JP2008127149A - 搬送システム - Google Patents

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博則 伊奈
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Abstract

【課題】製品等の物品を、効率的に且つ正確に引取り配達することのできる搬送システムおよび搬送方法を提供する。
【解決手段】顧客60からの受注情報を受信して加工する受注管理手段1と、物品6が格納された倉庫50と、該物品6を運搬する運搬車両4とを備え、運搬車両4は、上記受注情報が受注管理手段1により加工されて送信された加工情報を受信する第1の受信手段2と、該受信した加工情報を伝票5として出力する出力手段3とを有しており、運搬車両4により、伝票5に基づいて物品6が引取られて配達される。
【選択図】図1

Description

本発明は、搬送システムに関する。特に、本発明は、運搬車両により、製品等の物品を効率よく運搬する搬送システムに関する。
従来、製品等の物品を運ぶために、運搬車両を用いた搬送システムがある。例えば、倉庫管理者が、顧客等から受けた製品の受注に対応して、倉庫に保管されている製品を顧客に向けて出荷するための搬送システムがある。
図9には、従来の倉庫における製品の搬送システムが示されている。例えば、製品の製造会社または卸売り業者等の倉庫管理者は、顧客60から、ある製品6の発注を受けると、搬送システムを用いて、倉庫管理者が管理する倉庫50に保管されている製品6を、顧客60に向けて出荷する。
この搬送システムには、図9に示すように、顧客60からの受注情報A11が入力される受注管理サーバ装置20と、該受注管理サーバ装置20から送信された受注情報A11を受信する端末装置140と、該端末装置140から出力された引取り配達指示書105に基づいて、倉庫50から製品6を引取り配達する運搬車両104と、製品6が保管されている倉庫50とが備えられている。
顧客60は、製品6を発注する際には、通信回線等のオンラインで接続された公知の発注手段により、必要な製品6を倉庫管理者へ向けて発注する。
倉庫管理者が、顧客60から受け取る受注情報A11には、例えば、顧客60が発注した製品の品番、数量、製品の納入先、納期等が含まれる。
倉庫管理者のオフィス10には、受注管理サーバ装置20が備えられている。受注管理サーバ装置20は、制御部、入力部、出力部、記憶部および通信部等の公知のハードウェア構成を備えている。
受注管理サーバ装置20の通信部は、有線LANインターフェースを備えており、後述する端末装置140の通信部と有線LANを経由して常時接続されている。
受注管理サーバ装置20は、受注情報A11が入力されると、該受注情報を有線LANを経由して端末装置140へ送信する。この受注情報A11の送信は、受注管理サーバ装置20が、顧客60から受注を受ける度に行われる。
倉庫管理者のオフィス10には、端末装置140が備えられている。端末装置140は、受注管理サーバ装置20と同様に、制御部、入力部、出力部、記憶部および通信部等の公知のハードウェア構成を備えている。端末装置140の通信部もまた、有線LANインターフェースを備えており、端末装置140は、受注管理サーバ装置20から送信された受注情報A11を受信する。端末装置140の出力部は、プリンタ149を備えている。
端末装置140は、受注情報A11を受信する度に、受注した製品6の引取り配達指示書105を、プリンタ149から発行する。もし、端末装置140が、複数の受注情報A11を受信した場合には、複数の引取り配達指示書105が発行される。
引取り配達指示書105に記載されている情報には、受注した製品の品番、受注した製品の数量、受注した製品の納入先、受注した製品の納期等が含まれる。
発行された引取り配達指示書105は、製品の納入先および納期ごとにまとめられて、引取り配達指示書置き場へ、手作業により置かれる。
倉庫50には、自走式の運搬車両104が備えられている。運搬車両104には、荷台が設けられており、製品6を積み込むことができる。運搬車両104は、オペレータにより操作される。運搬車両104のオペレータは、引取り配達指示書105を、引取り配達指示書置き場へ取りに行き、この指示書105に基づいて、倉庫50に保管されている製品6の引取り配達処理を、運搬車両4を用いて行う。
出荷レーンに置かれた製品6は、その後、所定のトラック等へ積み込まれて、倉庫50から顧客60へ向けて出荷される。
倉庫50には、1つまたは複数の種類の製品6が保管されている。倉庫50に保管されている製品6には、製品6の情報が記載された現品票7が取り外し可能に取り付けられている。運搬車両104のオペレータは、製品6を引取る際には、引取り配達指示書105の記載情報と、この現品票7の記載情報とを目視で確認した後、この現品票7を製品6から取り外す。オペレータは、製品6の引取り配達処理を行った後、取り外した現品票7を、現品票置き場へ持って行き、顧客60ごとに区分して置く。
この現品票7に記載されている情報には、製品の品番、顧客名および数量が含まれる。
現品票置き場に置かれた現品票7は、手作業により、倉庫管理者のオフィス10へ持って行かれて、現品票7と引取り配達指示書105との照合が端末装置140により行われる。この照合処理は、現品票7に記載されているバーコード情報等が、カードリーダまたはスキャナ等148を備えた端末装置140の入力部により読み取られ、該読み取られた情報が、端末装置140により、出荷実績として顧客60ごとに集計される。顧客60ごとに集計された情報は、同様に顧客ごとに集計された受注情報A11と照合されて、出荷した製品の総量と受注した製品の総量とが一致しているのかどうかが確認される。
端末装置140により集計された出荷実績A14は、その後受注管理サーバ装置20へ送信されて、該受注管理サーバ装置20において、出荷の履歴が保管されて出荷情報の再照合が行われると共に、製品の売上げが管理される。
上述した従来の搬送システムでは、端末装置140から引取り配達指示書105が発行されても、運搬車両4のオペレータの手元に直ぐには届かない。運搬車両104のオペレータが、倉庫50内における製品6の保管場所から、引取り配達指示書置き場へ移動するのは、通常手持ちの引取り配達処理を終えた後のタイミングであり、また引取り配達指示書置き場へ移動するための時間も必要である。このように、発行された引取り配達指示書105が、運搬車両104のオペレータの元へ届くまでには時間がかかるという問題点がある。また運搬車両104のオペレータは、倉庫50内における製品6の保管場所から、現品票7を現品票置き場へ置きに行くための移動時間も必要である。
また、印刷物である引取り配達指示書105および現品票7の管理が煩雑である。更に、複数の引取り配達指示書105が発行された場合には、引取り処理において、製品6を取り違える可能性がある。更にまた、現品票7と受注情報A11との照合が、顧客60ごとに総量でしか確認されないため、各品番の出荷量が、受注情報A11と対応していることについての確認ができないという問題点もある。
なお、近年の通信情報機器の発達に伴い、運搬車両に搭載可能であり且つ無線による通信が可能な端末装置が、物品の搬送において用いられている。
例えば、特許文献1および2には、IDが書き込まれた電子タグが埋め込まれた配送情報が貼られた貨物と、電子タグリーダと仕分けガイダンス装置とを具備したウエアラブル・コンピュータを備えた仕分け装置が開示されている。
また、特許文献3には、車両を用いる宅配業者が、顧客から集荷した荷物の集荷情報および顧客情報を、携帯電話を用いて、発地営業所サーバに送信するデータ転送装置およびデータ転送システムが開示されている。
更に、特許文献4には、荷送人から荷受人へ、車両を用いて送られる荷物の流れに関する情報が、送信手段および受信手段を用いて管理される、車両物流システムを支援する荷物情報管理・伝票作成システムが開示されている。
特開2001−225926号公報 特開2005−194103号公報 特開2002−368898号公報 登録実用新案第3000269号公報
本発明は、上記問題点を解決することを課題とし、製品等の物品を、効率的に且つ正確に引取り配達することのできる搬送システムおよび搬送方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、受注情報を受信して加工する受注管理手段(1)と、物品(6)が格納された倉庫(50)と、該物品(6)を運搬する運搬車両(4)とを備え、該運搬車両(4)は、上記受注情報が受注管理手段(1)により加工されて送信された加工情報を受信する第1の受信手段(2)と、該受信した加工情報を伝票(5)として出力する出力手段(3)とを有しており、運搬車両(4)により、伝票(5)に基づいて物品(6)が引取られて配達される。
これにより、上記受注情報が加工された上記加工情報を、運搬車両(4)上でタイムリー受信することができ、且つ該加工情報と物品(6)とを引取り時に照合できるので、決められたフォーマットの情報に基づいて管理されている物品(6)を、効率的に且つ正確に引取り配達することができる。
また、請求項2に記載の発明では、伝票(5)と物品(6)との照合が倉庫(50)で行われるように、該伝票(5)が倉庫(50)で出力される。
これにより、伝票(5)と物品(6)との照合が、該物品(6)が保管されている前記倉庫(50)で行うことができる。
また、請求項3に記載の発明では、伝票(5)に基づいて物品(6)が引取られて配達された後、次の伝票が出力される。
これにより、物品(6)の正確な引取り配達を確実に行うことができる。
また、請求項4に記載の発明では、運搬車両(4)が、伝票(5)と物品(6)との照合の結果を送信するための第1の送信手段を有している。これにより、伝票(5)と物品(6)との照合の結果を、運搬車両(4)から他の場所へ送信することができる。更に請求項4に記載の発明は、受注管理手段(1)が、上記受注情報を受信して送信するための受注情報送受信手段(20)と、上記受注情報を加工して上記加工情報を生成する加工手段(30)と、該加工手段により加工された上記加工情報を送信するための第2の送信手段と、上記第1の送信手段により送信された情報を受信するための第2の受信手段とを備えている搬送システムに適用されることが好ましい。これにより、送信された伝票(5)と物品(6)との照合の結果を受信する受信手段が確保されると共に、第1の受信手段(2)に送信される上記加工情報を加工する加工手段および送信手段が確保される。
また、請求項6に記載の発明では、上記第1および上記第2の送信手段並びに上記第1および上記第2の受信手段として、無線通信が用いられている。
これにより、有線を用いた通信回線の物理的な制約を受けることなく、運搬車両(4)が移動できると共に、常時通信が可能となる。
また、請求項7に記載の発明では、上記加工情報が、物品(6)の引取り配達指示であり、物品(6)が、顧客(60)から発注された製品であり、受注管理手段(1)が、受注情報送受信手段(20)としての受注管理サーバ装置と、スケジュール作成管理サーバ装置(30)とを備えており、該スケジュール作成管理サーバ装置(30)が、上記加工手段、上記第2の受信手段および上記第2の送信手段を備えており、記第1の受信手段(2)、上記第1の送信手段および出力手段(3)を備えた端末装置(40)が運搬車両(4)上に搭載されており、上記受注情報が受注管理サーバ装置(20)に受信された後、該受注管理サーバ装置(20)から、上記受注情報がスケジュール作成管理サーバ装置(30)へ送信され、スケジュール作成管理サーバ装置(30)により、受信された上記受注情報に基づいて、物品(6)の引取り配達スケジュールが作成されると共に、該物品(6)の引取り配達指示が送信され、上記引取り配達指示が、端末装置(40)に受信されると共に、該端末装置(40)により伝票(5)が出力され、運搬車両(4)により、倉庫(50)から物品(6)が引取られて配達され、伝票(5)と物品(6)との照合の結果が、端末装置(40)により送信されて、該結果がスケジュール作成管理サーバ装置(30)に受信されるようになされている。
これにより、倉庫(50)内に保管されている物品(6)が、顧客(60)の上記受注情報に対して、効率的に且つ正確に引取り配達されることができる。また、請求項7に記載の発明は、端末装置(40)が、制御部、記憶部、入力部、出力部および通信部を備えている搬送システムに適用されることが好ましい。
また、請求項9に記載の発明では、倉庫(50)が、複数の縦長の棚(51)を備えており、該棚(51)それぞれの長手方向に複数の物品(6)が整列して保管されている。これにより、物品(6)が倉庫に格納されやすく且つ引取られやすくなる。また、請求項9に記載の発明は、運搬車両(4)が、棚(51)の長手方向と略直交する方向に移動可能である搬送システムに適用されることが好ましい。これにより、運搬車両(4)を用いて、棚(51)から保管されている物品(6)を効率よく引取ることができる。
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
まず、本発明の基本構成について説明する。図1に、本発明の搬送システムの基本構成図を示す。本発明の搬送システムは、例えば倉庫管理者が、顧客からある物品6の発注を受けて、倉庫管理者が管理している倉庫50に保管されている物品6を、顧客に向けて出荷する際に用いられる。
本発明の搬送システムは、図1に示すように、受注情報を受信して加工する受注管理手段1と、物品6が格納された倉庫50と、該物品6を運搬する運搬車両4とを備え、運搬車両4は、上記受注情報が受注管理手段1により加工されて送信された加工情報を受信する第1の受信手段2と、該受信した加工情報を伝票5として出力する出力手段3とを有しており、運搬車両4により、伝票5に基づいて物品6が引取られて配達される。
以下、本発明の搬送システムをその好ましい実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。なお、特に説明しない点については、上述した従来の搬送システムにおける説明が適宜適用される。また、図9と同じ構成要素には同じ符号を付してある。
図2に、本実施形態の搬送システムの全体の構成図を示す。本実施形態の搬送システムには、顧客60からの受注情報A11が入力される受注情報送受信手段20としての受注管理サーバ装置と、該受注管理サーバ装置20から送信される受注情報A11を受信するスケジュール作成管理サーバ装置30と、該スケジュール作成管理サーバ装置30から送信される上記加工情報としての引取り配達指示A12を受信する運搬車両4上に搭載された端末装置40と、該運搬車両4と、倉庫50内に保管されている物品6と、該倉庫50とが備えられている。
このように、本実施形態では、上記受注管理手段1が、受注情報A11を受信して送信するための上記受注情報送受信手段としての受注管理サーバ装置20と、スケジュール作成管理サーバ装置30とを備えている。スケジュール作成管理サーバ装置30は、詳しくは後述するが、受信した受注情報A11に基づいて、物品6の引取り配達スケジュールを作成し、該引取り配達スケジュールに基づいて、引取り配達指示A12を送信する。
以下、本実施形態の搬送システムを、その各構成要素について説明する。
上記加工情報は、伝票5として出力され得る情報であり、該加工情報に基づいて物品6が引取られて配達される情報であれば、特に制限はされないが、本実施形態では、上記加工情報が、顧客60から発注された受注情報A11に基づく引取り配達指示A12である。また、伝票5には、顧客60からの受注情報A11が記載されており、本実施形態では、伝票5は引取り配達指示書A12である。なお伝票5は、帳票を含む概念である。
顧客60は、倉庫管理者とは異なる組織の法人もしくは個人等、または倉庫管理者と同じ組織内の別な部門(例えば生産部門等)である。また倉庫管理者に対して顧客60は、単数または複数存在する。尚、顧客60の発注手段としては、従来の搬送システムにおいて説明したオンラインの他に、口頭連絡、郵便またはいわゆるかんばん方式等の他の手段を用いても良い。
倉庫管理者が、顧客60から受け取る受注情報A11には、例えば、顧客が発注した製品の品番、数量、製品の納入先、納期等が含まれる。例えば、顧客60と倉庫管理者との間で、製品6の発注と出荷とが頻繁に行われている関係がある場合には、製品6を顧客60へ向けて出荷するために、毎日、複数回運行されるトラック等の定期便が設けられている。このような場合、受注情報A11には、製品6を配達するために用いる定期便の時間を指定する情報も含まれる。なお、製品の納入先は、顧客60への製品の届け先に関する情報であり、例えば顧客60が複数の事業所等を有する場合には、これらの納入先の場所等を特定する情報も含まれる。
また、物品6は、後述する運搬車両4により運搬可能なものであれば、特に制限はされないが、本実施形態では、顧客60から発注された製品であり、倉庫管理者により倉庫50に保管されている。
運搬車両4は、製品6を積載可能であり、後述する端末装置40の搭載も可能な車両であれば、自走式または非自走式を問わず、特に制限はされないが、本実施形態では、運搬車両4は荷台を備えた自走式の車両であり、オペレータにより操作される。運搬車両4は、図2および図3に示すように、可動台車であり、倉庫50内においてレール41上を移動する。倉庫50に保管されている製品6は、図3に示すように、運搬車両4により引取られて、顧客60に向けて出荷するために、出荷レーン54へ配達される。
本明細書において、「引取り」は、倉庫50から、保管されている製品等の物品6を取り出すことであり、「配達」は、引取られた製品等の物品6を、製品6の納入先へ持っていくことである。具体的には、製品6を積み込むトラック等ごとに対応した出荷レーン等へ、製品6を持って行き置くことである。
本実施形態の運搬車両4には、オペレータにより操作される端末装置40が備えられている。端末装置40は、図4に示すように、制御部、入力部、出力部、記憶部および通信部を有している。端末装置40の通信部は、上記第1の受信手段2を備えている。また、端末装置40の出力部は、上記出力手段3を備えている。
図4の制御部を、CPU41を用いて実現した公知のハードウェア構成を図5に示す。図5において、CPU41には、記憶部であるメモリ42、ハードディスク43およびCD−ROMドライブ45、出力部であるディスプレイ46およびプリンタ49、入力部であるキーボード44、固定式スキャナ481およびハンディーターミナル482、通信部である無線LANインターフェース47が接続されている。ハードディスク43には、引取り配達指示書発行プログラム、照合プログラムおよびOSが記憶されている。これらのプログラムは、CD−ROMドライブ45または無線LANインターフェース47を用いてインストールすることができる。
端末装置40において、無線LANインターフェース47が、上記第1の受信手段2を備えている。端末装置40は、無線LANインターフェース47により、後述する無線LANアクセスポイント53を経由して、スケジュール作成管理サーバ装置30と常時接続されているので、スケジュール作成管理サーバ装置30から送信された引取り配達指示A12をタイムリーに受信することができる。
端末装置40は、引取り配達指示A12を受信すると、CPU41が、OSと協働する引取り配達指示書発行プログラムに基づいて、引取り配達指示書5の発行処理を行い、該引取り配達指示書5がプリンタ49から発行される。つまり、具体的には端末装置40のプリンタ49が、上記出力手段3に対応する。また、プリンタ49からの引取り配達指示書5の発行処理は、端末装置40が搭載されている運搬車両4が位置している場所、すなわち、製品6が保管されている倉庫50において実行される。
引取り配達指示書5に記載されている情報には、受注した製品の品番、受注した製品の数量、受注した製品の納入先、受注した製品の納期等が含まれる。受注した製品の品番(以下、単に製品の品番ともいう)には、倉庫管理者の管理番号および顧客の管理番号が含まれる。また受注した製品の納入先(以下、単に製品の納入先ともいう)とは、製品6を積み込むトラック等ごとに対応した出荷レーンである倉庫内の所定の場所のことである。また、受注した製品の納期(以下、単に製品の納期ともいう)とは、製品6を受注した製品の納入先へ持っていく期限のことである。
尚、出荷レーンである製品の納入先は、顧客60ごとに分けて定められていることが好ましい。
引取り配達指示書5の発行においては、該引取り配達指示書が原則1部だけが出力され、該引取り配達指示書5に基づいて製品6が引取られて配達された後、次の引取り配達指示書5がはじめて出力される。すなわち、2部以上の異なる引取り配達指示書5が、同時に発行されている状態は、原則として存在しない。また、引取り配達指示書5に記載されている製品の品番は、1種類のみであり、異なる2つ以上の製品の品番が記載されていることはない。
運搬車両4のオペレータは、発行された引取り配達指示書5に基づいて、指定された製品6の引取り処理を行う。また、端末装置40では、CPU41が、ディスプレイ46上に、製品6の品番および顧客60の名を、強調した大きな文字と色とで表示して、運搬車両4のオペレータに引取り処理の指示を出す。
また、この無線LANインターフェース47は、引取り配達指示書5と製品6との照合の結果を、スケジュール作成管理サーバ装置30へ送信するための第1の送信手段を備えている。
倉庫50における製品6の引取り時に、製品6に取り付けられている現品票7と引取り配達指示書5との照合処理が行われる。この製品6の照合処理は、オペレータが目視確認すると共に、CPU41が、OSと協働する照合プログラムに基づいて行う。現品票7に記載の内容と引取り配達指示書5に記載の内容とが一致した結果が得られると、CPU41は、この結果を、引取り配達指示実績13として、無線LANインターフェース47からスケジュール作成管理サーバ装置30へ向けて送信する。
このように、本実施形態の搬送システムにおいては、引取り配達指示書5と製品6との照合が倉庫50で行われるように、引取り配達指示書5が倉庫50で出力されるようになっている。次の引取り配達指示書は、この照合処理を終えた後に、はじめて発行される。
更に説明すると、上記照合処理は、運搬車両4のオペレータが、もっぱら固定式スキャナ481を用いて、現品票7および引取り配達指示書5それぞれに記載されているバーコード情報を読み取り、CPU41が、OSと協働する照合プログラムに基づいて、両バーコード情報を比較することにより行われる。比較するバーコード情報とは、具体的には、製品6の品番、出荷レーン54および製品6の数量である。
固定式スキャナ481は、その読み取り部が下方を向いた状態で、運搬車両4に固定されている。固定式スキャナ481は、その読み取り部に現品票7のバーコードをかざすことにより、現品票7のバーコード情報が端末装置40に読み取られる。このように、固定式スキャナ481を用いることにより、オペレータは該スキャナを手で持つ必要がないので、製品6の移動等のために両手が常に自由に使えるため、照合処理の作業性が高められている。
運搬車両4のオペレータは、上記照合処理を遂行した後、製品6を出荷レーン54へ配達する。出荷レーン54は、本実施形態では、顧客60ごとに指定されている。また、端末装置40では、CPU41が、ディスプレイ46上に、製品6を配達すべき出荷レーン54を、強調した大きな文字と色とで表示して、運搬車両4のオペレータに配達処理の指示を出す。
また、製品の納入先である出荷レーン54は、顧客60が倉庫管理者とは異なる組織の会社もしくは個人等である場合には、トラック等に製品6を積載するための倉庫50内の所定の場所であるが、顧客60が、倉庫管理者と同じ組織内の別な部門(例えば生産部門等)である時には、該生産部門等における所定の場所(例えば部品置き場等)である場合もある。
上述した端末装置40を備えた運搬車両4を、搬送システムは、1台または複数台備えていても良い。搬送システムが複数の倉庫50を備えている場合には、各倉庫50に端末装置40を備えた運搬車両4を1台ずつ配置しても良いし、1つの倉庫に複数の端末装置40を備えた運搬車両4を配置しても良い。ただし、スケジュール作成管理サーバ装置30から、1つの引取り配達指示A12は、1つの端末装置40にしか送信されない。つまり、同一内容の引取り配達指示A12が、異なる2以上の端末装置40へ送信されることはない。
端末装置40は、引取られるべき製品6が倉庫50に存在しない場合に、すわなち欠品の場合、その引取り配達指示書5が投入される保管ポスト(図示せず)を備えている。該保管ポストには、投入された引取り配達指示書5を検知する保管ポストセンサ(図示せず)がCPU41と接続された状態で備えられている。CPU41は、該保管ポストセンサが、上記保管ポストに引取り配達指示書5が投入されていることを検知すると、すでに発行した引取り配達指示書5の照合処理を行わずに、次に発行すべき引取り配達指示をプリンタ49から発行する。この欠品の場合に処理については、後で更に説明する。
次に、受注管理サーバ装置20について更に説明する。受注管理サーバ装置20は、受注情報A11が該受注管理サーバ装置20に入力された後、この受注情報A11を該受注管理サーバ装置20から、スケジュール作成管理サーバ装置30へ出力する。
受注管理サーバ装置20は、上述した端末装置40と同様の構成を有しており、この構成をCPUを用いて実現した公知のハードウェア構成を図6に示す。図5との主な相違点を説明すると、受注管理サーバ装置20のCPU21には、通信部である有線LANインターフェース27が接続されており、無線LANインターフェースは接続されていない。また、受注管理サーバ装置20の記憶部のハードディスク23には、受注管理プログラム、売上げ管理プログラムおよびOSが記録されている。受注管理サーバ装置20は、有線LANを経由して、スケジュール作成管理サーバ装置30と常時接続されている。
受注管理サーバ装置20は、受注情報A11が入力されると、CPU21が、OSと協働する受注管理プログラムに基づいて、該受注情報A11をハードディスク23に記録すると共に、該受注情報A11を有線LANインタフェースを用いて、スケジュール作成管理サーバ装置30へ送信する。
また、受注管理サーバ装置20は、スケジュール作成管理サーバ装置30から送信された出荷実績A14を受信すると、CPU21が、OSと協働する受注管理プログラムおよび売上げ管理プログラムに基づいて、製品6の出荷履歴を保管して出荷情報の再照合を行う共に、製品の売上げを管理する。出荷実績A14については、詳しくは後述する。
次に、スケジュール作成管理サーバ装置30について更に説明する。スケジュール作成管理サーバ装置30は、受注管理サーバ装置20から入力された受注情報A11を加工して、製品6の引取り配達スケジュールを作成して、このスケジュールを管理すると共に、該引取り配達スケジュールに基づいて、製品6の引取り配達指示A12を端末装置40へ送信する。
スケジュール作成管理サーバ装置30は、運搬車両4とは異なる所に備えられており、本実施形態では、倉庫管理者のオフィス10内に配置されている。
スケジュール作成管理サーバ装置30は、上述した端末装置40と同様に公知のハードウェア構成を有しており、この構成をCPUを用いて実現したハードウェア構成を図7に示す。図5との主な相違点を説明すると、スケジュール作成管理サーバ装置30のCPU31には、通信部である無線LANインターフェース38と共に有線LANインターフェース37が接続されている。また、スケジュール作成管理サーバ装置30の記憶部のハードディスク33には、スケジュール作成管理プログラムおよびOSが記録されている。
スケジュール作成管理サーバ装置30は、受注情報A11を加工して上記加工情報としての引取り配達指示A12を生成する加工手段と、該加工手段により加工された受注情報A11を引取り配達指示A12として送信するための第2の送信手段である無線LANインターフェース38と、上記第1の送信手段である端末装置40の無線LANインターフェース47により送信された情報を、受信するための第2の受信手段である無線LANインターフェース38とを備えている。上記加工手段は、主CPU31、メモリ32、ハードディスク33等のハードウェア構成が主体となり、OSと協働するスケジュール作成管理プログラムに基づいて実現される。
スケジュール作成管理サーバ装置30の無線LANインターフェース47は、図3に示すように、アクセスポイント53を倉庫50内に有している。このアクセスポイント53と端末装置40の無線LANインターフェース47との間で無線通信が行われる。アクセスポイント53は、倉庫50の天井または天井付近に配設されていることが好ましい。設置されるアクセスポイント53の数は、1つのアクセスポイントから端末装置40と通信可能な距離と、倉庫50内で運搬車両4が移動する範囲とから定められる。1つのアクセスポイント53では、運搬車両4が移動する全範囲をカバーできない場合には、該全範囲をカバーできる数のアクセスポイント53を所定の間隔を空けて設けることが好ましい。
スケジュール作成管理サーバ装置30と端末装置40との間の無線LANインターフェースとしては、例えばIEEE802.11a、11bまたは11g等の仕様に基づく物品を用いることが好ましい。
このように、本実施形態では、上記第1および上記第2の送信手段並びに上記第1および上記第2の受信手段として、無線通信が用いられている。
スケジュール作成管理サーバ装置30は、CPU31が、OSと協動するスケジュール作成管理プログラムに基づいて、引取り配達スケジュールを作成する。スケジュールは、顧客60が指定した納期の間に合い且つ平準化するように作成される。
まず、顧客60が指定した納期に間に合うように、製品6の出荷予定時刻が定められ、トラック等に積載された製品6が該出荷予定時刻に倉庫50から出荷されるように、製品6が出荷レーン54に配達される配達予定時刻が定められる。次に、上記配達予定時刻に間に合うように、倉庫50から製品6が引取られる引取り予定時刻が定められる。そして、運搬車両4を操作するオペレータが、上記引取り予定時刻に製品6を引取ることができるように、スケジュール作成管理サーバ装置30から端末装置40へ、引取り配達指示A12が送信される。このように、引取り配達指示A12には、受注した製品の品番、受注した製品の数量、受注した製品の納入先である出荷レーン54の情報、受注した製品の納期である配達予定時刻および受注した製品の引取り予定時刻が含まれている。
なお本実施形態では、1台の運搬車両4に搭載できる製品の数量を上限として、1つの引取り配達指示A12が送信される。つまり、1回の引取り配達処理ごとに、1部の引取り配達指示書5が発行されるようになっている。例えば、運搬車両4に搭載できる製品6の数量の上限が6個であり、顧客60から受注した製品6の数量が9個であれば、数量6個の引取り配達指示A12と、数量3個の引取り配達指示A12とが、スケジュール作成管理サーバ装置30から端末装置40へ送信されて、それぞれに対応する引取り配達指示書が1部ずつ発行される。
上記スケジュール作成は、スケジュール作成管理サーバ装置30が受注情報A11を受信するたびに、新たな受注情報A11を加えてスケジュールを更新することが好ましい。
スケジュール作成管理サーバ装置30から端末装置40へ、引取り配達指示A12を送信するタイミングは、上記配達予定時刻に間に合うように引取り配達処理が行えるように、上記配達予定時刻よりも所定の時間だけ前に行うことが好ましい。
本実施形態では、引取り配達指示A12を送信するタイミングは、以下のように定められている。まず顧客60が製品6を倉庫管理者へ発注する時刻は、顧客60が希望する製品6の納入時刻に対して、倉庫管理者における製品6の引取り配達処理および製品6を倉庫50から顧客60へ移動する時間を含めた所定の時間だけ、少なくとも前に受注管理サーバ装置20へ入力されるようになっている。また、製品6を倉庫管理者から、顧客60へ向けて配達するために、毎日、複数回運行されるトラック等の定期便が設けられており、トラック等の定期便の運行予定は、原則固定されている。従って、製品6は、所定の間隔で出荷されている。
本実施形態では、スケジュール作成管理サーバ装置30が、製品6の出荷間隔にあわせて、配達予定時刻および引取り予定時刻を定め、引取り配達指示A12を端末装置40へ送信する。例えば製品6の出荷間隔が20分であれば、ある製品6の引取り配達指示A12は、その出荷予定時刻に間に合う配達予定時刻の少なくとも20分前までに送信される。そして、運搬車両4のオペレータは、端末装置40が発行した引取り配達指示書5に基づいて、製品6の引取り配達処理を、配達予定時刻までに遂行する。ここで、引取り予定時刻は、引取り配達指示書5が発行された時から、配達予定時刻までの間の時間を含む概念である。
また、同じ出荷予定時刻を有する複数の受注情報A11を、スケジュール作成管理サーバ装置30が受信した場合には、複数の引取り配達指示A12が、1台の端末装置40へ送信される場合もある。複数の引取り配達指示A12を受信した端末装置40は、上述した通り、引取り配達指示書5を原則1部だけ出力して、該引取り配達指示書5に基づいて製品6が引取られて配達された後、次の引取り配達指示書5をはじめて出力する。このようにして、複数の引取り配達指示A12に基づく製品6の引取り配達処理が、定められた配達予定時刻までに遂行される。なお、同じ出荷予定時刻を有する複数の受注情報A11には、1台の運搬車両4に搭載できる製品の数量の上限を超える1つの受注も含まれる。
このようにスケジュール作成管理サーバ装置30が、出荷予定時刻が重なる複数の受注情報A11を受信した場合には、引取り配達スケジュールの作成において平準化がなされる。本明細書において、平準化とは、顧客60が指定した納期に間に合うように、引取り処理において、製品の数量および製品の種類(例えば、製品の品番)を均一にすることである。まず製品の数量を均一にするとは、1台の運搬車両4に搭載できる製品の数量の上限を超える1つの受注を受けた場合の処理であり、引取り予定時刻および配達予定時刻をずらした引取り配達スケジュールが作成される。
そして、製品の数量および製品の種類を均一にするとは、少なくとも1つの受注が1台の運搬車両4に搭載できる製品の数量の上限を超えており、且つ顧客または/および製品の品番が異なる受注を、出荷予定時刻が重なって複数受けた場合の処理である。この場合には、各製品の種類ごとに順番に、1台の運搬車両4に搭載できる製品の数量だけ、引取り配達処理を行う。例えば、1台の運搬車両4に搭載できる製品の数量の上限が6個であり、出荷予定時刻が重なって、製品の種類Aを12個、製品の種類Bを9個受注したとすると、まず6個の種類Aの引取り配達処理を行い、次に6個の種類Bの引取り配達処理を行い、次に6個の種類Aの引取り配達処理を行った後、最後に3個の種類Bの引取り配達処理を行う。スケジュール作成管理サーバ装置30は、1台の端末装置40に対して、このように平準化された引取り配達スケジュールを作成する。運搬車両4に搭載された端末装置40が複数ある場合には、各端末装置40に対して、平準化した引取り配達スケジュールが、スケジュール作成管理サーバ装置30により作成される。
尚、本実施形態では、平準化された引取り配達スケジュールの作成にあたり、1台の運搬車両4に搭載できる製品の数量の上限は、1台の運搬車両4に搭載できる製品の数量の物理的な限度の範囲内で、任意に設定することができる。
このようにして、製品の数量の均一化を図ることにより、引取り配達指示スケジュールの作成が可能となる共に、倉庫50からの製品6の出荷時刻がずれることにより、顧客60への製品6の到着時刻がずれるため、顧客60における製品6の受け取り処理が重ならないようにできる。また、製品の数量および製品の種類を均一にすることにより、複数の顧客60に対する製品6の引取り配達処理が行える。
また、スケジュール作成管理サーバ装置30は、端末装置40の無線LANインターフェース47から送信された引取り配達実績A13を、アクセスポイント53を用いて無線LANインターフェース37が受信すると、引取り配達スケジュールの管理を行う。引取り配達スケジュールの管理は、CPU31が、OSと協働するスケジュール作成管理プログラムに基づいて実行する。
そして、本実施形態では、引取り配達処理の状況が、作成されたスケジュールに対して、遅れているのか、進んでいるかまたは予定通りであるのかが、CPU31によりディスプレイ36上に表示されるので、スケジュール作成管理サーバ装置30を操作しているオペレータは容易に状況を把握できる。そのため、引取り配達処理の状況が、作成されたスケジュールに対して遅れている場合には、速やかに適切な対応を行うことができる。
ここで、引取り配達スケジュールに対して引取り配達処理が進む場合とは、次のような状態をいう。本実施形態では、上述した通り20分ごとに、製品6の引取り配達指示A12が、その出荷予定時刻に間に合う配達予定時刻の少なくとも20分前までに、スケジュール作成管理サーバ装置30から端末装置40へ送信される。その結果、前記製品6の引取り配達処理が、その配達予定時刻の20分前には、すでに終了している場合がある。この結果が照合されて、引取り配達実績A13として、端末装置40からスケジュール作成管理サーバ装置30へ送信されると、引取り配達処理がスケジュールに対して進んだ状態となる。
スケジュール作成管理サーバ装置30は、端末装置40の無線LANインターフェース47から送信された引取り配達実績A13を受信した後、上述したスケジュール管理を行うと共に、CPU41は、出荷実績A14を有線LANインターフェース37から端末装置40の有線インターフェース27へ送信する。
次に、倉庫50について更に説明する。
本実施形態では、倉庫50は、図2および図3に示すように、複数の縦長の棚51を備えており、該棚51それぞれの長手方向に複数の製品6が整列して保管されている。各棚51には、1種類の製品6のみが保管されている。ある顧客60向けの製品が複数ある場合には、該顧客向けの製品が保管されている棚は、上下左右が隣接した状態に配置されていることが好ましい。
本実施形態では、倉庫50には、図2および図3に示すように、複数の縦長の棚51の長手方向と略直交する方向に、レール41が敷設されており、運搬車両4は、このレール41に沿って、棚51の長手方向と略直交する方向に移動可能である。製品6は、図3に示すように、縦長の棚51の一方の側からのみ引取られる。このように、運搬車両4は、棚51から製品6を効率よく引取れるように移動可能であると共に、事故を防止するために、レール41が敷設されている場所以外へは移動不可能となっている。
尚、図3には、他の運搬車両52が示されている。この運搬車両52は、棚51に製品6を格納するために用いられる。製品6は、縦長の棚51の他方の側からのみ格納されるので、製品6の格納と引取り処理が同時に行えるようになっている。
前述した本実施形態の搬送システムによれば、受注情報A11が加工された引取り配達指示A12を、運搬車両4上でタイムリーに受信することができ、且つ該引取り配達指示A12と製品6とを引取り時に照合できるので、製品6を、効率的に且つ正確に引取り配達することができる。特に、スケジュール作成管理サーバ装置30と運搬車両4に搭載された端末装置40とが、無線LANインターフェースにより常時接続されており、スケジュール作成管理サーバ装置30から送信された引取り配達指示A12が、タイムリーに端末装置40により受信されるため、リードタイムが大幅に削減される。また、引取り配達指示書5の配達処理が不要となる。更に、運搬車両4が、有線を用いた通信回線の物理的な制約を受けることなく移動できる。
また本実施形態の搬送システムは、製品6が保管されている倉庫50で、引取り配達指示書5が発行されるので、製品6が、決められたフォーマットおよびデータの情報に基づいて管理されている本実施形態のような場合には、特に効率的に且つ正確に引取り配達することができる。
また本実施形態の搬送システムでは、製品6の引取り配達時には、引取り配達指示書5が原則1部しか存在しないので、正確な引取り配達を確実に行うことができる。
また本実施形態の搬送システムでは、倉庫50における製品6の引取り時に、製品6の現品票7と引取り配達指示書5との照合が行われるので、製品6の数量と共に、製品6の種類が、目視確認と共に端末装置40により顧客60ごとに確認されるので、引取り配達処理の品質が向上する。また、現品票7の回収処理が不要となる。
また本実施形態の搬送システムでは、製品6を倉庫50の棚51に格納しやすく且つ引取りやすくなっている。また、運搬車両4を用いて、棚51に保管されている製品6を効率よく引取ることができる。
また本実施形態の搬送システムでは、顧客60が倉庫管理者と同じ組織内の別な部門(例えば生産部門等)である場合には、受注した製品6の迅速な出荷が可能なため、生産部門等における在庫を低減することができるので、該生産部門におけるサイクルタイムの短縮に貢献することができる。
次に、前述した本発明の搬送システムの好ましい実施形態に基づいて、該システムの全体の流れを図8のフロー図を参照しながら説明する。
まず、顧客60が、必要な製品6を倉庫管理者へ発注し、その受注情報A11を受注管理サーバ装置20がオンラインにて受信する(S1)。次に、受注管理サーバ装置20は、受信した受注情報A11を、スケジュール作成管理サーバ装置30へ有線LANを用いて送信する(S2)。
スケジュール作成管理サーバ装置30は、受注管理サーバ装置20から送信された受注情報A11を受信した後、該受注情報A11を加工して、引取り配達スケジュールを作成更新する。次に、スケジュール作成管理サーバ装置30は、該引取り配達スケジュールに基づいて、引取り配達指示A12を運搬車両4に搭載されている端末装置40へ、無線LANを用いて送信する(S3)。倉庫50内に位置する運搬車両4上の端末装置40は、スケジュール作成管理サーバ装置30から送信された引取り配達指示A12を、タイムリーに受信する。
なお、複数の運搬車両4が存在する場合には、引取り配達される製品6が保管されている棚51に対して、最も適切な位置にある端末装置40へ引取り配達指示A12が送信される。
端末装置40は、スケジュール作成管理サーバ装置30から送信された引取り配達指示A12を受信すると、受信した引取り配達指示A12を引取り配達指示書5として出力する。ここで、引取り配達指示書5は原則1部のみ発行される。その後、運搬車両4のオペレータは、引取り配達指示書5に基づいて、上記引取り予定時刻までに製品6の引取り処理を行った後、引取られた製品6を上記配達予定時刻までに出荷レーン54へ配達する。
また、運搬車両4のオペレータは、現品票7を製品6から取り外して、引取り配達指示書5と端末装置40の固定式スキャナ481を用いて、照合処理を行う。端末装置40は、照合処理により、両者が一致していることを確認すると、引取り配達実績A13をスケジュール作成管理サーバ装置30へ、無線LANを用いて送信する(S4)。次の引取り配達指示書は、この照合処理および引取り配達処理を遂行した後に、はじめて発行されることが好ましい。
一方、出荷レーン54へ配達された製品6を、その後トラック等へ積載した後、上記出荷予定時刻までに倉庫50から顧客60へむけて出荷する。このように出荷された製品6を、顧客60が指定した納期までに、該顧客60のもとへ送り届ける。
上述した製品6の引取り配達処理において、引取り対象の製品6が棚51に保管されていなかった場合、すなわち欠品であった場合の処理を以下に説明する。
この場合には、運搬車両4のオペレータは、発行された引取り配達指示書5を、端末装置40の上記保管ポストへ投入する。端末装置40は、上記保管ポストセンサが引取り配達指示5が投入されたことを検知すると、発行された引取り配達指示書5の照合処理を行うことなく、次の引取り配達指示書を1部だけプリンタ49から発行する。
運搬車両4のオペレータは、新たに発行された上記引取り配達指示書に基づいて、引取り配達処理を行う。このように、製品6の欠品が発生した場合にだけ、複数の引取り配達指示書が端末装置40の管理下で発行されて、製品6の引取り配達指処理が滞りなく遂行されるようになっている。
また、欠品であった製品6が倉庫50の棚51へ格納された後、上記保管ポストへ投入されていた引取り配達指示書5に基づいて、引取り配達処理を行う。この引取り配達処理においては、現品票7の照合処理は、固定式スキャナ481ではなく、ハンディーターミナル482を用いて行う場合もある。このハンディーターミナル482は、本実施形態では無線式のスキャナとして用いられている。欠品発生時には、一時的に製品6が棚51以外の場所へ保管される場合があり、この製品6を運搬車両4が移動可能でない場所へ、オペレータが運搬車両4を離れて該製品6を引取りに行く場合がある。この場合には、ハンディーターミナル482を用いて、現品票7の照合処理が行われる。このように、欠品発生時には、保管ポストへ投入されていた引取り配達指示書5を、ハンディスキャナ482を用いて照合処理を行うことにより、作業性を考慮しつつ、製品出荷の品質を確保できる。
更に、製品6が大量に引取りまたは格納された際にも、一時的に製品6が棚51以外の場所へ保管される場合があり、このような場合にも、照合処理においてハンディーターミナル482が用いられることが好ましい。
スケジュール作成管理サーバ装置30は、端末装置40から送信された引取り配達実績A13を受信すると、該引取り配達実績A13に基づいて、引取り配達スケジュールの管理を行う。
また、スケジュール作成管理サーバ装置30は、受信した引取り配達実績A13に基づいて、出荷実績A14を有線LANを用いて受注管理サーバ装置20へ送信する(S5)。
受注管理サーバ装置20は、スケジュール作成管理サーバ装置30から送信された出荷実績A14を受信すると、該出荷実績A14に基づいて、製品6の出荷履歴を保管して出荷情報の再照合を行うと共に、製品の売上げを管理する。
上述した搬送システムの流れによれば、加工された引取り配達指示書5を、運搬車両4上でタイムリーに受信することができ、且つ引取り配達指示書5と製品6とを引取り時に照合できるので、製品6を、効率的に且つ正確に引取り配達することができる。
また、製品6の引取り配達時には、引取り配達指示書5が原則1部しか存在しないので、正確な引取り配達を確実に行うことができる。
本発明の搬送システムは、前述した実施形態に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、本発明の搬送システムは、上述した実施形態または実施態様では、倉庫50内での製品6の搬送を対象としているが、無線LANのかわりに、PHSまたはスペクトラム拡散方式無線等を用いることにより、スケジュール作成管理サーバ装置30と運搬車両4上に搭載された端末装置40との距離を限定せずに、無線通信が可能な範囲内において、本発明の搬送システムおよび搬送方法を用いることが可能である。
また、上述した実施形態では、固定式スキャナ481、ハンディーターミナル482およびプリンタ49を有する端末装置40を運搬車両4上に備えているが、これにかえて、ハンディーターミナル(通信タイプ)またはモバイルプリンタ等を用いても良い。
図1は、本発明の搬送システムのシステム構成図を示す。 図2は、本実施形態の搬送システムのシステム構成図を示す。 図3は、図2の搬送システムのレイアウトを示す。 図4は、端末装置の全体構成を示す。 図5は、図4の装置を、CPUを用いて実現したハードウェア構成を示す。 図6は、受注管理サーバ装置のハードウェア構成を示す。 図7は、スケジュール作成管理サーバ装置のハードウェア構成を示す。 図8は、本実施形態の搬送システムのフロー図である。 図9は、従来の搬送システムのシステム構成図を示す。
符号の説明
1 受注管理手段
2 第1の受信手段
3 出力手段
4 運搬車両
5 伝票
6 物品(製品)
7 現品票
10 オフィス
20 受注管理サーバ装置
30 スケジュール作成管理サーバ
40 端末装置
481 固定式スキャナ
482 ハンディーターミナル
49 プリンタ
50 倉庫
51 棚
60 顧客
A11 受注情報
A12 引取り配達指示
A13 引取り配達実績
A14 出荷実績

Claims (10)

  1. 受注情報を受信して加工する受注管理手段(1)と、物品(6)が格納された倉庫(50)と、該物品(6)を運搬する運搬車両(4)とを備え、
    前記運搬車両(4)は、前記受注情報が前記受注管理手段(1)により加工されて送信された加工情報を受信する第1の受信手段(2)と、該受信した加工情報を伝票(5)として出力する出力手段(3)とを有しており、
    前記運搬車両(4)により、前記伝票(5)に基づいて前記物品(6)が引取られて配達される搬送システム。
  2. 前記伝票(5)と前記物品(6)との照合が前記倉庫(50)で行われるように、該伝票(5)が前記倉庫(50)で出力される請求項1記載の搬送システム。
  3. 前記伝票(5)に基づいて前記物品(6)が引取られて配達された後、次の伝票が出力される請求項1または2に記載の搬送システム。
  4. 前記運搬車両(4)は、前記伝票(5)と前記物品(6)との照合の結果を送信するための第1の送信手段を有している請求項3記載の搬送システム。
  5. 前記受注管理手段(1)は、前記受注情報を受信して送信するための受注情報送受信手段(20)と、前記受注情報を加工して前記加工情報を生成する加工手段(30)と、該加工手段により加工された前記加工情報を送信するための第2の送信手段と、前記第1の送信手段により送信された情報を受信するための第2の受信手段とを備えている請求項4に記載の搬送システム。
  6. 前記第1および前記第2の送信手段並びに前記第1および前記第2の受信手段として、無線通信が用いられている請求項5に記載の搬送システム。
  7. 前記加工情報が、前記物品(6)の引取り配達指示であり、前記物品(6)が、顧客(60)から発注された製品であり、
    前記受注管理手段(1)が、前記受注情報送受信手段(20)としての受注管理サーバ装置と、スケジュール作成管理サーバ装置(30)とを備えており、
    前記スケジュール作成管理サーバ装置(30)が、前記加工手段、前記第2の受信手段および前記第2の送信手段を備えており、
    前記第1の受信手段(2)、前記第1の送信手段および前記出力手段(3)を備えた端末装置(40)が前記運搬車両(4)上に搭載されており、
    前記受注情報が前記受注管理サーバ装置(20)に受信された後、該受注管理サーバ装置(20)から、該受注情報が前記スケジュール作成管理サーバ装置(30)へ送信され、
    前記スケジュール作成管理サーバ装置(30)により、受信された前記受注情報に基づいて、前記物品(6)の引取り配達スケジュールが作成されると共に、該物品(6)の引取り配達指示が送信され、
    前記引取り配達指示が、前記端末装置(40)に受信されると共に、該端末装置(40)により前記伝票(5)が出力され、
    前記運搬車両(4)により、前記倉庫(50)から前記物品(6)が引取られて配達され、
    前記伝票(5)と前記物品(6)との照合の結果が、前記端末装置(40)により送信されて、該結果が前記スケジュール作成管理サーバ装置(30)に受信されるようになされている請求項5または6に記載の搬送システム。
  8. 前記端末装置(40)は、制御部、記憶部、入力部、出力部および通信部を備えている請求項7に記載の搬送システム。
  9. 前記倉庫(50)は、複数の縦長の棚(51)を備えており、該棚(51)それぞれの長手方向に複数の前記物品(6)が整列して保管されている請求項1から8の何れか1項に記載の搬送システム。
  10. 前記運搬車両(4)は、前記棚(51)の長手方向と略直交する方向に移動可能である請求項9に記載の搬送システム。
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