JP2008128095A - エンジンの動弁構造 - Google Patents

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Makoto Akita
誠 秋田
Taiji Matsubara
泰司 松原
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Abstract

【課題】吸気弁及び排気弁のバルブタイミング、リフト量及び開き角度を個別に設定することができるとともに、カム面の磨耗を低減することができ、さらに、吸気弁及び排気弁の動作安定性を高めることができるエンジンの動弁構造を提供することを課題とする。
【解決手段】カムシャフト11がシリンダヘッド3内に設けられているエンジンの動弁構造であって、カムシャフト11には、第一カム14及び第二カム15が軸線方向に並設されており、吸気弁20に連結され、第一カム14のカム面14a上を摺動する第一ロッカーアーム12と、排気弁30に連結され、第二カム15のカム面15a上を摺動する第二ロッカーアーム13とを備え、第一カム14及び第二カム15において一方のカム面が他方のカム面よりもカムシャフト11の軸心側に配置されていることを特徴としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸気弁及び排気弁を作動させるためのカムシャフトが、シリンダヘッド内に設けられているエンジンの動弁構造に関する。
カムシャフトがシリンダヘッド内に設けられているとともに、カムシャフトの軸線を挟んで、吸気弁及び排気弁が配設されているOHC(Over Head Camshaft)式の4サイクルエンジンの動弁構造としては、カムシャフトに設けられた一体のカムに対して、二体のロッカーアームが設けられているものがある(例えば、特許文献1参照)。
このような動弁構造では、各ロッカーアームの一端は吸気弁又は排気弁にそれぞれ連結され、各ロッカーアームの他端にはカムのカム面上を摺動するスリッパ面が形成されている。そして、回転する一体のカムのカム面に案内されて、二体のロッカーアームが揺動することにより、吸気弁及び排気弁が開閉するように構成されている。
特開平8−74524号公報(段落0015〜0019、図4)
ここで、4サイクルエンジンにおいて、燃費の向上や排ガス中の有害物質を低減させるためには、燃焼室内への混合気の吸入タイミングや燃焼ガスの排出タイミングを制御することが有効となっている。さらに、エンジンは搭載される作業装置の使用目的に対応させて出力特性を設定する必要があり、出力特性を調整するには吸気タイミングの変更が有効となっている。
したがって、吸気弁及び排気弁のバルブタイミング、リフト量及び開き角度を個別に設定することより、エンジンの燃費向上、排出ガス中の有害物質の低減、及び出力特性の調整を行うことが望ましい。
しかしながら、前記した従来の動弁構造では、二体のロッカーアームが同じカム面に案内されることにより、吸気弁及び排気弁が開閉しているため、吸気弁及び排気弁のバルブタイミング、リフト量及び開き角度を個別に設定することが困難となっている。
また、二体のロッカーアームのスリッパ面が同じカム面上を摺動しており、カム面とロッカーアームとの接触面積が大きくなっているため、カム面では潤滑油の油膜切れが生じ易くなっており、カム面が磨耗し易くなっているという問題がある。
そこで、カムシャフトの軸線方向に二体のカムを並設し、二体のロッカーアームをそれぞれ異なるカムのカム面に案内させる動弁構造が考えられる。この構成では、吸気弁及び排気弁のバルブタイミング、リフト量及び開き角度を個別に設定することができるとともに、カム面の磨耗を低減することができる。
しかしながら、カムシャフトに二体のカムを並設した動弁構造では、各カムの外周形状が同一となっており、一方のカムのカム面上を摺動するロッカーアームのスリッパ面が、他方のカムのカム面に接触する可能性があるため、吸気弁及び排気弁の動作安定性が低くなってしまうという問題がある。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、吸気弁及び排気弁のバルブタイミング、リフト量及び開き角度を個別に設定することができるとともに、カム面の磨耗を低減することができ、さらに、吸気弁及び排気弁の動作安定性を高めることができるエンジンの動弁構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、クランクシャフトの回転に連動して回転するカムシャフトが、シリンダヘッド内に設けられているエンジンの動弁構造であって、カムシャフトには、外周面にカム面が形成された第一カム及び第二カムが、カムシャフトの軸方向に並設されており、一端が吸気弁に連結され、他端には第一カムのカム面上を摺動するスリッパ面が形成されている第一ロッカーアームと、一端が排気弁に連結され、他端には第二カムのカム面上を摺動するスリッパ面が形成されている第二ロッカーアームと、を備え、第一カム及び第二カムにおいて一方のカム面は他方のカム面よりもカムシャフトの軸心側に配置されていることを特徴としている。
この構成では、カムシャフトに二体のカムが設けられており、二体のロッカーアームはそれぞれ異なるカムのカム面に案内されて揺動するため、吸気弁及び排気弁のバルブタイミング、リフト量及び開き角度を個別に設定することができる。
また、複数のロッカーアームが一体のカムのカム面に案内される構成と比べて、カム面上を摺動するロッカーアームの個数が減ることから、カム面では潤滑油の油膜切れが生じ難くなるため、カム面の磨耗を低減することができる。
また、一方のカムのカム面が他方のカムのカム面よりもカムシャフトの軸心側に配置されており、一方のカムの外周形状が、他方のカムの外周形状よりも小さく形成されている。したがって、一方のカムのカム面上を摺動するロッカーアームのスリッパ面と、他方のカムのカム面との接触を防ぐことができるため、吸気弁及び排気弁の動作安定性を高めることができる。
また、ロッカーアームを用いて吸気弁及び排気弁を作動させており、カムが吸気弁及び排気弁を直接作動させる直動式の動弁構造と比較して、エンジンの全高を低くすることができる。
前記したエンジンの動弁構造において、第一カム及び第二カムには、シリンダヘッド内に供給された潤滑油、燃料及び空気の混合気が吹き付けられるように構成することができる。
この構成では、潤滑油を含む混合気が第一カム及び第二カムに直接吹き付けられるため、第一カム及び第二カムの潤滑性能を高めることができる。
本発明のエンジンの動弁構造によれば、二体のロッカーアームはそれぞれ異なるカムのカム面に案内されるため、吸気弁及び排気弁のバルブタイミング、リフト量及び開き角度を個別に設定することができる。そして、吸気弁及び排気弁のバルブタイミング、リフト量及び開き角度を個別に設定することにより、燃焼室内への混合気の吸入タイミングや燃焼ガスの排出タイミングを個別に微調整することができるため、エンジンの燃費を向上させることができる。さらに、燃焼効率を高めて排ガス中の有害物質を低減することができ、エンジンを様々な使用環境や世界的な排出ガス規制に対応させることができる。
また、吸気弁及び排気弁のバルブタイミング、リフト量及び開き角度を個別に設定することにより、吸気弁及び排気弁のバルブタイミングをそれぞれ容易に変更することができるため、エンジンが搭載される作業装置の使用目的に対応させて、出力特性を最適化させることができる。
また、カム面上を摺動するロッカーアームの個数が少ないことから、カム面では潤滑油の油膜切れが生じ難くなるため、カム面の磨耗を低減することができる。
また、一方のカムのカム面が他方のカムのカム面よりもカムシャフトの軸心側に配置されており、一方のカムのカム面上を摺動するロッカーアームのスリッパ面と、他方のカムのカム面との接触を防ぐことができるため、吸気弁及び排気弁の動作安定性を高めることができる。
また、一方のカムのカム面を他方のカムのカム面よりもカムシャフトの軸心側に配置し、一方のカムのカムベース円形状と、他方のカムのカムベース円形状との大きさに差異を付けることにより、吸気弁及び排気弁のカムプロファイルを最適なものにすることができる。これにより、一方のカムに案内されて作動する動弁部品を最適な接触面圧とすることができ、動弁部品の破損やカム面の異常磨耗を防ぐことができる。したがって、動弁部品の負荷を考慮して、何れかのカムを組み合せることにより、吸気弁及び排気弁を最適に作動させることができる。
また、ロッカーアームを用いて吸気弁及び排気弁を作動させることにより、カムが吸気弁及び排気弁を直接作動させる直動式の動弁構造と比較して、エンジンの全高を低くすることができる。したがって、本発明の動弁構造をブロワやチェンソー等の可搬式小型作業装置のエンジンに適用した場合には、装置全体をコンパクトに構成することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本実施形態の動弁構造を用いたエンジン全体の構成について説明した後に、動弁構造について詳細に説明する。
図1は、本実施形態のエンジンを後方から見たときの部分断面図である。図2は、本実施形態のシリンダヘッドにおいて、ロッカーアームカバーを外した状態を後方から見た斜視図である。図3は、本実施形態の動弁構造を示した平面図である。図4は、本実施形態の動弁構造を示した図で、図3のA−A断面図である。図5は、本実施形態の動弁構造を示した図で、図3のB−B断面図である。図6は、本実施形態の動弁構造を示した図で、図3のC−C断面図である。
以下の説明において、前後左右方向とは、各図に示した前後左右方向に対応している。なお、この前後左右方向は、本実施形態の動弁構造を説明するうえで便宜上設定した方向であり、動弁構造の構成を限定するものではない。
[エンジンの構成]
図1に示すエンジン1は、4サイクルの内燃機関であり、シリンダブロック2の上部にシリンダヘッド3が設けられ、シリンダブロック2の下部にクランクケース4が設けられている。
このエンジン1は、図2に示すように、吸気弁20及び排気弁30と、この吸気弁20及び排気弁30を開閉させるための動弁構造10とが、シリンダヘッド3内に設けられているOHCエンジンである。
なお、本実施形態のエンジン1では、動弁構造10以外の構成について、公知の内燃機関の構成を用いているため、その詳細な説明は省略する。
(シリンダヘッドの構成)
シリンダヘッド3は、図1に示すように、シリンダヘッド本体3aと、シリンダヘッド本体3aの上部に覆設されたロッカーアームカバー3bとから構成されている。
シリンダヘッド本体3aの前後方向の略中央部には、図6に示すように、燃焼室6内に連通している吸気ポート3c及び排気ポート3dが形成されている。具体的には、シリンダヘッド本体3aの左右方向の中心位置を挟んで左側に吸気ポート3cが配設され、右側に排気ポート3dが配設されている。
また、シリンダヘッド本体3aには、吸気ポート3c及び排気ポート3dに対応するようにして、吸気弁20及び排気弁30が配設されており、シリンダヘッド本体3aの左右方向の中心位置を挟んで左側に吸気弁20が配設され、右側に排気弁30が配設されている。
(エンジンの潤滑構造)
本実施形態のエンジン1では、潤滑油を含む混合気によって、エンジン1内の各部を潤滑するように構成されている。
図1に示すエンジン1のシリンダブロック2には、キャブレター5からシリンダ2a内に通じる供給路2bが形成されている。この供給路2bのシリンダ2a側の開口部は、ピストン7が上死点に移動したときには開いた状態となり、ピストン7が下死点に移動したときには、ピストン7の外周面によって閉じられた状態となる位置に形成されている。
また、エンジン1のクランクケース4及びシリンダブロック2の壁部には、クランク室4a内からシリンダヘッド3内に通じる連絡路(図示せず)が形成されており、この連絡路のクランク室4a側の開口部には、クランク室4a側からのみ混合気が流れるように、リードバルブ等の逆流防止機構が設けられている。
そして、圧縮行程及び排気行程では、潤滑油が混合された混合燃料と空気との混合気がキャブレター5で生成され、この混合気がシリンダ2a及びクランク室4a内に吸入される。
クランク室4a内の混合気は、吸気行程及び燃焼行程において、ピストン7の下降による圧力によって、クランク室4a内から連絡路に送り出される。
クランク室4a内から連絡路に送り出された混合気は、連絡路からシリンダヘッド3内に噴出し、シリンダヘッド3内の動弁構造10に吹き付けられた後に、燃焼室6内に吸入され、燃焼行程において燃焼室6内で燃焼される。
さらに、燃焼室6内の燃焼ガスは、排気行程において排気ポート3dからマフラー8内に送り込まれ、マフラー8から外部に排気される。
このように、エンジン1では、潤滑油を含む混合気がシリンダ2a、クランク室4a及びシリンダヘッド3内を通過することにより、エンジン1内の各部が潤滑されている。したがって、エンジン1を様々な角度に傾斜させた場合であっても潤滑性能を維持することができる。例えば、本実施形態のエンジン1をブロワやチェンソー等の小型作業機械に適用した場合には、作業者が小型作業機械を携帯し、様々な姿勢で使用したとしても、エンジン1の潤滑性能を維持することができ、小型作業機械を安定して駆動させることができる。
[動弁構造の構成]
動弁構造10は、図2及び図3に示すように、シリンダヘッド3内に設けられており、シリンダヘッド本体3aの左右方向の中央部において、吸気弁20及び排気弁30の後方で前後方向に延長されているカムシャフト11と、吸気弁20を開閉させる第一ロッカーアーム12と、排気弁30を開閉させる第二ロッカーアーム13とを備えている。
(カムシャフトの構成)
図2及び図3に示すカムシャフト11は、略円形断面の軸部材であり、その両端部は、シリンダヘッド本体3aの後壁部に設けられた軸受け部3eと、吸気弁20及び排気弁30の後方でシリンダヘッド本体3aの底部に設けられた軸受け部3fとにそれぞれ軸支されている。
また、カムシャフト11の後端部11aには、クランクシャフト4b(図1参照)の回転駆動力を伝達するためのチェーンやベルト等の動力伝達機構(図示せず)が連結されており、カムシャフト11はクランクシャフト4bの回転に連動して軸回りに回転するように構成されている。
(カムの構成)
カムシャフト11には、図2及び図3に示すように、第一カム14及び第二カム15が前後方向(カムシャフト11の軸方向)に所定間隔を離して並設されている。この第一カム14及び第二カム15の外周面には、後記する第一ロッカーアーム12及び第二ロッカーアーム13の揺動を案内するためのカム面14a,15aがそれぞれ形成されている。
なお、前方(一方)の第二カム15のカム面15aは、後方(他方)の第一カム14のカム面14aよりもカムシャフト11の軸心側に配置されており、第二カム15の外周形状が、第一カム14の外周形状よりも小さく形成されている。
ここで、図3に示すように、シリンダヘッド本体3aの上面において、前方の第二カム15の左右両側には、シリンダヘッド本体3aをシリンダブロック2(図1参照)に取り付けるためのヘッド取付穴3g,3gが貫通している。本実施形態では、第二カム15の左右方向の幅が小さく形成されており、第二カム15のカム面15aと各ヘッド取付穴3g,3gとの間隔が広く形成されている。
(ロッカーアームの構成)
第一ロッカーアーム12及び第二ロッカーアーム13は、図3に示すように、シリンダヘッド本体3aの上面に設けられており、シリンダヘッド本体3aの左右方向の中心位置を挟んで左側に第一ロッカーアーム12が配設され、右側に第二ロッカーアーム13が配設されている。
第一ロッカーアーム12は、図2に示すように、側面視で門型の連結部12aと、この連結部12aの後端部から斜め下方に向けて後方に突出している突出部12bとが形成されている。
第一ロッカーアーム12では、図4に示すように、連結部12a(一端)が吸気弁20及びシリンダヘッド本体3aに連結され、突出部12b(他端)には第一カム14のカム面14a上を摺動するスリッパ面12cが形成されている。
また、図6に示すように、第一ロッカーアーム12の連結部12aの平面部において、シリンダヘッド本体3aの内方側の端部には、弁体取付穴12fが上下方向に向けて貫通している。
この弁体取付穴12fには、吸気弁20のステム部20aの上端部に当接しているアジャストスクリュ20bが挿通されており、ナット20cによってアジャストスクリュ20bが連結部12aに固着されることにより、第一ロッカーアーム12の連結部12aは、アジャストスクリュ20bを介して吸気弁20に連結されている。
また、第一ロッカーアーム12の連結部12aの前面部及び後面部において、シリンダヘッド本体3aの外方側の端部には、支持穴12d,12d(図5参照)が前後方向に向けて貫通している。この支持穴12d、12dは、シリンダヘッド本体3aの上端部に形成されたアーム取付穴3hに連通しており、支持穴12d,12d及びアーム取付穴3hに挿通された支持ピン12eによって、第一ロッカーアーム12の連結部12aはシリンダヘッド本体3aに取り付けられている。
図4において、カムシャフト11を回転させた場合には、第一ロッカーアーム12のスリッパ面12cは、回転する第一カム14のカム面14a上を摺動することになる。これにより、突出部12bは第一カム14の外周形状に沿って左右方向に変位することになり、第一ロッカーアーム12が支持ピン12eの軸回りに揺動する。
図6において、第一ロッカーアーム12の連結部12aの内方側が下降した場合には、連結部12aからの押圧力によって、吸気弁20が押し下げられ、燃焼室6と吸気ポート3cとの間が開放された状態となる。
また、第一ロッカーアーム12の連結部12aの内方側が上昇した場合には、バルブスプリング20dの付勢力によって吸気弁20が押し上げられ、燃焼室6と吸気ポート3cとの間が閉塞された状態となる。
第二ロッカーアーム13は、図2に示すように、連結部13aと、この連結部13aの後端部から斜め下方に向けて後方に突出している突出部13bとが形成されている。
なお、第二ロッカーアーム13は、前記した第一ロッカーアーム12に対して左右対称の構成となっており、略同様の構成であるため、同一の構成については、その詳細な説明を省略する。
第二ロッカーアーム13では、図5に示すように、連結部13a(一端)が排気弁30及びシリンダヘッド本体3aに連結され、突出部13b(他端)には第二カム15のカム面15a上を摺動するスリッパ面13cが形成されている。
ここで、本実施形態では、図3に示すように、第二カム15のカム面15aとヘッド取付穴3gとの間隔が広く形成されているため、第二ロッカーアーム13の突出部13bを、ヘッド取付穴3gに被せることなく、第二カム15のカム面15aとヘッド取付穴3gとの間に配設することができる。
また、図6に示すように、第二ロッカーアーム13の連結部13aに形成された弁体取付穴13fに、排気弁30のステム部30aに当接しているアジャストスクリュ30bが挿通されている。そして、アジャストスクリュ30bがナット30cによって連結部13aに固着されることにより、第二ロッカーアーム13の連結部13aは、アジャストスクリュ30bを介して排気弁30に連結されている。
また、第二ロッカーアーム13の連結部13aに形成された支持穴13d,13d(図5参照)と、シリンダヘッド本体3aに形成されたアーム取付穴3hとに対して、支持ピン13eを挿通させることにより、第二ロッカーアーム13の連結部13aはシリンダヘッド本体3aに取り付けられている。
図5において、カムシャフト11を回転させた場合には、第二ロッカーアーム13のスリッパ面13cが、第二カム15のカム面15a上を摺動することにより、第二ロッカーアーム13が支持ピン13eの軸回りに揺動する。
図6において、第二ロッカーアーム13の連結部13aの内方側が下降した場合には、排気弁30が押し下げられ、燃焼室6と排気ポート3dの間が開放された状態となる。また、第二ロッカーアーム13の連結部13aの内方側が上昇した場合には、排気弁30はバルブスプリング30dによって押し上げられ、燃焼室6と排気ポート3dの間が閉塞された状態となる。
(動弁構造の作用効果)
本実施形態の動弁構造10では、図3に示すように、カムシャフト11に二体のカム14,15が設けられており、二体のロッカーアーム12,13は、それぞれ異なるカム14,15に案内されて揺動するため、吸気弁20及び排気弁30のバルブタイミング、リフト量及び開き角度を個別に設定することができる。
そして、吸気弁20及び排気弁30のバルブタイミング、リフト量及び開き角度を個別に設定することにより、燃焼室6(図1参照)内への混合気の吸入タイミングや燃焼ガスの排出タイミングを微調整することができるため、エンジン1(図1参照)の燃費を向上させることができる。さらに、燃焼効率を高めて排ガス中の有害物質を低減することができ、エンジン1を様々な使用環境や世界的な排出ガス規制に対応させることができる。
また、吸気弁20及び排気弁30のバルブタイミング、リフト量及び開き角度を個別に設定することにより、吸気弁20及び排気弁30のバルブタイミングをそれぞれ容易に変更することができるため、エンジン1が搭載される作業装置の使用目的に対応させて、出力特性を最適化させることができる。例えば、ブロワや刈払機にエンジン1を搭載する場合には、低速トルクを重視する出力特性に設定することが望ましく、チェンソーにエンジン1を搭載する場合には、高回転まで十分なトルクを発揮する出力特性に設定することが望ましい。
また、二体のロッカーアーム12,13が一体のカムのカム面に案内される構成と比べて、カム面14a(15a)上を摺動するロッカーアーム12(13)の個数が減ることから、各カム14,15のカム面14a,15aでは潤滑油の油膜切れが生じ難くなるため、カム面14a,15aの磨耗を低減することができる。
さらに、並設された二体のカム14,15では、前方の第二カム15のカム面15aが、後方の第一カム14のカム面14aよりもカムシャフト11の軸心側に配設されているため、第二カム15のカム面15a上を摺動する第二ロッカーアーム13のスリッパ面13cと、第一カム14のカム面14aとの接触を防ぐことができる。同様に、第一カム14のカム面14a上を摺動する第一ロッカーアーム12のスリッパ面12cと、第二カム15のカム面15aとの接触を防ぐこともできる。このように、各ロッカーアーム12,13の誤動作を防ぐことができるため、吸気弁20及び排気弁30の動作安定性を高めることができる。
また、第二カム15のカム面15aを第一カム14のカム面14aよりもカムシャフト11の軸心側に配置し、第一カム14のカムベース円形状を、第二カム15のカムベース円形状よりも大きくすることにより、第一カム14のカムプロファイルの耐接触面圧性を、第二カム15のカムプロファイルの耐接触面圧性よりも改善することができる。
したがって、動弁部品の負荷を考慮して、何れかのカム14,15を組み合せることにより、吸気弁20及び排気弁30を最適に作動させることができる。
さらに、二体のカム14,15において、シリンダヘッド本体3aのヘッド取付穴3gに近い方の第二カム15の左右方向の幅が小さく形成されており、第二カム15のカム面15aとヘッド取付穴3gの間隔が広くなっている。これにより、第二ロッカーアーム13をヘッド取付穴3gに被せることなく、第二カム15とヘッド取付穴3gの間を利用して、第二ロッカーアーム13のスリッパ面13cを、第二カム15のカム面15aに接触させることができる。
この構成では、シリンダヘッド本体3aのヘッド取付穴3gを上方に露出させることができるため、シリンダヘッド本体3aからロッカーアーム12,13を取り外すことなく、シリンダヘッド3をシリンダブロック2(図1参照)に脱着させることができ、エンジン1内の清掃や点検等のメンテナンス性を向上させることができる。
また、図1に示すエンジン1では、潤滑油を含む混合気がクランク室4aからシリンダヘッド3内に供給されるように構成されており、シリンダヘッド3内の動弁構造10では、潤滑油を含む混合気が第一カム14及び第二カム15に直接吹き付けられるため、第一カム14及び第二カム15の潤滑性能を高めることができる。
また、図3に示すように、ロッカーアーム12,13を用いて吸気弁20及び排気弁30を作動させることにより、カム14,15が吸気弁20及び排気弁30を直接作動させる直動式の動弁構造と比較して、エンジン1(図1参照)の全高を低くすることができる。したがって、本実施形態の動弁構造10をブロワやチェンソー等の可搬式小型作業装置のエンジンに適用した場合には、装置全体をコンパクトに構成することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。例えば、本実施形態では、図3に示すように、前後方向に並設された二体のカム14,15のうち、前方の第二カム15のカム面15aが後方の第一カム14のカム面14aよりもカムシャフト11の軸心側に配置されているが、後方の第一カム14のカム面14aが前方の第二カム15のカム面15aよりもカムシャフト11の軸心側に配置されるように構成してもよい。
また、本実施形態では、図6に示すように、各ロッカーアーム12,13をシリンダヘッド本体3aに軸支している各支持ピン12e,13eが同一部品となっているが、二体のカム14,15のうち、吸気弁20及び排気弁30から遠い方の第一カム14に接触している第一ロッカーアーム12の支持ピン12eの強度を、第二ロッカーアーム13の支持ピン13eの強度よりも高めることが望ましい。具体的には、第一ロッカーアーム12の支持ピン12eを、第二ロッカーアーム13の支持ピン13eよりも拡径したり延長したりすることによって、支持ピン12eの強度を高めることができる。
この構成では、第一ロッカーアーム12の支持ピン12e及び支持穴12dに作用する応力を低減することができるため、吸気弁20におけるバルブクリアランスの増加を防ぐことができる。
本実施形態のエンジンを後方から見たときの部分断面図である。 本実施形態のシリンダヘッドにおいて、ロッカーアームカバーを外した状態を後方から見た斜視図である。 本実施形態の動弁構造を示した平面図である。 本実施形態の動弁構造を示した図で、図3のA−A断面図である。 本実施形態の動弁構造を示した図で、図3のB−B断面図である。 本実施形態の動弁構造を示した図で、図3のC−C断面図である。
符号の説明
1 エンジン
3 シリンダヘッド
3a シリンダヘッド本体
3b ロッカーアームカバー
3g ヘッド取付穴
4 クランクケース
4a クランク室
4b クランクシャフト
10 動弁構造
11 カムシャフト
12 第一ロッカーアーム
12a 連結部
12b 突出部
12c スリッパ面
13 第二ロッカーアーム
13a 連結部
13b 突出部
13c スリッパ面
14 第一カム
14a カム面
15 第二カム
15a カム面
20 吸気弁
30 排気弁

Claims (2)

  1. クランクシャフトの回転に連動して回転するカムシャフトが、シリンダヘッド内に設けられているエンジンの動弁構造であって、
    前記カムシャフトには、外周面にカム面が形成された第一カム及び第二カムが、前記カムシャフトの軸方向に並設されており、
    一端が前記吸気弁に連結され、他端には前記第一カムのカム面上を摺動するスリッパ面が形成されている第一ロッカーアームと、
    一端が前記排気弁に連結され、他端には前記第二カムのカム面上を摺動するスリッパ面が形成されている第二ロッカーアームと、を備え、
    前記第一カム及び前記第二カムにおいて、一方のカム面は他方のカム面よりも前記カムシャフトの軸心側に配置されていることを特徴とするエンジンの動弁構造。
  2. 前記第一カム及び前記第二カムには、前記シリンダヘッド内に供給された潤滑油、燃料及び空気の混合気が吹き付けられるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの動弁構造。
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