JP2008126679A - 搬送台車 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行部が段差部に載置されたときに、作業者の力や駆動装置の動力を利用することなく、積載部を支持することができ、さらに、簡単な構成で製造コストを安くすることができる搬送台車を提供することを課題とする。
【解決手段】搬送台車1Aであって、積載面12を有する積載部10と、積載部10が載置される載置面21aが形成された走行部20と、積載部10の前部と走行部20の前部とを連結する連結部30とを備え、積載部10は、下方に突出した支持部14を有し、連結部30を中心として、走行部20に対して上下方向に傾動自在であり、走行部20が平面に載置されたときには、支持部14が平面から離間しており、走行部20の前部が段差部Bに載置され、走行部20が傾斜したときには、上段面B1に当接した支持部14によって、積載部10が支持されることを特徴としている。
【選択図】図3

Description

本発明は、エスカレータ等の段差部に載置されたときに、作業員の力や駆動装置の動力を利用することなく、積載面を水平状態に保つことができる搬送台車に関する。
荷物や車椅子等の被積載物を搬送するための手押し式の搬送台車としては、被積載物を積載可能な積載面を有する積載部と、前輪及び後輪を有し、積載部が載置される走行部と、積載部の前部と走行部の前部とを連結する連結部とを備えているものがある。この搬送台車では、積載部が連結部を中心として、走行部に対して上下方向に傾動自在となっている。
また、走行部の後部にハンドル部が軸支されており、作業者がハンドル部の上端部を下方に向けて押し下げると、ハンドル部の下端部によって積載部の後部が支持されて、積載部の積載面が水平状態に保たれることになる(例えば、特許文献1参照)。
この従来の搬送台車をエスカレータの段差区間に乗せたときには、走行部の前輪が段差部の上段面に載置され、後輪が下段面に載置されて、走行部が傾斜した状態となる。このとき、作業者はハンドル部の上端部を押し下げることにより、積載部の積載面を水平状態に保つことができ、積載面上の被積載部を安定させることができる。
特開2000−264220号公報(段落0011、段落0015、図6)
前記した従来の搬送台車では、走行部が傾斜したときに、作業者はハンドル部の上端部を押し下げて、積載部を支持しており、ハンドル部に作用する積載部や被積載物の重量に反して、ハンドル部を操作する必要があるため、過大な力が必要となってしまうという問題がある。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、走行部が段差部に載置されたときに、作業者の力や駆動装置の動力を利用することなく、積載部を支持することができ、さらに、簡単な構成で製造コストを安くすることができる搬送台車を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、搬送台車であって、被積載物を積載可能な積載面を有する積載部と、前部及び後部に車輪を有し、積載部が載置される載置面が形成された走行部と、積載部の前部と走行部の前部とを連結する連結部と、を備え、積載部は、走行部の載置面よりも下方に突出した支持部を有し、連結部を中心として、走行部に対して上下方向に傾動自在であり、走行部が平面に載置されたときには、支持部が平面から離間しており、走行部の前部が段差部の上段面に載置され、走行部が傾斜したときには、上段面に当接した支持部によって、積載部が支持されるように構成されていることを特徴としている。
この構成では、走行部の前部が段差部の上段面に載置され、前部が上がった状態で走行部が傾斜したときには、支持部が上段面に当接して積載部が支持された状態となる。したがって、走行部が傾斜したときに、作業者の力や駆動装置の動力を利用することなく、積載部の積載面を水平状態に保つことができる。
また、走行部が段差部で傾斜したときには、支持部が上段面に当接するため、搬送台車を段差部に載置したときの安定性を高めることができる。
さらに、積載部を支持するためのシリンダやモータ等の駆動装置を設ける必要がないため、積載部と走行部とを簡単な構成で連結することができる。
前記した搬送台車において、積載部又は走行部の上面には、ハンドル部が立設されており、ハンドル部は、前後方向に傾動自在であり、ハンドル部を傾斜状態で固定する角度調整機構が設けられているように構成することができる。
例えば、搬送台車を乗せたエスカレータが平面区間から段差区間に移行したときには、作業者に対して搬送台車が高く又は低くなり、作業者と搬送台車との高さ関係が変化することになる。このとき、前記した構成のように、ハンドル部が前後方向に傾動自在な構成では、作業者はハンドル部を傾動させて把持し易い高さに調整し、角度調整機構によってハンドル部を傾斜状態で固定することができる。したがって、搬送台車をエスカレータに乗せたときの操作性及び安全性を高めることができる。
前記した搬送台車において、積載部と走行部との間には、走行部の前部が段差部の上段面に載置され、支持部が上段面から離間した状態で、走行部が傾斜したときに、積載部を支持するアーム部材を有するリンク機構が設けられているように構成することができる。
ここで、搬送台車を乗せたエスカレータが平面区間から段差区間に移行し始めたときには、上段面と下段面との高低差が小さいため、走行部は僅かに傾斜しているが、支持部が上段面から離間している状態となることがある。
前記したリンク機構を有する構成では、上段面と下段面との高低差が小さく、支持部が上段面から離間しているときには、リンク機構のアーム部材によって積載部が支持されるため、エスカレータが平面区間から段差区間に移行し始めたときのように、上段面と下段面との高低差が小さい状態であっても、積載部の積載面を水平状態に保つことができる。
本発明の搬送台車によれば、走行部が段差部に載置されて傾斜したときには、支持部が上段面に当接して積載部が支持されることにより、作業者の力や駆動装置の動力を利用することなく、積載部の積載面を水平状態に保つことができる。したがって、本発明の搬送台車をエスカレータに乗せたときには、作業者の労力を軽減することができる。
また、走行部が傾斜することにより、支持部が上段面に当接するため、搬送台車を段差部に載置したときの安定性を高めることができる。
さらに、積載部を支持するための駆動装置を設ける必要がなくなり、積載部と走行部とを簡単な構成で連結することができるため、搬送台車の製造コストを安くすることができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
<第一実施形態>
まず、第一実施形態の搬送台車について説明する。
図1は、第一実施形態の搬送台車を示した図で、平面に載置した状態の側面図である。図2は、第一実施形態の搬送台車を後方から見た図である。図3は、第一実施形態の搬送台車を示した図で、段差部に載置した状態の側面図である。図4は、第一実施形態の搬送台車の変形例を示した図で、ストッパ部材を設けた構成の側面図である。
なお、以下の説明において、前後左右方向とは、各図に示す前後左右方向に対応しており、作業者が搬送台車を押し進める方向を前方としている。
[搬送台車の全体構成]
図1に示す搬送台車1Aは、荷物や車椅子等の被積載物を搬送するための手押し式の台車である。
この搬送台車1Aは、被積載物を積載可能な積載面12を有する積載部10と、前輪22及び後輪23を有し、積載部10が載置される載置面21aが形成された走行部20と、積載部10の前部と走行部20の前部とを連結する連結部30とを備えている。
[積載部の構成]
図1及び図2に示す積載部10は、平面視で四角形の板状部材である積載フレーム11を備えており、この積載フレーム11の上面は、被積載物を積載可能な積載面12となっている。また、積載面12において、後方側の外周縁には、被積載物の落下を防ぐためのカバー13が立設されている。
また、積載フレーム11の下面中央部には、下方に向けて突出した支持部14が設けられている。この支持部14は、搬送台車1Aを段差部B(図3参照)に載置したときに、上段面B1に当接して積載部10全体を支持する部材である。
支持部14は、正面視で凹状に折り曲げられた取付板14aと、この取付板14aの下面に取り付けられた当接板14bとから構成されており、取付板14aの左右上端部が積載フレーム11の下面に取り付けられている。
当接板14bは、水平な板状部材であり、上面中央部が取付板14aの下面に取り付けられている。この当接板14bの下面は、搬送台車1Aを段差部B(図3参照)に載置したときに、上段面B1に当接することになる。
なお、第一実施形態では、取付板14aの下面に当接板14bを固着させているが、取付板14aと当接板14bとの間に弾性部材を設けたり、取付板14aに対して当接板14bを揺動自在に取り付けたりすることにより、当接板14bが上段面B1(図3参照)に当接したときの衝撃を小さくすることができる。
また、第一実施形態では、積載部10の積載フレーム11、カバー13及び支持部14の各部材にアルミニウム材を用いることにより、積載部10を軽量化しているが、その材質は限定されるものではない。
[走行部の構成]
図1及び図2に示す走行部20は、平面視で四角形の枠組みに形成された走行フレーム21と、この走行フレーム21の下面前部に取り付けられた前輪22と、走行フレーム21の下面後部に取り付けられた後輪23と、走行フレーム21の上面後部に取り付けられたハンドル部24とを備えている。なお、前輪22及び後輪23は走行フレーム21の下面の左右側部にそれぞれ設けられている。
走行フレーム21の上面は、積載部10が載置される載置面21aとなっている。この載置面21aには、後記する受け部25と連結部30とが設けられており、この受け部25及び連結部30を介して、積載部10が載置面21aに載置されるように構成されている。
また、積載部10が載置面21aに載置された状態では、積載部10の支持部14が載置面21aよりも下方に突出している。
そして、積載部10が載置面21aに載置された状態で、搬送台車1Aを平面Aに載置したときには、積載部10の支持部14の当接板14bが平面Aから離間するように構成されている。なお、当接板14bの下面と平面Aとの間隔は限定されるものではないが、搬送台車1Aを平面Aで走行させたときに、支持部14が平面Aに干渉しない程度に小さく設定されていることが望ましい。
また、載置面21aにおいて、載置された積載部10の後部に対応する位置には、受け部25が突設されている。この受け部25は、正面視で凸状に折り曲げられた板状部材であり、受け部25の上面に載置された積載フレーム11が水平状態となるように高さが設定されている。なお、この受け部25は、積載フレーム11の下面に設けられていてもよく、さらには、走行フレーム21及び積載フレーム11の両方に設けられていてもよい。
ハンドル部24は、走行フレーム21の上面後部の左右側部に立設された支柱24a,24aと、各支柱24a,24aの上端部の間に架設された円柱状の把持部24bとから構成されている。作業者は把持部24bを前方に向けて押し出すことにより、搬送台車1Aを前方に向けて走行させることができる。
なお、第一実施形態では、走行部20の走行フレーム21、ハンドル部24及び受け部25の各部材にアルミニウム材を用いることにより、走行部20を軽量化しているが、その材質は限定されるものではない。
[連結部の構成]
連結部30は、図1及び図2に示すように、積載部10の積載フレーム11の下面前部と、走行部20の走行フレーム21の上面前部とを連結しており、左右方向に所定間隔を離して二体設けられている。なお、左右二体の連結部30,30は同様の構成であるため、以下の説明では一方の連結部30について説明し、他方の連結部30については説明を省略する。
連結部30は、積載部10の積載フレーム11の下面に立設された板状の積載側連結ブラケット31と、走行部20の走行フレーム21の上面に立設された板状の走行側連結ブラケット32とを備えている。そして、積載側連結ブラケット31及び走行側連結ブラケット32に形成された貫通穴に連結ボルト33が挿通されることにより、積載側連結ブラケット31の下部と、走行側連結ブラケット32の上部とが連結されている。
このような連結部30では、積載側連結ブラケット31が走行側連結ブラケット32に対して、連結ボルト33の軸回りに回動可能となっている。これにより、積載部10は連結部30を中心として、走行部20に対して上下方向に傾動自在となっている(図3参照)。
なお、第一実施形態では、連結部30の各部材にアルミニウム材を用いることにより、連結部30を軽量化しているが、その材質は限定されるものではない。
[搬送台車の移動]
続いて、エスカレータに乗せたときの搬送台車1Aについて説明する。
まず、図1に示すように、搬送台車1Aを平面Aに載置したときには、積載部10の支持部14は平面Aから離間しており、走行部20の前輪22及び後輪23のみが平面Aに当接している状態となる。
そして、エスカレータが平面区間から段差区間に移行し、図3に示すように、段差部Bが形成されたときには、走行部20の前輪22は上段面B1に載置され、後輪23は下段面B2に載置されることにより、前部が上がった状態で走行部20が傾斜する。
このとき、積載部10の支持部14の当接板14bは上段面B1に当接し、この支持部14によって積載部10が支持されることにより、積載面12は水平状態に保たれる。すなわち、積載部10は、傾斜した走行部20に対して、連結部30を中心として上方向に傾動することにより、積載面12が水平状態に保たれていることになる。
その後、エスカレータが段差区間から平面区間に移行するに連れて、走行部20の傾斜が小さくなると、積載部10は、走行部20に対して、連結部30を中心として下方向に傾動することになり、図1に示すように、走行部20の載置面21aに積載部10が載置された状態となる。
[搬送台車の作用効果]
第一実施形態の搬送台車1Aでは、図3に示すように、走行部20の前輪22が段差部Bの上段面B1に載置され、走行部20が傾斜したときには、支持部14が上段面B1に当接して積載部10が支持された状態となる。したがって、搬送台車1Aをエスカレータに乗せたときには、作業者の力や駆動装置の動力を利用することなく、積載部10の積載面12を水平状態に保つことができるため、作業者の労力を軽減することができる。
また、走行部20が段差部Bで傾斜したときには、支持部14が上段面B1に当接するため、搬送台車1Aを段差部Bに載置したときの安定性を高めることができる。
さらに、積載部10を支持するためのシリンダやモータ等の駆動装置を設ける必要がなくなり、積載部10と走行部20とを簡単な構成で連結することができるため、搬送台車1Aの製造コストを安くすることができる。
[第一実施形態の変形例]
以上、本発明の第一実施形態について説明したが、本発明は前記第一実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。例えば、図4に示す搬送台車1Bのように、走行部20の走行フレーム21の後端部から下方に突出したストッパ部材26を設けることもできる。
この構成では、走行部20の前輪22が段差部Bの上段面B1に載置されて、走行部20が傾斜したときに、ストッパ部材26の下端部が下段面B2に当接することにより、走行部20のずれを防ぐことができるため、搬送台車1Bをエスカレータの段差部Bに載置したときの安定性を高めることができる。
<第二実施形態>
次に、第二実施形態の搬送台車について説明する。
図5は、第二実施形態の搬送台車を示した図で、段差部に載置した状態の側面図である。
図5に示す第二実施形態の搬送台車1Cは、前記第一実施形態の搬送台車1A(図1参照)と略同様の構成であり、ハンドル部27の構成が異なっている。
第二実施形態の搬送台車1Cでは、図5に示すように、積載部10の積載面12の上面にハンドル部27が立設されている。具体的には、積載面12の上面において、前後方向の中央部に板状のハンドル部支持ブラケット16が立設されており、ハンドル部27の支柱27aの基端部は、回動軸15によってハンドル部支持ブラケット16に軸支されている。そして、支柱27aを回動軸15の軸回りに回動させることにより、ハンドル部27を前後方向に傾動させることができる。なお、ハンドル部支持ブラケット16は、左右の支柱27a,27aに対応して、積載面12の左右側部にそれぞれ設けられている。
また、第二実施形態の搬送台車1Cでは、ハンドル部27を傾斜状態で固定する角度調整機構50が設けられている。
この角度調整機構50は、ハンドル部27の支柱27aの下端部に収められた係合ピン27cを、積載部10のハンドル部支持ブラケット16の外周縁に形成された三つの係合溝16a,16b,16cに係合させることにより、ハンドル部27を三段階の傾斜角度で固定することができるように構成されている。
また、支柱27a内には、支柱27aの軸方向に延長された可動ロッド27dが収められており、係合ピン27cは可動ロッド27dの下端部に取り付けられている。この可動ロッド27dの上端部は、作業者が把持部27bを把持しながら把握可能な角度調整レバー27eが設けられている。
ハンドル部支持ブラケット16の外周縁には、凹状の係合溝16a,16b,16cが形成されており、外周縁の頂部の僅か前方に前段の係合溝16a、外周縁の頂部の僅か後方に中段の係合溝16b、外周縁の後部に後段の係合溝16cが形成されている。これらの各係合溝16a,16b,16cには、ハンドル部27の係合ピン27cの先端部が嵌合可能となっている。
また、ハンドル部27の可動ロッド27dは、ばね部材(図示せず)によって支柱27aの下端部に向けて付勢されており、係合ピン27cは各係合溝16a,16b,16cの何れかに挿入されて係合した状態となっている。
このようにして、ハンドル部27の係合ピン27cが積載部10のハンドル部支持ブラケット16の各係合溝16a,16b,16cの何れかに係合することにより、ハンドル部27は傾斜状態で固定されることになる。
なお、図5では、係合ピン27cはハンドル部支持ブラケット16の中段の係合溝16bに係合されており、ハンドル部27は、垂直よりも後方側に傾斜した状態で固定されている。また、係合ピン27cが前段の係合溝16aに係合したときには、ハンドル部27は垂直よりも前方側に傾斜した状態で固定されることになる。さらに、係合ピン27cが後段の係合溝16cに係合したときには、ハンドル部27は後方側に傾斜して略水平状態で固定されることになる。
ハンドル部27の傾斜角度を変更する場合には、作業者は把持部27bを把持しながら、角度調整レバー27eを把握する。これにより、可動ロッド27dが支柱27aの上端部側に引き上げられ、係合ピン27cが係合溝16a,16b,16cから引き抜かれるため、ハンドル部27を前後方向に傾動可能な状態となる。
そして、ハンドル部27を所望の角度に傾斜させた後に、作業者が角度調整レバー27eを放すと、可動ロッド27dは付勢力によって支柱27aの下端部側に移動し、係合ピン27cが各係合溝16a,16b,16cの何れかに係合することにより、ハンドル部27が固定される。
このような第二実施形態の搬送台車1Cでは、搬送台車1Cを乗せたエスカレータが平面区間から段差区間に移行して、作業者と搬送台車1Cとの高さ関係が変化したときには、ハンドル部27を傾動させて把持し易い高さに調整し、角度調整機構50によってハンドル部27を傾斜状態で固定することができるため、搬送台車1Cをエスカレータに乗せたときの操作性及び安全性を高めることができる。
<第三実施形態>
次に、第三実施形態の搬送台車について説明する。
図6は、第三実施形態の搬送台車を示した図で、平面に載置した状態の側面図である。図7は、第三実施形態の搬送台車を段差部に載置した状態を示した図で、(a)は段差が低い状態の側面図、段差が高い状態の側面図である。
図6に示す第三実施形態の搬送台車1Dは、前記第一実施形態の搬送台車1A(図1参照)と同様に、走行部20の前輪22が段差部B(図7(b)参照)の上段面B1に載置されて、走行部20が傾斜したときには、上段面B1に当接した支持部14によって積載部10が支持されるように構成されているものである。
第三実施形態の搬送台車1Dでは、積載部10の支持部14の前部と、走行部20の前部との間に連結部30が設けられており、この連結部30を中心として積載部10が上下方向に傾動自在となっている(図7参照)。
また、第三実施形態の搬送台車1Dでは、積載部10の前側面及び後側面にハンドル部28a,28bがそれぞれ設けられており、作業者は搬送台車1Dを前後両側から押して走行させることができるように構成されている。
さらに、第三実施形態の搬送台車1Dでは、上下方向に延長された円柱状の部材によってハンドル部28a,28bが構成されている。これにより、搬送台車1Dを乗せたエスカレータが平面区間から段差区間に移行して、作業者と搬送台車1Dとの高さ関係が変化しても、作業者はハンドル部28a,28bを把持し易くなっている。
また、第三実施形態の搬送台車1Dにおいて、積載部10と走行部20との間には、図7(a)に示すように、走行部20の前輪22が段差部Bの上段面B1に載置され、支持部14が上段面B1から離間した状態で、走行部20が傾斜したときに、積載部10を支持するアーム部材61を有するリンク機構60が設けられている。
なお、リンク機構60は搬送台車1Dの左右側部に二体設けられているが、左右のリンク機構60,60は同一の構成であるため、以下の説明では一方のリンク機構60について説明し、他方のリンク機構60の説明は省略する。
リンク機構60は、図6に示すように、積載部10の積載フレーム11の下面に立設された積載側支持ブラケット62と、走行部20の上面に立設された走行側支持ブラケット63と、一端が積載側支持ブラケット62に回動自在に連結され、他端が走行側支持ブラケット63に回動自在に連結されているアーム部材61とから構成されている。
積載側支持ブラケット62は、積載部10の前後方向の中央部に設けられている。また、走行側支持ブラケット63は、搬送台車1Dが平面Aに載置されているときには、積載側支持ブラケット62の前方に配設されている。そして、図7(b)に示すように、搬送台車1Dが段差部Bに載置され、走行部20が傾斜したときには、走行側支持ブラケット63が積載側支持ブラケット62の下方に移動するように構成されている。
図6に示すアーム部材61は板状の部材であり、長手方向の一端が積載側支持ブラケット62に連結され、他端が走行側支持ブラケット63に連結されている。
具体的には、アーム部材61の一端に形成された貫通穴に積載側支持ブラケット62の軸部62aが挿通されることにより、アーム部材61の一端は積載側支持ブラケット62に対して上下方向に回動自在となっている。
また、アーム部材61の他端には、長手方向に延長された長穴61aが貫通しており、この長穴61aに走行側支持ブラケット63の軸部63aが挿通されることにより、アーム部材61の他端は走行側支持ブラケット63に対して上下方向に回動自在となっている。
このアーム部材61は、搬送台車1Dが平面Aに載置されているときには、積載側支持ブラケット62に連結されている一端(後端)が上方に配置され、走行側支持ブラケット63に連結されている他端(前端)が下方に配置されるようにして、長手方向が傾斜した状態となっている。また、走行側支持ブラケット63の軸部63aは、アーム部材61の長穴61aの後端に配置されている。
続いて、リンク機構60の動作について説明する。
図7(a)に示すように、エスカレータが平面区間から段差区間に移行し始めたときには、段差部Bの上段面B1と下段面B2との高低差が小さいため、走行部20は僅かに傾斜し、支持部14は上段面B1から離間している状態となる。このとき、作業者はハンドル部28a又はハンドル部28bを把持することにより、積載部10の前側面又は後側面を支えている。
そして、走行部20の傾斜に伴って、リンク機構60では、走行側支持ブラケット63の軸部63aが後側斜め上方に向けて移動し、この軸部63aがアーム部材61を後側斜め上方に向けて押し出す。これにより、アーム部材61は積載側支持ブラケット62の軸部62aを回動中心として回動し、アーム部材61が立ち上がることになり、このアーム部材61によって積載部10が支持されることになる。
その後、図7(b)に示すように、段差部Bの上段面B1と下段面B2との高低差が大きくなると、支持部14が上段面B1に当接して積載部10を支持する。この状態から更に走行部20が傾動したときには、リンク機構60の走行側支持ブラケット63は、積載側支持ブラケット62から下方に向けて離れる方向に移動することになる。このとき、走行側支持ブラケット63の軸部63aは、アーム部材61の長穴61a内を他端側に向けてスライドするため、走行部20はスムースに傾動することができる。
このように、第三実施形態の搬送台車1Dでは、図7(a)に示すように、段差部Bの上段面B1と下段面B2との高低差が小さく、支持部14が上段面B1から離間しているときには、リンク機構60のアーム部材61によって積載部10が支持されるため、エスカレータが平面区間から段差区間に移行し始めたときのように、段差部Bの上段面B1と下段面B2との高低差が小さい状態であっても、積載部10の積載面12を水平状態に保つことができる。
第一実施形態の搬送台車を示した図で、平面に載置した状態の側面図である。 第一実施形態の搬送台車を後方から見た図である。 第一実施形態の搬送台車を示した図で、段差部に載置した状態の側面図である。 第一実施形態の搬送台車の変形例を示した図で、ストッパ部材を設けた構成の側面図である。 第二実施形態の搬送台車を示した図で、段差部に載置した状態の側面図である。 第三実施形態の搬送台車を示した図で、平面に載置した状態の側面図である。 第三実施形態の搬送台車を段差部に載置した状態を示した図で、(a)は段差が低い状態の側面図、(b)は段差が高い状態の側面図である。
符号の説明
1A 搬送台車(第一実施形態)
1B 搬送台車(第一実施形態の変形例)
1C 搬送台車(第二実施形態)
1D 搬送台車(第三実施形態)
10 積載部
11 積載フレーム
12 積載面
14 支持部
16 ハンドル部支持ブラケット
20 走行部
21 走行フレーム
21a 載置面
24 ハンドル部(第一実施形態)
27 ハンドル部(第二実施形態)
30 連結部
31 積載側連結ブラケット
32 走行側連結ブラケット
33 連結ボルト
50 角度調整機構
60 リンク機構
61 アーム部材
62 積載側支持ブラケット
63 走行側支持ブラケット
A 平面
B 段差部
B1 上段面
B2 下段面

Claims (3)

  1. 被積載物を積載可能な積載面を有する積載部と、
    前部及び後部に車輪を有し、前記積載部が載置される載置面が形成された走行部と、
    前記積載部の前部と前記走行部の前部とを連結する連結部と、を備え、
    前記積載部は、前記走行部の前記載置面よりも下方に突出した支持部を有し、前記連結部を中心として、前記走行部に対して上下方向に傾動自在であり、
    前記走行部が平面に載置されたときには、前記支持部が前記平面から離間しており、
    前記走行部の前部が段差部の上段面に載置され、前記走行部が傾斜したときには、前記上段面に当接した前記支持部によって、前記積載部が支持されるように構成されていることを特徴とする搬送台車。
  2. 前記積載部又は前記走行部の上面には、ハンドル部が立設されており、
    前記ハンドル部は、前後方向に傾動自在であり、前記ハンドル部を傾斜状態で固定する角度調整機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の搬送台車。
  3. 前記積載部と前記走行部との間には、
    前記走行部の前部が段差部の上段面に載置され、前記支持部が前記上段面から離間した状態で、前記走行部が傾斜したときに、前記積載部を支持するアーム部材を有するリンク機構が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送台車。
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