JP2008127479A - 熱可塑性樹脂組成物およびフィルム - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびフィルム Download PDF

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順啓 前田
Akio Naka
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Abstract

【課題】光学特性、透明性、耐熱性、フィルム成形性および耐折り曲げ性に優れ、且つ異物の少ないフィルムを提供し得る熱可塑性樹脂組成物および該熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムを実現する。
【解決手段】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、5〜95重量%の範囲内のエチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体と、5〜95重量%の範囲内のラクトン環含有熱可塑性樹脂とを含む。また、本発明のフィルムは、本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物、および該熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムに関するものである。
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)に代表されるアクリル樹脂は、光学性能に優れ、高い光線透過率や低複屈折率、低位相差の光学等方材料として各種光学材料への適応が成されていた。しかし近年、液晶表示装置やプラズマディスプレイ、有機EL表示装置等のフラットディスプレイや赤外線センサー、光導波路等の進歩に伴い、光学材料は、透明性や耐熱性に優れるだけではなく、高い光学等方性を有する、いわゆる低複屈折材料が必要とされるようになった。
透明性や耐熱性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体をラクトン環化縮合反応させることによって得られるラクトン環含有重合体(ラクトン環含有熱可塑性樹脂)が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
一方、熱可塑性樹脂として、可撓性に優れた、ゴム成分を含む熱可塑性樹脂が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−230016号公報(2000年8月12日公開) 特開2000−302815号公報(2000年10月31日公開) 特開2002−060424号公報(2002年2月26日公開)
しかしながら、上記従来の構成では、成形性が良く、異物の少ない材料を得ることは困難であるという問題を生じる。
具体的には、アクリル樹脂、特に上記ラクトン環含有重合体は脆く、フィルム成形性および耐折り曲げ性(可撓性)に問題がある。
特許文献3に示されているように、ゴム成分を熱可塑性樹脂に含ませることにより、フィルム成形性および耐折曲げ性を改良させることはできるが、上記ゴム成分として、ゴム弾性が高い架橋ゴムが使用されている。しかしながら、架橋ゴムの粒子径が大きい、あるいは粒子径が不均一の場合には架橋ゴム自身がポリマーフィルタ等フィルタの詰まりの原因となり、濾過を行うことが困難であった。更には、架橋剤由来の凝集物、樹脂への分散性不良によるゴム成分の凝集物、加熱時のゴム粒子間の融着、あるいは架橋ゴム製造時に使用される乳化剤等の添加物が原因の樹脂劣化等により、ゴム成分を含む熱可塑性樹脂は異物を多く含む。このような異物は、フィルタを詰まらせてしまうため、濾過を行うことが困難であった。
特にラクトン環含有重合体のような耐熱性を有する樹脂の場合では、成形が高温となるため、樹脂の劣化に起因する異物も多くなる。さらには、フィルタが詰まることにより、濾過時間が遅延し、樹脂の劣化に起因する異物が増加し易くなる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光学特性、透明性、耐熱性、フィルム成形性および耐折り曲げ性に優れ、且つ異物の少ないフィルムを提供し得る熱可塑性樹脂組成物および該熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムを実現することにある。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、上記課題を解決するために、5〜95重量%の範囲内のエチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体と、5〜95重量%の範囲内のラクトン環含有熱可塑性樹脂とを含むことを特徴としている。
上記構成によれば、フィルム成形性および耐折り曲げ性に優れるエチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体(EPDM)と、光学特性、透明性および耐熱性に優れるラクトン環含有熱可塑性樹脂とを含むため、光学特性、透明性、耐熱性、フィルム成形性および耐折り曲げ性に優れるフィルムを提供し得る熱可塑性樹脂組成を提供することができる。
更には、EPDMは非架橋でもゴム弾性を示すため、架橋成分を含ませる必要がない。このため、架橋成分由来の異物が少なく、異物に起因したフィルタの目詰まり等が起こり難いため、良好にポリマーフィルタで濾過することができ、より異物の少ない熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
従って、上記構成によれば、光学特性、透明性、耐熱性、フィルム成形性および耐折り曲げ性に優れ、且つ異物の少ないフィルムを提供し得る熱可塑性樹脂組成を提供することができるという効果を奏する。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物では、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体が、平均粒子径1μm以下で分散していることが好ましい。
上記構成によれば、フィルム成形性および耐折り曲げ性により優れるのみならず、高温で処理を行なった場合であっても、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体が凝集し難い。このため、濾過処理を行なった場合にフィルタが詰まり難く、短い濾過時間で濾過処理を行うことができる。これにより、樹脂の劣化に起因する異物の増加を抑制することができる。よって、簡便な操作により、異物の少ない熱可塑性樹脂組成を得ることができる。
従って、上記構成によれば、フィルム成形性および耐折り曲げ性により優れ、且つ異物の少ないフィルムを提供し得る熱可塑性樹脂組成を提供することができるという更なる効果を奏する。
また、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物では、上記ラクトン環含有熱可塑性樹脂は、下記一般式(1)
Figure 2008127479
(式中、R、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の有機残基を示す。尚、有機残基は酸素原子を含んでいてもよい。)
で表される構造を有することが好ましい。
また、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物では、一般式(2)
Figure 2008127479
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の有機残基を表す。)
で表される構造を有する単量体を含む単量組成物を、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体存在下で重合させることにより得られることが好ましい。
上記構成によれば、一般式(2)で表される構造を有する単量体を含む単量組成物を、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体(EPDM)存在下で重合させることにより、単量組成物が、単量体組成物同士のみならず、不飽和結合が一部残存しているEPDMとも重合する。このため、得られる熱可塑性樹脂組成物は、EPDMの分散状態が強固に保持されている。
これにより、高温で処理を行なった場合であっても、EPDMが凝集し難い。このため、濾過処理を行なった場合にフィルタが詰まり難く、短い濾過時間で濾過処理を行なうことができる。これにより、樹脂の劣化に起因する異物の増加を抑制することができる。よって、異物のより少ない熱可塑性樹脂組成を得ることができる。
従って、上記構成によれば、フィルム成形性および耐折り曲げ性により優れ、且つ異物のより少ないフィルムを提供し得る熱可塑性樹脂組成を提供することができるという更なる効果を奏する。
本発明に係るフィルムは、上記課題を解決するために、上記本発明の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴としている。
上記構成によれば、光学特性、透明性、耐熱性、フィルム成形性および耐折り曲げ性に優れ、且つ異物の少ないフィルムを提供することができるという効果を奏する。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、以上のように、5〜95重量%の範囲内のエチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体と、5〜95重量%の範囲内のラクトン環含有熱可塑性樹脂とを含むことを特徴としている。
これにより、光学特性、透明性、耐熱性、フィルム成形性および耐折り曲げ性に優れ、且つ異物の少ないフィルムを提供し得る熱可塑性樹脂組成を提供することができるという効果を奏する。
本発明に係るフィルムは、以上のように、上記本発明の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴としている。
これにより、光学特性、透明性、耐熱性、フィルム成形性および耐折り曲げ性に優れ、且つ異物の少ないフィルムを提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
尚、「重量」は「質量」と同義語として扱い、「重量%」は「質量%」と同義語として扱う。また、範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下であることを示す。また、「主成分」とは50重量%以上含有しているという意味として扱う。また、「(メタ)アクリル酸エステル」はアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルを意味する。
本実施の形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、5〜95重量%の範囲内のエチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体と、5〜95重量%の範囲内のラクトン環含有熱可塑性樹脂とを含む。
(I)エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体
本実施の形態に係るエチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体(EPDM)は、エチレンとプロピレンと非共役ジエンとを共重合して得られる重合体である。
上記非共役ジエンとしては、特に限定されず従来公知の化合物が挙げられ、例えば、ジシクロペンタジエン、5−エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン等が挙げられる。
上記EPDMの製造は、従来公知の方法により行うことができ、例えば、Ziegler−Natta触媒を用いて溶液重合により行うことができる。また、上記EPDMにおける各構成単位の重量比は、エチレン:プロピレン:非共役ジエン=39〜79:20〜60:1〜30の範囲内であることが好ましい。
(II)ラクトン環含有熱可塑性樹脂
本実施の形態に係るラクトン環含有熱可塑性樹脂は、ラクトン環構造を含有する熱可塑性樹脂である。
ラクトン環含有熱可塑性樹脂は、好ましくは、下記一般式(1)
Figure 2008127479
(式中、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の有機残基を表す。なお、有機残基は酸素原子を含んでいてもよい。)
で表されるラクトン環構造を有する。
ラクトン環含有熱可塑性樹脂中における、一般式(1)で表されるラクトン環構造の含有割合は好ましくは5〜90重量%、より好ましくは15〜80重量%、更に好ましくは15〜70重量%、特に好ましくは20〜70重量%である。ラクトン環含有熱可塑性樹脂中における、一般式(1)で表されるラクトン環構造の含有割合が5重量%よりも少ないと、耐熱性、耐溶剤性、表面硬度が不十分となる傾向があるため好ましくない。ラクトン環含有熱可塑性樹脂中における、一般式(1)で表されるラクトン環構造の含有割合が90重量%よりも多いと、成形加工性に乏しくなる傾向があるため好ましくない。
ラクトン環含有熱可塑性樹脂は、一般式(1)で表されるラクトン環構造以外の構造を有していてもよい。一般式(1)で表されるラクトン環構造以外の構造としては、特に限定されないが、ラクトン環含有熱可塑性樹脂の製造方法として後に説明するような、(メタ)アクリル酸エステル、水酸基含有単量体、不飽和カルボン酸、下記一般式(3)
Figure 2008127479
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Xは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、−OAc基、−CN基、−CO−R基、または−C−O−R基を表し、Ac基はアセチル基を表し、RおよびRは水素原子または炭素数1〜20の有機残基を表す。)
で表される単量体から選ばれる少なくとも1種を重合して構築される重合体構造単位(繰り返し構造単位)が好ましい。
ラクトン環含有熱可塑性樹脂中における、一般式(1)で表されるラクトン環構造以外の構造の含有割合は、(メタ)アクリル酸エステルを重合して構築される重合体構造単位(繰り返し構造単位)の場合、好ましくは10〜95重量%、より好ましくは10〜90重量%、更に好ましくは20〜90重量%、特に好ましくは30〜85重量%である。水酸基含有単量体を重合して構築される重合体構造単位(繰り返し構造単位)の場合、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0〜15重量%、特に好ましくは0〜10重量%である。不飽和カルボン酸を重合して構築される重合体構造単位(繰り返し構造単位)の場合、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0〜15重量%、特に好ましくは0〜10重量%である。一般式(3)で表される単量体を重合して構築される重合体構造単位(繰り返し構造単位)の場合、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0〜15重量%、特に好ましくは0〜10重量%である。
ラクトン環含有熱可塑性樹脂の製造方法については、特に限定はされないが、好ましくは、重合工程によって分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体(a)を得た後に、得られた重合体(a)を加熱処理することによりラクトン環構造を重合体に導入するラクトン環化縮合工程を行うことによって得られる。
重合工程においては、下記一般式(2)
Figure 2008127479
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の有機残基を表す。)
で表される単量体を含む単量体成分(単量体組成物)の重合反応を行うことにより、分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体(a)を得る。
一般式(2)で表される単量体としては、例えば、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソプロピル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸ノルマルブチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸ターシャリーブチル等が挙げられる。これらの中でも、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルが好ましく、耐熱性向上効果が高い点で、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルが特に好ましい。一般式(2)で表される単量体は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
尚、上記一般式(1)、(2)、(3)における「有機残基」は、炭素数が1〜20の範囲内であれば特に限定されないが、例えば、直鎖若しくは分岐状のアルキル基、直鎖若しくは分岐状のアルキレン基、アリール基、−OAc基、−CN基等が挙げられる。
重合工程において供する単量体成分中における、一般式(2)で表される単量体の含有割合は、好ましくは5〜90重量%、より好ましくは10〜70重量%、更に好ましくは10〜60重量%、特に好ましくは10〜50重量%である。重合工程において供する単量体成分中の一般式(2)で表される単量体の含有割合が5重量%よりも少ないと、耐熱性、耐溶剤性、表面硬度が不十分になる傾向がある。重合工程において供する単量体成分中の一般式(2)で表される単量体の含有割合が90重量%よりも多いと、重合時、ラクトン環化時にゲル化が起こったり、得られた重合体の成形加工性が乏しくなることがあり、好ましくない。
重合工程において供する単量体成分中には、一般式(2)で表される単量体以外の単量体を含んでいてもよい。このような単量体としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、水酸基含有単量体、不飽和カルボン酸、上記一般式(3)で表される単量体が好ましく挙げられる。一般式(2)で表される単量体以外の単量体は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、一般式(2)で表される単量体以外の(メタ)アクリル酸エステルであれば特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸エステル;等が挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、耐熱性、透明性が優れる点から、メタクリル酸メチルが好ましい。
一般式(2)で表される単量体以外の(メタ)アクリル酸エステルを用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは10〜95重量%、より好ましくは10〜90重量%、更に好ましくは40〜90重量%、特に好ましくは50〜90重量%である。
水酸基含有単量体としては、一般式(2)で表される単量体以外の水酸基含有単量体であれば特に限定されないが、例えば、α−ヒドロキシメチルスチレン、α−ヒドロキシエチルスチレン、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチル等の2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸エステル;2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸等の2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸;等が挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
一般式(2)で表される単量体以外の水酸基含有単量体を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0〜15重量%、特に好ましくは0〜10重量%である。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−置換アクリル酸、α−置換メタクリル酸等が挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、本発明の効果を十分に発揮させる点で、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
不飽和カルボン酸を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0〜15重量%、特に好ましくは0〜10重量%である。
一般式(3)で表される単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メチルビニルケトン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル等が挙げられ、これらは1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも特に、本発明の効果を十分に発揮させる点で、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
一般式(3)で表される単量体を用いる場合、重合工程に供する単量体成分中のその含有割合は、本発明の効果を十分に発揮させる上で、好ましくは0〜30重量%、より好ましくは0〜20重量%、更に好ましくは0〜15重量%、特に好ましくは0〜10重量%である。
単量体成分を重合して分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体を得るための重合反応の形態としては、溶剤を用いた重合形態であることが好ましく、溶液重合が特に好ましい。
重合温度、重合時間は、使用する単量体の種類、使用比率等によって異なるが、好ましくは、重合温度が0〜150℃、重合時間が0.5〜20時間であり、より好ましくは、重合温度が80〜140℃、重合時間が1〜10時間である。
溶剤を用いた重合形態の場合、重合溶剤は特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンケトン等のケトン系溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;等が挙げられ、これらの1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、使用する溶剤の沸点が高すぎると、最終的に得られるラクトン環含有熱可塑性樹脂の残存揮発分が多くなることから、沸点が50〜200℃のものが好ましい。
重合反応時には、必要に応じて、重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物;2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1´−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;等が挙げられ、これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。重合開始剤の使用量は、用いる単量体の組み合わせや反応条件等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。
重合を行う際には、反応液のゲル化を抑止するために、重合反応混合物中の生成した重合体の濃度が50重量%以下となるように制御することが好ましい。具体的には、重合反応混合物中の生成した重合体の濃度が50重量%を超える場合には、重合溶剤を重合反応混合物に適宜添加して50重量%以下となるように制御することが好ましい。重合反応混合物中の生成した重合体の濃度は、より好ましくは45重量%以下、更に好ましくは40重量%以下である。なお、重合反応混合物中の重合体の濃度があまりに低すぎると生産性が低下するため、重合反応混合物中の重合体の濃度は、10重量%以上であることが好ましく、20重量%以上であることがより好ましい。
重合溶剤を重合反応混合物に適宜添加する形態としては、特に限定されず、連続的に重合溶剤を添加してもよいし、間欠的に重合溶剤を添加してもよい。このように重合反応混合物中の生成した重合体の濃度を制御することによって、反応液のゲル化をより十分に抑止することができる。特に、ラクトン環含有割合を増やして耐熱性を向上させるために分子鎖中の水酸基およびエステル基の割合を高めた場合であってもゲル化を十分に抑制できる。
添加する重合溶剤としては、重合反応の初期仕込み時に用いた溶剤と同じ種類の溶剤であってもよいし、異なる種類の溶剤であってもよいが、重合反応の初期仕込み時に用いた溶剤と同じ種類の溶剤を用いることが好ましい。また、添加する重合溶剤は、1種のみの溶剤であってもよいし、2種以上の混合溶剤であってもよい。
以上の重合工程で得られた重合体は、分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体であり、重合体の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜2,000,000の範囲内、より好ましくは5,000〜1,000,000の範囲内、更に好ましくは10,000〜500,000の範囲内、特に好ましくは50,000〜500,000の範囲内である。
上記一般式(2)で表される構造を有する化合物(単量体)を含有する単量体成分を重合して得られた重合体は、続くラクトン環化縮合工程において、加熱処理によりラクトン環構造を重合体に導入することができ、ラクトン環含有熱可塑性樹脂とすることができる。
上記重合工程を終了した時点で得られる重合反応混合物中には、通常、得られた重合体以外に溶剤が含まれている。上記重合体をラクトン環含有熱可塑性樹脂とする場合では、溶剤を完全に除去して重合体を固体状態で取り出す必要はなく、溶剤を含んだ状態で、その後に続くラクトン環化縮合工程を行うことが好ましい。また、必要な場合は、固体状態で取り出した後に、続くラクトン環化縮合工程に好適な溶剤を再添加してもよい。
上記重合体へラクトン環構造を導入するための反応は、加熱により、重合体の分子鎖中に存在する水酸基とエステル基とが環化縮合してラクトン環構造を生じる反応であり、その環化縮合によってアルコールが副生する。ラクトン環構造が重合体の分子鎖中(重合体の主骨格中)に形成されることにより、重合体に高い耐熱性が付与される。ラクトン環構造を導く環化縮合反応の反応率が不十分であると、耐熱性が十分に向上しなかったり、成形時の加熱処理によって成形途中に縮合反応が起こり、生じたアルコールが成形品中に泡やシルバーストリークとなって存在する恐れがあるため好ましくない。
上記重合体を加熱処理する方法については特に限定されず、公知の方法が利用できる。例えば、重合工程によって得られた、溶剤を含む重合反応混合物を、そのまま加熱処理してもよい。また、溶剤の存在下で、必要に応じて閉環触媒を用いて加熱処理してもよい。また、揮発成分を除去するための真空装置あるいは脱揮装置を持つ加熱炉や反応装置、脱揮装置のある押出機等を用いて加熱処理を行うこともできる。
環化縮合反応を行う際に、上記重合体に加えて、他の熱可塑性樹脂を共存させてもよい。また、環化縮合反応を行う際には、必要に応じて、環化縮合反応の触媒として一般に用いられるp−トルエンスルホン酸等のエステル化触媒またはエステル交換触媒を用いてもよいし、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸等の有機カルボン酸類を触媒として用いてもよい。特開昭61−254608号公報や特開昭61−261303号公報に示されている様に、塩基性化合物、有機カルボン酸塩、炭酸塩等を用いてもよい。
環化縮合反応を行う際には、有機リン化合物を触媒として用いることが好ましい。触媒として有機リン化合物を用いることにより、環化縮合反応率を向上させることができるとともに、得られるラクトン環含有熱可塑性樹脂の着色を大幅に低減することができる。更に、有機リン化合物を触媒として用いることにより、後述の脱揮工程を併用する場合において起こり得る分子量低下を抑制することができ、優れた機械的強度を付与することができる。
環化縮合反応の際に触媒として用いることができる有機リン化合物としては、例えば、メチル亜ホスホン酸、エチル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸等のアルキル(アリール)亜ホスホン酸(但し、これらは、互変異性体であるアルキル(アリール)ホスフィン酸になっていてもよい)およびこれらのジエステルあるいはモノエステル;ジメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸、フェニルエチルホスフィン酸等のジアルキル(アリール)ホスフィン酸およびこれらのエステル;メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、トリフルオルメチルホスホン酸、フェニルホスホン酸等のアルキル(アリール)ホスホン酸およびこれらのジエステルあるいはモノエステル;メチル亜ホスフィン酸、エチル亜ホスフィン酸、フェニル亜ホスフィン酸等のアルキル(アリール)亜ホスフィン酸およびこれらのエステル;亜リン酸メチル、亜リン酸エチル、亜リン酸フェニル、亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル等の亜リン酸ジエステルあるいはモノエステルあるいはトリエステル;リン酸メチル、リン酸エチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸イソデシル、リン酸ラウリル、リン酸ステアリル、リン酸イソステアリル、リン酸フェニル、リン酸ジメチル、リン酸ジエチル、リン酸ジ−2−エチルヘキシル、リン酸ジイソデシル、リン酸ジラウリル、リン酸ジステアリル、リン酸ジイソステアリル、リン酸ジフェニル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリイソデシル、リン酸トリラウリル、リン酸トリステアリル、リン酸トリイソステアリル、リン酸トリフェニル等のリン酸ジエステルあるいはモノエステルあるいはトリエステル;メチルホスフィン、エチルホスフィン、フェニルホスフィン、ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のモノ、ジ若しくはトリアルキル(アリール)ホスフィン;メチルジクロロホスフィン、エチルジクロロホスフィン、フェニルジクロロホスフィン、ジメチルクロロホスフィン、ジエチルクロロホスフィン、ジフェニルクロロホスフィン等のアルキル(アリール)ハロゲンホスフィン;酸化メチルホスフィン、酸化エチルホスフィン、酸化フェニルホスフィン、酸化ジメチルホスフィン、酸化ジエチルホスフィン、酸化ジフェニルホスフィン、酸化トリメチルホスフィン、酸化トリエチルホスフィン、酸化トリフェニルホスフィン等の酸化モノ、ジ若しくはトリアルキル(アリール)ホスフィン;塩化テトラメチルホスホニウム、塩化テトラエチルホスホニウム、塩化テトラフェニルホスホニウム等のハロゲン化テトラアルキル(アリール)ホスホニウム;等が挙げられる。これらの中でも、触媒活性が高くて低着色性のため、アルキル(アリール)亜ホスホン酸、亜リン酸ジエステルあるいはモノエステル、リン酸ジエステルあるいはモノエステル、アルキル(アリール)ホスホン酸が好ましく、アルキル(アリール)亜ホスホン酸、亜リン酸ジエステルあるいはモノエステル、リン酸ジエステルあるいはモノエステルがより好ましく、アルキル(アリール)亜ホスホン酸、リン酸ジエステルあるいはモノエステルが特に好ましい。これら有機リン化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
環化縮合反応の際に用いる触媒の使用量は、特に限定されないが、上記重合体に対して、好ましくは0.001〜5重量%の範囲内、より好ましくは0.01〜2.5重量%の範囲内、更に好ましくは0.01〜1重量%の範囲内、特に好ましくは0.05〜0.5重量%の範囲内である。触媒の使用量が0.001重量%未満であると、環化縮合反応の反応率の向上が十分に図れないおそれがあり、一方、5重量%を超えると、着色の原因となったり、重合体の架橋により溶融賦形しにくくなることがあるため、好ましくない。
触媒の添加時期は特に限定されず、反応初期に添加しても、反応途中に添加しても、それらの両方で添加してもよい。
環化縮合反応を溶剤の存在下で行い、且つ、環化縮合反応の際に、脱揮工程を併用することが好ましい。この場合、環化縮合反応の全体を通じて脱揮工程を併用する形態、および、脱揮工程を環化縮合反応の過程全体にわたっては併用せずに過程の一部においてのみ併用する形態が挙げられる。脱揮工程を併用する方法では、縮合環化反応で副生するアルコールを強制的に脱揮させて除去するので、反応の平衡が生成側に有利となる。
脱揮工程とは、溶剤、残存単量体等の揮発分と、ラクトン環構造を導く環化縮合反応により副生したアルコールを、必要により減圧加熱条件下で、除去処理する工程をいう。この除去処理が不十分であると、生成した樹脂中の残存揮発分が多くなり、成形時の変質等によって着色したり、泡やシルバーストリーク等の成形不良が起こったりする問題等が生じる。
環化縮合反応の全体を通じて脱揮工程を併用する形態の場合、使用する装置については特に限定されないが、本発明をより効果的に行うために、熱交換器と脱揮槽からなる脱揮装置やベント付き押出機、また、前記脱揮装置と前記押出機を直列に配置したものを用いることが好ましく、熱交換器と脱揮槽からなる脱揮装置またはベント付き押出機を用いることがより好ましい。
前記熱交換器と脱揮槽とからなる脱揮装置を用いる場合の反応処理温度は、150〜350℃の範囲内が好ましく、200〜300℃の範囲内がより好ましい。反応処理温度が150℃より低いと、環化縮合反応が不十分となって残存揮発分が多くなるおそれがあり、350℃より高いと、着色や分解が起こるおそれがある。
前記熱交換器と脱揮槽とからなる脱揮装置を用いる場合の、反応処理時の圧力は、931〜1.33hPa(700〜1mmHg)の範囲内が好ましく、798〜66.5hPa(600〜50mmHg)の範囲内がより好ましい。上記圧力が931hPaより高いと、アルコールを含めた揮発分が残存し易いという問題があり、1.33hPaより低いと、工業的な実施が困難になっていくという問題がある。
前記ベント付き押出機を用いる場合、ベントは1個でも複数個でも何れでもよいが、複数個のベントを有する方が好ましい。
前記ベント付き押出機を用いる場合の反応処理温度は、150〜350℃の範囲内が好ましく、200〜300℃の範囲内がより好ましい。上記温度が150℃より低いと、環化縮合反応が不十分となって残存揮発分が多くなるおそれがあり、350℃より高いと、着色や分解が起こるおそれがある。
前記ベント付き押出機を用いる場合の、反応処理時の圧力は、931〜1.33hPa(700〜1mmHg)の範囲内が好ましく、798〜13.3hPa(600〜10mmHg)の範囲内がより好ましい。上記圧力が931hPaより高いと、アルコールを含めた揮発分が残存し易いという問題があり、1.33hPaより低いと、工業的な実施が困難になっていくという問題がある。
なお、環化縮合反応の全体を通じて脱揮工程を併用する形態の場合、後述するように、厳しい熱処理条件では得られるラクトン環含有熱可塑性樹脂の物性が悪化するおそれがあるため、好ましくは、上述した脱アルコール反応の触媒を使用し、できるだけ温和な条件で、ベント付き押出機等を用いて行うことが好ましい。
また、環化縮合反応の全体を通じて脱揮工程を併用する形態の場合、好ましくは、重合工程で得られた重合体を溶剤とともに環化縮合反応装置系に導入するが、この場合、必要に応じて、もう一度ベント付き押出機等の上記反応装置系に通してもよい。
脱揮工程を環化縮合反応の過程全体にわたっては併用せずに、過程の一部においてのみ併用する形態を行ってもよい。例えば、重合体を製造した装置を、更に加熱し、必要に応じて脱揮工程を一部併用して、環化縮合反応を予めある程度進行させておき、その後に引き続いて脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応を行い、反応を完結させる形態である。
先に述べた環化縮合反応の全体を通じて脱揮工程を併用する形態では、例えば、重合体を、2軸押出機を用いて、250℃近い、あるいはそれ以上の高温で熱処理する時に、熱履歴の違いにより環化縮合反応が起こる前に一部分解等が生じ、得られるラクトン環含有熱可塑性樹脂の物性が悪化するおそれがある。そこで、脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応を行う前に、予め環化縮合反応をある程度進行させておくと、後半の反応条件を緩和でき、得られるラクトン環含有熱可塑性樹脂の物性の悪化を抑制することができるため好ましい。特に好ましい形態としては、脱揮工程を環化縮合反応の開始から時間をおいて開始する形態、すなわち、重合工程で得られた重合体の分子鎖中に存在する水酸基とエステル基とをあらかじめ環化縮合反応させて環化縮合反応率をある程度上げておき、引き続き、脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応を行う形態が挙げられる。具体的には、例えば、予め釜型の反応器を用いて溶剤の存在下で環化縮合反応をある程度の反応率まで進行させておき、その後、脱揮装置のついた反応器、例えば、熱交換器と脱揮槽とからなる脱揮装置や、ベント付き押出機等で、環化縮合反応を完結させる形態が好ましく挙げられる。特にこの形態の場合、環化縮合反応用の触媒が存在していることがより好ましい。
上述のように、重合工程で得られた重合体の分子鎖中に存在する水酸基とエステル基とを予め環化縮合反応させて環化縮合反応率をある程度上げておき、引き続き、脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応を行う方法は、ラクトン環含有熱可塑性樹脂を得る上で好ましい形態である。この形態により、環化縮合反応率もより高まり、ガラス転移温度がより高く、耐熱性に優れたラクトン環含有熱可塑性樹脂が得られる。この場合、環化縮合反応率の目安としては、実施例に示すダイナッミクTG測定における、150〜300℃間での重量減少率が2%以下であることが好ましく、より好ましくは1.5%以下であり、更に好ましくは1%以下である。
脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応の前に予め行う環化縮合反応の際に採用できる反応器は特に限定されないが、好ましくは、オートクレーブ、釜型反応器、熱交換器と脱揮槽とからなる脱揮装置等が挙げられ、更に、脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応に好適なベント付き押出機も使用できる。より好ましくは、オートクレーブ、釜型反応器である。しかしながら、ベント付き押出機等の反応器を使用するときでも、ベント条件を温和にしたり、ベントをさせなかったり、温度条件やバレル条件、スクリュウ形状、スクリュウ運転条件等を調整することで、オートクレーブや釜型反応器での反応状態と同じ様な状態で環化縮合反応を行うことが可能である。
脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応の前に予め行う環化縮合反応の際には、好ましくは、重合工程で得られた重合体と溶剤とを含む混合物を、(i)触媒を添加して、加熱反応させる方法、(ii)無触媒で加熱反応させる方法、および、前記(i)または(ii)を加圧下で行う方法が挙げられる。
なお、ラクトン環化縮合工程において環化縮合反応に導入する「重合体と溶剤とを含む混合物」とは、重合工程で得られた重合反応混合物をそのまま使用してもよいし、一旦溶剤を除去したのちに環化縮合反応に適した溶剤を再添加してもよいことを意味する。
脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応の前に予め行う環化縮合反応の際に再添加できる溶剤としては、特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;クロロホルム、DMSO、テトラヒドロフラン等でもよいが、好ましくは、重合工程で用いることができる溶剤と同じ種類の溶剤である。
上記方法(i)で添加する触媒としては、一般に用いられるp−トルエンスルホン酸等のエステル化触媒またはエステル交換触媒、塩基性化合物、有機カルボン酸塩、炭酸塩等が挙げられるが、本発明においては、前述の有機リン化合物を用いることが好ましい。
触媒の添加時期は特に限定されず、反応初期に添加しても、反応途中に添加しても、それらの両方で添加してもよい。添加する触媒の量は特に限定されないが、重合体の重量に対し、好ましくは0.001〜5重量%の範囲内、より好ましくは0.01〜2.5重量%の範囲内、更に好ましくは0.01〜0.1重量%の範囲内、特に好ましくは0.05〜0.5重量%の範囲内である。方法(i)の加熱温度と加熱時間とは特に限定されないが、加熱温度としては、好ましくは室温以上、より好ましくは50℃以上であり、加熱時間としては、好ましくは1〜20時間の範囲内、より好ましくは2〜10時間の範囲内である。加熱温度が低いと、あるいは、加熱時間が短いと、環化縮合反応率が低下するので好ましくない。また、加熱時間が長すぎると、樹脂の着色や分解が起こる場合があるので好ましくない。
上記方法(ii)としては、例えば、耐圧性の釜等を用いて、重合工程で得られた重合反応混合物をそのまま加熱する方法等が挙げられる。加熱温度としては、好ましくは100℃以上、更に好ましくは150℃以上である。加熱時間としては、好ましくは1〜20時間の範囲内、より好ましくは2〜10時間の範囲内である。加熱温度が低いと、あるいは、加熱時間が短いと、環化縮合反応率が低下するので好ましくない。また、加熱時間が長すぎると、樹脂の着色や分解が起こる場合があるので好ましくない。
上記方法(i)、(ii)ともに、条件によっては加圧下となっても何ら問題はない。また、脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応の前に予め行う環化縮合反応の際には、溶剤の一部が反応中に自然に揮発しても何ら問題ではない。
脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応の前に予め行う環化縮合反応の終了時、すなわち、脱揮工程開始直前における、ダイナミックTG測定における150〜300℃の間での重量減少率は、2%以下が好ましく、より好ましくは1.5%以下であり、更に好ましくは1%以下である。重量減少率が2%より高いと、続けて脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応を行っても、環化縮合反応率が十分高いレベルまで上がらず、得られるラクトン環含有熱可塑性樹脂の物性が低下するおそれがある。なお、上記の環化縮合反応を行う際に、重合体に加えて、他の熱可塑性樹脂を共存させてもよい。
重合工程で得られた重合体の分子鎖中に存在する水酸基とエステル基とを予め環化縮合反応させて環化縮合反応率をある程度上げておき、引き続き、脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応を行う形態の場合、予め行う環化縮合反応で得られた重合体(分子鎖中に存在する水酸基とエステル基との少なくとも一部が環化縮合反応した重合体)と溶剤とを単離することなく、脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応を行ってもよい。また、必要に応じて、上記重合体(分子鎖中に存在する水酸基とエステル基の少なくとも一部が環化縮合反応した重合体)を単離してから溶剤を再添加する等のその他の処理を経てから脱揮工程を同時に併用した環化縮合反応を行っても構わない。
脱揮工程は、環化縮合反応と同時に終了することのみには限定されず、環化縮合反応の終了から時間をおいて終了しても構わない。
得られたラクトン環含有熱可塑性樹脂は、重量平均分子量が、好ましくは1,000〜2,000,000の範囲内、より好ましくは5,000〜1,000,000の範囲内、更に好ましくは10,000〜500,000の範囲内、特に好ましくは50,000〜500,000の範囲内である。
ラクトン環含有熱可塑性樹脂は、ダイナミックTG測定における150〜300℃の間での重量減少率が1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5%以下上、更に好ましくは0.3%以下である。
ラクトン環含有熱可塑性樹脂は、環化縮合反応率が高いので、成形後の成形品中に泡やシルバーストリークが入るという欠点が回避できる。更に、高い環化縮合反応率によってラクトン環構造が重合体に十分に導入されるため、得られたラクトン環含有熱可塑性樹脂が十分に高い耐熱性を有している。
ラクトン環含有熱可塑性樹脂は、15重量%のクロロホルム溶液中での着色度(YI)が6以下となるものが好ましく、より好ましくは3以下、更に好ましくは2以下、最も好ましくは1以下である。着色度(YI)が6を越えると、着色により透明性が損なわれ、本来目的とする用途に使用できない場合がある。
ラクトン環含有熱可塑性樹脂は、熱重量分析(TG)における5%重量減少温度が、330℃以上であることが好ましく、より好ましくは350℃以上、更に好ましくは360℃以上である。熱重量分析(TG)における5%重量減少温度は、熱安定性の指標であり、これが330℃未満であると、十分な熱安定性を発揮できないおそれがある。
ラクトン環含有熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が、好ましくは115℃以上、より好ましくは125℃以上、更に好ましくは130℃以上、更に好ましくは135℃以上、最も好ましくは140℃以上である。
ラクトン環含有熱可塑性樹脂は、それに含まれる残存揮発分の総量が、好ましくは1500ppm以下、より好ましくは1000ppm以下である。残存揮発分の総量が1500ppmよりも多いと、成形時の変質等によって着色したり、発泡したり、シルバーストリーク等の成形不良の原因となる。
ラクトン環含有熱可塑性樹脂は、射出成形により得られる成形品の、ASTM−D−1003に準じた方法で測定された全光線透過率が、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、更に好ましくは90%以上である。全光線透過率は、透明性の目安であり、これが85%未満であると、透明性が低下し、本来目的とする用途に使用できないおそれがある。
(III)熱可塑性樹脂組成物
本実施の形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、上述したエチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体(EPDM)と上述したラクトン環含有熱可塑性樹脂とを含む。
上記熱可塑性樹脂組成物中のEPDMの含有量は、5重量%〜95重量%の範囲内であることが好ましく、10重量%〜50重量%の範囲内であることがより好ましい。上記EPDMの含有量が5重量%未満である場合、フィルムとした場合に十分な可撓性が得られない傾向がある。
上記樹脂組成物中のラクトン環含有熱可塑性樹脂の含有量は、5重量%〜95重量%の範囲内であることが好ましく、10重量%〜50重量%の範囲内であることがより好ましい。上記ラクトン環含有熱可塑性樹脂の含有量が5重量%未満である場合、耐熱性およびフィルムとした場合の光学特性が低下する傾向がある。
本実施の形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、種々の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;耐光安定剤、耐候安定剤、熱安定剤等の安定剤;ガラス繊維、炭素繊維等の補強材;フェニルサリチレート、(2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;近赤外線吸収剤;トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、トリアリルホスフェート、酸化アンチモン等の難燃剤;アニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤等の帯電防止剤;無機顔料、有機顔料、染料等の着色剤;有機フィラーや無機フィラー;樹脂改質剤;有機充填剤や無機充填剤;可塑剤;滑剤;帯電防止剤;難燃剤;等が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物中における上記添加剤の含有割合は、好ましくは0〜5重量%の範囲内、より好ましくは0〜2重量%の範囲内、更に好ましくは0〜0.5重量%の範囲内である。
上記EPDMと上記ラクトン環含有熱可塑性樹脂との混合は、特に限定されず、(A)EPDMおよびラクトン環含有熱可塑性樹脂をそれぞれ重合により製造した後、両者を混合することにより行なってもよいし、(B)EPDMを重合して製造後、該EPDM存在下で、ラクトン環含有熱可塑性樹脂を重合して製造することにより行なってもよい。分散(混合)状態がより強固に保持されるため、好ましくは(B)である。
上記(A)により、EPDMと上記ラクトン環含有熱可塑性樹脂とを混合させる場合は、例えば、オムニミキサー等、従来公知の混合機で上記EPDMと上記ラクトン環含有熱可塑性樹脂とをプレブレンドした後、得られた混合物を押出混練する。この場合、押出混練に用いる混合機は、特に限定されるものではなく、例えば、単軸押出機、二軸押出機等の押出機や加圧ニーダー等、従来公知の混合機を用いることができる。
上記(B)によるEPDMと上記ラクトン環含有熱可塑性樹脂との混合は、上述したラクトン環含有熱可塑性樹脂の製造方法において、単量組成物の重合前若しくは重合中に、EPDMを該単量組成物に添加することにより行うことができる。具体的には、上述した一般式(2)で表される構造を有する単量体を含む単量組成物を、EPDM存在下で重合させることにより行うことができる。この場合、EPDMは、一部不飽和結合を含有しているため、該不飽和結合と単量組成物とが反応(重合)する。これにより、得られる熱可塑性樹脂組成物は、ラクトン環含有熱可塑性樹脂にEPDMがグラフト共重合した構造を有する。
また、本実施の形態に係る熱可塑性樹脂組成物では、EPDMが、平均粒子径1μm以下で分散していることが好ましい。より好ましくは、平均粒子径は0.03μm以上0.5μm以下の範囲内である。EPDMの平均粒子径が小さすぎると可撓性向上の効果が不十分となる傾向があり、平均粒子径が大きすぎると得られる熱可塑性樹脂組成物の透明性が低下する傾向がある。
EPDMの平均粒子径を1μm以下で分散させるためには、EPDMを十分にグラフト反応させることが重要であり、ジエン基を含有するEPDM存在下で、水素引き抜き能の高い開始剤(例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物)を用いて重合を行ない、二軸押出機で混練し、機械的にEPDMを樹脂中に更に分散させることにより実現することができる。
尚、本明細書中における「平均粒子径」とは、厚さ100μmの熱可塑性樹脂を用い、電子顕微鏡でEPDM粒子を100個観察し、各粒子の直径を平均した値であり、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
また、上記EPDMと上記ラクトン環含有熱可塑性樹脂との混合後の熱可塑性樹脂組成物を、ポリマーフィルタで濾過することが好ましい。ポリマーフィルタで濾過することにより、異物の少ない熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。特に、上記(B)により、EPDMと上記ラクトン環含有熱可塑性樹脂中とを混合して得られた熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂組成物中にEPDMが分散した状態が強固に保持されているため、EPDMが凝集することに起因したフィルタの目詰まり等が起こり難い。このため、良好にポリマーフィルタで濾過することができる。
尚、明細書における「異物」とは、原料からフィルムの成形品を得るまでの間の全ての工程において混入する汚染物質、重合反応中に発生するゲル等の副生物、EPDMの凝集物およびフィルム成形時等における樹脂の劣化に起因する副生物等を含み、熱可塑性樹脂組成物になじまない性質を有する物質全般を意味する。
上記熱可塑性樹脂組成物中の異物の数は、具体的には、粒子径が20μm以上の異物が1000個/m以下であることが好ましく、500個/m以下であることがより好ましく、200個/m以下であることが更に好ましく、理想的には0個/mである。
尚、粒子径が20μm以上の異物数は、例えば、5cm×20cmの厚さ100μmのフィルム5枚を用いて算出することができる。具体的には、上記フィルムを目視で観察(光学顕微鏡を用いて測定)し、異物の粒子径をそれぞれ求め、粒子径が20μm以上の異物の数を求める。そして、各フィルムの異物数を平均することにより算出することができる。
上記ポリマーフィルタとしては、濾過精度が1μm以上20μm以下の範囲内であることが好ましく、1μm以上10μm以下の範囲内であることがより好ましく、1μm以上5μm以下の範囲内であることが更に好ましい。濾過精度が1μm未満であると、濾過滞留時間が長くなり、生産効率が低下するため好ましくない。また、濾過滞留時間が長くなると、熱可塑性樹脂等が熱劣化し易くなるため、異物の増加を招く恐れがある。濾過精度が20μmを超えると、異物が混入し易くなるため好ましくない。
また、上記ポリマーフィルタは、上記範囲内の濾過精度を有するポリマーフィルタであれば特に限定されず、従来公知のポリマーフィルタを使用することができる。上記ポリマーフィルタとしては、例えば、リーフディスクタイプのポリマーフィルタ、パックディスクフィルタ、円筒型フィルタ、キャンドル状フィルタ等が挙げられる。これらの中では、濾過面積が広く、高粘度の樹脂を濾過した場合でも圧力損失が少ないため、リーフディスクタイプのポリマーフィルタがより好ましい。
上記ポリマーフィルタがリーフディスクタイプのポリマーフィルタである場合、フィルタとしては、金属繊維不織布を焼結した材料からなるもの、金属粉末を焼結した材料からなるもの、金網を数枚積層したもの等が挙げられる。これらの中では、金属繊維不織布を焼結した材料からなるものがより好ましい。
上記ポリマーフィルタにおける時間当たりの熱可塑性樹脂組成物の処理量に対する濾過面積は、処理量に応じて適宜選択されるため、特に限定されず、例えば、0.001〜0.15m/(kg/h)とすることができる。
上記ポリマーフィルタでの濾過において、熱可塑性樹脂組成物の温度は、260℃以上であることが好ましく、270℃以上であることがより好ましい。また、310℃以下であることが好ましく、300℃以下であることがより好ましく、290℃以下であることが更に好ましい。
上記ポリマーフィルタでの濾過時における、熱可塑性樹脂組成物の粘度(剪断速度100/sで測定した場合)は、500Pa・s以下が好ましく、450Pa・s以下がより好ましく、400Pa・s以下が更に好ましい。
上記ポリマーフィルタでの濾過時における、熱可塑性樹脂組成物の滞留時間は、20分以下が好ましく、10分以下がより好ましく、5分以下が更に好ましい。また、上記ポリマーフィルタでの濾過時におけるフィルタの入口圧は、例えば3〜15MPaの範囲内、フィルタの出口圧は、例えば0.3〜10MPaの範囲内とすることができる。また、フィルタにおける圧力損失は、1〜15MPaの範囲内であることが好ましい。圧力損失が1MPa未満では、熱可塑性樹脂組成物がポリマーフィルタを通過する流路に偏りが生じ易く、濾過後の熱可塑性樹脂組成物の品質の低下が起こる傾向がある。逆に、圧力損失が15MPaを超えると、フィルタの破損が起こり易くなる。
本実施の形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、ガラス転移温度が110℃以上200℃以下であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、130℃以上であることが更に好ましい。
本実施の形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、透明性や耐熱性に優れるのみならず、低着色性、機械的強度、成型加工性等の所望の特性を備えると共に、特に高い光学的等方性を有する低複屈折材料であるので、例えば、光学レンズ、光学プリズム、光学フィルム、光学ファイバー、光学ディスク等の用途に有用である。これらの中でも特に、光学レンズ、光学プリズム、光学フィルムが好ましい。
本実施の形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、用途に応じて様々な形状に成形することができる。形成可能な形状としては、例えば、フィルム、シート、プレート、ディスク、ブロック、ボール、レンズ、ロッド、ストランド、コード、ファイバー等が挙げられる。成形方法としては、従来公知の形成方法の中から形状に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。
(IV)フィルム
本実施の形態に係るフィルムは、上述した熱可塑性樹脂組成物をフィルム成形することにより得られる。
上記フィルム成形の方法としては、例えば、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法等、従来公知のフィルム成形法が挙げられる。これらのフィルム成形法のうち、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法が特に好適である。
溶液キャスト法(溶液流延法)に使用する溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;シクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチエルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
溶液キャスト法(溶液流延法)を行うための装置としては、例えば、ドラム式キャスティングマシン、バンド式キャスティングマシン、スピンコーター等が挙げられる。
溶融押出法としては、例えば、Tダイ法、インフレーション法等が挙げられ、その際の成形温度は、フィルム原料のガラス転移温度に応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、好ましくは150〜350℃の範囲内、より好ましくは200〜300℃の範囲内である。
Tダイ法でフィルム成形する場合は、公知の単軸押出機や二軸押出機の先端部にTダイを取り付け、フィルム状に押出されたフィルムを巻取って、ロール状のフィルムを得ることができる。この際、巻取りロールの温度を適宜調整して、押出方向に延伸を加えることで、1軸延伸することも可能である。また、押出方向と垂直な方向にフィルムを延伸することにより、同時2軸延伸、逐次2軸延伸等を行うこともできる。
本実施の形態に係るフィルムは、未延伸フィルムまたは延伸フィルムの何れであってもよい。延伸フィルムである場合は、1軸延伸フィルムまたは2軸延伸フィルムのどちらであってもよい。2軸延伸フィルムである場合は、同時2軸延伸フィルムまたは逐次2軸延伸フィルムのどちらであってもよい。2軸延伸した場合は、機械的強度が向上し、フィルム性能が向上する。上記フィルムは、その他の熱可塑性樹脂を混合することにより、延伸しても位相差の増大を抑制することができ、光学的等方性を保持したフィルムを得ることができる。
延伸温度は、フィルム原料である熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度近傍であることが好ましく、具体的には、好ましくは(ガラス転移温度−30℃)〜(ガラス転移温度+100℃)の範囲内、より好ましくは(ガラス転移温度−20℃)〜(ガラス転移温度+80℃)の範囲内である。延伸温度が(ガラス転移温度−30℃)未満であると、充分な延伸倍率が得られないことがある。逆に、延伸温度が(ガラス転移温度+100℃)超えると、重合体の流動(フロー)が起こり、安定な延伸が行えなくなることがある。
面積比で定義した延伸倍率は、好ましくは1.1〜25倍の範囲内、より好ましくは1.3〜10倍の範囲内である。延伸倍率が1.1倍未満であると、延伸に伴う靭性の向上につながらないことがある。逆に、延伸倍率が25倍を超えると、延伸倍率を上げるだけの効果が認められないことがある。
延伸速度は、一方向で、好ましくは10〜20,000%/minの範囲内、より好ましく100〜10,000%/minの範囲内である。延伸速度が10%/min未満であると、充分な延伸倍率を得るために時間がかかり、製造コストが高くなる。逆に、延伸速度が20,000%/minを超えると、延伸フィルムの破断等が起こる恐れがある。
なお、本実施の形態に係るフィルムは、その光学的等方性や機械的特性を安定化させるために、延伸処理後に熱処理(アニーリング)等を行うことができる。熱処理の条件は、従来公知の延伸フィルムに対して行われる熱処理の条件と同様に適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。
本実施の形態に係るフィルムは、その厚さが好ましくは5〜200μmの範囲内、より好ましくは10〜100μmの範囲内である。厚さが5μm未満であると、フィルムの強度が低下するだけでなく、他の部品に貼着して耐久性試験を行った場合、捲縮が大きくなる傾向がある。逆に、厚さが200μmを超えると、フィルムの透明性が低下するだけでなく、透湿性が小さくなり、他の部品に貼着する際に水系接着剤を用いた場合、その溶剤である水の乾燥速度が遅くなることがある。
本実施の形態に係るフィルムは、ガラス転移温度が110℃以上200℃以下であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、130℃以上であることが更に好ましい。
本実施の形態に係るフィルムは、ヘイズが5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましく、1%以下であることが更に好ましい。
本実施の形態に係るフィルムは、厚さ100μmのフィルムとした場合に、25℃、65%RH(relative humidity:相対湿度)の雰囲気下、折り曲げ半径1mmにおいて180°折り曲げた際、クラックを生じないことが好ましい。ここで、折り曲げ半径とは、フィルムの折り曲げの中心から屈曲部の最端部までの距離を意味する。折り曲げ半径1mmにおいて180°折り曲げた際、クラックを生じないフィルムは、取り扱いが非常に容易であり、工業的に有用である。25℃で65%RHの雰囲気下、折り曲げ半径1mmにおいて180°折り曲げた際、クラックを生じるフィルムは、可撓性が不十分であり、取り扱いが困難である。尚、折り曲げ試験は、JISに準拠して行えばよい。例えば、JIS K5600−5−1(1999年)に準拠して行うことが好ましい。上記クラックの形状は、特に限定されず、例えば、長さが1mm以上の割れのことを意味する。
本実施の形態に係るフィルムは、厚さ100μmのフィルムとした場合に、25℃、65%RHの雰囲気下、折り曲げ半径1mmにおいて180°折り曲げた際、フィルムが折り曲げ部を境界として部分的にまたは全体的に分離しない(割れない)ことが好ましい。この場合、フィルムが折り曲げ部を境界として分離するに至らない程度の微小な割れが生じてもよいが、そのような微小な割れが生じないことがより好ましい。
本実施の形態に係るフィルムは、その表面の濡れ張力が、好ましくは40mN/m以上、より好ましくは50mN/m以上、更に好ましくは55mN/m以上である。表面の濡れ張力が少なくとも40mN/m以上であると、上記フィルムは、他の部品との接着強度が高い状態を維持できる。表面の濡れ張力を調整するために、例えば、コロナ放電処理、オゾン吹き付け、紫外線照射、火炎処理、化学薬品処理、その他の従来公知の表面処理を施すことができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例および比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下の説明では、便宜上、「重量部」を単に「部」と記すことがある。
<重量平均分子量>
熱可塑性樹脂組成物の重量平均分子量は、GPC(東ソー社製GPCシステム、ポリスチレン換算、展開溶媒:クロロホルム)により求めた。
<ガラス転移温度>
熱可塑性樹脂組成物の熱分析は、試料約10mg、昇温速度10℃/min、窒素フロー50cc/minの条件で、DSC((株)リガク社製、装置名:DSC−8230)を用いて行った。なお、ガラス転移温度(Tg)は、ASTM−D−3418に従い、中点法により求めた。
<ダイナミックTG>
重合体(もしくは重合体溶液あるいはペレット)を一旦テトラヒドロフランに溶解もしくは希釈し、過剰のヘキサンもしくはメタノールへ投入して再沈殿を行い、取り出した沈殿物を真空乾燥(1mmHg(1.33hPa)、80℃、3時間以上)することによって揮発成分等を除去し、得られた白色固形状の樹脂を以下の方法(ダイナミックTG法)で分析した。
測定装置:Thermo Plus2 TG−8120 Dynamic TG((株)リガク社製)
測定条件:試料量 5〜10mg
昇温速度:10℃/min
雰囲気:窒素フロー 200ml/min
方法:階段状等温制御法(60℃〜500℃の間で重量減少速度値0.005%/sec以下で制御)
<平均粒子径>
フィルム、ペレット等の重合体の切片をエポキシ樹脂で埋包し、ミクロトームで薄切し、得られたフィルム薄切片をFE−SEMによりSTEM(透過電子像)を観察し、EPDM粒子を100個観察し、各粒子の直径を平均することにより、平均粒子径を算出した。
<可撓性>
フィルムの可撓性は、25℃、65%RHの雰囲気下、厚さ100μmのフィルムを、折り曲げ半径1mmにおいて180°折り曲げた際、クラックを生じない状態を「○」、生じる状態を「×」として評価した。
<カッターカット性>
フィルムのカッターカット性は、25℃、65%RHの雰囲気下、厚さ100μmのフィルムをカッターナイフで切り、カット部に割れが生じずカットできる状態を「○」、割れが生じる状態を「×」として評価した。
<ヘイズ>
ヘイズは、厚さ100μmのフィルムを、日本電色工業社製NDH−1001DPを用いて測定した。
<引き裂き性>
フィルムの引き裂き性は、25℃、65%RHの雰囲気下、フィルムを手で引き裂き、直線状に真直ぐ引き裂ける状態を「○」、ギザギザに引き裂ける状態を「×」として評価した。
<製造例1>(熱可塑性樹脂組成物の製造)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた30Lの反応釜に、EPDM(住友化学社製、商品名:エスブレンEPDM 501A)1875g、メタクリル酸メチル(MMA)6000g、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)1500g、トリス(2,4−ジ−ターシャリーブチルフェニル)ホスファイト(旭電化工業製、商品名:アデカスタブ2112)4.69g、トルエン8998gを仕込み、窒素パスを行いながら、50℃でEPDMが完全に溶解するまで攪拌した。そして、105℃まで昇温し、還流開始後、開始剤としてターシャリーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(アクゾ化薬製、商品名:カヤカルボン Bic−75)9.0gを添加すると同時に、ターシャリーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート18.75gとトルエン168.8gとからなる溶液を2時間かけて滴下しながら、還流下(約105〜115℃)で溶液重合を行い、更に4時間かけて熟成を行なった。
得られた重合体溶液に、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート(堺化学製、商品名:Phoslex A−8)を7.5g加え、還流下(約90〜115℃)で6時間、環化縮合反応を行なった。環化縮合反応で得られた重合体溶液を、バレル温度260℃、回転数100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個、フォアベント数4個のベントタイプスクリュー二軸押出し機(φ=29.75mm、L/D=30)に、樹脂量換算で2.0kg/時間の処理速度で導入し、該押出し機内で環化縮合反応と脱揮を行い、押出すことにより、透明なペレット(1A)を得た。
得られたペレット(1A)について、ダイナミックTGの測定を行なったところ、0.2重量%の重量減少を検知した。また、ペレットの重量平均分子量は150,000であり、メルトフローレート(JIS−K6874に準拠して、試験温度240℃、荷重10kgで測定)は10.0g/10分であり、ガラス転移温度は131℃であった。
<製造例2>(熱可塑性樹脂組成物の製造)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を備えた30Lの反応釜に、メタクリル酸メチル(MMA)7200g、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)1800g、トリス(2,4−ジ−ターシャリーブチルフェニル)ホスファイト(旭電化工業製、商品名:アデカスタブ2112)4.5g、トルエン8770gを仕込み、窒素パスを行いながら、105℃まで昇温し、還流開始後、開始剤としてターシャリーパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富製、商品名:ルペロックス570)9.0gを添加すると同時に、ターシャリーパーオキシイソノナノエート18.0gとトルエン162gとからなる溶液を2時間かけて滴下しながら、還流下(約105〜115℃)で溶液重合を行い、更に4時間かけて熟成を行なった。
得られた重合体溶液に、リン酸ステアリル/リン酸ジステアリル混合物(堺化学製、商品名:Phoslex A−18)を9.0g加え、還流下(約90〜115℃)で6時間、環化縮合反応を行なった。環化縮合反応で得られた重合体溶液を、バレル温度260℃、回転数100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個、フォアベント数4個のベントタイプスクリュー二軸押出し機(φ=29.75mm、L/D=30)に、樹脂量換算で2.0kg/時間の処理速度で導入し、該押出し機内で環化縮合反応と脱揮を行い、押出すことにより、透明なペレット(2A)を得た。
得られたペレット(2A)について、ダイナミックTGの測定を行なったところ、0.2重量%の重量減少を検知した。また、ペレットの重量平均分子量は140,000であり、メルトフローレートは11.0g/10分であり、ガラス転移温度は131℃であった。
〔実施例1〕
リップ開度0.4mm、幅150mmのTダイを装着した押出し機を用いて、製造例1で得られたペレット(1A)を260℃で押出し、110℃に温度調節したロールで引き取ることにより、厚さ100μmの透明で実質的に欠陥を有しないフィルムを得た。得られたフィルムの断面を電子顕微鏡で観察したところ、EPDMが球状で分散(平均粒子径0.5μm)していた。また、ヘイズは1.0%であった。フィルムの耐折曲げ性、引き裂き性、カッターカット性の評価を表1に示す。
〔比較例1〕
製造例2で得られたペレット(2A)を用い、実施例1と同様にして、厚さ100μmの透明で実質的に欠陥を有しないフィルムを得た。ヘイズは0.3%であった。フィルムの耐折曲げ性、引き裂き性、カッターカット性の評価を表1に示す。
Figure 2008127479
表1に示すように、実施例1のフィルムは、耐折り曲げ性、引き裂き製、カッターカット性の全てにおいて、比較例1よりも優れていた。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、透明性や耐熱性に優れているのみならず、低着色性、機械的強度、成型加工性等の所望の特性を備えている。このため、光学用途等に幅広く使用することができ、特に光学材料に関連する分野で好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 5〜95重量%の範囲内のエチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体と、5〜95重量%の範囲内のラクトン環含有熱可塑性樹脂とを含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体が、平均粒子径1μm以下で分散していることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 上記ラクトン環含有熱可塑性樹脂は、下記一般式(1)
    Figure 2008127479
    (式中、R、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の有機残基を示し、有機残基は酸素原子を含んでいてもよい。)
    で表される構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 一般式(2)
    Figure 2008127479
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の有機残基を表す。)
    で表される構造を有する単量体を含む単量組成物を、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体存在下で重合させることにより得られることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とするフィルム。
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JP2012200428A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Teikoku Sen I Co Ltd 消防ホース用接手
JP2020033420A (ja) * 2018-08-28 2020-03-05 日東電工株式会社 表面保護フィルム用基材、該基材の製造方法、該基材を用いた表面保護フィルム、および表面保護フィルム付光学フィルム

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