質化の速度はホールhの供給量で決まるから、半導体基板1中を流れる電流の電流密度で多孔質化の速度が決まり、多孔質部6の厚みが決まることとなる。
本実施形態では、半導体基板1の中を前記他表面側の陽極5から前記一表面側における開孔部4の内側に向けて電流が流れるので、半導体基板1の前記一表面側では、開孔部4の内側において半導体基板1の厚み方向に沿った陽極5の中心線(開孔部4の中心線と同一)から離れるほど電流密度が徐々に小さくなるような電流密度の面内分布を有することとなり、半導体基板1の前記一表面側に形成される多孔質部6は、開孔部4の内周縁から陽極5の中心線に近づくにつれて徐々に厚くなっている。多孔質部6の外周縁は開孔部4の内周縁に重なるので、上述のように陽極5の外径が開孔部4の内径よりも小さく形成されている場合には、多孔質部6の外径は陽極5の外径よりも大きくなる。このとき、多孔質部6と半導体基板1の多孔質部6以外の部位との界面は連続した1つの面になる。なお、上述の電流密度の面内分布は、陽極5と陰極との間に通電しているときの陽極5と半導体基板1との接触パターン(つまり陽極のパターン)などにより決まる半導体基板1内の電界強度の分布に応じて発生し、電界強度が強いほど電流密度が大きくなり、電界強度が弱いほど電流密度が小さくなる。
陽極酸化工程で多孔質部6を形成した後、図1(c)のように多孔質部6を除去することで半導体基板1の前記一表面側に凹部2を形成してダイヤフラム7を形成する多孔質部除去工程を行う。このとき、多孔質部6と半導体基板1の多孔質部6以外の部位との界面は凹部2の表面となり、凹部2は開孔部4の形状(ここでは円形状)に開口することになる。つまり、凹部2は表面が連続した1つの曲面であって、表面に角部のない形状となる。しかも、凹部2の表面は半導体基板1の前記一表面に対しても連続しており、半導体基板1の前記一表面側における凹部2とその周囲との間にも角部は存在しない。したがって、ダイヤフラム7の表面とその周囲(凹部2の内側面や半導体基板1の前記一表面)との間に角部が形成されることはない。
ここにおいて、本実施形態のダイヤフラム7は開孔部4と同心円状に形成される。本実施形態では上述のように多孔質部6の外径を陽極5の外径よりも大きく形成しながらも、多孔質部6を陽極5の中心線に近づくにつれて徐々に厚く形成しているので、ダイヤフラム7のうち半導体基板1の前記一表面側の表面が平坦な部分は、外径が陽極5の外径よりも小さくなる。一方、凹部2の最も浅い部分つまり凹部2の開口付近では、凹部2の内径が陽極5の外径よりも大きくなる。
ここで、多孔質シリコンからなる多孔質部6を除去するエッチング液としてアルカリ系溶液(たとえば、KOH、NaOH、TMAHなどの水溶液)やフッ酸系溶液を用いれば、多孔質部除去工程において、Al膜やAl−Si膜により形成されている陽極5も多孔質部6と共にエッチング除去することができる。なお、多孔質部除去工程とは別に陽極5を除去する工程を陽極酸化工程終了後に行うようにしてもよい。また、多孔質シリコンからなる多孔質部6を除去するエッチング液としてアルカリ系溶液を用いる場合には、エッチング液を加熱せずに室温でも多孔質部6を除去できる。その後、不要な絶縁膜3を除去する。
上述したダイヤフラム7の形成方法では、陽極酸化によって半導体基板1に多孔質部6を形成し、この多孔質部6を除去することでダイヤフラム7を形成するので、半導体基板1を異方性エッチングすることなくダイヤフラム7を形成することができる。ここにおいて、陽極5のパターン(形状)により陽極酸化工程において半導体基板1に流れる電流密度の面内分布が決まるので、形成される多孔質部6の厚みの面内分布を制御することができ、厚みが連続的に変化する多孔質部6を形成することができる。これにより、多孔質部6を除去することで形成されるダイヤフラム7は表面とその周囲(凹部2の内側面や半導体基板1の前記一表面)との間に角部がない構造とすることができるので、半導体装置Aにおいては、ダイヤフラム7に比較的大きい応力が生じても(つまり、半導体装置Aがたとえば圧力センサの場合、ダイヤフラム7に高い圧力がかかっても)、ダイヤフラム7の表面とその周囲との間に応力が集中することはなく、強度が向上する。
また、半導体基板1の前記他表面に沿う面内でのダイヤフラム7の形状は、絶縁膜3の開孔部4の開口形状および陽極5のパターン(形状)によって任意に設定することができるので、開孔部4の形状および陽極5のパターンを適宜設定することにより、上述した円形状以外にも、たとえば楕円形状や四隅に丸みを帯びた矩形状など任意の形状に設定することができる。
また、ダイヤフラム7の形状を制御するパラメータとして、陽極酸化工程における陽極酸化の処理時間(上記所定時間)があり、処理時間が長いほど多孔質部6の厚みの平均値が大きくなり、多孔質部6において厚い部分と薄い部分とで厚みの差が大きくなってダイヤフラム7の表面周辺を曲率半径の小さな曲面とすることができ、一方、処理時間が短いほど多孔質部6の厚みの平均値が小さくなり、多孔質部6において厚い部分と薄い部分とで厚みの差が小さくなってダイヤフラム7の表面周辺を曲率半径の大きな曲面とすることができる。要するに、陽極酸化の処理時間の長さによって、ダイヤフラム7の厚みとダイヤフラム7の表面周辺の曲率半径とを制御することができる。
さらに、上述の製造方法では、陽極5と半導体基板1との接触がオーミック接触となるように陽極5を形成し、且つ、電解液として半導体基板1の構成元素の酸化物(SiO)をエッチング除去する溶液を用いるので、数百μmの厚みを有する多孔質部6を1回の陽極酸化工程で形成することができ、外径が数mm程度のダイヤフラム7でも1回の陽極酸化工程と多孔質部除去工程とで任意の厚さに形成することができる。
ところで、上述の製造方法においては、陽極酸化工程において半導体基板1に流れる電流の電流密度の面内分布によってダイヤフラム7の形状が決まるので、絶縁膜形成工程で形成する絶縁膜3の開孔部4の形状や陽極形成工程で形成する陽極5の形状、陽極酸化の処理時間の他に、半導体基板1の抵抗率や厚み、陽極酸化に用いる電解液の電気抵抗値や、半導体基板1と陰極との間の距離、陰極の平面形状(半導体基板1に対向配置した状態で半導体基板1に平行な面内での形状)などを適宜設定することにより、ダイヤフラム7の形状を制御することができる。
上述した形成方法でダイヤフラム7が形成される半導体装置Aとしては、たとえば圧力センサや加速度センサなどのセンサ装置がある。この種の半導体装置Aでは、半導体基板1の一部に形成されたダイヤフラム7に、たとえば検知部としてのピエゾ抵抗が形成される。ただし、上述した製造方法を用いれば、センサ装置等の半導体装置Aに限らず半導体基板1の一部にダイヤフラム7を具備した種々の構造体を製造することができる。
なお、本実施形態のように半導体基板1にシリコン基板を用いた場合、陽極酸化に用いる電解液としてフッ酸系溶液を用いるので、陽極酸化時のマスクとして機能する絶縁膜3としては上述した窒化シリコン膜を用いることが望ましい。ただし、陽極酸化工程中に絶縁膜3下の半導体基板1が露出しない程度に膜厚を大きくすれば、フッ酸系溶液により除去される膜、たとえば酸化シリコン膜等を絶縁膜3に用いることもできる。絶縁膜3の形成方法においても減圧化学気相成長法に限定するものではない。
また、上述した実施形態では、半導体基板1としてp形のシリコン基板を採用しているが、半導体基板1の導電形はn形であってもよい。また、半導体基板1の材料もSiに限るものではなく、陽極酸化処理による多孔質化が可能な半導体材料であればよく、たとえば、Geなどでもよい。
本発明の実施形態の半導体装置の製造方法を示す概略説明図である。 図1(a)の状態を示す概略平面図である。 従来の半導体装置の製造方法を示す概略説明図である。
符号の説明
1 半導体基板
2 凹部
3 絶縁膜
4 開孔部
5 陽極
6 多孔質部
7 ダイヤフラム
A 半導体装置

Claims (3)

  1. 半導体基板の一部に他部よりも薄肉のダイヤフラムを具備した構造体の製造方法であって、半導体基板の一表面側に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、前記絶縁膜の一部を半導体基板の前記一表面が露出するまで除去し所望のダイヤフラムの形状に応じた開口形状の開孔部を前記絶縁膜に形成するパターニング工程と、少なくとも半導体基板の前記一表面と半導体基板の前記一表面側に対向配置した陰極とを電解液に接触させた状態で、半導体基板の他表面側に前記ダイヤフラムの形状に応じたパターンに形成された陽極と前記陰極との間に通電することで、半導体基板の前記一表面側における開孔部から露出する部位に半導体基板を多孔質化した多孔質部を形成する陽極酸化工程と、多孔質部を除去することで半導体基板の一部からなる前記ダイヤフラムを形成する多孔質部除去工程とを有することを特徴とするダイヤフラムを具備した構造体の製造方法。
  2. 前記陽極と前記半導体基板との接触がオーミック接触となるように前記陽極を形成し、且つ、前記電解液として、前記半導体基板の構成元素の酸化物をエッチング除去する溶液を用いることを特徴とする請求項1記載のダイヤフラムを具備した構造体の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のダイヤフラムを具備した構造体の製造方法によって製造されたダイヤフラムを有することを特徴とする半導体装置。
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