JP2008125495A - カルシウム強化液糖 - Google Patents
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Abstract
【課題】 食品や飲料に添加することで、中性条件下でのリン酸塩の存在下におけるカルシウムの可溶性を従来より向上させ、吸収効率を向上させてカルシウムの摂取不足を改善可能な食品や飲料を容易に生産可能とするカルシウム強化液糖を提供する。
【解決手段】 カルシウム塩を400ppm以上含有する果糖または糖アルコールを含む液糖であって、当該液糖を希釈してカルシウム濃度を80ppm以上とした時の希釈液がカルシウム可溶化作用を有するカルシウム強化液糖。リン酸化糖、カゼインホスホペプチド、有機酸からなる群より選ばれた1以上の物質を含む前記カルシウム強化液糖。カルシウム塩以外の金属塩を含む前記カルシウム強化液糖。
【選択図】 なし
【解決手段】 カルシウム塩を400ppm以上含有する果糖または糖アルコールを含む液糖であって、当該液糖を希釈してカルシウム濃度を80ppm以上とした時の希釈液がカルシウム可溶化作用を有するカルシウム強化液糖。リン酸化糖、カゼインホスホペプチド、有機酸からなる群より選ばれた1以上の物質を含む前記カルシウム強化液糖。カルシウム塩以外の金属塩を含む前記カルシウム強化液糖。
【選択図】 なし
Description
本発明は、カルシウム塩(Ca塩)を含む液糖であって、当該液糖の希釈液カルシウム可溶化作用を有するカルシウム強化液糖に関する。
厚生労働省の国民栄養調査によれば、日本国民の摂取する全ての栄養素の中、カルシウム(Ca)のみ所要量に達していないとされている。その一方、高齢化が進む中で、骨粗鬆症や虫歯などCa不足による健康への影響が大きい社会問題としてクローズアップされている。
このようなCa不足を解消するために、カルシウムと糖液を混合してなる飲料用プレミックス(特許文献1)など、様々なカルシウム強化食品が開発されている。
ところで、Ca摂取不足の原因の一つとしては、食品に含まれるCaの腸内での吸収率が低いことが挙げられる。例えば、食品中のCa吸収率は、牛乳、炭酸カルシウム、小魚、野菜で、各々53%、42%、34%、18%と言われている(成人男子基準)。
従って、単に食品にカルシウムを添加するのではなく、食品中のCa塩を体内で吸収率の高い状態で存在させることが重要視されている。例えば、クエン酸とリンゴ酸混合物のCa塩(CCM)は、1000ppmのCaが中性条件で可溶性を示し、腸内でのCa吸収率が高いため、これを含む飲料が販売されている。また、腸内でのCaの吸収を促進する物質として、ミルク・カゼインの分解物であるカゼインホスホペプチド(CPP)が知られており、これを含むCa入り乳性飲料が販売されている。
さらに、Caの摂取量不足の原因として、腸内の中性条件下で、Caイオンがリン酸塩と結合してリン酸カルシウムとなり、吸収し難い形態となることが挙げられる。
即ち、加工食品には、各種のリン酸塩(第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメンタリン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、メタリン酸カリウム等)が添加されている。これらは、食品原料の変性・分離防止を目的として各種食品加工工程で添加されたり、ベーキングパウダー、乳化剤、食肉結着剤、かんすい、食肉結着剤、ビタミンCの分解防止剤等として、様々な加工食品に添加されている。従って、加工食品を多量に摂取する現代の食生活ではリン酸塩の摂取量が増大し、その結果腸内におけるカルシウムの吸収を阻害して、摂取量不足の原因となるものである。
従って、中性条件下でのリン酸塩の存在下におけるカルシウムの可溶性を維持することが、カルシウムの摂取の不足を改善するための重要な課題とされている。
例えば、リン酸塩存在下におけるカルシウム可溶化作用に優れた物質としては、リン酸化糖が知られている。また本発明者らは、リン酸化澱粉を酵素で低分子化して得られるリン酸化デキストリンがCa可溶化作用、その他優れた性質を有することを見出した(特許文献2,3,4)。
特表平8−502648号公報
WO2005/003753号国際公開パンフレット
特開2005−330270号公報
特開2005−289778号公報
このようなCa不足を解消するために、カルシウムと糖液を混合してなる飲料用プレミックス(特許文献1)など、様々なカルシウム強化食品が開発されている。
ところで、Ca摂取不足の原因の一つとしては、食品に含まれるCaの腸内での吸収率が低いことが挙げられる。例えば、食品中のCa吸収率は、牛乳、炭酸カルシウム、小魚、野菜で、各々53%、42%、34%、18%と言われている(成人男子基準)。
従って、単に食品にカルシウムを添加するのではなく、食品中のCa塩を体内で吸収率の高い状態で存在させることが重要視されている。例えば、クエン酸とリンゴ酸混合物のCa塩(CCM)は、1000ppmのCaが中性条件で可溶性を示し、腸内でのCa吸収率が高いため、これを含む飲料が販売されている。また、腸内でのCaの吸収を促進する物質として、ミルク・カゼインの分解物であるカゼインホスホペプチド(CPP)が知られており、これを含むCa入り乳性飲料が販売されている。
さらに、Caの摂取量不足の原因として、腸内の中性条件下で、Caイオンがリン酸塩と結合してリン酸カルシウムとなり、吸収し難い形態となることが挙げられる。
即ち、加工食品には、各種のリン酸塩(第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメンタリン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、メタリン酸カリウム等)が添加されている。これらは、食品原料の変性・分離防止を目的として各種食品加工工程で添加されたり、ベーキングパウダー、乳化剤、食肉結着剤、かんすい、食肉結着剤、ビタミンCの分解防止剤等として、様々な加工食品に添加されている。従って、加工食品を多量に摂取する現代の食生活ではリン酸塩の摂取量が増大し、その結果腸内におけるカルシウムの吸収を阻害して、摂取量不足の原因となるものである。
従って、中性条件下でのリン酸塩の存在下におけるカルシウムの可溶性を維持することが、カルシウムの摂取の不足を改善するための重要な課題とされている。
例えば、リン酸塩存在下におけるカルシウム可溶化作用に優れた物質としては、リン酸化糖が知られている。また本発明者らは、リン酸化澱粉を酵素で低分子化して得られるリン酸化デキストリンがCa可溶化作用、その他優れた性質を有することを見出した(特許文献2,3,4)。
本発明においては、食品や飲料に添加することで、中性条件下でのリン酸塩の存在下におけるカルシウムの可溶性を、従来よりもさらに向上させ、吸収効率を向上させてカルシウムの摂取不足を改善可能な食品や飲料を容易に生産可能とするカルシウム強化液糖を提供する。
本発明の第1は、カルシウム塩を400ppm以上含有する果糖または糖アルコールを含む液糖であって、当該液糖を希釈してカルシウム濃度を80ppm以上とした時の希釈液がカルシウム可溶化作用を有するカルシウム強化液糖である。
本発明の第2は、リン酸化糖、カゼインホスホペプチド、有機酸からなる群より選ばれた1以上の物質を含む本発明の第1に記載のカルシウム強化液糖である。
本発明の第3は、カルシウム塩以外の金属塩を含む本発明の第1〜2のいずれかに記載のカルシウム強化液糖である。
本発明の第4は、リン酸化糖が、リン酸化単糖、リン酸化オリゴ糖、リン酸化デキストリン、リン酸化澱粉、リン酸化多糖、リン酸化糖アルコール、リン酸化還元オリゴ糖、リン酸化還元デキストリンからなる群より選ばれた1以上の物質である本発明の第2〜3のいずれかに記載のカルシウム強化液糖である。
本発明の第5は、本発明の第1〜4記載のカルシウム強化液糖を原料とし、カルシウム塩をカルシウム濃度80ppm以上含むルシウム強化飲料である。
本発明により、食品や飲料に添加することで、中性条件下でのリン酸塩の存在下におけるカルシウムの可溶性を、従来よりもさらに向上させ、吸収効率を向上させてカルシウムの摂取不足を改善可能な食品や飲料を容易に生産可能とするカルシウム強化液糖(Ca強化液糖)を提供し、カルシウム不足に起因する健康問題の解決に寄与するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、リン酸化糖、中でもリン酸化澱粉を酵素で低分子化して得られるリン酸化マルトデキストリン(PMD)が、強いCa可溶化作用等を有することを見出した(特許文献2,3,4)。
Ca可溶化作用とは、沈殿を形成しやすいリン酸の存在下でも、中性でCaを可溶性に維持する作用、またはリン酸Caの沈殿形成を阻害する作用のことである(特許文献2)。人の腸内でCaが吸収されるには、最低限、Caがイオンとして可溶性の状態に維持されていなければならないとされており、Ca可溶化作用とは、腸内でのCaの吸収に寄与する前提条件を満たす機能を有することを示す目安である。
本発明者らは、リン酸化糖、中でもリン酸化澱粉を酵素で低分子化して得られるリン酸化マルトデキストリン(PMD)が、強いCa可溶化作用等を有することを見出した(特許文献2,3,4)。
Ca可溶化作用とは、沈殿を形成しやすいリン酸の存在下でも、中性でCaを可溶性に維持する作用、またはリン酸Caの沈殿形成を阻害する作用のことである(特許文献2)。人の腸内でCaが吸収されるには、最低限、Caがイオンとして可溶性の状態に維持されていなければならないとされており、Ca可溶化作用とは、腸内でのCaの吸収に寄与する前提条件を満たす機能を有することを示す目安である。
本発明者らは、高い濃度でカルシウム塩を可溶性に維持する食品の開発をめざして、鋭意検討を進めた。
その結果、果糖または糖アルコールを含む液糖に、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム等のカルシウム塩を、400ppm以上の高濃度で溶解させて得たカルシウム強化液糖は、カルシウムの沈殿を生じることなく、しかも、当該液糖を、カルシウム濃度が80ppm以上となるように希釈した時の希釈液がカルシウム可溶化作用、即ち、リン酸塩の存在下、中性条件(pH6.0〜7.5)下において、カルシウムが可溶性を示すことを見出した。
このことは、当該液糖の希釈液は、リン酸塩の存在下においても、高濃度のカルシウムが腸内で吸収可能な状態で存在可能であることを意味しており、当該希釈液がカルシウム強化食品や飲料となることを意味する。
その結果、果糖または糖アルコールを含む液糖に、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム等のカルシウム塩を、400ppm以上の高濃度で溶解させて得たカルシウム強化液糖は、カルシウムの沈殿を生じることなく、しかも、当該液糖を、カルシウム濃度が80ppm以上となるように希釈した時の希釈液がカルシウム可溶化作用、即ち、リン酸塩の存在下、中性条件(pH6.0〜7.5)下において、カルシウムが可溶性を示すことを見出した。
このことは、当該液糖の希釈液は、リン酸塩の存在下においても、高濃度のカルシウムが腸内で吸収可能な状態で存在可能であることを意味しており、当該希釈液がカルシウム強化食品や飲料となることを意味する。
以下、本発明で使用する果糖または糖アルコールを含む液糖について以下に述べる。
果糖または糖アルコールを含む液糖は、以下に例示する果糖液糖または糖アルコール液糖、あるいは果糖と糖アルコールを任意の割合で混合して得た液糖を意味する。
本発明で使用される果糖としては、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖、高果糖液糖、砂糖混合異性化液糖、水飴混合異性化液糖などが使用できる。
本発明で使用される糖アルコールとしては、澱粉の糖化製品を水添還元して得られるソルビトール、マルチトール、イソマルチトール、還元水飴、還元オリゴ糖、還元デキストリンなどが使用できる。他にも、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、アラビニトール、ラクチトール、パラチニット、リビトール、トレイトール、アリトール、イノシトール、クエルシトール、イノソースなども使用できる。
もちろん、上で例示した果糖や糖アルコールから必要に応じて適宜選択し、混合して得た液糖を使用することも可能である。
なお本発明では、重合度10以下の多糖をオリゴ糖、重合度11以上の多糖をデキストリンと称する。
果糖または糖アルコールを含む液糖は、以下に例示する果糖液糖または糖アルコール液糖、あるいは果糖と糖アルコールを任意の割合で混合して得た液糖を意味する。
本発明で使用される果糖としては、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖、高果糖液糖、砂糖混合異性化液糖、水飴混合異性化液糖などが使用できる。
本発明で使用される糖アルコールとしては、澱粉の糖化製品を水添還元して得られるソルビトール、マルチトール、イソマルチトール、還元水飴、還元オリゴ糖、還元デキストリンなどが使用できる。他にも、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、アラビニトール、ラクチトール、パラチニット、リビトール、トレイトール、アリトール、イノシトール、クエルシトール、イノソースなども使用できる。
もちろん、上で例示した果糖や糖アルコールから必要に応じて適宜選択し、混合して得た液糖を使用することも可能である。
なお本発明では、重合度10以下の多糖をオリゴ糖、重合度11以上の多糖をデキストリンと称する。
本発明は、前述で得た液糖にカルシウム塩を添加し、400ppm以上含有させたものをカルシウム強化液糖とする。なお、本発明においてカルシウム塩400ppm以上とはカルシウムを基準とした濃度を意味する。
本発明で用いるCa塩は、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムが水溶性に優れているため高濃度のカルシウムが得られ、また液糖との相溶性も優れているので好ましい。
上記のカルシウム塩以外にも、水溶性であってカルシウム濃度400ppm以上含有する液糖が得られるものであれば使用可能である。
例えば、炭酸カルシウムや水酸化カルシウムの場合、酸性条件化で水溶液とし、液糖自体も酸性条件とするなどの手段をとれば、Caの溶解性が高まり使用可能となる。
このようにして得られたカルシウム強化液糖を希釈して、カルシウム濃度を80ppm以上とした時の希釈液がカルシウム可溶化作用を有するものが、本発明におけるカルシウム強化液糖である。
本発明で用いるCa塩は、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムが水溶性に優れているため高濃度のカルシウムが得られ、また液糖との相溶性も優れているので好ましい。
上記のカルシウム塩以外にも、水溶性であってカルシウム濃度400ppm以上含有する液糖が得られるものであれば使用可能である。
例えば、炭酸カルシウムや水酸化カルシウムの場合、酸性条件化で水溶液とし、液糖自体も酸性条件とするなどの手段をとれば、Caの溶解性が高まり使用可能となる。
このようにして得られたカルシウム強化液糖を希釈して、カルシウム濃度を80ppm以上とした時の希釈液がカルシウム可溶化作用を有するものが、本発明におけるカルシウム強化液糖である。
カルシウム強化液糖に、リン酸化糖、カゼインホスホペプチド、有機酸よりなる群より選ばれた1以上の物質を添加すると、よりカルシウム濃度の高いカルシウム強化液糖を得ることが可能となる。
液糖に添加するリン酸化糖としては、リン酸化単糖、リン酸化オリゴ糖、リン酸化デキストリン、リン酸化澱粉、リン酸化多糖などのリン酸化糖類、リン酸化糖アルコール、リン酸化還元オリゴ糖、リン酸化還元デキストリンなどのリン酸化糖アルコール類があり、糖類やアルコール類にリン酸基の結合したものは全て使用できる。
これらリン酸化糖の原料の糖類としては、食品や飲料に最も多く利用されている澱粉由来の糖化製品があり、グルコース、マルトースなどのマルトオリゴ糖類、イソマルトースなどのイソマルトオリゴ糖類、水あめ、マルトデキストリンなどを原料としてリン酸化糖を製造することができる。リン酸基の結合方法としては、通常、リン酸塩を混合して高温で焙焼する方法が採られるが、ホスホリラーゼやフォスファターゼなどの酵素を用いてリン酸化する方法も可能である。
なお、グルコースを構成するものの結合状態の異なるセロビオ−ス、ラミナリビオース、ゲンチオビオースなどのオリゴ糖や、デキストランやセルロースなどの多糖もリン酸化することができる。さらに、グルコース以外の単糖、例えば、果糖、マンノース、ガラクトースなどの六炭糖、キシロース、アラビノース、リボースなどの五炭糖などの糖をリン酸化することもでき、グルコース以外の構成糖を含む、砂糖、ラクト−ス、トレハロース、キシロビオ−ス、メリビオ−ス、キトビオ−ス、ラクチュロ−ス、ゲンチオビオ−ス、パラチノ−ス、トレハルロ−ス、コウジビオ−ス、ニゲロ−ス、ラミナリビオ−ス、カップリングシュガ−、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、セロオリゴ糖、キシロオリゴ糖などのオリゴ糖やデキストリンなど、キシラン、グルコマンナンなどの多糖類をリン酸化したものが、いずれもリン酸化糖として使用できる。また、植物などに含まれるフィチン酸も天然のリン酸化糖として使用できる。
リン酸化糖の中でも、重合度が11以上のマルトデキストリンにリン酸が結合したリン酸化マルトデキストリン(PMD)が、極めて少ない添加量でカルシウム可溶化作用を向上させることが可能であるため、特に好適に使用可能である。(特許文献2参照)
液糖に添加するリン酸化糖としては、リン酸化単糖、リン酸化オリゴ糖、リン酸化デキストリン、リン酸化澱粉、リン酸化多糖などのリン酸化糖類、リン酸化糖アルコール、リン酸化還元オリゴ糖、リン酸化還元デキストリンなどのリン酸化糖アルコール類があり、糖類やアルコール類にリン酸基の結合したものは全て使用できる。
これらリン酸化糖の原料の糖類としては、食品や飲料に最も多く利用されている澱粉由来の糖化製品があり、グルコース、マルトースなどのマルトオリゴ糖類、イソマルトースなどのイソマルトオリゴ糖類、水あめ、マルトデキストリンなどを原料としてリン酸化糖を製造することができる。リン酸基の結合方法としては、通常、リン酸塩を混合して高温で焙焼する方法が採られるが、ホスホリラーゼやフォスファターゼなどの酵素を用いてリン酸化する方法も可能である。
なお、グルコースを構成するものの結合状態の異なるセロビオ−ス、ラミナリビオース、ゲンチオビオースなどのオリゴ糖や、デキストランやセルロースなどの多糖もリン酸化することができる。さらに、グルコース以外の単糖、例えば、果糖、マンノース、ガラクトースなどの六炭糖、キシロース、アラビノース、リボースなどの五炭糖などの糖をリン酸化することもでき、グルコース以外の構成糖を含む、砂糖、ラクト−ス、トレハロース、キシロビオ−ス、メリビオ−ス、キトビオ−ス、ラクチュロ−ス、ゲンチオビオ−ス、パラチノ−ス、トレハルロ−ス、コウジビオ−ス、ニゲロ−ス、ラミナリビオ−ス、カップリングシュガ−、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、セロオリゴ糖、キシロオリゴ糖などのオリゴ糖やデキストリンなど、キシラン、グルコマンナンなどの多糖類をリン酸化したものが、いずれもリン酸化糖として使用できる。また、植物などに含まれるフィチン酸も天然のリン酸化糖として使用できる。
リン酸化糖の中でも、重合度が11以上のマルトデキストリンにリン酸が結合したリン酸化マルトデキストリン(PMD)が、極めて少ない添加量でカルシウム可溶化作用を向上させることが可能であるため、特に好適に使用可能である。(特許文献2参照)
カルシウム強化液糖に添加するリン酸化糖の濃度は1〜10000ppmの範囲で有効性を発揮するものが多いが、種類によって異なるため、リン酸化糖に合わせた有効濃度にすることが好ましい。
本発明で液糖に添加するカゼインホスホペプチドとしては、有効成分であるホスホセリンを含む牛乳カゼインを蛋白分解酵素で分解して得られるペプチドや蛋白質、及びそれらのCa塩を全て使用できる。例えば、カゼインホスホペプチド(CPP)や、カルシウムカゼインホスホペプチド(CCP)などが使用できる。
なお、カルシウム強化液糖に添加するカゼインホスホペプチドは大量に添加するとペプチドが本来持っている苦味が強くなるため、10000ppm以下の濃度とすることが好ましい。
なお、カルシウム強化液糖に添加するカゼインホスホペプチドは大量に添加するとペプチドが本来持っている苦味が強くなるため、10000ppm以下の濃度とすることが好ましい。
本発明で液糖に添加する有機酸としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、フマル酸、コハク酸、酢酸、乳酸、アジピン酸、イタコン酸、安息香酸、アスコルビン酸、グルコノデルタラクトン、マレイン酸、酸性アミノ酸などが挙げられる。
これらの有機酸は、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、アルミニウム塩として用いることもできる。
なお、カルシウム強化液糖に添加する有機酸の濃度は、100〜100000ppmとすることが好ましい。100ppm未満の場合は効果が低くなり、また、100000ppmを越えた場合は有機酸の持つ酸味が強くなりすぎるおそれがある。
これらの有機酸は、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、アルミニウム塩として用いることもできる。
なお、カルシウム強化液糖に添加する有機酸の濃度は、100〜100000ppmとすることが好ましい。100ppm未満の場合は効果が低くなり、また、100000ppmを越えた場合は有機酸の持つ酸味が強くなりすぎるおそれがある。
上記述べたとおり、リン酸化糖、カゼインホスホペプチド、有機酸は、それぞれ単独で液糖に添加しても効果を有するが、これらから2種以上選択して任意の割合で添加することができ、このようにすることで相乗的な効果を得ることが可能である。
即ち、リン酸化糖と有機酸を組み合わせて添加する場合では、リン酸化糖単独で添加した場合よりも、リン酸化糖が少ない添加量で効果が発揮されるようになり、有機酸の添加量も有機酸単独で添加した場合よりも少なくすることが可能である。また、カゼインホスホペプチドと有機酸を組み合わせて添加した場合も同様である。
従って、リン酸化糖、カゼインホスホペプチド、有機酸は、これらから2種以上を選択して任意の割合で組み合わせて液糖に添加することで、それぞれを単独で添加するよりも、合計の添加量を少なくすることが可能であって、その結果、より効果の高いカルシウム強化液糖を低コストで得ることが可能となる。
即ち、リン酸化糖と有機酸を組み合わせて添加する場合では、リン酸化糖単独で添加した場合よりも、リン酸化糖が少ない添加量で効果が発揮されるようになり、有機酸の添加量も有機酸単独で添加した場合よりも少なくすることが可能である。また、カゼインホスホペプチドと有機酸を組み合わせて添加した場合も同様である。
従って、リン酸化糖、カゼインホスホペプチド、有機酸は、これらから2種以上を選択して任意の割合で組み合わせて液糖に添加することで、それぞれを単独で添加するよりも、合計の添加量を少なくすることが可能であって、その結果、より効果の高いカルシウム強化液糖を低コストで得ることが可能となる。
本発明においては、カルシウム強化液糖にCa塩以外の各種金属塩、例えば、塩化Mgや硫酸MgなどのMg塩、塩化鉄や硫酸鉄のような鉄塩などを、必要に応じて添加可能である。
次に、本発明のカルシウム強化液糖の標準的な製造方法を、塩化カルシウムを添加する場合を例として説明する。
先ず、少量の水に塩化カルシウムの二水塩を溶解して、これを果糖又は糖アルコールを含む液糖を添加してカルシウム強化液糖を製造することが好ましい。塩化カルシウムの粉末を直接液糖に添加しても製造は可能であるが、溶解に時間を要し好ましくない。
また、本発明で使用する液糖の固型分濃度は50%以上のものを使用することが望ましく、実際には固型分70〜85%の範囲であることが望ましい。固型分85%を超える濃度の液糖は製造が困難であり、また、微生物汚染を防ぐには、水分活性の数値を低くする必要があり、固型分50%未満の場合は微生物汚染の問題が発生するおそれがあるため好ましくない。
先ず、少量の水に塩化カルシウムの二水塩を溶解して、これを果糖又は糖アルコールを含む液糖を添加してカルシウム強化液糖を製造することが好ましい。塩化カルシウムの粉末を直接液糖に添加しても製造は可能であるが、溶解に時間を要し好ましくない。
また、本発明で使用する液糖の固型分濃度は50%以上のものを使用することが望ましく、実際には固型分70〜85%の範囲であることが望ましい。固型分85%を超える濃度の液糖は製造が困難であり、また、微生物汚染を防ぐには、水分活性の数値を低くする必要があり、固型分50%未満の場合は微生物汚染の問題が発生するおそれがあるため好ましくない。
カルシウム塩に加えて、リン酸化糖、カゼインホスホペプチド、有機酸等を添加する場合にも、予め少量の水に溶解させてから液糖に添加することが好ましい。
これらは別々の水溶液として液糖に添加しても良いが、予め混合水溶液としてから一度に液糖に添加することが可能である。その場合、水に溶解させる順序としては、最初にリン酸化糖及び/又はカゼインホスホペプチドを水に溶解させた後、さらにカルシウム塩を溶解させると、カルシウム溶解に要する時間が少なくなる場合があるので好ましい。
また、カルシウム塩の溶解は発熱反応であるが、有機酸の溶解はその多くが吸熱反応である。従って、カルシウム塩と有機酸を同時に溶解させることが、発熱反応と吸熱反応の組み合わせによってカルシウム塩の溶解に要する時間が少なくなるので好ましい。
また、リン酸化糖や有機酸を添加した本発明のカルシウム液糖は、高濃度化が可能であることや、カルシウム可溶化作用に加えて、透明性にも優れていることが特徴である。本発明のカルシウム液糖を、飲料などの液状製品の原料として使用する場合においては、製品の外観上の問題から、液糖の透明性の高さが重要な要求品質であり、リン酸化糖や有機酸を添加することはこの点でも効果的である。
これらは別々の水溶液として液糖に添加しても良いが、予め混合水溶液としてから一度に液糖に添加することが可能である。その場合、水に溶解させる順序としては、最初にリン酸化糖及び/又はカゼインホスホペプチドを水に溶解させた後、さらにカルシウム塩を溶解させると、カルシウム溶解に要する時間が少なくなる場合があるので好ましい。
また、カルシウム塩の溶解は発熱反応であるが、有機酸の溶解はその多くが吸熱反応である。従って、カルシウム塩と有機酸を同時に溶解させることが、発熱反応と吸熱反応の組み合わせによってカルシウム塩の溶解に要する時間が少なくなるので好ましい。
また、リン酸化糖や有機酸を添加した本発明のカルシウム液糖は、高濃度化が可能であることや、カルシウム可溶化作用に加えて、透明性にも優れていることが特徴である。本発明のカルシウム液糖を、飲料などの液状製品の原料として使用する場合においては、製品の外観上の問題から、液糖の透明性の高さが重要な要求品質であり、リン酸化糖や有機酸を添加することはこの点でも効果的である。
カルシウム強化液糖を製品に利用する場合は、製品の保存期間が1年以上となる場合があるため、長期間に亘ってカルシウムの析出、沈殿が生じないことが必要となる。
高濃度のカルシウムが長期間安定して溶解しており、透明性に優れたカルシウム強化液糖を得るには、pHが重要となる。アルカリ性条件下ではカルシウムの溶解性が失われるため、pH7以上では長期保存が困難となる。カルシウムや液糖に含まれる有機酸等の濃度などの各種条件によっては、pH5以上であってもカルシウムの沈殿が生じやすくなる場合がある。勿論、条件によってはpH5〜7の範囲でもカルシウムが安定に溶解している場合もあるが、液糖のpHをpH2〜5の範囲で調整することが望ましい。pHの調整は、酸やアルカリの添加で行なわれる。酸としては有機酸を用いることができ、塩酸、硫酸、リン酸なども使用できる。アルカリとしては、Ca(OH)2、NaOH、KOH、炭酸Ca、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが使用できる。
高濃度のカルシウムが長期間安定して溶解しており、透明性に優れたカルシウム強化液糖を得るには、pHが重要となる。アルカリ性条件下ではカルシウムの溶解性が失われるため、pH7以上では長期保存が困難となる。カルシウムや液糖に含まれる有機酸等の濃度などの各種条件によっては、pH5以上であってもカルシウムの沈殿が生じやすくなる場合がある。勿論、条件によってはpH5〜7の範囲でもカルシウムが安定に溶解している場合もあるが、液糖のpHをpH2〜5の範囲で調整することが望ましい。pHの調整は、酸やアルカリの添加で行なわれる。酸としては有機酸を用いることができ、塩酸、硫酸、リン酸なども使用できる。アルカリとしては、Ca(OH)2、NaOH、KOH、炭酸Ca、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどが使用できる。
本発明のカルシウム強化液糖は、食品、飲料、菓子、調味料、味質改善剤、口腔衛生剤、金属補給剤、金属吸収促進剤等及びそれらの原料として使用可能である。
さらに、本発明のカルシウム強化液糖を原料として、Caを80ppm以上含み、安定かつ透明性に優れた飲料を製造することができる。
さらに本発明カルシウム強化液糖は、当該液糖を希釈してカルシウム濃度80ppm以上とした場合にカルシウム可溶化作用を有することから、これを用いることで、高濃度のカルシウムが有効な性状で含まれるカルシウム強化飲料を容易に提供することが可能である。
さらに、本発明のカルシウム強化液糖を原料として、Caを80ppm以上含み、安定かつ透明性に優れた飲料を製造することができる。
さらに本発明カルシウム強化液糖は、当該液糖を希釈してカルシウム濃度80ppm以上とした場合にカルシウム可溶化作用を有することから、これを用いることで、高濃度のカルシウムが有効な性状で含まれるカルシウム強化飲料を容易に提供することが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
また、実施例、比較例で使用する水は、全て精製水(電気抵抗が1μS以下に精製された水)を用いるものとする。
又、以下の実施例において、Ca可溶化作用試験測定は以下の方法で行った。
[Ca可溶化作用試験測定法]
(i)反応
試料のカルシウム強化液糖25gを水と混合して均一に溶解し、全量を50mLとして2倍希釈液を調製する。なお、水は全て精製水(電気抵抗が1μS以下に精製された水)を使用する。
JIS検定に合格した標準温度計で正確に36℃を表示し、温度変化が±0.3℃以内となる恒温槽を用意する。ガラス製の反応用バイアル瓶(容量13.5mL)に、試料2倍希釈液2mL、HEPES緩衝液(200mM,pH7.0)1mL、水(全量を9mLとするに必要な液量)、を加えて液量を9mLとしたものを同時に2本用意する。なお、必要に応じて、試料混合液のpHが6.5±0.2に調整されるように、適宜希釈されたNaOH溶液又はHCl溶液を予め添加して液量を調整して恒温槽に静置する。
得られた試料混合液を36±0.3℃の恒温槽に10分間以上静置してから、試料混合液のpHを7.00±0.02に調整する。pH調整に用いる希NaOH溶液又は希HCl溶液の添加量は100μL以内とする。pHの調整を終えた試料混合液は前記恒温槽に戻して10分間以上静置する。
次いで、36±0.3℃に調整された試料混合液の1本にKH2PO4(Caのモル濃度の20〜60%のリン酸モル濃度、すなわち、Ca10mMに対してリン酸2〜6mM)溶液1mLを投入し、もう1本にはKH2PO4の代わりに水1mLを投入してから、前記恒温槽に静置して5時間反応する。
(ii)Ca可溶化作用の評価
反応終了後、反応液の一部を採取して、12,000rpm、3分間遠心分離した後、上清を回収して、可溶性のCa濃度を測定する。
可溶性のCa濃度はCa測定キット(和光純薬製:カルシウムCテストワコー)で測定し、ppm単位で表示する。下記式からCa可溶化率を求める。
なお、本測定法で得られたCa可溶化率が70%以上のものを、カルシウム可溶化作用ありと判断する。
Ca可溶化率(%)=[KH2PO4添加反応終了液上清の可溶性Ca(ppm)/水添加反応終了液上清Ca(ppm)]×100
また、実施例、比較例で使用する水は、全て精製水(電気抵抗が1μS以下に精製された水)を用いるものとする。
又、以下の実施例において、Ca可溶化作用試験測定は以下の方法で行った。
[Ca可溶化作用試験測定法]
(i)反応
試料のカルシウム強化液糖25gを水と混合して均一に溶解し、全量を50mLとして2倍希釈液を調製する。なお、水は全て精製水(電気抵抗が1μS以下に精製された水)を使用する。
JIS検定に合格した標準温度計で正確に36℃を表示し、温度変化が±0.3℃以内となる恒温槽を用意する。ガラス製の反応用バイアル瓶(容量13.5mL)に、試料2倍希釈液2mL、HEPES緩衝液(200mM,pH7.0)1mL、水(全量を9mLとするに必要な液量)、を加えて液量を9mLとしたものを同時に2本用意する。なお、必要に応じて、試料混合液のpHが6.5±0.2に調整されるように、適宜希釈されたNaOH溶液又はHCl溶液を予め添加して液量を調整して恒温槽に静置する。
得られた試料混合液を36±0.3℃の恒温槽に10分間以上静置してから、試料混合液のpHを7.00±0.02に調整する。pH調整に用いる希NaOH溶液又は希HCl溶液の添加量は100μL以内とする。pHの調整を終えた試料混合液は前記恒温槽に戻して10分間以上静置する。
次いで、36±0.3℃に調整された試料混合液の1本にKH2PO4(Caのモル濃度の20〜60%のリン酸モル濃度、すなわち、Ca10mMに対してリン酸2〜6mM)溶液1mLを投入し、もう1本にはKH2PO4の代わりに水1mLを投入してから、前記恒温槽に静置して5時間反応する。
(ii)Ca可溶化作用の評価
反応終了後、反応液の一部を採取して、12,000rpm、3分間遠心分離した後、上清を回収して、可溶性のCa濃度を測定する。
可溶性のCa濃度はCa測定キット(和光純薬製:カルシウムCテストワコー)で測定し、ppm単位で表示する。下記式からCa可溶化率を求める。
なお、本測定法で得られたCa可溶化率が70%以上のものを、カルシウム可溶化作用ありと判断する。
Ca可溶化率(%)=[KH2PO4添加反応終了液上清の可溶性Ca(ppm)/水添加反応終了液上清Ca(ppm)]×100
<実施例1>
試料瓶に水193gを採取し、塩化カルシウム・二水塩7.3gを加えて溶解し、さらに果糖ぶどう糖液糖(果糖55%、固形分75%)を加えて全量を2000gとして均一に溶解してカルシウム強化液糖Aを得た。
得られたカルシウム強化液糖AにはCa1000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。
さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca100ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は、92%であった。
試料瓶に水193gを採取し、塩化カルシウム・二水塩7.3gを加えて溶解し、さらに果糖ぶどう糖液糖(果糖55%、固形分75%)を加えて全量を2000gとして均一に溶解してカルシウム強化液糖Aを得た。
得られたカルシウム強化液糖AにはCa1000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。
さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca100ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は、92%であった。
<実施例2>
塩化カルシウム・二水塩の代わりに乳酸カルシウム・五水塩15.4gを使用した以外は、実施例1と同様に操作してカルシウム強化液糖Bを得た。
得られたカルシウム強化液糖BにはCa1000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca100ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は93%であった。
塩化カルシウム・二水塩の代わりに乳酸カルシウム・五水塩15.4gを使用した以外は、実施例1と同様に操作してカルシウム強化液糖Bを得た。
得られたカルシウム強化液糖BにはCa1000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca100ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は93%であった。
<実施例3>
果糖ぶどう糖液糖の代わりに高果糖液糖(果糖95%、固形分75%)を使用した以外は、実施例1と同様に操作してカルシウム強化液糖Cを得た。
得られたカルシウム強化液糖CにはCa1000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca100ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は97%であった。
果糖ぶどう糖液糖の代わりに高果糖液糖(果糖95%、固形分75%)を使用した以外は、実施例1と同様に操作してカルシウム強化液糖Cを得た。
得られたカルシウム強化液糖CにはCa1000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca100ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は97%であった。
<比較例1>
果糖ぶどう糖液糖の代わりに水を使用した以外は、実施例1と同様に操作してCa含有液(1)を得た。
得られたCa含有液(1)にはカルシウム1000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液を10倍に希釈して、Ca100ppmを含む液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は65%であった。
果糖ぶどう糖液糖の代わりに水を使用した以外は、実施例1と同様に操作してCa含有液(1)を得た。
得られたCa含有液(1)にはカルシウム1000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液を10倍に希釈して、Ca100ppmを含む液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は65%であった。
<実施例4−1>
試料瓶に水191gを採取し、結合リン(P)=2.6%のリン酸化マルトデキストリン(以下、リン酸化糖(1)とする)40mgを加えて溶解し、さらに塩化カルシウム・二水塩8.8gを加えて溶解する。さらに果糖ぶどう糖液糖(果糖55%、固形分75%)を加えて全量を2000gとして均一に溶解してカルシウム強化液糖Dを得た。
得られたカルシウム強化液糖DにはCa1200ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca120ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は98%であった。
試料瓶に水191gを採取し、結合リン(P)=2.6%のリン酸化マルトデキストリン(以下、リン酸化糖(1)とする)40mgを加えて溶解し、さらに塩化カルシウム・二水塩8.8gを加えて溶解する。さらに果糖ぶどう糖液糖(果糖55%、固形分75%)を加えて全量を2000gとして均一に溶解してカルシウム強化液糖Dを得た。
得られたカルシウム強化液糖DにはCa1200ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca120ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は98%であった。
<実施例4−2>
リン酸化糖(1)の代わりに結合リン(P)=0.4%のリン酸化マルトデキストリン(以下、リン酸化糖(2)とする)100mgを使用した以外は、実施例4−1と同様に操作してカルシウム強化液糖Eを得た。
得られたカルシウム強化液糖EにはCa1200ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca120ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は91%であった。
リン酸化糖(1)の代わりに結合リン(P)=0.4%のリン酸化マルトデキストリン(以下、リン酸化糖(2)とする)100mgを使用した以外は、実施例4−1と同様に操作してカルシウム強化液糖Eを得た。
得られたカルシウム強化液糖EにはCa1200ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca120ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は91%であった。
<実施例4−3>
リン酸化糖(1)の代わりにカゼインホスホペプチド(和光純薬製)40mgを使用した以外は、実施例4−1と同様に操作してカルシウム強化液糖Fを得た。
得られたカルシウム強化液糖FにはCa1200ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca120ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は98%であった。
リン酸化糖(1)の代わりにカゼインホスホペプチド(和光純薬製)40mgを使用した以外は、実施例4−1と同様に操作してカルシウム強化液糖Fを得た。
得られたカルシウム強化液糖FにはCa1200ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca120ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は98%であった。
<比較例2>
リン酸化糖(1)を添加せず、果糖ぶどう糖液糖の代わりに水を使用した以外は、実施例4−1と同様に操作してCa含有液(2)を得た。
得られたCa含有液(2)にはカルシウム1200ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液を10倍に希釈して、Ca120ppmを含む液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は45%であった。
リン酸化糖(1)を添加せず、果糖ぶどう糖液糖の代わりに水を使用した以外は、実施例4−1と同様に操作してCa含有液(2)を得た。
得られたCa含有液(2)にはカルシウム1200ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液を10倍に希釈して、Ca120ppmを含む液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は45%であった。
<実施例5−1>
塩化カルシウム・二水塩の代わりに、乳酸カルシウム・五水塩18.5gを使用した以外は、実施例4−1と同様に操作してカルシウム強化液糖Gを得た。
得られたカルシウム強化液糖GにはCa1200ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca120ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は98%であった。
塩化カルシウム・二水塩の代わりに、乳酸カルシウム・五水塩18.5gを使用した以外は、実施例4−1と同様に操作してカルシウム強化液糖Gを得た。
得られたカルシウム強化液糖GにはCa1200ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca120ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は98%であった。
<実施例5−2>
塩化カルシウム・二水塩の代わりに、乳酸カルシウム・五水塩18.5gを使用した以外は、実施例4−2と同様に操作してカルシウム強化液糖Hを得た。
得られたカルシウム強化液糖HにはCa1200ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca120ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は92%であった。
塩化カルシウム・二水塩の代わりに、乳酸カルシウム・五水塩18.5gを使用した以外は、実施例4−2と同様に操作してカルシウム強化液糖Hを得た。
得られたカルシウム強化液糖HにはCa1200ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca120ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は92%であった。
<実施例5−3>
塩化カルシウム・二水塩の代わりに、乳酸カルシウム・五水塩18.5gを使用した以外は、実施例4−3と同様に操作してカルシウム強化液糖Iを得た。
得られたカルシウム強化液糖IにはCa1200ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca120ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は98%であった。
塩化カルシウム・二水塩の代わりに、乳酸カルシウム・五水塩18.5gを使用した以外は、実施例4−3と同様に操作してカルシウム強化液糖Iを得た。
得られたカルシウム強化液糖IにはCa1200ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca120ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は98%であった。
<比較例3>
リン酸化糖(1)を添加せず、果糖ぶどう糖液糖の代わりに水を使用した以外は、実施例5−1と同様にしてCa含有液(3)を得た
得られたCa含有液(3)にはカルシウム1200ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液を10倍に希釈して、Ca120ppmを含む液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は47%であった。
リン酸化糖(1)を添加せず、果糖ぶどう糖液糖の代わりに水を使用した以外は、実施例5−1と同様にしてCa含有液(3)を得た
得られたCa含有液(3)にはカルシウム1200ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液を10倍に希釈して、Ca120ppmを含む液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は47%であった。
<実施例6>
試料瓶に水100gを採取し、塩化Ca・二水塩29.4g、リンゴ酸160gを加えて、5N−NaOHでpH3に調整しながら溶解し、水を加えて全量を400gとした。さらに果糖ぶどう糖液糖(果糖55%、固形分75%)を加えて全量を2000gとして均一に溶解してカルシウム強化液糖Jを得た。
得られたカルシウム強化液糖JにはCa4000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca400ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は82%であった。
試料瓶に水100gを採取し、塩化Ca・二水塩29.4g、リンゴ酸160gを加えて、5N−NaOHでpH3に調整しながら溶解し、水を加えて全量を400gとした。さらに果糖ぶどう糖液糖(果糖55%、固形分75%)を加えて全量を2000gとして均一に溶解してカルシウム強化液糖Jを得た。
得られたカルシウム強化液糖JにはCa4000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca400ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は82%であった。
<実施例7>
試料瓶に水100gを採取し、塩化Ca・二水塩44g、クエン酸60gを加えて、5N−NaOHでpH3に調整しながら溶解し、水を加えて全量を400gとした。さらに果糖ぶどう糖液糖(果糖55%、固形分75%)を加えて全量を2000gとして均一に溶解してカルシウム強化液糖Kを得た。
得られたカルシウム強化液糖KにはCa6000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca600ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は91%であった。
試料瓶に水100gを採取し、塩化Ca・二水塩44g、クエン酸60gを加えて、5N−NaOHでpH3に調整しながら溶解し、水を加えて全量を400gとした。さらに果糖ぶどう糖液糖(果糖55%、固形分75%)を加えて全量を2000gとして均一に溶解してカルシウム強化液糖Kを得た。
得られたカルシウム強化液糖KにはCa6000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca600ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は91%であった。
<実施例8>
試料瓶に水100gを採取し、リン酸化糖(1)40mg、塩化Ca・二水塩 29.4g、リンゴ酸80gを加えて、5N−NaOHでpH3に調整しながら溶解し、水を加えて全量を400gとした。さらに果糖ぶどう糖液糖(果糖55%、固形分75%)を加えて全量を2000gとして均一に溶解してカルシウム強化液糖Lを得た。
得られたカルシウム強化液糖LにはCa4000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca400ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は93%であった。
試料瓶に水100gを採取し、リン酸化糖(1)40mg、塩化Ca・二水塩 29.4g、リンゴ酸80gを加えて、5N−NaOHでpH3に調整しながら溶解し、水を加えて全量を400gとした。さらに果糖ぶどう糖液糖(果糖55%、固形分75%)を加えて全量を2000gとして均一に溶解してカルシウム強化液糖Lを得た。
得られたカルシウム強化液糖LにはCa4000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca400ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は93%であった。
<実施例9>
試料瓶に水100gを採取し、リン酸化糖(2)100mg、乳酸Ca・五水塩61.6g、リンゴ酸80gを加えて、5N−NaOHでpH3に調整しながら溶解し、水を加えて全量を400gとした。さらに果糖ぶどう糖液糖(果糖 55%、固形分75%)を加えて全量を2000gとして均一に溶解してカルシウム強化液糖Mを得た。
得られたカルシウム強化液糖MにはCa4000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca400ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は91%であった。
試料瓶に水100gを採取し、リン酸化糖(2)100mg、乳酸Ca・五水塩61.6g、リンゴ酸80gを加えて、5N−NaOHでpH3に調整しながら溶解し、水を加えて全量を400gとした。さらに果糖ぶどう糖液糖(果糖 55%、固形分75%)を加えて全量を2000gとして均一に溶解してカルシウム強化液糖Mを得た。
得られたカルシウム強化液糖MにはCa4000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca400ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は91%であった。
<実施例10>
試料瓶に水100gを採取し、カゼインホスホペプチド40mg、塩化Ca・二水塩 29.4g、クエン酸60gを加えて、5N−NaOHでpH3に調整しながら溶解し、水を加えて全量を400gとした。さらに果糖ぶどう糖液糖(果糖55%、固形分75%)を加えて全量を2000gとして均一に溶解してカルシウム強化液糖Nを得た。
得られたカルシウム強化液糖NにはCa4000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca400ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は96%であった。
試料瓶に水100gを採取し、カゼインホスホペプチド40mg、塩化Ca・二水塩 29.4g、クエン酸60gを加えて、5N−NaOHでpH3に調整しながら溶解し、水を加えて全量を400gとした。さらに果糖ぶどう糖液糖(果糖55%、固形分75%)を加えて全量を2000gとして均一に溶解してカルシウム強化液糖Nを得た。
得られたカルシウム強化液糖NにはCa4000ppmが含まれており、室温で一ヶ月間保存してもCa塩の沈殿は生じなかった。さらに、加熱滅菌処理(120℃、20分間)しても沈殿は生じなかった。
該液糖を10倍に希釈して、Ca400ppmを含む糖液のCa可溶化作用を調べた。Ca可溶化率は96%であった。
<実施例11>
以下の方法により、実施例8のカルシウム強化液糖L(リン酸化糖(1)、リンゴ酸、Ca、果糖ぶどう糖液糖を含有)を原料として、カルシウム強化飲料を調製した。
カルシウム強化液糖Lを10部に、ビタミンC、ビタミンB2、ビタミンE、ビタミンB1のビタミン類及び水を加えて全量を100部とし、加熱滅菌処理(120℃、20分間)して健康飲料を作成した。得られた健康飲料は透明性の高いものであった。
滅菌処理後、室温で1ヶ月間保存して、Caの沈殿形成を観察したが、沈殿は認められなかった。また、透明性も維持されていた。
本健康飲料のCa可溶化率は93%と認められた。
以下の方法により、実施例8のカルシウム強化液糖L(リン酸化糖(1)、リンゴ酸、Ca、果糖ぶどう糖液糖を含有)を原料として、カルシウム強化飲料を調製した。
カルシウム強化液糖Lを10部に、ビタミンC、ビタミンB2、ビタミンE、ビタミンB1のビタミン類及び水を加えて全量を100部とし、加熱滅菌処理(120℃、20分間)して健康飲料を作成した。得られた健康飲料は透明性の高いものであった。
滅菌処理後、室温で1ヶ月間保存して、Caの沈殿形成を観察したが、沈殿は認められなかった。また、透明性も維持されていた。
本健康飲料のCa可溶化率は93%と認められた。
以上、実施例と比較例より、本発明のカルシウム強化液糖の希釈液は、リン酸塩の存在下においても、カルシウム可溶化作用を有し、吸収可能なカルシウムをより高い濃度で含有する飲料を製造可能であることが明らかである。
Claims (5)
- カルシウム塩を400ppm以上含有する果糖または糖アルコールを含む液糖であって、当該液糖を希釈してカルシウム濃度を80ppm以上とした時の希釈液がカルシウム可溶化作用を有することを特徴とするカルシウム強化液糖。
- リン酸化糖、カゼインホスホペプチド、有機酸からなる群より選ばれた1以上の物質を含むことを特徴とする請求項1に記載のカルシウム強化液糖。
- カルシウム塩以外の金属塩を含むことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のカルシウム強化液糖。
- リン酸化糖が、リン酸化単糖、リン酸化オリゴ糖、リン酸化デキストリン、リン酸化澱粉、リン酸化多糖、リン酸化糖アルコール、リン酸化還元オリゴ糖、リン酸化還元デキストリンからなる群より選ばれた1以上の物質であることを特徴とする請求項2〜3のいずれかに記載のカルシウム強化液糖。
- 請求項1〜4記載のカルシウム強化液糖を原料とし、カルシウム塩をカルシウム濃度80ppm以上含むことを特徴とするカルシウム強化飲料。
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---|---|---|---|
JP2006317917A JP2008125495A (ja) | 2006-11-27 | 2006-11-27 | カルシウム強化液糖 |
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---|---|---|---|---|
DE102008051787A1 (de) * | 2008-10-17 | 2010-04-22 | Nordzucker Ag | Wässrige Süßungsmittelzusammensetzung |
JP2010150144A (ja) * | 2008-12-24 | 2010-07-08 | Oji Cornstarch Co Ltd | 骨密度減少抑制組成物 |
JP2018201456A (ja) * | 2017-06-08 | 2018-12-27 | 株式会社サナス | 澱粉糖の製造方法 |
WO2019159914A1 (ja) * | 2018-02-14 | 2019-08-22 | 王子ホールディングス株式会社 | カルシウム溶解促進剤 |
-
2006
- 2006-11-27 JP JP2006317917A patent/JP2008125495A/ja active Pending
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