JP2008126362A - 卓上複合加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】旋盤加工とフライス加工とを行うことが可能であって、特に平面形状をコンパクトに構成することができる卓上複合加工装置を提供する。
【解決手段】旋盤加工時にバイトBを保持すると共に、フライス加工時にワークWを保持するXYテーブル14と、主軸ヘッド90を保持するヘッド保持部材91と、ヘッド保持部材91を介して主軸ヘッド90を、回動支点171を中心に水平姿勢と鉛直姿勢との間で回動自在に支持する支持フレーム170と、を備え、回動支点171は、バイトBによるワークWへの旋盤加工の加工中心Pと、フライス刃FによるワークWへのフライス加工の加工中心Pと、が主軸ヘッド90の軸線を含む鉛直面内において合致するように設定される。
【選択図】図8
【解決手段】旋盤加工時にバイトBを保持すると共に、フライス加工時にワークWを保持するXYテーブル14と、主軸ヘッド90を保持するヘッド保持部材91と、ヘッド保持部材91を介して主軸ヘッド90を、回動支点171を中心に水平姿勢と鉛直姿勢との間で回動自在に支持する支持フレーム170と、を備え、回動支点171は、バイトBによるワークWへの旋盤加工の加工中心Pと、フライス刃FによるワークWへのフライス加工の加工中心Pと、が主軸ヘッド90の軸線を含む鉛直面内において合致するように設定される。
【選択図】図8
Description
本発明は、主軸ヘッドを水平姿勢に保持して旋盤加工を行うと共に、主軸ヘッドを鉛直姿勢に保持してフライス加工を行う卓上複合加工装置に関するものである。
従来、旋盤加工とフライス加工とを行う複合装置として、汎用の旋盤の側面にガイドレールを固定すると共に、汎用のフライス盤をガイドレールにスライド可能に配設することで旋盤とフライス盤とを複合させたものが知られている。(例えば、特許文献1参照。)この複合装置では、旋盤による旋盤加工を単独して行い得ると共に、旋盤加工後にガイドレールを介して、旋盤のチャックに固定したワーク(工作物)に対してフライス盤を臨ませて、フライス加工を行い得るようになっている。
実用新案登録第3079162号公報
このような従来の複合装置では、旋盤とフライス盤とが平面的に配置されているため、広い面積の設置スペースが必要となる問題があった。
本発明は、旋盤加工とフライス加工とを行うことが可能であって、特に平面形状をコンパクトに構成することができる卓上複合加工装置を提供することを課題とする。
本発明の卓上複合加工装置は、主軸ヘッドを水平姿勢に保持し、主軸ヘッドにチャッキングしたワークにバイトを臨ませて旋盤加工を行うと共に、主軸ヘッドを鉛直姿勢に保持し、主軸ヘッドにチャッキングしたフライス刃にワークを臨ませてフライス加工を行う卓上複合加工装置であって、旋盤加工時にバイトを保持すると共に、フライス加工時にワークを保持するXYテーブルと、主軸ヘッドを保持するヘッド保持部材と、ヘッド保持部材を介して主軸ヘッドを、回動支点を中心に水平姿勢と鉛直姿勢との間で回動自在に支持する支持フレームと、を備え、回動支点は、バイトによるワークへの旋盤加工の加工中心と、フライス刃によるワークへのフライス加工の加工中心と、が主軸ヘッドの軸線を含む鉛直面内において合致するように設定されていることが好ましい。
この構成によれば、旋盤加工とフライス加工とを行う場合、両加工作業の加工中心点が主軸ヘッドの軸線を含む鉛直面内で合致させるように設定されているため、旋盤加工時のバイトの移動範囲とフライス加工時のワークの移動範囲との重複範囲を広くとることができ、XYテーブルの移動範囲を小さくすることができる。従って、装置全体として平面的にコンパクトに構成することができる。なお、水平姿勢と鉛直姿勢との間での回動するヘッド保持部材は、回動支軸で回動自在としてもよいし、2つの円弧状ガイドで回動支点廻りに移動自在としてもよい。
この場合、ヘッド保持部材に組み込まれ、主軸ヘッドを主軸ヘッドの軸線方向にスライドさせるスライド機構を、更に備え、回動支点は、旋盤加工においてスライド機構により主軸ヘッドをXYテーブルに近づく側に寄せた状態の前記加工中心と、フライス加工においてスライド機構により主軸ヘッドをXYテーブルから離れる側に寄せた状態の加工中心と、が合致するように設定されていることが好ましい。
この構成によれば、スライド機構により、水平姿勢の主軸ヘッドの位置と鉛直姿勢の主軸ヘッドの位置とを調整することができるため、旋盤加工およびフライス加工において、制約が生じることがない。
これらの場合、ヘッド保持部材と支持フレームとの間に、回動支点となる回動支軸が介設されていることが好ましい。
これらの構成によれば、簡単な構造で、主軸ヘッドを水平姿勢と鉛直姿勢との間で精度良く移動させることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る卓上複合加工装置について説明する。この卓上複合加工装置は、卓上サイズ(平面視A4サイズ)に構成されると共に、主として旋盤およびフライス盤としての機能を有しており、主軸ヘッドを水平姿勢にしてワークに対し旋盤加工を行うと共に、主軸ヘッドを鉛直姿勢にしてワークに対しフライス加工を行うものである。また、卓上複合加工装置で加工されるワークは、金属製かつ比較的小さいもの(例えば、丸物であれば直径4mm、角物であれば15mm角)であり、この卓上複合加工装置は、ウォッチパーツ等の小型部品の作成に適している。
図1および図2に示すように、卓上複合加工装置1は、機台11と、機台11上の一端側に設置されると共に、主軸ヘッド90を有した主軸ユニット12と、主軸ヘッド90を水平姿勢と鉛直姿勢との間で移動するよう主軸ユニット12を支持する支持部13と、機台11上の他端側に設置されたXYθテーブル14と、旋盤加工時においてXYθテーブル14上に取り付けられ、各種バイトBを保持する工具台15と、フライス加工時においてXYθテーブル14上に取り付けられ、ワークWを保持するバイス台16と、を備えている。また、本装置の駆動電源となる電源部17が機台11下側に設置されると共に、本装置を操作する操作パネル18が機台11側面に設置され、操作パネル18の操作により装置本体を制御する制御部19が電源部17と共に配置されている。
卓上複合加工装置1は、例えば、設置面がA4サイズとなっており、コンパクトな構成となっている。この卓上複合加工装置1において、旋盤加工を行う場合は、主軸ヘッド(後述する主軸スピンドル100)90の軸方向が水平となる水平姿勢にしておいて、主軸ヘッド90にワークWをチャッキングすると共に、XYθテーブル14にバイトBを保持した工具台15を取り付ける。この後、回転するワークWに対し、XYθテーブル14を移動させてバイトBを接触させることで旋盤加工を行う(図1参照)。一方、フライス加工を行う場合は、主軸ヘッド90の軸方向が鉛直となる鉛直姿勢にしておいて、主軸ヘッド90にフライス刃Fをチャッキングすると共に、XYθテーブル14にワークWを保持したバイス台16を取り付ける。この後、回転するフライス刃FをワークWに接触させ、XYθテーブル14を移動させることでフライス加工を行う(図2参照)。
なお、この使用に限らず、立て旋盤、横フライス盤等として使用しても良い。つまり、立て旋盤加工を行う場合は、鉛直姿勢の主軸ヘッド90にワークWをチャッキングすると共に、XYθテーブル14にバイトBを保持した工具台15を取り付ける。一方、横フライス加工を行う場合は、水平姿勢の主軸ヘッド90にフライス刃Fをチャッキングすると共に、XYθテーブル14にワークWを保持したバイス台16を取り付ける。
機台11は、長方体状に形成されたベッド部25と、ベッド部25の長手方向(X軸方向)の両端部に設けられ、ベッド部25を支持する一対の脚部26、26と、を備えており、主軸ユニット12およびXYθテーブル14は、ベッド部25の長手方向において隣接して設置されている。ベッド部25の下面には、上記の電源部17が配設され、また、ベッド部25には、XYθテーブル14を長手方向においてスライド自在にガイドするガイド孔27が形成されている(図3参照)。ガイド孔27は、いわゆる段付孔であり、ベッド部25の長手方向に延在するようベッド部25に貫通して形成され、その断面は、逆「T」字状に形成されている。なお、図示は省略するが、機台11の一方の脚部26には、ベッド部25の水平度を測定する水平測定器が設けられ、各脚部26には、ベッド部25の上下位置(高さ)を調節する2つのアジャスタボルトが設けられている。これにより、4つのアジャスタボルトでベッド部25を水平に調整することが可能となっている。
図3に示すように、XYθテーブル14は、工具台15およびバイス台16が設置されると共にベッド部25の短手方向(Y軸方向)に移動するY軸テーブル30と、Y軸テーブル30が載置されると共にX軸方向に移動するX軸テーブル31と、X軸テーブル31が載置されると共にθ方向に回転するθテーブル32と、θテーブル32が載置されると共に機台11上をX軸方向にスライド自在に移動するベース台33と、を有している。
Y軸テーブル30およびX軸テーブル31は、その内部にボールネジによるリードネジ機構を有しており、各テーブル30、31の側方に伸びたハンドル40、41を回すことにより、各軸方向に移動可能になっている。なお、図示では省略したが、各ハンドル40、41には、各テーブル30、31の移動量を示す目盛環が付されており、この目盛環は、0点合わせが可能な構成となっている。
Y軸テーブル30は、その上面に、工具台15をセットするバイトセットエリアBAと、バイス台16をセットするワークセットエリアWAとが設けられており、各セットエリアBA、WAは、Y軸方向に並んで配置されている。なお、本実施形態では図示手前側がバイトセットエリアBAとなっており、図示奥側がワークセットエリアWAとなっている。また、各セットエリアBA、WAは、工具台15およびバイス台16を入れ替えセット可能に構成されている。また、Y軸テーブル30の上面には、工具台15およびバイス台16を位置決めして載置するよう、バイトセットエリアBAおよびワークセットエリアWAに亘って相互に平行な3本の角溝45がY軸方向に延在して形成されると共に、工具台15およびバイス台16を固定するためのネジ穴(図示省略)が複数形成されている。このとき、工具台15およびバイス台16の一方は、予め固定された他方に突き当てることで、Y軸方向への位置決めが可能となっている。
θテーブル32は、短い円柱状に形成されており、θ方向に回転自在となっている。また、θテーブル32の内部には、θテーブル32をθ方向において固定するネジ止め機構が設けられており、ユーザは、θテーブル32の側面にある止めネジ50を緩め、θテーブル32を摘んで回転させて位置調整をした後、止めネジ50を締めることでθテーブル32をθ方向において固定する。
ベース台33は、X軸テーブル31、Y軸テーブル30およびθテーブル32が載置される共に、これらをX軸方向にスライド移動させるものである。ベース台33は、ベッド部25と同幅の長方体状に形成された台本体55と、台本体55の側面に添設され、台本体55の位置決めを行う位置決め板56と、台本体55の内部に設けられ、ベース台33をベッド部25に固定するクランプ機構57と、を有している。
位置決め板56は、ベッド部25の側面に当接するよう台本体55から下方へはみ出すよう板状に形成されており、位置決めを行う際は、ベッド部25の側面に当該位置決め板56の内側面を当接させて、ベース台33をY軸方向において位置決めしている。
クランプ機構57は、ベース台33の側面に設けられたクランプレバー60と、ベッド部25に形成されたガイド孔27と係合するよう断面逆「T」字状に形成された係合部材(図示省略)と、クランプレバー60を回動させることにより、係合部材を上下方向(Z軸方向)に移動させる連結部(図示省略)と、を備えている。ベース台33をベッド部25に固定する場合は、クランプレバー60を回動して係合部材を上方に引き上げ、台本体55と係合部材とでベッド部25を挟み込むことにより、ベース台33を固定している。
図4(a)に示すように、工具台15は、バイトBと、バイトBを上下で挟み込んで固定するバイトホルダ65と、バイトホルダ65を着脱自在に保持するホルダ保持台66と、を備えている。バイトホルダ65は、ホルダ保持台66に取り付けるバイトBの上下方向の位置調節を行う上下調節ネジ67を有しており、上下調節ネジ67はバイトホルダ65を上下に貫通して螺合すると共に、その先端は、ホルダ保持台66に当接している。つまり、上下調節ネジ67を回転させ、バイトホルダ65から突出した上下調節ネジ67の先端の突出量を変化させることで、上下の位置を調節している。バイトホルダ65のY軸方向の側面には、これを保持するための指かけ溝68が形成され、また、バイトホルダ65の下面には、後述するホルダ保持台66のロック駒81が係合する係合溝69が形成されている。なお、バイトホルダ65は、異なるバイトBを保持したものが複数用意されており、旋盤加工時において、ホルダ保持台66にバイトホルダ65を付け替えることで異なる加工を行うことが可能なよう構成されている。すなわち、バイトBと、バイトホルダ65とは、ユニット化されている。
ホルダ保持台66は、その下面に、XYθテーブル14の隣り合う2本の角溝45に嵌合する2本の突条部75が、Y軸方向に延在するよう平行に形成されており、X軸方向に位置決めされ且つY軸方向にスライド自在となっている。また、ホルダ保持台66は、Y軸テーブル30上に形成した複数のネジ穴を介してネジ止め固定される。
また、ホルダ保持台66は、その上部にバイトホルダ65を着脱自在に固定するホルダ固定部76を有しており、ホルダ固定部76は、「コ」字状に形成された固定ブロック80と、固定ブロック80内部のX軸方向に挿通され、バイトホルダ65の係合溝69に係合するロック駒81と、ロック駒81に連なると共にロック駒81を固定ブロック80側に引き付けるロックレバー82と、ロック駒81を押し戻す戻しバネ83と、を有している(図4(b)参照)。バイトホルダ65の係合溝69に、ホルダ固定部76のロック駒81を係合させた状態で、バイトホルダ65をホルダ保持台66に載置した後、ロックレバー82を回動させると、ロック駒81がバイトホルダ65と共に固定ブロック80側に引き付けられる。そして、バイトホルダ65と固定ブロック80とが当接することで位置決めがなされ、さらにロックレバー82を回動して締めることで、ロック駒81と固定ブロック80との間に係合溝69を介してバイトホルダ65を挟み込むことにより、ホルダ保持台66にバイトホルダ65を固定する。一方、ロックレバー82を回動して緩めると、戻しバネ83によりロック駒81が押し戻されることで、バイトホルダ65のロック状態が解除され、バイトホルダ65を取り外すことが可能となる。これにより、ロックレバー82を回動させることで、容易にバイトホルダ65が着脱自在に付け替え可能な構成となっている。
図5に示すように、バイス台16は、ワークWを挟み込んで保持するバイス85と、バイス85を設置固定するバイス設置台86と、を備えている。バイス設置台86も、上記のホルダ保持台66と同様に、隣り合う2本の角溝45に嵌合する2本の突条部75が形成され、XYθテーブル14に形成した複数のネジ穴を介してネジ止め固定される。
図6に示すように、旋盤加工時の主軸ユニット12は、主軸ヘッド90と、主軸ヘッド90を保持するヘッド保持部(ヘッド保持部材)91と、を備えており、ヘッド保持部91は、主軸ヘッド90を軸方向に移動させるヘッドホルダ92と、ヘッドホルダ92を保持すると共に、支持部13に支持されるホルダベース93と、を備えている。
主軸ヘッド90は、先端部にフライス刃FまたはワークWをチャッキングすると共にこれを回転させる主軸スピンドル(スピンドル)100と、主軸スピンドル100とヘッドホルダ92との間に介設されると共に、主軸スピンドル100の駆動源となる駆動モータ(モータ)101と、駆動モータ101の動力を主軸スピンドル100に伝達する動力伝達機構102と、を備え、主軸スピンドル100および駆動モータ101は、これらを保持するヘッドフレーム(保持フレーム)103の内部に収容されている。また、主軸スピンドル100と駆動モータ101とは、その軸方向が平行となるように且つ近接して配置されており、主軸スピンドル100の回転軸と駆動モータ101の出力軸との軸間距離は、例えば、44mmとなっている。
図7(a)に示すように、ヘッドフレーム103は、アルミニウムで構成されたブロック体に対し、主軸スピンドル100が収容されるスピンドル収容部110と、駆動モータ101が収容されるモータ収容部111と、をくり貫いて形成したものである。
スピンドル収容部110の近傍に位置するヘッドフレーム103の外側の部分には、主軸スピンドル100の軸方向に延在するよう割りスリット114が形成されている。主軸スピンドル100の先端部および後端部を露出した状態で、これをスピンドル収容部110に収容し、締結ネジ115によりこの割りスリット114を狭めてゆくことで、主軸スピンドル100はヘッドフレーム103に挟持され、これにより、ヘッドフレーム103に主軸スピンドル100が固定される。
また、ヘッドフレーム103は、モータ収容部111の前後の開口部を覆う一対の蓋体120を有しており、駆動モータ101は一対の蓋体120の一方に取り付けられている。このとき、駆動モータ101は、ヘッド保持部91に近接して配設されている。図示左側に配置された一方の蓋体120aは、駆動モータ101の出力軸をヘッドフレーム103外部に突出させるための出力軸開口123と、駆動モータ101を取り付けるための一対の長孔124とが形成されており、一対の長孔124は、主軸スピンドル100の回転軸と駆動モータ101の出力軸との軸間方向に延在して貫通形成されている(図7(b)参照)。なお、出力軸開口123には、これに連なる共に、駆動モータ101に接続された配線を通すための配線開口122が形成されている。これにより、駆動モータ101は、軸間方向において任意の位置に位置決め可能な状態で、一対の長孔124を介してネジ止めされる。図示右側に配置された他方の蓋体120bには、傾斜した複数の羽根板126で構成されたガラリ式の排熱口125が形成されており、複数の羽根板126は、蓋体120bの一部を斜めに切削した複数のスリット127により構成されている(図7(c)参照)。
動力伝達機構102は、主軸スピンドル100の回転軸の後端部に軸着された従動プーリ130と、駆動モータ101の出力軸に軸着された駆動プーリ131と、駆動プーリ131および従動プーリ130に掛け渡された平ベルト132と、を有している。従動プーリ130の径は、駆動プーリ131の径に比して、2倍となっており、駆動モータ101の回転数を1/2に減速している。なお、各プーリ130、131は、交換可能となっているため、両プーリ130、131の組み合わせにより加工に応じて適切な減速比を選択することができる。また、平ベルト132が緩い場合は、一対の長孔124を介して駆動モータ101を軸間方向に移動させることで、平ベルト132の張りを調整することが可能となっている。
駆動モータ101の出力軸が回転すると、駆動プーリ131が回転し、平ベルト132を介して、従動プーリ130に伝達され、従動プーリ130が固定された主軸スピンドル100に回転が伝達される。この回転力により主軸スピンドル100は、チャッキングした工具(フライス刃F)またはワークWを回転させる。なお、言うまでも無いが、駆動モータ101は、配線を介して制御部19および電源部17に接続されており、操作パネル18のスピードコントローラにより無段変速で回転数を調整することが可能となっている。
電源部17は、商用電源からの交流電流を直流電流に変換するACアダプタ(図示省略)と、ACアダプタに接続され、図示しない回路基板上に形成された電源回路部と、電源回路部に接続され、ACアダプタから供給された電力を充電するバッテリ電源181と、を備えている。電源回路部は、ACアダプタから供給された電力を、駆動モータ101の駆動時には、バッテリ電源181が充電済みでない限り、バッテリ電源181に充電を行いつつ、駆動モータ101に電力を供給し、駆動モータ101の非駆動時には、バッテリ電源181に電力を供給し充電させる。また、電源回路部は、ACアダプタを取り外した状態において駆動モータ101を駆動させる場合は、バッテリ電源181から駆動モータ101に電力が供給される。
操作パネル18は、電源の「ON」「OFF」を行う電源スイッチ185と、駆動モータ101の回転数を調整する回転数ダイヤル(スピードコントローラ)186と、駆動モータ101の回転方向の正逆を切り替える回転方向切替ボタン187と、を備えており、駆動モータ101の駆動を操作する。
制御部19は、上記の回路基板上に形成された制御回路部であり、制御回路部は、電源回路部および操作パネル18に接続され、操作パネル18から指示に基づいて、駆動モータ101を制御している。
図1、図2および図6に示すように、ヘッドホルダ92は、主軸ヘッド90を保持する第1ヘッドホルダ140と、第1ヘッドホルダ140を保持する第2ヘッドホルダ141と、を有しており、第1ヘッドホルダ140と第2ヘッドホルダ141との間には、主軸ヘッド90を軸方向に微小移動させて加工位置を調整する加工調整機構142が介設され、また、第2ヘッドホルダ141とホルダベース93との間には、主軸ヘッド90を軸方向に大まかに移動させ、主軸ヘッド90の位置を調整する位置調整機構143が介設されている。
加工調整機構142は、いわゆるボールネジによるリードネジ機構であり、第2ヘッドホルダ141の図示左側面に形成されたヘッドハンドル145を回転させることにより、主軸ヘッド90を軸方向に微小移動させるものである。また、ヘッドハンドル145と第2ヘッドホルダ141との間には、板状のストッパ146が第2ヘッドホルダ141に添設されている。このストッパ146は、第1ヘッドホルダ140に当接することにより、加工調整機構142の軸方向への移動を規制している。なお、このヘッドハンドル145にも、上記の目盛環が軸着されている。
位置調整機構143は、ホルダベース93に対し第2ヘッドホルダ(主軸ヘッド90)141を、XYθテーブル14側へ前進させる前進位置と後退させる後退位置との間で、内蔵したスライドガイドにより、スライド自在に保持するものであり、第2ヘッドホルダ141に形成されたネジ穴150と、ホルダベース93を介してこれに螺合する固定ネジ151と、を有している。つまり、詳細は後述するが、ホルダベース93には、主軸ヘッド90の軸方向に延びたガイド長孔162が形成されており、固定ネジ151はガイド長孔162を介してネジ穴150に螺合している。これにより、ホルダベース93が固定ネジ151の頭部と第2ヘッドホルダ141との間に挟み込まれるため、固定ネジ151が緩んでいる場合には、第2ヘッドホルダ141がガイド長孔162をガイドとして、ホルダベース93に対し軸方向にスライド移動し、固定ネジ151が締められた場合には、第2ヘッドホルダ141がホルダベース93に固定されるようになっている。このとき、前進位置と後退位置との間の距離は、例えば、40mmとなっている。また、位置調整機構143は、第2ヘッドホルダ141を、旋盤加工時において前進位置に位置決めすると共に、フライス加工時において後退位置近傍に位置決めするよう構成されている。
ホルダベース93は、主軸ヘッド90およびヘッドホルダ92を載置するヘッド載置部160と、ヘッド載置部160の一端部から突出した突出部161とで、断面L字状に一体形成されている。ホルダベース93は、旋盤加工時においてベッド部25に当接すると共に、フライス加工時においてベッド部25から離間するよう構成されているため、ホルダベース93の屈曲部分は、移動時においてベッド部25に突き当たることの無いよう大きく面取りされている。ヘッド載置部160には、上記のガイド長孔162が形成されている。ガイド長孔162は、いわゆる段付孔であり、軸方向に延在するようホルダベース93に貫通形成され、その断面は、逆「T」字状に形成されている。このガイド長孔162には、ホルダベース93の裏面側から嵌入された固定ネジ151の頭部が、ホルダベース93から突出しないよう収容されている。これにより、旋盤加工時において、ホルダベース93の裏面はベッド部25に当接しているため、上記の位置調整機構143により第2ヘッドホルダ141を移動させる場合は、ホルダベース93とベッド部25との間を離間させた状態で行わなければならない。また、ヘッド載置部160の両側面には、後述する一対の支持フレーム170に固定するための一対のネジ穴163が形成されている。ホルダベース93の突出部161の上端部には、Y軸方向に貫通形成された回動孔164が設けられており、この回動孔164には、後述する回動支軸171が回動自在に挿通される。
支持部13は、主軸ユニット12を挟み込むように立設した一対の支持フレーム170と、一対の支持フレーム170間に掛け渡され、ホルダベース93の回動孔164に挿通される上記の回動支軸171と、主軸ユニット12を一対の支持フレーム170に締結する締結機構172と、を備えている。
各支持フレーム170は、略台形板状に形成され、その下端部が、ベッド部25の両側面に固定されており、各支持フレーム170には、回動支軸171を中心とした円弧状の貫通孔175が形成されている。この貫通孔175は、その下端部において、主軸ヘッド90の水平姿勢の位置決めを行うと共に、その上端部において、主軸ヘッド90の鉛直姿勢の位置決めを行っている。
図8に示すように、回動支軸171(回動孔164)は、旋盤加工の加工中心Pとフライス加工の加工中心Pと、が主軸ヘッド90の軸線を含む鉛直面内において合致するように、ホルダベース93の突出部161の上端部に設けられている。この場合の旋盤加工の加工中心Pは、前述の加工調整機構142および位置調整機構143により、主軸ヘッド90をXYθテーブル14に近い前進端位置に移動させることにより、水平姿勢の主軸ヘッド90をXYθテーブル14に最も近い位置に移動させた状態で旋盤加工を行う際の加工中心Pである。また、フライス加工の加工中心Pは、加工調整機構142および位置調整機構143により主軸ヘッド90をXYθテーブル14から遠い後退端位置(この場合は、上昇端位置)に移動させることにより、鉛直姿勢の主軸ヘッド90をXYθテーブル14から最も遠い位置に移動させた状態でフライス加工を行う際の加工中心Pである。これにより、主軸ユニット12(主軸ヘッド90)を回動支軸171を中心として水平姿勢と鉛直姿勢との間で回動自在に移動させて、それぞれ旋盤加工およびフライス加工を行う場合、XYθテーブル14の移動範囲を小さくすることができ、装置全体の平面形状をコンパクトに構成することができる。また、加工中心Pは、旋盤加工においてはバイトB先端の移動可能範囲の中心、あるいはバイトB先端の標準的ホーム位置とする。同様に、フライス加工においては、フライス刃F先端の移動可能範囲の中心、あるいはフライス刃F先端の標準的ホーム位置とする。
なお、本実施形態では、加工調整機構142および位置調整機構143により主軸ヘッド90の位置調整を行い、旋盤加工およびフライス加工の加工中心Pを合致させているが、上記の位置調整手段がない場合にあっては、加工調整機構142により前進端位置に移動させた主軸ヘッド90を水平姿勢に保持して行う旋盤加工の加工中心Pと、加工調整機構142により上昇端位置に移動させた主軸ヘッド90を鉛直姿勢に保持して行うフライス加工の加工中心Pと、が主軸ヘッド90の軸線を含む鉛直面内において合致するように、回動支軸171(回動孔164)を設けてもよい。
締結機構172は、いわゆるネジ機構であり、ホルダベース93の両側面に形成した上記の一対のネジ穴163と、各支持フレーム170の貫通孔175を介して一対のネジ穴163に螺合する一対のユリアネジ176と、で構成されている。
主軸ヘッド90を水平姿勢から鉛直姿勢に移動する際は、一対のユリアネジ176を緩めると共に、回動支軸171を中心に、主軸ユニット12を上方へ回動させる。主軸ユニット12を回動してゆくと、各ユリアネジ176の雄ねじ部分が貫通孔175の上端部に当接する。このとき、主軸ヘッド90は鉛直姿勢に位置決めされ、この状態で各ユリアネジ176を締めることにより主軸ユニット12を一対の支持フレーム170で挟み込んで固定する。一方、主軸ヘッド90を鉛直姿勢から水平姿勢に移動する際は、一対のユリアネジ176を緩めると共に、回動支軸171を中心に、主軸ユニット12を下方へ回動させる。主軸ユニット12を回動してゆくと、各ユリアネジ176の雄ねじ部分が貫通孔175の下端部に当接すると共に、ホルダベース93がベッド部25に当接する。このとき、主軸ヘッド90は水平姿勢に位置決めされ、この状態で各ユリアネジ176を締めることにより主軸ユニット12を一対の支持フレーム170で挟み込んで固定する。また、水平姿勢および鉛直姿勢における主軸ヘッド90の固定のみならず、水平姿勢と鉛直姿勢との間の中間位置に主軸ヘッド90を固定することも可能となる。これにより、例えば、フライス加工として、主軸ユニット12(主軸ヘッド90)を傾斜姿勢にすることで、ワークWの角部を切削加工することが可能になると共に、旋盤加工として、ワークWに対しテーパー加工を行うことが可能となる。
次に、卓上複合加工装置1を用いた旋盤加工およびフライス加工の作業手順について説明する。旋盤加工において、先ず、ユーザは、主軸ヘッド90を水平姿勢にし、主軸スピンドル100の先端にワークWをチャッキングする。このとき、主軸ヘッド90が前進位置に臨んでいない場合は、主軸ユニット12を鉛直姿勢にし、位置調整機構143により主軸ヘッドを前進位置に移動させた後、主軸ユニット12を水平姿勢に戻す。一方、XYθテーブル14上には、所望のバイトホルダ65を装着した工具台15をバイトセットエリアBAにセットする。この後、電源スイッチ185を押し、駆動モータ101を駆動させ、ワークWを回転させる。このとき、操作パネル18により駆動モータ101の回転数等を調整する。そして、XYθテーブル14を移動させ、ワークWにバイトBを接触させることで、ワークWに旋盤加工を行う。
一方、フライス加工において、ユーザは、主軸ヘッド90を鉛直姿勢にし、主軸スピンドル100の先端にフライス刃Fをチャッキングする。このとき、XYθテーブル14に接触する場合は、XYθテーブル14を退避させる。また、位置調整機構143により主軸ヘッド90を後退位置近傍に移動させる。一方、XYθテーブル14上には、ワークWを保持したバイス台16をワークセットエリアWAにセットする。この後、電源スイッチ185を押し、駆動モータ101を駆動させ、フライス刃Fを回転させる。そして、加工調整機構142によりフライス刃FをZ軸方向に移動させ、ワークWにフライス刃Fを接触させ、XYθテーブル14を移動させることで、ワークWにフライス加工を行う。
以上のように本実施形態によれば、旋盤加工において水平姿勢の主軸ヘッド90をXYθテーブル14に最も近い位置に移動させた状態の加工中心Pと、フライス加工において鉛直姿勢の主軸ヘッド90をXYθテーブル14から最も遠い位置に移動させた状態の加工中心Pと、が合致するように回動支軸171を設けることで、旋盤加工時のバイトBの移動範囲とフライス加工時のワークWの移動範囲との重複範囲を広くとることができ、XYθテーブル14の移動範囲を小さくすることができる。さらに、旋盤加工およびフライス加工におけるワークWや工具の位置決めにかかる移動距離を最小限に留めることができる。これにより、装置全体として平面的にコンパクトに構成することができる。また、回動支軸171を中心として、主軸ヘッド90を水平姿勢と鉛直姿勢との間で回動させることで、簡単な構成で且つ精度良く移動させることができる。
また、本実施形態において、XYθテーブル14上には、工具台15およびバイス台16がセットされるが、これに限らず、各種アタッチメントがセットされるよう構成されており、この各種アタッチメントをセットすることで、ワークWに対し柔軟な加工処理を行うことが可能となる。
以下、図9および図10を参照して、各種アタッチメントについて簡単に説明する。図9に示すように、このアタッチメントは、ワークWに対し偏心加工を行うための偏心加工用アタッチメント200である。偏心加工用アタッチメント200は、断面「L」字状のアタッチメント本体211と、アタッチメント本体211をX軸方向に貫通するように取り付けられたチャック212と、チャック212を固定するロック機構213とを有している。チャック212は、X軸を中心に回転するよう構成され、チャック212の先端部には、ワークWがチャッキングされると共に、アタッチメント本体211を挟んで、チャック212の後端部には、目盛環221と、目盛環221の後方に設けられた円柱部222と、が軸着されており、円柱部222は目盛環221側の端面周縁部に周方向に等間隔に没入形成された12個の没入孔223が形成されている。ロック機構213は、没入孔223に挿入される挿入ピン231と、アタッチメント本体211の図示手前側の側面に設けられ、挿入ピン231をX軸方向に作動させるピン作動レバー232と、アタッチメント本体211の図示奥側の側面に設けられ、チャック212を固定する固定つまみ233と、を有している。
この偏心加工用アタッチメント200を用いて、ワークWに偏心加工を行う場合は、主軸スピンドル100にドリル刃をチャッキングすると共に、チャック212にワークをチャッキングする。そして、XYθテーブル14を移動させて、ワークWに対し偏心した位置において、ドリル刃によりワークWを穿孔する。この後、XYθテーブル14をX軸方向において退避させた後、固定つまみ233を緩め、ピン作動レバー232により挿入ピン231を後退させる。次に、円柱部222を回転させ、ピン作動レバー232により挿入ピン231を前進させて、異なる没入孔223に挿入ピン231を挿入する。そして、固定つまみ233を締めた後、XYθテーブル14をX軸方向に移動させ、ドリル刃によりワークWを穿孔する。これを繰り返すことで、ワークWに対し最大12個の穿孔穴を周方向に等間隔に形成することができる。
次に、図10に示したアタッチメントは、上記のバイス台16に、バイス85をθ方向に回転させるθテーブル250と、バイス85を傾斜させる傾斜テーブル251と、をさらに備えたものである。これにより、フライス加工時において、ワークWを傾斜させたり回転させたりすることができるため、ワークWへのフライス加工の自由度を向上させることができる。
1…卓上複合工作装置 14…XYθテーブル 90…主軸ヘッド 91…ヘッド保持部 142…加工調整機構 143…位置調整機構 164…回動孔 170…支持フレーム 171…回動支軸 B…バイト W…ワーク F…フライス刃 P…加工中心
Claims (3)
- 主軸ヘッドを水平姿勢に保持し、前記主軸ヘッドにチャッキングしたワークにバイトを臨ませて旋盤加工を行うと共に、
前記主軸ヘッドを鉛直姿勢に保持し、前記主軸ヘッドにチャッキングしたフライス刃にワークを臨ませてフライス加工を行う卓上複合加工装置であって、
前記旋盤加工時に前記バイトを保持すると共に、前記フライス加工時に前記ワークを保持するXYテーブルと、
前記主軸ヘッドを保持するヘッド保持部材と、
前記ヘッド保持部材を介して前記主軸ヘッドを、回動支点を中心に前記水平姿勢と前記鉛直姿勢との間で回動自在に支持する支持フレームと、を備え、
前記回動支点は、前記バイトによる前記ワークへの前記旋盤加工の加工中心と、前記フライス刃による前記ワークへの前記フライス加工の加工中心と、が前記主軸ヘッドの軸線を含む鉛直面内において合致するように設定されていることを特徴とする卓上複合加工装置。 - 前記ヘッド保持部材に組み込まれ、前記主軸ヘッドを前記主軸ヘッドの軸線方向にスライドさせるスライド機構を、更に備え、
前記回動支点は、前記旋盤加工において前記スライド機構により前記主軸ヘッドを前記XYテーブルに近づく側に寄せた状態の前記加工中心と、前記フライス加工において前記スライド機構により前記主軸ヘッドを前記XYテーブルから離れる側に寄せた状態の前記加工中心と、が合致するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の卓上複合加工装置。 - 前記ヘッド保持部材と前記支持フレームとの間に、前記回動支点となる回動支軸が介設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の卓上複合加工装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2006
- 2006-11-20 JP JP2006313605A patent/JP2008126362A/ja active Pending
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