JP2008126463A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】 染料インク、顔料インクのどちらで印字した場合でも、優れた印字適性を有するインクジェット記録用紙を提供する。
【解決手段】 支持体の表面に無定形シリカと接着剤とインク定着剤を含有するインク受容層を設けたインクジェット記録用紙において、前記無定形シリカが、
(a)二次粒子径分布範囲が0.1μm以上20μm以下
(b)平均二次粒子径が4μm以上12μm以下
(c)2μm以下の二次粒子径の個数が全体量の20%以上60%以下
(d)ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.15以上2.65以下
の各条件を満たすことを特徴とするインクジェット記録用紙。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録適性としての染料インク、顔料インクでのにじみがなく、印字濃度に優れ、高精細の画像を鮮明に印字できるインクジェット記録用紙に関する。
近年、高速にハードコピーを作成するインクジェットプリンターの技術進歩により、鮮明な画像と優れた印字品位を得ることが可能となってきた。これに伴って、印字品位を更に向上させるために、より高度な特性を持つ記録用紙が要求されるようになり、各種記録用紙が開発されている。
インクジェットプリンター用水性インクは、染料を用いた染料インクと顔料を用いた顔料インクとに分類され、鮮明性の点からは主に染料インクが使用されている。しかし、近年は屋外展示用の大判のポスター用途としても使用されるようになってきたため、印字耐光性を備えた記録画像が求められてきているが、従来のインクジェット記録用紙では、染料インクによって形成された画像が、長期に展示すると紫外線、オゾン等により酸化されて画像が退色し、見栄えが悪化してしまうため、充分な耐光性を備えている画像が得られない。
一方、顔料インクによる印字部は、保存性が優れるという特徴を有する代わりに、顔料インクの顔料粒子が非常に大きいため、従来の染料インク用のインクジェット記録用紙では、鮮明な印字画像が得られないという問題があった。
また、近年、インクジェットプリンターは、従来の書類等の印字用途からポスター等の広幅広告用途へと拡大している。広告等の印字には、インクジェットプロッター等と呼ばれる広幅記録用紙に印字可能なものが通常使用されている。これらのインクジェットプロッターによる印刷物は、屋外掲示品が多いため、印字部の保存性に優れた顔料インクが主に使用されているが、広告用途であるため遠くからでも画像が鮮明に確認できる必要があり、そのために年々、インク吐出量が多くなる傾向にある。
印字画像の形成が染料によって行われる染料インクと、顔料粒子によって行われる顔料インクとではインクの特性が大きく異なるため、通常、それぞれのインクに専用のインクジェット記録用紙が記録媒体として提供されている。一般に、顔料インク用の記録用紙としては、インク吸収性を高くする設計にされており、一方、染料インク用は顔料インク用よりもインク吸収性は低い代わりにインク定着剤の選択により対応する設計になっている。これらを誤った組み合わせで記録を行うと、画像濃度、にじみなどの品質が損なわれた記録物しか得られない。例えば、従来の染料インク用のインクジェット記録用紙に顔料インクを用いて印字した場合、顔料インクが吸収されず、印字部にムラが生じたり、インク粒子の定着が悪く、指などで印字部を擦るとインクが剥がれたりして実用上問題が生じている。
そこで、染料インク、顔料インクのいずれで印字してもインクにじみが無く、優れた印字適性を有するインクジェット記録用紙への要求が強い。
染料インク、顔料インクのいずれで印字しても優れた印字適性を有するインクジェット記録用紙として、インク受容層中の無機顔料が、BET比表面積が250m/g以上400m/g以下、平均二次粒子径が4.5μm以上、15μm以下であり、且つ、ロジン・ラムラー 分布の均等数nが2.7以上の非晶質シリカ微粒子であり、インク受容層中に、該非晶質シリカ微粒子に対し高分子接着剤を2質量%以上30重量%以下含有させたもの(例えば、特許文献1参照)、インク受容層中に水溶性金属塩を含有させもの(例えば、特許文献2参照)、支持体の少なくとも片面に、顔料と結着剤を主成分とするインク受容層を設けたインクジェット記録媒体において、前記顔料が軽質炭酸カルシウムの表面をシリカで被覆した軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子であって、前記軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子は吸油量120ml/100g以上250ml/100g以下、BET比表面積5m/g以上150m/g以下、平均粒子径1.0μm以上10μm以下の軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子を含有するもの(例えば、参考文献3参照)等が提案されている。
しかし、染料インク、顔料インクのいずれを用いても優れた印字適性を有するインクジェット記録用紙は未だ上市されていない。
特開2001−030618号公報 特開2002−274022号公報 特開2006−088636号公報
本発明は、染料インク、顔料インクのどちらで印字した場合でも、優れた印字適性を有するインクジェット記録用紙を提供することを目的とするものである。
従来のインクジェット記録用紙用顔料の物性は、主に粒度分布、平均二次粒子径、吸油量、BET比表面積等の関係を調整するものであったが、本発明者等は、上記課題を解決すべく、インク受容層中の顔料の粒度分布、平均二次粒子径とその中に含まれる微細な二次粒子径との関係に着目し、鋭意研究を行った結果、下記の構成を有するインクジェット記録体によりその目的を達成できることを見出し、本発明に至ったのである。
(1)支持体の表面に無定形シリカと接着剤とインク定着剤を含有するインク受容層を設けたインクジェット記録用紙において、前記無定形シリカが以下の条件(a)〜(d)を満たすことを特徴とするインクジェット記録用紙。
(a)二次粒子径分布範囲が0.1μm以上20μm以下
(b)平均二次粒子径が4μm以上12μm以下
(c)2μm以下の二次粒子径の個数が全体量の20%以上60%以下
(d)ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.15以上2.65以下。
(2)インク受容層における無定形シリカ100質量部に対する接着剤の含有割合が35質量部以上70質量部以下である、(1)に記載のインクジェット記録用紙。
(3)インク受容層中の接着剤が、水溶性高分子保護コロイドで被覆されているノニオン性アクリル酸エステル共重合体である、(1)又は(2)に記載のインクジェット記録用紙。
(4)水溶性高分子保護コロイドがポリビニルアルコールである、(3)に記載のインクジェット記録用紙。
(5)インク定着剤が、下記一般式で表わされるカチオン性界面活性剤である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
Figure 2008126463
(式中のRは炭素数8以上18以下のアルキル基を示す)
本発明によれば、従来、染料インク用と顔料インク用に別々に最適なインクジェット記録用紙が提供されていたものを、染料インク及び顔料インクのどちらで印字しても優れた印字適性を有するインクジェット記録用紙を提供することができる。
以下に本発明のインクジェット記録用紙について、詳細に説明する。
(層構成)
本発明においては、層構成は特に限定するものではなく、インク受容層の支持体の両面に同様のインク受容層を設けても構わない。両面にインク受容層を設けることにより、インクジェット記録用紙において両面に鮮明な印字を施すことが可能となる。また、インク受容層は複数層で構成されていてもよい。たとえば、支持体とインク受容層の間にアンダーコート層を設けてもよく、インク受容層の印字適性を損なわない範囲で、光沢性を付与するため、或いは保存性を高めるためのオーバーコート層を設けてもよい。
(基材)
インクジェット記録体のインク受容層の支持体としては、透気性支持体、非透気性支持体のいずれでもよく、使用目的、用途により適宜選択する事が出来る。インク吸収性、特に顔料インクの顔料と溶剤をより速く分離し、顔料定着性と印字濃度を上げる為には透気性基材が好ましく選択される。
(透気性支持体)
透気性支持体として、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙、箔紙、クラフト紙、バライタ紙、含浸紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙類が適宜使用される。
透気性支持体は、木材パルプと必要に応じて使用される填料を主成分として構成される。
木材パルプは、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を使用することができ、こ
れらのパルプは、紙力、抄紙適性等を調整するために、叩解機により叩解度を調整できる
。パルプの叩解度(フリーネス)は、特に限定しないが、一般に250ml以上550ml以下(CSF:JIS P8121)である。平滑性を高めるためには叩解度を進めるほうが望ましいが、用紙に記録した場合にインク中の水分によって起こる用紙のボコツキや記録画像のにじみは、叩解を進めないほうが良好な結果を得る場合が多い。従って、フリーネスは300ml以上500ml以下が好ましい。
填料は、支持体に不透明性等を付与したり、インク吸収性を調整する目的で配合され、炭酸カルシウム、焼成カオリン、シリカ、酸化チタン等が使用できる。特に炭酸カルシウムは、白色度が高い基材となり、インクジェット記録体の光沢感が高まるので好ましい。紙支持体中の填料の含有率(灰分)は1質量%以上20質量%以下が好ましく、多すぎると紙力が低下するおそれがある。少ないと紙支持体の透気性が悪くなるので、好ましい填料の含有率は7質量%以上20質量%以下である。この範囲にすると、平滑度、透気度、紙力のバランスがとれているので、結果として平滑感が優れたインクジェット記録用紙が得られ易くなる。
透気性支持体には、助剤としてサイズ剤、定着剤、紙力増強剤、カチオン化剤、歩留り向上剤、染料、蛍光増白剤等を添加することができる。さらに、抄紙機のサイズプレス工程において、デンプン、ポリビニルアルコール類、カチオン樹脂等を塗布・含浸させ、表面強度、サイズ度等を調整できる。ステキヒトサイズ度(100g/mの紙として)は1秒以上200秒以下が好ましい。サイズ度が高いとインク吸収性が低下したり、印字後のカールやコックリングが著しくなる場合がある。より好ましいサイズ度の範囲は5秒以上120秒以下である。紙支持体の坪量は、特に限定されないが、通常、20g/m以上400g/m以下である。
特に印刷用途には50g/m以上250g/m以下の範囲が好ましい。60g/m以上200g/m以下の範囲が最も好ましい。
(非透気性支持体)
非透気性支持体の例としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,軟質ポリ塩化ビニル,硬質ポリ塩化ビニル,ポリエステル等のフィルム類(合成紙と呼ばれるものも含む)、金属フィイルム類の他、上質紙,アート紙,コート紙,キャスト塗被紙,箔紙,クラフト紙,含浸紙,蒸着紙,水溶性紙等の紙や不織布にポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂をラミネートした樹脂被覆紙類、紙や不織布にフィルム類等を貼り合せた積層シート類などが例示できる。好ましい支持体としては、ポリプロピレンを延伸し、特殊加工を施した、ユポ(商品名:ユポ・コーポレーション社製)に代表される、所謂合成紙や、紙基材をポリオレフィン樹脂(好ましくはポリエチレン樹脂)でラミネートした樹脂被覆紙が挙げられる。非透気性支持体はインク中の染料や顔料と溶剤の分離速度が遅いが、支持体にインク溶媒が浸透しないのでコックリングが気になる用途では有効である。
合成紙は、通常、炭酸カルシウムなどの無機顔料を含有するポリプロピレン樹脂を押出し、二軸延伸することにより内部等に空隙を形成して製造される。中でも、複数層からなる積層シートであることが好ましく、特に、記録層を形成する面には、凹凸のないスキン層を有する合成紙の使用が好ましい。合成紙の表面には、塗工適性を改善するために、或いは帯電性を改善するために、アンカー層、プライマー層、帯電防止層などの各種の層を形成していても構わない。
樹脂被覆紙は、その中でも、酸化チタンを練り込んだポリエチレン樹脂を紙表面に樹脂被覆した支持体は、仕上がった外観が写真印画紙と略同等であるため、特に好ましい。ポリエチレン樹脂層の厚みは、3μm以上50μm以下が好ましく、5μm以上30μm以下がより好ましい。ポリエチレン樹脂層の厚みが3μm未満の場合は、樹脂被覆の際にポリエチレン樹脂の穴等の欠陥が多くなりやすく、厚みのコントロールが困難である場合が多く、平滑性も得にくくなる。逆に50μmを超えると、コストが増加する割には、得られる効果が小さく、不経済である。
樹脂被覆紙に用いる紙基材は、木材パルプを主材料として製造される。木材パルプは、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等を適宜使用することができ、これらのパルプは紙力や平滑性、抄紙適性等を調整するために、叩解機により叩解度を調整できる。叩解度は、特に限定しないが、一般に250ml以上550ml以下(CSF:JIS P8121)程度が好ましい範囲である。またいわゆるECF、TCFパルプ等の塩素フリーパルプも好ましく使用できる。また、必要に応じて、顔料を添加することができる。顔料には、タルク、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、焼成カオリン、シリカ、ゼオライト等が好ましく使用される。顔料の添加により、不透明性や平滑度を高めることができるが、過剰に添加すると紙力が低下する場合があるので、顔料の添加量は、対木材パルプ1質量%以上20質量%以下が好ましい。
また、支持体の塗工層を形成する面に、支持体と塗工層との密着性を向上させる目的で、予め密着処理、又は接着処理を施してもよい。特に、支持体として樹脂被覆紙を用いる場合、その樹脂被覆層の表面にコロナ放電処理を施すこと、あるいはゼラチン、ポリビニルアルコールなどによるアンダーコート層を設けることが好ましい。
(顔料)
本発明では、顔料として、
(a)二次粒子径分布範囲が、0.1μm以上20μm以下
(b)平均二次粒子径が4μm以上12μm以下
(c)2μm以下の二次粒子径の個数が全体量の20%以上60%以下
(d)ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.15以上2.65以下
の各条件を満たす無定形シリカを使用する。
二次粒子径分布範囲中に20μmより大きいシリカ粒子が存在すると、塗工面のざらつきが悪くなり、画像の均一性が低下する傾向にある。また、無定形シリカの平均二次粒子径は4μm以上12μm以下のものを使用するが、好ましくは、5μm以上8μm以下である。無定形シリカの平均二次粒子径が4μmより小さいと、顔料インク用インクジェット記録用紙に用いた場合に、顔料インクの定着性が低下するといった悪影響が生じる。一方、平均二次粒子径が12μmを超えると、画像の鮮明性の低下や、表面の粗さが目立ち、印字部の均一性が低下しやすい。
また、本発明では、2μm以下の二次粒子径の個数が全体量の20%以上60%以下の無定形シリカを使用する。好ましくは、2μm以下の二次粒子径の個数が、シリカ全体量の40%以上55%以下である。2μm以下の二次粒子径の個数が、シリカ全体量の20%より少ないと、形成された塗工層中のシリカ粒子充填率が低下し、顔料インク用インクジェット記録用紙として使用した場合、顔料インク粒子がインク受容層中のシリカ粒子−シリカ粒子間に落ち込みやすくなり、印字濃度が低下する傾向にある。また、2μm以下の平均二次粒子径の個数が、シリカ全体量の60%より多いと、形成された塗工層中のシリカ粒子充填率が過剰に増し、染料インク用インクジェット記録用紙として使用した場合、インク着弾時にシリカ表面と接触する面積が大きいため、インク色素がインク受容層の内部まで吸収され、印字濃度が低下する。また、塗膜強度も低下しやすい。
更に、本発明は、ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.15以上2.65以下である無定形シリカを使用する。ロジン・ラムラー分布の均等数nが大きいということは、粒度分布範囲が狭いことを意味し、前記平均二次粒子径の範囲内で、ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.65より大きいということは、比較的シリカ粒子径の揃ったことであり、粗大なシリカ粒子や微細なシリカ粒子が少なくなることを意味し、インク受容層中のシリカ充填率が低くなる。これを、顔料インク用インクジェット記録用紙として使用した場合、インク吸収速度が遅くなる方向であり、インク粒子と溶媒との固液分離が遅く、ドット形状が乱れ、印字濃度が低下する。また、ロジン・ラムラー分布の均等数nが小さいということは、粒度分布範囲が広くなることを意味し、ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.15より小さいということは、粗大なシリカ粒子や微細なシリカ粒子が多くなることを意味し、表面の粗さが目立ち、印字部の均一性が低下する。
このように、インク受容層の顔料として、インク吸収速度の速いシリカを使用することは、従来の技術では知られていることであるが、本発明者は、その中でも、ある一定量の微細な粒子の存在が重要であることに気付き、その割合を調整することで、インクの吸収速度をコントロールし、印字品質を向上させることを見出したものである。微細なシリカ粒子の効果としては、推測ではあるが、インク受容層中のシリカ充填率に大きく関っており、吸収速度の速いシリカ粒子が密に存在しすぎると、インクの吸収速度は速くなり、インク吸収速度が速くなりすぎると、インク色素とインク定着剤との反応の前に、インク受容層の内部にインク色素が浸透してしまうので、印字濃度の低下に繋がる。また、逆にシリカ粒子径の分布がシャープになりすぎると、シリカ粒子−シリカ粒子間の空隙が多くなり、その周りに存在するバインダー成分等がインク吸収を阻害し、インク吸収速度は遅くなると考えられる。インク吸収速度が遅くなることは、インク粒子と溶媒との固液分離が遅くなり、着弾されたインク色素又は粒子が、インク溶媒によって乱され、ドット径が乱れることに繋がる。
本発明で使用する無定形シリカの吸油量は、特に限定はしないが、200ml/100g以上310ml/100g以下が好ましい。より好ましくは、240ml/100g以上300ml/100gである。無定形シリカの吸油量が200ml/100gより少ないと、インク吸収量が不足し、にじみが発生しやすい。また、無定形シリカの吸油量が310ml/100gより多くなると、印字濃度が低下しやすくなる。
本発明において、無定形シリカの粒子径、ロジン・ラムラー均等数nは、レーザー回析・散乱式粒度分布測定器LMS−300を用いた値である。ロジン・ラムラー式とは、RosinとRammlerが石炭粉砕物の粒度分布を表す関数として見出した式であり、数式(1)により定義される。また、本発明における粒度分布の値は、数式(3)中のnで表される。
<ロジン・ラムラー式>
R=100exp(−bD)(1)
(ここで、D:ある粒子の粒子径、R:Dより大きな粒子の百分率(%)、n:分布定数、b:定数を表わす。)式(1)において、b=1/D とおくと、R=100exp{−(D/D} (2)(ここで、De:粒度特性数を表わす。)式(2)の常用対数をとると、log{log(100/R)}=n・logD+C (3)(ここで、C=log(loge)−n・logD)x軸とy軸にそれぞれlogD(粒径)とlog{log(100/R)}(分布量の累積値)をとったロジン・ラムラー線図に、測定結果の関係をプロットすると直線となり、直線の勾配nは、粒度の均一性を表わす。すなわち、勾配nが大きい程、均一性は高く、粒度分布が狭くなる。
<粒度分布測定>
光源:半導体レーザー(波長670nm)
分散媒:蒸留水
測定方法:100mlビーカー内で、無定形シリカ0.1gを蒸留水30mlに懸濁させ、30秒間超音波処理により予備分散を行った後、粒度分布測定器LMS−300の分散槽に投入する。
<ロジン・ラムラー式による粒度分布の算出>
LMS−300から得た粒度分布の測定結果をロジン・ラムラーグラフ上にプロットすると、データは直線上に並ぶ傾向がある。プロットを最小自乗法によって直線近似し、その直線の傾きを粒度分布とする。(LMS−300を使用すると粒度分布の測定結果から自動的にロジン・ラムラー式から算出した粒度分布の値が算出される。)
無定形シリカの製法は、特に限定されるものではなく、電弧法、乾式法、湿式法(沈降法、ゲル法)のいずれの方法で製造されていてもよい。
(接着剤)
本発明では、インク受容層中の接着剤として、少なくともノニオン性アクリル酸エステル共重合体を含有し、該ノニオン性アクリル酸エステル共重合体が、水溶性高分子保護コロイド型であり、該水溶性高分子がポリビニルアルコールであるノニオン性アクリル酸エステル共重合体を使用する。一般に、接着剤として水溶性接着剤や、エマルジョン型接着剤が知られているが、鋭意検討した結果、水溶性保護コロイド型アクリル酸エステル共重合体、すなわち、水溶性高分子保護コロイドで被覆されているノニオン性アクリル酸エステル共重合体を用いることにより、染料インク、顔料インクのどちらで印字しても優れた印字適性を得られることを本発明者は見出した。接着剤である水溶性保護コロイド型アクリル酸エステル共重合体が、優れた印字適性を有することに寄与するメカニズムの詳細については今後の研究を待たなければならないが、アクリル酸エステル共重合体が水溶性高分子で被覆されているため、インク色素が保護コロイドである水溶性高分子の表面に付着又は定着し、アクリル酸エステル共重合体に、染料インク、顔料インクのインク粒子又はインク色素が隠蔽されること無く存在しているため、優れた発色性を得ていると考えられる。
インク受容層中に用いられる接着剤として、高分子保護コロイド型ノニオン性アクリル酸エステル共重合体と共に、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類;ポリビニルアルコール及びその誘導体;カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体;スチレン−ブタジエン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系樹脂;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の重合体又は共重合体であるアクリル系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂等、一般にインクジェット記録用として用いられている従来公知の各種接着剤を併用してもよい。併用する接着剤は、上記公知の接着剤の1種のみを使用してもよく、2種以上の接着剤を併用してもよい。
シリカと接着剤の配合割合は、シリカ100質量部に対し、接着剤20質量部以上70質量部以下、好ましくは30質量部以上60質量部以下である。接着剤の量が70質量部より多いと、インクが溢れ、にじみが発生しやすくなり、20質量部より少ないと、インク受容層の層強度が弱くなる傾向にある。
(インク定着剤)
本発明では、インクを定着させる目的のため、下記一般式で表されるカチオン性界面活性剤を使用する。下記一般式で表わされるカチオン性界面活性剤が、優れた印字適性を有することに寄与するメカニズムの詳細は明確ではないが、インク色素との反応速度に優れており、インク色素が層内に落ち込むことなく、より表面に定着することが可能となると推測される。
Figure 2008126463
(式中のRは炭素数8以上18以下のアルキル基を示す)
本発明で使用されるカチオン性界面活性剤としては、例えば、具体的にデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルジメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられ、これらの中でも、ドデシルジメチルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルアンモニウムクロライドを用いることが特に好ましい。
前記カチオン性界面活性剤の配合割合は、シリカ100質量部に対し、カチオン性界面活性剤0.5質量部以上20質量部以下、好ましくは1.0質量部以上10質量部以下であり、より好ましくは、1.2質量部以上7質量部以下である。カチオン性界面活性剤の量が20質量部より多いと、インクの浸透速度が速くなり、画像の発色性が低下する傾向にある。また、0.5質量部より少ないと、インク定着剤としての機能が不十分であり、画像の発色性が低下する傾向にある。
前記カチオン性界面活性剤以外に、インクジェット記録用紙用のインク定着剤として公知のカチオン性化合物を使用することができる。公知のカチオン性化合物としては、特に限定はしないが、1)ポリエチレンアミンやポリプロピレンなどのポリアルキレンアミン類、又はその誘導体、2)3級アミン基、4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、4)ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カチオン樹脂、5)ジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹脂、6)ジメチルアミン−エピクロルヒドリン付加重合物、7)ジアリルアミン塩−SO共重合物、8)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、その−SO共重合物、9)アリルアミン塩の重合物、10)ビニルベンジルトリアリルアンモニウム塩の単独重合体又は共重合体、11)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩共重合物、12)アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物、13)ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウムなどのアルミニウム塩等の一般市販されているものが挙げられ、これらのカチオン性化合物は、単独あるいは数種類併用して用いられる。また、本発明のカチオン性界面活性剤と併用してもよい。
カチオン性化合物の配合割合は、顔料100重量部に対し、5質量部以上60質量部以下が好ましく、より好ましくは、20質量部以上50質量部以下である。カチオン性化合物が5質量部未満であると、画像の発色性の低下や、印字部の保存性の低下が起こりやすくなり、60質量部を超えると、インク吸収性の低下、印字ムラ、画像の鮮明性の低下が起こりやすくなる。
インク受容層には、さらに、一般の塗被紙製造において使用される増粘剤、消泡剤、湿潤剤、界面活性剤、着色剤、帯電防止剤、耐光性助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。
インク受容層の塗工量は特に限定されるものではないが、5g/m以上30g/m以下とするのが好ましく、10g/m以上20g/m以下とするのがより好ましい。塗工量が上記下限より少ないと、インク吸収性、画像の鮮明性、印字保存性が低下しやすく、塗工量が上記上限より多いと、塗膜強度や画像の鮮明性が低下しやすい。なお、インク受容層は複数層積層してもよく、その場合、層間でインク受容層組成が異なっていてもよい。
このインク受容層は、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター等の各種公知の塗工装置で形成することができる。
インク受容層の乾燥条件は、インク受容層塗工液の濃度などによって調節されるが、乾燥条件によっても吸収速度の挙動が変動する。できるだけ強い乾燥条件で処理することが好ましいが、過剰の乾燥は発色性が低下する傾向である。
なお、塗工後に、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて仕上げ処理を行ってもよいが、かかる処理もインク受容層表面の空隙を潰すことになるので、印字適性を害さない範囲で仕上げ条件を調整する必要がある。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論、本発明は、これらによって限定されるものではない。各例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ質量部及び質量%を示す。
各実施例及び比較例で得られたインクジェット記録用紙の印字濃度、にじみ、及び印字部均一性を、以下に示す方法で評価した。
なお、評価にあたって、インクジェット記録用紙への印字は、市販の顔料インクジェットプリンター(CANON社製、商標:ImagePROGRAF W6200、印字モード:厚口コート紙/きれい)、及び市販の染料インクジェットプリンター(CANON社製、商標:PIXUS ip8600、印字モード:マットフォトペーパー/きれい)で行った。
[印字濃度]
財団法人日本規格協会発行の画像(「高精細カラーディジタル標準画像XYZ/JIS−SCID」、識別記号:S6、画像名称:カラーチャート)を、ImagePROGRAF W6200(顔料インク使用)及びPIXUS ip8600(染料インク)の2機種で印字し、ブラックの最高色調部を、GuretagMacbeth社製RD−914にて、印字濃度を測定した。
[にじみ]
ImagePROGRAF W6200、PIXUS ip8600の2機種の印字境界部分から印字のにじみを目視で評価した。
◎:印字のにじみは全く認められず、優れたレベル。
○:印字のにじみはややあるが、実用上問題とならないレベル。
△:印字のにじみがややあり、実用上やや問題となるレベル。
×:印字のにじみが著しく、実用上重大な問題となるレベル。
[印字部均一性]
ImagePROGRAF W6200、PIXUS ip8600の2機種の印字部(ブラック)を目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
評価基準:
◎:印字ムラが全くなく、品位が高い。
○:印字ムラがややあるが、実用上問題ないレベルである。
△:印字ムラがあり、実用上劣っている。
×:印字ムラがあり、悪い。
<実施例1>
[インク受容層塗工液の作製]
顔料として湿式シリカ(東ソー・シリカ社製、商品名:ニップジェルAY601)を用いサンドミルで、二次粒子径範囲0.2〜19μm、平均二次粒子径5.5μm、2μm以下の二次粒子径の個数がシリカ全体量の49%、ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.50となるように処理したシリカ100部と、インク定着剤として、ドデシルジメチルベンジンアンモニウムクロライド:60%、テトラデシルジメチルアンモニウムクロライド:40%(日本油脂社製、商品名:F2−50R)5部、接着剤として、水溶性高分子保護コロイド(ポリビニルアルコール)で被覆されているノニオン性アクリル酸エステル共重合体(日信化学社製、商品名:ビニブラン2680)30部、及び水を混合分散して塗工液を調製した。
[湿式シリカ粒子径及びロジン・ラムラー均等数n]
湿式シリカ微粒子を水に分散し、コールター社製(米国)コールターカウンター(マルチサイザー、アパーチャー径50μm)を使用して、平均粒径と重量累積%(R)を測定し、R−R線図より均等数nを求めた。
[インクジェット記録用紙の作製]
支持体として、坪量170g/mの上質紙を使用し、該上質紙の片面に、インク受容層塗工液を塗工量が10g/mとなるように塗工、乾燥し、インクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1のインク受容層塗工液中の湿式シリカ(東ソー・シリカ社製、商品名:ニップジェルAY601)を、二次粒子径範囲0.2〜16μm、平均二次粒子径が5.4μm、2μm以下の二次粒子径の個数がシリカ全体量の53%、ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.43となるようにサンドミルを用いて粉砕後、分級して得たシリカに変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1のインク受容層塗工液中の湿式シリカ(東ソー・シリカ社製、商品名:ニップジェルAY601)を、二次粒子径範囲0.4〜19μm、平均二次粒子径が8.0μm、2μm以下の二次粒子径の個数がシリカ全体量の41%、ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.53となるように、分級して得たシリカに変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例1のインク受容層塗工液中の湿式シリカ(東ソー・シリカ社製、商品名:ニップジェルAY601)を、二次粒子径範囲0.3〜19μm、平均二次粒子径が6.5μm、2μm以下の二次粒子径の個数がシリカ全体量の20%、ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.61となるように、分級して得たシリカに変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った結果を表1に示す。
<実施例5>
実施例1のインク受容層塗工液中の湿式シリカ(東ソー・シリカ社製、商品名:ニップジェルAY601)を、二次粒子径範囲0.2〜19μm、平均二次粒子径が4.5μm、2μm以下の二次粒子径の個数がシリカ全体量の55%、ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.45となるようにサンドミルを用いて粉砕後、分級して得たシリカに変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例1のインク受容層塗工液中の湿式シリカ(東ソー・シリカ社製、商品名:ニップジェルAY601)を、二次粒子径範囲0.2〜16μm、平均二次粒子径が3.5μm、2μm以下の二次粒子径の個数がシリカ全体量の58%、ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.17となるようにサンドミルを用いて粉砕後、分級して得たシリカに変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った結果を表1に示す。
<実施例7>
実施例1のインク受容層塗工液中のインク定着剤をポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(センカ社製、商品名:ユニセンスCP−91)10部に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った結果を表1に示す。
<実施例8>
実施例1のインク受容層塗工液中の接着剤をシリル変性PVA(クラレ社製、商品名:R−1130)30部に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1のインク受容層塗工液中の湿式シリカ(東ソー・シリカ社製、商品名:ニップジェルAY601)を、二次粒子径範囲0.5〜35μm、平均二次粒子径を14μm、2μm以下の二次粒子径の個数がシリカ全体量の15%、ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.30の湿式シリカ(東ソー・シリカ社製、商品名:ニップジェルBY001)に変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1のインク受容層塗工液中の湿式シリカ(東ソー・シリカ社製、商品名:ニップジェルAY601)を、二次粒子径範囲0.2〜15μm、平均二次粒子径を2.5μm、2μm以下の二次粒子径の個数がシリカ全体量の70%、ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.05となるようにサンドミルを用いて粉砕後、分級して得たシリカに変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った結果を表1に示す。
<比較例3>
実施例1のインク受容層塗工液中の湿式シリカ(東ソー・シリカ社製、商品名:ニップジェルAY601)を、二次粒子径範囲0.2〜19μm、平均二次粒子径を6.5μm、2μm以下の二次粒子径の個数がシリカ全体量の10%、ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.80となるように、分級して得たシリカに変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った結果を表1に示す。
<比較例4>
実施例1のインク受容層塗工液中の湿式シリカ(東ソー・シリカ社製、商品名:ニップジェルAY601)を、二次粒子径範囲0.2〜25μm、平均二次粒子径を1.5μm、2μm以下の二次粒子径の個数がシリカ全体量の80%、ロジン・ラムラー分布の均等数nが1.98となるようにサンドミルを用いて粉砕後、分級して得たシリカに変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った結果を表1に示す。
<比較例5>
実施例1のインク受容層塗工液中の湿式シリカ(東ソー・シリカ社製、商品名:ニップジェルAY601)を、二次粒子径範囲0.2〜19μm、平均二次粒子径を7.0μm、2μm以下の二次粒子径の個数がシリカ全体量の8%、ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.90となるようにサンドミルを用いて粉砕後、分級して得たシリカに変更した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作製した。
得られたインクジェット記録用紙につき、上記各評価を行った結果を表1に示す。
Figure 2008126463
表1から明らかなように、本発明のインクジェット記録用紙は、染料、顔料インクでのにじみがなく、印字濃度、印字部均一性に優れたインクジェット記録用紙である。
本発明は、染料、顔料インクでのにじみがなく、印字濃度に優れ、高精細の画像を鮮明に印字できるインクジェット記録用紙を提供することができ、実用上極めて有用である。

Claims (5)

  1. 支持体の表面に無定形シリカと接着剤とインク定着剤を含有するインク受容層を設けたインクジェット記録用紙において、前記無定形シリカが、
    (a)二次粒子径分布範囲が0.1μm以上20μm以下
    (b)平均二次粒子径が4μm以上12μm以下
    (c)2μm以下の二次粒子径の個数が全体量の20%以上60%以下
    (d)ロジン・ラムラー分布の均等数nが2.15以上2.65以下
    の各条件を満たすことを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. インク受容層における無定形シリカ100質量部に対する接着剤の含有割合が35質量部以上70質量部以下である請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
  3. インク受容層中の接着剤が、水溶性高分子保護コロイドで被覆されているノニオン性アクリル酸エステル共重合体である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. 水溶性高分子保護コロイドがポリビニルアルコールである請求項3に記載のインクジェット記録用紙。
  5. インク定着剤が、下記一般式で表わされるカチオン性界面活性剤である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
    Figure 2008126463
    (式中のRは炭素数8以上18以下のアルキル基を示す。)
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