JP2008128433A - 自動変速機の温度調節装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】化学物質潜熱材や化学反応蓄熱材を用いることなく自動変速機の温度管理が可能で、変速機用流体の温度変化に起因する燃費の低下、変速ショックの低減、変速機寿命の延長が期待できること。
【解決手段】自動変速機5内及びオイルパン6内のATFを、切替弁40を介して流入し、その流入したATFを流出するように接続されて循環し、前記ATFを冷却させるクーラ20と、自動変速機5内及びオイルパン6内のATFを、切替弁40を介して流入し、その流入したATFは逆止弁50を介して流出するように接続され、所定量のATFを収容する断熱された所望の容積を有する蓄熱タンク30とを具備し、自動変速機5内のATFの温度が所望の温度に近付くように、クーラ20側と蓄熱タンク30側とを切替弁40で切替えて制御するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動変速機の温度調節装置に関するものであり、特に、トルクコンバータ及び変速機構及びオイルパンで囲まれる空間に収容された変速機用流体の温度調節に関するものである。
従来の自動変速機の温度調節装置として、例えば、特許文献1で開示された技術がある。特許文献1には、自動変速機を備える車両用駆動装置において、油圧配管中にバイパス配管が設けられ、バイパス配管には蓄熱タンクが設けられている。蓄熱タンクには、変速機用流体の温度調整に使用される熱を蓄えるための潜熱材が収容されている。これにより、内燃機関の始動直後等ラジエータを循環する冷却水の温度が低い場合、或いは登坂、渋滞時等変速機用流体の温度が通常運転時より高温になった場合、ラジエータによる変速機用流体の加熱、冷却が不可能または不十分となるときに、変速機用流体をバイパス配管から蓄熱タンクに導入し、変速機用流体の加熱、冷却を行うものである。
特開2002−39339
ところが、特許文献1の技術は、クーラ回路、クーラ、蓄熱タンク、バイパス経路を振り分ける切替弁が4個必要となり、クーラ配管及びその制御が複雑となり、価格的にも高価にならざるを得ない。
また、蓄熱タンクには、炭化水素、包接化合物、無機塩水和物、無機塩共融混合物等の化学物質潜熱材や、水、アンモニア、アルコール、水素化金属、水酸化物、有機溶液等の物質からなる化学反応蓄熱材を用いており、蓄熱タンクの故障時に変速機用流体に異物質が混入する可能性が高い。
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、化学物質潜熱材や化学反応蓄熱材を用いることなく自動変速機の温度管理が可能で、変速機用流体の温度変化に起因する燃費の低下、変速ショックの低減、変速機寿命の延長が期待できる自動変速機の温度調節装置の提供を課題とするものである。
請求項1にかかる自動変速機の温度調節装置は、自動変速機内の変速機用流体(以下、単に『ATF(Automatic Transmission Fluid)』という)を冷却させるクーラ側管路と、前記自動変速機内のATFを収容する断熱された蓄熱タンク側管路を具備し、前記自動変速機内のATFの温度が所望の温度に近付くように、前記クーラ側と前記蓄熱タンク側とを切替弁で切替えて制御するものである。
ここで、上記クーラは、自動変速機内のATFを冷却する公知の冷却装置であり、フィンを含むラジエータ、そのラジエータをファンで強制冷却する装置として対応できるものである。また、上記切替弁は、少なくとも、前記クーラ側と前記蓄熱タンク側との切替えができればよく、2方向の切替えまたはそれに停止を加えた3方向の切替えとすることができる。そして、上記蓄熱タンクは、断熱材で金属容器を収容したものであるが、セラミックス容器とすることもでき、基本的には、断熱機能を有しているものであればよく、周囲を真空または空気を入れた断熱層としたステンレス容器とすることもできる。更に、上記制御回路は、自動変速機内のATFの温度が所望の温度範囲に近付くように、前記自動変速機内のATFの温度を基に、前記クーラ側または前記蓄熱タンク側を切替弁で切替え制御できればよい。
請求項2にかかる自動変速機の温度調節装置は、自動変速機内のATFを冷却させるクーラ側管路と、前記自動変速機内のATFを収容する断熱され、かつ、必要に応じて冷却可能な蓄熱タンク側管路を具備し、前記自動変速機内のATFの温度が所望の温度範囲に近付くように、前記クーラ側と前記蓄熱タンク側とを切替弁で切替えて制御するものである。このとき、蓄熱タンクのATFの温度は、所望の温度よりも高くなったときには、蓄熱タンクのATFの温度を低下させておき、前記自動変速機の負荷の上昇に対応させるものである。
ここで、上記クーラは、自動変速機内のATFを冷却する公知の冷却装置であり、フィンを含むラジエータ、そのラジエータをファンで強制冷却する装置として対応できるものである。また、上記切替弁は、少なくとも、前記クーラ側と前記蓄熱タンク側との切替えができればよく、2方向の切替えまたはそれに停止を加えた3方向の切替えとすることができる。そして、上記蓄熱タンクは、断熱材で金属容器を収容したものであるが、セラミックス容器とすることもでき、基本的には、断熱機能を有しているものであればよく、周囲を真空または空気を入れた断熱層としたステンレス容器とすることもできる。また、少なくとも冷却が必要な場合には、特定の温度までATFの温度を冷却できる温度制御自在な機構を有するものである。更に、上記制御回路は、自動変速機内のATFの温度が所望の温度範囲に近付くように、前記自動変速機内のATFの温度を基に、前記クーラ側または前記蓄熱タンク側を切替弁で切替え制御すると共に、前記蓄熱タンク内のATFの温度が所望の温度を超えたときには、前記蓄熱タンク内のATFを冷却すべく制御するものである。
請求項3にかかる自動変速機の温度調節装置において、前記蓄熱タンクの温度制御自在な機構は、ペルチェ素子による温度制御機構としたものである。ここで、ペルチェ素子は、前記蓄熱タンク内のATFの冷却のみの使用でもよいし、前記蓄熱タンク内のATFの冷却と過熱を行うようにしてもよい。
請求項4にかかる自動変速機の温度調節装置において、前記蓄熱タンクの温度制御自在な機構は、ラジエータによる強制冷却機構としたものである。ここで、上記強制冷却機構とは、ラジエータに対してファン等の強制通風手段で冷却させる機能を有しておればよい。
請求項5にかかる自動変速機の温度調節装置において、前記蓄熱タンクの前記切替弁を配置した反対側の位置に逆止弁を配設したものであるから、前記切替弁と前記逆止弁で前記蓄熱タンクの変速機用流体の流れを独立させるものである。したがって、通常の開閉バルブにも置換できるが、制御回路から制御指令を出す必要性がないものである。
請求項6にかかる自動変速機の温度調節装置の前記切替弁で切替える前記自動変速機内の前記変速機用流体の所定の温度とは、前記クーラの放熱量と前記自動変速機の発熱量が均衡したときの自動変速機内の温度としたものである。ここで、前記クーラの放熱量と前記自動変速機の発熱量が均衡したときの自動変速機内の温度とは、一義的に決定される特定の温度を意味するものではなく、条件によって決定される温度である。
請求項7にかかる自動変速機の温度調節装置は、イグニッションキーを投入したとき、前記自動変速機内の前記変速機用流体の温度よりも、前記蓄熱タンク内の前記変速機用流体の温度が高いときには、前記蓄熱タンク側から前記自動変速機内に前記変速機用流体を流して暖機運転を行うものである。ここで、前記自動変速機内の前記変速機用流体の温度よりも、前記蓄熱タンク内の前記変速機用流体の温度が高いときは、前記自動変速機内の前記変速機用流体の温度よりも、前記蓄熱タンク内の前記変速機用流体の温度を低く設定してあっても、前記蓄熱タンク内の前記変速機用流体の温度が高く、前記自動変速機内の前記変速機用流体の温度が低いときには、前記蓄熱タンク側から前記自動変速機内に前記変速機用流体を流して暖機運転を行うものである。
請求項1の自動変速機の温度調節装置は、自動変速機内のATFを冷却させるクーラ側管路と、前記自動変速機内のATFを収容する断熱された蓄熱タンク側管路を具備し、前記自動変速機内のATFの温度が所望の温度に近付くように、前記クーラ側と前記蓄熱タンク側とを切替弁で切替えて制御するものである。ここで、仮に、冬季にイグニッションキーを投入したとすると、自動変速機内のATFは冷えているから、蓄熱タンクのATFを使用することにより、前記自動変速機内のATFの温度が所望の温度に近付くように、自動変速機内のATFの温度を上昇させ、その粘性を低下させ、それによって燃費を低下させることができる。同様に、粘性低下による変速ショックの低減を行うことができる。そして、自動変速機の負荷の低減によりその寿命を延長することができる。
また、自動変速機内のATFが登坂路等により前記自動変速機に対する負荷の増大があると、自動変速機内のATFの温度が上昇する。このとき、自動変速機内のATFよりも温度が低い蓄熱タンクのATFを使用することにより、前記自動変速機内のATFの温度が所望の温度に近付くようにATFの温度を低下させることができ、それによってATFの劣化を低減することができ、その寿命を延長することができる。
請求項2の自動変速機の温度調節装置は、自動変速機内のATFを冷却させるクーラ側管路と、前記自動変速機内のATFのATFを収容し、必要に応じて少なくとも冷却可能な蓄熱タンク側管路を具備し、前記自動変速機内のATFの温度が所望の温度範囲に近付くように、前記クーラ側と前記蓄熱タンク側とを切替弁で切替えて制御する。このとき、前記蓄熱タンクのATFの温度が、設定温度よりも高くなったとき、それを冷却するために、前記蓄熱タンクのATFの温度を低下させておき、前記自動変速機の負荷の上昇に対応させるものである。
ここで、仮に、冬季にイグニッションキーを投入したとすると、自動変速機内のATFは冷えているから、蓄熱タンクのATFを使用することにより、前記自動変速機内のATFの温度が所望の温度範囲に近付くように、自動変速機内のATFの温度を上昇させ、その粘性を低下させ、それによって燃費を低下させることができる。同様に、粘性低下による変速ショックの低減を行うことができる。そして、自動変速機の負荷の低減によりその寿命を延長することができる。また、自動変速機内のATFが登坂路等により前記自動変速機に対する負荷の増大があるとき、予め蓄熱タンクのATFの温度を冷却しておき、そして、自動変速機内のATFの温度が所定の温度よりも上昇すると、前記蓄熱タンク内の低い温度のATFを使用することにより、前記自動変速機内のATFの温度を所望の温度範囲に近付くように低下させることができ、それによってATFの劣化を低減することができ、その寿命を延長することができる。
請求項3にかかる自動変速機の温度調節装置においては、前記蓄熱タンクの温度制御自在な機構をペルチェ素子による温度制御機構としたものであるから、請求項2に記載の効果に加えて、前記蓄熱タンク内のATFの冷却を行うようにすることができ、自動変速機の過負荷によって自動変速機内のATF温度が高くなったときに、その温度を急激に抑えることができる。なお、ペルチェ素子による加熱は、自動変速機内のATFの温度を低い冬季に車両のエンジン始動時に対応させると、自動変速機の駆動初期のATFの温度を上げることができる。
請求項4にかかる自動変速機の温度調節装置において、前記蓄熱タンクの温度制御自在な機構は、ラジエータによる強制冷却機構としたものであるから、請求項2に記載の効果に加えて、前記蓄熱タンク内のATFの冷却を行うことができ、自動変速機の過負荷によって自動変速機内のATF温度が高くなったときに、その温度を急激に抑えることができる。
請求項5にかかる自動変速機の温度調節装置において、前記蓄熱タンクの前記切替弁を配置した反対側の位置に逆止弁を配設したものであるから、請求項1乃至請求項4の効果に加えて、前記切替弁と前記逆止弁で前記蓄熱タンクの変速機用流体の流れを独立させるものであり、蓄熱効果が良好である。また、通常の開閉バルブにも置換できるが、制御回路から制御指令を出す必要性がなく、制御機能を考慮する必要性がない。
請求項6にかかる自動変速機の温度調節装置の前記切替弁で切替える前記自動変速機内の前記変速機用流体の所定の温度とは、前記クーラの放熱量と前記自動変速機の発熱量が均衡したときの自動変速機内の温度としたものであるから、請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の効果に加えて、気象条件等の車両の外部条件、負荷等によって前記クーラの放熱量と前記自動変速機の発熱量が均衡したときの自動変速機内の温度が変化するから、前記変速機用流体の劣化する可能性を考慮して、その温度を設定することができる。
請求項7にかかる自動変速機の温度調節装置は、イグニッションキーを投入したとき、前記自動変速機内の前記変速機用流体の温度よりも、前記蓄熱タンク内の前記変速機用流体の温度が高いときには、前記蓄熱タンク側から前記自動変速機内に前記変速機用流体を流して暖機運転を行うものであるから、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の効果に加えて、イグニッションキーを投入したとき、前記自動変速機内の前記変速機用流体の温度が冷えているときには、前記蓄熱タンク側から前記自動変速機内に前記変速機用流体を流して暖機運転を行うものであるから、運転初期の負荷の低減、燃費の向上を期待することができる。
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態において、図中、同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここでは重複する説明を省略する。
図1は本発明の実施の形態1の自動変速機の温度調節装置の全体構成を示す概略構成図で、図2は本発明の実施の形態1の自動変速機の温度調節装置の蓄熱タンクの概略構成図である。また、図3は本発明の実施の形態1の自動変速機の温度調節装置の切替弁をクーラ側に切替えた場合の概略構成図で、図4は本発明の実施の形態1の自動変速機の温度調節装置の切替弁を蓄熱タンク側に切替えた場合の概略構成図である。そして、図5は本発明の実施の形態1の自動変速機の温度調節装置の温度制御タイムチャートであり、図6は本発明の実施の形態1の自動変速機の温度調節装置の制御回路が実行するプログラムのフローチャートである。
図1において、エンジン1の出力軸は、トルクコンバータ2に回転数及び回転トルクを入力し、トルクコンバータ2に入力された回転数及び回転トルクを変換し、その出力を変速機構4のインプットシャフト7から入力され、変速され、アウトプットシャフト8から出力される。自動変速機5は、トルクコンバータ2及び変速機構4からなり、トルクコンバータ2のハウジング3並びに変速機構4及びオイルパン6で形成される空間内には、自動変速機5に内蔵されているATFポンプによって、ATFが自動変速機5内を循環している。
一般に、自動変速機5には、トルクコンバータ2及び変速機構4で囲まれる空間及びオイルパン6で囲まれるATF収容空間を有する。自動変速機5のハウジング及びトルクコンバータ2及び変速機構4で囲まれる空間及びオイルパンで囲まれる空間内の温度は、通常、車両の置かれた停止された環境の温度となるが、エンジン1の駆動、走行によって、トルクコンバータ2及び変速機構4の温度が上昇する。
本実施の形態の自動変速機の温度調節装置は、自動変速機5の変速機構4にATFの吐出口11が設けられ、オイルパン6に吸入口12が設けられている。クーラ20は、ATFを冷却するフィン、ラジエータからなり、図示しないラジエータから所定の熱量を常に放熱しており、自動変速機5との間を循環することにより自動変速機5の温度上昇を抑えている。このクーラ20は自動変速機5及びオイルパン6内のATFを冷却する公知の冷却装置であり、フィンを含むラジエータの自然冷却の他に、ファンで強制冷却するものもある。
また、蓄熱タンク30は、図2に示すように、所定量のATFを収容する所望の容積を有する断熱容器であり、断熱材31で金属容器を収容したものである。本発明を実施する場合には、セラミックス容器も可能であり、基本的には、断熱機能を有しているものであればよく、周囲を真空または空気を入れた断熱層を有する空間としたステンレス容器も使用可能である。蓄熱タンク30に対するATFの吸込みは下部から行われ、上部から流出されることによって、短期間に温度の高いATFを優先的に流出するようになっている。
切替弁40は、自動変速機5の吐出口11から流出されるATFをクーラ20側または蓄熱タンク30側に切替えるバルブで、電気的に切替え制御される。逆止弁50は、蓄熱タンク30側から吸入口12の方向にのみATFの流れを許容するもので、逆に、蓄熱タンク30側の圧力が低下しても、吸入口12側からの流れが生じない。
オイルパン6に吸入口12付近には、温度センサ61が設置され、温度センサ61の出力はマイクロコンピュータからなる制御回路60に入力されている。制御回路60では、温度センサ61の出力を基にプログラム制御され、その出力で切替弁40の切替え制御を行っている。
なお、逆止弁50は、蓄熱タンク30側から吸入口12の方向にのみATFの流れを許容するものであり、単に開閉弁とすることもできる。
本実施の形態の自動変速機の温度調節装置は、自動変速機5内及びオイルパン6内のATFを、その吐出口11側から流出したATFを切替弁40を介してクーラ20に流入し、また、その吸入口12側から流入したATFをクーラ20から流出するように接続されている。また、自動変速機5内のATF及びオイルパン6内のATFの吐出口11側に配設し、その吐出口11側から流出したATFは切替弁40を介して蓄熱タンク30に流入し、また、その吸入口12側から流入する蓄熱タンク30のATFは逆止弁50を介して流出するように接続されている。そして、制御回路60は、自動変速機5内のATFの温度が所望の温度範囲に近付くように、クーラ20側と蓄熱タンク30側とを切替弁40で切替え制御する。所望の温度範囲とは、車両が所定時間定速走行状態にある自動変速機5内及びオイルパン6内の変速機用流体の温度であり、本実施の形態では設定温度Thで示すものとする。
次に、図3及び図4を用いて切替弁40の開閉について具体的に説明する。
切替弁40が制御回路60によってクーラ20側の流れを選択すると、図3に示すように、吐出口11からのATFが切替弁40を通過して、クーラ20に到着する。クーラ20で熱交換、即ち、ATFを冷却して、オイルパン6側に設けられた吸入口12に送給される。この経路によって、自動変速機5のATFは冷却され、通常、自動変速機5の設定温度Thが90℃程度で定常運転される。
切替弁40が制御回路60によって蓄熱タンク30側の流れを選択すると、図4に示すように、吐出口11からのATFが切替弁40を通過して、蓄熱タンク30に到着する。蓄熱タンク30で保温状態となり、即ち、蓄熱タンク30内のATFの温度が自動変速機5よりも低いときには自動変速機5の温度を冷やすように、蓄熱タンク30内のATFの温度が自動変速機5の温度よりも高いときには、自動変速機5の温度を暖めるように、オイルパン6側に設けられた吸入口12に送給される。この経路によって、自動変速機5のATFは冷却または加温される。
次に、図5を用いて、本発明の実施の形態1の自動変速機の温度調節装置の温度制御タイムチャートを説明する。
まず、車両は長時間停車していて、自動変速機5及びオイルパン6の温度が低下しているものとする。しかし、蓄熱タンク30の温度が蓄熱設定温度T℃に設定されているとき、車両のイグニッションキー62がオンになる前には、当該蓄熱設定温度T℃以下でATFが蓄熱されているものとする。
図5において、イグニッションキー62がオンになると、同時に切替弁40が蓄熱タンク30側の流れを選択する。蓄熱タンク30から高温のATFが逆止弁50を介して排出されると、自動変速機5及びオイルパン6の温度が急激に上昇する。また、自動変速機5のクラッチ及び変速機能によっても温度が上昇する。その後、蓄熱タンク30から供給されるATFの温度は、自動変速機5及びオイルパン6のATF温度と一体となって上昇する。蓄熱タンク30の温度が蓄熱設定温度T℃に設定されているとき、温度センサ61の出力が蓄熱設定温度T℃になったとき、切替弁40は蓄熱タンク30側の管路を閉じ、クーラ20側を選択する。爾後、蓄熱タンク30は、蓄熱設定温度T℃を維持すべく、切替弁40と逆止弁50で閉じられて、ATFの流れが遮断状態となる。
切替弁40が蓄熱タンク30側の管路を閉じ、クーラ20側の流れを選択すると、自動変速機5及びオイルパン6のATFが吐出口11から切替弁40を介して排出され、クーラ20のみによって自動変速機5及びオイルパン6のATFの温度を冷却する。自動変速機5のクラッチ及び変速機能によって温度が上昇し、そして、クーラ20の放熱熱量と自動変速機5の発熱熱量の均衡がとれたとき、所定の定常状態の温度Thとなる。このとき、蓄熱タンク30の蓄熱設定温度はT℃であり、少なくとも、所定の定常状態の温度Th−蓄熱設定温度T℃との間には、(Th−T)℃の開きがある。
ここで、自動変速機5に急激な負荷が加わると、自動変速機5の温度は上昇し、図5のaで示したように、設定温度Th℃を超えた温度となる。このとき、制御回路60は自動変速機5の温度を低下させるべく、蓄熱タンク30側の管路を開き、クーラ20側の管路を閉じる。したがって、自動変速機5の温度は、蓄熱タンク30の蓄熱設定温度T℃で低下させられる。このときの温度降下は、蓄熱タンク30の蓄熱容量で決定され、自動変速機5の温度の低下が停止した状態で、切替弁40は蓄熱タンク30側の管路を閉じ、クーラ20側を選択する。爾後、蓄熱タンク30は、蓄熱設定温度T℃を維持すべく、切替弁40と逆止弁50で閉じられて、ATFの流れが遮断状態となる。
この一連の動作を、制御回路60は、図6に示すように制御する。
まず、イグニッションキー62がオンになることによって、このルーチンの処理を開始する。ステップS1でイグニッションキー(E/G)62がオンになるのを確認すると、ステップS2で切替弁40を蓄熱タンク30側に開とし、ステップS3で自動変速機(A/T)5の温度が蓄熱設定温度T℃よりも高いか否かを判断し、自動変速機(A/T)5の温度が蓄熱設定温度T℃よりも低いときには、ステップS2で切替弁40を蓄熱タンク30側に開を維持して、蓄熱タンク30のATFで自動変速機5の温度を上昇させる。
ステップS3で自動変速機(A/T)5の温度が蓄熱設定温度T℃よりも高いと判断されたとき、ステップS4で切替弁40を蓄熱タンク30側に閉とし、ステップS5の処理に入り、自動変速機(A/T)5の温度が所定の設定温度(Th+α)℃であるか判断し、自動変速機(A/T)5の温度が所定の設定温度(Th+α)℃以下のとき、ステップS5で設定温度(Th+α)℃以下でなくなるのを待つ。
ステップS5で自動変速機(A/T)5の温度が所定の設定温度(Th+α)℃以上と判断したとき、自動変速機(A/T)5の温度が高いことを意味するから、ステップS6で蓄熱タンク30側に開とし、自動変速機5の温度は蓄熱タンク30の蓄熱設定温度T℃で低められて、自動変速機5の温度は低下する。このときの温度降下は、蓄熱タンク30の蓄熱容量で決定されるから、それをステップS7で、自動変速機5の温度の低下速度を監視し、低下速度が停止した状態で、ステップS8で切替弁40は蓄熱タンク30側の管路を閉じ、クーラ20側を選択する。その後、ステップS9でイグニッションキー(E/G)62がオフになるまで、ステップS3からステップS9のルーチンを繰り返し実行する。イグニッションキー(E/G)62がオフになると、ステップS10で切替弁40が閉じ、蓄熱タンク30を独立させて蓄熱状態とする。
なお、本実施の形態のステップS7では、自動変速機5の温度の低下速度を監視するものであるが、本発明を実施する場合には、温度センサを蓄熱タンク30の温度を検出するようにすれば、比較によって結論を出すことができる。しかし、本実施例の形態においては、1個の温度センサの出力のみで制御可能であるという効果がある。
このように、本実施の形態の自動変速機の温度調節装置は、自動変速機5内及びオイルパン6内のATFを冷却させるクーラ20側の管路と、自動変速機5内のATF及びオイルパン6内のATFを収容する断熱された蓄熱タンク30側の管路を具備し、自動変速機5内のATFの温度が所望の温度Thに近付くように、クーラ20側と蓄熱タンク30側とを切替弁40で切替えて制御するものである。ここで、仮に、冬季にイグニッションキー62を投入したとすると、自動変速機5内及びオイルパン6内のATFは冷えているから、蓄熱タンク30のATFを使用することにより、自動変速機5内のATFの温度が所望の温度Thに近付くように、自動変速機5内のATFの温度を上昇させ、その粘性を低下させ、それによって燃費を低下させることができる。同様に、粘性低下による変速ショックの低減を行うことができる。そして、自動変速機5のATF負荷の低減によりその寿命を延長することができる。また、自動変速機5内及びオイルパン6内のATFが登坂路等により自動変速機5に対する負荷の増大があると、自動変速機5内及びオイルパン6内のATFの温度が上昇する。このとき、自動変速機5内及びオイルパン6内のATFよりも温度が低い蓄熱タンク30のATFを使用することにより、自動変速機5内のATFの温度が所望の温度Thに近付くようにATFの温度を低下させることができ、それによってATFの劣化を低減することができ、その寿命を延長することができる。
[実施の形態2]
図7は本発明の実施の形態2の自動変速機の温度調節装置の蓄熱タンクの概略構成図で、図8は本発明の実施の形態2の自動変速機の温度調節装置の蓄熱タンクの他の事例の概略構成図である。また、図9は本発明の実施の形態2の自動変速機の温度調節装置の切替弁をクーラ側に切替えた場合の概略構成図で、図10は本発明の実施の形態2の自動変速機の温度調節装置の切替弁を蓄熱タンク側に切替えた場合の概略構成図である。そして、図11は本発明の実施の形態2の自動変速機の温度調節装置の温度制御タイムチャートであり、図12は本発明の実施の形態2の自動変速機の温度調節装置の制御回路が実行するプログラムのフローチャートである。
蓄熱タンク30は、図7、図8に示すように、所定量のATFを収容する所望の容積を有する断熱容器であり、断熱材31で金属容器を収容したものである。本発明を実施する場合には、セラミックス容器等の使用も可能であり、基本的には、断熱機能を有しているものであればよく、周囲を真空または空気を入れた断熱層を有する空間としたステンレス容器も使用可能である。蓄熱タンク30に対するATFの吸込みは下部から行われ、上部から流出されることによって、温度の高いATFを優先的に流出するようになっている。温度センサ32は蓄熱タンク30のATFの温度を検出するものであり、基本的に上記実施の形態と相違するものではない。
図7において、ペルチェ素子33はペルチェ効果を用いた熱交換素子で、外側に多くのフィン34が設けられており、当該放熱フィン34はファン35での風で冷却される。勿論、ペルチェ素子33の通電方向によっては、放熱フィン34側から熱を吸収し、蓄熱タンク30のATFを過熱することもできる。本実施の形態の蓄熱タンク30はフィン34がファン35で冷却されるものであるから、冷却しないときには、良好な断熱特性で断熱することができる。ここで、ペルチェ素子33とファン35は温度制御機構38を構成し、イグニッションキー62がオンになったときは、蓄熱タンク30の温度の上昇に伴う自動変速機5の暖機に、運転中には、所定の温度に下げておき自動変速機5の冷却に使用することができる。
図8は蓄熱タンク30の一部に放熱フィン37を設けたものであり、通常では、蓄熱タンク30として蓄熱効果があるが、自動変速機5内のATFの温度が上昇しすぎる場合に放熱フィン37の作用が勝り、自動変速機5の温度を低下させることができる。特に、運転中には、放熱フィン37、ラジエータによる温度制御機構38によって、所定の温度に下げておき自動変速機5のATFの冷却に使用することができる。
次に、図9及び図10を用いて切替弁40の開閉、蓄熱タンクの温度管理について具体的に説明する。
切替弁40が制御回路60によってクーラ20側の流れを選択すると、図9に示すように、吐出口11からのATFが切替弁40を通過して、クーラ20に到着する。クーラ20で熱交換、即ち、ATFを冷却して、オイルパン6に設けられた吸入口12に送給される。この経路によって、自動変速機5のATFは冷却され、通常、自動変速機5の設定温度Thが90℃程度で定常運転される。定常運転を行っているときには、自動変速機5の温度が高くならないように、ペルチェ素子33とファン35からなる温度制御機構38を用いて蓄熱タンク30内の温度を蓄熱設定温度T℃または運転中はそれ以下に下げておき、自動変速機5の負荷が大きいときには、蓄熱タンク30内のATFを自動変速機5に供給して、温度を低下させる。
なお、本実施の形態では、イグニッションキー62がオンになったときに、ペルチェ素子33とファン35からなる温度制御機構38によって、蓄熱タンク30のATFの温度を高めて、自動変速機5の温度を早く定常状態に上げることもできる。
切替弁40が制御回路60によって蓄熱タンク30側の流れを選択すると、図10に示すように、吐出口11からのATFが切替弁40を通過して、蓄熱タンク30に到着する。蓄熱タンク30で保温状態となり、即ち、蓄熱タンク30内のATFの温度が自動変速機5よりも低いときには自動変速機5を冷やすように、蓄熱タンク30内のATFの温度が自動変速機5の温度よりも高いときには、自動変速機5の温度を暖めるように、オイルパン6に設けられた吸入口12に送給される。この経路によって、自動変速機5のATFは冷却または加温される。
次に、図11を用いて、本発明の実施の形態2の自動変速機の温度調節装置の温度制御タイムチャートを説明する。
まず、車両は長時間停車していて、自動変速機5及びオイルパン6の温度が低下しているものとする。蓄熱タンク30の温度が蓄熱設定温度T℃に設定されているとき、車両のイグニッションキー62がオンになる前には、当該蓄熱設定温度T℃以下の温度でATFが蓄熱されているものとする。
図11において、イグニッションキー62がオンになると、同時に切替弁40が蓄熱タンク30側の流れを選択する。蓄熱タンク30から高温のATFが逆止弁50を介して排出されると、自動変速機5及びオイルパン6の温度が急激に上昇する。また、自動変速機5の変速機能によっても温度が上昇する。その後、蓄熱タンク30から供給されるATFの温度は、自動変速機5及びオイルパン6の温度と一体となって上昇する。蓄熱タンク30の温度センサ32の出力が蓄熱設定温度T℃になったとき、切替弁40は蓄熱タンク30側の管路を閉じ、クーラ20側を選択する。その後、蓄熱タンク30は、蓄熱設定温度T℃を維持すべく、切替弁40と逆止弁50で閉じられて、ATFの流れが遮断状態となる。
切替弁40が蓄熱タンク30側の管路を閉じ、クーラ20側の流れを選択すると、自動変速機5及びオイルパン6のATFが吐出口11から切替弁40を介して排出され、クーラ20のみによって自動変速機5及びオイルパン6のATFの温度を冷却するが、自動変速機5の変速機能によって、更に、温度が上昇し、その後、クーラ20の放熱熱量と自動変速機5の発熱熱量の均衡がとれたとき、所定の定常状態の温度Thとなる。このとき、蓄熱タンク30の蓄熱設定温度はT℃であり、少なくとも、所定の定常状態の温度Th−蓄熱設定温度T℃との間には、(Th−T)℃の開きがある。
ここで、自動変速機5に急激な負荷が加わると、自動変速機5の温度は上昇し、図11に示したように、設定温度Th℃を超えた(Th+α)℃となる。このとき、制御回路60は切替弁40のATFを自動変速機5に供給して、自動変速機5の温度を低下させるべく、蓄熱タンク30側の管路を開き、クーラ20側の管路を閉じる。したがって、自動変速機5の温度は、蓄熱タンク30の蓄熱設定温度T℃で低められて、自動変速機5の温度は低下する。このとき、温度降下は、蓄熱タンク30の蓄熱容量及びペルチェ素子33とファン35からなる温度制御機構38によって決定される。蓄熱タンク30の蓄熱設定温度T℃を超えると、切替弁40が蓄熱タンク30側の管路を閉じ、クーラ20側を選択した状態で、蓄熱タンク30の温度はペルチェ素子33とファン35からなる温度制御機構38によって低下させられる。その後、蓄熱タンク30は、蓄熱設定温度T℃を維持すべく、切替弁40と逆止弁50で閉じられて、ATFの流れの遮断状態でペルチェ素子33とファン35からなる温度制御機構38によって冷却される。
この一連の動作を、制御回路60は、図12に示すように制御される。
まず、イグニッションキー62がオンになることによって、このルーチンの処理を開始する。ステップS21でイグニッションキー(E/G)62がオンになるのを確認すると、ステップS22で切替弁40を蓄熱タンク30側に開とし、ステップS23で自動変速機(A/T)5の温度が蓄熱設定温度T℃よりも高いか否かを判断し、ステップS23で自動変速機(A/T)5の温度が蓄熱設定温度T℃よりも高くないとき、ステップS22の状態を維持し、切替弁40を蓄熱タンク30側に開とし、蓄熱タンク30のATFで自動変速機5の温度を上昇させる。
ステップS23で自動変速機(A/T)5の温度が蓄熱設定温度T℃よりも高いとき、ステップS24で切替弁40を蓄熱タンク30側に閉とし、クーラ20側に開とし、ステップS25の処理に入り、自動変速機(A/T)5の温度が所定の設定温度(Th+α)℃であるか判断し、自動変速機(A/T)5の温度が所定の設定温度(Th+α)℃以下で自動変速機(A/T)5が運転されるのを監視する。
ステップS25で自動変速機(A/T)5の温度が所定の設定温度(Th+α)℃を監視し、自動変速機(A/T)5の温度が所定の設定温度(Th+α)℃以上と判断されたとき、ステップS26で蓄熱タンク30側に開とし、自動変速機5の温度は蓄熱タンク30の蓄熱設定温度T℃で薄められて、自動変速機5の温度を低下させる。このとき、温度降下は、蓄熱タンク30の蓄熱容量で決定されるから、それをステップS27で自動変速機5の温度の低下速度を監視し、低下速度が停止したとき、ステップS28で切替弁40は蓄熱タンク30側の管路を閉じ、クーラ20側を選択する。その後、ステップS29で蓄熱タンク30の温度の上昇を監視し、蓄熱タンク30の温度が蓄熱設定温度T℃を超えたと判断されるとき、ステップS30でペルチェ素子33とファン35からなる温度制御機構38によって蓄熱タンク30の温度を低下させ、ステップS31で蓄熱タンク30の温度が蓄熱設定温度T℃以下になるのを判断し、ステップS31で蓄熱タンク30の温度が蓄熱設定温度T℃以下になるまでステップS30及びステップS31のルーチンの処理をなし、ステップS31で蓄熱タンク30の温度が蓄熱設定温度T℃以下になったと判断したとき、ステップS32でペルチェ素子33とファン35からなる温度制御機構38の動作を終了させ、ステップS33でイグニッションキー(E/G)62がオフになるまで、ステップS25からステップS33のルーチンを繰り返し実行する。イグニッションキー(E/G)62がオフになると、ステップS34で切替弁40が閉じ、蓄熱タンク30を独立させて蓄熱状態とする。
上記実施の形態の自動変速機の温度調節装置は、自動変速機5内のATF及びオイルパン6内のATFを、その吐出側から流出したATFを切替弁40を介して流入し、また、その吸入側から流入するATFを流出するように接続されて循環し、前記ATFを冷却させるクーラ20と、自動変速機5内のATF及びオイルパン6内のATFの吐出側に配設し、その吐出側から流出したATFは切替弁40を介して流入し、また、その吸入側から流入するATFは逆止弁50を介して流出するように接続され、所定量のATFを収容する断熱された所望の容積を有し、温度制御自在な機構、即ち、温度制御機構38を有する蓄熱タンク30と、自動変速機5内のATFの温度が所望の温度Thより高いときには、自動変速機5内のATFの温度が所望の温度Thに近付くように、クーラ20側と蓄熱タンク30側とを切替弁40で切替えて制御する制御回路60とを具備するものである。
したがって、自動変速機5内及びオイルパン6内のATFを冷却させるクーラ20側の管路と、自動変速機5内のATF及びオイルパン6内のATFを収容する断熱され、かつ、必要に応じて冷却可能な蓄熱タンク30側の管路を具備し、自動変速機5内のATFの温度が所望の温度Thに近付くように、クーラ20側と蓄熱タンク30側とを切替弁40で切替えて制御するものである。このとき、蓄熱タンク30のATFの温度は、自動変速機5内及びオイルパン6内のATFの温度が、所望の温度Thよりも高くなったとき、それを冷却するために、蓄熱タンク30のATFの温度を低下させておき、自動変速機5の負荷の上昇に対応させるものである。
ここで、仮に、冬季にイグニッションキー62を投入したとすると、自動変速機5内及びオイルパン6内のATFは冷えているから、蓄熱タンク30のATFを使用することにより、前記自動変速機5内のATFの温度が所望の温度Thに近付くように、自動変速機5内のATFの温度を上昇させ、その粘性を低下させ、それによって燃費を低下させることができる。同様に、粘性低下による変速ショックの低減を行うことができる。そして、自動変速機5の負荷の低減によりその寿命を延長することができる。また、自動変速機5内及びオイルパン6内のATFが登坂路等により自動変速機5に対する負荷の増大があるとき、予め蓄熱タンク30のATFの温度を冷却しておく。そして、自動変速機5内及びオイルパン6内のATFの温度が所定の温度よりも上昇すると、自動変速機5内及びオイルパン6内のATFよりも温度が低い蓄熱タンク30のATFを使用することにより、自動変速機5内のATFの温度を所望の温度Thに近付くように低下させることができ、それによってATFの劣化を低減することができ、その寿命を延長することができる。
また、上記実施の形態の自動変速機の温度調節装置の蓄熱タンク30の温度制御自在な機構は、ペルチェ素子33による温度制御機構38としたものでは、蓄熱タンク30の温度制御自在な機構をペルチェ素子33による温度制御機構としたものであるから、蓄熱タンク30内のATFの冷却、または必要に応じて過熱を行うようにすることができ、自動変速機5内及びオイルパン6内のATFが冷えているときの温度上昇を急激に上昇させることができる。また、自動変速機5の過負荷に対しても、蓄熱タンク30内のATFを冷却し、それを供給することにより、自動変速機5内及びオイルパン6内のATFの温度を低下させることができる。
そして、上記実施の形態の自動変速機の温度調節装置において、蓄熱タンク30の温度制御自在な機構として、ラジエータによる温度制御機構38としたものは、ラジエータに対してファン等の強制通風手段で冷却させるものであるから、ファン等の強制通風手段の停止により保温特性を良好とすることができる。
図1は本発明の実施の形態1の自動変速機の温度調節装置の全体構成を示す概略構成図である。 図2は本発明の実施の形態1の自動変速機の温度調節装置の蓄熱タンクの概略構成図である。 図3は本発明の実施の形態1の自動変速機の温度調節装置の切替弁をクーラ側に切替えた場合の概略構成図である。 図4は本発明の実施の形態1の自動変速機の温度調節装置の切替弁を蓄熱タンク側に切替えた場合の概略構成図である。 図5は本発明の実施の形態1の自動変速機の温度調節装置の温度制御タイムチャートである。 図6は本発明の実施の形態1の自動変速機の温度調節装置の制御回路が実行するプログラムのフローチャートである。 図7は本発明の実施の形態2の自動変速機の温度調節装置の蓄熱タンクの概略構成図である。 図8は本発明の実施の形態2の自動変速機の温度調節装置の蓄熱タンクの他の事例の概略構成図である。 図9は本発明の実施の形態2の自動変速機の温度調節装置の切替弁をクーラ側に切替えた場合の概略構成図である。 図10は本発明の実施の形態2の自動変速機の温度調節装置の切替弁を蓄熱タンク側に切替えた場合の概略構成図である。 図11は本発明の実施の形態2の自動変速機の温度調節装置の温度制御タイムチャートである。 図12は本発明の実施の形態2の自動変速機の温度調節装置の制御回路が実行するプログラムのフローチャートである。
符号の説明
5 自動変速機
6 オイルパン
11 吐出口
12 吸入口
20 クーラ
30 蓄熱タンク
38 温度制御機構
40 切替弁
50 逆止弁
60 制御回路
61,32 温度センサ
62 イグニッションキー

Claims (7)

  1. 自動変速機内の変速機用流体を、切替弁を介して流入し、その流入した前記変速機用流体を流出すべく接続された前記変速機用流体を冷却させるクーラと、
    前記自動変速機内の前記変速機用流体を、前記切替弁を介して流入し、その流入した前記変速機用流体を流出すべく接続された蓄熱可能な所望の容積を有する蓄熱タンクと、
    前記自動変速機内の前記変速機用流体の温度よりも、前記蓄熱タンク内の前記変速機用流体の温度を低く設定しておき、前記自動変速機内の前記変速機用流体の温度が所定の温度以上か否かに応じて、前記クーラ側と前記蓄熱タンク側とを切替弁で切替え制御する制御回路と
    を具備することを特徴とする自動変速機の温度調節装置。
  2. 自動変速機内の変速機用流体を、切替弁を介して流入し、その流入した前記変速機用流体を流出すべく接続された前記変速機用流体を冷却させるクーラと、
    前記自動変速機内の前記変速機用流体を、前記切替弁を介して流入し、その流入した前記変速機用流体を流出すべく接続された蓄熱可能な所望の容積を有し、かつ、前記変速機用流体の温度制御自在な機構を有する蓄熱タンクと、
    前記自動変速機内の前記変速機用流体の温度よりも、前記蓄熱タンク内の前記変速機用流体の温度を低く設定しておき、かつ、前記蓄熱タンク内の前記変速機用流体の温度が所定の温度となるように温度制御し、前記自動変速機内の前記変速機用流体の温度が所定の温度以上か否かに応じて、前記クーラ側と前記蓄熱タンク側とを切替弁で切替え制御する制御回路と
    を具備することを特徴とする自動変速機の温度調節装置。
  3. 前記蓄熱タンクの温度制御自在な機構は、ペルチェ素子による温度制御機構としたことを特徴とする請求項2に記載の自動変速機の温度調節装置。
  4. 前記蓄熱タンクの温度制御自在な機構は、ラジエータによる強制冷却機構としたことを特徴とする請求項2に記載の自動変速機の温度調節装置。
  5. 前記蓄熱タンクには、前記切替弁を配置した反対側の位置に逆止弁を配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の自動変速機の温度調節装置。
  6. 前記切替弁で切替える前記自動変速機内の前記変速機用流体の所定の温度とは、前記クーラの放熱量と前記自動変速機の発熱量が均衡したときの自動変速機内の温度としたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の自動変速機の温度調節装置。
  7. イグニッションキーを投入したとき、前記自動変速機内の前記変速機用流体の温度よりも、前記蓄熱タンク内の前記変速機用流体の温度が高いときには、前記蓄熱タンク側から前記自動変速機内に前記変速機用流体を流して暖機運転を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の自動変速機の温度調節装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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