JP2008125380A - 機能性味噌の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】日常的食生活の中で継続的に摂取することで血圧上昇抑制作用及び/又は血圧降下作用が期待できる、風味良好な味噌及びそれを含む加工食品を提供すること、並びに、味噌の風味上の品質を低下させることなく、ACE阻害活性を有するペプチドを効率的に味噌中に生産させることができる、味噌の製造方法を提供すること。
【解決手段】仕込み工程又は発酵・熟成工程で獣乳カゼインを10重量%以上添加することを特徴とする、機能性味噌の製造方法を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】仕込み工程又は発酵・熟成工程で獣乳カゼインを10重量%以上添加することを特徴とする、機能性味噌の製造方法を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、新規な味噌、具体的には、血圧降下作用の機能を有する味噌、及びその製造方法に関する。
本発明はまた、前記味噌を含む加工食品及びその製造方法に関する。
本発明はまた、前記味噌を含む加工食品及びその製造方法に関する。
現在までに、血圧降下作用を有するさまざまなペプチドが食品用蛋白質の酵素分解物や微生物発酵食品から分離・報告されている。そのようなペプチドの中でも特にカルボキシ末端や内部配列にプロリン(Pro)残基を有するペプチドは、生体内で血圧調節作用を行う、いわゆるアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害活性を有する物が多く、生体内での血圧降下作用の発現に大きく寄与することが示されている。そのようなACE阻害活性を有するペプチドとしては、VPP(バリン-プロリン-プロリン)、IPP(イソロイシン-プロリン-プロリン)、LPP(ロイシン-プロリン-プロリン)、LKP(ロイシン-リジン-プロリン)、などのトリペプチドや、VY(バリン-チロシン)などのジペプチドが公知であるが、これらに限られない。また公知のACE阻害活性を有するペプチドに主として共通する特徴として、500以下の分子量を有すること、2〜5程度のアミノ酸残基が結合してなること、アミノ末端から2番目及び/又は3番目のアミノ酸残基がプロリンであることなどが挙げられる。
血圧降下作用を有するこれらACE阻害活性を有するペプチドの多くは、自然発症高血圧ラット(SHR)に対して強い血圧抑制効果を示すことも知られている(非特許文献1)。これらACE阻害活性を有する様々なペプチドは、食品用蛋白質原料を酵素的に分解して製造されており、その蛋白質原料としては、乳蛋白質、大豆蛋白質、卵蛋白質、小麦、魚肉や獣肉由来の蛋白質などが一般的に挙げられる。
一方、食品への利用が可能な微生物の代表的なものとして、ヨーグルトに使用される乳酸菌、パンや醸造に利用される酵母や納豆に使用される納豆菌などが良く知られている。このような微生物の発酵産物、例えば、乳酸菌の発酵乳がACE阻害活性を有するとの報告もなされている(特許文献1)。
最近、味噌にACE阻害活性を有するペプチドを増強する方法として味噌の製造時に脱脂粉乳を混合して熟成する方法が報告された(特許文献2、非特許文献2)。非特許文献2では、脱脂乳16%を添加して作製した味噌ではアンジオテンシン変換酵素阻害活性が通常味噌の約4倍程度に強化されることが報告されている。
味噌の食習慣の歴史は長く、日常的に食するためには、製造法を変えることによる風味の変化及び/又は悪化などといった味噌の品質低下が極めて大きな問題となる。例えば、非特許文献2に示される官能試験では、脱脂乳を添加した発酵味噌に対して、風味に違和感を感じるパネラーの割合が高い結果が得られており、調理方法の工夫が必要であることが示唆される。さらに、味噌の製造時には通常食塩が添加されることから、血圧降下作用が期待できる味噌を製造するには、味噌製造時の食塩添加量をなるべく少なく抑えることやACE阻害活性を有するペプチドの生産性をできるだけ高めることといった工夫が必要である。このように、日常的食生活の中で機能性味噌を継続的に摂取するためには、風味の変化を極力押さえる技術の開発やACE阻害活性を有するペプチドの生産性を高めた技術の開発が必須とされている。
血圧降下作用を有するこれらACE阻害活性を有するペプチドの多くは、自然発症高血圧ラット(SHR)に対して強い血圧抑制効果を示すことも知られている(非特許文献1)。これらACE阻害活性を有する様々なペプチドは、食品用蛋白質原料を酵素的に分解して製造されており、その蛋白質原料としては、乳蛋白質、大豆蛋白質、卵蛋白質、小麦、魚肉や獣肉由来の蛋白質などが一般的に挙げられる。
一方、食品への利用が可能な微生物の代表的なものとして、ヨーグルトに使用される乳酸菌、パンや醸造に利用される酵母や納豆に使用される納豆菌などが良く知られている。このような微生物の発酵産物、例えば、乳酸菌の発酵乳がACE阻害活性を有するとの報告もなされている(特許文献1)。
最近、味噌にACE阻害活性を有するペプチドを増強する方法として味噌の製造時に脱脂粉乳を混合して熟成する方法が報告された(特許文献2、非特許文献2)。非特許文献2では、脱脂乳16%を添加して作製した味噌ではアンジオテンシン変換酵素阻害活性が通常味噌の約4倍程度に強化されることが報告されている。
味噌の食習慣の歴史は長く、日常的に食するためには、製造法を変えることによる風味の変化及び/又は悪化などといった味噌の品質低下が極めて大きな問題となる。例えば、非特許文献2に示される官能試験では、脱脂乳を添加した発酵味噌に対して、風味に違和感を感じるパネラーの割合が高い結果が得られており、調理方法の工夫が必要であることが示唆される。さらに、味噌の製造時には通常食塩が添加されることから、血圧降下作用が期待できる味噌を製造するには、味噌製造時の食塩添加量をなるべく少なく抑えることやACE阻害活性を有するペプチドの生産性をできるだけ高めることといった工夫が必要である。このように、日常的食生活の中で機能性味噌を継続的に摂取するためには、風味の変化を極力押さえる技術の開発やACE阻害活性を有するペプチドの生産性を高めた技術の開発が必須とされている。
従って、本発明の目的は、日常的食生活の中で継続的に摂取することで血圧上昇抑制作用及び/又は血圧降下作用が期待できる、風味良好な味噌及びそれを含む加工食品を提供することである。
また本発明の目的は、味噌の風味上の品質を低下させることなく、ACE阻害活性を有するペプチドを効率的に味噌中に生産させることができる、味噌の製造方法を提供することである。
また本発明の目的は、味噌の風味上の品質を低下させることなく、ACE阻害活性を有するペプチドを効率的に味噌中に生産させることができる、味噌の製造方法を提供することである。
本発明者らは、味噌の製造方法において味噌原料を仕込む工程又は発酵・熟成させる工程でカゼインを含有する蛋白質原料、特に獣乳カゼインを10重量%以上の割合で添加することにより、味噌の風味上の品質を低下させることなくACE阻害活性を有するペプチドを味噌中で効率的に生産させることができることを見出し、この知見に基づき味噌の発酵・熟成に重要な諸条件を検討した結果、本発明の味噌及びその製造方法を開発するに至った。
本発明はいずれの理論にも拘束されることを望まないが、前記知見の理由としては、脱脂粉乳の替わりにカゼインを用いることによってホエーに含まれる乳糖その他の成分に由来する特異な異臭を有する副産物の生成を抑え、且つACE阻害活性を有するペプチドの原料として好適なカゼインを酵素反応により効率よく分解できたことが考えられる。
このようにして開発された本発明の味噌及びその製造方法並びに前記味噌を含む加工食品及びその製造方法は、具体的には以下の通りである。
本発明はいずれの理論にも拘束されることを望まないが、前記知見の理由としては、脱脂粉乳の替わりにカゼインを用いることによってホエーに含まれる乳糖その他の成分に由来する特異な異臭を有する副産物の生成を抑え、且つACE阻害活性を有するペプチドの原料として好適なカゼインを酵素反応により効率よく分解できたことが考えられる。
このようにして開発された本発明の味噌及びその製造方法並びに前記味噌を含む加工食品及びその製造方法は、具体的には以下の通りである。
本発明の味噌は、仕込み工程又は発酵・熟成工程で獣乳カゼインを10重量%以上添加した醸造物を含むことを特徴とする。
好ましくは、醸造物に含まれる全ペプチドの90%以上が分子量500以下のペプチドである。
また好ましくは、醸造物に含まれる全ペプチドを構成するアミノ酸のうち、プロリン含量の比率が15%以上である。
より好ましくは、醸造物に含まれる全ペプチドの、アミノ末端から2番目及び/又は3番目のアミノ酸として該当残基アミノ酸のなかでプロリン(Pro)を15%以上含むペプチドである。
さらに好ましくは、醸造物がアンジオテンシン変換酵素阻害活性を550 U/g以上有する。
これら本発明の味噌を製造する方法は、仕込み工程又は発酵・熟成工程で獣乳カゼインを10重量%以上添加することを特徴とする。
好ましくは、醸造物に含まれる全ペプチドの90%以上が分子量500以下のペプチドである。
また好ましくは、醸造物に含まれる全ペプチドを構成するアミノ酸のうち、プロリン含量の比率が15%以上である。
より好ましくは、醸造物に含まれる全ペプチドの、アミノ末端から2番目及び/又は3番目のアミノ酸として該当残基アミノ酸のなかでプロリン(Pro)を15%以上含むペプチドである。
さらに好ましくは、醸造物がアンジオテンシン変換酵素阻害活性を550 U/g以上有する。
これら本発明の味噌を製造する方法は、仕込み工程又は発酵・熟成工程で獣乳カゼインを10重量%以上添加することを特徴とする。
また、本発明の味噌含有食品の製造方法は、上述する本発明の味噌に調味料及び/又は食品を添加して、アンジオテンシン変換酵素阻害活性を一食当たりに7,800 U以上有するように加工することを特徴とする。
前記製造方法は、好ましくは、味噌を粉末化することを更に含む。
より好ましくは、味噌の粉末化が凍結乾燥により行われる。
また、本発明の味噌含有食品は、アンジオテンシン変換酵素阻害活性を一食当たり7,800 U以上有することを特徴とする。
前記味噌含有食品は、好ましくは、味噌が粉末化されている。
前記製造方法は、好ましくは、味噌を粉末化することを更に含む。
より好ましくは、味噌の粉末化が凍結乾燥により行われる。
また、本発明の味噌含有食品は、アンジオテンシン変換酵素阻害活性を一食当たり7,800 U以上有することを特徴とする。
前記味噌含有食品は、好ましくは、味噌が粉末化されている。
本発明によれば、ACE阻害活性を通常の味噌に比べて7倍以上有する、風味良好な味噌が提供される。
また、本発明によれば、獣乳カゼインを、味噌原料の仕込み又は発酵・熟成の工程の間に添加することで上記に示すような味噌が製造可能となる。また、このようにして製造した味噌に調味料及び/又は食品の添加、又は凍結乾燥などの加工を施すことで、利用性及び保存性を高めた味噌含有加工食品の製造が可能となる。
さらに、本発明によれば、ACE阻害活性を550 U/g以上有する味噌を提供することができる。また、さらに一食分の有効量として7,800 Uを含む様々な加工味噌が提供できる。
本発明の味噌は、日常の食事性成分としての摂取により高血圧者の血圧抑制効果が期待でき、また血圧高値者の血圧降下作用も期待出来ることから種々の機能性食品、医薬用途の食品及びそれらの製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、獣乳カゼインを、味噌原料の仕込み又は発酵・熟成の工程の間に添加することで上記に示すような味噌が製造可能となる。また、このようにして製造した味噌に調味料及び/又は食品の添加、又は凍結乾燥などの加工を施すことで、利用性及び保存性を高めた味噌含有加工食品の製造が可能となる。
さらに、本発明によれば、ACE阻害活性を550 U/g以上有する味噌を提供することができる。また、さらに一食分の有効量として7,800 Uを含む様々な加工味噌が提供できる。
本発明の味噌は、日常の食事性成分としての摂取により高血圧者の血圧抑制効果が期待でき、また血圧高値者の血圧降下作用も期待出来ることから種々の機能性食品、医薬用途の食品及びそれらの製造方法を提供することができる。
カゼインを添加して得られる本発明の味噌としては、例えば米麹と大豆蒸煮物と塩を原料とした米味噌、麦麹と大豆蒸煮物と塩を原料とした麦味噌、豆麹と塩を原料とした豆味噌、更に米味噌、麦味噌、豆味噌を組み合わせるか又は各種麹を組み合わせて作られる調合味噌など挙げられるが、いずれの味噌であってもよい。
本発明の味噌は、本技術分野において上述するいずれかの味噌の製造に通常用いられる方法に準じて製造することができる。より具体的には、本発明の味噌の製造方法は、米、麦などの穀類又は豆類を蒸煮したものに麹菌を添加して培養し、米麹、麦麹、豆麹といった各種麹を得る製麹工程;米、麦などの穀類又は豆類を蒸煮したもの、前記製麹工程で得られた各種麹、塩、水、その他任意の材料を所望の割合で混合して麹混合材料を得る仕込み工程;及び、前記麹混合材料を発酵・熟成させて醸造物を得る発酵・熟成工程;とを含み、更に、仕込み工程又は発酵・熟成工程においてカゼイン及び/又はその塩を添加することを特徴とする。
本発明の味噌は、本技術分野において上述するいずれかの味噌の製造に通常用いられる方法に準じて製造することができる。より具体的には、本発明の味噌の製造方法は、米、麦などの穀類又は豆類を蒸煮したものに麹菌を添加して培養し、米麹、麦麹、豆麹といった各種麹を得る製麹工程;米、麦などの穀類又は豆類を蒸煮したもの、前記製麹工程で得られた各種麹、塩、水、その他任意の材料を所望の割合で混合して麹混合材料を得る仕込み工程;及び、前記麹混合材料を発酵・熟成させて醸造物を得る発酵・熟成工程;とを含み、更に、仕込み工程又は発酵・熟成工程においてカゼイン及び/又はその塩を添加することを特徴とする。
添加されるカゼイン又はその塩は、いずれの食品由来のものであってもよいが、獣乳由来のカゼイン又はその塩が好ましい。獣乳としては、例えば牛、ヤギ、羊、馬といった家畜由来のものが挙げられ、より好ましくは牛由来のものである。また、カゼインの塩としては、例えば、カゼインナトリウム、カゼインカルシウム等が挙げられるが、特に好ましくはカゼインナトリウムである。
カゼインは、αS-カゼイン(αS1-カゼイン、αS2-カゼイン)、β-カゼイン、γ-カゼイン、κ-カゼインなどに分類されるリン蛋白質である。本明細書において「カゼイン」とは、αS-カゼイン(αS1-カゼイン、αS2-カゼイン)、β-カゼイン、γ-カゼイン、κ-カゼインなどのカゼインとして分類されるいずれのリン蛋白質及びそれらの塩をも指すこととする。
本発明では、仕込み工程から発酵・熟成工程の間のいずれかの時点において味噌原料中にカゼインが存在していればよく、よってカゼインを添加する時期は特に限定されないが、仕込み工程に添加するのが操作上好ましい。
本発明では、上記のいずれかの種類の味噌原料に10重量%以上のカゼインを添加して熟成発酵させる。添加するカゼインの量としては10重量%以上が好ましく、より好ましくは10〜18重量%であり、最も好ましくは12〜16重量%である。
カゼインは、αS-カゼイン(αS1-カゼイン、αS2-カゼイン)、β-カゼイン、γ-カゼイン、κ-カゼインなどに分類されるリン蛋白質である。本明細書において「カゼイン」とは、αS-カゼイン(αS1-カゼイン、αS2-カゼイン)、β-カゼイン、γ-カゼイン、κ-カゼインなどのカゼインとして分類されるいずれのリン蛋白質及びそれらの塩をも指すこととする。
本発明では、仕込み工程から発酵・熟成工程の間のいずれかの時点において味噌原料中にカゼインが存在していればよく、よってカゼインを添加する時期は特に限定されないが、仕込み工程に添加するのが操作上好ましい。
本発明では、上記のいずれかの種類の味噌原料に10重量%以上のカゼインを添加して熟成発酵させる。添加するカゼインの量としては10重量%以上が好ましく、より好ましくは10〜18重量%であり、最も好ましくは12〜16重量%である。
本発明の製造方法に用いられる材料は、カゼインを除き、本技術分野でいずれかの味噌の製造に通常用いられるものを使用することができる。例えば、味噌の材料として使用される穀類としては米、麦などが代表的であるが、トウモロコシ、ソバ、アワ、ヒエといった他の穀類を用いることもできる。麦としては、大麦、裸麦、はと麦、ライ麦、小麦といった食用とされる麦のいずれをも用いることができる。また、味噌の材料として使用される豆類としては大豆が代表的であるが、例えば緑豆、えんどう豆、黒豆、小豆、そら豆といった食用の豆のいずれをも用いることができる。これらの穀類及び豆類は、品種、産地などについては特に限定されることなく使用できる。
また、各種麹を得るために添加・培養される麹菌としては、本技術分野で味噌の製造に用いられる麹菌のいずれをも使用することができるが、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)、アスペルギルス・タマリ(Aspergillus tamari)などが好ましい。麹菌は、種麹の形態で穀類及び/又は豆類を蒸煮したものに添加されてもよい。麹菌を添加して培養する温度は、使用する麹菌の最適生育温度に依存するが、例えば、20〜45℃好ましくは25〜40℃である。
本発明で味噌の材料として用いられる塩は何れの食用塩であってもよく、例えば食塩、特級塩、岩塩、並塩、白塩などが挙げられる。
また、各種麹を得るために添加・培養される麹菌としては、本技術分野で味噌の製造に用いられる麹菌のいずれをも使用することができるが、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)、アスペルギルス・タマリ(Aspergillus tamari)などが好ましい。麹菌は、種麹の形態で穀類及び/又は豆類を蒸煮したものに添加されてもよい。麹菌を添加して培養する温度は、使用する麹菌の最適生育温度に依存するが、例えば、20〜45℃好ましくは25〜40℃である。
本発明で味噌の材料として用いられる塩は何れの食用塩であってもよく、例えば食塩、特級塩、岩塩、並塩、白塩などが挙げられる。
任意の材料としては耐塩性の酵母、耐塩性の乳酸菌などが挙げられ、これらを仕込み工程において更に添加し混合して、麹混合材料を得てもよい。耐塩性の酵母としては、例えばチゴサッカロミセス・ルキシー(Zygosaccharomyces rouxii)、カンジダ・バーサチルス(Candida versatilis)、カンジダ・エチェルシー(Candida etchellsii)などが挙げられ、耐塩性の乳酸菌としては、例えばテトラジェノコッカス・ハロフィラス(Tetragenococcus halophilus)、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。このような任意の材料及びその添加量については、所望する味噌の種類に基づき、当業者の技術常識の範囲内で設定することができる。
カゼイン以外の材料(穀類、豆類、塩、任意の材料)は、製造しようとする味噌の種類により所望の割合で配合することができる。例えば、麹の配合割合は通常15〜50重量%(5割麹〜20割麹)であり、好ましくは20〜30重量%(10割麹)である。また塩の配合割合は、5重量%以上が適当であり、好ましくは9〜12重量%である。麹混合材料について目標とされる水分含量は、使用する全ての材料に含まれる水分量を考慮して、35〜55重量%の範囲で調整することができる。
仕込み工程で得られた麹混合材料は、仕込み工程又は発酵・熟成工程の間にカゼイン又はその塩が添加されて発酵・熟成が行われ、醸造物、すなわち味噌が製造される。本発明の製造方法では、発酵・熟成工程を10〜60℃、好ましくは25〜35℃又は45〜55℃で行う。また、発酵・熟成工程の途中で必要に応じて適宜攪拌が行われてもよい。発酵・熟成工程の期間は、熟成温度にもよるが、例えば25〜35℃では約1ヶ月〜1年、45〜55℃では約1〜7日であるのが好ましい。
カゼイン以外の材料(穀類、豆類、塩、任意の材料)は、製造しようとする味噌の種類により所望の割合で配合することができる。例えば、麹の配合割合は通常15〜50重量%(5割麹〜20割麹)であり、好ましくは20〜30重量%(10割麹)である。また塩の配合割合は、5重量%以上が適当であり、好ましくは9〜12重量%である。麹混合材料について目標とされる水分含量は、使用する全ての材料に含まれる水分量を考慮して、35〜55重量%の範囲で調整することができる。
仕込み工程で得られた麹混合材料は、仕込み工程又は発酵・熟成工程の間にカゼイン又はその塩が添加されて発酵・熟成が行われ、醸造物、すなわち味噌が製造される。本発明の製造方法では、発酵・熟成工程を10〜60℃、好ましくは25〜35℃又は45〜55℃で行う。また、発酵・熟成工程の途中で必要に応じて適宜攪拌が行われてもよい。発酵・熟成工程の期間は、熟成温度にもよるが、例えば25〜35℃では約1ヶ月〜1年、45〜55℃では約1〜7日であるのが好ましい。
本発明の製造方法により得られた味噌に含まれるペプチド(本明細書中これ以降で「味噌ペプチド」とも呼ばれる)は、分子量が500以下であるペプチドが全ペプチド中50% 以上を占めるのが好ましく、90%以上を占めるのがより好ましい。また本発明の全ペプチド中、分子量が500以下であるペプチドの分子量は200〜400であるのが好ましい。
本発明の製造方法により得られた味噌は、全ペプチドを構成するアミノ酸のうち、プロリン含量の比率が5%以上、より好ましくは15%以上である。
また本発明の製造方法により得られた味噌は、全ペプチドのアミノ末端から2番目及び/又は3番目のアミノ酸残基としてプロリンが該当残基のなかで10%以上を含むものである。また、15%以上含むのがより好ましい。
本発明の製造方法により得られた味噌は、高いACE阻害活性を有する。本発明の味噌としては、550 U/g以上のACE阻害活性を有するのが好ましく、より好ましくは800 U/g以上のACE阻害活性を有する。
本発明の製造方法により得られる高いACE阻害活性を有する味噌は、味噌ペプチドの分子量やアミノ酸分析の結果から、ACE阻害活性を有するペプチドが高濃度で含有されていることが推測される。
本発明の製造方法により得られた味噌は、全ペプチドを構成するアミノ酸のうち、プロリン含量の比率が5%以上、より好ましくは15%以上である。
また本発明の製造方法により得られた味噌は、全ペプチドのアミノ末端から2番目及び/又は3番目のアミノ酸残基としてプロリンが該当残基のなかで10%以上を含むものである。また、15%以上含むのがより好ましい。
本発明の製造方法により得られた味噌は、高いACE阻害活性を有する。本発明の味噌としては、550 U/g以上のACE阻害活性を有するのが好ましく、より好ましくは800 U/g以上のACE阻害活性を有する。
本発明の製造方法により得られる高いACE阻害活性を有する味噌は、味噌ペプチドの分子量やアミノ酸分析の結果から、ACE阻害活性を有するペプチドが高濃度で含有されていることが推測される。
また本発明の製造方法によって得られた味噌は、砂糖、塩、醤油、酒といった様々な調味料及び/又は他の製造方法によって製造された味噌などの調味料や様々な食品具材と混合して、加工食品を製造することも出来る。そのような加工食品の例としては、インスタント味噌汁を初めとして、インスタント麺類、菓子類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。このような加工食品を製造する場合、本発明の味噌は、単独で又は調味料や食品具材と一緒に、凍結乾燥などの方法により粉末化形態に加工されてもよい。また本発明の味噌は、これ以外にも多様な食品形態に加工及び/又は利用することが可能である。
従って本発明は、生体内での血圧降下作用が期待できる味噌又はその味噌を含む加工食品を提供することが出来る。特に、ヒトでの有効性を期待して味噌を加工する場合は、一食当たりのACE阻害活性として、例えば7,800 U以上を摂取できる食品形態に加工されることが好ましい。
あるいは、本発明の味噌は多様な食品形態に加工及び/又は利用することができるため、一日当たりの目標摂取量を一食で摂取することも可能であり、また複数回に分けて摂取することによって一日当たりの目標摂取量を達成することも可能である。
従って本発明は、生体内での血圧降下作用が期待できる味噌又はその味噌を含む加工食品を提供することが出来る。特に、ヒトでの有効性を期待して味噌を加工する場合は、一食当たりのACE阻害活性として、例えば7,800 U以上を摂取できる食品形態に加工されることが好ましい。
あるいは、本発明の味噌は多様な食品形態に加工及び/又は利用することができるため、一日当たりの目標摂取量を一食で摂取することも可能であり、また複数回に分けて摂取することによって一日当たりの目標摂取量を達成することも可能である。
ACE阻害活性を有する食品がヒトに対して血圧降下作用を示す摂取量(有効量)については、これまでに幾つかの報告がなされている。例えば、乳酸菌Lactobacillus helveticus(ラクトバチルス・ヘルベティカス)CM4株発酵乳を加工・調製して製造した試験食を8週間飲用することで中等症高血圧者の血圧値が有意に降下する事が報告されている(平田ら、新薬と臨床、J.New Rem. & Clin. Vol. 51, 60-69)。この試験食が含有する蛋白質の推定量から、CM4発酵乳が試験食120 g中に約60 ml含まれることが推定される。また、このCM4発酵乳のACE阻害活性は130 U/mlであることが報告されている(山本ら、特開平09-277949)。これら過去の臨床試験成績の結果から計算して、高血圧者の血圧降下作用を期待するには、一日当たり130 U×60(ml)=7,800 U以上のACE阻害活性を有する量のCM4発酵乳を摂取することが望ましいと考えられる。
これを本発明の味噌の場合に置き換えると、一日当たりの摂取量として7,800 UのACE阻害活性を有する量の味噌を摂取すれば、血圧降下作用が期待できる。本発明の味噌のACE阻害活性が550 U/gであると仮定すると、一日当たり14.2 gの目標摂取量を摂取することにより血圧降下作用が期待される計算となる。しかし、こうした血圧効果を有するペプチドは継続的に飲用することでその効果が高まる事が示されており(Mizuno et al. Br. J. Nutr, 94, 84-91, 2005)、より低いドーズでの血圧効果が期待できるため、これに限定されるものではない。
これを本発明の味噌の場合に置き換えると、一日当たりの摂取量として7,800 UのACE阻害活性を有する量の味噌を摂取すれば、血圧降下作用が期待できる。本発明の味噌のACE阻害活性が550 U/gであると仮定すると、一日当たり14.2 gの目標摂取量を摂取することにより血圧降下作用が期待される計算となる。しかし、こうした血圧効果を有するペプチドは継続的に飲用することでその効果が高まる事が示されており(Mizuno et al. Br. J. Nutr, 94, 84-91, 2005)、より低いドーズでの血圧効果が期待できるため、これに限定されるものではない。
下記実施例6の結果に示されるように、本発明の製造方法で得られた味噌は、in vivoの実験においても血圧降下作用を有することが確認された。一方、上述するものとは別の臨床試験成績として、乳酸菌の発酵乳2 mlを20週齢・雄の自然発症高血圧ラット(SHR)(推定体重330 g)に投与する事で血圧降下作用が確認されたとの報告がなされている(特開平6-40944号公報)。また、同じ乳酸菌の発酵乳95 mlをヒトに投与する事で血圧降下作用が確認されたとの報告もなされている(HataらAm. J. Clin. Nutr., 64, 767-771, 1996)。これらの臨床試験成績から得られる知見と本発明の実施例6の結果とに基づいて算出すると、本発明のカゼイン味噌をヒトが摂取する場合には(SHRからヒトへの換算係数 95 ml/2 ml=47.5を0.6 gに乗じて)、一日当たり28.5 gを毎日摂取することで血圧降下作用が期待される。しかしながら、実施例6で用いたカゼイン味噌の投与量はSHRの血圧降下作用に対する最小有効量を示すものではなく、また上述のようなACE阻害活性の観点から算出される有効量から、さらに少ない本発明のカゼイン味噌の摂取でのヒトでの有効性が期待できるものと考えられる。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されない。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されない。
<各種味噌のACE阻害活性評価>
[各種味噌の製造方法]
米を水で一晩浸漬した後、約1時間水切りして無圧で30分間蒸した。冷却後味噌用の種麹(アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae))を蒸米に対して0.01%添加し、30℃で製麹を開始し、品温が40℃に達しないように、切返し(手入れ)を18時間後及び36時間後に行い、約40時間後出麹とした。大豆を水で一晩浸漬を行った後、水切りして1.2 kg/cm2で15分間蒸した。出来上がった米麹、蒸大豆、食塩、酵母(チゴサッカロミセス・ルキシー(Zygosaccharomyces rouxii))、とカゼインナトリウム又は脱脂粉乳を用いて、麹割合14割、仕込み目標水分45.2%、目標塩分10.8%、カゼインナトリウム又は脱脂粉乳16%の仕込みを行った。カゼインナトリウムも脱脂粉乳も添加しない通常味噌は、カゼインナトリウム又は脱脂粉乳の配合割合をそれ以外の材料で代替している。
表1、表1(I)、表1(II)に示す割合にて各種味噌の材料を仕込んだ後、30℃で60日間発酵・熟成を行って、通常味噌(対照)、脱脂粉乳で味噌材料の一部を代替した特許文献2の脱脂乳味噌、カゼインが添加される本発明のカゼイン味噌を製造した。
表1 米味噌仕込み配合割合
[各種味噌の製造方法]
米を水で一晩浸漬した後、約1時間水切りして無圧で30分間蒸した。冷却後味噌用の種麹(アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae))を蒸米に対して0.01%添加し、30℃で製麹を開始し、品温が40℃に達しないように、切返し(手入れ)を18時間後及び36時間後に行い、約40時間後出麹とした。大豆を水で一晩浸漬を行った後、水切りして1.2 kg/cm2で15分間蒸した。出来上がった米麹、蒸大豆、食塩、酵母(チゴサッカロミセス・ルキシー(Zygosaccharomyces rouxii))、とカゼインナトリウム又は脱脂粉乳を用いて、麹割合14割、仕込み目標水分45.2%、目標塩分10.8%、カゼインナトリウム又は脱脂粉乳16%の仕込みを行った。カゼインナトリウムも脱脂粉乳も添加しない通常味噌は、カゼインナトリウム又は脱脂粉乳の配合割合をそれ以外の材料で代替している。
表1、表1(I)、表1(II)に示す割合にて各種味噌の材料を仕込んだ後、30℃で60日間発酵・熟成を行って、通常味噌(対照)、脱脂粉乳で味噌材料の一部を代替した特許文献2の脱脂乳味噌、カゼインが添加される本発明のカゼイン味噌を製造した。
表1 米味噌仕込み配合割合
[味噌ペプチドの分離方法]
味噌を蒸留水に400 mg/mlとなるように溶解し、超音波処理して充分に懸濁させ、3,000 rpmの遠心分離を10分間施した後、遠心上清を回収した。上清と等量の10%トリクロロ酢酸溶液(10%TCA溶液)を添加して室温にて10分放置し、蛋白質成分を酸変性させて沈殿させ、その後15,000 rpmの遠心分離を10分間施した後、遠心上清にペプチドを回収した。上清を蒸留水にて10倍に希釈して、あらかじめ100%メタノール、蒸留水洗浄にて活性化したSep-Pak tC-18カラム(ウォーターズ社製)に30 mlアプライして、蒸留水7 mlで洗浄後、30%メタノール2.5 mlで吸着画分を溶出し、減圧下で遠心濃縮した。得られた濃縮物を1.5 mlの蒸留水に溶解し、各種味噌ペプチドを得た。
味噌を蒸留水に400 mg/mlとなるように溶解し、超音波処理して充分に懸濁させ、3,000 rpmの遠心分離を10分間施した後、遠心上清を回収した。上清と等量の10%トリクロロ酢酸溶液(10%TCA溶液)を添加して室温にて10分放置し、蛋白質成分を酸変性させて沈殿させ、その後15,000 rpmの遠心分離を10分間施した後、遠心上清にペプチドを回収した。上清を蒸留水にて10倍に希釈して、あらかじめ100%メタノール、蒸留水洗浄にて活性化したSep-Pak tC-18カラム(ウォーターズ社製)に30 mlアプライして、蒸留水7 mlで洗浄後、30%メタノール2.5 mlで吸着画分を溶出し、減圧下で遠心濃縮した。得られた濃縮物を1.5 mlの蒸留水に溶解し、各種味噌ペプチドを得た。
[ACE阻害活性の測定]
CushmanとCheungの方法[D. W. Cushman and H. S.Cheung, Biochem. Pharmacol., 20 1637(1971)]に準じて行った。
即ち、上述のように調製した各種味噌ペプチドを0.1Mホウ酸緩衝液(0.3M NaClを含む、pH8.3)を用いて8倍、16倍、32倍又は32倍、64倍、128倍に希釈した後、夫々を試験管に0.08 ml入れ、これに基質として0.1Mホウ酸緩衝液(0.3M NaClを含む、pH8.3)で5 mMに調製したヒプリルヒスチジルロイシン(Hippuryl-His-Leu acetate salt、シグマ社製)0.2 mlを添加し、更に0.1Mホウ酸緩衝液(0.3M NaClを含む、pH8.3)で調製した0.1 U/mlのACE溶液(Angiotensin Converting Enzyme 0.1 U,シグマ社製)0.02 mlを添加し、37℃、50分間反応させた。その後、1N塩酸0.25 mlを添加して反応を停止させた後、1.7 mlの酢酸エチルを加え20秒間撹拌した。次いで酢酸エチル層1.4 mlを採取した後、120℃、40分間加熱し、溶媒を除去した。溶媒除去後、蒸留水1mlを加え、抽出されたヒプリル酸の吸収228nm値を測定した。これらの数値から以下の計算式によりACE阻害活性を求めた。その結果から阻害率50%の時の各種味噌ペプチド溶液の反応系における終濃度(=IC50)を溶液中の味噌濃度として求めた。さらにIC50の値を与える味噌ペプチドのACE阻害力価を1ユニット(1 U)として味噌1 g中に含まれるACE阻害活性(U/g)を求めた。
CushmanとCheungの方法[D. W. Cushman and H. S.Cheung, Biochem. Pharmacol., 20 1637(1971)]に準じて行った。
即ち、上述のように調製した各種味噌ペプチドを0.1Mホウ酸緩衝液(0.3M NaClを含む、pH8.3)を用いて8倍、16倍、32倍又は32倍、64倍、128倍に希釈した後、夫々を試験管に0.08 ml入れ、これに基質として0.1Mホウ酸緩衝液(0.3M NaClを含む、pH8.3)で5 mMに調製したヒプリルヒスチジルロイシン(Hippuryl-His-Leu acetate salt、シグマ社製)0.2 mlを添加し、更に0.1Mホウ酸緩衝液(0.3M NaClを含む、pH8.3)で調製した0.1 U/mlのACE溶液(Angiotensin Converting Enzyme 0.1 U,シグマ社製)0.02 mlを添加し、37℃、50分間反応させた。その後、1N塩酸0.25 mlを添加して反応を停止させた後、1.7 mlの酢酸エチルを加え20秒間撹拌した。次いで酢酸エチル層1.4 mlを採取した後、120℃、40分間加熱し、溶媒を除去した。溶媒除去後、蒸留水1mlを加え、抽出されたヒプリル酸の吸収228nm値を測定した。これらの数値から以下の計算式によりACE阻害活性を求めた。その結果から阻害率50%の時の各種味噌ペプチド溶液の反応系における終濃度(=IC50)を溶液中の味噌濃度として求めた。さらにIC50の値を与える味噌ペプチドのACE阻害力価を1ユニット(1 U)として味噌1 g中に含まれるACE阻害活性(U/g)を求めた。
阻害率=[(A-B)/A]×100(%)
A:試料(味噌ペプチド)を含まない場合の228nmの吸光度
B:試料(味噌ペプチド)を添加した場合の228nmの吸光度
A:試料(味噌ペプチド)を含まない場合の228nmの吸光度
B:試料(味噌ペプチド)を添加した場合の228nmの吸光度
[味噌ペプチドのACE阻害活性の比較]
表2に示すように、特許文献2の味噌の製造方法(脱脂粉乳添加率16.0%、食塩濃度10.8%、水分45.2%、熟成60日)による脱脂乳味噌と、カゼインナトリウム添加率16.0%、食塩濃度10.8%、水分45.2%、熟成60日の条件にて製造した本発明のカゼイン味噌、及び対照としての通常味噌(食塩濃度12.0%、水分43.0%、熟成60日)のACE阻害活性を比較して下図に示した。図1及び表3に示すように通常味噌のACE阻害活性は122 U/gであったのに対して、特許文献2の味噌の製造方法による脱脂粉乳添加味噌(脱脂乳味噌)のACE阻害活性は511 U/gであり、報告のようにACE阻害活性は約4倍に増加していた。一方、本発明のカゼイン味噌のACE阻害活性は948 U/gであり通常味噌に比べて7.8倍に増加していたのみならず、脱脂乳味噌に比べてカゼイン味噌のACE阻害活性が1.9倍増加していた。
表2に示すように、特許文献2の味噌の製造方法(脱脂粉乳添加率16.0%、食塩濃度10.8%、水分45.2%、熟成60日)による脱脂乳味噌と、カゼインナトリウム添加率16.0%、食塩濃度10.8%、水分45.2%、熟成60日の条件にて製造した本発明のカゼイン味噌、及び対照としての通常味噌(食塩濃度12.0%、水分43.0%、熟成60日)のACE阻害活性を比較して下図に示した。図1及び表3に示すように通常味噌のACE阻害活性は122 U/gであったのに対して、特許文献2の味噌の製造方法による脱脂粉乳添加味噌(脱脂乳味噌)のACE阻害活性は511 U/gであり、報告のようにACE阻害活性は約4倍に増加していた。一方、本発明のカゼイン味噌のACE阻害活性は948 U/gであり通常味噌に比べて7.8倍に増加していたのみならず、脱脂乳味噌に比べてカゼイン味噌のACE阻害活性が1.9倍増加していた。
<本発明の味噌に含まれるペプチドサイズの解析>
カゼイン味噌中に生産されるACE阻害活性を有するペプチドの特徴を調べるために以下のような実験を行った。まず、含まれるペプチドの分子サイズを把握するために、実施例1にて得られたカゼイン味噌の味噌ペプチドをLC/MS(Shimadzu、LCMS-2010A)のスキャンモード分析に供して検出されるペプチド分子量の分布を測定した。LC/MSによる分離条件は、次の通りである。
[LC条件]
溶離液A:超純水 + 0.1% ギ酸、
溶離液B:アセトニトリル + 0.1% ギ酸
勾配:0〜50分(B: 0〜100%)
[MS条件]
[M+H]+ のスキャンモード
検出m/z 範囲:50 〜 2000
LC/MSのスキャンモードによるペプチドの分子サイズの分析結果を図3に示した。m/z 500 以上のシグナルは殆ど検出されないことから、カゼイン味噌中には分子量500以下ペプチドが主に含まれることが示された。シグナル強度に示される曲線の下部面積の計算からカゼイン味噌中には500以下のペプチド(アミノ酸残基が約5以下のペプチドに相当)が90%以上含まれることが示され、ACE阻害作用を発揮する理想的な短ペプチドの集合体であることが確認された。
カゼイン味噌中に生産されるACE阻害活性を有するペプチドの特徴を調べるために以下のような実験を行った。まず、含まれるペプチドの分子サイズを把握するために、実施例1にて得られたカゼイン味噌の味噌ペプチドをLC/MS(Shimadzu、LCMS-2010A)のスキャンモード分析に供して検出されるペプチド分子量の分布を測定した。LC/MSによる分離条件は、次の通りである。
[LC条件]
溶離液A:超純水 + 0.1% ギ酸、
溶離液B:アセトニトリル + 0.1% ギ酸
勾配:0〜50分(B: 0〜100%)
[MS条件]
[M+H]+ のスキャンモード
検出m/z 範囲:50 〜 2000
LC/MSのスキャンモードによるペプチドの分子サイズの分析結果を図3に示した。m/z 500 以上のシグナルは殆ど検出されないことから、カゼイン味噌中には分子量500以下ペプチドが主に含まれることが示された。シグナル強度に示される曲線の下部面積の計算からカゼイン味噌中には500以下のペプチド(アミノ酸残基が約5以下のペプチドに相当)が90%以上含まれることが示され、ACE阻害作用を発揮する理想的な短ペプチドの集合体であることが確認された。
<本発明の味噌に含まれるペプチドのアミノ酸組成の解析>
カゼイン味噌ペプチドのアミノ酸組成の特徴を明らかにするために、ペプチドのアミノ酸組成分析を行った。
実施例1にて得られた40μlの味噌ペプチドを200μlの6NのHCl存在下、110℃で22時間加水分解し、減圧乾固後、残渣を100μlの精製水に溶解し、0.22μmのフィルターでろ過した。ろ液を10倍に希釈し、そのうちの50μlをアミノ酸分析装置(日立アミノ酸分析計 L-8500形)を用いた特殊アミノ酸分析系/ニンヒドリン発色にて分析した。その結果、表4に示すようにカゼイン味噌中のペプチドにはProの含有率が高く16%以上の割合で含まれることが明らかとなった。
カゼイン味噌ペプチドのアミノ酸組成の特徴を明らかにするために、ペプチドのアミノ酸組成分析を行った。
実施例1にて得られた40μlの味噌ペプチドを200μlの6NのHCl存在下、110℃で22時間加水分解し、減圧乾固後、残渣を100μlの精製水に溶解し、0.22μmのフィルターでろ過した。ろ液を10倍に希釈し、そのうちの50μlをアミノ酸分析装置(日立アミノ酸分析計 L-8500形)を用いた特殊アミノ酸分析系/ニンヒドリン発色にて分析した。その結果、表4に示すようにカゼイン味噌中のペプチドにはProの含有率が高く16%以上の割合で含まれることが明らかとなった。
表4.カゼイン味噌のアミノ酸分析結果
一般に、ACE阻害作用を示すペプチドは短いものが多いことやPro残基を多く含むものが多く報告されている。従って、カゼイン味噌中に生産されたペプチドの組成分析を行うために実施例1にて得られた味噌ペプチドをペプチド混合物としてアミノ酸配列分析に供した。
一般に、ACE阻害作用を示すペプチドは短いものが多いことやPro残基を多く含むものが多く報告されている。従って、カゼイン味噌中に生産されたペプチドの組成分析を行うために実施例1にて得られた味噌ペプチドをペプチド混合物としてアミノ酸配列分析に供した。
実施例1にて得られたカゼイン味噌ペプチドを50倍希釈し、そのうち5μlを用いてN末端より10サイクルまで下記装置で分析した。
[装置]
プロテインシークエンサー:Procise cLC 492cLC型 (Applied Biosystems)
PTHアナライザー:140D型 (Applied Biosystems)
分析プログラム:Pulsed-liquid cLC
[装置]
プロテインシークエンサー:Procise cLC 492cLC型 (Applied Biosystems)
PTHアナライザー:140D型 (Applied Biosystems)
分析プログラム:Pulsed-liquid cLC
<カゼイン味噌と脱脂乳味噌の風味評価>
実施例1に従って表1(I)の配合で製造したカゼイン味噌と脱脂乳味噌との官能評価比較を17名で行った。官能評価比較は、味噌17 gをお湯180 mlで溶かし、2点識別法によって行った。
その結果、カゼイン味噌のほうが旨味、風味共により良いと感じた人は12名、脱脂粉乳味噌のほうが良いと感じた人は5名であり、カゼイン味噌のほうが脱脂粉乳味噌よりも官能的に好まれる傾向となった。
実施例1に従って表1(I)の配合で製造したカゼイン味噌と脱脂乳味噌との官能評価比較を17名で行った。官能評価比較は、味噌17 gをお湯180 mlで溶かし、2点識別法によって行った。
その結果、カゼイン味噌のほうが旨味、風味共により良いと感じた人は12名、脱脂粉乳味噌のほうが良いと感じた人は5名であり、カゼイン味噌のほうが脱脂粉乳味噌よりも官能的に好まれる傾向となった。
<加工味噌の調製>
実施例1に従って表1(I)の配合で製造した本発明のカゼイン味噌を用いて、調味料を添加した加工味噌を作製した。表6に示す配合割合の通りに、本発明のカゼイン味噌、鰹節粉末、鰹エキス、昆布エキス、酒精、アミノ酸系調味料、調整水を混合した。その後、味噌中の酵素による鰹節粉末等調味料の分解を防ぐ目的で、85℃にて5分間加熱した。
上記の通り調味料を添加したインスタント味噌20 gに対し、お湯160 mlで溶かし官能した。その結果、風味、旨味ともに良く、おいしく飲食できた。一方、ここで作製したインスタント味噌は一食分として20 g中に合計9,400 U以上のACE阻害活性を含むことが確認された。
実施例1に従って表1(I)の配合で製造した本発明のカゼイン味噌を用いて、調味料を添加した加工味噌を作製した。表6に示す配合割合の通りに、本発明のカゼイン味噌、鰹節粉末、鰹エキス、昆布エキス、酒精、アミノ酸系調味料、調整水を混合した。その後、味噌中の酵素による鰹節粉末等調味料の分解を防ぐ目的で、85℃にて5分間加熱した。
上記の通り調味料を添加したインスタント味噌20 gに対し、お湯160 mlで溶かし官能した。その結果、風味、旨味ともに良く、おいしく飲食できた。一方、ここで作製したインスタント味噌は一食分として20 g中に合計9,400 U以上のACE阻害活性を含むことが確認された。
<フリーズドライ食品の製造>
実施例4で作製した加工味噌と数種類の具材とを含んだフリーズドライ食品を、表7に示す配合で製造した。まず、具材をブランチングし、下記表7の通り、試験区毎に混合した。試験区1は、長ねぎ主体の配合、試験区2は、豆腐主体の配合、試験区3は、なす主体の配合とした。次に実施例4の加工味噌に対して表記の量の水を混合し溶解した。
ブランチングし混合した具材、溶解した味噌を表記の量配合し、−30℃で10時間以上の条件で予備凍結を行った。その後80〜85℃で24時間、品温が50℃で越えないような条件にて乾燥を行った。
以上のように製造した各試験区のフリーズドライ食品を、一食当たりお湯160 mlで溶かして味噌汁とし、官能評価した。その結果、どの試験区においても官能的に悪いものは無く、本発明のカゼイン味噌は幅広い具材に官能的に適することが分かった。
実施例4で作製した加工味噌と数種類の具材とを含んだフリーズドライ食品を、表7に示す配合で製造した。まず、具材をブランチングし、下記表7の通り、試験区毎に混合した。試験区1は、長ねぎ主体の配合、試験区2は、豆腐主体の配合、試験区3は、なす主体の配合とした。次に実施例4の加工味噌に対して表記の量の水を混合し溶解した。
ブランチングし混合した具材、溶解した味噌を表記の量配合し、−30℃で10時間以上の条件で予備凍結を行った。その後80〜85℃で24時間、品温が50℃で越えないような条件にて乾燥を行った。
以上のように製造した各試験区のフリーズドライ食品を、一食当たりお湯160 mlで溶かして味噌汁とし、官能評価した。その結果、どの試験区においても官能的に悪いものは無く、本発明のカゼイン味噌は幅広い具材に官能的に適することが分かった。
<カゼイン味噌の血圧降下作用の確認>
実施例1の表1(I)の配合にて製造したカゼイン味噌、通常味噌、脱脂乳味噌を、以下のように血圧降下作用について比較評価した。19〜21週齢のオスの自然発症高血圧ラット(SHR:日本チャールズリバー社)を8:00 AM/PMのタイムスケジュールにおける昼夜逆転飼育した環境にて充分馴化した後に血圧測定を行った。SHRは事前の血圧測定において収縮期血圧の平均値が±5 mmHgに相当するものを選別して1群6匹とした。SHRの血圧測定は強制経口投与による各種味噌ホモゲナイズ物をSHRに0.6 g/匹(1.8 g/kg)投与して5時間後の血圧降下値を評価した。その結果、水を投与したコントロール群に比較してカゼイン味噌では有意な血圧降下作用が確認された(t-testにおける有意差:*P<0.05)。一方、脱脂乳味噌に関しても平均血圧は降下したものの、コントロール群に比較して有意なものではなかった。また、通常味噌に関しても有意な血圧降下作用は認められなかった。これらの結果は、in vitroでのACE阻害活性にほぼ比例するものであった。
上記実施例の結果に示されるように、in vitro及びin vivoのいずれにおいても、本発明のカゼイン味噌による血圧降下作用を確認することができた。また、本試験ではSHRに対するカゼイン味噌の最小有効量を示すものではなく、さらに少ないカゼイン味噌の摂取でのヒトでの有効性が期待できるものと考えられる。
実施例1の表1(I)の配合にて製造したカゼイン味噌、通常味噌、脱脂乳味噌を、以下のように血圧降下作用について比較評価した。19〜21週齢のオスの自然発症高血圧ラット(SHR:日本チャールズリバー社)を8:00 AM/PMのタイムスケジュールにおける昼夜逆転飼育した環境にて充分馴化した後に血圧測定を行った。SHRは事前の血圧測定において収縮期血圧の平均値が±5 mmHgに相当するものを選別して1群6匹とした。SHRの血圧測定は強制経口投与による各種味噌ホモゲナイズ物をSHRに0.6 g/匹(1.8 g/kg)投与して5時間後の血圧降下値を評価した。その結果、水を投与したコントロール群に比較してカゼイン味噌では有意な血圧降下作用が確認された(t-testにおける有意差:*P<0.05)。一方、脱脂乳味噌に関しても平均血圧は降下したものの、コントロール群に比較して有意なものではなかった。また、通常味噌に関しても有意な血圧降下作用は認められなかった。これらの結果は、in vitroでのACE阻害活性にほぼ比例するものであった。
上記実施例の結果に示されるように、in vitro及びin vivoのいずれにおいても、本発明のカゼイン味噌による血圧降下作用を確認することができた。また、本試験ではSHRに対するカゼイン味噌の最小有効量を示すものではなく、さらに少ないカゼイン味噌の摂取でのヒトでの有効性が期待できるものと考えられる。
Claims (19)
- 仕込み工程又は発酵・熟成工程で獣乳カゼインを10重量%以上添加することを特徴とする、味噌の製造方法。
- 仕込み工程又は発酵・熟成工程で獣乳カゼインを10重量%以上添加することを特徴とする、血圧降下用又は血圧上昇抑制用味噌の製造方法。
- 味噌に含まれる全ペプチドの90%以上が分子量500以下のペプチドである、請求項1又は2記載の製造方法。
- 味噌に含まれる全ペプチドを構成するアミノ酸のうち、プロリン含量の比率が15%以上である、請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
- 味噌に含まれるペプチドのアミノ末端から2番目及び/又は3番目のアミノ酸としてプロリン(Pro)が全アミノ酸のなかで15%以上含まれるペプチドである、請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
- 味噌がアンジオテンシン変換酵素阻害活性を550ユニット(U)/g以上有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
- 仕込み工程又は発酵・熟成工程で獣乳カゼインを10重量%以上添加した醸造物を含むことを特徴とする、味噌。
- 仕込み工程又は発酵・熟成工程で獣乳カゼインを10重量%以上添加した醸造物を含むことを特徴とする、血圧降下用又は血圧上昇抑制用味噌。
- 醸造物に含まれる全ペプチドの90%以上が分子量500以下のペプチドである、請求項7又は8記載の味噌。
- 醸造物に含まれる全ペプチドを構成するアミノ酸のうち、プロリン含量の比率が15%以上である、請求項7〜9のいずれか1項記載の味噌。
- 醸造物に含まれるペプチドのアミノ末端から2番目及び/又は3番目のアミノ酸としてプロリン(Pro)が全アミノ酸のなかで15%以上含まれるペプチドである、請求項7〜10のいずれか1項記載の味噌。
- 醸造物がアンジオテンシン変換酵素阻害活性を550ユニット(U)/g以上有する、請求項7〜11のいずれか1項記載の味噌。
- 請求項7〜12のいずれか1項記載の味噌に調味料及び/又は食品を添加して、アンジオテンシン変換酵素阻害活性を一食当たり7,800ユニット(U)以上有するように加工することを特徴とする、味噌を含む食品の製造方法。
- 請求項7〜12のいずれか1項記載の味噌に調味料及び/又は食品を添加して、アンジオテンシン変換酵素阻害活性を一食当たり7,800ユニット(U)以上有するように加工することを特徴とする、味噌を含む血圧降下用又は血圧上昇抑制用食品の製造方法。
- 請求項7〜12のいずれか1項記載の味噌を粉末化することを更に含む、請求項13又は14記載の製造方法。
- 粉末化が凍結乾燥により行われる、請求項15記載の製造方法。
- アンジオテンシン変換酵素阻害活性を一食当たり7,800ユニット(U)以上有することを特徴とする、請求項7〜12のいずれか1項記載の味噌を含む食品。
- アンジオテンシン変換酵素阻害活性を一食当たり7,800ユニット(U)以上有することを特徴とする、請求項7〜12のいずれか1項記載の味噌を含む血圧降下用又は血圧上昇抑制用食品。
- 請求項7〜12のいずれか1項記載の味噌が粉末化されている、請求項17又は18記載の食品。
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