JP2008130361A - 荷電粒子線装置及び荷電粒子線装置の撮像方法 - Google Patents

荷電粒子線装置及び荷電粒子線装置の撮像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、画像精度を確保すると共に、試料を載置したステージの制定時間の短縮を可能にして大幅なスループット向上を図った荷電粒子線装置を提供する。
【解決手段】本発明の荷電粒子線装置は、荷電粒子線を照射して試料を撮像する荷電粒子線装置において、位置制御部に測長器で計測したステージの状態の情報に基づいて荷電粒子線を照射する目標位置からの偏差値を算出する偏差処理部と、試料の撮像時間の間はステージの状態が試料の撮像に可能であるか否かを判断する判定部とを夫々備えさせ、この偏差処理部で演算した偏差値に基づいて荷電粒子線の偏向量を調節する偏向器に指令する偏向制御部を備えて、試料の撮影を行なうように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子顕微鏡、イオンビーム加工/観察装置等の荷電粒子線装置及び荷電粒子線装置の撮像方法に関する。
近年、半導体製品の集積度は益々向上し、その回路パターンの更なる高精細化が要求されている。そして、半導体ウエハに代表される回路パターンが形成される試料において、品質管理、歩留まり向上を目的に様々な検査手段が用いられている。
例えば、検査手段として荷電粒子線を照射し回路パターンの寸法精度を測定する走査型電子顕微鏡(以下、測長SEMと呼ぶ)や、同じく荷電粒子線を照射し回路パターンの欠陥、或いは付着異物を評価する走査型電子顕微鏡(以下、レビューSEMと呼ぶ)などが挙げられる。
また、回路パターンの高精細化要求に対応するため、例えば、回路パターンの線幅ルールとして35nmノードのデザインルールに対応させるためには、30万倍以上の観察倍率において、よりノイズの少ない二次電子像を得ることが重要な課題となっている。
また、高精細な回路パターンを描画するには、像を何枚も重ね合わせてコントラストを向上させるために、試料のウエハを搭載保持しているステージはnmオーダの振動やドリフトを抑える必要がある。
現状、ウェーハサイズは300mmが主流になっており、そのためのステージはかなりの大型になる。同時にスループット向上の観点からステージの高速化のための高出力駆動機構が必要となり、モータや駆動軸の発熱による温度上昇が発生する。
従来、これらの熱膨張収縮によるステージのドリフトを回避する技術として、特開2002−126964号公報には、ウエハを搭載保持しているステージの位置をリアルタイムにモニタし、そのテーブルの挙動に追従してモータの制御量や電子線の偏向量にフィードバックする、いわゆるサーボ制御技術が開示されている。
また、特開2000−57985号公報にも、試料のウエハを載置するステージの位置を測長して、この測長結果に基づいて偏向器による試料に照射する荷電粒子線の偏向量を調節するように構成した技術が開示されている。
一方、特開2004−134155号公報には、試料を載置する移動ステージと駆動軸との間に20μmから100μmのギャップを設けて、移動ステージの停止時は駆動軸を切り離すように構成したパルスモータを用いたオープンループによる制御を行なう技術が開示されている。
また、特開2000−57985号公報には、加電粒子を発生するカラムと、荷電粒子の偏向器と、試料を移動させるステージと、ステージの位置を計測する測長器と、カラムと偏向器とステージを制御する制御部を備えて、センサーで検出したステージの位置ずれに基づいて偏向器を操作して荷電粒子の照射方向を補正し、試料に荷電粒子を照射して撮像する荷電粒子線装置の技術が開示されている。
特開2002−126964号公報 特開2004−134155号公報 特開2000−57985号公報
試料の撮像のスループットを向上させる為には、試料であるウエハを搭載保持しているステージの移動にかかる時間を短縮することが有効であるが、ステージの移動時間の短縮はステージを移動させるステージ速度、及びステージ加速度の増加を意味する。
当然ながら、前述した特開2002−126964号公報、特開2004−134155号公報及び特開2000−57985号公報に記載された荷電粒子線装置の技術においては、ステージ速度、及びステージ加速度を増加させるとステージ移動時間は短縮されるが、ステージ速度及びステージ加速度の増加に起因して移動したステージ21が電子線の偏向可能領域の範囲内に収斂するのに要する時間である制定時間Tsは長くなり、結果的には全体測定時間の短縮としてはあまり効果が上がらなくなる。
このことは、全体測定時間の短縮を優先させると撮像された画像精度(歪み、ボケ等)が悪化することを意味する。
本発明の目的は、試料の撮像で得られる画像精度を確保すると共に試料を載置したステージの移動に伴う制定時間の短縮を可能にして、試料の撮像の大幅なスループット向上を図った荷電粒子線装置及び荷電粒子線装置の撮像方法を提供することにある。
本発明の荷電粒子線装置は、荷電粒子線を発生する電子銃及びこの電子銃から発生した荷電粒子線を所望の位置に偏向可能な偏向器を備えたカラムと、電子銃から発生した荷電粒子線が照射される試料を載置して移動可能に構成されたステージを内部に配置した試料室と、試料室内のステージの位置を計測可能な測長器と、カラムの偏向器の偏向量を制御するカラム制御部と、試料室のステージの位置を制御する位置制御部とを備えて荷電粒子線を照射して試料を撮像する荷電粒子線装置において、測長器で計測したステージの状態の情報に基づいて荷電粒子線を照射する試料の目標位置からの偏差値を算出する偏差処理部と、試料の撮像時間の間はステージの状態が試料の撮像に可能であるか否かを判断する判定部とを備え、この偏差処理部で演算した偏差値に基づいて荷電粒子線の偏向量を調節する偏向器に指令する偏向制御部を備えて、荷電粒子線を照射して試料の撮影を行なうように構成したことを特徴とする。
また、本発明の荷電粒子線装置の撮像方法は、カラムに備えた電子銃から荷電粒子線を発生させて発生した荷電粒子線をカラムに備えた偏向器によって所望の位置に偏向させ、この偏向した荷電粒子線を試料室の内部に移動可能に設置したステージに載置された試料に照射して試料を撮像する荷電粒子線装置の撮像方法において、試料を載置したステージの位置を測長器で計測したステージの状態の情報に基づいて照射された荷電粒子線が試料の目標位置からの偏差値を算出し、この偏差値に基づいて試料を撮像する撮像時間の間はステージの状態が試料の撮像に可能であるか否かを判断し、試料の撮像が可能と判断された場合にはこの偏差値に基づいて荷電粒子線の偏向量を目標位置に近付くように制御して試料の撮影を行なうことを特徴とする。
本発明によれば、試料の撮像で得られる画像精度を確保すると共に試料を載置したステージの移動に伴う制定時間の短縮を可能にして、試料の撮像の大幅なスループット向上を図った荷電粒子線装置及び荷電粒子線装置の撮像方法が実現できる。
本発明の実施例である荷電粒子線装置及び荷電粒子線装置の撮像方法として、走査電子顕微鏡について図面を用いて説明する。
本発明の実施例である荷電粒子線装置としての走査電子顕微鏡について図1を用いて説明する。
図1において、床に設置される複数の架台6の上部には床振動を除振するマウント4が取付けられており、このマウント4を介して架台6によって試料室2を支持する構造となっている。
試料室2の上部には電子線を生成、制御するカラム1が設けられ、試料室2の側方には試料を搬送する搬送ロボット31が内包されるロードロック3が取付けられている。
試料室2の内部は資料室2の下方側に設置した真空ポンプ5によって常時真空排気されて真空状態を維持しており、カラム1の内部も図示しない真空ポンプによって真空排気されて高真空度に保たれている。
この試料室2の内部には試料10を搭載保持するステージ21が試料室2の内部を移動可能に設置されている。そしてステージ21の上部には静電チャック24が取付けられていて試料10はこの静電チャック24により静電吸着されてステージ21上に強力に保持される。
また、ステージ21の上部にはバーミラー22も取付けられており、試料室2に取付けられている干渉計23とバーミラー22との相対的な距離変化をレーザ測長することでステージ21の位置を計測して、ステージ21上に搭載保持された試料10の位置を管理している。
一方、ロードロック3の大気側には試料10を出し入れする開口を通じて大気との隔離を行なう大気側ゲートバルブ33が取付けられ、ロードロック3の試料室側には同様に試料10を出し入れする開口を通じて試料室2との隔離を行なう真空側ゲートバルブ32が取付けられている。
次に本実施例の走査電子顕微鏡における試料10の搬送経路について以下に簡単に説明する。まず、ロードロック3の大気側ゲートバルブ33をオープンし、搬送ロボット31を操作して大気側から開口を通じて試料10をロードロック3の内部に導入する。
次にロードロック3の大気側ゲートバルブ33をクローズし、ロードロック3の内部を図示しない真空ポンプによって真空排気して真空状態とする。
そして、ロードロック3の内部の真空度が試料室2の内部の真空度と同程度になったら、ロードロック3の真空側ゲートバルブ32をオープンし、搬送ロボット31の操作によってロードロック3から開口を通じて試料室2の内部に内包されるステージ21上に試料10を搬送する。
試料室2の内部で試料10が処理された後は、逆の流れで試料10は試料室2からロードロック3に搬送され、更にロードロック3から大気へと戻される。
試料室2の内部では試料10はステージ21に取付けられている静電チャック24により静電吸着されてステージ21上に強力に保持される。また、このステージ21上にはバーミラー22が取付けられており、試料室2に取付けられている干渉計23との相対的な距離変化をレーザ測長してステージ21の位置を計測することにより、ステージ21上の試料10の位置を管理することが可能となる。
干渉計23によってレーザ測長されたステージ21の位置情報は位置制御部71で位置データ信号に作成されるが、この位置データ信号は試料室2の内部で試料10を搭載保持するステージ21の移動を制御するステージ制御部72に入力される。
ステージ制御部72では位置制御部71から入力されたステージ21の現在の位置データ信号と予め設定された目的座標となる目標位置データとを比較して両者の偏差信号を演算し、この演算した偏差信号である目標位置データとの偏差値が無くなるようにステージ21の位置を移動制御させるフィードバック制御を行っている。
ステージ21を移動制御させるフィードバック制御には単純な位置フィードバックのみで行なう制御や、ステージ21の速度情報、ステージ21の位置偏差の積分情報を加えて応答速度と位置決め精度を向上させるPID制御などが考えられる。
一方、本実施例の走査電子顕微鏡のカラム1については、カラム1内に設置した電子銃11から電子線12が発生されるが、この電子線12は電子銃11の下方となるカラム1内に設置された収束作用を有する電子レンズ13及び電子レンズ16を通過する。
カラム1内の電子レンズ13及び電子レンズ16との間には偏向器14が設けられており、この偏向器14によってカラム1内を進行する電子線12は所望の軌道に偏向させられ、カラム1と連通した試料室2の内部のステージ21に搭載保持されている試料10に照射される。
カラム1内に設置した電子銃11から試料室2のステージ21上の試料10に電子線12を照射することによって発生する反射電子、或いは2次電子は、カラム1内に設置した検出器15によって検出される。
検出器15で検出された反射電子、或いは2次電子の検出信号は、偏向器14による電子線12の制御情報と共に画像制御部73に入力される。
画像制御部73では偏向器14による電子線12の制御情報と、検出器15によって検出された反射電子、或いは2次電子の検出信号を基に試料10の画像、例えば試料10としてのウエハに描かれた回路パターンの拡大画像等の画像データを生成し、その画像データをモニタ74に画像として映し出す。
本実施例の走査電子顕微鏡では、カラム1と連通した試料室2の上方に試料10の高さの検出を行なう光学式のZセンサー25が取付けられており、常時、試料10の高さをモニタ可能である。
そしてZセンサー25で得られた試料10の高さ信号は位置制御部71に入力されて信号変換された後に、カラム制御部70に伝達される。
カラム制御部70では位置制御部71から入力する試料10の高さの情報に基づいて必要に応じて電子レンズ13及び電子レンズ16の光学条件を変更し、試料10の高さが変化しても試料10に照射する電子線12のフォーカスがずれないように制御を行っている。
試料10を搭載保持する前述したステージ21の位置情報はカラム1に設置された各種機器の制御を行なうカラム制御部70にも伝達され、電子線12の偏向制御信号を補正している。
偏向器14は、試料10の位置に照射する電子線12の偏向中心を位置決めする位置偏向器14Aと、撮像するために電子線を高速で目的視野内を走査させる走査偏向器14Bとに分かれており、これらの位置偏向器14Aと走査偏向器14Bの制御はカラム制御部70からの指令信号に基づいて偏向制御部17を操作することにより行われる。
例えば、ステージ21の現在位置である位置データ信号が目標座標となる目標位置から偏向範囲内(例えば10μm以内)で位置ずれしていた場合、干渉計23で検出したステージ21の現在位置の位置データ信号と目標座標の目標位置データとの偏差信号を位置制御部71で算出し、この偏差信号を位置制御部71からカラム制御部70に入力信号として伝達させる。
そしてカラム制御部70では位置制御部71で演算され入力されたこの偏差信号の偏差値に基づいて、偏差信号の偏差値が無くなるように位置偏向器14Aと走査偏向器14Bとの制御を行ない、ステージ21に載置された試料10に照射される電子線12のビームの偏向量を調節する。
即ち、カラム制御部70では偏向制御部17に対する偏向指令値に偏差値分を補正量として加えた偏向補正指令値を演算し、この偏向補正指令値を偏向制御部17に指令して位置偏向器14Aと走査偏向器14Bとの制御を行ない、電子線12のビームの偏向量を調節するものである。
この場合、補正する対象としては、電子線12の偏向中心の位置情報のみに基づく補正の制御にすると比較的容易に制御系が構成できる。
その理由は位置偏向器14Aの制御速度が、走査偏向器14Bに必要な制御速度よりも遅いためである。走査偏向器14Bには高速な偏向動作が必要であり(例えば20KHz以上)、偏向指令値をフィードバックさせる制御とするにはハードウエアとして高速に演算可能な補正回路を追加しなければならず、コストも大幅に増加する。
一方、位置偏向器14Aには、本実施例ではステージの目標座標と現在のステージ21の位置の偏差分を常時フィードバックさせる構成としたので、例えステージ21に残留振動、或いはドリフトが生じても、これらの現象が制定するまで待つことなく試料10の撮像が開始可能となる。
この時、ステージ21の機械振動、或いはステージ21の制御振動によって生じる偏差は、あまり早い周波数ではないため(例えば500Hz以下)、ソフトによる偏向指令値への補正も十分可能であり、非常に安価に実現可能となる。
また、ハードウエアとして回路を追加しても高速演算は全く必要ないので一般的なトランジスタによる回路で十分機能を満足できるため、小額なコストで実現可能となる。
図2は本実施例の走査電子顕微鏡において、ステージ制御部72によって試料10を搭載保持するステージ21を移動制御させた場合のステージ21の移動速度の一例である速度プロファイルを示したものである。
図2において、縦軸はステージ21の移動速度を、横軸は時間を示している。図2に示したステージ21の移動では、ステージ制御部72によって停止状態から一定の速度増加率でステージ21を移動させて速度を増加させ、所定の速度に到達するとこの所定の速度を暫くの間維持させ、その後に所定の速度から一定の速度減速率でステージ21を減速させていく制御の状況を表わしている。
図2において、Tmはステージ21を移動させるのに要するステージ移動時間、Tsは移動したステージ21が偏向可能領域の範囲に収斂するのに要する制定時間、Tcは試料の撮像に必要な撮像時間、Tは全体測定時間(T=Tm+Ts+Tc)、Wは偏向可能領域、Xは偏向可能領域から外れたオーバーシュート量、を夫々示している。
上記したような実施例による制御を適用した場合、図2の速度プロファイルに示したようにステージ21にはステージ停止後の残留振動が発生するものの、ステージ制定時間Tsを経てステージ21の位置が偏向可能領域W内となる電子線12のビームの偏向範囲内(例えば目標座標±10μm以内)にステージ21の位置が収まれば、試料10に電子線12を照射する撮像時間Tcの撮像に移行できるため、全体測定時間Tは大幅に短縮することが可能となる。
また、本実施例によるステージ21の移動制御では、ステージ21の位置が偏向可能領域Wの範囲内に入っていれば試料10の撮影に障害とはならないのでステージ21を完全に停止させる必要は特に無い。
図3には本実施例によるステージ21の移動制御の他の例として、所定の速度を維持した状態から一定の速度減速率でステージ21を減速させていく場合に、最初は急激な速度減速率で、その後は緩やかな速度減速率で減速させる2段階の速度減速率による速度プロファイルの例を表わしたものである。この場合、ステージ制定時間Tsを無くすことが可能となる。
図3に示したステージ21の速度プロファイルの例のように、ステージ停止時の位置決め動作を2段階の速度減速率を採用して遅くした場合であっても、ステージ制定時間Tsを無くせるのでステージ21が偏向可能領域W内となる偏向器14による電子線12のビームの偏向範囲内に収まる時点からステージ21に載置した試料10の撮像が可能となる。
よって図3に示したステージ21の速度プロファイルの例では、ステージ21の移動制御を図2の速度プロファイルとほぼ同じ時間となる全体測定時間Tに収めることができる。
図3に示したステージ21の本速度プロファイルの例の場合における利点は、ステージ21の減速時の加速度を小さく抑えることができるため、カラム1等の振動励起を低減できることである。つまり、ステージ21の位置情報には含まれないカラム1の振動に起因した像質への悪影響を低減することで、更に高精度な画像を得ることが可能となる。
また、ステ−ジ21を移動させる行動装置として、通常、採用されているボールネジや、超音波モータなど摩擦を伴うアクチュエータは、ステージが目標位置付近になると制御を止めて摩擦力による制動力を用いて止まり続けることが可能であるが、リニアモータの場合には制動力が働かないため、振動やドリフトが生じてしまう。
前記した構成の本実施例では、ステージ21が完全に止まらなくてもステージ21の位置が偏向可能領域W内に入れば撮像可能なことにより、摩擦を伴わないアクチュエータであるリニアモータが比較的容易に適用できる。
次に図1に示した本実施例の走査電子顕微鏡における位置制御部71の詳細構造について図4を用いて説明する。
図4において、位置制御部71では干渉計23によって検出したステージ21の現在位置の検出信号を位置変換器80によって位置情報データに変換すると同時に、速度変換器81によって時間で微分して速度情報データにも変換し、これらの位置変換器80によって変換したステージ21の位置情報データと速度変換器81によって変換したステージ21の速度情報データの両者を判定部82に入力する。
この判定部82では、入力したステージ21の位置情報データ及び速度情報データと、メモリ83に格納された判定基準との比較を行ない、所定の撮像時間Tcの時間内にステージ21に載置した試料10の位置、即ちステージ21の位置が照射する電子線12の偏向可能領域Wの範囲内となる試料への電子線の照射が可能か否かを判定する。
位置制御部71のメモリ83にはステージ21のステージ位置とステージ速度との判断基準となる図5に示す判定基準値が格納されており、判定部82から随時読み出し可能な状態となっている。
そして、判定部82では図5に示されたステージ位置の「閾値偏差」とステージ速度である「速度」との双方からなる判定基準値を両方とも満たした場合にのみ判定部82によって偏向可能領域Wの範囲内の試料10への電子線12の照射が可能なものと判断される。
つまり、ステージ位置が15μm以上20μm未満で、ステージ速度が0.02mm/s以下の場合、また、ステージ位置が10μm以上15μm未満で、ステージ速度が0.015mm/s以下の場合、また、ステージ位置が5μm以上10μm未満で、ステージ速度が0.01mm/s以下の場合、また、ステージ位置が0μm以上5μm未満で、ステージ速度が0.005mm/s以下の場合、の夫々の条件を満たした場合にのみ、試料10への電子線12の照射が可能なものと判断される。
位置変換器80により変換されたステージ21の位置情報データは、位置制御部71の偏差処理部85に入力され、検出したステージ21の位置情報データと目標値との偏差信号を演算する。
そしてこの偏差処理部85で演算した偏差信号はローパスフィルタ84に入力し、このローパスフィルタ84を通過した偏差信号がカラム制御部70に入力データとして伝達されるように構成されている。
偏差信号はこのローパスフィルタ84を通過させることで変換した偏差信号に含まれている高周波ノイズ成分が除去されるので、よってステージ21の機械振動、或いはステージ21を移動制御することが起因の振動に絞って正しく補正することが可能となる。
ここで位置制御部71の判定部82が随時読み出しするメモリ83に格納されたステージ位置とステージ速度とからなる判定基準とは、ステージ21の位置のずれがステージ21に載置した試料10に照射する電子線12のビームの偏向可能領域W内にある時、少なくても試料10の撮像時間Tc以上の時間、ステージ21の位置ずれがこの偏向可能領域W内に留まっていることが可能か否かを判断する基準値となる閾値であり、その具体例は図5に示したとおりである。
尚、判定部82の判定によってステージ21の位置と速度が図5に示す判定基準から外れて試料10への電子線12の照射が可能でないと判断された場合は、再度、ステージ21の位置と速度を計測して、これらの計測値が判定基準を満たす値になるまで判定部82による判定を繰り返す。
メモリ83に格納された判定基準の格納の形態については、図5に示すような表以外でもステージ位置とステージ速度の関数式としてメモリ83に格納しても同じ作用である。また、判定基準となるステージ位置とステージ速度の具体的な数値については、ステージ停止時の速度と位置を収集する事前評価を行なうことで決定して格納するようにすればよい。
ステージ21を移動させる駆動用のアクチュエータの出力や、ステージ21の可動質量、ステージ21の抵抗によっても異なることが予想されるので、ステージ21の移動軸毎(水平2軸)に設定することが望ましい。
次に図6に示すステージ21の位置決め時の位置偏差を参照して、本実施例におけるステージの位置及び移動速度と判定結果との関係について以下に説明する。
図6の縦軸はステージ21のステージ位置を、横軸はステージ位置の時間の経過を夫々示している。そして縦軸のAはステージ位置の上限値を、Bはステージ位置の下限値を夫々示す。
図6には、試料10のウエハを搭載保持しているステージ21の代表的な移動方法の例として、ステージ移動、ステージ停止、試料撮像とからなるステージの移動プロファイルを繰り返すステップアンドリピートと呼ばれる方法で制御した場合のステージ移動速度を示している。
即ち、ステージ移動に要するステージ移動時間Tmの後、ステージ停止してステージの残留振動やドリフトが許容される偏向可能領域Wの範囲に収まるまでの制定時間Tsを経て、電子線を照射して試料10の撮像(撮像時間:Tc)を行なう。よって、試料10の1箇所の全体測定時間はT(T=Tm+Ts+Tc)となり、試料処理速度(以下、スループットと呼ぶ)に関わる大きな要因となっている。
ステージ21がステージ位置P1の手前からステージ位置P6を通過するに至る移動プロファイルでは、ステージ位置偏差の+側から徐々に偏差0に近づく過程で、ステージ位置P1でのステージ位置偏差は偏向可能領域Wの範囲の上限値A(+20μm)を通過して偏向可能領域Wの範囲内に進入する。
ステージ位置P1を通過直後のステージの状態の情報は、ステージ位置が20μmで移動速度が0.03mm/sであるので、図5に示したメモリ83に格納されている判定基準を参照すると、ステージ位置が15μm以上20μm未満で、ステージ速度が0.02mm/s以下との基準値から特に速度が大きく外れており、よってステージに載置された試料10の撮像としてはNGの状態と判断される。
次のステージ位置P2を通過直後のステージの状態の情報は、ステージ位置が0μm近傍で移動速度が0.02mm/sであるので、メモリ83に格納されている判定基準を参照すると、ステージ位置が0μm以上5μm未満で、ステージ速度が0.005mm/s以下との基準値から特に速度が大きく外れており、よってステージに載置された試料10の撮像としてはNGの状態と判断される。
次のステージ位置P3を通過直後のステージの状態の情報は、ステージ位置が15μm近傍で移動速度が0.018mm/sであるので、メモリ83に格納されている判定基準を参照すると、ステージ位置がステージ位置が10μm以上15μm未満で、ステージ速度が0.015mm/s以下との基準値から特に速度が外れており、よってステージに載置された試料10の撮像としてはNGの状態と判断される。
そしてステージ21はステージ位置P2及びステージ位置P3を通過してステージ位置P4に到達するが、ステージ位置P4を通過直後のステージの状態の情報は、ステージ位置が偏向可能領域Wの範囲の下限値B(−20μm)を超過するのでステージ位置が基準値の上限の20μmを外れ、試料10の撮像はNGの状態と判断される。
その後、ステージ21はステージ位置P5に到達するが、このステージ位置P5を通過直後のステージの状態の情報は、ステージ位置が再度、下限値B(−20μm)の範囲内に進入する。また、ステージ速度も0.01mm/sまで減速しており、メモリ83に格納されている判定基準を参照すると、ステージ位置が15μm以上20μm未満で、ステージ速度が0.02mm/s以下の判定基準を何れも満たしているので、試料10の撮像としてはOKの状態と判断される。
同様にステージ位置P6通過直後のステージの状態の情報は、ステージ位置が0μm近傍でステージ速度も0.005mm/sまで減速しており、メモリ83に格納されている判定基準を参照すると、ステージ位置が0μm以上5μm未満で、ステージ速度が0.005mm/s以下の判定基準を満たしているので、このステージ位置P6通過以降も、試料10の撮像としてはOKの状態と判断される。
上記した本実施例の判断方法は判定時間を極力少なくし、試料10の撮像開始時刻の早期開始を実行することで、試料10の処理時間を短縮できる有効な手法である。
尚、より確実に試料への電子線の照射が可能か否かを判定したい場合は、前記した判定を連続的に行ない、ある一定の回数(または時間)、いずれの判定結果もOKの場合ならば試料10の撮像が可能となるようにしても良い。
また、今回の試料への電子線の照射が可能か否かの判定にはステージ21の目標値に対する位置偏差と速度を指標にしてきたが、ステージ21の絶対座標(位置)や、加速度をパラメータとしても利用可能である。
例えば、ステージ21の絶対座標が異なる時にステージ21の固有振動数が変化することで偏向範囲に収まる時間が変化する場合や、本体の揺れ量が変化することで偏向範囲に収まる時間が変化する場合などに有効である。
加速度については、ブレーキ機構を用いたステージ21などで、使用時間、ステージ位置、使用温度などの原因で加速度が一定でない場合にパラメータとして利用すると更に確度の高い判定が可能となる。ここで、各ステージ位置での速度上限値には実際の速度上限値にある程度の尤度を持たせた値を設定して、安定した装置稼動状態を目指した方が良い。
図7は本実施例によるステージ21に搭載保持された試料10の画像取得シーケンスについて示しており、1ヶ所の処理に大別してステップS1〜ステップS7の各ステップを実施する。
ステップS1の目標座標移動開始ではステージ21の目標座標移動を開始し、次のステップS2の目標位置設定ではステージ21の目標位置を設定することで、速度、加速度等の駆動パラメータに従った駆動プロファイルを生成する。
ステップS3の移動開始では生成した駆動プロファイルに沿ってステージ21の移動を開始する。
ステップ4の判定可能範囲ではステージ21の移動によってステージ21の位置が目標位置付近で判定可能範囲に入ると、位置制御部71の位置変換器80及び速度変換器81によって判定パラメータであるステージ21のステージ現在座標位置の情報とステージ21が移動するステージ現在速度の情報とを夫々読み込む。
次の判定パラメータ許容範囲内のステップS5では、位置制御部71の判定部82によってステップS4で読み込んだステージ現在座標位置及びステージ現在速度の情報と、予め位置制御部71のメモリ83に記憶している判定基準値のステージ座標位置及びステージ速度との比較を夫々行なう。
そして、この位置制御部71の判定部82によって撮像可能と判断された場合は、ステップS6の画像取得開始に進んでカラム制御部70からの指令で画像制御部73を操作して試料10の撮像を開始する。
そして、試料10の撮像結果に特に問題が無ければステップS7の画像取得終了に進んで試料10の撮像を終了する。
また、判定パラメータ許容範囲内のステップS5において、位置制御部71の判定部82によって撮像不可と判断された場合には、再びステップS4に戻って現在のステージ位置情報とステージ速度を再度読込み、判定部82で撮像可能と判断されるまで同様のシーケンスで撮像判断を行なう。
勿論、判断基準値の設定間違いや、ステージの動作不良で長時間撮像不可になる可能性があるので、このシーケンスに判定回数の上限、或いは判定時間の上限を定めても良い。
ステップS5による位置制御部71の判定部82によって撮像可能と判断されると、ステップS6の画像取得開始に進んでレーザ計測されたステージの現在位置情報を位置制御部71に取込み、カラム制御部70を介して偏向制御部17によって電子線12の目標位置からの偏差値に基づいて演算し、偏向器14を操作する電子線12のビームの偏向指令値にフィードバックしながら試料10の撮像を行なう。
そして所望の時間、試料10の撮像が終るとステップS7の画像取得終了に進んで、画像を取得する次の目標位置に向けてステージ21を移動させて、同様のシーケンスで試料10の画像取得を行なう。
図8は図6と同じくステージ21の位置決め時の位置偏差についてステージ21の移動プロファイルを示したものであるが、図6との大きな違いは、目標に対するオーバーシュート量が偏向範囲(上限値A〜下限値Bの範囲)を超えずに、偏差0に向かって収束することである。
即ち、図8において予めオーバーシュート量とステージ位置P1での速度の関係を調べておき、オーバーシュート量が下限値Bを超えないステージ位置P1での限界速度Vmを求めておくと、実使用状態におけるステージ位置P1での速度vに対してv≦Vmの関係であれば撮像可能と判断できる。
つまり、常にP1地点でのステージ21の移動速度をVm以下に抑えるようなステージ21の移動プロファイル、或いはステージ21のゲイン係数を決定することで、ステージ移動毎の試料10の撮像判断動作が不要となり、装置の制御システムを簡単にすることが可能となる。
一般的に前記したステージ21の移動プロファイルではステージ21の設定ゲインが低くなり、応答速度が遅くなりがちであるが、次の測定位置に移動する際の立上りのゲインは高く設定し、位置決め時のゲインを低いゲインに設定することで、効率的にスループット向上を図ることができる。
また、勿論安定した装置稼動を目的として、P1でのステージ21の移動速度vがVmに対してある程度余裕を持った閾値に設定されている方が望ましい。
ここで、ステージ21に振動が生じている時にも、正しく試料10の位置管理を行なう為には、ステージ21上の試料10の位置とバーミラー22の設置位置との関係を一定に保つ試料の保持手段が必要となる。
保持力の弱い機械的な試料の保持手段では、ステージ21に加速度が加わった状態では試料10の位置ずれや、試料10の変形が生じてしまう可能性が高い。
このような状態では、ステージ21上のバーミラー22と試料10との距離に、数nm程度の僅かながらの変動が生じて試料位置の測長誤差が生じ、この誤差を含んだレーザ計測値を基にビーム偏向の補正を行ってしまうと試料10の画像にボケや歪みなどが生じて像質低下に繋がってしまう。
よって、本実施例では図1及び図4に示したように、試料10をステージ21上に保持させる保持手段として静電チャック24を用いることで上記のような問題点を解決している。
機械的な試料10の保持手段では、試料10の周辺を数箇所抑えることが一般的であるが、本実施例の静電チャック24を採用した試料10の保持手段では試料10の裏面をほぼ全面に亘って保持手段に吸着することで強力に試料保持が可能となり、よって測長誤差が生じ難い装置構成が実現できる。
即ち、ステージ21の移動に伴って起こるステージ振動によってステージ21に載置した資料10がステージ21の表面からずれて生じるずれ量が、例えば通常は10μm程度生じる場合でも、試料10の保持手段として静電チャック24を採用すれば1μm以下のずれ量に抑制することが出来る。
この結果、電子線を照射して試料を撮影する画像の画質を一段と高精度に向上させることが可能となる。
また、通常、試料10としてウエハの撮像を行なう前にウエハ高さを検出して、その値を基にカラム1の光学条件を変化させるフォーカス動作を介して、最適な像状態になるようなシーケンスとなっている。
このフォーカス動作はウエハの反りや曲がり(例えば100μm)を吸収可能にするため、フォーカスの振り幅を200μm程度まで確保する必要があるが、振り幅が大きいほど時間がかかる為、なるべく狭い振り幅であることが望ましい。
そこで本実施例の静電チャック24を試料10のウエハの保持に使用することでウエハの反りや曲がり(例えば100μm)を矯正し、より平らな処理平面を形成できることでフォーカス動作を狭い振り幅(例えば50μm)で設定することが可能となり、副次的な効果としてもスループットの向上に繋がる。
静電チャック24のメンテナンスを容易にするには、ステージ21から図示していないが着脱可能なホルダタイプに構成した静電チャック24が望ましい。この場合、着脱可能なホルダと試料10、着脱可能なホルダとステージ21の固定は各々静電チャック24による吸着で行なうことで、試料10の高い保持力が実現でき、ステージ21とホルダを介した試料10の相対変位が殆どない状態になる。
ホルダは搬送ロボット31により自動的に試料室から排出されることで、装置から取り出してクリーニング等のメンテナンスが可能である。これにより、精度の高い計測とメンテナンスの容易性を共に確保できる構成となる。
以上述べてきたように本発明の実施例によれば、試料の撮像で得られる画像精度を確保すると共に試料を載置したステージの移動に伴う制定時間の短縮を可能にして、試料の撮像の大幅なスループット向上を図った荷電粒子線装置及び荷電粒子線装置の撮像方法が実現できる。
本発明は、電子顕微鏡、及びイオンビーム加工/観察装置等の荷電粒子線装置及び荷電粒子線装置の撮像方法に適用可能である。
本発明の一実施例である走査電子顕微鏡の全体構成を示す平面図。 図1の走査電子顕微鏡の実施例におけるステージの移動速度の一例を示す説明図。 図1の走査電子顕微鏡の実施例におけるステージの移動速度の他の例を示す説明図。 図1の走査電子顕微鏡の実施例における位置制御部の構成を示す詳細構成図。 図4の位置制御部の判定部における判定基準の一例を示す閾値を表すデータテーブル。 図1の走査電子顕微鏡の実施例におけるステージの位置及び移動速度と判定基準による判定結果を示す説明図。 図1の走査電子顕微鏡の実施例における試料の撮像シーケンスを表すブロック図。 図1の走査電子顕微鏡の実施例におけるステージ位置P1でのステージの位置及び移動速度と判定基準による判定結果の一例を示す説明図。
符号の説明
1:カラム、2:試料室、3:ロードロック、4:マウント、5:真空ポンプ、6:架台、10:試料、11:電子銃、12:電子線、13:電子レンズ、14:偏向器、14A:位置偏向器、14B:走査偏向器、15:検出器、16:電子レンズ、17:偏向制御部、21:ステージ、22:バーミラー、23:干渉計、24:静電チャック、25:Zセンサー、31:搬送ロボット、32:真空側ゲートバルブ、33:真空側ゲートバルブ、70:カラム制御部、71:位置制御部、72:ステージ制御部、73:画像制御部、74:モニタ、80:位置変換機、81:速度変換機、82:判定部、83:メモリ、84:ローパスフィルタ。

Claims (8)

  1. 荷電粒子線を発生する電子銃及びこの電子銃から発生した荷電粒子線を所望の位置に偏向可能な偏向器を備えたカラムと、電子銃から発生した荷電粒子線が照射される試料を載置して移動可能に構成されたステージを内部に配置した試料室と、試料室内のステージの位置を計測可能な測長器と、カラムの偏向器の偏向量を制御するカラム制御部と、試料室のステージの位置を制御する位置制御部とを備えて荷電粒子線を照射して試料を撮像する荷電粒子線装置において、測長器で計測したステージの状態の情報に基づいて荷電粒子線を照射する試料の目標位置からの偏差値を算出する偏差処理部と、試料の撮像時間の間はステージの状態が試料の撮像に可能であるか否かを判断する判定部とを備え、この偏差処理部で演算した偏差値に基づいて荷電粒子線の偏向量を調節する偏向器に指令する偏向制御部を備えて、荷電粒子線を照射して試料の撮影を行なうように構成したことを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、判定部ではステージの状態の情報としてステージの現在の位置情報と速度情報とを判定パラメータとして試料の撮像が可能であるか否かを判断することを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、判定部はステージの状態の情報と予め位置制御部に記憶されている判定基準情報との比較に基づいて試料の撮像が可能であるか否かを判断することを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、荷電粒子線の偏向量を調節する偏向器は試料の所望の位置に荷電粒子線の偏向中心を位置決めする位置偏向器と、撮像するために荷電粒子線を目的視野内で走査させる走査偏向器とから構成されており、偏差処理部で演算した偏差値は位置偏向器の指令値に使用されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、試料をステージに保持する静電吸着可能な静電チャックをステージに備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、偏差処理部で演算した偏差値はローパスフィルタを通過させた後に荷電粒子線の偏向量を偏向器に指令する偏向制御部に入力するようにしたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. カラムに備えた電子銃から荷電粒子線を発生させて発生した荷電粒子線をカラムに備えた偏向器によって所望の位置に偏向させ、この偏向した荷電粒子線を試料室の内部に移動可能に設置したステージに載置された試料に照射して試料を撮像する荷電粒子線装置の撮像方法において、試料を載置したステージの位置を測長器で計測したステージの状態の情報に基づいて照射された荷電粒子線が試料の目標位置からの偏差値を算出し、この偏差値に基づいて試料を撮像する撮像時間の間はステージの状態が試料の撮像に可能であるか否かを判断し、試料の撮像が可能と判断された場合にはこの偏差値に基づいて荷電粒子線の偏向量を目標位置に近付くように制御して試料の撮影を行なうことを特徴とする荷電粒子線装置の撮像方法。
  8. 請求項7に記載の荷電粒子線装置の撮像方法において、試料は静電吸着可能な静電チャックによってステージに保持するようにして試料の撮影を行なうようにしたことを特徴とする荷電粒子線装置の撮像方法。
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