JP2016125370A - カムシャフト支持構造 - Google Patents

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JP2016125370A JP2014264813A JP2014264813A JP2016125370A JP 2016125370 A JP2016125370 A JP 2016125370A JP 2014264813 A JP2014264813 A JP 2014264813A JP 2014264813 A JP2014264813 A JP 2014264813A JP 2016125370 A JP2016125370 A JP 2016125370A
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成敦 本郷
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Abstract

【課題】簡単な構成によりスラスト方向位置規制及び潤滑を行うことが可能なカムシャフト支持構造を提供する。【解決手段】カム部11,12,13,14及びジャーナル部15,16を有するカムシャフト10と、ジャーナル部を支持するラジアル軸受の一部が形成されたシリンダヘッドと、ラジアル軸受の他部110,120が形成されシリンダヘッドに締結されるカムキャップ100とを有するカムシャフト支持構造を、カムシャフトは、オイル噴出孔Oとカムシャフト側摺動面部17,18とを有し、カムキャップは、カムシャフト側摺動面部と摺動するカムキャップ側摺動面部141,142と、オイル噴出孔から噴出したオイルをカムシャフト側摺動面部とカムキャップ側摺動面部との摺動箇所に案内するオイル案内面部150,160とを有する構成とする。【選択図】図5

Description

本発明は、4ストトーク内燃機関のカムシャフトを支持するカムシャフト支持構造に関し、特に簡単な構成によりスラスト方向位置規制及び潤滑を行うことが可能なものに関する。
4ストロークの内燃機関においては、クランクシャフトの1/2の回転速度で同期して回転するカムシャフトによって吸排気バルブの駆動を行う。
このようなカムシャフトはスラスト方向の位置規制(ずれ防止)を行うため、スラスト軸受等を設ける構成が一般的である。
例えば、特許文献1には、カムシャフトの一部に外径側に鍔状に張り出したフランジを形成するとともに、摺動面部を有するスラスト軸受部材をバネ要素によってフランジに押圧するスラスト軸受構造が記載されている。
しかし、シリンダヘッド内における吸排気ポートや動弁機構のレイアウトの関係から、スラスト軸受をシリンダヘッドに設けるスペース的な余裕がない場合には、他の手法によってカムシャフトのスラスト方向位置規制を行うことが必要となる。
例えば、特許文献2には、カムシャフトに形成されたフランジをベアリングキャップ(カムキャップ)に形成されたスラスト受け部で位置規制するとともに、ベアリングキャップ内部を中空としてカムから噴出するオイルを取り入れ、ベアリングキャップの内部を経由してスラスト受け部に案内するオイル流路を形成することが記載されている。
特開平9−242511号公報 特開平8−200029号公報
引用文献2に記載されたようにカムキャップ(ベアリングキャップ)によってカムシャフトのスラスト方向位置規制を行なえば、スラスト軸受を配置するスペースを確保できないエンジンであってもカムシャフトの位置規制を行うことが可能となる。
しかし、カムキャップの内部を中空としてオイル流路を形成する場合、内部油路の形成などカムキャップの製造工程が煩雑となって生産性やコストが悪化してしまう。
また、カムシャフトから噴出するオイルが適切にオイル流路の入口孔部に飛び込む頻度はごく低いと考えられ、スラスト受け部の摺動面の潤滑性能を確保することも困難であると認められる。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、簡単な構成によりスラスト方向位置規制及び潤滑を行うことが可能なカムシャフト支持構造を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1に係る発明は、エンジンの吸気バルブと排気バルブの少なくとも一方を駆動するカム部、及び、回転軸状のジャーナル部を有するカムシャフトと、前記ジャーナル部を支持するラジアル軸受の一部が形成されたシリンダヘッドと、前記ラジアル軸受の他部が形成され前記シリンダヘッドに締結されるカムキャップとを有するカムシャフト支持構造であって、前記カムシャフトは、外径側へオイルを噴出させるオイル噴出孔と、回転軸方向と直交する平面にほぼ沿って配置されたカムシャフト側摺動面部とを有し、前記カムキャップは、前記カムシャフト側摺動面部と摺動するカムキャップ側摺動面部と、一部が前記カムシャフトの前記オイル噴出孔と径方向に間隔を隔てて対向して配置され前記オイル噴出孔から噴出したオイルを前記カムシャフト側摺動面部と前記カムキャップ側摺動面部との摺動箇所に案内するオイル案内面部とを有することを特徴とするカムシャフト支持構造である。
これによれば、カムシャフトに形成されるカムシャフト側摺動面部と、カムキャップに形成されるカムキャップ側摺動面部とを摺接させることによって、カムシャフトのシリンダヘッドに対するスラスト方向位置規制を比較的小さいスペースで実現することができる。これにより、スラスト方向位置規制手段の位置設定自由度を高めることができる。
また、カムシャフト側へ開放されたオイル案内面部によって、カムシャフトから飛散するオイルをカムシャフトの周囲の広い範囲から捕集して摺動箇所に集まるよう案内することができ、摺動箇所へのオイルの供給量を確保して潤滑性能を確保することができる。
さらに、このようなオイル案内面部は、例えばカムキャップ内を中空とする場合に対して工作が容易であり、また、シリンダヘッド内を浮遊するミスト状のオイルも捕集して摺動箇所へのオイルの供給量をより増加させることができる。
これによって、カムシャフト等に形成される油路やオイル噴出孔を簡素化、削減することが可能となり、加工工数を抑制するとともに強度を向上することができる。
請求項2に係る発明は、前記カムシャフト側摺動面部は、前記カムシャフトの軸方向に対向して配置された第1のカムシャフト側摺動面部、及び、前記第2のカムシャフト側摺動面部を有し、前記カムキャップ側摺動面部は、前記第1のカムシャフト側摺動面部と前記第2のカムシャフト側摺動面部との間に挿入されるスラスト止め部にそれぞれ形成され、前記第1のカムシャフト側摺動面部と摺動する第1のカムキャップ側摺動面部、及び、前記第2のカムシャフト側摺動面部と摺動する第2のカムキャップ側摺動面部を有し、前記オイル案内面部は、前記第1のカムシャフト側摺動面部と前記第1のカムキャップ側摺動面部との摺動箇所にオイルを案内する第1のオイル案内面部、及び、前記第2のカムシャフト側摺動面部と前記第2のカムキャップ側摺動面部との摺動箇所にオイルを案内する第2のオイル案内面部を有し、前記スラスト止め部は、前記カムシャフトの軸方向における位置が、隣接する他気筒のバルブをそれぞれ駆動する複数のカム部の間隔に配置され、前記第1のオイル案内面部及び前記第2のオイル案内面部は、それぞれ異なった気筒のバルブを駆動する前記カム部から噴出したオイルを案内することを特徴とする請求項1に記載のカムシャフト支持構造である。
これによれば、カムシャフトのスラスト方向位置規制手段を隣接する気筒の間隔にコンパクトに収容するとともに、その潤滑も良好に行うことができる。
例えば並列(直列)二気筒エンジンの場合には、第1気筒と第2気筒との間のデッドスペースにカムシャフト支持構造を収容することができる。
請求項3に係る発明は、前記オイル案内面部は、前記カムシャフトの中心軸を含む平面で切って見た断面形状が、前記カムシャフト側とは反対側に凸となるよう湾曲又は屈曲した凹面部として形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカムシャフト支持構造である。
請求項4に係る発明は、前記オイル案内面部は、前記カムシャフトの中心軸と直交する平面で切って見た断面形状が、前記カムシャフト側とは反対側に凸となるよう湾曲又は屈曲した凹面部として形成されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のカムシャフト支持構造である。
これらの各発明によれば、カムシャフトから飛散するオイルやシリンダヘッド内に存在するミスト状のオイルを効率よく受け、捕集して摺動箇所に案内し、オイルの供給量を多くして潤滑状態を向上することができる。
請求項5に係る発明は、前記オイル案内面部は、前記カムシャフト側摺動面部と前記カムキャップ側摺動面部との摺動箇所側が他端部よりも低くなるように傾斜して配置されることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のカムシャフト支持構造である。
これによれば、オイル案内面部に付着したオイルが自重によって摺動箇所へ流下することによってオイルの供給をより確実に行うことができる。
以上説明したように、本発明によれば、簡単な構成によりスラスト方向位置規制及び潤滑を行うことが可能なカムシャフト支持構造を提供することができる。
本発明を適用したカムシャフト支持構造の実施例を、カムシャフトの径方向でありかつカムキャップのシリンダヘッドとの接合面(締結面)に沿った方向から見た外観図である。 図1のII−II部矢視断面図である。 図1のIII−III部矢視断面図である。 図1のIV−IV部矢視断面図である。 図4のV−V部矢視断面図である。
本発明は、簡単な構成によりスラスト方向位置規制及び潤滑を行うことが可能なカムシャフト支持構造を提供する課題を、カムシャフトに形成されたフランジと当接する摺動面部をカムキャップに形成するとともに、カムキャップにおけるカムシャフトと間隔を隔てて対向する面部に、カムシャフトから飛散するオイルを摺動面側に案内する凹曲面状の案内面部を形成することによって解決した。
以下、本発明を適用したカムシャフト支持構造の実施例について説明する。
実施例のカムシャフト支持構造は、例えばATV等の小型車両に走行用動力源として搭載されるDOHC2気筒4ストロークガソリンエンジンのカムシャフトを支持し、特にスラスト方向の荷重を受け位置規制を行うものである。
図1は、実施例のカムシャフト支持構造を、カムシャフトの径方向でありかつカムキャップのシリンダヘッドとの接合面に沿った方向から見た外観図である。
図2は、図1のII−II部矢視断面図である。
図3は、図1のIII−III部矢視断面図である。
図4は、図1のIV−IV部矢視断面図である。
図5は、図4のV−V部矢視断面図である。
カムシャフト支持構造は、カムシャフト10を、カムキャップ100を用いて図示しないシリンダヘッドに固定するものである。
シリンダヘッドは、シリンダのクランクケース側とは反対の端部に設けられ、シリンダ及びピストン冠面と協働して燃焼室を構成するとともに、燃焼室に燃焼用空気(新気)を導入する吸気ポート、燃焼室から既燃ガス(排ガス)を排出する排気ポート、各ポートを開閉する吸排気バルブとその駆動機構、点火栓などを備えて構成されている。
カムシャフト10は、例えば、エンジンの吸気バルブを開閉する吸気カムシャフトであるが、排気カムシャフトも実質的に同様の構成によって支持可能である。
カムシャフト10には、図示しないカムスプロケットが固定される。
カムスプロケットには、クランクシャフトに固定されたクランクスプロケットとの間にわたしてタイミングチェーンが巻き掛けられる。
カムシャフト10は、クランクシャフトの1/2の回転速度で、クランクシャフトと同期して回転し、図示しない吸気バルブを予め設定されたバルブタイミングで開閉する。
カムシャフト10は、カム11,12,13,14、ジャーナル部15,16、フランジ17,18等を一体に形成して構成されている。
カム11,12は、第1気筒に設けられる2本の吸気バルブをそれぞれ開弁させるものである。
カム13,14は、第2気筒に設けられる2本の吸気バルブをそれぞれ開弁させるものである。
カム11,12,13,14は、カムシャフト10の一方の端部側から、相互に間隔を有して順次配列されている。
カム11,12,13,14は、所定の開弁角度範囲内においては図示しないバルブリフタを押圧するカム山が形成され、その他の領域はベース円径に沿った円盤状に形成されている。
カムシャフト10の内部は中空に形成され、内部には図示しないオイルポンプによって加圧されたオイル(潤滑油)が供給される。
カム12,13のベース円部分における外周面部には、カムシャフト10内部のオイルをカムシャフト10の外径側へ噴出(吐出)するオイル噴出孔O(図5参照)が設けられている。
ジャーナル部15は、第1気筒のカム11とカム12との間に配置され、シリンダヘッド及びカムキャップ100が協働して構成するラジアル軸受部によって回転可能に支持され、ラジアル方向の荷重が負荷される回転軸部である。
ジャーナル部16は、第2気筒のカム13とカム14との間に配置され、シリンダヘッド及びカムキャップ100が協働して構成するラジアル軸受部によって回転可能に支持され、ラジアル方向の荷重が負荷される回転軸部である。
フランジ17,18は、それぞれカムシャフト10に作用する第2気筒側(図1における右方向)、第1気筒側(図1における左方向)へのスラスト荷重が負荷されるとともに、カムキャップ100に形成されるスラスト受け部140の摺動面部141,142と協働して、カムシャフト10のスラスト方向位置規制(位置決め)を行うものである。
フランジ17,18は、カムシャフト10の外周面から外径側に鍔状に張り出して形成されている。
フランジ17,18は、カム12とカム13との間(第1気筒と第2気筒との間隔)に、間隔を隔てて配置されている。
フランジ17,18における間隔を隔てて相互に対向する面部は、カムシャフト10の回転軸に対して直交する平面に沿って形成された平面部を有し、本発明にいうカムシャフト側摺動面部としてそれぞれ機能する。
これらの面部は、カムキャップ100のスラスト止め部140に形成される摺動面部141,142とそれぞれ当接し、潤滑用のオイルからなる油膜を介して相互に摺動する。
カムキャップ(ベアリングキャップ)100は、図示しないシリンダヘッドに締結され、シリンダヘッドと協働してカムシャフト10に作用するラジアル方向及びスラスト方向の荷重を受け、カムシャフト10を保持して位置決めする部材である。
カムシャフト10は、中心軸を含む平面に対して一方側の領域(図1における中心軸よりも下方の領域)をシリンダヘッド内に形成された図示しないラジアル軸受部等に埋設されるとともに、シリンダヘッドから張り出した他方側の領域(図1における中心軸よりも上方の領域)をカムキャップ100によって保持される。
カムキャップ100は、ラジアル軸受部110,120、連結部130、スラスト止め部140を、例えばアルミニウム系合金の鋳造品に部分的に機械加工を施すことにより、一体に形成したものである。
ラジアル軸受部110,120は、カムシャフトのジャーナル部15,16の半部(図1における上半部)を回転可能に保持し、カムシャフト10のラジアル方向荷重を受ける部分である。
ラジアル軸受部110,120は、隣接して配置されたボルト穴111,121(図4参照)にボルトを挿入し、シリンダヘッドに締結することによって、シリンダヘッドに固定される。
ボルト穴111,121は、ボルトが挿入される貫通開口であって、締結面と直交する軸に沿って形成されている。
ボルト穴111,121は、ラジアル軸受部110,120に、カムシャフト10を挟んでそれぞれ一対形成されている。
ラジアル軸受部110,120は、さらに、他部品の取付用のボルト穴112,122を有する。
ボルト穴112,122は、メネジ部を有するネジ孔となっている。
連結部130は、ラジアル軸受部110,120のシリンダヘッド側とは反対側の端部(図1における上端部)間を相互にブリッジ状に連結する部分である。
連結部130は、カムシャフト10の軸方向にほぼ沿って延在している。
連結部130のシリンダヘッド側の面部は、カムシャフト10の回転時に各カム山と干渉しないよう間隔を隔ててカムシャフト10と対向して配置されている。
スラスト止め部140は、連結部130の長手方向(カムシャフト10の軸方向)における中間部からカムシャフト10側(シリンダヘッド側)へ突出して形成されている。
スラスト止め部140の突端部(カムシャフト10側、シリンダヘッド側の端部)は、カムシャフト10のフランジ17,18の間隔に挿入されるとともに、シリンダヘッドとは間隔を隔てて対向して配置されている。
スラスト止め部140は、摺動面部141,142を有する。
摺動面部141は、フランジ17のフランジ18側の面部と当接し、相互に摺動する平面部である。
摺動面部142は、フランジ18のフランジ17側の面部と当接し、相互に摺動する平面部である。
摺動面部141,142は、カムシャフト10の回転軸と直交する平面に沿った平面部として、機械加工(切削加工)によって形成されている。
さらに、カムキャップ100は、オイル案内面部150,160を有する。
オイル案内面部150,160は、連結部130のカムシャフト10と対向する面部に形成され、カム12,13のオイル噴出孔Oから噴出するオイルを捕集し、摺動面部141,142へ案内する面部である。
オイル案内面部150,160は、カムシャフト10に対して、カム12,13のカム山が干渉することなく通過可能な間隔を隔てて対向して形成されている。
オイル案内面部150,160は、スラスト止め部140を挟んで実質的に対称となるように形成されている。
オイル案内面部150,160は、図2、図3に示すように、カムシャフト10の中心軸と直交する平面で切って見た断面形状が、カムシャフト10の中心軸と実質的に同心となるように湾曲するよう凹ませて形成された凹曲面として形成されている。
図2に示すように、オイル案内面部150,160は、カムシャフト10の中心軸回りにおいて、所定の角度θの範囲にわたって形成されている。
ここで、θは、オイルの捕集量を確保するためにはある程度大きく設定することが好ましく、実施例においては例えば約70°に設定されている。
オイル案内面部150,160は、図5に示すように、カムシャフト10の中心軸を含みかつシリンダヘッドとの締結面と直交する平面で切って見た断面形状が、カムシャフト10側とは反対側が凸となる方向にアーチ状に湾曲するよう凹ませて形成した凹曲面として形成されている。
オイル案内面部150,160において、ラジアル軸受部110,120と隣接しかつカム12,13と対向する領域は、カムシャフト10の中心軸方向にほぼ沿って配置されている。
また、図5に示すように、オイル案内面部150,160において、カム12,13のオイル噴出孔Oから出たオイルの噴流が衝突する箇所には、オイルの流れFの方向がスラスト止め部140側へ偏向するよう湾曲して形成した凹曲面部150a、150bが形成されている。
一方、オイル案内面部150,160におけるスラスト止め部140側の領域は、スラスト止め部140に接近するのに応じてカムシャフト10の中心軸側に接近するようカムシャフト10の中心軸に対して傾斜して形成されている。
この傾斜は、例えば、エンジンの使用状態において、スラスト止め部140側の端部が他端部に対して低くなるように配置し、オイル案内面部150,160に付着したオイルが自重によってスラスト止め部140側へ流下するよう構成することが好ましい。
これらの領域は、連続するドーム状の凹曲面として滑らかに形成されている。
オイル案内面部150,160の摺動面部141,142との接続部には、フランジ17,18の外周縁部と当接する領域の一部を凹ませて形成した凹部であるポケット151,161が設けられる。
ポケット151,161は、例えば摺動面部141,142がフランジ17,18の外周縁部と対向する領域の上端部近傍及びその周囲に配置されている。
ポケット151,161は、オイル案内面部150,160の表面を伝って流れ、スラスト止め部140に到達したオイルを、フランジ17,18と摺動面部141,142との摺動箇所に導入して油膜を形成させる機能を有する。
以上説明した実施例のカムシャフト支持構造においては、エンジンを運転すると、カムシャフト10は、カム12,13に形成されたオイル噴出孔Oから、潤滑用のオイルが噴出した状態で回転し、周囲にオイルを撒き散らす。
また、シリンダヘッド内(カムカバー内)には、他にもミスト状のオイルが存在する。
これらのオイルの一部は、オイル案内面部150,160に衝突、接触して付着し、オイル案内面部150,160に沿ってスラスト止め部140側に流れる(図5に示すオイルの流れFを参照)。
オイル案内面部150,160のスラスト止め部140側の端部においては、オイルはポケット151,161から、フランジ17と摺動面部141との摺動箇所、及び、フランジ18と摺動面部142との摺動箇所にそれぞれ流入し、これらの面間に油膜を形成して潤滑を行う。
以上説明した実施例によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)カムシャフト10のフランジ17,18に形成される摺動面部と、カムキャップ100のスラスト止め部140に形成される摺動面部141,142とを摺接させることによって、カムシャフト10のシリンダヘッドに対するスラスト方向位置規制を比較的小さいスペースで実現することができる。
また、カムシャフト10側へ開放されたオイル案内面部150,160によって、カムシャフト10から飛散するオイルを広い範囲から捕集して摺動箇所に集まるよう案内することができ、摺動箇所へのオイルの供給量を確保して潤滑性能を確保することができる。
さらに、このようなオイル案内面部150,160は、例えばカムキャップ内を中空とする場合に対して工作が容易であり、また、シリンダヘッド内を浮遊するミスト状のオイルも捕集してオイルの供給量をより増加させることができる。
(2)スラスト止め部140及びフランジ17,18のカムシャフト10軸方向における位置を、第1気筒と第2気筒との中間部分に配置したことによって、カムシャフト10のスラスト方向位置規制手段を、気筒間のデッドスペースを利用してコンパクトに収容するとともに、その潤滑も良好に行うことができる。
(3)オイル案内面部150,160を凹曲面状に形成したことによって、カムシャフト10から飛散するオイルやシリンダヘッド内に存在するミスト状のオイルを効率よく受け、捕集して摺動箇所に案内し、オイルの供給量を多くして潤滑状態を向上することができる。
(4)オイル案内面部150,160を、摺動面部141,142側が低くなるように傾斜して構成したことによって、オイル案内面部150,160に付着したオイルが自重によって摺動箇所へ流下し、オイルの供給をより確実に行うことができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)カムシャフト支持構造及びこれが適用されるエンジンの構成は、上述した実施例に限定されず、適宜変更することができる。
例えば、実施例はDOHC2気筒エンジンであったが、気筒数は適宜変更可能であり、また、本発明はSOHCエンジンにも適用することが可能である。
さらに、ガソリンエンジンに限らず、4ストロークのディーゼルエンジンや、ガソリン以外の燃料を用いる火花点火式のエンジンに適用することもできる。
(2)カムキャップ及びオイル案内面部の構成は、実施例の構成に限らず、適宜変更することが可能である。
(3)実施例においては、共通のスラスト止め部の両側にカムキャップ側摺動面部をそれぞれ形成する構成としているが、これらを別個の箇所に分散して配置してもよい。
(4)実施例においては、スラスト止め部を隣接する気筒間に配置しているが、他に設置可能なスペースが存在する場合には気筒間以外の箇所に設置してもよい。
(5)実施例においては、オイル案内面部をドーム状の凹曲面として形成したが、相互に傾斜する複数の平面を組み合わせた凹面や、平面と曲面とを組み合わせて構成される凹面としてもよい。
(6)実施例においては、カム側摺動面部はフランジ状に形成しているが、これに限らずカムシャフトの外径が段状に変化する段部を摺動面部として利用してもよい。
10 カムシャフト 11,12,13,14 カム
15,16 ジャーナル部 17,18 フランジ
O オイル噴出孔 F オイルの流れ
100 カムキャップ 110,120 ラジアル軸受部
111,112,121,122 ボルト穴
130 連結部
140 スラスト止め部 141,142 摺動面部
150,160 オイル案内面部 151,161 ポケット
150a,160a 凹曲面部

Claims (5)

  1. エンジンの吸気バルブと排気バルブの少なくとも一方を駆動するカム部、及び、回転軸状のジャーナル部を有するカムシャフトと、
    前記ジャーナル部を支持するラジアル軸受の一部が形成されたシリンダヘッドと、
    前記ラジアル軸受の他部が形成され前記シリンダヘッドに締結されるカムキャップと
    を有するカムシャフト支持構造であって、
    前記カムシャフトは、外径側へオイルを噴出させるオイル噴出孔と、回転軸方向と直交する平面にほぼ沿って配置されたカムシャフト側摺動面部とを有し、
    前記カムキャップは、前記カムシャフト側摺動面部と摺動するカムキャップ側摺動面部と、一部が前記カムシャフトの前記オイル噴出孔と径方向に間隔を隔てて対向して配置され前記オイル噴出孔から噴出したオイルを前記カムシャフト側摺動面部と前記カムキャップ側摺動面部との摺動箇所に案内するオイル案内面部とを有すること
    を特徴とするカムシャフト支持構造。
  2. 前記カムシャフト側摺動面部は、前記カムシャフトの軸方向に対向して配置された第1のカムシャフト側摺動面部、及び、前記第2のカムシャフト側摺動面部を有し、
    前記カムキャップ側摺動面部は、前記第1のカムシャフト側摺動面部と前記第2のカムシャフト側摺動面部との間に挿入されるスラスト止め部にそれぞれ形成され、前記第1のカムシャフト側摺動面部と摺動する第1のカムキャップ側摺動面部、及び、前記第2のカムシャフト側摺動面部と摺動する第2のカムキャップ側摺動面部を有し、
    前記オイル案内面部は、前記第1のカムシャフト側摺動面部と前記第1のカムキャップ側摺動面部との摺動箇所にオイルを案内する第1のオイル案内面部、及び、前記第2のカムシャフト側摺動面部と前記第2のカムキャップ側摺動面部との摺動箇所にオイルを案内する第2のオイル案内面部を有し、
    前記スラスト止め部は、前記カムシャフトの軸方向における位置が、隣接する他気筒のバルブをそれぞれ駆動する複数のカム部の間隔に配置され、
    前記第1のオイル案内面部及び前記第2のオイル案内面部は、それぞれ異なった気筒のバルブを駆動する前記カム部から噴出したオイルを案内すること
    を特徴とする請求項1に記載のカムシャフト支持構造。
  3. 前記オイル案内面部は、前記カムシャフトの中心軸を含む平面で切って見た断面形状が、前記カムシャフト側とは反対側に凸となるよう湾曲又は屈曲した凹面部として形成されること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカムシャフト支持構造。
  4. 前記オイル案内面部は、前記カムシャフトの中心軸と直交する平面で切って見た断面形状が、前記カムシャフト側とは反対側に凸となるよう湾曲又は屈曲した凹面部として形成されること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のカムシャフト支持構造。
  5. 前記オイル案内面部は、前記カムシャフト側摺動面部と前記カムキャップ側摺動面部との摺動箇所側が他端部よりも低くなるように傾斜して配置されること
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のカムシャフト支持構造。
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