[0057] ここで例示的な実施形態について詳細に言及し、実施形態の例を添付の図面に図示する。以下の説明では、別段の表示がない限り、異なる図面中の同一の番号が同一又は同様の要素を表す添付の図面を参照する。例示的な実施形態の以下の説明に記載された実施態様は、本開示と一致する全ての実施態様を表すわけではない。むしろ、それらの実施態様は、添付の特許請求の範囲に列挙される、主題に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例に過ぎない。例えば、いくつかの実施形態は、電子ビームを利用する文脈で説明されているが、本開示は、そのように限定されるものではない。他の種類の荷電粒子ビームが同様に適用されることがある。更に、光学撮像、光検出、x線検出などの、他の撮像システムが使用されることがある。
[0058] デバイスの物理的サイズの小型化と同時に、ICチップ上のトランジスタ、キャパシタ、ダイオードなどの回路コンポーネントの実装密度を大幅に増加させることにより、電子デバイスの向上した演算能力を達成することができる。例えば、スマートフォンでは、ICチップ(親指の爪のサイズである)は、20億個を超えるトランジスタを含むことがあり、各トランジスタのサイズは、人間の髪の毛の1/1000よりも小さい。当然のことながら、半導体ICの製造は、数百にのぼる個別ステップを含む、複雑なプロセスである。たった1つのステップでのエラーが、最終製品の機能に大きな影響を及ぼす可能性がある。たった1つの「キラー欠陥」がデバイス障害の原因となる可能性がある。製造プロセスの目標は、プロセスの全体的歩留まりを向上させることである。例えば、75%の歩留まりを得るための50ステップのプロセスの場合、各個別のステップは99.4%よりも高い歩留まりを有しなければならず、個別ステップの歩留まりが95%の場合、プロセス全体の歩留まりは7%まで低下する。
[0059] ジオメトリが縮小してICチップ産業が3次元(3D)アーキテクチャ(NANDゲート、フィン電界効果トランジスタ(FinFET)、高機能のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など)に移行するにつれて、欠陥を発見することが各下位ノードにおいてより困難且つ高価になっている。ICチップ製造設備では高いプロセス歩留まりが望ましいが、1時間当たりのウェーハ処理枚数として定義される、高いウェーハスループットを維持することも不可欠である。高いプロセス歩留まり及び高いウェーハスループットは、特に欠陥がデバイスの全体的性能及びプロセス歩留まりに影響を及ぼす場合に、欠陥の存在により影響を受ける可能性がある。したがって、高スループットを維持しながら、ミクロ及びナノサイズの欠陥を検出及び特定することが、高歩留まり及び低コストのために不可欠である。欠陥の検出及び特定に加えて、SEM検査ツールはまた、ウェーハ上の微細構造の元素分析と組み合わせて高解像度画像を提供することにより欠陥源を特定するために使用される可能性がある。
[0060] 高分解能SEM撮像による定期的なインライン検査のために欠陥を特定するか又は撮像するかにかかわらず、特に検査フィーチャ又は欠陥の寸法が数十ナノメートル以下である場合に、精密なステージ動作制御が極めて重要であることが理解されるべきである。高スループットで高分解能の検査環境では、測定誤差の原因となる可能性があり、例えば、計器の保守、センサの較正、試料の傾斜、製造公差、機械加工誤差などの、検査ツールの撮像及び欠陥検出能力に影響を及ぼす可能性がある様々な要因が存在することがある。実際には、超大規模集積(VLSI)回路の製造では、指定された公差限度内での様々な層の精密なオーバーレイが必要となり、よって、サンプルステージのアライメント及び精密な位置決めが極めて重要である。場合により、最新の集積回路を製造するのに必要な全体的なオーバーレイ公差は、40nm未満であることがある。例えば、そのような公差に合わせて200mmのウェーハを位置合わせすることは、50kmの氷山を1cmの精度でドッキングさせることに等しいことがある。
[0061] 場合により、ステージは、6つの異なる動作軸、すなわち3つの並進軸及び3つの回転軸に移動させることができ、6つの軸の各々における動作誤差の可能性をもたらす。ステージの線形移動により生じる、X及びY軸におけるピッチ効果は、測定軸の平面とステージの動作軸とのオフセットに起因する、アッベ誤差を生じさせることがある。追加的に、ステージの既存の大域的及び局所的なZレベリング技術は、1つには縮小したジオメトリのため、また全体的な検査スループットへの影響のため、十分でも又は実現可能でもないことがある。本開示において提案された高精度3次元ステージ制御システムのいくつかの実施形態は、高制御帯域幅信号とZレベリングのための個別に制御可能な圧電アクチュエータとを使用することにより、ステージ位置決め及び動作制御の正確さを大幅に改善することがある。
[0062] 荷電粒子ビーム(例えば電子ビーム)を集束させ、これにより撮像分解能を改善するいくつかの方法のうちの1つは、圧電変換器によりステージの高さを調整するなどの、光学機械手段を使用することによるものである。しかしながら、光学機械技術を用いた集束能力は、例えば、精密な動作制御の制約と関連する誤差とに起因して、又はリアルタイムの3D撮像を可能するのに若しくは目標スループットを達成するのに十分な速度でステージを移動させる必要性に起因して、ナノファブリケーション及びナノファブリケーションで作製されたデバイスの検査でのいくつかの用途には不適切であることがある。誤差の原因の例としては、限定されるものではないが、振動、温度勾配、誤較正などが挙げられる。それゆえ、そのような問題に対処しながらシステムが電子ビームの焦点を更に微調整することを可能にすることにより、既存の集束能力を高めることが望ましいことがある。
[0063] ICチップ上のデバイスの密度が増加するにつれて、デバイスアーキテクチャは、上下方向に積層されたコンポーネントと高度なフィーチャのための多数の層とを含む。そのようなデバイスの検査は、有用な情報を抽出しながらフィーチャの上面、底面、及び中間層が同時に撮像され得るように、より大きな焦点深度を必要とすることがある。例えば、金属コンタクトホールのクリティカルディメンジョンを測定すること、又は埋没した欠陥粒子を検出することは、中でもとりわけ、欠陥を分析して、正確な撮像及び測定から得られた情報に基づいてプロセス条件を開発するのに有用であることがある。既存の技術を使用して、例えば、3D NANDフラッシュデバイスなどの積層された構造を検査することにより、限られた情報又は不正確な情報が提供されることがあり、これらの情報は両方とも、製造されるデバイスのスループット及び品質に悪影響を及ぼすことがある。それゆえ、リアルタイムの3D撮像能力を有する既存の検査ツールを使用可能にし、これにより、電磁界を変化させ、その後、荷電粒子ビームの焦点深度を変化させるように、ステージ又はレンズに関連する電圧を調整することなどで、高撮像分解能を維持しながら撮像範囲を広げることが望ましいことがある。
[0064] 単一ビーム及びマルチビーム検査システムでの高スループットのウェーハ検査は、高精度且つ高速で、サンプルを、例えば数ナノメートル程度の、非常に短い距離だけ移動させる能力により容易にされることがある。いくつかの用途では、ステージ又はSEMコラムの移動に関連する振動により、中でもとりわけ、画像分解能又は検査スループットが制限されることがある。既存のシステムは、補償方法などの、振動誘起誤差を補償する振動補償方法を用いることがあり、振動の不適切な検出、不正確な補償、測定遅延、振動をリアルタイムで正確に補正できないことなどに起因して、十分に正確でないことがある。
[0065] 従来の荷電粒子ビーム検査システムでは、位置センシングシステムは、ステージの振動を決定するために又はサンプルを軸に沿って位置決めするために使用される。位置センサは、ステージの振動がチャンバに伝達され得るようにステージに機械的に結合されるチャンバの壁に配置される。位置センサは、チャンバを基準としてステージの振動を正確に決定し得る一方で、チャンバ、位置センサ、又はチャンバに関連するビームコラムの振動は、検出されない若しくは不十分な精度で検出されることがあり、又は振動源は識別できないことがある。加えて、使用される位置センサは、並進又は回転軸における振動モードを検出しないことがあり、過少補償又は過剰補償される振動補償信号をもたらす。それゆえ、画像分解能の損失を最小限に抑えるために、振動誘起誤差を正確に検出し、特定し、分離し、且つ補償することが望ましいことがある。例えば、振動を検出してz次元における振動のコンポーネントを分離することが望ましいことがある。検出されたz振動コンポーネントを分析することができ、振動が感知されたときと比較して将来の時点でのz振動を予測することができる。ステージ又はレンズに関連する電圧は、予測された振動を振動が予測された時点で補償して、改善された正確な画像をもたらすために、電磁界を変化させ、次いで、荷電粒子ビームの焦点深度を変化させるように調整することができる。
[0066] 本発明の一態様では、荷電粒子ビームシステムは、サンプルステージ(図2のステージ201など)上に配置されたウェーハ(図2のウェーハ203)を観察するために使用されることがある。位置センシングシステム(図3の高さセンサ340及びレーザ干渉計350を含む)は、ステージの側方及び垂直変位を決定することがある。側方変位の決定に応答して、ビーム制御モジュール(図3のビーム制御モジュール365など)は、ビーム偏向器(図3の偏向器アレイ320など)に第1の高制御帯域幅信号を印加して、ウェーハに入射する一次荷電粒子ビームを荷電粒子ビームに実質的に垂直な平面に沿って偏向させることがある。そして、垂直変位の決定に応答して、ビーム制御モジュールは、ステージに第2の高制御帯域幅信号を印加して、偏向された荷電粒子ビームの焦点を荷電粒子ビームに実質的に平行な平面に沿って調整することがある。荷電粒子ビームシステムは、ステージ動作コントローラ(図3のz軸動作コントローラ372_1、372_2、及び372_3を含む)に第3の信号を印加するためのステージ制御モジュール(図3のステージ制御モジュール362など)を更に含むことがある。z軸動作コントローラの各々は、ステージが一次荷電粒子ビーム314の光軸に実質的に垂直になるように、ステージのZレベリングを調整するように個別に制御されることがある。
[0067] 本開示の別の態様では、荷電粒子ビームをサンプル上に集束させる方法が開示される。方法は、荷電粒子システムの対物レンズの集束コンポーネントの上流側に位置する第1のコンポーネント(例えば、荷電粒子源のアノード)を使用して、サンプルを基準として荷電粒子ビームの第1の焦点の場所を調整することを含むことがある。第1の焦点の場所はまた、Z軸におけるステージの位置を調整することにより調整されることがある。方法は、サンプルの電磁界又はサンプルに関連する電磁界を調整することにより第1の焦点を調整して第2の焦点を形成することを更に含むことがある。電磁界は、荷電粒子システムの対物レンズの集束コンポーネントの下流側に位置する第2のコンポーネント(例えば、対物レンズの制御電極、ステージ、又はウェーハ)を使用して調整されることがある。第2のコンポーネントを調整することは、対物レンズの制御電極に電気信号の第1のコンポーネントを印加して、第1の焦点とステージへの電気信号の第2のコンポーネントとを粗調整し、第1の焦点を微調整することを含むことがある。
[0068] 本開示の別の態様では、荷電粒子ビームをサンプル上に集束させる方法が開示される。方法は、荷電粒子ビームシステムの振動を決定することと、荷電粒子ビームシステムの決定された振動を補償するために、ビームコラムに振動補償信号を印加することとを含む。方法は、ビームコラムに装着された加速度センサを使用してビームコラム(電気光学コンポーネント)の振動を検出することと、荷電粒子ビームシステムの収容チャンバに装着された位置センサを使用してステージ(電気機械コンポーネント)の振動を検出することとを更に含むことがある。方法は、並進及び回転軸の各々におけるビームコラム及びステージの振動モードを特定することと、特定された振動モードに基づいてビームコラム及びステージの振動を推定することと、推定された振動に基づいてビームコラム及びステージの振動を予測することとを更に含むことがある。方法は、予測された振動とビーム走査信号とに基づいて補償されたビーム走査信号を生成することと、荷電粒子システムのビームコラムに印加すべき振動補償信号を形成することとを更に含むことがある。
[0069] 本開示の実施形態によれば、X、Y、及びZ軸は、デカルト座標である。荷電粒子ビーム装置の一次光軸はZ軸に沿っており、荷電粒子源からの一次荷電粒子ビームはZ軸に沿って進む。
[0070] 図面中のコンポーネントの相対寸法は、明確にするために誇張されていることがある。以下の図面の説明では、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似のコンポーネント又は実体を指し、個々の実施形態に関する相違のみが説明される。
[0071] 本明細書で使用される場合、特段の定めがない限り、「又は」という用語は、実行不可能である場合を除き、可能な全ての組み合わせを包含する。例えば、データベースがA又はBを含み得ると定められている場合、特段の定めがない限り又は実行不可能でない限り、データベースは、A、又はB、又はA及びBを含むことがある。第2の例として、データベースがA、B、又はCを含み得ると定められている場合、特段の定めがない限り又は実行不可能でない限り、データベースは、A、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含むことがある。
[0072] ここで、本開示の実施形態と一致する例示的な荷電粒子ビーム検査(EBI)システム100を図示する、図1を参照する。EBIシステム100は、撮像のために使用されることがある。図1に示すように、EBIシステム100は、メインチャンバ101と、装填/ロックチャンバ102と、電子ビームツール104と、機器フロントエンドモジュール(EFEM)106とを含む。電子ビームツール104は、メインチャンバ101内に位置する。EFEM 106は、第1の装填ポート106aと第2の装填ポート106bとを含む。EFEM 106は、追加の装填ポート(複数可)を含むことがある。第1の装填ポート106a及び第2の装填ポート106bは、検査すべきウェーハ(例えば、半導体ウェーハ若しくは他の材料で作られたウェーハ)又はサンプル(ウェーハ及びサンプルは交換可能に使用されることがある)を収容するウェーハFOUP(front opening unified pod)を受け取る。複数のウェーハを含むロットは、バッチとして処理するために装填されることがある。
[0073] EFEM 106内の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、ウェーハを装填/ロックチャンバ102に移送することがある。装填/ロックチャンバ102は、大気圧よりも低い第1の圧力に達するように装填/ロックチャンバ102内のガス分子を除去する装填/ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続される。第1の圧力に達した後に、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、ウェーハを装填/ロックチャンバ102からメインチャンバ101に移送することがある。メインチャンバ101は、第1の圧力よりも低い第2の圧力に達するようにメインチャンバ101内のガス分子を除去するメインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続される。第2の圧力に達した後に、ウェーハは、電子ビームツール104による検査を受ける。電子ビームツール104は、単一ビームシステム又はマルチビームシステムであることがある。
[0074] コントローラ109は、電子ビームツール104に電子的に接続される。コントローラ109は、EBIシステム100の様々な制御を実行するように構成されたコンピュータであることがある。コントローラ109は、メインチャンバ101と、装填/ロックチャンバ102と、EFEM 106とを含む構造の外側にあるものとして図1に示されているが、コントローラ109は構造の一部であり得ることが理解される。
[0075] 図2は、本開示の実施形態による例示的な撮像システム200を図示する。図2の電子ビームツール104は、EBIシステム100内で使用されるように構成されることがある。電子ビームツール104は、単一ビーム装置又はマルチビーム装置であることがある。図2に示すように、電子ビームツール104は、電動サンプルステージ201と、検査すべきウェーハ203を保持するために電動ステージ201により支持されたウェーハホルダ202とを含むことがある。電子ビームツール104は、対物レンズアセンブリ204と、電子検出器206(電子センサ表面206a及び206bを含む)と、対物アパーチャ208と、集光レンズ210と、ビーム制限アパーチャ212と、銃アパーチャ214と、アノード216と、カソード218と更に含む。対物レンズアセンブリ204は、一実施形態では、磁極片204aと、制御電極204bと、偏向器204cと、励磁コイル204dとを含む、変更スウィング対物レンズ遅延液浸レンズ(SORIL)を含むことがある。電子ビームツール104は、追加的に、ウェーハ203上の材料を特徴付けるためにエネルギー分散型X線スペクトロメータ(EDS)検出器(図示せず)を含むことがある。
[0076] 一次荷電粒子ビーム220、例えば、電子ビームは、アノード216とカソード218との間に電圧を印加することによりカソード218から放出されることがある。一次電子ビーム220は、銃アパーチャ214及びビーム制限アパーチャ212を通過し、銃アパーチャ214とビーム制限アパーチャ212の両方は、ビーム制限アパーチャ212の下方にある、集光レンズ210に入射する電子ビームのサイズを決定することがある。集光レンズ210は、ビームが対物アパーチャ208に入射する前に一次荷電粒子ビーム220を集束させ、対物レンズアセンブリ204に入射する前に一次電子ビームのサイズを設定する。偏向器204cは、ウェーハ上のビーム走査を容易にするために、一次電子ビーム220を偏向させる。例えば、走査プロセスでは、偏向器204cは、ウェーハ203の異なる部分の画像再構成のためのデータを提供するために、ウェーハ203の上面の異なる場所に異なる時点で一次電子ビーム220を順次偏向させるように制御されることがある。その上、偏向器204cはまた、特定の場所におけるウェーハ構造の立体画像再構成のためのデータを提供するために、異なる時点でその場所におけるウェーハ203の異なる側面に一次電子ビーム220を偏向させるように制御されることがある。更に、いくつかの実施形態では、アノード216及びカソード218は、多数の一次電子ビーム220を生成するように構成されることがあり、電子ビームツール104は、ウェーハ203の異なる部分の画像再構成のためのデータを提供するために、ウェーハの異なる部分/側面に多数の一次電子ビーム220を同時に投影するための複数の偏向器204cを含むことがある。
[0077] 励磁コイル204d及び磁極片204aは、磁極片204aの一端部から始まり、磁極片204aの他端部で終わる磁界を生成する。一次電子ビーム220により走査されているウェーハ203の一部は、磁界に浸されることがあり、帯電することがあり、これにより電界が作り出される。電界は、一次電子ビーム220がウェーハ203と衝突する前にウェーハ203の表面付近で衝突する一次電子ビーム220のエネルギーを低減する。制御電極204bは、磁極片204aから電気的に絶縁され、ウェーハ203のマイクロアーチングを防止して適切なビーム焦点を確保するために、ウェーハ203上の電界を制御する。
[0078] 一次電子ビーム220を受け取ると、二次電子ビーム222がウェーハ203の一部から放出されることがある。二次電子ビーム222は、電子検出器206のセンサ表面206a及び206b上にビームスポットを形成することがある。電子検出器206は、ビームスポットの強度を表す信号(例えば、電圧、電流など)を生成して、その信号を画像処理システム250に提供することがある。二次電子ビーム222の強度、及び結果として生じるビームスポットは、ウェーハ203の外部又は内部構造に応じて異なることがある。その上、上述のように、異なる強度の二次電子ビーム222(及び結果として生じるビームスポット)を生成するために、一次電子ビーム220が、ウェーハの上面の異なる場所に又は特定の場所におけるウェーハの異なる側面に投影されることがある。それゆえ、ビームスポットの強度をウェーハ203の場所にマッピングすることにより、画像処理システムは、ウェーハ203の内部又は外部構造を反映する画像を再構成することがある。
[0079] 撮像システム200は、ステージ201上のウェーハ203を検査するために使用されることがあり、上述のように、電子ビームツール104を含む。撮像システム200はまた、画像取得器260と、ストレージ270と、コントローラ109とを含む画像処理システム250を含むことがある。画像取得器260は、1つ又は複数のプロセッサを含むことがある。例えば、画像取得器260は、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、個人用コンピュータ、任意の種類の携帯コンピュータデバイスなど、又はそれらの組み合わせを含むことがある。画像取得器260は、導電体、光ファイバーケーブル、携帯型記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、無線ネットワーク、無線通信、又はそれらの組み合わせなどの、媒体を介して、電子ビームツール104の検出器206に接続することがある。画像取得器260は、検出器206から信号を受信することがあり、画像を構築することがある。したがって、画像取得器260は、ウェーハ203の画像を取得することがある。画像取得器260はまた、輪郭線を生成すること、インジケータを取得画像に重ね合わせることなどの、様々な後処理機能を果たすことがある。画像取得器260は、取得画像の輝度及びコントラストなどの調整を実施するように構成されることがある。ストレージ270は、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の種類のコンピュータ可読メモリなどの、記憶媒体であることがある。ストレージ270は、画像取得器260に結合されることがあり、走査された生の画像データを元画像として保存し、且つ処理後の画像を保存するために使用されることがある。画像取得器260及びストレージ270は、コントローラ109に接続されることがある。いくつかの実施形態では、画像取得器260、ストレージ270、及びコントローラ109は、1つの制御ユニットとして互いに一体化されることがある。
[0080] いくつかの実施形態では、画像取得器260は、検出器206から受信された撮像信号に基づいて、サンプルの1つ又は複数の画像を取得することがある。撮像信号は、荷電粒子撮像を行うための走査動作に対応することがある。取得画像は、複数の撮像エリアを含む単一の画像であることがある。この単一の画像は、ストレージ270内に記憶されることがある。この単一の画像は、複数の領域に分割され得る元画像であることがある。これらの領域の各々は、ウェーハ203のフィーチャを包含する1つの撮像エリアを含むことがある。
[0081] ここで、本開示の実施形態と一致する、例示的な荷電粒子ビームシステムである、図3を参照する。いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームシステム300は、荷電粒子ビームコラム310と、光軸312を有する一次荷電粒子ビーム314と、(図2の集光レンズ210に類似した)集光レンズ315と、一次荷電粒子ビーム314を偏向させて、ステージ201上に配置されたウェーハ203に照射する偏向された荷電粒子ビーム330を形成する偏向器アレイ320と、高さセンサ340と、レーザ干渉計350と、ステージ制御モジュール362とビーム制御モジュール365とを含むシステム制御モジュール360と、ビーム偏向コントローラ367と、z軸動作コントローラ372を含むステージ動作コントローラ370と、X-Y軸動作コントローラ374とを含む。代替的に、荷電粒子ビームシステム300は、図2の撮像システム200又は図1のEBIシステム100の一部であることがある。本開示の文脈では、荷電粒子及び電子は交換可能に使用され得ることを理解されたい。同様に、荷電粒子ビームを説明する特許請求される装置又は方法の要素は、適宜、電子ビームと交換可能に使用されることがある。
[0082] いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームシステム300は、電子ビームシステム又は電子ビーム検査システムを含むことがある。荷電粒子ビームシステム300は、図2に示すように、カソード218と、アノード216と、銃アパーチャ214と、ビーム制限アパーチャ212とを収容し得る、荷電粒子ビームコラム310を含むことがある。一次荷電粒子ビーム314は、アノード216とカソード218との間に電圧を印加することによりカソード218から放出されることがある。いくつかの実施形態では、一次荷電粒子ビーム314は、銃アパーチャ214及びビーム制限アパーチャ212を通過する電子ビームであることがあり、銃アパーチャ214とビーム制限アパーチャ212の両方は、ビーム制限アパーチャ212の下にある、(図3の集光レンズ315に類似した)集光レンズ210に入射する荷電粒子ビームのサイズを決定することがある。偏向器アレイ320は、ウェーハ203上でのビーム走査を容易にするために、一次荷電粒子ビーム314を偏向させることがある。
[0083] 偏向器アレイ320は、一次荷電粒子ビーム314を光軸312から偏向させるための、単一の偏向器、多数の偏向器、又は偏向器のアレイを含むことがある。ビーム偏向は、照射又は検査中にウェーハ203を横切って一次荷電粒子ビーム314を走査するように構成されることがある。一次荷電粒子ビーム314を光軸312から偏向させると、更なる収差が導入され、パターン歪みがもたらされることがある。一次荷電粒子ビーム314を偏向させることは、静電的又は磁気的に行われることがある。磁気偏向器は、静電偏向器よりも長い範囲の偏向を可能にするが、その周波数応答は、磁気コイルのインダクタンスと磁界により導入される渦電流とに起因して制限されることがある。
[0084] いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームシステム300は、ソース変換ユニット(図3には図示せず)を含むことがある。ソース変換ユニットは、画像形成要素アレイ(図3には示せず)と、収差補償器アレイと、ビーム制限アパーチャアレイ(例えば、図2のビーム制限アパーチャ212を含む)とを含むことがある。画像形成要素アレイは、一次電子ビーム314の複数のビームレットの複数の平行像(虚像又は実像)を形成するための、複数のマイクロ偏向器又はマイクロレンズを含むことがある。ビーム制限アパーチャアレイは、複数のビームレットを制限することがある。ソース変換ユニット120は任意の数のビームレットを取り扱うように構成され得ることを理解すべきである。
[0085] 集光レンズ315は、一次荷電粒子ビーム314を集束させるように構成されることがある。いくつかの実施形態では、集光レンズ315は更に、集光レンズ315の集束力を変化させることによりソース変換ユニットの下流側の一次荷電粒子ビーム314の一次ビームレットの電流を調整するように構成されることがある。代替的に、個々の一次ビームレットに対応するビーム制限アパーチャアレイ内のビーム制限アパーチャ212の半径サイズを変更することにより電流を変化させることがある。
[0086] いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームシステム300は、一次投影光学システム(図3には図示せず)を含むことがある。一次投影光学システムは、対物レンズアセンブリ204と、ビームセパレータと、偏向走査ユニット(例えば、図3に示す偏向器アレイ320)とを含むことがある。ビームセパレータは、例えば、静電双極子場E1及び磁気双極子場B1(両方とも図3には図示せず)を生成する静電偏向器を含むウィーンフィルタであることがある。動作中に、ビームセパレータは、静電双極子場E1により一次荷電粒子ビーム314の個々の荷電粒子に静電力を及ぼすように構成されることがある。静電力は、ビームセパレータの磁気双極子場B1により個々の電子に及ぼされる磁力と大きさは等しいが、向きは逆である。それゆえ、一次荷電粒子ビーム314は、少なくとも実質的にゼロの偏向角でビームセパレータを少なくとも実質的に真っ直ぐに通過することがある。いくつかの実施形態では、動作中における偏向走査ユニットは、一次荷電粒子ビーム314を偏向させ、偏向された荷電粒子ビーム330にウェーハ203上の個々の走査エリアにわたってプローブスポットを走査させるように構成される。
[0087] 実際に、ウェーハ203は、荷電粒子ビームシステム300又はEBIシステム100において高倍率で観察されることがあり、ステージ201は、ウェーハ203を安定して支持することがあり、水平なX-Y軸、垂直なZ軸、ステージ傾斜、又はステージ回転に沿って円滑に移動する。X及びY軸における移動は、視野(FOV)の選択のために使用されることがある一方で、Z軸における移動は、画像分解能、焦点深度などの変化のために必要とされることがある。ステージ201は、例えば、ユーセントリックステージであることがある。ユーセントリックステージでは、ウェーハ表面上の観察エリア及び焦点は、ウェーハ203を傾斜させている間にシフトしない。
[0088] いくつかの実施形態では、位置センシングシステム(図3には図示せず)は、ステージ201の変位を決定するために使用されることがある。位置センシングシステムは、高さセンサ340とレーザ干渉計350とを含むことがある。位置センシングシステムは、2つ以上の高さセンサ340と、2つ以上のレーザ干渉計350と、他の好適なコンポーネント、例えば、信号増幅器、バンドパスフィルタ、データ記憶ユニット、データ処理ユニットなども含み得ることを理解されたい。
[0089] いくつかの実施形態では、高さセンサ340は、ステージ201の長手方向変位を決定するために使用されることがある。本明細書で言及するように、ステージ201の垂直変位は、Z軸におけるステージ201の目標位置と実際の位置との差に相当することがある。図3に示す高さセンサ340などの、光学式高さセンサは、1次元位置感応検出器(1-D PSD)を含むレーザダイオードセンサアセンブリ、又はフォトダイオードの線形アレイなどを含むことがある。高さセンサ340は、ステージ位置を更に調整するために高さセンサ340の出力が分析されて使用されるように、システム制御モジュール360(後に詳細に説明する)と通信することがある。いくつかの実施形態では、高さセンサ340からの出力データは、ステージに電圧を印加してサンプルの表面に調整可能な電界を作り出すことにより、又は対物レンズアセンブリ204に印加される電流を調整することにより、又はステージ及び対物レンズアセンブリ204に電圧を印加することによりビーム焦点を修正するために使用されることがある。入射ビームを集束させる他の好適な手段が用いられ得ることが理解される。高さセンサ340などの、1つ又は複数の光学式高さセンサは、所望の高さセンシングの複雑さ及び正確さに基づいて用いられることがある。他の高さセンシング技術が適宜使用されることがある。
[0090] いくつかの実施形態では、ステージ201の垂直変位は、標準試料の高さ測定又は高さセンシングに基づいて機器較正のために定期的に決定されることがある。例えば、金属線、フォトレジスト層、ウェーハ203上に堆積された反射膜などの、パターン形成された標準的なフィーチャを含むウェーハ203は、機器、センサ、モータ、又はステージを較正するために使用されることがある。
[0091] ウェーハ製造工場などの生産設備でのウェーハの高スループット検査は、ステージ201が繰り返しパターンのストップ&ゴー動作で迅速且つ正確に移動することを必要とすることがある。ストップ&ゴー動作は、数ミクロン又は数ナノメートル程度の距離だけ進むステージ201の高加速、減速、及び静置の複数のサイクルを含むことがある。高速且つ高加速度でステージ201を移動させることにより、システム力学に起因して振動が発生することがあり、次いで、システム内で動的共振が生じる、例えば、建設的に干渉する振動波が、荷電粒子ビームシステム300全体にわたってより高振幅の振動を生じさせることがある。移動ステージ201により生じる振動により、2つ以上の軸における並進誤差又は変位誤差がもたらされることがある。例えば、ウェーハ203上のダイを検査する間に、X-Y軸に移動するステージ201は、他の移動又は非移動コンポーネントとの動的共振を生じさせ、Z軸におけるステージ振動を生じさせることがある。ステージ201の正確な位置決めは、例えば、レーザを使用する光学式高さセンサなどの、正確な位置測定技術を必要とすることがある。
[0092] いくつかの実施形態では、レーザ干渉計350は、X-Y軸における並進変位を測定するために且つX-Y軸におけるステージ201の精密な位置決めのために使用されることがある。レーザ干渉計変位測定技術は、半導体デバイスを作製するためのフォトリソグラフィプロセスで用いられる、ステッパなどの、機器の移動を制御するための且つX-Yステージを制御するための高精度変位測定手段として使用されることが多い。
[0093] いくつかの実施形態では、レーザ干渉計350は、例えば、ホモダインレーザ干渉計又はヘテロダインレーザ干渉計であることがある。ホモダインレーザ干渉計は、単一周波数レーザ源を使用し、それに対して、ヘテロダインレーザ干渉計は、近接した2つの周波数を有するレーザ源を使用する。レーザ源は、633nmの波長のレーザ光を発するHe-Neガスレーザを含むことがある。単一又は多数の波長放射又は周波数放射を有する他のレーザ源も使用され得る。いくつかの実施形態では、2つ以上のレーザ干渉計が使用されることがある。ホモダインレーザ干渉計とヘテロダインレーザ干渉計との組み合わせがシステム内で使用されることがある。
[0094] いくつかの実施形態では、レーザ干渉計350は、ステージ201の側方変位を決定するために使用されることがある。本明細書で言及するように、側方変位は、X-Y軸の少なくとも一方におけるステージ201の目標位置と実際の位置との差に相当することがある。実際には、側方変位を決定するために、2つ以上のレーザ干渉計(図3に示すレーザ干渉計350など)がシステム内で用いられることがある。一次荷電粒子ビーム314の偏向は小さなエリアに制限されるので、精密な機械的ステージ位置決めは、多数の偏向場を露光してつなぎ合わせることにより、大きなフィーチャをパターン形成するために、ビーム偏向と組み合わせる必要があることがある。これは、2つのレーザ干渉計(レーザ干渉計350など)を使用してX及びY軸におけるステージ位置を測定することにより達成されることがある。いくつかの実施形態では、分割された2つのレーザビームは、基準ミラーと各方向においてステージに取り付けられたミラーとに誘導されることがあり、次いで、干渉計は、ステージミラーの位置と基準ミラーの位置とを比較して、あらゆるステージ位置誤差を検出して補正することがある。例えば、X軸に対する1つのレーザ干渉計、及びY軸に対する第2のレーザ干渉計。いくつかの実施形態では、2つ以上のレーザ干渉計が、X又はY軸などの、単一の軸に対して使用されることがある。他の好適な技術も用いられることがある。
[0095] 図3を参照すると、荷電粒子ビームシステム300は、システム制御モジュール360を含むことがある。システム制御モジュール360は、ステージ制御モジュール362とビーム制御モジュール365とを含むことがある。システム制御モジュール360は、高さセンサ340、レーザ干渉計350、及びステージ動作コントローラ370と通信するように構成されてもよい。システム制御モジュール360は、高さセンサ340から信号を受信して、受信信号をステージ201の決定された垂直変位に基づいて処理するように構成されることがある。システム制御モジュール360は更に、レーザ干渉計350から信号を受信して、受信信号をステージ201の決定された側方変位に基づいて処理するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、システム制御モジュール360は、ステージ201の決定された側方及び垂直変位に基づいてユーザ入力を受信するためのユーザインターフェース(図示せず)を含むことがある。ユーザインターフェースは、例えば、視覚的タッチスクリーン、ユーザ制御部を有するスクリーン、音声/視覚インターフェースなどであることがある。
[0096] いくつかの実施形態では、システム制御モジュール360は、ステージ制御モジュール362とビーム制御モジュール365とを含むことがある。ステージ制御モジュール362は、例えば、ステージ位置決め及び動作制御のための個々の回路を含む回路基板であることがある。また、回路基板には、シーケンサ回路、タイマ回路、信号処理回路などを含む他のコンポーネントが実装されることがある。
[0097] いくつかの実施形態では、システム制御モジュール360のステージ制御モジュール362は、信号処理回路を含むことがある。ステージ制御モジュール362の信号処理回路は、高さセンサ340又はレーザ干渉計350から信号を受信するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、ステージ制御モジュール362は、レーザ干渉計350から信号を受信するように構成されることがある。信号処理回路は、受信信号に基づいてステージ201の垂直変位の度合い又はステージ201の側方変位の度合いを決定することがある。受信信号は、例えば、光信号、電気信号、又はこれらの組み合わせであることがある。
[0098] いくつかの実施形態では、システム制御モジュール360は、本明細書ではコントローラとも呼ばれる、ビーム偏向コントローラ367を含むビーム制御モジュール365を含むことがある。いくつかの実施形態では、ビーム偏向コントローラ367は、ステージ201の側方変位を少なくとも部分的に補償するために、第1の信号を印加して、サンプル(例えば、ウェーハ203)に入射する一次荷電粒子ビーム314を偏向させるように構成されることがある。ビーム偏向コントローラ367は、ステージの垂直変位を少なくとも部分的に補償するために、第2の信号を印加して、ウェーハ203に入射する偏向された荷電粒子ビーム330の焦点を調整するように構成されることがある。
[0099] いくつかの実施形態では、ビーム偏向コントローラ367は、ウェーハ203上での一次荷電粒子ビーム314の走査中に第1の信号及び/又は第2の信号の少なくとも一方を動的に調整するように構成されることがある。本明細書で使用される場合、信号を動的に調整することとは、サンプルが走査又は検査されている間に信号を連続的且つ反復的に調整することを指す。例えば、ステージ201の位置は、常に監視され、測定され、記録され、ビーム偏向コントローラ367などのコントローラに伝達されることがある。側方変位、垂直変位、並びに/又はピッチ及びロール誤差情報を含む更新された位置情報を受信した時点で、ビーム偏向コントローラ367は、受信された情報に基づいて変位を少なくとも部分的に補償するために信号を調整することがある。ウェーハの走査が続く中で、ステージの位置及び変位情報は、連続的に収集され、交換され、信号を調整するためにビーム偏向コントローラにより使用されることがある。
[00100] ビーム偏向コントローラ367は、例えば、比例・積分・微分(P-I-D)コントローラ、比例・積分(P-I)コントローラ、又は比例コントローラ(P)などを含む制御ループフィードバック機構であることがある。いくつかの実施形態では、レーザ干渉計350は、ウェーハ203に入射する一次荷電粒子ビーム314を偏向させるように構成されたビーム制御モジュール365又はビーム偏向コントローラ367と直接通信することがある。
[00101] いくつかの実施形態では、レーザ干渉計350は、ステージ制御モジュール362又はビーム制御モジュール365(図3には図示せず)と通信することがある。いくつかの実施形態では、レーザ干渉計350は、ステージ制御モジュール362を介してビーム制御モジュール365と通信することがある。例えば、レーザ干渉計350は、ステージ制御モジュール362の信号処理回路(図示せず)と通信し、ステージ201の決定された側方変位又は位置に対応して入射ビームをビーム制御モジュール365が偏向させるための信号を生成することがある。X-Y軸におけるステージの側方変位を少なくとも部分的に補償することは、本明細書ではX-Y動的補償と呼ばれることもある。図3は、ステージ201の位置又は側方変位を決定するように構成された1つのレーザ干渉計350を図示するが、適宜、2つ以上の干渉計が使用されることがある。
[00102] いくつかの実施形態では、ビーム制御モジュール365により偏向器アレイ320に印加される電気信号は、10kHz~50KHzの範囲の制御帯域幅を有する信号を含むことがある。本明細書で使用される場合、制御システムの帯域幅ωBは、閉ループ周波数応答の大きさが周波数ドメインにおいて-3dBよりも大きい周波数範囲であると定義されることがある。
[00103] 画像分解能は、サンプル又はウェーハ203の位置に直接依存する。ステージ位置の繰り返し性と安定性は、分解能に加えて画質に極めて重要であることがある。走査中のステージ201又はウェーハ203の移動又は小規模な振動は、画質に大きな影響を及ぼし、且つ検査ツールの欠陥検出能力に悪影響を及ぼす可能性がある。目標位置に達した時点でサンプルのドリフトが発生しなければ、画像のディストーションが回避されることがある。位置決めステージ、例えば、ステージ201は、数ナノメートル/秒(nm/s)の速度で円滑に移動する必要があることがある。
[00104] いくつかの実施形態では、ステージ動作コントローラ370は、X、Y、又はZ軸におけるステージ201の動作を制御することがある。ステージ動作コントローラ370は、ステージ201をZ軸に移動させるためのZ軸動作コントローラ372と、ステージ201をX及びY軸の少なくとも一方に移動させるためのX-Y軸動作コントローラ374とを含むことがある。ステージ動作コントローラ370は、例えば、圧電ステップ駆動部及びアクチュエータ、超音波圧電モータ、圧電モータ、圧電アクチュエータなどを含むことがある。いくつかの実施形態では、ステージ動作コントローラ370は、ステージ201の決定された垂直又は側方変位に基づいて、ステージ制御モジュール362と通信してステージ制御モジュール362から信号を受信することがある。Z軸動作コントローラ372は、図3に図示するように、2つ以上の圧電駆動部又は圧電アクチュエータを更に含むことがある。X-Y軸動作コントローラ374もまた、2つ以上の圧電駆動部又は圧電アクチュエータを含むことがある。
[00105] 画像分解能及びコントラストを改善するために、ユーザは、ビーム修正電圧を印加して、ウェーハ203上への入射ビームのビームエネルギーを減少又は増加させることがある。いくつかの実施形態では、ステージ201は、高バイアス電圧に保持されることがあり、その結果、荷電粒子ビームコラム310から離れた荷電粒子は、荷電粒子がウェーハ203又はステージ201に達する前に減速される。例えば、二次電子顕微鏡では、高電圧(コラム内に印加される加速電圧)が-5kVであり且つステージバイアスが-4kVである場合に、電子が、まずコラム内で5keVのエネルギーまで加速され、次いで、コラムから離れた後に、4keVだけ減速され、その結果、有効な高電圧はビーム減速なしに-1kVである。いくつかの実施形態では、ステージ201は、高バイアス電圧に保持されることがあり、その結果、荷電粒子ビームコラム310から離れた荷電粒子は、荷電粒子がウェーハ203又はステージ201に達する前に加速される。ステージバイアスを印加することは、Z軸における入射する荷電粒子ビームのビームエネルギー及び焦点を修正するために使用されることがある。入射するビーム荷電粒子ビームは、一次荷電粒子ビーム314又は偏向された荷電粒子ビーム330を含むことがある。
[00106] いくつかの実施形態では、ステージ動作コントローラ370を介してステージ201に印加される電圧信号は、例えば、図3に図示するように、交流(AC)電圧信号であることがある。印加される電圧信号は、垂直変位を少なくとも部分的に補償するために、ステージ201の決定された垂直変位に基づくことがある。Z軸におけるステージの垂直変位を少なくとも部分的に補償することは、本明細書ではZ動的補償と呼ばれることもある。
[00107] いくつかの実施形態では、電圧信号は、50kHz~200kHz、60kHz~180kHz、70kHz~160kHz、80kHz~140kHz、90kHz~120kHz、100kHz~110kHz、又は任意の好適な範囲の制御帯域幅を有する信号を含むことがある。いくつかの実施形態では、ステージ201に印加される電圧信号の好ましい制御帯域幅は、100kHzであることがある。
[00108] 実際に、ステージ201をX-Y-Z軸の何れかに移動させることにより、ピッチ効果がもたらされることがある。特に、X及びY軸におけるピッチ効果は、考慮されない場合には不正確なステージ位置決めをもたらし得る、アッベ誤差を生じさせることがある。本明細書で言及するように、X軸におけるステージ201のピッチ効果は、Y軸周りのステージ201の角回転又は傾斜として定義されることがあり、Y軸におけるステージ201のピッチ効果は、X軸周りのステージ201の角回転又は傾斜として定義されることがある。X軸を中心とする角回転はロールとも呼ばれることが理解される。ステージ201上に配置されたウェーハ203の走査中に、X-Y軸におけるピッチ効果補償は、側方変位(X-Y軸)及び垂直変位(Z軸)の補償を同時に且つ連続的に必要とすることがある。垂直変位は、ウェーハ203上の入射ビームの焦点を調整することにより又はZ軸におけるステージ201の位置を調整することにより、補償されることがある。いくつかの実施形態では、測定されたx-y座標は、X及びY軸におけるピッチ効果から決定されたアッベ誤差に基づいて補正されることがある。ステージ201の補正されたx-y座標は、ピッチ効果による変位を含むことがある。ビーム偏向コントローラ367、ビーム制御モジュール365、及びステージ制御モジュール362は、更新されたステージ位置情報を受信するために1つ又は複数のレーザ干渉計と通信することがある。
[00109] いくつかの実施形態では、レーザ干渉計(図3のレーザ干渉計350など)は、X-Y軸におけるピッチ効果を説明するのに必要な補償を測定するように構成されることがある。例えば、荷電粒子ビームシステム300は、3つのレーザ干渉計を含むことがあり、3つのレーザ干渉計の各々は、予め定められた機能を果たす。第1のレーザ干渉計は、X軸における側方変位を決定するために使用されることがあり、第2のレーザ干渉計は、Y軸における側方変位を決定するために使用されることがあり、第3のレーザ干渉計は、X-Y軸におけるピッチ効果を決定するために使用されることがある。必要に応じて、4つ以上のレーザ干渉計が使用され得ることを理解されたい。
[00110] 図4に図示するように、z軸動作コントローラ372は、例えば、アクチュエータ372_1、372_2、及び372_3などの、3つのz軸動作コントローラを含むことがあり、各々は、ステージ制御モジュール362と個別に通信するように構成される。必要に応じて、より多くのz動作コントローラが用いられ得ることを理解されたい。例えば、300mmのウェーハを保持するステージ201は、200mmのウェーハを保持するステージと比較して多くのz動作コントローラを利用することがあり、又はインライン荷電粒子ビーム検査ツールのステージ201は、オフラインツールと比較して多くのz動作コントローラを利用することがある。アクチュエータ372_1、372_2、及び372_3などの、z動作コントローラの各z動作コントローラの個々の制御は、ステージ201のZレベリングをサポートすることがある。
[00111] いくつかの実施形態では、ステージ201の精密な位置決めは、ステージ201、ひいてはステージ201上に配置されたウェーハ203が、荷電粒子ビームシステム300の光軸312に垂直になるような、ステージの精密なレベリングを含むことがある。ステージ201のレベリングは、高さセンサ340により常に監視されることがある。高さセンサ340から受信された信号に基づいてステージ201が非平面であると判定した時点で、ステージ制御モジュールは、ステージのレベリングを修正するために1つ又は複数のz動作コントローラ(アクチュエータ372_1など)を移動させるように構成された信号を生成することがある。複数の高さセンサは、レベリング、垂直変位、及びZ軸におけるステージ位置を監視するために用いられることがある。ステージ制御モジュール362は、複数の高さセンサの各々から信号を受信するように構成されることがある。
[00112] いくつかの実施形態では、ステージ制御モジュール362は、信号を処理して出力信号を生成する前に光信号を電気信号に変換するように構成された1つ又は複数のコンポーネント、例えば、信号変換器415などを含む信号処理回路410を更に含む。信号処理回路410は、例えば、プロセッサ、マイクロプロセッサ、制御回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、集積回路、コンピュータデバイス、コンピュータ、コントローラなどであることがある。他の好適なデバイス及びモジュールも使用されることがある。
[00113] いくつかの実施形態では、信号処理回路410は、高さセンサ340からの複数の信号を単一の信号に埋め込むように構成された信号集約回路412を含むことがある。いくつかの実施形態では、信号集約回路412は、信号変換器415から1つ又は複数の信号を受信するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、信号集約回路412は、多入力単出力スイッチとして構成されたマルチプレクサ回路を含むことがある。例えば、信号集約回路412は、ウェーハ203上の特定のスポットにおけるステージ高さを表す、多数の入力信号を高さセンサ340から受信することがある。いくつかの実施形態では、信号集約回路412は、複数の高さセンサの各々から多数の信号を受信し、受信信号を処理して、ステージ201がレベリングされているかどうかを判定することがある。いくつかの実施形態では、高さセンサ340からの多数の信号は、ステージ201の垂直変位又はステージ201の位置を決定するために使用されることがある。
[00114] いくつかの実施形態では、信号集約回路412は、符号分割マルチプレクサ、周波数分割マルチプレクサ、時分割マルチプレクサ、波長分割マルチプレクサ、又は統計マルチプレクサなどを含むことがある。いくつかの実施形態では、マルチプレクサ回路は、例えば、2対1マルチプレクサ、4対1マルチプレクサ、8対1マルチプレクサ、又は16対1マルチプレクサなどを含むことがある。信号処理回路の他の種類及び構成も用いられることがある。
[00115] いくつかの実施形態では、ステージ動作コントローラ370は、信号分離回路414を含むことがある。信号分離回路は、例えば、単入力多出力スイッチとして構成されたデマルチプレクサ回路であることがある。信号分離回路414は、信号集約回路412から単一の出力信号を受信して、1つ若しくは複数のz軸動作コントローラ372又はX-Y軸動作コントローラ374を作動させるために多数の出力信号を生成するように構成されることがある。例えば、ステージ201に印加される電圧信号の制御帯域幅が100kHzである場合、3つのz軸動作コントローラの各々に対して1つの、電圧信号は、内部に埋め込まれた3つの別個の信号を含むことがある。
[00116] いくつかの実施形態では、ステージ動作コントローラ370は、信号集約回路412から信号を受信するように構成されることがある。ステージ動作コントローラ370は、決定された側方又は垂直変位及び必要な補償に基づいて、受信信号を処理することがある。
[00117] いくつかの実施形態では、信号分離回路414の多数の出力信号の各々は、z軸動作コントローラを制御することがある。例えば、図4に図示するように、各出力信号は、z軸動作コントローラの各々に関連付けられる。いくつかの実施形態では、1つのz軸動作コントローラを制御するために、2つの出力信号が組み合わせられることがある。代替的に、信号分離回路414からの1つの出力信号は、2つのz軸動作コントローラを制御することがある。z軸動作コントローラに関連する出力信号の多くの組み合わせが可能であり得ることを理解されたい。
[00118] いくつかの実施形態では、信号分離回路414からの出力信号は、レーザ干渉計350を介してステージ201の決定された側方変位に基づいてX-Y軸動作コントローラ374を制御することがある。ステージ動作コントローラ370は、信号をルーティングし、信号のタイミングを調整し、信号をフィルタリングするなどのための他の回路及びコンポーネントを含むことがある。
[00119] いくつかの実施形態では、信号集約回路412及び信号分離回路414は、例えば、AND、OR、NAND、NOR、又はこれらの組み合わせなどの、機能論理ゲートを含むことがある。組み合わせ論理ゲートは、システム制御モジュール360又はステージ動作コントローラ370の1つ又は複数とインターフェースをとることがある。
[00120] いくつかの実施形態では、ステージ201のZ軸レベリングは、垂直アクチュエータ、例えば圧電モータの高さを、作動出力算出の幾何モデル情報で制御することにより実現されることがある。幾何モデルは、ステージの力学モデル、ステージのコンピュータ支援作図(CAD)、ステージ寸法のシミュレーション、及びステージ移動の作動などを含むことがある。
[00121] 図5は、本開示の実施形態と一致する、荷電粒子ビームシステムを使用して荷電粒子ビームをサンプルに照射する例示的な方法を図示するフローチャートである。サンプルを観察する方法は、図3の荷電粒子ビームシステム300、(後述する)図8の荷電粒子ビームシステム800、又は図1のEBIシステム100により実施されることがある。荷電粒子ビームシステムは、ウェーハ(例えば、図2~図3のウェーハ203)又はウェーハ上の関心領域を観察し、撮像し、且つ検査するように制御され得ることが理解される。撮像することは、ウェーハを走査して、ウェーハの少なくとも一部、ウェーハ上のパターン、又はウェーハ自体を撮像することを含むことがある。ウェーハを検査することは、ウェーハを走査して、ウェーハの少なくとも一部、ウェーハ上のパターン、又はウェーハ自体を検査することを含むことがある。
[00122] ステップ510では、一次荷電粒子ビーム(例えば、図2の一次荷電粒子ビーム220)が荷電粒子源から生成される。いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームとは、ほぼ同一の運動エネルギー及び向きを有する空間的に局在した帯電粒子群を指すことがある。帯電粒子は、電子、陽子、又はイオンを含むことがある。荷電粒子源は、例えば、タングステン若しくは六ホウ化ランタン(LaB6)カソードからの電子の熱電子放出、又はタングステン/酸化ジルコニウム(ZrO2)からの電子の電界誘起放出などであることがある。荷電粒子ビームは、荷電粒子をサンプルに向かわせるための高加速電界による高い運動エネルギーを有する荷電粒子を含むことがある。荷電粒子の運動エネルギーは、0.2~40keV以上の範囲であることがある。いくつかの実施形態では、一次荷電粒子ビームは、光軸(例えば、光軸312)を有することがあり、この光軸に沿って、ビームが、ウェーハ又はステージ(例えば、図2~図3のステージ201)に向かって進む。
[00123] ステップ520では、ステージの側方変位が決定されることがある。本明細書で使用される場合、側方変位とは、X-Y軸におけるステージの現在位置と目標位置との差を指すことがある。荷電粒子ビームシステムでは、ステージの側方変位を生じさせる多数の要因が存在することがある。例えば、機械的振動、漂遊磁界からの電磁干渉、レンズ加熱に起因する温度変化、ステージ傾斜に起因する誤差など。
[00124] いくつかの実施形態では、ステージの側方変位は、精密な光学式位置センシング技術を使用して決定されることがある。レーザ干渉計(例えば、図3のレーザ干渉計350)は、X-Y軸におけるステージの側方変位を決定するために使用されることがある。1つ又は複数のレーザ干渉計は、ビーム制御モジュール(例えば、図3のビーム制御モジュール365)と直接通信するか、又はステージ制御モジュール(例えば、図3のステージ制御モジュール362)を介してビーム制御モジュールと間接的に通信することがある。1つ又は複数のレーザ干渉計は、レーザ干渉計の光検出器により検出された信号に基づいてステージの側方変位を決定するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、ビーム制御モジュール、ステージ、及びレーザ干渉計は、閉フィードバック制御ループを形成することがある。
[00125] ステップ530では、ステージの側方変位を決定した時点で、ビーム制御モジュールのビーム偏向コントローラは、一次ビーム偏向器(例えば、図3の偏向器アレイ320)に信号を印加することがある。印加信号は、ステージの側方変位を少なくとも部分的に補償するために、一次荷電粒子ビームをX若しくはY軸、又はその両方に偏向させることがある。印加信号は、10kHz~50kHzの範囲の帯域幅を有する電気信号を含むことがある。好ましい実施形態では、印加信号の帯域幅は、30kHzであることがある。
[00126] 図6は、本開示の実施形態と一致する、荷電粒子ビームシステムを使用して荷電粒子ビームをサンプルに照射する例示的な方法を図示するフローチャートである。サンプルを観察する方法は、図3の荷電粒子ビームシステム300又は図1のEBIシステム100により実施されることがある。
[00127] ステップ510に類似した、ステップ610では、一次荷電粒子ビーム(例えば、図2の一次荷電粒子ビーム220)が荷電粒子源から生成される。一次荷電粒子ビームは、例えば、電子源から生成された電子ビームであることがある。電子源は、限定されるものではないが、タングステンフィラメント若しくはLaB6カソードからの電子の熱電子放出、又はタングステン/ZrO2冷カソードからの電子の電界放出を含むことがある。
[00128] ステップ620では、ステージ(例えば、図2~図3のステージ201)の垂直変位が決定されることがある。本明細書で使用される場合、垂直変位とは、Z軸におけるステージの現在位置と目標位置との差を指すことがある。荷電粒子ビームシステムでは、ステージの垂直変位を生じさせる多数の要因が存在することがある。例えば、機械的振動、漂遊磁界からの電磁干渉、ステージ移動較正誤差、圧電モータ較正誤差など。
[00129] いくつかの実施形態では、ステージの垂直変位は、光学式高さセンサ(例えば、図3の高さセンサ340)を使用する精密な光学式位置センシング技術を使用して決定されることがある。高さセンサは、予め定められた放出波長を有するレーザ光をステージに、又はステージ上に配置されたウェーハ(例えば、図2~図3のウェーハ203)に照射するレーザ源を含むレーザダイオードアセンブリと、反射されたレーザを検出するように構成されたレーザ検出器とを含むことがある。高さセンサは、ステージ制御モジュール(例えば、図3のステージ制御モジュール362)、ビーム制御モジュール(図3のビーム制御モジュール365)、又はその両方と通信することがある。
[00130] ステップ630では、ステージの垂直変位を決定した時点で、ビーム偏向コントローラ(例えば、図3のビーム偏向コントローラ367)は、ステージに信号を印加して、ステージをZ軸に沿って移動させることによりZ軸における一次荷電粒子ビームの焦点面の位置を調整することがある。いくつかの実施形態では、ステージの垂直移動は、例えば、圧電モータ、圧電アクチュエータ、若しくは超音波圧電モータ、又はこれらの組み合わせなどのアクチュエータを使用して、少なくとも部分的に、実施されることがある。印加信号は、50kHz~200kHzの範囲の帯域幅を有する電圧信号を含むことがある。好ましい実施形態では、印加信号の帯域幅は、100kHzであることがある。
[00131] いくつかの実施形態では、印加信号は、信号の極性に基づいて一次荷電粒子ビームをステージに向けて減速又は加速させ、ウェーハに入射する一次荷電粒子ビームの焦点を修正することがある。
[00132] 図7は、本開示の実施形態と一致する、荷電粒子ビームシステムを使用して荷電粒子ビームをサンプルに照射する例示的な方法を図示するフローチャートである。サンプルを観察する方法は、図3の荷電粒子ビームシステム300又は図1のEBIシステム100により実施されることがある。荷電粒子ビーム装置は、ウェーハ(例えば、図2のウェーハ203)又はウェーハ上の関心領域を観察し、撮像し、且つ検査するように制御され得ることが理解される。撮像することは、ウェーハを走査して、ウェーハの少なくとも一部、ウェーハ上のパターン、又はウェーハ自体を撮像することを含むことがある。ウェーハを検査することは、ウェーハを走査して、ウェーハの少なくとも一部、ウェーハ上のパターン、又はウェーハ自体を検査することを含むことがある。ウェーハを観察することは、中でもとりわけ、パターンの再現性及び繰り返し性などの、ある特性についてウェーハ又はウェーハ上の関心領域を監視することを含むことがある。
[00133] ステップ510及び610に類似した、ステップ710では、一次荷電粒子ビーム(例えば、図2の一次荷電粒子ビーム220)が荷電粒子源から生成される。一次荷電粒子ビームは、例えば、電子源から生成された電子ビームであることがある。電子源は、限定されるものではないが、タングステンフィラメント若しくはLaB6カソードからの電子の熱電子放出、又はタングステン/ZrO2冷カソードからの電子の電界放出を含むことがある。
[00134] ステップ720では、高さセンサ(例えば、図3の高さセンサ340)とレーザ干渉計(図3のレーザ干渉計350)とを含む位置センシングシステムは、ステージ(例えば、図2~図3のステージ201)の側方及び垂直変位を決定するために使用されることがある。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の光学式高さセンサは、垂直変位を決定するために使用されることがあり、1つ又は複数のレーザ干渉計は、ステージの側方変位を決定するために使用されることがある。いくつかの実施形態では、ステージ201上に配置されたウェーハ203の走査中に、X-Y軸におけるピッチ効果補償は、側方変位(X-Y軸)及び垂直変位(Z軸)の補償を同時に且つ連続的に必要とすることがある。垂直変位は、ウェーハ203上の入射ビームの焦点を調整することにより又はZ軸におけるステージ201の位置を調整することにより、補償されることがある。いくつかの実施形態では、測定されたx-y座標は、X及びY軸におけるピッチ効果から決定されたアッベ誤差に基づいて補正されることがある。ステージ201の補正されたx-y座標は、ピッチ効果による変位を含むことがある。ビーム偏向コントローラ367、ビーム制御モジュール365、及びステージ制御モジュール362は、更新されたステージ位置情報を受信するために1つ又は複数のレーザ干渉計と通信することがある。X及びY軸におけるピッチ効果を補償することは、測定されたx-y位置座標から側方ビーム補正を決定することと、走査中に、垂直変位を補償するために、ウェーハに入射する一次荷電粒子ビームの焦点を連続的に調整することとを含むことがある。いくつかの実施形態では、高さセンサ及びレーザ干渉計は、ステージ位置決め、ステージ較正、X-Y-Z軸の1つにステージを移動させるように構成されたモータ及び駆動部の較正を決定するために使用されることがある。
[00135] ステップ730では、ステージの側方変位を決定した後に、ビーム偏向コントローラ(例えば、図3のビーム偏向コントローラ367)は、一次ビーム偏向器(例えば、図3の偏向器アレイ320)に第1の信号を印加して、一次荷電粒子ビームをX又はY軸の少なくとも一方に偏向させることがある。印加信号は、10kHz~50kHzの範囲の高制御帯域幅を有する電圧信号を含むことがある。偏向された荷電粒子ビーム(例えば、図3の偏向された荷電粒子ビーム330)は、ステージの決定された側方変位を少なくとも部分的に補償することがある。
[00136] ステップ740では、ステージの垂直変位を決定した後に、ビーム偏向コントローラは、ステージに第2の信号を印加して、偏向された荷電粒子ビームのZ軸における焦点を調整することがある。印加された第2の信号は、荷電粒子ビームをステージに向けて減速又は加速させるように構成された電圧信号を含むことがある。荷電粒子ビームの減速電圧又は加速電圧は、ステージの垂直変位に対応することがあり、入射する荷電粒子ビームのZ軸における焦点を修正することにより垂直変位を少なくとも部分的に補償することがある。電圧信号は、50kHz~200kHzの範囲の高制御帯域幅を有する信号を含むことがある。
[00137] ステップ750では、1つ又は複数の高さセンサから受信された信号に基づいてZ軸におけるステージ位置決め及びステージレベリングを決定した時点で、ステージ制御モジュール(例えば、図3のステージ制御モジュール362)は、ステージ動作コントローラ(例えば、図3のステージ動作コントローラ370)に信号を印加することがある。いくつかの実施形態では、信号は、ステージが一次荷電粒子ビームに実質的に垂直になるように、ステージのZレベルを調整するようにz動作コントローラ(例えば、図3のアクチュエータ372_1、372_2及び372_3)を個別に制御するための1つ又は複数の信号を含むことがある。
[00138] 半導体チップにおけるコンタクトホール、ビア、又は相互接続部などの、3次元(3D)構造の検査及び撮像は、サンプルの位置を基準としてプローブ荷電粒子(例えば、電子ビーム検査ツール内の電子)の焦点深度を調整することにより、中でもとりわけ、サンプル上への電子のランディングエネルギーを調整して焦点深度を変化させることなどにより実施されることがある。一次電子ビームの焦点深度又は焦点面を調整するいくつかの方法のうちの1つは、中でもとりわけ、磁気対物レンズのコイルを流れる電流を調整することにより対物レンズに関連する磁界を調整することを含む。磁界を調整して焦点深度を変化させることにより、電流を変化させてから結果的に磁界を調整するまでの応答時間に関連する遅延が誘発されることがあり、プロセスが遅れ、それにより検査スループットに悪影響が及ぶ。
[00139] 焦点深度又は焦点面を調整するいくつかの方法のうちの別の方法は、中でもとりわけ、アノード(例えば、アノード216)の電圧を調整することなどにより、電子ビームの電子のランディングエネルギーを調整することである。アノード電圧の調整により、サンプルの表面に入射する電子の速度又はエネルギーが調整され、これにより、中でもとりわけ、焦点深度が調整されることがある。しかしながら、焦点深度が調整され得るが、ビームがサンプルに向かって下流側に進むときに電子が受ける電磁界の変化に起因して、調整された一次電子ビームが、1つ又は複数の軸を基準として回転することがある。一次電子ビームの回転により、中でもとりわけ、一次電子ビームから形成された画像が回転することがあり、検査スループットに悪影響を及ぼす。それゆえ、一次電子ビームのランディングエネルギーを調整して焦点面に所望の変化を生じさせることなどにより、所望の検査スループットを維持しながら、入射する一次電子の焦点面を調整する方法を提供することが望ましいことがある。
[00140] ここで、本開示の実施形態と一致する例示的な荷電粒子ビームシステム800を図示する、図8を参照する。荷電粒子ビームシステム800は、一次光軸801に沿って荷電粒子ビーム(例えば、電子ビーム)を生成するように構成された(図2のカソード218に類似した)カソード802を含む荷電粒子源と、ソース供給ユニット805と、(図3の集光レンズ315に類似した)集光レンズ810と、(図2の電子検出器206に類似した)電子検出器815と、(図2の対物レンズ204に類似した)対物レンズアセンブリ820と、ステージ860上に配置されたウェーハ850の位置を決定するように構成された高さセンサ840とを含むことがある。荷電粒子ビームシステム800は、ステージ860及び対物レンズアセンブリ820に印加される電気信号を制御するように構成された制御ユニット830を更に含むことがある。代替的に、荷電粒子ビームシステム800(電子ビームシステムなど)は、図2の撮像システム200又は図1のEBIシステム100の一部であることがある。明示的に説明されていないが、荷電粒子ビームシステム800が、限定されるものではないが、ビーム集束、ビーム偏向、電子検出、ビーム電流制限などを含む、機能を果たすための他の標準又は非標準コンポーネントを含み得ることを理解されたい。
[00141] いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームシステム800は、中でもとりわけ、電子ビームを生成してウェーハ850上に集束させるように構成されることがある。電子ビームを集束させることは、電子ビームがウェーハ850の所望の平面に集束されるようにウェーハ850の高さを調整することを含むことがある。ウェーハ850はステージ860上に配置されるので、ステージ860の高さを調整することによりウェーハ850の高さの調整がもたらされることを理解されたい。電子ビームをウェーハ850上に集束させるいくつかの方法のうちの1つは、光学技術と機械技術との組み合わせを使用することを含むことがある。例えば、ステージ860又はウェーハ850の高さを決定するための光学式高さセンサなどの光学コンポーネントと、決定された高さに基づいてステージ860を機械的に移動させるように構成された圧電変換器などの機械コンポーネントとを使用する。しかしながら、電子ビームを集束させるために純粋な光学機械技術を使用することにより、上下方向に積層された構造を含む3D NANDフラッシュデバイスの検査などのいくつかの用途では、精密でない決定がもたらされることがある。そのような場合、例えば、撮像分解能を高めるために、本明細書で述べる電気技術を使用して電子ビームの焦点を更に微調整することが望ましいことがある。
[00142] ソース供給ユニット805は、荷電粒子ビームを生成するための荷電粒子源に電力を供給するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、ソース供給ユニット805は、荷電粒子ビームが荷電粒子源から放出され得るようにアノード(図示せず)(例えば、図2のアノード216)とカソード802との間に電界を生成するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、荷電粒子源は、大きな電界勾配にカソードを配置することにより電子などの荷電粒子が電界放出銃から放出される電界放出源を含むことがある。電界放出源は、2つのアノード板又はそれ以上のアノード板を適宜利用することがある。第1のアノード板は、電界放出器からの荷電粒子の抽出又は放出を生じさせるように構成されることがあり、第2のアノード板は、ウェーハ850に向かう抽出された荷電粒子の加速を生じさせるように構成されることがある。ソース供給ユニット805は、抽出電圧及び加速電圧を決定して供給するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、ソース供給ユニット805は、図3のビーム制御モジュール365などの、ビーム制御モジュールの一体部、若しくは図3のシステム制御モジュール360などの、システム制御モジュールであるか、又はシステム制御モジュールに結合されることがある。
[00143] 図8に示すように、荷電粒子ビームシステム800は、図3の集光レンズ315に類似した、集光レンズ810を含むことがあり、集光レンズ315と同様又は実質的に同様の機能を果たすことがある。例えば、集光レンズ810は、荷電粒子ビームを集束させるように構成されることがある。いくつかの実施形態では、一次荷電粒子ビームの一次ビームレットの電流は、集光レンズ810の集束力を変化させることにより調整されることがある。
[00144] 荷電粒子ビームシステム800の電子検出器815は、図2の電子検出器206に類似しており、電子検出器206と同様又は実質的に同様の機能を果たすことがある。例えば、電子検出器815は、一次電子ビームの電子との相互作用時にウェーハ850から放出された、二次電子を検出し、検出された二次電子の強度に関連する信号を生成することがある。荷電粒子ビームシステム800の対物レンズアセンブリ820は、図2の対物レンズ204と同様又は実質的に同様であることがある。対物レンズアセンブリ820は、中でもとりわけ、ウェーハ850に関連する電界を制御するように構成された、図2の制御電極204bに類似した制御電極824を含むことがある。対物レンズアセンブリ820は、限定されるものではないが、ウェーハ850に向けて誘導される一次電子ビームの焦点を調整するように構成されたビーム集束コンポーネントと、一次電子ビームがさらされ得る電界を調整するように構成された電界変調コンポーネントとを含むことがある。いくつかの実施形態では、電界変調コンポーネントは、制御電極824を含むことがある。いくつかの実施形態では、制御電極824の電気励起は、生成された電界を調整するために電圧又は電流を変化させることにより調整されることがある。荷電粒子ビームシステム800は、ステージ860及び対物レンズアセンブリ820に印加される電圧を制御するように構成された制御ユニット830を更に含むことがある。いくつかの実施形態では、制御ユニット830は、対物レンズアセンブリ820の制御電極824に電圧を印加するように構成されることがある。
[00145] 本開示の文脈では、電子ビームの焦点を調整するための光学機械技術とは、限定されるものではないが、中でもとりわけ、圧電変換器、圧電駆動部、レーザ、干渉計、フォトダイオードを含む、電気機械デバイスと光学デバイスとの組み合わせを使用して、ステージ860の高さを調整することを指す。本開示の文脈では、電子ビームの焦点を調整するための電気技術とは、ステージ860、ウェーハ850、又は対物レンズアセンブリ820の制御電極(例えば、図8の824)に電気信号を印加することにより電子ビームに関連する電磁界を操作することを指す。
[00146] 上述のように、SEMなどの、電子ビーム検査ツールでは、純粋な光学機械技術により達成される電子ビームの焦点の精度は、中でもとりわけ、ICチップ内に上下方向に積層された構造などの、いくつかの用途では不適切であることがある。中でもとりわけ、精密でないステージ動作制御又は機械的振動の結果として、少なくとも電子ビームの焦点に誤差及び変動をもたらす可能性があるので、機械技術の使用を制限することが望ましいことがある。その一方で、電気技術は、サンプルにおける電界又は磁界を修正することにより、サンプルに入射する電子ビームの焦点面のより精密な調整を提供することがあり、焦点面を調整するためのより高速な方法を提供することがある。
[00147] ここで、本開示の実施形態と一致する、荷電粒子ビームシステム800を使用して荷電粒子ビームをサンプル上に集束させる例示的な方法を図示するフローチャートを図示する、図9Aを参照する。サンプルに集束させる方法は、図3の荷電粒子ビームシステム300、図8の荷電粒子ビームシステム800、又は図1のEBIシステム100により実施されることがある。荷電粒子ビーム装置は、ウェーハ(例えば、図8のウェーハ850)又はウェーハ上の関心領域を観察し、撮像し、且つ検査するように制御され得ることが理解される。撮像することは、ウェーハを走査して、ウェーハの少なくとも一部、ウェーハ上のパターン、又はウェーハ自体を撮像することを含むことがある。ウェーハを検査することは、ウェーハを走査して、ウェーハの少なくとも一部、ウェーハ上のパターン、又はウェーハ自体を検査することを含むことがある。ウェーハを観察することは、パターンの再現性及び繰り返し性についてウェーハ又はウェーハ上の関心領域を監視することを含むことがある。
[00148] ステップ510、610、及び710に類似した、ステップ910Aでは、一次荷電粒子ビーム(例えば、図2の一次荷電粒子ビーム220)が荷電粒子源から生成される。ステージ(例えば、図8のステージ860)上に配置されたサンプルには、一次荷電粒子ビームが照射される。いくつかの実施形態では、サンプルの少なくとも一部には、一次荷電粒子ビームの少なくとも一部が照射されることがある。一次荷電粒子ビームは、例えば、電子源から生成された電子ビームであることがある。電子源は、限定されるものではないが、タングステンフィラメント若しくはLaB6カソードからの電子の熱電子放出、又はタングステン/ZrO2冷カソードからの電子の電界放出を含むことがある。
[00149] サンプルは、ステージ上に直接配置されることがある。いくつかの実施形態では、サンプルは、サンプルホルダなどのアダプタ上に配置され、ステージ上に配置され、且つステージに固定されることがある。サンプル、サンプルホルダ、及びステージの幾何学的中心は、互いに且つ一次光軸(例えば、図8の一次光軸801)と位置合わせされることがある。サンプル、サンプルホルダ、及びステージは、一次光軸に直交又は実質的に直交する平面内に配置されることがある。いくつかの実施形態では、サンプル又はステージは、一次荷電粒子ビームが90°よりも小さな又は大きな角度でサンプルに入射するように、オフアクシスに傾斜されることがある。いくつかの実施形態では、サンプル及びステージは、X、Y、又はZ軸の何れかにおけるステージの変位により相応にサンプルの変位がもたらされるように、機械的に結合されることがある。いくつかの実施形態では、サンプルホルダ及びステージは、オーミック接触又は有意でない電位勾配がサンプルホルダとステージとの間に生じ得るように電気的に結合されることがある。いくつかの実施形態では、サンプル及びサンプルホルダは、オーミック接触又は有意でない電位勾配がサンプルとサンプルホルダとの間に生じ得るように電気的に結合されることがある。
[00150] ステップ920Aでは、荷電粒子ビームの初期焦点の場所は、第1のコンポーネントを使用してサンプルを基準として調整される。本明細書で使用される場合、初期焦点とは、荷電粒子ビームの焦点の近似点又は近似面を指す。いくつかの実施形態では、初期焦点の場所を調整することは、光学式高さセンサ(例えば、図8の高さセンサ840)を含むより精密な光学式位置センシング技術を使用して、ステージの決定された初期位置と一次荷電粒子ビームの所望の焦点面とに基づいてZ軸におけるステージの初期位置を決定することと、一次荷電粒子ビームの初期焦点がサンプルの表面に又は表面の実質的に近傍に形成されるようにステージの位置を調整することとを含むことがある。いくつかの実施形態では、サンプルの上面に初期焦点を形成することが望ましいことがある。
[00151] いくつかの実施形態では、高さセンサは、予め定められた放出波長を有するレーザ光をステージに、又はステージ上に配置されたサンプル(例えば、図8のウェーハ850)に照射するレーザ源を含むレーザダイオードアセンブリと、サンプルの表面から反射されたレーザを検出するように構成されたレーザ検出器とを含むことがある。高さセンサは、ステージ制御モジュール(例えば、図3のステージ制御モジュール362)、ビーム制御モジュール(例えば、図3のビーム制御モジュール365)、又はその両方と通信することがある。いくつかの実施形態では、ステージ制御モジュール及びビーム制御モジュールは、ステージの高さを調整して一次荷電粒子ビームをサンプル上に集束させるために互いに通信することがある。
[00152] ステップ930Aでは、ステップ920Aにおいてサンプル上に初期焦点を形成した後に、一次荷電粒子ビームの焦点は、第2のコンポーネントを使用してサンプルに関連する電磁界を操作することにより更に調整されることがある。第2のコンポーネントは、限定されるものではないが、中でもとりわけ、対物レンズの制御電極(例えば、図8の制御電極824)、ステージ、又はサンプルを含むことがある。いくつかの実施形態では、第2のコンポーネントは、対物レンズの集束コンポーネントの下流側に位置することがある。サンプルに関連する電磁界は、サンプルに影響を及ぼす電界及び磁界を含むことがある。電磁界を操作することにより、荷電粒子ビームの初期焦点を更に調整してサンプル上に最終焦点を形成することが可能となることがある。電磁界は、例えば、対物レンズアセンブリ(例えば、図8の対物レンズアセンブリ820)の制御電極(例えば、図8の制御電極824)に印加される電気信号を調整すること、ステージへの電気信号を調整すること、又は荷電粒子ビームの特性に影響を及ぼすように構成された磁界を調整することにより操作されることがある。
[00153] いくつかの実施形態では、電磁界を操作することは、対物レンズアセンブリの制御電極に印加される電気信号を調整することを含むことがある。荷電粒子ビームの初期焦点は、制御電極の電気励起(例えば、電圧)を調整することによりZ軸に沿って調整されることがある。荷電粒子ビームの初期高さ調整又は初期焦点は、光学測定に基づいてステージの高さを調整することによりステップ920Aにおいて達成される。初期焦点が形成された後に、荷電粒子ビームの経路又はエネルギーを調整し、それにより焦点を調整するために、制御電極の電気励起を変化させることがある。例えば、制御電極に印加される電圧信号を変化させることにより、荷電粒子ビームが受ける電界が操作され、それにより、サンプル表面上の荷電粒子ビームの焦点の調整が可能となることがある。本明細書で説明するような、光学機械技術と電気技術との組み合わせにより、ユーザが高画質と高分解能とを得ることが可能となることがある。
[00154] いくつかの実施形態では、電磁界を操作することは、ステージに印加される電気信号を調整することを含むことがある。荷電粒子ビームの初期焦点は、ステージに印加される電圧信号を調整することによりZ軸に沿って調整されることがある。ステージに印加される電圧信号により、サンプル表面上への荷電粒子ビームのランディングエネルギーが調整されることがある。本明細書で使用される場合、荷電粒子ビームのランディングエネルギーは、荷電粒子がサンプルに衝突するときの荷電粒子のエネルギーとして定義されることがあり、加速電圧とステージ/サンプルバイアス電圧との差であることがある。入射する一次荷電粒子ビームの焦点を調整することにより画像分解能及びコントラストを改善するために、ユーザは、ステージにビームエネルギー修正電圧を印加して、サンプルに入射する荷電粒子ビームのビームエネルギーを減少又は増加させることがある。
[00155] いくつかの実施形態では、電磁界を操作することは、荷電粒子がサンプルに入射する前に荷電粒子を減速させる(より低いランディングエネルギー)又は加速させる(より高いランディングエネルギー)ようにサンプル又はウェーハに印加される電気信号を調整することを含むことがある。例えば、SEMでは、高電圧(コラム内に印加される加速電圧)が12kVであり(例えば、図2のカソード218及びアノード216の電圧をそれぞれ-12kV及び接地に設定することにより作り出され)且つステージ/サンプルバイアス電圧が(接地に対して)-9kVである場合に、電子が、まずコラム内で12keVのエネルギーまで加速され、次いで、コラムから離れた後に、9kVの電界により減速され、その結果、荷電粒子ビームの荷電粒子のランディングエネルギーは3keVである。サンプルに入射する荷電粒子を加速又は減速させることにより、サンプルへの侵入深さが変化することがあり、ビームの焦点深度が変化することがある。より低いランディングエネルギー、例えば、1keV未満では、荷電粒子ビームは、主にサンプルの上面と相互作用することがある。例えば、1keV~6keVのより高いランディングエネルギーでは、侵入深さがより大きいことがあり、したがって、サンプルのバルクからの情報を提供する。いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームのランディングエネルギーは、250eV~6keVの範囲である。より低いランディングエネルギーはバルク分析を回避することがあるが、生成される二次荷電粒子の信号強度が低いことがあり、これによりサンプルを分析する能力に悪影響を及ぼす。その一方で、より高いランディングエネルギーは、バルク及び表面下情報を抽出するために望ましいことがあるが、サンプルを変化させることがあり、これによりサンプルを分析する能力に悪影響を及ぼす。いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームのランディングエネルギーは、サンプル、任意の要件、及び関連する用途に基づいて、500eV~3keVの範囲である。
[00156] 荷電粒子ビームのランディングエネルギーを調整することは、1つ又は複数の電気信号をステージに印加することを含むことがある。いくつかの実施形態では、電気信号は、電圧信号の第1のコンポーネント又は電圧信号の第2のコンポーネントを含むことがある。電圧信号の第1のコンポーネントは、荷電粒子ビームの加速に影響を及ぼすためにステージ又はサンプルに印加される電圧であることがある。いくつかの用途では、サンプル上の初期焦点における荷電粒子ビームの焦点は適切でないことがあり、それゆえ、荷電粒子ビームは、例えば、より良好な分解能又はコントラストを達成するために更に集束又は調整されることがある。いくつかの実施形態では、電圧信号の第1のコンポーネントは、サンプル表面上の荷電粒子ビームの初期焦点を粗調整するように構成されることがある。本明細書で使用される場合、初期焦点の粗調整とは、Z軸に沿った焦点の調整を指すことがある。いくつかの実施形態では、電圧信号の第1のコンポーネントは、5KV~10KVの範囲の電圧信号を含むことがある。
[00157] 電圧信号の第2のコンポーネントは、Z軸におけるステージの位置を調整することにより形成される初期焦点を微調整するためにステージ又はサンプルに印加される電圧であることがある。本明細書で使用される場合、初期焦点の微調整とは、シャープな焦点を達成するためのZ軸に沿った焦点の調整を指すことがある。電圧信号の第2のコンポーネントは、入射する荷電粒子ビームを偏向させて、X、Y、又はZ軸に沿った僅かな位置調整を可能にし、よりシャープな焦点を可能にすることがある。いくつかの実施形態では、電圧信号の第2のコンポーネントは、-150V~+150Vの範囲の電圧信号を含むことがある。印加される電圧信号の第1のコンポーネント又は第2のコンポーネントが、限定されるものではないが、用途、サンプル、及びツール条件を含む要因に基づいて、本明細書で述べた範囲よりも高い又は低いものであり得ることを理解されたい。
[00158] いくつかの実施形態では、サンプル表面に入射する荷電粒子ビームのランディングエネルギーは、単一の電気信号を印加することにより電磁界を操作するように調整されることがある。単一の電気信号は、電圧信号の第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントを含むことがある。例えば、焦点の粗調整のための電圧信号の第1のコンポーネントが-9KVであり、且つ焦点の微調整のための電圧信号の第2のコンポーネントが-100Vである場合には、単一の電気信号は-9.1KVの電圧信号を含む。代替的に、焦点の粗調整のための電圧信号の第1のコンポーネントが-9KVであり、且つ焦点の微調整のための電圧信号の第2のコンポーネントが+100Vである場合には、単一の電気信号は-8.9KVの電圧信号を含む。
[00159] いくつかの実施形態では、サンプルに関連する電磁界を操作することは、サンプルに関連する磁界を調整することを含むことがある。いくつかの実施形態では、電気信号を印加することによる電界の調整により、磁界の調整がもたらされることがある。電気又は磁性コンポーネントによる磁界の調整により、荷電粒子ビームの特性が影響を受けることがある。例えば、電磁レンズのコイルを通過する電流は、荷電粒子ビームを集束させるために使用され得る磁極片のボア内に磁界を作り出す。いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームの特性は、限定されるものではないが、荷電粒子ビームの経路、方向、速度、又は加速度を含むことがある。
[00160] ここで、本開示の実施形態と一致する、荷電粒子ビームシステム800を使用して荷電粒子ビームをサンプル上に集束させる例示的な方法を図示する、図9Bを参照する。サンプルに集束させる方法は、図3の荷電粒子ビームシステム300、図8の荷電粒子ビームシステム800、又は図1のEBIシステム100により実施されることがある。
[00161] ステップ510、610、710、及び910Aに類似した、ステップ910Bでは、一次荷電粒子ビーム(例えば、図2の一次荷電粒子ビーム220)が荷電粒子源から生成される。ステージ(例えば、図8のステージ860)上に配置されたサンプルには、一次荷電粒子ビームが照射される。いくつかの実施形態では、サンプルの少なくとも一部には、一次荷電粒子ビームの少なくとも一部が照射されることがある。一次荷電粒子ビームは、例えば、電子源から生成された電子ビームであることがある。電子源は、限定されるものではないが、タングステンフィラメント若しくはLaB6カソードからの電子の熱電子放出、又はタングステン/ZrO2冷カソードからの電子の電界放出を含むことがある。
[00162] サンプルは、ステージ上に直接配置されることがある。いくつかの実施形態では、サンプルは、サンプルホルダなどのアダプタ上に配置され、ステージ上に配置され、且つステージに固定されることがある。サンプル、サンプルホルダ、及びステージの幾何学的中心は、互いに且つ一次光軸(例えば、図8の一次光軸801)と位置合わせされることがある。サンプル、サンプルホルダ、及びステージは、一次光軸に直交又は実質的に直交する平面内に配置されることがある。いくつかの実施形態では、サンプル又はステージは、一次荷電粒子ビームが90°よりも小さな又は大きな角度でサンプルに入射するように、オフアクシスに傾斜されることがある。いくつかの実施形態では、サンプル及びステージは、X、Y、又はZ軸の何れかにおけるステージの変位により相応にサンプルの変位がもたらされるように、機械的に結合されることがある。いくつかの実施形態では、サンプルホルダ及びステージは、オーミック接触又は有意でない電位勾配がサンプルホルダとステージとの間に生じ得るように電気的に結合されることがある。
[00163] ステップ920Aと同様の、ステップ920Bでは、荷電粒子ビームの初期焦点の場所は、第1のコンポーネントを使用してサンプルを基準として調整される。本明細書で使用される場合、初期焦点とは、荷電粒子ビームの焦点の近似点又は近似面を指す。いくつかの実施形態では、初期焦点の場所を調整することは、光学式高さセンサ(例えば、図8の高さセンサ840)を含むより精密な光学式位置センシング技術を使用して、ステージの決定された初期位置と一次荷電粒子ビームの所望の焦点面とに基づいてZ軸におけるステージの初期位置を決定することと、一次荷電粒子ビームの初期焦点がサンプルの表面に又は表面の実質的に近傍に形成されるようにステージの位置を調整することとを含むことがある。いくつかの実施形態では、サンプルの上面に初期焦点を形成することが望ましいことがある。
[00164] いくつかの実施形態では、高さセンサは、予め定められた放出波長を有するレーザ光をステージに、又はステージ上に配置されたサンプル(例えば、図8のウェーハ850)に照射するレーザ源を含むレーザダイオードアセンブリと、サンプルの表面から反射されたレーザを検出するように構成されたレーザ検出器とを含むことがある。高さセンサは、ステージ制御モジュール(例えば、図3のステージ制御モジュール362)、ビーム制御モジュール(図3のビーム制御モジュール365)、又はその両方と通信することがある。いくつかの実施形態では、ステージ制御モジュール及びビーム制御モジュールは、サンプル上の一次荷電粒子ビームの焦点に合わせてステージの高さを調整するために互いに通信することがある。
[00165] ステップ930Bでは、ステップ920Bにおいてサンプル上に初期焦点を形成した後に、電磁界は、最終焦点を形成するために、例えば、対物レンズ(例えば、図8の対物レンズアセンブリ820又は図2の対物レンズアセンブリ204)の制御電極(例えば、図8の制御電極824又は図2の制御電極204b)に印加される電気信号を調整することにより操作されることがある。荷電粒子ビームの初期焦点は、制御電極の電気励起を調整することにより、Z軸に沿った最終焦点を形成するように調整されることがある。荷電粒子ビームの初期高さ調整又は初期焦点は、光学測定に基づいてステージの高さを調整することによりステップ920Bにおいて達成される。初期焦点が形成された後に、荷電粒子ビームの経路又はエネルギーを調整し、それにより焦点を調整するために、制御電極の電気励起を変化させることがある。例えば、制御電極に印加される電圧信号を変化させることにより、荷電粒子ビームが受ける電界が操作され、それにより、サンプル表面上の荷電粒子ビームの焦点の調整が可能となることがある。本明細書で説明するような、光学機械技術と電気技術との組み合わせにより、ユーザが高い撮像分解能を得ることが可能となることがある。
[00166] 上述のように、上下方向に積層されたコンポーネントを含むデバイスアーキテクチャを有するICチップの検査中に見られる課題のうちの1つは、不適切な撮像範囲及び分解能である。例えば、深さ4~5μmの金属コンタクトホールの深さを測定すること、又は構造の底部における埋没した欠陥粒子を検出することは、中でもとりわけ、欠陥を分析して、撮像及び正確な測定から抽出された情報に基づいてプロセス条件を開発するのに有用であることがある。SEMなどの、荷電粒子ビームシステムの広範囲の焦点深度(DOF)は、高撮像分解能を維持しながら深いフィーチャの上面、底面、及び中間層が同時に且つリアルタイムで撮像され得るように、より広い撮像範囲を可能にすることがある。
[00167] 既存の技術を使用して、上下方向に積層された構造、例えば3D NANDフラッシュデバイスを検査することにより、限られた情報又は不正確な情報が提供されることがあり、これらの情報は両方とも、製造されるデバイスのスループット及び品質に悪影響を及ぼすことがある。それゆえ、リアルタイム3D撮像能力を有する既存の検査ツールを使用可能にし、これにより、高撮像分解能を維持しながら撮像範囲を広げることが望ましいことがある。電磁界を操作することにより荷電粒子ビームの焦点をZ軸に沿って調整する能力は、サンプルの多数の平面、フィーチャ、又はサンプル内の関心領域をリアルタイムで撮像し、これにより、正確な3D形態を得ることを可能にするために使用されることがある。
[00168] ここで、本開示の実施形態と一致する、電子ビーム検査ツール1004を含む荷電粒子ビームシステム1000を図示する概略図である、図10を参照する。図10に示すように、荷電粒子ビームシステム1000は、図1の電子ビームツール104に類似した電子ビーム検査ツール1004と、電子ビーム検査ツール1004に電気的又は電子的に接続されたコントローラ1009と、データプロセッサを含む画像取得システム1060とを含むことがある。画像取得システム1060は、コントローラ1009の外部に示されているが、コントローラ1009の一部であり得ることを理解されたい。
[00169] いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームシステム1000は、多数の動作モードをサポートする機構を提供することがある。例えば、荷電粒子ビームシステム1000は、サンプル又は関心領域の高解像度の平面画像を得るために2D撮像モードで、又は3D形状を有するフィーチャ及び構造を含むサンプルの高解像度の形態画像を得るために3D画像モードで動作するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームシステム1000は、中でもとりわけ、所望の分析、分析されるサンプル、又は用途に基づいて検査走査でのモードを切り替えるように構成されることがある。例えば、荷電粒子ビームシステム1000は、通常は3D撮像モードよりも高いスループットを提供する、2D撮像モードで関心領域の検査を最初に実施し、次いで、3D撮像モードに切り替わり、例えば、検出された欠陥の高分解能走査を実施することがある。このことは、2つのツールを不要にし、これにより、検査プロセスの全体的なスループットを向上させることがある。いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームシステム1000は、ユーザにより予め決定された関心領域の高分解能走査を得るために、3D撮像モードにおいて検査走査のみを実施することがある。
[00170] いくつかの実施形態では、コントローラ1009は、電子ビーム検査ツール1004の様々な制御を実行するように構成されたコンピュータ又はプロセッサを含むことがある。コントローラ1009は、電子ビーム検査ツール1004に電子的に接続されることがあり、様々な信号及び画像処理機能を実行するように且つ荷電粒子ビームシステム1000の動作を管理するための様々な制御信号を生成するように構成された処理回路を含むことがある。いくつかの実施形態では、コントローラ1009は、ユーザ入力に基づいて動作モードを切り替えるように構成されることがある。切替動作モードは、限定されるものではないが、ハードウェアコンポーネントの起動、ソフトウェアプログラムの実行などを含むことがある。例えば、電子ビーム検査ツール1004を3D撮像モードに切り替えることは、ステージに印加される電圧信号を調整することと、対物レンズ(例えば、図8の対物レンズアセンブリ820)の制御電極(例えば、図8の制御電極824)に印加される電圧信号を調整することと、荷電粒子ビームの焦点を調整し、焦点におけるサンプルの画像を取得するように画像取得システム1060に命令し、画像情報を処理するアルゴリズムを実行するために、ステージをX、Y又はZ軸に移動させることなどを含むことがある。画像取得システム1060は、コントローラ1009の外部に示されているが、コントローラ1009の一部であることがある。
[00171] 画像取得システム1060は、図2の画像取得器260と実質的に同様であることがあり、図2の画像取得器260と同様の機能を果たすことがある。いくつかの実施形態では、画像取得システム1060は、画像又は画像フレームを取得するように構成されることがあり、撮像又は後処理に関連する機能を果たすように構成された1つ又は複数のプロセッサ(図示せず)と、取得した画像フレーム、後処理情報、分析結果などを保存するように構成された1つ又は複数の記憶ユニット(図示せず)とを含むことがある。画像取得システム1060は、コントローラ1009と通信するように構成されることがある。例えば、所望の焦点が得られたと判断した時点で、コントローラ1009は、その焦点において1つ又は複数の画像フレームを画像取得システム1060に取得させることがある。画像取得システム1060は、コントローラ1009を通じて又はユーザにより操作されることがある。いくつかの実施形態では、画像取得システム1060は、ソフトウェア、アルゴリズム、又は1組の命令などのコンピュータで実行されるプログラムを通じて遠隔操作されることがある。
[00172] 前述のように、光学機械技術を使用して達成される焦点は、いくつかの用途では高分解能及び広範囲の撮像には不適切であることがあり、それゆえ、より精密で且つより大きな焦点深度が望まれることがある。より大きな焦点深度は、フィーチャの上面及び底面が同時且つ鮮明に撮像され得るように、深い3Dフィーチャの高分解能撮像を可能にすることがある。荷電粒子ビームシステム1000の3D撮像動作モードを使用して荷電粒子ビームをサンプルの表面上に集束させる例示的な方法が、本明細書で述べられている。集束方法におけるステップの数及び順序は例示的であり且つ図示の目的だけのものであることを理解されたい。ステップは、必要に応じて、追加され、削除され、編集され、並べ替えられ、且つ省略されることがある。3D撮像動作モードは、光学機械技術と電気技術との組み合わせを使用して、荷電粒子ビームをサンプルの多数の焦点面に集束させることを可能にし、これにより、ユーザが3Dフィーチャの全体を鮮明に撮像することを可能にすることを含む。
[00173] 3D撮像モードでは、荷電粒子ビームシステム1000は、荷電粒子ビームの焦点が、ステージ860上に配置されたウェーハ850の所望の焦点面と一致するか又は実質的に一致するように、光学機械技術を使用してステージ(例えば、図8のステージ860)の初期高さ調整を実施するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、ステージ860の初期高さ調整は、2D撮像モードで実施されることがあり、荷電粒子ビームシステム1000は、光学式高さセンサ及び圧電モータを使用してステージ860の高さが2D撮像モードで調整された時点で、3D撮像モードで動作するように切り替えられることがある。
[00174] 初期高さ調整が達成された時点で、コントローラ(例えば、図10のコントローラ1009)は、サンプルに関連する電磁界を操作することにより、荷電粒子ビームの初期焦点を電子ビーム検査ツール1004に調整させることがある。電磁界は、荷電粒子ビームの焦点面をZ軸に沿って調整するために操作されることがあり、荷電粒子ビームがサンプルの多数の焦点面に集束されることを可能し、ひいては、より正確な3D形態情報を提供する。サンプルに関連する電磁界は、サンプル上への荷電粒子のランディングエネルギーを調整すること、対物レンズの制御電極の電気励起を調整すること、又はステージバイアス電圧を調整することにより操作されることがある。
[00175] いくつかの実施形態では、ランディングエネルギーを調整することにより電磁界を操作することは、電圧信号の第1のコンポーネントを印加して、サンプルの表面上の荷電粒子ビームの初期焦点を粗調整することと、ステージに電圧信号の第2のコンポーネントを印加して、サンプルの表面上の荷電粒子ビームの初期焦点を微調整することとを含むことがある。電圧信号の第1のコンポーネントは、焦点面をZ軸に沿って所定の距離だけシフトさせるための所望の高さ調整に基づいて決定されることがある。ランディングエネルギーは、荷電粒子をサンプルに向けて加速させるために印加される加速電圧と、ステージに印加される電圧信号の第1のコンポーネントとに基づいて変化することがある。電圧信号の第2のコンポーネントは、焦点をZ軸に沿って更に微調整するために印加されることがある。電圧信号は、例えば、対物レンズの制御電極(例えば、図8の制御電極824)、ステージ(例えば、図8のステージ860)、又はシステムの電磁界に影響を及ぼすように構成された他の光学機械コンポーネントに印加されることがある。
[00176] 電気技術を使用して荷電粒子ビームが集束された後に、コントローラ1009は、フィーチャ又は構造の1つ又は複数の画像フレームを取得するように画像取得システム1060に命令することがある。取得した画像フレームは、記録されて分析のためにユーザによりアクセスされることがある。いくつかの実施形態では、記憶した画像フレーム及び対応する焦点面情報は、例えば、再構成アルゴリズムを使用して構造の3D画像を再構成するために使用されることがある。
[00177] ここで、本開示の実施形態と一致する、サンプル上のフィーチャの画像フレーム及び対応する焦点面を図示する、図11A~図11Fを参照する。図11A、図11C、及び図11Eは、それぞれ、金属コンタクトホールなどのフィーチャの断面図における上部焦点面、中間焦点面、底部焦点面を表し、図11B、図11D、及び図11Fは、対応する焦点面のSEM画像を表す。限定されるものではないが、相互接続部、金属パッド、フォトレジストプロファイルなどを含む他のフィーチャも撮像され得ることを理解されたい。
[00178] サンプル(例えば、図8のウェーハ850)上の例示的なフィーチャ1110は、例えば、3D NANDフラッシュメモリデバイスにおける、金属コンタクトホールを含むことがある。いくつかの実施形態では、フィーチャ1110は、円錐形状、円筒形状、三角形状、又は矩形状、及び円形若しくは楕円断面を有することがある。図11Aの断面図に示すように、例えば、フィーチャ1110は、高さh1と、上部平面1115に沿った上部直径d1と、中間平面(例えば、図11Cの中間平面1135)に沿った中間直径d3と、基部平面(例えば、図11Eの基部平面1155)に沿った基部直径d5とを有する円錐状の金属コンタクトホールを含むことがある。いくつかの実施形態では、高さh1、上部直径d1、及び基部直径d5は、フィーチャ1110のクリティカルディメンジョンを含むことがある。本明細書で使用される場合、フィーチャ又はデバイスのクリティカルディメンジョンとは、寄生容量及び寄生抵抗の原因となり得るのでデバイスの電気性能に影響を及ぼす可能性のある寸法を指すことがある。当業者であれば、クリティカルディメンジョンは、デバイス性能及び製造歩留まりを最適化するように調整され得る寸法であることを理解するであろう。
[00179] 図11Bは、上述した光学機械技術と電気技術との組み合わせを使用する集束方法により撮像されたときの、フィーチャ1110のアレイの画像フレーム1150(例えば、SEM画像)を示す。図11Bの荷電粒子ビームの焦点面は、フィーチャ1110の上部平面1115と一致するように調整される。アレイの個々のフィーチャ1110は、高さh1を含む異なる寸法を有することがあり、荷電粒子ビームの焦点面は、アレイの他のフィーチャの上部平面と一致しないことがあることを理解されたい。そのような場合、コントローラ1009は、調査されるフィーチャ1110及びその寸法に基づいて荷電粒子ビームの焦点面を調整するように構成されることがある。
[00180] ここで、中間平面1135を有するフィーチャ1110及び対応する画像フレーム1152の概略図をそれぞれ図示する、図11C及び図11Dを参照する。中間平面1135は、上部平面1115と基部平面(例えば、図11Eの基部平面1155)との中間に位置するように示されているが、Z軸に垂直な、上部平面1115と基部平面1155との間の任意の平面であることがある。図11A~図11Fは3つの平面及び対応する画像フレームを示すが、適宜必要に応じて、任意の数の平面が撮像され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の画像フレームは、フィーチャ1110の平面を表すことがある。例えば、画像取得システム1060は、必要に応じて、平面の2つ以上の画像フレームを取得することがある。
[00181] 図11E及び図11Fは、それぞれ、基部平面1155を有するフィーチャ1110及び対応する画像フレーム1154の概略図を図示する。例として、フィーチャ1110は、その高さh1に沿って直径が先細りになる円錐形状を有して示されている。このような場合、図11A、図11C、及び図11Eに示すように、フィーチャ1110の上部平面の直径(例えば、d1)は、中間直径d3よりも大きいことがあり、中間直径d3は、フィーチャ1110の基部直径d5よりも大きいことがある(d1>d3>d5)。それぞれ図11B、図11D、及び図11Fの画像フレーム1150、1152、及び1154では、破線により強調された暗い円形領域は、フィーチャ1110の合焦面の平面図を示す。破線内の暗い領域を取り囲む拡散した明るい領域は、サンプルの焦点外の層を表す。合焦面を強調する破線は視覚的補助を提供し且つ図示の目的だけのものであることが理解される。
[00182] ここで、本開示の実施形態と一致する、多数の焦点面においてキャプチャされた画像フレームから再構成された3D画像を生成するプロセス1200の概略図である、図12を参照する。フィーチャ1210は、例えば、上部直径d1が基部直径d5よりも大きくなるように高さh1に沿って直径が先細りになる円錐状の金属コンタクトホールを含むことがある。図12に示すように、上部平面1215は、対応する上面図1217に示すように、上部直径d1を有するフィーチャ1210の上面を表す。中間平面1225、1235、及び1245は、対応する上面図1227、1237、及び1247に示すように、それぞれ直径d2、d3、及びd4を有するフィーチャ1210の中間平面を表す。基部平面1255は、対応する上面図1257に示すように、基部直径d5を有するフィーチャ1210の底面を表す。画像フレーム1220、1230、1240、1250、及び1260は、フィーチャ1210の3D画像1270を生成するように再構成されることがある。
[00183] いくつかの実施形態では、3D撮像モードでは、荷電粒子ビームは、荷電粒子ビームの焦点面がフィーチャ1210の上部平面1215と一致し得るように、フィーチャ1210の上面に集束されることがある。上部平面1215と一致する焦点面は、第1の焦点面と呼ばれることもある。画像取得システム1060は、フィーチャ1210の上面の第1の画像フレーム1220を取得するように構成されることがある。荷電粒子ビームは、まず、光学機械手段によりサンプル上に荷電粒子ビームの初期焦点を形成するようにステージ860の高さを調整することと、次いで、限定されるものではないが、荷電粒子のランディングエネルギーを調整すること、制御電極の電気励起を調整すること、又はステージバイアス電圧を調整することを含む電気的手段により初期焦点を調整することとにより、集束されることがある。いくつかの実施形態では、画像取得システム1060は、焦点面において2つ以上の画像フレームを取得することがある。取得した画像フレームは、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の種類のコンピュータ可読メモリなどの、記憶媒体(例えば、図2のストレージ270)に記憶されることがある。記憶媒体は、画像取得システム1060に結合されることがあり、走査された生の画像データを元画像として保存し、且つ処理後の画像を保存するために使用されることがある。焦点面、取得条件、ツールパラメータなどに関連する情報もまた、記憶媒体に記憶されることがある。
[00184] 次いで、荷電粒子ビームの焦点は、第1の焦点面から下方にある距離だけ離れて位置する第2の焦点面に合焦するように調整されることがある。本開示の文脈では、第1の焦点面「の下方」とは、サンプル中のより深い場所を指す。第1の焦点面と第2の焦点面との間の距離は、用途又は要件に基づいてユーザにより予め決定されることがある。いくつかの実施形態では、距離は、撮像されるフィーチャ又はサンプルの材料に基づいて動的に調整されることがある。画像取得システム1060は、より深い中間平面1225においてフィーチャ1210の第2の画像フレーム1230を取得するように構成されることがある。荷電粒子ビームの焦点面は、電界若しくは磁界、又はその両方を操作することによりサンプルのより深部にシフトされることがある。例えば、荷電粒子のランディングエネルギーは、サンプルの上面の下方に焦点面を形成するように調整されることがある。いくつかの実施形態では、焦点面の位置は、対物レンズの制御電極に印加される電圧を調整することによりシフトされることがある。制御電極に印加される電圧を調整することにより、サンプルに関連する電磁界が操作されて、サンプルに入射する荷電粒子の経路が影響を受けることがある。例えば、荷電粒子は、電気励起と印加された電圧信号とに基づいて、加速され、減速され、偏向され、フィルタリングされ、又は集束されることがある。画像取得システム1060は、中間平面1235において第3の画像フレーム1240を、中間平面1245において第4の画像フレーム1250を、及び基部平面1255において第5の画像フレーム1260を取得するように構成されることがある。図12は、3D画像を再構成するために使用される5つの撮像平面を図示するが、撮像されるフィーチャ(例えば、フィーチャ1210)の深さの範囲を可能にする任意の数の撮像平面が、フィーチャを正確に再構成するために使用されることがある。
[00185] いくつかの実施形態では、画像フレーム1220、1230、1240、1250、及び1260は、フィーチャ1210の3D画像1270を生成するように再構成されることがある。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの画像フレーム及び関連する焦点面情報は、例えば、フィーチャ1210の3D画像1270の生成、クリティカルディメンジョン情報の抽出、オーバーレイシフトの決定などに使用されることがある。画像フレームは、コンピュータで実行される3D再構成アルゴリズム、ソフトウェアプログラム、又は画像処理プログラムなどを使用して再構成されることがある。
[00186] ここで、本開示の実施形態と一致する、荷電粒子ビームシステム内のサンプルの3D画像を生成する例示的な方法を示すフローチャートを図示する、図13を参照する。サンプルの3D画像を生成する方法は、図1の荷電EBIシステム100、図2の撮像システム200、図3、図8、及び図10の、それぞれ、荷電粒子ビームシステム300、800、又は1000により実施されることがある。
[00187] ステップ510、610、710、及び910Aに類似した、ステップ1310では、一次荷電粒子ビーム(例えば、図2の一次荷電粒子ビーム220)が荷電粒子源から生成される。ステージ(例えば、図8のステージ860)上に配置されたサンプルには、一次荷電粒子ビームが照射される。いくつかの実施形態では、サンプルの少なくとも一部には、一次荷電粒子ビームの少なくとも一部が照射されることがある。一次荷電粒子ビームは、例えば、電子源から生成された電子ビームであることがある。電子源は、限定されるものではないが、タングステンフィラメント若しくはLaB6カソードからの電子の熱電子放出、又はタングステン/ZrO2冷カソードからの電子の電界放出を含むことがある。
[00188] サンプルは、ステージ上に直接配置されることがある。いくつかの実施形態では、サンプルは、サンプルホルダなどのアダプタ上に配置され、ステージ上に配置され、且つステージに固定されることがある。サンプル、サンプルホルダ、及びステージの幾何学的中心は、互いに且つ一次光軸(例えば、図8の一次光軸801)と位置合わせされることがある。サンプル、サンプルホルダ、及びステージは、一次光軸に直交又は実質的に直交する平面内に配置されることがある。いくつかの実施形態では、サンプル又はステージは、一次荷電粒子ビームが90°よりも小さな又は大きな角度でサンプルに入射するように、オフアクシスに傾斜されることがある。いくつかの実施形態では、サンプル及びステージは、X、Y、又はZ軸の何れかにおけるステージの変位により相応にサンプルの変位がもたらされるように、機械的に結合されることがある。いくつかの実施形態では、サンプルホルダ及びステージは、オーミック接触又は有意でない電位勾配がサンプルホルダとステージとの間に生じ得るように電気的に結合されることがある。いくつかの実施形態では、サンプル及びサンプルホルダは、オーミック接触又は有意でない電位勾配がサンプルとサンプルホルダとの間に生じ得るように電気的に結合されることがある。
[00189] ステップ1320では、一次荷電粒子ビームの焦点は、サンプルに関連する電磁界を操作することにより更に調整されることがある。焦点を調整する前に、Z軸におけるステージの位置は、サンプルの表面又は実質的に表面に一次荷電粒子ビームの初期焦点を形成するように調整される。本明細書で使用される場合、初期焦点とは、荷電粒子ビームの焦点の近似点又は近似面を指す。いくつかの実施形態では、ステージの位置を調整することは、光学式高さセンサ(例えば、図8の高さセンサ840)を含む精密な光学式位置センシング技術を使用して、ステージの決定された初期位置と一次荷電粒子ビームの所望の焦点面とに基づいてZ軸におけるステージの初期位置を決定することと、一次荷電粒子ビームの初期焦点がサンプルの表面に又は表面の実質的に近傍に形成されるようにステージの位置を調整することとを含むことがある。いくつかの実施形態では、サンプルの上面に初期焦点を形成することが望ましいことがある。
[00190] いくつかの実施形態では、高さセンサは、予め定められた放出波長を有するレーザ光をステージに、又はステージ上に配置されたサンプル(例えば、図8のウェーハ850)に照射するレーザ源を含むレーザダイオードアセンブリと、サンプルの表面から反射されたレーザを検出するように構成されたレーザ検出器とを含むことがある。高さセンサは、ステージ制御モジュール(例えば、図3のステージ制御モジュール362)、ビーム制御モジュール(図3のビーム制御モジュール365)、又はその両方と通信することがある。いくつかの実施形態では、ステージ制御モジュール及びビーム制御モジュールは、サンプル上の一次荷電粒子ビームの焦点に合わせてステージの高さを調整するために互いに通信することがある。
[00191] サンプルに関連する電磁界は、サンプルに影響を及ぼす電界及び磁界を含むことがある。電磁界を操作することにより、荷電粒子ビームの初期焦点を更に調整してサンプル上に最終焦点を形成することが可能となることがある。電磁界は、例えば、対物レンズアセンブリ(例えば、図8の対物レンズアセンブリ820)の制御電極(例えば、図8の制御電極824)に印加される電気信号を調整すること、ステージへの電気信号を調整すること、又は荷電粒子ビームの特性に影響を及ぼすように構成された磁界を調整することにより操作されることがある。
[00192] いくつかの実施形態では、電磁界を操作することは、対物レンズアセンブリの制御電極に印加される電気信号を調整することを含むことがある。荷電粒子ビームの初期焦点は、制御電極の電気励起を調整することによりZ軸に沿って調整されることがある。荷電粒子ビームの初期高さ調整又は初期焦点は、光学測定に基づいてステージの高さを調整することにより達成される。初期焦点が形成された後に、荷電粒子ビームの経路又はエネルギーを調整し、それにより焦点を調整するために、制御電極の電気励起を変化させることがある。例えば、制御電極に印加される電圧信号を変化させることにより、荷電粒子ビームが受ける電界が操作され、それにより、サンプル表面上の荷電粒子ビームの焦点の調整が可能となることがある。本明細書で説明するような、光学機械技術と電気技術との組み合わせにより、ユーザが高い撮像分解能を得ることが可能となることがある。
[00193] いくつかの実施形態では、電磁界を操作することは、ステージに印加される電気信号を調整することを含むことがある。荷電粒子ビームの初期焦点は、ステージに印加される電圧信号を調整することによりZ軸に沿って調整されることがある。ステージに印加される電圧信号により、サンプル表面上への荷電粒子ビームのランディングエネルギーが調整されることがある。本明細書で使用される場合、荷電粒子ビームのランディングエネルギーは、荷電粒子がサンプルに衝突するときの荷電粒子のエネルギーとして定義されることがあり、加速電圧とステージ/サンプルバイアス電圧との差である。入射する一次荷電粒子ビームの焦点を調整することにより画像分解能及びコントラストを改善するために、ユーザは、ステージにビームエネルギー修正電圧を印加して、サンプルに入射する荷電粒子ビームのビームエネルギーを減少又は増加させることがある。
[00194] いくつかの実施形態では、荷電粒子がサンプルに入射する前に荷電粒子を減速させる(より低いランディングエネルギー)又は加速させる(より高いランディングエネルギー)ように、ステージ又はサンプルに電圧が印加されることがある。例えば、SEMでは、高電圧(コラム内に印加される加速電圧)が12kVであり且つステージ/サンプルバイアス電圧が-9kVである場合に、電子が、まずコラム内で12keVのエネルギーまで加速され、次いで、コラムから離れた後に、9keVだけ減速され、その結果、入射する荷電粒子ビームの有効な高電圧は3kVであり、荷電粒子ビームの荷電粒子のランディングエネルギーは3keVである。サンプルに入射する荷電粒子を加速又は減速させることにより、サンプルへの侵入深さが変化することがある。より低いランディングエネルギー、例えば、1keV未満では、荷電粒子ビームは、主にサンプルの上面と相互作用することがある。例えば、1keV~6keVのより高いランディングエネルギーでは、侵入深さがより大きいことがあり、したがって、サンプルのバルクからの情報を提供する。いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームのランディングエネルギーは、250eV~6keVの範囲である。より低いランディングエネルギーはバルク分析を回避することがあるが、生成される二次荷電粒子の信号強度が低いことがあり、これによりサンプルを分析する能力に悪影響を及ぼす。その一方で、より高いランディングエネルギーは、バルク及び表面下情報を抽出するために望ましいことがあるが、サンプルを変化させることがあり、これによりサンプルを分析する能力に悪影響を及ぼす。いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームのランディングエネルギーは、サンプル、要件、及び用途に基づいて、500eV~3keVの範囲である。
[00195] 荷電粒子ビームのランディングエネルギーを調整することは、1つ又は複数の電気信号をステージに印加することを含むことがある。いくつかの実施形態では、電気信号は、電気信号の第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントを含むことがある。電気信号の第1のコンポーネントは、荷電粒子ビームの加速に影響を及ぼし、ひいては、Z軸におけるステージの位置を調整することにより形成される初期焦点を微調整するために、ステージ又はサンプルに印加される電圧を含むことがある。いくつかの用途では、サンプル上の初期焦点における荷電粒子ビームの焦点は適切でないことがあり、それゆえ、荷電粒子ビームは、例えば、より良好な分解能及びコントラストを達成するために更に集束又は調整されることがある。いくつかの実施形態では、電圧信号の第1のコンポーネントは、サンプル表面上の荷電粒子ビームの初期焦点を粗調整するように構成されることがある。本明細書で使用される場合、初期焦点の粗調整とは、Z軸に沿った焦点の調整を指すことがある。いくつかの実施形態では、第1の電圧信号は、5KV~10KVの範囲の電圧信号を含むことがある。
[00196] 電気信号の第2のコンポーネントは、Z軸におけるステージの位置を調整することにより形成される初期焦点を微調整するためにステージ又はサンプルに印加される電圧であることがある。本明細書で使用される場合、初期焦点の微調整とは、シャープな焦点を達成するためのZ軸に沿った焦点の調整を指すことがある。電圧信号の第2のコンポーネントは、入射する荷電粒子ビームを偏向させて、X、Y、又はZ軸に沿った僅かな位置調整を可能にし、よりシャープな焦点を可能にすることがある。いくつかの実施形態では、電圧信号の第2のコンポーネントは、-150V~+150Vの範囲の電圧信号を含むことがある。印加される電圧信号の第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントが、限定されるものではないが、用途、サンプル、及びツール条件を含む要因に基づいて、本明細書で述べた範囲よりも高い又は低いものであり得ることを理解されたい。
[00197] いくつかの実施形態では、サンプル表面に入射する荷電粒子ビームのランディングエネルギーは、電気信号を印加することにより電磁界を操作するように調整されることがある。いくつかの実施形態では、電気信号は、1つの供給源により印加されることがある。電気信号は、1つ又は複数のコンポーネントを有する電圧信号を含むことがある。例えば、焦点の粗調整のための電圧信号の第1のコンポーネントが-9KVであり、且つ焦点の微調整のための電圧信号の第2のコンポーネントが-100Vである場合には、電気信号は-9.1KVの電圧信号を含む。代替的に、焦点の粗調整のための電圧信号の第1のコンポーネントが-9KVであり、且つ焦点の微調整のための電圧信号の第2のコンポーネントが+100Vである場合には、電気信号は-8.9KVの電圧信号を含む。いくつかの実施形態では、電圧信号の第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントは、それぞれ、粗調整信号及び微調整信号を含むことがあり、電気信号は、電圧信号の第1のコンポーネント及び第2のコンポーネントの数値和であることがある。適宜、電気信号が2つ以上のコンポーネントを含み得ることを理解されたい。
[00198] いくつかの実施形態では、サンプルに関連する電磁界を操作することは、サンプルに関連する磁界を調整することを含むことがある。いくつかの実施形態では、電気信号を印加することによる電界の調整により、磁界の調整がもたらされることがある。電気又は磁性コンポーネントによる磁界の調整により、荷電粒子ビームの特性が影響を受けることがある。例えば、電磁レンズのコイルを通過する電流は、荷電粒子ビームを集束させるために使用され得る磁極片のボア内に磁界を作り出す。いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームの特性は、限定されるものではないが、荷電粒子ビームの経路、方向、速度、又は加速度を含むことがある。いくつかの実施形態では、磁石を使用して電界を調整することにより、磁界の調整がもたらされることがある。適宜、任意の種類の磁石が、磁界を調整するために使用され得ることを理解されたい。
[00199] ステップ1330では、複数の焦点面が、電磁界の操作に基づいて形成されることがある。3D撮像モードでは、荷電粒子ビームは、荷電粒子ビームの焦点面がフィーチャの上部平面(例えば、図12の上部平面1215)と一致し得るように、フィーチャの上面(例えば、図12のフィーチャ1210)に集束されることがある。上部平面と一致する焦点面は、第1の焦点面と呼ばれることもある。画像取得システム(例えば、図10の画像取得システム1060)は、フィーチャの上面の第1の画像フレーム(例えば、図12の第1の画像フレーム1220)を取得するように構成されることがある。荷電粒子ビームは、例えば、光学機械手段によりサンプル上に荷電粒子ビームの初期焦点を形成するようにステージの高さを調整することと、限定されるものではないが、荷電粒子のランディングエネルギーを調整すること、制御電極の電気励起を調整すること、又はステージバイアス電圧を調整することを含む電気的手段により初期焦点を調整することとにより、集束されることがある。
[00200] 次いで、荷電粒子ビームの焦点は、第1の焦点面から下方にある距離だけ離れて位置する第2の焦点面(例えば、図12の中間平面1225)に合焦するように調整されることがある。第1の焦点面と第2の焦点面との間の距離は、用途又は要件に基づいてユーザにより予め決定されることがある。いくつかの実施形態では、距離は、撮像されるフィーチャ又はサンプルの材料に基づいて動的に調整されることがある。画像取得システムは、より深い中間平面(例えば、図12の中間平面1225)においてフィーチャの第2の画像フレームを取得するように構成されることがある。荷電粒子ビームの焦点面は、電界若しくは磁界、又はその両方を操作することによりサンプルのより深部にシフトされることがある。いくつかの実施形態では、焦点面の位置は、対物レンズの制御電極に印加される電圧を調整することによりシフトされることがある。制御電極に印加される電圧を調整することにより、サンプルに関連する電磁界が操作されて、サンプルに入射する荷電粒子の経路が影響を受けることがある。例えば、荷電粒子は、電気励起と印加された電圧信号とに基づいて、加速され、減速され、偏向され、フィルタリングされ、又は集束されることがある。したがって、複数の焦点面(例えば、図12の中間平面1225、1235、1245、及び1255)は、電磁界の操作に基づいて形成されることがある。中間焦点面の数が適宜調整され得ることを理解されたい。
[00201] ステップ1340では、画像取得システムは、焦点面において2つ以上の画像フレームを生成することがある。いくつかの実施形態では、画像取得システムは、焦点面に対応する1つの画像フレームを生成することがある。画像取得システムは、コントローラ(例えば、図10のコントローラ1009)と通信するように構成されることがある。例えば、所望の焦点が得られたと判断した後に、コントローラは、その焦点において1つ又は複数の画像フレームを画像取得システムに取得させることがある。画像取得システムは、コントローラを通じて又はユーザにより操作されることがある。いくつかの実施形態では、画像取得システムは、ソフトウェア、アルゴリズム、又は1組の命令などのコンピュータで実行されるプログラムを通じて遠隔操作されることがある。取得した画像フレームは、記憶媒体に記憶されることがあり、走査された生の画像データを元画像として保存し、且つ処理後の画像を保存するために使用されることがある。焦点面、取得条件、ツールパラメータなどに関連する情報もまた、記憶媒体に記憶されることがある。
[00202] ステップ1350では、画像取得システムにより取得された画像フレーム及び対応する焦点面情報は、3D画像(例えば、図12の3D画像1270)を生成するように再構成されることがある。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの画像フレーム及び関連する焦点面情報は、例えば、フィーチャの3D画像の生成、クリティカルディメンジョン情報の抽出、オーバーレイシフトの決定などに使用されることがある。画像フレームは、コンピュータで実行される3D再構成アルゴリズム、ソフトウェアプログラム、又は画像処理プログラムなどを使用して再構成されることがある。
[00203] ウェーハ製造工場などの生産設備でのウェーハの高スループット検査は、SEM装置のステージが繰り返しパターンのストップ&ゴー動作で迅速且つ正確に移動することを必要とすることがある。ストップ&ゴー動作は、数ミクロン又は数ナノメートル程度変位させるべきステージの高加速、高減速、及び急停止の複数のサイクルを含むことがある。高速且つ高加速度でステージを移動させることにより、システム力学に起因して振動が発生することがあり、次いで、システム内で動的共振が生じる、例えば、建設的に干渉する振動波が、荷電粒子ビームシステム全体にわたってより高振幅の振動を生じさせることがある。ステージを移動させることにより生じる振動により、2つ以上の軸における並進誤差又は変位誤差がもたらされることがある。例えば、X-Y軸に移動するステージ上に配置されたウェーハ上のダイを検査する間に、他の移動又は非移動コンポーネントとの動的共振を生じさせ、Z軸におけるステージ振動を生じさせることがある。
[00204] 見られるいくつかの課題のうちの1つは、中でもとりわけ、振動に起因する検査分解能の損失及び不適切な振動補償を含む。既存の荷電粒子ビームシステムでは、ステージは、収容チャンバに機械的に結合され、それゆえ、ステージを移動させることで生じる振動により、収容チャンバ及びそれに取り付けられたコンポーネントの振動が生じることがある。例えば、ステージの振動により、中でもとりわけ、収容チャンバ、収容チャンバの表面に取り付けられた位置センサ、収容チャンバに取り付けられた荷電粒子ビームコラムの振動が生じる可能性がある。しかしながら、位置センサは、ステージの振動又はステージ上に配置されたウェーハの振動を決定するために用いられ得るが、荷電粒子ビームコラムの振動及び位置センサ自体は、検出されない若しくは不適切に検出されることがあり、ビームコントローラに印加される不正確なビーム偏向信号を生じさせ、それにより、検査分解能の損失及び検査スループットの低下をもたらす。
[00205] 更に、SEMなどの既存の検査システムでは、ステージからの位置センサ測定は、振動を補償するためのビーム偏向器への作動信号の印加と非同期であることがあり、振動の不正確な補償と検査分解能の損失とをもたらす。タイミングの不一致の理由の1つは、振動補償信号を生成するための振動信号のデジタル信号処理により生じる遅延によるものである。加えて、現在使用されている振動検出及び補正技術は、傾斜、ねじれ、回転などのステージの様々な振動モードを適切に区別するように構成されていないことがあり、それゆえ、振動は、過少補償されるか、過剰補償されるか、又は補償されないことがある。したがって、振動モードを適切に特定して特定に基づいて振動を補償し且つ振動を動的に予測して計算及び測定遅延を正確に補償するシステム及び方法を提供することが望ましいことがある。
[00206] ここで、本開示の実施形態と一致する、荷電粒子ビームシステム内のステージ1450(例えば、ステージ201とすることができる)の並進及び回転軸を図示する概略図である、図14を参照する。いくつかの実施形態では、ステージ1450は、ウェーハステージ、ウェーハチャック、サンプルホルダ、又は較正ユニットを含むことがある。限定されるものではないが、撮像されるウェーハ又はデバイスを含むサンプルは、ステージ1450上に配置されることがある。サンプルは、例えば、真空補助固定機構を介してステージ1450上に固定されることがある。いくつかの実施形態では、ウェーハチャック(図示せず)は、ステージ1450上に固定されることがあり、サンプルは、ウェーハチャック上に配置されることがある。このような構成では、ウェーハチャックは、ステージ1450に機械的に結合されることがあり、サンプルは、中でもとりわけ、機械的結合部、真空補助手段、又はこれらの組み合わせを使用してウェーハチャック上に固定されることがある。
[00207] いくつかの実施形態では、ステージ1450は、6自由度を有する調整可能なステージを含むことがある。ステージ1450は、図14に表すように、X、Y、又はZ軸などの線形並進軸の1つ又は複数に、或いはRx、Ry、又はRz軸などの回転軸の1つ又は複数に移動するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、ステージ1450は、Z軸が一次光軸(例えば、図8の一次光軸801)に実質的に平行になり、且つX軸及びY軸が一次光軸に実質的に垂直になるように配置されることがある。いくつかの実施形態では、ステージ1450は、限定されるものではないが、中でもとりわけ、一次荷電粒子ビームとサンプルとの相互作用の量、検査すべきサンプルの領域、所望の分析を含めて調整するために、回転軸の1つ又は複数に沿って傾斜されることがある。
[00208] いくつかの実施形態では、移動ステージ1450は、任意の並進又は回転軸を中心とする振動を生じさせることがある。例えば、ステージ1450をX-Y平面に沿って移動させることにより、ロール軸(Rx軸)、ピッチ軸(Ry軸)、若しくはヨー軸(Rz軸)、又はこれらの組み合わせを中心とするステージ1450の振動が生じることがある。いくつかの実施形態では、ステージ1450の振動は、移動に対して6自由度を有することがあり、振動は、1つ又は複数の軸を中心とする回転、揺動、傾斜、シフトなどの1つ又は複数の振動モードを含むことがある。ビームがサンプルに入射するX/Y位置、又はビームの焦点深度などの、入射する一次荷電粒子ビームの特性を調整するように構成されたビーム偏向信号により振動を補償するために、ステージ1450の振動モードを検出し、分離し、且つ特定することが望ましいことがある。図14は、例示的なステージ1450についての移動と移動により生じる振動の並進及び回転軸を図示するが、収容チャンバ、SEMコラム、位置センサなども、並進及び回転軸の1つ又は複数を中心に振動し得ることが理解される。
[00209] ここで、本開示の実施形態と一致する荷電粒子ビームシステム1500を図示する、図15を参照する。荷電粒子ビームシステム1500は、収容チャンバ1510と、収容チャンバ1510上に配置された位置センサ1522及び1524と、加速度センサ1526と、荷電粒子ビームコラム1530(本明細書ではSEMコラムとも呼ばれる)と、ステージ1560(図2~図4のステージ201とすることができる)のウェーハチャック1562上に配置されたサンプル1550とを含むことがある。荷電粒子ビームシステム1500は、振動信号を受信して荷電粒子ビームシステム1500の1つ又は複数のコンポーネントの振動を補償するための振動補償信号を生成するように構成された制御モジュール1570を更に含むことがある。制御モジュール1570は、位置センサ1522及び1524並びに加速度センサ1526から受信された信号を処理するように構成されたプロセッサ1574を含む信号プロセッサ1572と、ビーム走査信号1575を受信するように構成されたデジタル画像コントローラ1576と、SEMコラム1530に印加すべきビーム偏向信号1580を生成するように構成されたアクチュエータ1578とを含むことがある。代替的に、荷電粒子ビームシステム1500(電子ビームシステムなど)は、図2の撮像システム200又は図1のEBIシステム100の一部であることがある。明示的に説明されていないが、荷電粒子ビームシステム1500が、限定されるものではないが、ビーム集束、ビーム偏向、電子検出、ビーム電流制限などを含む、機能を果たすための他の標準又は非標準コンポーネントを含み得ることを理解されたい。説明したコンポーネントが、適宜、述べた機能よりも多くの又は少ない機能を果たし得ることを理解されたい。
[00210] 図15に図示するように、荷電粒子ビームシステム1500は、限定されるものではないが、中でもとりわけ、ステージ1560、ウェーハチャック1562、サンプル1550、位置センサ1522及び1524、荷電粒子ビームコラム1530の一部を含むコンポーネントを収容するように構成された収容チャンバ1510を含むことがある。いくつかの実施形態では、収容チャンバ1510は、図1のチャンバ101と実質的に同様であることがあり、図1のチャンバ101と実質的に同様の機能を果たすことがある。荷電粒子ビームコラム1530の一部は収容チャンバ1510内に収容されるものとして図示されているが、荷電粒子ビームコラム1530は全体が収容チャンバ1510内に収容され得ることが理解される。
[00211] いくつかの実施形態では、収容チャンバ1510は、荷電粒子ビームコラム1530の電気機械コンポーネントを収容するように構成されることがある。本開示の文脈では、荷電粒子ビームコラム1530の電気機械コンポーネントは、限定されるものではないが、ステージ1560、ウェーハチャック1562、サンプル1550、ステージ動作制御モータ、駆動部などを含むことがある。収容チャンバ1510は、荷電粒子ビームシステム1500により得られた画像の全体的性能及び検査分解能への振動の影響を最小限に抑えるために、防振プラットフォーム又は振動減衰プラットフォーム(図示せず)上に配置されることがある。
[00212] いくつかの実施形態では、ステージ1560は、X、Y、Z、Rx、Ry、又はRz軸(図14のステージ1450に関して説明したものなど)の1つ又は複数に移動するように構成されることがある。ステージ1560は、ステージ1560上に配置されて固定されたウェーハチャック1562を含むことがある。いくつかの実施形態では、ステージ1560は、X及びY軸に移動するように構成されることがあり、ウェーハチャック1562は、Z軸に移動するように構成されることがある。サンプル1550は、機械的クランプ、真空補助クランプ、又は他の好適な非接触クランプ機構を使用して、ウェーハチャック1562上に配置されることがある。例えば、ウェーハチャック1562は、検査のために1つ又は複数の軸に移動させる一方でサンプル1550を保持して固定するように構成された真空サンプルホルダを含むことがある。いくつかの実施形態では、ウェーハチャック1562は、中でもとりわけ、入射する一次荷電粒子ビームのランディングエネルギーを調整するために帯電するように構成されることがある。1つ又は複数の軸におけるサンプル1550の位置を調整することが可能なステージ1560上にサンプル1550が直接配置され、これによりウェーハチャック1562が不要となり得ることを理解されたい。
[00213] いくつかの実施形態では、ステージ1560は、ステージ1560の振動により収容チャンバ1510の振動も生じ得るように、収容チャンバ1510に機械的に結合されることがある。本開示の文脈では、機械的に結合されるとは、(例えば、多数の中間コンポーネントを介して)収容チャンバ1510の一部に物理的に取り付けられること、又は収容チャンバ1510の一部に物理的に接触することを指す。ステージ1560は、限定されるものではないが、熱溶接、スポット溶接、リベット接合、はんだ付け、接着などを含む技術を使用して、収容チャンバ1510に機械的に結合されることがある。いくつかの実施形態では、結合機構は、収容チャンバ1510内の真空圧力に対する機構の影響に依存することがある。例えば、いくつかの金属接着剤は、ガスを放出し、収容チャンバ1510内での実質的な漏れを生じさせるので、荷電粒子ビームシステム1500の全体的な検査分解能に悪影響を及ぼすことがある。
[00214] 荷電粒子ビームシステム1500は、荷電粒子ビーム(例えば、電子ビーム)を生成してサンプル1550上に集束させるように構成された荷電粒子ビームコラム1530を含むことがある。いくつかの実施形態では、SEMコラム1530は、電気光学コンポーネントと呼ばれることがある。電気光学コンポーネントは、荷電粒子を生成するように構成された荷電粒子源と、例えば、生成された荷電粒子ビームをサンプル1550上に集束させるように構成された複数のレンズ(光学及び電磁)及びアパーチャとを含むことがある。いくつかの実施形態では、SEMコラム1530は、収容チャンバ1510の振動によりSEMコラム1530の振動が生じ得るように、収容チャンバ1510の一部に機械的に結合されることがある。
[00215] 荷電粒子ビームシステム1500は、ステージ1560の変位を決定するように構成された位置センサ1522及び1524を含むことがある。位置センサ1522及び1524は、レーザ干渉計を含むことがある。荷電粒子ビームシステム1500の位置センシングシステムは、2つ以上の位置センサと、他の好適なコンポーネント、例えば、中でもとりわけ、信号増幅器、バンドパスフィルタ、データ記憶ユニット、データ処理ユニットも含み得ることを理解されたい。
[00216] いくつかの実施形態では、位置センサ1522及び1524は、中でもとりわけ、1次元位置感応検出器(1-D PSD)を含むレーザダイオードセンサアセンブリ、又はフォトダイオードの線形アレイを含むことがある。いくつかの実施形態では、位置センサ1522及び1524は、ステージ1560の側方変位を決定するように構成されることがある。本明細書で言及するように、ステージ1560の側方変位は、X又はY軸におけるステージ1560の目標位置と実際の位置との差に相当することがある。
[00217] いくつかの実施形態では、位置センサ1522及び1524は、ステージ1560の振動モードを検出するように構成されることがある。例えば、位置センサ1522は、X軸におけるねじれ、傾斜、回転などの振動モードを検出するように構成されることがあり、位置センサ1524は、Y軸におけるねじれ、傾斜、回転などの振動モードを検出するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、3つ以上の位置センサが用いられることがある。例えば、X軸に沿った振動を検出するための第1の位置センサ、Y軸に沿った振動を検出するための第2の位置センサ、Rx軸を中心とする振動を検出するための第3のセンサ、及びRy軸を中心とする振動を検出するための第4のセンサ。レーザ干渉計などのより少ない又はより多くの位置センサが、所望のセンシングの複雑さ及び正確さ、用途、サンプルなどに基づいて用いられ得ることが理解される。他の位置センシング及び振動検出技術が、適宜使用されることがある。
[00218] 例示的な位置センサ1522及び1524は、位置センサ1522及び1524の出力が分析されてビーム特性を更に調整して振動を補償するために使用されるように、制御モジュール1570(後に詳細に説明する)と通信するように構成されることがある。位置センサ1522及び1524は更に、変位信号を含む出力信号を生成するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の位置センサ1522及び1524からの出力データは、荷電粒子ビームシステム1500にビーム偏向信号を印加することにより、ビーム焦点、ビームエネルギー、ビーム走査速度、ビーム走査周波数、ビーム走査持続時間、又はビーム走査範囲を修正するために使用されることがある。入射ビームを集束させる他の好適な手段が用いられ得ることが理解される。
[00219] いくつかの実施形態では、1つ又は複数の位置センサ1522及び1524は、収容チャンバ1510の表面に配置されることがある。位置センサ1522及び1524としてレーザ干渉計を含む構成では、レーザ干渉計の光検出器表面は、ステージ1560又はサンプル1550の変位又は振動を表す光信号を受信するように位置決めされることがある。いくつかの実施形態では、位置センサ1522及び1524は、適宜、収容チャンバ1510に機械的に結合されるか又は収容チャンバ1510に装着されることがある。いくつかの実施形態では、位置センサ1522及び1524は、X、Y、Z、Rx、Ry、Rz軸の1つ又は複数におけるステージ1560又はサンプル1550の位置を調整し、X、Y、Z、Rx、Ry、Rz軸の1つ又は複数における振動を検出するように構成されることがある。
[00220] いくつかの実施形態では、位置センサ1522及び1524は、例えば、ホモダインレーザ干渉計又はヘテロダインレーザ干渉計を含むことがある。ホモダインレーザ干渉計は、単一周波数レーザ源を使用し、それに対して、ヘテロダインレーザ干渉計は、近接した2つの周波数を有するレーザ源を使用する。レーザ源は、633nmの波長のレーザ光を発するHe-Neガスレーザを含むことがある。単一又は多数の波長放射又は周波数放射を有する他のレーザ源も適宜使用され得ることが理解される。
[00221] 例として、レーザ干渉計を使用するステージ位置決め又は振動検出は、分割された2つのレーザビームが基準ミラーと各方向においてステージに取り付けられたミラーとに誘導されることを含むことがある。干渉計は、ステージミラーの位置と基準ミラーの位置とを比較して、あらゆるステージ位置誤差を検出して補正することがある。例えば、X軸に対する1つのレーザ干渉計、及びY軸に対する第2のレーザ干渉計。いくつかの実施形態では、2つ以上のレーザ干渉計が、X又はY軸などの、単一の軸に対して使用されることがある。他の好適な技術が用いられることもある。いくつかの実施形態では、図15に示すように、追加のレーザ干渉計が、Rx軸及びRy軸における振動検出のために用いられることがある。
[00222] SEMなどの荷電粒子ビームシステムに見られるいくつかの課題のうちの1つは、中でもとりわけ、検出されない振動に起因する検査分解能の損失及び検出された振動の不適切な補償を含む。例えば、既存の検査システムでは、ステージ1560の振動により、収容チャンバ1510の振動が生じることがあり、収容チャンバ1510の振動により、SEMコラム1530の振動が生じることがある。SEMコラム1530のこれらの振動は、検出されず、それゆえ、補償されないままであることがある。それゆえ、SEMコラム1530の振動を検出し、決定し、且つ補償する方法又はシステムを提供することが望ましいことがある。
[00223] 荷電粒子ビームシステム1500は、SEMコラム1530の振動を決定するように構成された加速度センサ1526を含むことがある。加速度センサ1526は、SEMコラム1530の振動又はSEMコラム1530の動作の加速度を測定するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、加速度センサ1526は、圧電型加速度計、容量性加速度計、微小電気機械システム(MEMS)ベースの加速度計、又は圧電抵抗加速度計を含むことがある。振動を測定するように構成された、圧電型加速度計では、振動又は動きの変化(加速度)により生じる力により、質量が圧電材料を「押しつぶし」、圧電材料が、圧電材料に及ぼされた力に比例する電荷を生成する。電荷は力に比例し且つ質量は一定であるので、電荷は加速度にも比例する。
[00224] いくつかの実施形態では、加速度センサ1526は、高インピーダンス電荷出力型加速度計を含むことがある。この種類の加速度計では、圧電結晶は電荷を生成し、これは測定器に直接接続される。いくつかの実施形態では、加速度センサ1526は、低インピーダンス出力型加速度計を含むことがある。低インピーダンス加速度計は、電荷加速度計と、その電荷を低インピーダンス電圧信号に変換するトランジスタを含むマイクロ回路とを有する。低インピーダンス加速度計は、加速度計の周波数応答又は感度に基づいて電圧信号を生成することがある。他の好適な種類の加速度計も適宜用いられ得ることが理解される。
[00225] いくつかの実施形態では、加速度センサ1526は、SEMコラム1530の振動を検出し、限定されるものではないが、傾斜、回転、ねじれ、シフトなどを含む振動モードを検出するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームシステム1500は、SEMコラム1530に装着された2つ以上の加速度センサ1526を含むことがある。加速度センサ1526により生成される出力信号は、電圧信号などの電気信号を含むことがある。加速度計は、検出された振動に応答して且つ検出された振動の周波数に基づいて、電圧信号を生成することがある。
[00226] 荷電粒子ビームシステム1500は、荷電粒子ビームシステム1500の振動信号を処理して振動を補償するためにSEMコラム1530に振動補償信号を印加するように構成された制御モジュール1570を含むことがある。いくつかの実施形態では、制御モジュール1570は、信号コントローラ1572と、ビーム走査信号1575を受信するように構成された画像コントローラ1576と、SEMコラム1530に印加すべきビーム偏向信号1580を生成するように構成されたアクチュエータ1578とを含むことがある。
[00227] 振動検出及び補償のための既存の技術では、位置センサにより生成される振動信号は、振動補償信号を形成するためにビーム走査信号に直接加えられることがある。この手法に関するいくつかの問題のうちの1つは、振動補償信号が全ての並進及び回転軸における振動モードを考慮に入れているわけではないので、検査分解能の損失をもたらす振動の不適切な補償を含むことがある。追加的に、振動信号がビーム走査信号に直接加えられるので、振動の測定と振動補償の適用との間の遅延が考慮されないことがあり、過少補償するか又は過剰補償する振動補償信号をコントローラに生成させる。それゆえ、特定された振動モードに基づいて振動補償を決定し、計算遅延と制御サンプリング遅延とを補償するために振動を推定する方法を提供することが望ましいことがある。
[00228] いくつかの実施形態では、制御モジュール1570は、位置センサ1522及び1524並びに加速度センサ1526から振動検出に関連する信号を受信するように構成されることがある。制御モジュール1570は、位置センサ1522及び1524並びに加速度センサ1526からの信号を受信するように構成された信号プロセッサ1572を含むことがあり、更に、受信信号を利用してステージ1560及びSEMコラム1530の振動モードを特定するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、信号プロセッサ1572は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)ベースのコントローラを含むことがあり、位置センサ1522及び1524並びに加速度センサ1526からの振動信号を処理するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、信号プロセッサ1572は、デジタル振動推定コントローラ(DVEC)と呼ばれることもあり、位置センサ1522及び1524並びに加速度センサ1526からの入力振動信号に基づいて振動モードを特定するように構成されることがある。
[00229] いくつかの実施形態では、信号プロセッサ1572は、例えば、プロセッサ1574により実行される動的振動推定アルゴリズム(図16を参照して詳細に後述する)を使用して位置センサ1522及び1524並びに加速度センサ1526からの信号に基づいて振動補償信号を決定するように構成されることがある。信号プロセッサ1572は、プロセッサ1574又は信号プロセッサ1572をサポートするための、限定されるものではないが、中でもとりわけ、データ記憶ユニット、メモリ、タイミング制御回路を含む他の関連するコンポーネント(図示せず)を含むことがある。
[00230] いくつかの実施形態では、信号プロセッサ1572は、例えば、プロセッサ1574により実行される動的振動推定アルゴリズムを使用して位置センサ1522及び1524並びに加速度センサ1526からの信号に基づいて予測振動信号を決定するように構成されることがある。予測振動信号は、ビーム走査信号1575と組み合わせてデジタル画像コントローラ1576に印加されることがある。ビーム走査信号1575は、デジタル画像コントローラ1576に直接印加されることがあり、又は制御モジュール1570を介してデジタル画像コントローラ1576に印加されることがある。いくつかの実施形態では、ビーム走査信号1575は、中でもとりわけ、ユーザ、ホスト、又はビーム制御モジュール(例えば、図3のビーム制御モジュール365)により生成されることがある。デジタル画像コントローラ1576は、ビーム走査信号1575と信号プロセッサ1572からの予測振動信号とに基づいて補償されたビーム走査信号を生成するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、好ましくないが、信号プロセッサ1572は、ホストからビーム走査信号1575を受信して、位置センサ1522及び1524並びに加速度センサ1526からの信号に基づいて予測振動信号を決定するように構成されることがある。
[00231] いくつかの実施形態では、制御モジュール1570は、デジタル画像コントローラ1576からの補償されたビーム走査信号を受信して、受信された補償されたビーム走査信号に基づいてビーム偏向信号1580を生成するように構成されたアクチュエータ1578を更に含むことがある。いくつかの実施形態では、アクチュエータ1578は、デジタル信号処理技術を使用して電気波形を生成するように構成されたデジタル波ジェネレータを含むことがある。ビーム偏向信号1580は、SEMコラム1530に印加されることがある。いくつかの実施形態では、ビーム偏向信号1580は、ビーム偏向コントローラ(例えば、図3のビーム偏向コントローラ367)又はビーム制御モジュール(例えば、図3のビーム制御モジュール365)を通じてSEMコラム1530に印加されることがある。ビーム偏向信号1580は、例えば、検出された振動に基づいて一次荷電粒子ビームの特性を調整することにより荷電粒子ビームシステム1500の振動を補償するように構成されることがある。信号プロセッサ1572、デジタル画像コントローラ1576、及びアクチュエータ1578は、制御モジュール1570のコンポーネントとして図示されているが、これらのコンポーネントの1つ又は複数は、荷電粒子ビームシステム1500の独立した要素として使用され得ることが理解される。例えば、制御モジュール1570は、信号プロセッサ1572及びデジタル画像コントローラ1576を含むことがあり、その一方で、アクチュエータ1578を個別に動作させることがある。荷電粒子ビームシステム1500は、制御モジュール1570を含まないことがあるが、代わりに、信号プロセッサ1572とデジタル画像コントローラ1576とアクチュエータ1578とを別個のコンポーネントとして含むことがあることも理解されたい。
[00232] ここで、本開示の実施形態と一致する、振動推定及び補償信号を決定する例示的なアルゴリズム1600のステップを図示する、図16を参照する。アルゴリズム1600の1つ又は複数のステップは、例えば、プロセッサ1574により実行されることがある。いくつかの実施形態では、アルゴリズム1600は、リアルタイムで実行されることがある。本開示の文脈では、「リアルタイム」とは、ミリ秒又はマイクロ秒程度の非常に短い期間内での事象の発生を指すことがある。換言すれば、事象と事象との間の無視できるほどの遅延での事象の発生。例えば、本開示の文脈では、ステップ1610は、位置センサ1522及び1524並びに加速度センサ1526による振動の測定のほぼ直後に実施されることがある。
[00233] アルゴリズム1600のステップ1610では、位置センサ1522及び1524並びに加速度センサ1526からの振動測定信号は、それぞれ、ステージ1560及びSEMコラム1530の振動モードを特定するために利用されることがある。信号プロセッサ1572(DVEC)は、振動モードの特定を実施するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、振動モードの特定は、位置センサ1522及び1524並びに加速度センサ1526からの信号の適合化を含むことがある。例えば、加速度センサ1526からの振動測定信号は、電圧信号を含むことがあり、それに対して、位置センサ1522及び1524からの振動測定信号は、距離信号又は変位信号を含むことがある。いくつかの実施形態では、信号プロセッサ1572は、加速度センサ1526からの電圧信号を対応する変位信号に変換するように構成されることがあり、その結果、ステージ1560及びSEMコラム1530からの振動モードの特定のための入力信号は適合性がある。
[00234] いくつかの実施形態では、振動モードの特定は、適合させた振動測定信号に基づいて、ステージ1560及びSEMコラム1530についての6自由度からの振動測定の振動モード特定マトリックスを形成することを更に含むことがある。振動モード特定マトリックスは、各方向(X、Y、Z、Rx、Ry、及びRz)における振動の測定を含むことがある。このステップでは、SEMコラム1530の振動モードは、ステージ1560を基準として特定されることがある。
[00235] ステップ1610での振動モードの特定は、加速度センサ1526からの振動測定値を使用して、ステージ1560の振動から位置センサ1522及び1524の振動を切り離すことを更に含むことがある。位置センサ1522及び1524は、収容チャンバ1510に装着され得るか又は機械的に結合され得るので、収容チャンバ1510の振動により、位置センサ1522及び1524の振動がもたらされることがある。位置センサ1522及び1524により得られた振動測定値は、ステージ1560の振動に加えて位置センサ1522及び1524の振動及び振動モードを含むことがある。それゆえ、位置センサ1522及び1524の振動からステージ1560の振動を切り離して分離することが望ましいことがある。
[00236] 振動モード特定マトリックスに基づいて、SEMコラム1530及びステージ1560の振動モードが決定されることがあり、対応する出力信号が生成されることがある。
[00237] ステップ1620では、ステップ1610からの特定された振動モードは、シミュレーションモデル又は数理モデルを使用して、SEMコラム1530及びステージ1560の振動を推定するために使用されることがある。いくつかの実施形態では、3次元有限要素解析モデル(3D-FEM)は、X、Y、Z、Rx、Ry、及びRz軸の何れか又は全てに沿ったSEMコラム1530及びステージ1560の振動を推定するために使用されることがある。
[00238] ステップ1630では、SEMコラム1530及びステージ1560の振動は、ステップ1620からの推定された振動に基づいて予測されることがある。デジタル信号処理技術に見られるいくつかの問題のうちの1つは、「1サンプル遅延」とも呼ばれる、計算及び測定遅延を含む。信号処理遅延の悪影響を軽減する目的で、振動を補償するために「予測」振動信号を決定して印加することが望ましいことがある。
[00239] この文脈では、1サンプル遅延は、振動の測定と作動信号又はビーム偏向信号1580の印加との間の遅延と呼ばれることがある。例えば、振動測定は、第1のタイムスタンプにおいて実施されることがあり、測定された振動を補償するための補正信号又はビーム偏向信号は、第2のタイムスタンプにおいて実施されることがあり、第1のタイムスタンプと第2のタイムスタンプとの時間差は、測定された振動信号を処理して振動補償信号を生成するのに必要な時間量である。時間遅延のため、測定された振動と印加された補償信号は非同期であり、それにより不正確な振動補償をもたらす。
[00240] デジタル信号処理遅延を補償するために、振動は、振動測定と補償信号の印加とが同期され得るように、第2のタイムスタンプにおけるSEMコラム1530及びステージ1560の推定された振動に基づいて予測及び予想されることがある。
[00241] いくつかの実施形態では、アルゴリズム1600のステップは、X軸、Y軸、又はRz軸の1つ又は複数におけるSEMコラム1530及びステージ1560の振動を予測するために実施されることがある。Z軸、Rx軸、又はRy軸における振動を補償するいくつかの方法のうちの1つは、中でもとりわけ、ランディングエネルギーを調整することにより、入射する一次荷電粒子ビームの焦点深度を調整することを含むことがある。
[00242] ここで、本開示の実施形態と一致する、荷電粒子ビーム(例えば、電子ビーム)を荷電粒子ビームシステム内のサンプル上に集束させる例示的な方法1700を示すフローチャートを図示する、図17を参照する。電子ビームをサンプル上に集束させる方法は、図1の荷電粒子EBIシステム100、図2の撮像システム200、又は荷電粒子ビームシステム1500により実施されることがある。荷電粒子ビームシステム1500は、サンプル(例えば、図15のサンプル1550)又はサンプル上の関心領域を観察し、撮像し、且つ検査するように制御され得ることが理解される。撮像することは、サンプルを走査して、サンプルの少なくとも一部、サンプル上のパターン、又はサンプル自体を撮像することを含むことがある。サンプルを検査することは、サンプルを走査して、サンプルの少なくとも一部、サンプル上のパターン、又はサンプル自体を検査することを含むことがある。サンプルを観察することは、パターンの再現性及び繰り返し性についてサンプル又はサンプル上の関心領域を監視することを含むことがある。
[00243] 一次荷電粒子ビーム(例えば、図2の一次荷電粒子ビーム220)は、荷電粒子源から生成される。ステージ(例えば、図2~図4のステージ201、図15のステージ1560)上に配置されたサンプルには、一次荷電粒子ビームが照射される。いくつかの実施形態では、サンプルの少なくとも一部には、一次荷電粒子ビームの少なくとも一部が照射されることがある。一次荷電粒子ビームは、例えば、電子源から生成された電子ビームであることがある。電子源は、限定されるものではないが、タングステンフィラメント若しくはLaB6カソードからの電子の熱電子放出、又はタングステン/ZrO2冷カソードからの電子の電界放出を含むことがある。
[00244] サンプルは、ステージ上に直接配置されることがある。いくつかの実施形態では、サンプルは、サンプルホルダ(例えば、図15のウェーハチャック1562)などのアダプタ上に配置され、ステージ上に配置され、且つステージに固定されることがある。サンプル、サンプルホルダ、及びステージの幾何学的中心は、互いに且つ一次光軸(例えば、図8の一次光軸801)と位置合わせされることがある。サンプル、サンプルホルダ、及びステージは、一次光軸に直交又は実質的に直交する平面内に配置されることがある。いくつかの実施形態では、サンプル又はステージは、一次荷電粒子ビームが90°よりも小さな又は大きな角度でサンプルに入射するように、オフアクシスに傾斜されることがある。いくつかの実施形態では、サンプル及びステージは、X、Y、又はZ軸の何れかにおけるステージの変位により相応にサンプルの変位がもたらされるように、機械的に結合されることがある。
[00245] ステージは、ステージの振動により収容チャンバの振動も生じ得るように、収容チャンバ(例えば、図15の収容チャンバ1510)に機械的に結合されることがある。ステージは、限定されるものではないが、熱溶接、スポット溶接、リベット接合、はんだ付け、接着などを含む技術を使用して、収容チャンバに機械的に結合されることがある。収容チャンバは、荷電粒子ビームコラムの電気機械コンポーネントを収容するように構成されることがある。本開示の文脈では、荷電粒子ビームコラムの電気機械コンポーネントとは、限定されるものではないが、ステージ、ウェーハチャック、サンプル、ステージ動作制御モータ、駆動部などを含む、部分又は要素を指すことがある。収容チャンバは、得られた画像の全体的性能及び検査分解能への振動の影響を最小限に抑えるために、防振プラットフォーム又は振動減衰プラットフォーム上に配置されることがある。いくつかの実施形態では、SEMコラム(例えば、図15の荷電粒子ビームコラム1530)は、電気光学コンポーネントと呼ばれることがある。電気光学コンポーネントは、荷電粒子を生成するように構成された荷電粒子源と、例えば、生成された荷電粒子ビームをサンプル上に集束させるように構成された複数のレンズ(光学及び電磁)及びアパーチャとを含むことがある。SEMコラムは、収容チャンバの振動によりSEMコラムの振動が生じ得るように、収容チャンバの一部に機械的に結合されることがある。
[00246] ステップ1710では、加速度センサ(例えば、図15の加速度センサ1526)は、荷電粒子ビームシステムの電気光学コンポーネントの振動を検出するために使用されることがある。電気光学コンポーネントは、SEMコラムを含むことがある。加速度センサは、SEMコラムの振動又はSEMコラムの動作の加速度を測定するように構成されることがある。加速度センサは、圧電型加速度計、容量性加速度計、微小電気機械システム(MEMS)ベースの加速度計、又は圧電抵抗加速度計を含むことがある。振動を測定するように構成された、圧電型加速度計では、振動又は動きの変化(加速度)により生じる力により、及ぼされた力に比例する電荷が生成される。電荷は力に比例し且つ質量は一定であるので、電荷は加速度にも比例する。加速度センサは、検出された振動に応答して且つ検出された振動の周波数に基づいて電圧信号を生成するように構成された高インピーダンス電荷出力型加速度計又は低インピーダンス出力型加速度計を含むことがある。加速度センサは、SEMコラムの振動を検出し、限定されるものではないが、傾斜、回転、ねじれ、シフトなどを含む振動モードを検出することがある。荷電粒子ビームシステムは、SEMコラムに装着された2つ以上の加速度センサを含むことがある。加速度センサにより生成された出力信号は、電圧信号などの電気信号を含むことがある。
[00247] ステップ1720では、位置センサ(例えば、図15の位置センサ1522)は、荷電粒子ビームシステムの電気機械コンポーネントの振動を検出するために使用されることがある。荷電粒子ビームシステムの電気機械コンポーネントは、ステージ、ウェーハチャック、サンプル、ステージ動作制御モータ、駆動部などを含むことがある。1つ又は複数の位置センサは、X又はY軸におけるステージの振動及び振動モードを検出するために用いられることがある。位置センサは、中でもとりわけ、1次元位置感応検出器(1-D PSD)を含むレーザダイオードセンサアセンブリ、又はフォトダイオードの線形アレイを含むことがある。位置センサは、ステージの側方変位を決定するように、且つ並進X又はY軸及び回転Rx及びRy軸におけるねじれ、傾斜、回転、シフトなどのステージの振動モードを検出するように構成されることがある。いくつかの実施形態では、X軸に沿った振動を検出するための第1の位置センサ、Y軸に沿った振動を検出するための第2の位置センサ、Rx軸を中心とする振動を検出するための第3のセンサ、及びRy軸を中心とする振動を検出するための第4のセンサ。位置センサは、ビーム特性を更に調整して振動を補償するために位置センサの出力信号が分析されて使用され得るように、制御モジュール(例えば、図15の制御モジュール1570)と通信することがある。出力信号は、変位信号を含むことがある。
[00248] 位置センサは、収容チャンバの表面に配置されるか又は収容チャンバに装着されることがある。位置センサは、レーザ干渉計を含むことがある。位置センサは、収容チャンバの振動により位置センサが振動するように、収容チャンバに機械的に結合されることがある。位置センサは、X、Y、Z、Rx、Ry、Rz軸の1つ又は複数におけるステージ又はサンプルの位置を調整し、X、Y、Z、Rx、Ry、Rz軸の1つ又は複数における振動を検出するように構成されることがある。位置センサは、例えば、ホモダインレーザ干渉計又はヘテロダインレーザ干渉計を含むことがある。ホモダインレーザ干渉計は、単一周波数レーザ源を使用し、それに対して、ヘテロダインレーザ干渉計は、近接した2つの周波数を有するレーザ源を使用する。レーザ源は、633nmの波長のレーザ光を発するHe-Neガスレーザを含むことがある。単一又は多数の波長放射又は周波数放射を有する他のレーザ源も適宜使用され得ることが理解される。位置センサは、検出された振動の周波数又は振動モードの種類に基づいて、変位信号又は距離信号を生成することがある。
[00249] ステップ1730では、振動補償信号は、電気光学コンポーネント及び電気機械コンポーネントの振動を補償するためにSEMコラムに印加されることがある。振動補償信号は、本明細書では動的振動推定コントローラ(DVEC)とも呼ばれる、コントローラ(例えば、図15の信号プロセッサ1572)により生成されることがある。コントローラは、位置センサ及び加速度センサから振動検出に関連する信号を受信して、受信信号を処理し、処理された振動信号に基づいて振動補償信号を生成するように構成されることがある。DVECは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)ベースのコントローラを含むことがあり、位置センサ及び加速度センサからの振動信号を処理するように構成されることがある。
[00250] DVECは、動的振動推定アルゴリズムを使用して位置センサ及び加速度センサからの信号に基づいて振動補償信号を予測又は算出するように構成されることがある。アルゴリズムは、位置センサ及び加速度センサからの振動測定値に基づいて、X、Y、Z、Rx、Ry、Rz軸の各々におけるSEMコラム及びステージの振動モードを特定するステップと、特定された振動モードに基づいてSEMコラム及びステージの振動を推定するステップと、SEMコラムに印加される6自由度の振動を予測又は算出するステップとを含むことがある。
[00251] アルゴリズムは、リアルタイムで実施され、DVECにより実行されることがある。振動モード特定ステップでは、位置センサ及び加速度センサからの振動測定信号は、それぞれ、ステージ及びSEMコラムの振動モードを特定するために利用されることがある。DVECは、振動モードの特定を実施することがある。振動モードの特定は、位置センサ及び加速度センサからの信号の適合化を含むことがある。例えば、加速度センサからの振動測定信号は、電圧信号を含むことがあり、それに対して、位置センサからの振動測定信号は、距離信号又は変位信号を含むことがある。DVECは、加速度センサからの電圧信号を対応する変位信号に変換することがあり、その結果、ステージ及びSEMコラムからの振動モードの特定のための入力信号は適合性がある。
[00252] 振動モードの特定は、適合させた振動測定信号に基づいて、ステージ及びSEMコラムについての6自由度からの振動測定の振動モード特定マトリックスを形成することを更に含むことがある。振動モード特定マトリックスは、各方向(X、Y、Z、Rx、Ry、及びRz)における振動の測定を含むことがある。このステップでは、SEMコラムの振動モードは、ステージを基準として特定されることがある。
[00253] 振動モードの特定は、加速度センサからの振動測定値を使用して、ステージの振動から位置センサの振動を切り離すことを更に含むことがある。位置センサは収容チャンバに装着されるか又は機械的に結合されるので、収容チャンバの振動により、位置センサの振動がもたらされることがある。位置センサにより得られた振動測定値は、ステージの振動に加えて位置センサの振動及び振動モードを含むことがある。それゆえ、ステージの振動は、位置センサの振動から切り離されて分離される。振動モード特定マトリックスに基づいて、SEMコラム及びステージの振動モードが決定されることがあり、対応する出力信号が生成されることがある。
[00254] 特定された振動モードは、シミュレーションモデル又は数理モデルを使用して、SEMコラム及びステージの振動を推定するために使用されることがある。3次元有限要素解析モデル(3D-FEM)は、X、Y、Z、Rx、Ry、及びRz軸に沿ったSEMコラム及びステージの振動を推定するために使用されることがある。他のシミュレーションモデルが適宜使用され得ることが理解される。
[00255] SEMコラム及びステージの振動は、推定された振動に基づいて予測されることがある。デジタル信号処理技術に見られるいくつかの問題のうちの1つは、「1サンプル遅延」とも呼ばれる、計算及び測定遅延を含む。信号処理遅延の悪影響を軽減する目的で、振動を補償するために「予測」振動信号を決定して印加することが望ましいことがある。
[00256] この文脈では、1サンプル遅延は、振動の測定と作動信号又はビーム偏向信号の印加との間の遅延と呼ばれることがある。例えば、振動測定は、第1のタイムスタンプにおいて実施されることがあり、測定された振動を補償するための補正信号又はビーム偏向信号は、第2のタイムスタンプにおいて実施されることがあり、第1のタイムスタンプと第2のタイムスタンプとの時間差は、測定された振動信号を処理して振動補償信号を生成するのに必要な時間量である。時間遅延のため、測定された振動と印加された補償信号は非同期であり、それにより不正確な振動補償をもたらす。デジタル信号処理遅延を補償するために、振動は、振動測定と補償信号の印加とが同期され得るように、第2のタイムスタンプにおけるSEMコラム及びステージの推定された振動に基づいて予測又は予想されることがある。
[00257] 予測振動信号は、ビーム走査信号(例えば、図15のビーム走査信号1575)と組み合わせて画像コントローラ(例えば、図15のデジタル画像コントローラ1576)に印加されることがある。ビーム走査信号は、デジタル画像コントローラに直接印加されることがあり、又は制御モジュールを介してデジタル画像コントローラに印加されることがある。いくつかの実施形態では、ビーム走査信号は、ユーザ、ホスト、又はビーム制御モジュール(例えば、図3のビーム制御モジュール365)により生成されることがある。画像コントローラは、ビーム走査信号と信号プロセッサ又はコントローラからの予測振動信号とに基づいて補償されたビーム走査信号を生成するように構成されることがある。
[00258] アクチュエータ(例えば、図15のアクチュエータ1578)は、画像コントローラからの補償されたビーム走査信号を受信して、受信された補償されたビーム走査信号に基づいてビーム偏向信号(例えば、図15のビーム偏向信号1580)を生成するように構成されることがある。アクチュエータは、デジタル信号処理技術を使用して電気波形を生成するように構成されたデジタル波ジェネレータを含むことがある。ビーム偏向信号は、ビーム特性を調整して振動を補償するためにSEMコラムに印加されることがある。ビーム偏向信号は、ビーム偏向コントローラ(例えば、図3のビーム偏向コントローラ367)又はビーム制御モジュールを通じてSEMコラムに印加されることがある。ビーム偏向信号は、例えば、検出された振動に基づいて一次荷電粒子ビームの特性を調整することにより荷電粒子ビームシステムの振動を補償するように構成されることがある。信号プロセッサ、デジタル画像コントローラ、及びアクチュエータは、制御モジュールのコンポーネントとして図示されているが、これらのコンポーネントの1つ又は複数は、荷電粒子ビームシステムの独立した要素として使用され得ることが理解される。
[00259] 実施形態は、以下の条項を使用して更に説明されることがある。
条項1.
荷電粒子ビームシステムであって、
サンプルを保持するように構成され、X-Y及びZ軸の少なくとも一方に移動可能な上記ステージと、
上記ステージの側方及び垂直変位を決定するように構成された位置センシングシステムと、
上記ステージの上記側方変位を少なくとも部分的に補償するために、第1の信号を印加して、上記サンプルに入射する一次荷電粒子ビームを偏向させ、且つ
上記ステージの上記垂直変位を少なくとも部分的に補償するために、第2の信号を印加して、上記サンプルに入射する偏向された荷電粒子ビームの焦点を調整する
ように構成されたコントローラと
を含む荷電粒子ビームシステム。
条項2.
上記第1の信号は、上記一次荷電粒子ビームがX-Y軸の上記少なくとも一方にどのように偏向されるかに影響を及ぼす電気信号を含む、条項1に記載のシステム。
条項3.
上記電気信号は、10kHz~50kHzの範囲の帯域幅を有する信号を含む、条項2に記載のシステム。
条項4.
上記側方変位は、X-Y軸の上記少なくとも一方における上記ステージの現在位置と上記ステージの目標位置との差に相当する、条項1~3の何れか一項に記載のシステム。
条項5.
上記コントローラは更に、上記サンプル上での上記一次荷電粒子ビームの走査中に上記第1の信号又は上記第2の信号の少なくとも一方を動的に調整するように構成される、条項1~4の何れか一項に記載のシステム。
条項6.
上記第2の信号は、上記サンプルに入射する偏向された上記荷電粒子ビームが上記Z軸にどのように集束されるかに影響を及ぼす、上記ステージに印加される電圧信号を含む、条項1~5の何れか一項に記載のシステム。
条項7.
上記電圧信号は、50kHz~200kHzの範囲の帯域幅を有する信号を含む、条項6に記載のシステム。
条項8.
上記垂直変位は、上記Z軸における上記ステージの現在位置と上記ステージの目標位置との差に相当し、上記垂直変位は、X又はY軸の少なくとも一方を中心とする角回転を少なくとも部分的に補償するために、上記サンプル上での上記一次荷電粒子ビームの走査中に変化する、条項1~7の何れか一項に記載のシステム。
条項9.
ステージ動作コントローラを更に含み、上記ステージ動作コントローラは、第3の信号により個別に制御されるように構成された複数のモータを含む、条項1~8の何れか一項に記載のシステム。
条項10.
上記複数のモータの各々は、上記ステージが上記一次荷電粒子ビームの光軸に実質的に垂直になるように、上記ステージのレベリングを調整するように個別に制御される、条項9に記載のシステム。
条項11.
上記第3の信号は複数の制御信号を含み、上記複数の制御信号の各々は、上記複数のモータの少なくとも1つに対応する、条項9及び10の何れか一項に記載のシステム。
条項12.
上記複数のモータは、圧電モータ、圧電アクチュエータ、又は超音波圧電モータの少なくとも1つを含む、条項9~11の何れか一項に記載のシステム。
条項13.
上記複数の制御信号に基づいて埋め込み制御信号を形成するように構成された第1のコンポーネントと、
上記埋め込み制御信号から上記複数の制御信号の少なくとも1つを抽出するように構成された第2のコンポーネントと
を更に含む、条項11に記載のシステム。
条項14.
上記ステージの上記レベリングを調整することは、上記ステージの作動出力の幾何モデルに基づく、条項10~13の何れか一項に記載のシステム。
条項15.
上記位置センシングシステムは、レーザ干渉計と高さセンサとの組み合わせを使用して上記ステージの上記側方及び垂直変位を決定する、条項1~14の何れか一項に記載のシステム。
条項16.
上記レーザ干渉計は、上記ステージの少なくとも上記側方変位を決定するように構成される、条項15に記載のシステム。
条項17.
上記高さセンサは、上記ステージの上記垂直変位を決定するように構成される、条項15に記載のシステム。
条項18.
荷電粒子ビームシステムであって、
サンプルを保持するように構成され、少なくともZ軸に移動可能な上記ステージと、
上記ステージの垂直変位を決定するように構成された位置センシングシステムと、
上記サンプルに入射する上記荷電粒子ビームが上記Z軸にどのように集束されるかに影響を及ぼす、電圧信号を上記ステージに印加するように構成されたコントローラと
を含む荷電粒子ビームシステム。
条項19.
上記垂直変位は、上記Z軸における上記ステージの現在位置と上記ステージの目標位置との差に相当し、上記垂直変位は、X又はY軸の少なくとも一方を中心とする角回転を少なくとも部分的に補償するために、上記サンプル上での上記一次荷電粒子ビームの走査中に変化する、条項18に記載のシステム。
条項20.
上記コントローラは更に、上記サンプル上での上記一次荷電粒子ビームの走査中に上記電圧信号を動的に調整するように構成される、条項18及び19の何れか一項に記載のシステム。
条項21.
上記電圧信号は、50kHz~200kHzの範囲の帯域幅を有する信号を含む、条項18~20の何れか一項に記載のシステム。
条項22.
ステージ動作コントローラを更に含み、上記ステージ動作コントローラは、制御信号により個別に制御されるように構成された複数のモータを含む、条項18~21の何れか一項に記載のシステム。
条項23.
上記複数のモータの各々は、上記ステージが上記一次荷電粒子ビームの光軸に実質的に垂直になるように、上記ステージのレベリングを調整するように個別に制御される、条項22に記載のシステム。
条項24.
上記制御信号は複数の制御信号を含み、上記複数の制御信号の各々は、上記複数のモータの少なくとも1つに対応する、条項22及び23の何れか一項に記載のシステム。
条項25.
上記複数の制御信号に基づいて埋め込み制御信号を形成するように構成された第1のコンポーネントと、
上記埋め込み制御信号から上記複数の制御信号の少なくとも1つを抽出するように構成された第2のコンポーネントと
を更に含む、条項24に記載のシステム。
条項26.
上記位置決めシステムは、上記ステージの上記垂直変位を決定するための高さセンサを含む、条項18~25の何れか一項に記載のシステム。
条項27.
荷電粒子ビームシステム内のステージ上に配置されたサンプルを照射するための方法であって、
荷電粒子源から一次荷電粒子ビームを生成することと、
上記ステージであって、上記ステージはX-Y及びZ軸の少なくとも一方に移動可能である、上記ステージの側方及び垂直変位を決定することと、
上記ステージの上記側方変位を少なくとも部分的に補償するために、第1の信号を印加して、上記サンプルに入射する上記一次荷電粒子ビームを偏向させることと、
上記ステージの上記垂直変位を少なくとも部分的に補償するために、上記ステージに第2の信号を印加して、上記サンプルに入射する偏向された荷電粒子ビームの焦点を調整することと
を含む方法。
条項28.
上記第1の信号は、上記一次荷電粒子ビームがX-Y軸の上記少なくとも一方にどのように偏向されるかに影響を及ぼす電気信号を含む、条項27に記載の方法。
条項29.
上記電気信号は、10kHz~50kHzの範囲の帯域幅を有する信号を含む、条項28に記載の方法。
条項30.
上記側方変位は、X-Y軸の上記少なくとも一方における上記ステージの現在位置と上記ステージの目標位置との差に相当する、条項27~29の何れか一項に記載の方法。
条項31.
上記垂直変位は、上記Z軸における上記ステージの現在位置と上記ステージの目標位置との差に相当し、上記垂直変位は、X又はY軸の少なくとも一方を中心とする角回転を少なくとも部分的に補償するために、上記サンプル上での上記一次荷電粒子ビームの走査中に変化する、条項27~30の何れか一項に記載の方法。
条項32.
上記サンプル上での上記一次荷電粒子ビームの走査中に上記第1の信号又は上記第2の信号の少なくとも一方を動的に調整することを更に含む、条項27~31の何れか一項に記載の方法。
条項33.
上記第2の信号は、上記サンプルに入射する偏向された上記荷電粒子ビームが上記Z軸にどのように集束されるかに影響を及ぼす、上記ステージに印加される電圧信号を含む、条項27~32の何れか一項に記載の方法。
条項34.
上記電圧信号は、50kHz~200kHzの範囲の帯域幅を有する信号を含む、条項33に記載の方法。
条項35.
ステージ動作コントローラに第3の信号を印加することを更に含み、上記ステージ動作コントローラは、上記第3の信号により個別に制御されるように構成された複数のモータを含む、条項27~34の何れか一項に記載の方法。
条項36.
上記複数のモータの各々は、上記ステージが上記一次荷電粒子ビームの光軸に実質的に垂直になるように、上記ステージのレベリングを調整するように個別に制御される、条項35に記載の方法。
条項37.
上記第3の信号は複数の制御信号を含み、上記複数の制御信号の各々は、上記複数のモータの少なくとも1つに対応する、条項35及び36の何れか一項に記載の方法。
条項38.
上記第3の信号を印加することは、上記複数の制御信号を埋め込んで、埋め込み制御信号を形成することと、上記埋め込み制御信号から上記複数の制御信号の少なくとも1つを抽出することとを含む、条項35~37の何れか一項に記載の方法。
条項39.
上記ステージの上記レベリングを調整することは、上記ステージの作動出力の幾何モデルに基づく、条項36~38の何れか一項に記載の方法。
条項40.
上記ステージの上記側方及び垂直変位は、位置センシングシステムにより決定される、条項27~39の何れか一項に記載の方法。
条項41.
上記位置センシングシステムは、レーザ干渉計と高さセンサとの組み合わせを使用して上記ステージの上記側方及び垂直変位を決定する、条項40に記載の方法。
条項42.
上記レーザ干渉計は、上記ステージの上記側方変位を決定するように構成される、条項41に記載の方法。
条項43.
上記高さセンサは、上記ステージの上記垂直変位を決定するように構成される、条項41に記載の方法。
条項44.
荷電粒子ビームシステム内のステージ上に配置されたサンプルを照射するための方法であって、
荷電粒子源から一次荷電粒子ビームを生成することと、
上記ステージであって、上記ステージはZ軸に移動可能である、上記ステージの垂直変位を決定することと、
上記ステージの上記垂直変位を少なくとも部分的に補償するために、上記ステージに電圧信号を印加して、上記サンプルに入射する偏向された荷電粒子ビームの焦点を調整することと
を含む方法。
条項45.
上記垂直変位は、上記Z軸における上記ステージの現在位置と上記ステージの目標位置との差に相当し、上記垂直変位は、X又はY軸の少なくとも一方を中心とする角回転を少なくとも部分的に補償するために、上記サンプル上での上記一次荷電粒子ビームの走査中に変化する、条項44に記載の方法。
条項46.
上記ステージであって、上記ステージはX-Y軸の少なくとも一方に移動可能である、上記ステージの側方変位を決定することと、
上記側方変位を少なくとも部分的に補償するために、ビーム偏向信号を印加して、上記サンプルに入射する集束された荷電粒子ビームを偏向させることと
を更に含む、条項44及び45の何れか一項に記載の方法。
条項47.
上記サンプル上での上記一次荷電粒子ビームの走査中に上記電圧信号又は上記ビーム偏向信号の少なくとも一方を動的に調整することを更に含む、条項44~46の何れか一項に記載の方法。
条項48.
上記電圧信号は、50kHz~200kHzの範囲の帯域幅を有する信号を含む、条項44~47の何れか一項に記載の方法。
条項49.
上記ビーム偏向信号は、集束された上記荷電粒子ビームがX-Y軸の上記少なくとも一方にどのように偏向されるかに影響を及ぼす電気信号を含む、条項46に記載の方法。
条項50.
上記電気信号は、10kHz~50kHzの範囲の帯域幅を有する信号を含む、条項49に記載の方法。
条項51.
上記側方変位は、X-Y軸の上記少なくとも一方における上記ステージの現在位置と上記ステージの目標位置との差に相当する、条項46~50の何れか一項に記載の方法。
条項52.
ステージ動作コントローラに制御信号を印加することを更に含み、上記ステージ動作コントローラは、上記制御信号により個別に制御されるように構成された複数のモータを含む、条項44~51の何れか一項に記載の方法。
条項53.
上記複数のモータの各々は、上記ステージが上記一次荷電粒子ビームの光軸に実質的に垂直になるように、上記ステージのレベリングを調整するように個別に制御される、条項52に記載の方法。
条項54.
上記制御信号は複数の制御信号を含み、上記複数の制御信号の各々は、上記複数のモータの少なくとも1つに対応する、条項52及び53の何れか一項に記載の方法。
条項55.
上記複数のモータは、圧電モータ、圧電アクチュエータ、又は超音波圧電モータの少なくとも1つを含む、条項52~54の何れか一項に記載の方法。
条項56.
上記制御信号を印加することは、上記複数の制御信号を埋め込んで、埋め込み制御信号を形成することと、上記埋め込み制御信号から上記複数の制御信号の少なくとも1つを抽出することとを含む、条項52~55の何れか一項に記載の方法。
条項57.
上記ステージの上記レベリングを調整することは、上記ステージの作動出力の幾何モデルに基づく、条項53~56の何れか一項に記載の方法。
条項58.
上記ステージの上記側方及び垂直変位は、位置センシングシステムにより決定される、条項46~57の何れか一項に記載の方法。
条項59.
上記位置センシングシステムは、レーザ干渉計と高さセンサとの組み合わせを使用して上記ステージの上記側方及び垂直変位を決定する、条項58に記載の方法。
条項60.
上記レーザ干渉計は、上記ステージの上記側方変位を決定するように構成される、条項59に記載の方法。
条項61.
上記高さセンサは、上記ステージの上記垂直変位を決定するように構成される、条項59に記載の方法。
条項62.
方法を装置に実施させるように上記装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である1組の命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、上記装置は、一次荷電粒子ビームを生成するための荷電粒子源を含み、上記方法は、
ステージであって、上記ステージはX-Y軸の少なくとも一方に移動可能である、上記ステージの側方変位を決定することと、
上記側方変位を少なくとも部分的に補償するために、第1の信号を印加して、上記サンプルに入射する上記一次荷電粒子ビームを偏向させるように、コントローラに命令することと
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
条項63.
上記装置の上記1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である上記1組の命令は、
上記ステージであって、上記ステージはZ軸に移動可能である、上記ステージの垂直変位を決定することと、
上記垂直変位を少なくとも部分的に補償するために、第2の信号を印加して、上記サンプルに入射する上記一次荷電粒子ビームの焦点を調整するように、上記コントローラに命令することと
を上記装置に更に実施させる、条項62に記載の媒体。
条項64.
上記装置の上記1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である上記1組の命令は、
上記ステージが上記一次荷電粒子ビームの光軸に実質的に垂直になるように、上記ステージのレベリングを調整するように構成されたステージ動作コントローラに第3の信号を印加すること
を上記装置に更に実施させる、条項62及び63の何れか一項に記載の媒体。
条項65.
荷電粒子ビームをサンプル上に集束させる方法であって
上記荷電粒子ビームを荷電粒子ビームシステムのステージ上に配置された上記サンプルに照射することと、
上記荷電粒子システムの第1のコンポーネントを使用して、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの第1の焦点の場所を調整することと、
第2のコンポーネントであって、上記第2のコンポーネントは上記荷電粒子システムの対物レンズの集束コンポーネントの下流側に位置する、上記第2のコンポーネントを使用して、上記サンプルに関連する電磁界を操作して、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点を調整することにより第2の焦点を形成することと
を含む方法。
条項66.
上記第1の焦点の上記場所を調整することは、Z軸における上記ステージの位置を調整することを含む、条項65に記載の方法。
条項67.
上記Z軸における上記ステージの上記位置を調整することは、
高さセンサを使用して、上記Z軸における上記サンプルの位置を決定することと、
ステージ動作コントローラを使用して、上記サンプルの決定された上記位置に基づいて上記Z軸における上記ステージの上記位置を調整することと
を含む、条項66に記載の方法。
条項68.
上記第1のコンポーネントは、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの焦点深度を調整するように構成される、条項65~67の何れか一項に記載の方法。
条項69.
上記第1のコンポーネントは、上記荷電粒子システムの上記対物レンズの上記集束コンポーネントの上流側に位置する、条項65~68の何れか一項に記載の方法。
条項70.
上記第1のコンポーネントは、荷電粒子源、上記荷電粒子源のアノード、又は集光レンズを含み、上記荷電粒子システムの上記第1のコンポーネントは、上記荷電粒子システムの上記第2のコンポーネントと異なる、条項69に記載の方法。
条項71.
上記電磁界を操作することは、上記荷電粒子システムの上記第2のコンポーネントに印加される電気信号を調整することを含む、条項65~70の何れか一項に記載の方法
条項72.
上記荷電粒子システムの上記第2のコンポーネントは、上記対物レンズの制御電極、上記サンプル、又は上記ステージの1つ又は複数を含む、条項65~71の何れか一項に記載の方法。
条項73.
上記第2のコンポーネントに印加される上記電気信号を調整することにより、上記サンプル上への上記荷電粒子ビームのランディングエネルギーが調整される、条項71~72の何れか一項に記載の方法。
条項74.
上記電気信号を調整することは、
上記対物レンズの上記制御電極に印加される上記電気信号の第1のコンポーネントを調整することと、
上記ステージに印加される上記電気信号の第2のコンポーネントを調整することと
を含む、条項72~73の何れか一項に記載の方法。
条項75.
上記制御電極に印加される上記電気信号の上記第1のコンポーネントを調整することにより、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点が粗調整され、上記ステージに印加される上記電気信号の上記第2のコンポーネントを調整することにより、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点が微調整される、条項74に記載の方法。
条項76.
上記電気信号の上記第1のコンポーネントは、上記荷電粒子ビームの加速電圧及び上記ランディングエネルギーに基づいて決定される、条項74~75の何れか一項に記載の方法。
条項77.
上記電気信号の上記第1のコンポーネントは、5KV~10KVの範囲の絶対値を有する電圧信号を含み、上記電気信号の上記第2のコンポーネントは、0V~150Vの範囲の絶対値を有する電圧信号を含む、条項74~76の何れか一項に記載の方法。
条項78.
上記電磁界を操作することは、上記荷電粒子ビームの特性に影響を及ぼすように構成された電界を調整することを更に含む、条項65~77の何れか一項に記載の方法。
条項79.
上記電磁界を操作することは、上記荷電粒子ビームの特性に影響を及ぼすように構成された磁界を調整することを更に含む、条項65~78の何れか一項に記載の方法。
条項80.
上記荷電粒子ビームの上記特性は、上記荷電粒子ビームの経路、方向、速度、又は加速度の少なくとも1つを含む、条項78及び79の何れか一項に記載の方法。
条項81.
上記荷電粒子ビームの上記ランディングエネルギーは、500eV~3keVの範囲である、条項73~80の何れか一項に記載の方法。
条項82.
荷電粒子ビームをサンプル上に集束させる方法であって、
上記荷電粒子ビームを荷電粒子ビームシステムのステージ上に配置された上記サンプルに照射することと、
上記荷電粒子システムの第1のコンポーネントを使用して、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの第1の焦点の場所を調整することと、
対物レンズの制御電極に印加される電気信号の第1のコンポーネントを調整することにより、上記サンプルに関連する電磁界を操作して、上記サンプル上の上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点を調整することにより第2の焦点を形成することと
を含む方法。
条項83.
上記第1の焦点の上記場所を調整することは、Z軸における上記ステージの位置を調整することを含む、条項82に記載の方法。
条項84.
上記Z軸における上記ステージの上記位置を調整することは、
高さセンサを使用して、上記Z軸における上記サンプルの位置を決定することと、
ステージ動作コントローラを使用して、上記サンプルの決定された上記位置に基づいて上記Z軸における上記ステージの上記位置を調整することと
を含む、条項83に記載の方法。
条項85.
上記第1のコンポーネントは、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの焦点深度を調整するように構成される、条項82~84の何れか一項に記載の方法。
条項86.
上記第1のコンポーネントは、上記荷電粒子システムの上記対物レンズの集束コンポーネントの上流側に位置し、上記第1のコンポーネントは、荷電粒子源、上記荷電粒子源のアノード、又は集光レンズを含む、条項82~85の何れか一項に記載の方法。
条項87.
上記制御電極は、上記荷電粒子システムの第2のコンポーネントを含み、上記荷電粒子システムの上記対物レンズの集束コンポーネントの下流側に位置する、条項82~86の何れか一項に記載の方法。
条項88.
上記第2のコンポーネントに印加される上記電気信号を調整することにより、上記サンプル上への上記荷電粒子ビームのランディングエネルギーが調整される、条項87に記載の方法。
条項89.
上記荷電粒子ビームの上記ランディングエネルギーは、500eV~3keVの範囲である、条項88に記載の方法。
条項90.
上記荷電粒子システムの上記第2のコンポーネントは、上記対物レンズの上記制御電極、上記サンプル、又は上記ステージの1つ又は複数を含む、条項87~89の何れか一項に記載の方法。
条項91.
上記荷電粒子システムの上記第1のコンポーネントは、上記荷電粒子システムの上記第2のコンポーネントと異なる、条項87~90の何れか一項に記載の方法。
条項92.
上記電磁界を操作することは、上記ステージに印加される上記電気信号の第2のコンポーネントを調整することを更に含む、条項82~91の何れか一項に記載の方法。
条項93.
上記電気信号の上記第1のコンポーネントは、上記荷電粒子ビームの加速電圧及び上記ランディングエネルギーに基づいて決定される、条項88~92の何れか一項に記載の方法。
条項94.
上記電気信号の上記第1のコンポーネントは、5KV~10KVの範囲の絶対値を有する電圧信号を含み、上記電気信号の上記第2のコンポーネントは、0V~150Vの範囲の絶対値を有する電圧信号を含む、条項92及び93の何れか一項に記載の方法。
条項95.
上記制御電極に印加される上記電気信号の上記第1のコンポーネントを調整することにより、上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点が粗調整され、上記ステージに印加される上記電気信号の上記第2のコンポーネントを調整することにより、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点が微調整される、条項92~94の何れか一項に記載の方法。
条項96.
上記電磁界を操作することは、上記荷電粒子ビームの特性に影響を及ぼすように構成された磁界を調整することを更に含む、条項82~95の何れか一項に記載の方法。
条項97.
上記荷電粒子ビームの上記特性は、上記荷電粒子ビームの経路、方向、速度、又は加速度の少なくとも1つを含む、条項96に記載の方法。
条項98.
荷電粒子ビームシステムであって、
サンプルを保持するように構成され、X-Y軸又はZ軸の少なくとも一方に沿って移動可能な上記ステージと、
回路を有するコントローラであって、
上記荷電粒子システムの第1のコンポーネントを使用して、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの第1の焦点の場所を調整し、
第2のコンポーネントであって、上記第2のコンポーネントは上記荷電粒子システムの対物レンズの集束コンポーネントの下流側に位置する、上記第2のコンポーネントを使用して、上記サンプルに関連する電磁界を操作して、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点を調整することにより第2の焦点を形成する
ように構成された上記コントローラと
を含む荷電粒子ビームシステム。
条項99.
上記第1の焦点の上記場所の調整は、上記Z軸における上記ステージの位置の調整を含む、条項98に記載のシステム。
条項100.
上記Z軸における上記サンプルの位置を決定するように構成された位置センシングシステムを更に含み、上記位置センシングシステムは、レーザダイオードセンサアセンブリを含む高さセンサを含む、条項98及び99の何れか一項に記載のシステム。
条項101.
上記コントローラは、上記位置センシングシステムにより決定された上記サンプルの上記位置に基づいて上記Z軸における上記ステージの上記位置を調整するように構成される、条項100に記載のシステム。
条項102.
上記高さセンサは、上記Z軸における上記サンプルの上記位置を決定するように構成され、上記コントローラは、上記Z軸における上記ステージの上記位置を調整して上記サンプル上の上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点を形成するように構成される、条項100及び101の何れか一項に記載のシステム。
条項103.
上記第1のコンポーネントは、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの焦点深度を調整するように構成される、条項98~102の何れか一項に記載のシステム。
条項104.
上記第1のコンポーネントは、上記荷電粒子システムの上記対物レンズの上記集束コンポーネントの上流側に位置する、条項98~103の何れか一項に記載のシステム。
条項105.
上記第1のコンポーネントは、荷電粒子源、上記荷電粒子源のアノード、又は集光レンズを含み、上記荷電粒子システムの上記第1のコンポーネントは、上記荷電粒子システムの上記第2のコンポーネントと異なる、条項104に記載のシステム。
条項106.
上記電磁界の操作は、上記荷電粒子システムの上記第2のコンポーネントに印加される電気信号の調整を含む、条項98~105の何れか一項に記載の方法。
条項107.
上記荷電粒子システムの上記第2のコンポーネントは、上記対物レンズの制御電極、上記サンプル、又は上記ステージの1つ又は複数を含む、条項98~106の何れか一項に記載のシステム。
条項108.
上記第2のコンポーネントに印加される上記電気信号の調整により、上記サンプル上への上記荷電粒子ビームのランディングエネルギーが調整される、条項106及び107の何れか一項に記載のシステム。
条項109.
上記電気信号の上記調整は、
上記対物レンズの上記制御電極に印加される上記電気信号の第1のコンポーネントの調整と、
上記ステージに印加される上記電気信号の第2のコンポーネントの調整と
を含む、条項107及び108の何れか一項に記載のシステム。
条項110.
上記制御電極に印加される上記電気信号の上記第1のコンポーネントの調整により、上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点が粗調整され、上記ステージに印加される上記電気信号の上記第2のコンポーネントの調整により、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点が微調整される、条項109に記載のシステム。
条項111.
上記コントローラは更に、上記荷電粒子ビームの特性に影響を及ぼすように構成された磁界を調整することにより上記電磁界を操作するように構成される、条項98~110の何れか一項に記載のシステム。
条項112.
上記荷電粒子ビームの上記特性は、上記荷電粒子ビームの経路、方向、速度、又は加速度の少なくとも1つを含む、条項111に記載のシステム。
条項113.
上記電気信号の上記第1のコンポーネントは、上記荷電粒子ビームの加速電圧及び上記ランディングエネルギーに基づいて決定される、条項110~112の何れか一項に記載のシステム。
条項114.
上記電気信号の上記第1のコンポーネントは、5KV~10KVの範囲の絶対値を有する電圧信号を含み、上記電気信号の上記第2のコンポーネントは、0V~150Vの範囲の絶対値を有する電圧信号を含む、条項110~113の何れか一項に記載のシステム。
条項115.
上記荷電粒子ビームの上記ランディングエネルギーは、500eV~3keVの範囲である、条項109~114の何れか一項に記載のシステム。
条項116.
方法を装置に実施させるように上記装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である1組の命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、上記装置は、荷電粒子ビームを生成するための荷電粒子源を含み、上記方法は、
上記荷電粒子システムの第1のコンポーネントを使用して、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの第1の焦点の場所を調整することと、
第2のコンポーネントであって、上記第2のコンポーネントは上記荷電粒子システムの対物レンズの集束コンポーネントの下流側に位置する、上記第2のコンポーネントを使用して、上記サンプルに関連する電磁界を操作して、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点を調整することにより第2の焦点を形成することと
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
条項117.
上記装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である上記1組の命令は、
高さセンサを使用して、Z軸における上記サンプルの位置を決定することと、
ステージ動作コントローラを使用して、上記サンプルの決定された上記位置に基づいて上記Z軸における上記ステージの上記位置を調整して、上記サンプル上に上記荷電粒子ビームの上記初期焦点を形成することと
を上記装置に更に実施させる、条項116に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
条項118.
上記装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である上記1組の命令は、
電気信号の第1のコンポーネントを調整して、上記サンプルの表面上の上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点を粗調整することと、
上記ステージへの上記電気信号の第2のコンポーネントを調整して、上記サンプルの上記表面上の上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点を微調整することと
により、上記サンプルに関連する電磁界を操作することを上記装置に更に実施させる、条項116及び117の何れか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
条項119.
荷電粒子ビーム装置内のサンプルの3D画像を生成する方法であって、
荷電粒子ビームをステージ上に配置された上記サンプルに照射することと、
上記サンプルに関連する電磁界を操作して、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの焦点を調整することと、
上記電磁界の上記操作に基づいて、上記荷電粒子ビームの一次光軸に実質的に垂直な複数の焦点面を形成することと、
複数の画像フレームであって、上記複数の画像フレームのうちの1つの画像フレームは上記複数の焦点面のうちの対応する焦点面に関連付けられる、上記複数の画像フレームを上記サンプルの上記複数の焦点面から生成することと、
上記複数の画像フレーム及び対応する焦点面情報から上記サンプルの3D画像を生成することと
を含む方法。
条項120.
上記電磁界を操作することは、上記荷電粒子ビーム装置の対物レンズの制御電極に印加される電気信号の第1のコンポーネントを調整することを含む、条項119に記載の方法。
条項121.
上記電磁界を操作することは、上記荷電粒子ビーム装置の上記ステージに印加される上記電気信号の第2のコンポーネントを調整することを更に含む、条項120に記載の方法。
条項122.
上記電気信号の上記第2のコンポーネントを調整することにより、上記サンプル上への上記荷電粒子ビームのランディングエネルギーが調整される、条項121に記載の方法。
条項123.
上記制御電極に印加される上記電気信号の上記第1のコンポーネントを調整することにより、上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点が粗調整され、上記ステージに印加される上記電気信号の上記第2のコンポーネントを調整することにより、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点が微調整される、条項121及び122の何れか一項に記載の方法。
条項124.
上記電気信号の上記第1のコンポーネントは、5KV~10KVの範囲の絶対値を有する電圧信号を含み、上記電気信号の上記第2のコンポーネントは、0V~150Vの範囲の絶対値を有する電圧信号を含む、条項121~123の何れか一項に記載の方法。
条項125.
上記荷電粒子ビームの上記ランディングエネルギーは、500eV~3keVの範囲である、条項122~124の何れか一項に記載の方法。
条項126.
上記サンプルの上面と一致する上記複数の焦点面のうちの第1の焦点面を形成することを更に含む、条項119~125の何れか一項に記載の方法。
条項127.
上記第1の焦点面から下方にある距離だけ離れた、上記複数の焦点面のうちの第2の焦点面を形成することを更に含む、条項126に記載の方法。
条項128.
上記第1の焦点面と上記第2の焦点面との間の上記距離は、撮像されるフィーチャ又は上記サンプルの材料に基づいて動的に調整される、条項127に記載の方法。
条項129.
上記サンプルの上記複数の焦点面の各焦点面において複数の画像フレームを生成することを更に含む、条項119~128の何れか一項に記載の方法。
条項130.
上記3D画像を生成することは、再構成アルゴリズムを使用して上記複数の画像フレームを再構成することを含む、条項119~129の何れか一項に記載の方法。
条項131.
荷電粒子ビームシステムであって、
サンプルを保持するように構成され、X-Y軸又はZ軸の少なくとも一方に沿って移動可能な上記ステージと、
上記サンプルに関連する電磁界を操作して、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの焦点を調整し、
上記電磁界の上記操作に基づいて、上記荷電粒子ビームの一次光軸に実質的に垂直な複数の焦点面を形成し、
複数の画像フレームであって、上記複数の画像フレームのうちの1つの画像フレームは上記複数の焦点面のうちの対応する焦点面に関連付けられる、上記複数の画像フレームを上記複数の焦点面から生成し、
上記複数の画像フレーム及び対応する焦点面情報から上記サンプルの3D画像を生成する
ように構成された回路を有するコントローラと
を含む荷電粒子ビームシステム。
条項132.
上記電磁界の操作は、上記荷電粒子ビームシステムの対物レンズの制御電極に印加される電気信号の第1のコンポーネントの調整を含む、条項131に記載のシステム。
条項133.
上記電磁界の操作は、上記荷電粒子ビームシステムの上記ステージに印加される上記電気信号の第2のコンポーネントの調整を更に含む、条項132に記載のシステム。
条項134.
上記電気信号の上記第2のコンポーネントの調整により、上記サンプル上への上記荷電粒子ビームのランディングエネルギーが調整される、条項133に記載のシステム。
条項135.
上記制御電極に印加される上記電気信号の上記第1のコンポーネントの調整により、上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点が粗調整され、上記ステージに印加される上記電気信号の上記第2のコンポーネントの調整により、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの上記第1の焦点が微調整される、条項133及び134の何れか一項に記載のシステム。
条項136.
上記電気信号の上記第1のコンポーネントは、5KV~10KVの範囲の絶対値を有する電圧信号を含み、上記電気信号の上記第2のコンポーネントは、0V~150Vの範囲の絶対値を有する電圧信号を含む、条項133~135の何れか一項に記載のシステム。
条項137.
上記荷電粒子ビームの上記ランディングエネルギーは、500eV~3keVの範囲である、条項134~136の何れか一項に記載のシステム。
条項138.
上記複数の焦点面は、上記サンプルの上面と一致する第1の焦点面を含む、条項131~137の何れか一項に記載のシステム。
条項139.
上記複数の焦点面は、上記第1の焦点面から下方にある距離だけ離れて形成された第2の焦点面を含む、条項138に記載のシステム。
条項140.
上記第1の焦点面と上記第2の焦点面との間の上記距離は、撮像されるフィーチャ又は上記サンプルの材料に基づいて動的に調整される、条項139に記載のシステム。
条項141.
上記コントローラは更に、上記サンプルの上記複数の焦点面の各焦点面において複数の画像フレームを生成するように構成される、条項131~140の何れか一項に記載のシステム。
条項142.
上記コントローラは更に、再構成アルゴリズムを使用して上記複数の画像フレームを再構成することにより上記サンプルの上記3D画像を生成するように構成される、条項131~141の何れか一項に記載のシステム。
条項143.
方法を装置に実施させるように上記装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である1組の命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、上記装置は、荷電粒子ビームを生成するための荷電粒子源を含み、上記方法は、
サンプルに関連する電磁界を操作して、上記サンプルを基準として上記荷電粒子ビームの焦点を調整することと、
上記電磁界の上記操作に基づいて、上記荷電粒子ビームの一次光軸に実質的に垂直な複数の焦点面を形成することと、
複数の画像フレームであって、上記複数の画像フレームのうちの1つの画像フレームは上記複数の焦点面のうちの対応する焦点面に関連付けられる、上記複数の画像フレームを上記サンプルの上記複数の焦点面から生成することと、
上記複数の画像フレーム及び対応する焦点面情報から上記サンプルの3D画像を生成することと
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
条項144.
上記装置の上記1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である上記1組の命令は、
上記サンプルの上面と一致する上記複数の焦点面のうちの第1の焦点面を形成することと、
上記第1の焦点面から下方に所定の距離だけ離れた、上記複数の焦点面のうちの第2の焦点面を形成することと
を上記装置に更に実施させる、条項143に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
条項145.
荷電粒子ビーム装置の振動を決定する方法であって、
上記荷電粒子ビームを上記サンプルに向けて誘導するように構成された電気光学コンポーネントの第1の振動を検出することと、
上記サンプルを保持するように構成された電気機械コンポーネントの第2の振動を検出することと、
上記荷電粒子ビーム装置の決定された上記振動に基づいて上記第1の振動及び上記第2の振動を補償するための振動補償信号を、上記電気光学コンポーネントに、印加することと
を含む方法。
条項146.
1つ又は複数の軸を基準として上記サンプルの位置を調整することを更に含み、上記サンプルの上記位置を調整することにより、上記電気光学コンポーネント及び上記電気機械コンポーネントの振動が生じる、条項145に記載の方法。
条項147.
上記第1の振動を検出することは、第1のセンサを用いて1つ又は複数の軸を中心とする上記電気光学コンポーネントの振動を検出することを含む、条項145及び146の何れか一項に記載の方法。
条項148.
上記第1のセンサは、上記電気光学コンポーネントに機械的に結合された加速度センサを含む、条項147に記載の方法。
条項149.
上記加速度センサは、圧電センサ、容量性加速度計、微小電気機械システム(MEMS)ベースの加速度計、又は圧電抵抗加速度計を含む、条項148に記載の方法。
条項150.
上記第1のセンサは、検出された上記第1の振動の周波数に基づいて電圧信号を生成するように構成される、条項147~149の何れか一項に記載の方法。
条項151.
上記第2の振動を検出することは、第2のセンサを用いて並進及び回転軸における上記電気機械コンポーネントの振動を検出することを含む、条項150の何れか一項に記載の方法。
条項152.
上記第2のセンサは、検出された上記第2の振動の周波数に基づいて変位信号を生成するように構成された複数の位置センサを含む、条項151に記載の方法。
条項153.
上記複数の位置センサのうちの第1の位置センサは、並進軸における上記電気機械コンポーネントの振動を検出するように構成され、上記複数の位置センサのうちの第2の位置センサは、回転軸における上記電気機械コンポーネントの振動を検出するように構成される、条項152に記載の方法。
条項154.
第1のコントローラにより、上記電圧信号及び上記変位信号を受信することと、
上記第1のコントローラを使用して、受信された上記電圧信号及び上記変位信号に基づいて上記振動補償信号を決定することと
を更に含む、条項152~153の何れか一項に記載の方法。
条項155.
上記振動補償信号を決定することは、
上記第1の振動及び上記第2の振動に関連する上記情報に基づいて複数の振動モードを特定することと、
特定された上記複数の振動モードに基づいて上記電気光学コンポーネント及び上記電気機械コンポーネントの上記振動を推定することと、
上記電気光学コンポーネント及び上記電気機械コンポーネントの推定された上記振動に基づいて複数の軸における上記振動を決定することと、
上記複数の軸における決定された上記振動に基づいて上記振動補償信号を決定することと
を含む、条項154に記載の方法。
条項156.
上記振動補償信号は、上記第1の振動及び上記第2の振動の測定時間を基準とした将来時間についての予測される振動の推定に基づいて上記振動を補償するために決定される、条項145~155の何れか一項に記載の方法。
条項157.
上記複数の振動モードを特定することは、上記電圧信号を対応する距離信号に変換することを含む、条項155及び156の何れか一項に記載の方法。
条項158.
上記複数の振動モードを特定することは、上記電気機械コンポーネントの上記第2の振動と上記電気機械コンポーネントのハウジングの振動とを切り離すことを更に含む、条項155~157の何れか一項に記載の方法。
条項159.
上記電気光学コンポーネント及び上記電気機械コンポーネントの上記振動を推定することは、シミュレーションモデルを使用することを含む、条項155~158の何れか一項に記載の方法。
条項160.
上記シミュレーションモデルは、3次元有限要素解析モデル(3D-FEM)、有限差分解析モデル(FDM)、又は数理解析モデルを含む、条項159に記載の方法。
条項161.
第2のコントローラにより、決定された上記振動補償信号を受信することを更に含む、条項154~160に記載の方法。
条項162.
上記第2のコントローラにより、ビーム走査信号を受信することと、
受信された上記ビーム走査信号と受信された上記振動補償信号とに基づいて修正されたビーム走査信号を、上記第2のコントローラにより、生成することと
を更に含む、条項161に記載の方法。
条項163.
修正された上記ビーム走査信号に基づいて、信号ジェネレータにより、ビーム偏向信号を生成することを更に含む、条項162に記載の方法。
条項164.
上記ビーム偏向信号は、上記電気光学コンポーネントに印加され、上記サンプルに入射する上記荷電粒子ビームの特性を調整するために使用される、条項163に記載の方法。
条項165.
上記ビーム偏向信号は、上記電気光学コンポーネントに関連するビーム偏向コントローラに印加される、条項163及び164の何れか一項に記載の方法。
条項166.
上記荷電粒子ビームの上記特性は、ビーム走査速度、ビーム走査周波数、ビーム走査持続時間、又はビーム走査範囲を含む、条項164及び165の何れか一項に記載の方法。
条項167.
上記複数の位置センサは、上記電気機械コンポーネントの上記ハウジングの表面に配置される、条項158~166の何れか一項に記載の方法。
条項168.
上記電気光学コンポーネントは荷電粒子コラムを含み、上記電気機械コンポーネントは、上記サンプルを保持するように構成されたステージを含み、X、Y、又はZ軸の1つ又は複数に移動可能である、条項145~167の何れか一項に記載の方法。
条項169.
上記荷電粒子ビームシステムの電気光学コンポーネントの第1の振動を検出するように構成された第1のセンサと、
上記荷電粒子ビームシステムの電気機械コンポーネントの第2の振動を検出するように構成された第2のセンサと、
上記電気光学コンポーネントに印加された検出された上記第1の振動及び上記第2の振動に基づいて振動補償信号を生成するための回路を含む第1のコントローラと
を含む荷電粒子ビームシステム。
条項170.
上記電気光学コンポーネントは、荷電粒子コラムを含み、荷電粒子ビームをサンプルに向けて誘導するように構成される、条項169に記載のシステム。
条項171.
上記電気機械コンポーネントは、上記サンプルを保持するように構成されたステージを含み、X、Y、又はZ軸の1つ又は複数に移動可能である、条項170に記載のシステム。
条項172.
上記サンプルの位置の調整により、上記電気光学コンポーネント及び上記電気機械コンポーネントの振動が生じる、条項170及び171の何れか一項に記載のシステム。
条項173.
上記荷電粒子ビーム装置の上記電気機械コンポーネントを収容するように構成されたハウジングを更に含む、条項169~172の何れか一項に記載のシステム。
条項174.
上記電気機械コンポーネントは、上記ステージを移動させることにより上記ハウジングの振動が生じるように、上記ハウジングに機械的に結合される、条項173に記載のシステム。
条項175.
上記電気光学コンポーネントは、上記ハウジングの上記振動により上記電気光学コンポーネントの上記第1の振動が生じるように、上記ハウジングに機械的に結合される、条項173及び174の何れか一項に記載のシステム。
条項176.
上記第1のセンサは更に、1つ又は複数の軸を中心とする上記電気光学コンポーネントの上記第1の振動を検出するように構成される、条項169~175の何れか一項に記載のシステム。
条項177.
上記第1のセンサは、上記電気光学コンポーネントに機械的に結合された加速度センサを含む、条項169~176の何れか一項に記載のシステム。
条項178.
上記加速度センサは、圧電センサ、容量性加速度計、微小電気機械システム(MEMS)ベースの加速度計、又は圧電抵抗加速度計を含む、条項177に記載のシステム。
条項179.
上記第1のセンサは、検出された上記第1の振動の周波数に基づいて電圧信号を生成するように構成される、条項169~178の何れか一項に記載のシステム。
条項180.
上記第2のセンサは、並進及び回転軸における上記電気機械コンポーネントの上記第2の振動を検出するように構成される、条項179の何れか一項に記載のシステム。
条項181.
上記第2のセンサは、検出された上記第2の振動の周波数に基づいて変位信号を生成するように構成された複数の位置センサを含む、条項179及び180の何れか一項に記載のシステム。
条項182.
上記複数の位置センサのうちの第1の位置センサは、並進軸における上記電気機械コンポーネントの振動を検出するように構成され、上記複数の位置センサのうちの第2の位置センサは、回転軸における上記電気機械コンポーネントの振動を検出するように構成される、条項181に記載のシステム。
条項183.
上記第1の位置センサ及び上記第2の位置センサは、上記電気機械コンポーネントの上記ハウジングの表面に配置される、条項182に記載のシステム。
条項184.
上記第1のコントローラは更に、上記電圧信号及び上記変位信号を受信して、上記電圧信号及び上記変位信号に基づいて上記振動補償信号を決定するように構成される、条項181~183の何れか一項に記載のシステム。
条項185.
上記第1のコントローラは、
上記第1の振動及び上記第2の振動に関連する情報に基づいて複数の振動モードを特定し、
特定された上記複数の振動モードに基づいて上記電気光学コンポーネント及び上記電気機械コンポーネントの上記振動を推定し、
上記電気光学コンポーネント及び上記電気機械コンポーネントの推定された上記振動に基づいて複数の軸における振動を決定し、
上記複数の軸における決定された上記振動に基づいて上記振動補償信号を決定する
ための回路を含む、169~184の何れか一項に記載のシステム。
条項186.
上記振動補償信号は、上記第1の振動及び上記第2の振動の測定時間を基準とした将来時間についての予測される振動の推定に基づいて上記振動を補償するために決定される、条項169~185の何れか一項に記載のシステム。
条項187.
上記複数の振動モードの特定は、対応する距離信号への上記電圧信号の変換を含む、条項185及び186の何れか一項に記載のシステム。
条項188.
上記複数の振動モードの特定は、上記電気機械コンポーネントの上記第2の振動と上記電気機械コンポーネントの上記ハウジングの振動との切り離しを更に含む、条項185~187の何れか一項に記載のシステム。
条項189.
上記電気光学コンポーネント及び上記電気機械コンポーネントの上記振動の推定は、シミュレーションモデルを使用することを含む、条項184~188の何れか一項に記載のシステム。
条項190.
上記シミュレーションモデルは、3次元有限要素解析モデル(3D-FEM)、有限差分解析モデル(FDM)、又は数理解析モデルを含む、条項189に記載のシステム。
条項191.
決定された上記振動補償信号を受信するための回路を含む第2のコントローラを更に含む、条項184~190の何れか一項に記載のシステム。
条項192.
上記第2のコントローラは、
ビーム走査信号を受信して、
受信された上記ビーム走査信号と上記振動補償信号とに基づいて修正されたビーム走査信号を生成する
ための回路を含む、条項191に記載のシステム。
条項193.
修正された上記ビーム走査信号に基づいてビーム偏向信号を生成するように構成された信号ジェネレータを更に含む、条項192に記載のシステム。
条項194.
上記ビーム偏向信号は、上記電気光学コンポーネントに印加され、上記サンプルに入射する上記荷電粒子ビームの特性を調整するように構成される、条項193に記載のシステム。
条項195.
上記ビーム偏向信号は、上記電気光学コンポーネントに関連するビーム偏向コントローラに印加される、条項193及び194の何れか一項に記載のシステム。
条項196.
上記荷電粒子ビームの上記特性は、ビーム走査速度、ビーム走査周波数、ビーム走査持続時間、又はビーム走査範囲を含む、条項194及び195の何れか一項に記載のシステム。
条項197.
荷電粒子ビーム装置の振動を決定する方法を装置に実施させるように上記装置の1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である1組の命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、上記方法は、
上記荷電粒子ビームをサンプルに向けて誘導するように構成された電気光学コンポーネントの第1の振動を検出することと、
上記サンプルを保持するように構成された電気機械コンポーネントの第2の振動を検出することと、
上記荷電粒子ビーム装置の決定された上記振動に基づいて上記第1の振動及び上記第2の振動を補償するための振動補償信号を、上記電気光学コンポーネントに、印加することと
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
条項198.
上記装置の上記1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である上記1組の命令は、1つ又は複数の軸を基準として上記サンプルの位置を調整することを上記装置に更に実施させ、上記サンプルの上記位置を調整することにより、上記電気光学コンポーネント及び上記電気機械コンポーネントの振動が生じる、条項197に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
条項199.
上記装置の上記1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である上記1組の命令は、上記電圧信号及び上記変位信号に基づいて振動補償信号を決定することを上記装置に更に実施させ、上記決定することは、
上記第1の振動及び上記第2の振動に関連する上記情報に基づいて複数の振動モードを特定するステップと、
特定された上記複数の振動モードに基づいて上記電気光学コンポーネント及び上記電気機械コンポーネントの上記振動を推定するステップと、
上記電気光学コンポーネント及び上記電気機械コンポーネントの推定された上記振動に基づいて複数の軸における上記振動を決定するステップと、
上記複数の軸における決定された上記振動に基づいて上記振動補償信号を決定するステップと
を含む、条項197及び198の何れか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
条項200.
上記装置の上記1つ又は複数のプロセッサにより実行可能である上記1組の命令は、
コントローラにより、ビーム走査信号を受信することと、
受信された上記ビーム走査信号と上記振動補償信号とに基づいて修正されたビーム走査信号を生成することと、
ビーム偏向信号であって、上記ビーム偏向信号は、上記電気光学コンポーネントに印加され、上記サンプルに入射する上記荷電粒子ビームの特性を調整するように構成される、上記ビーム偏向信号を、修正された上記ビーム走査信号に基づいて、信号ジェネレータにより生成することと、
上記電気光学コンポーネントに関連するビーム偏向コントローラに上記ビーム偏向信号を印加することと
を上記装置に更に実施させる、条項197~199の何れか一項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
[00260] プロセッサ(例えば、コントローラ109のプロセッサ、プロセッサ430)がウェーハ検査、ウェーハ撮像、ステージ較正、変位誤差較正、変位誤差補償を実行し、サンプルに関連する電磁界を操作し、画像取得システムと通信し、加速度センサを起動し、レーザ干渉計を起動し、DVECを動作させ、SEMコラム及びステージの振動、荷電粒子ビーム装置又は他の撮像デバイスの動作などを推定するアルゴリズムを実行するための命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が提供されることがある。非一時的媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ、又は他の任意の磁気データ記憶媒体、コンパクトディスク読出専用メモリ(CD-ROM)、他の任意の光学データ記憶媒体、孔のパターンを有する任意の物理的媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラマブル読出専用メモリ(PROM)及び消去可能プログラマブル読出専用メモリ(EPROM)、フラッシュEPROM、又は他の任意のフラッシュメモリ、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、キャッシュ、レジスタ、他の任意のメモリチップ又はカートリッジ、並びにこれらのネットワーク化されたバージョンを含む。
[00261] 図におけるブロック図は、本開示の様々な例示的な実施形態による、システム、方法、及びコンピュータハードウェア又はソフトウェア製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性、及び動作を図示する。この点に関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実施するための1つ又は複数の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、又はコードの一部を表すことがある。いくつかの代替的な実施態様では、ブロックに表された機能が、図に記された順序から逸脱して行われ得ることを理解すべきである。例えば、連続して示す2つのブロックは実質的に同時に実行又は実施されることがあり、又は、時として、2つのブロックは、関連する機能性に応じて逆の順序で実行されることがある。いくつかのブロックは省略されることもある。また、ブロック図の各ブロック、及びブロックの組み合わせが、指定された機能若しくは行為を果たす専用のハードウェアベースのシステムにより、又は専用のハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせにより実施され得ることも理解されるべきである。
[00262] 本開示の実施形態は、上記で説明され添付の図面に図示されている厳密な構成に限定されるものではないことと、その範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更がなされ得ることが理解されるであろう。