JP2008123993A - 液滴塗布装置および液滴塗布方法 - Google Patents

液滴塗布装置および液滴塗布方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大型基板に対して効率的かつ高精度に液滴を塗布する。
【解決手段】本発明のインクジェット塗布装置1は、ヘッドエレメント3を複数搭載しているヘッドユニット5と、複数のヘッドユニット5を保持するガントリー6と、基板11を主走査方向Sに搬送する基板搬送部7とを備え、複数のヘッドユニット5は、基板11の主走査方向Sにおける位置を検出する基板センサ4をそれぞれ少なくとも1つ以上備え、基板センサ4が検出した位置に基づいて、ヘッドユニット5毎の液滴吐出タイミングを補正する補正部9を備えているので、大型基板に対して効率的かつ高精度にインクを塗布することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、液滴吐出ヘッドによって担持体に液滴を塗布する液滴塗布装置および液滴塗布方法に関するものである。
従来から、微小なインク液滴をドット状に精度よく塗布することのできるインクジェット方式が、液晶表示装置などのカラーフィルタや有機EL(Electro-Luminescence)表示装置の製造方法として期待されている。
近年、これら表示装置の量産化および表示画面サイズの大面積化が要望されるとともに、製造工程中においても大面積基板で複数個の表示装置を一括して生産することでコストダウンを図ることが望まれている。
これに伴い、インクジェット方式において、大面積の基板に対するインク塗布の効率を向上させるために、インクジェットヘッドを多数配列させるラインヘッド化が進んでいる。
多数のインクジェットヘッドを1つに集約したラインヘッドを実現するための技術として、複数のヘッド部を1つのサブキャリッジに配置してインクジェットヘッドを組み立てるときに、各ヘッド部についてその配置の基準となる画像を記憶しておき、その基準画像に基づいてヘッド部を配列させる技術が知られている(例えば特許文献1)。
具体的には、特許文献1に示されているインクジェットヘッド組み立て装置では、サブキャリッジ上における各ヘッド部を設置するべき目標位置を示す画像を記憶している。そして、ヘッド部を実際にサブキャリッジ上に仮止めした状態の画像を撮像し、この仮止め状態を示す画像と目標位置を示す画像とを比較している。特許文献1では、この比較結果に基づいて設置位置の調整をすることで、複数のヘッド部を精度よく配置することを可能にしている。
また、基板に精度良く液滴を着弾させる技術として、基板上の目標位置をセンサにて検出し、その検出結果に基づいて液滴を吐出させる技術が知られている(例えば特許文献2および3)。
具体的には、特許文献2に示されているカラーフィルタの製造方法は、カラーフィルタ基板に形成されたフィルタエレメントをインクジェット方式で着色する際に、フィルタエレメントの中心線の位置を各インク吐出ノズル(吐出口)に設けたセンサで検出している。そして、検出した中心線の位置と吐出口の位置とを合わせることによって、吐出インク弾をフィルタエレメントに精度よく着弾させることを可能にしている。
また、特許文献3に示されている液滴吐出装置では、基板上の非描画領域に複数のマーク列からなるリニアスケールを設けている。さらに、機能液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)を搭載したヘッドユニット上には、上記リニアスケールと対応する位置にリニアセンサが設けられている。そして、上記基板の描画領域にインクを吐出する際に、リニアスケールをリニアセンサで検出することによって、基板とラインヘッドとのずれを割り出し、このずれに基づいてインク吐出タイミングを補正することで、高精度なインク吐出を可能にしている。
特開2001−162892号公報(2001年6月19日公開) 特許3372671号 特開2004−337727号公報(2004年12月2日公開)
しかしながら、上記従来の技術では、大型基板に対して効率的かつ高精度に液滴を塗布可能な装置を実現することは不可能であった。
例えば、特許文献1は、複数のインクジェットヘッドを整列させてヘッドユニットを組み上げる構成であるため、それぞれのヘッドの位置自体を微調整する必要がある。このため、ラインヘッドのようにヘッドユニットを多数配列させる場合、構成が複雑化し、多くの調整時間を要するという問題がある。さらに、環境変化(熱膨張の違いなど)によるヘッド位置自体の調整ずれが増大することにより、着弾精度を悪化させるおそれがある。
また、特許文献2では、吐出口毎にセンサを設置しているため、吐出口の数が増加した場合、検出情報もそれに伴って増加する。検出情報が増加すれば、その制御も複雑化することになり、ヘッドおよびその制御システムが複雑化してしまう。したがって、例えば吐出口が数千個にも及ぶようなラインヘッドを搭載した塗布装置に特許文献2の技術を適用することは極めて困難である。
これに対し、特許文献3の技術では、複数のノズルに対して一括してインク吐出のタイミングを補正することができる。しかしながら、これは、ヘッドユニット上にインクジェットヘッドが高精度に配列していることを前提としている。すなわち、特許文献3では、ヘッドユニット上にインクジェットヘッドが高精度に配列していなければ、所望の吐出位置へのインク吐出は望めない。
また、特許文献3の技術では、リニアスケールを設ける箇所が非描画領域に限定されるため、多種のパネルサイズの製造に対応できないという問題がある。例えば、大型の基板を製造する場合に特許文献3の技術を用いようとしたときには、基板が大型であることから、非描画領域間の距離が増大することになり、リニアセンサ間の距離、およびヘッドユニット上に配列させるインクジェットヘッドの数を増大させる必要が生じる。
そして、リニアセンサ間の距離が増大することにより、ノズルごとの補正精度は低下することになる。また、配列させるインクジェットヘッドの数が増大することにより、インクジェットヘッドのアライメントに要する時間が増大することになると共に、ヘッドユニットにインクジェットヘッドを搭載した後に熱膨張や物理的な衝撃等によってインクジェットヘッドがずれた場合、着弾精度が劣化してしまうことになる。
また、特許文献3には、描画領域のバンク列をリニアスケールとして検出する構成が開示されている。この構成によれば、リニアスケールとして検出したバンク列は、結果的に非描画領域となってしまうため、ラインヘッドの長さを上回る幅を有する描画領域の全面を塗布することが困難であった。
なぜなら、描画領域を複数回走査して描画領域の全面を塗布しようとする場合、2回目以降の走査においては、描画領域内に既に塗布済みの画素が存在するため、それらの画素に再度インクを吐出しないように制御する必要があり、このような制御は技術的に非常に難しいからである。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、大型基板に対して効率的かつ高精度に液滴を塗布可能な液滴塗布装置を実現することにある。
本発明の液滴塗布装置は、上記の課題を解決するために、液滴塗布の対象となる担持体に対して液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出する液滴塗布装置であって、上記液滴吐出ヘッドを複数搭載しているヘッドユニットと、複数の上記ヘッドユニットを搭載しているヘッドユニット保持部材と、上記担持体または上記ヘッドユニット保持部材を所定の搬送方向へと搬送する搬送手段とを備え、上記複数のヘッドユニットは、上記担持体の上記搬送方向における位置を検出する検出センサをそれぞれ少なくとも1つ以上備え、上記検出センサが検出する位置に基づいて上記ヘッドユニット毎の液滴吐出タイミングを補正する補正手段を備えていることを特徴としている。
また、本発明の液滴塗布方法は、上記の課題を解決するために、液滴塗布の対象となる担持体に対して液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出する液滴塗布方法であって、上記担持体、または複数の上記液滴吐出ヘッドを備えている複数のヘッドユニットを搭載しているヘッドユニット保持部材を所定の搬送方向へと搬送するステップと、上記複数のヘッドユニットのそれぞれが少なくとも1つ以上備えている検出センサが、上記担持体の上記搬送方向における位置を検出するステップと、上記検出センサが検出する位置に基づいて上記ヘッドユニット毎の液滴吐出タイミングを補正するステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、上記複数のヘッドユニットは、それぞれに設けられた検出センサによって担持体の上記搬送方向における位置を検出する。そして、検出した位置に基づいてヘッドユニット毎に液滴吐出タイミングが補正される。
したがって、複数のヘッドユニットのそれぞれにおいて、ヘッドユニットと担持体との搬送方向の誤差をヘッドユニット毎に補正してキャンセルすることができる。
ここで、ヘッドユニット保持部材上には、複数のヘッドユニットが搭載されているが、誤差の補正は、各ヘッドユニットそれぞれの範囲で行われる。したがって、ヘッドユニット保持部材上に搭載されているヘッドユニットの数に関わらず、誤差の補正範囲は常に各ヘッドユニットそれぞれの範囲となり、一定である。
そのため、大型の担持体(例えば液晶表示パネルに使用される大型カラーフィルタ基板)に液滴(例えばR色、G色、B色のインク)を塗布するために、多数のヘッドユニットを配列させた場合であっても、各ヘッドユニットの範囲で液滴吐出タイミングが補正されるので、液滴の吐出精度が低下することが無い。
したがって、上記液滴塗布装置では、大型の担持体に対して効率的かつ高精度に液滴を塗布することができる。
一方、上記特許文献3では、基板上の非描画領域に設けたマークをリニアスケールとして用いているので、描画領域の拡大に伴ってリニアセンサの間隔も広くなり、着弾精度が劣化するという問題があった。これに対し、上記本発明の構成によれば、検出センサを設置する間隔には特に制約が無いので、所望の着弾精度が得られる範囲内であれば、検出センサの間隔を適宜変更することができる。
さらに、上記液滴塗布装置では、上記搬送方向の誤差を補正してキャンセルすることができるので、ヘッドユニットをヘッドユニット保持部材に搭載するときには、上記搬送方向のアライメントに要求される精度が緩和される。
ゆえに、上記液滴塗布装置の製造工程において、ヘッドユニットをヘッドユニット保持部材に搭載するときには、上記搬送方向の厳密なアライメントは不要となるので、ヘッドユニットのアライメントに要する時間を短縮することができる。その結果、上記液滴塗布装置の製造工程のタクトタイムを短縮することができる。
また、本発明の液滴塗布装置は、上記の課題を解決するために、液滴塗布の対象となる担持体を所定の搬送方向に搬送しながら、該担持体に対して液滴吐出ヘッドのノズルから所定の液滴吐出タイミングで液滴を吐出する液滴塗布装置であって、上記液滴吐出ヘッドを複数搭載しているヘッドユニットと、複数の上記ヘッドユニットを上記担持体と液滴吐出ヘッドとが対向するように、かつ複数のヘッドユニットを上記搬送方向と垂直な方向に並んだ状態で保持するヘッドユニット保持部材とを備え、上記複数のヘッドユニットは、上記担持体上において液滴を吐出するべき位置を特定するための液滴吐出目標を検出する検出センサをそれぞれ備え、各検出センサがそれぞれ検出する上記液滴吐出目標を検出したタイミングに基づいて、上記液滴吐出タイミングをヘッドユニット毎に補正する補正手段を備えていることを特徴としている。
そして、本発明の液滴塗布方法は、上記の課題を解決するために、液滴塗布の対象となる担持体を所定の搬送方向に搬送しながら、該担持体に対して液滴吐出ヘッドのノズルから所定の液滴吐出タイミングで液滴を吐出する液滴塗布方法であって、上記液滴吐出ヘッドは、1つのヘッドユニットに複数搭載されており、複数の上記ヘッドユニットが上記担持体と液滴吐出ヘッドとが対向するように、かつ複数のヘッドユニットが上記搬送方向と垂直な方向に並んだ状態で保持されており、上記複数のヘッドユニットのそれぞれが備えている検出センサが、上記担持体上において液滴を吐出するべき位置を特定するための液滴吐出目標を検出するステップと、各検出センサのそれぞれが上記液滴吐出目標を検出したタイミングに基づいて上記液滴吐出タイミングをヘッドユニット毎に補正するステップとを含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、上記複数のヘッドユニットは、それぞれに設けられた検出センサによって担持体上の液滴吐出目標を検出する。そして、液滴吐出目標を検出したタイミングに基づいてヘッドユニット毎に液滴吐出タイミングが補正される。
したがって、複数のヘッドユニットのそれぞれにおいて、ヘッドユニットと担持体との搬送方向の誤差をヘッドユニット毎に補正してキャンセルすることができる。
ここで、ヘッドユニット保持部材上において、担持体の搬送方向と垂直な方向には複数のヘッドユニットが並んでいるが、誤差の補正は、各ヘッドユニットそれぞれの範囲で行われる。その結果、ヘッドユニット保持部材上に搭載されているヘッドユニットの数に関わらず、誤差の補正範囲は常に各ヘッドユニットそれぞれの範囲となり、一定である。
そのため、上記液滴塗布装置では、大型の担持体に対して効率的かつ高精度に液滴を塗布することができる。
ここで、ヘッドユニット保持部材に多数のヘッドユニットを搭載した場合、ヘッドユニット保持部材が大型化、重量化するので、液滴塗布を行うときにヘッドユニット保持部材を搬送することは困難となる。
しかしながら、上記構成では担持体が搬送されるので、多数のヘッドユニットを搭載した場合に特に好適な構成と言える。
また、上記担持体の搬送量をカウンタ値として検出するエンコーダを備え、上記補正手段は、上記検出センサが液滴吐出目標を検知した後に、上記エンコーダのカウンタ値が所定の値だけ進んだタイミングを液滴吐出タイミングとするものであり、上記検出センサが上記液滴吐出目標を検出したときに上記カウンタ値を所定のリセット値にリセットし、上記カウンタのカウンタ値が上記リセット値と上記所定の値とを加えた値となったときを液滴吐出タイミングとすることが好ましい。
まず、検出センサが液滴吐出目標を検知した後に、エンコーダのカウンタ値がどれだけ進んだときに液滴を吐出すれば、担持体上において液滴を吐出するべき位置に液滴を着弾させることができるかということは、担持体の搬送速度や担持体とノズルとの距離、液滴吐出タイミングを決定した後、実際に液滴が吐出されるまでのタイムラグ等によって決まるので、担持体に液滴を塗布する前に予め求めておくことができる。すなわち、上記所定の値は、予め求めておくことができる。
そして、上記の構成によれば、検出センサが液滴吐出目標を検知した後に、予め求めた所定の値だけカウンタ値が進んだタイミングで液滴を吐出するので、担持体上において液滴を吐出するべき位置に正確に液滴を着弾させることができる。
さらに、上記の構成によれば、検出センサが液滴吐出目標を検知したときにカウンタ値が所定のリセット値にリセットされ、カウンタ値が上記リセット値と上記所定の値とを加えた値となったときが液滴吐出タイミングとなる。
ここで、カウンタ値のリセットには演算処理が含まれないので、上記補正手段は、比較的簡単なハードウェアによって実現される。したがって、上記の構成によれば、補正手段にかかる処理の負担が少ない構成といえる。
また、上記液滴塗布装置は、上記担持体の搬送量をカウンタ値として検出するエンコーダを備え、上記補正手段は、上記検出センサが液滴吐出目標を検知したときのカウンタ値に所定のカウンタ値を加算したカウンタ値を液滴吐出タイミングとすることが好ましい。
上記の構成によれば、簡単な演算で液滴吐出タイミングを補正することができる。なお、上記所定のカウンタ値は、検出センサとノズルとの位置関係や、液滴塗布装置と担持体との位置関係、及び吐出タイミングを決定した後に、実際に液滴が吐出されるまでに要する液滴塗布装置の処理時間等に基づいて予め求めておくことができる。
また、上記液滴塗布装置は、上記担持体の搬送量をカウンタ値として検出するエンコーダを備え、上記所定の液滴吐出タイミングは、上記カウンタ値で所定の設定値に設定されており、上記補正手段は、上記所定の設定値から、上記液滴吐出目標を検出したときのカウンタ値に所定のカウンタ値を加算して求めた理想の吐出タイミングを示すカウンタ値を引いた値を補正値として算出し、上記補正値と上記担持体の搬送量を示すカウンタ値との和が上記所定の設定値に達したときを液滴吐出タイミングとすることが好ましい。
上記の構成によれば、上記所定の設定値から、理想の吐出タイミングを示すカウンタ値を引いた値を補正値として算出している。また、上記の構成によれば、理想の吐出タイミングを示すカウンタ値は、液滴吐出目標を検出したカウンタ値に所定のカウンタ値を加算して求めている。
上記所定のカウンタ値は、液滴吐出目標を検出してから液滴吐出を開始すべきタイミングまでに要するカウンタ値を示し、上述のように、検出センサとノズルとの位置関係等に基づいて予め求めておくことができる。したがって、エンコーダのカウンタ値が上記理想の吐出タイミングを示すカウンタ値に一致したときに、液滴の吐出を開始することで、担持体上の所望の位置に正確に液滴を着弾させることが可能になる。
ここで、液滴の吐出タイミングは、予め所定の設定値に設定されている。この所定の設定値を上記理想のタイミングを示すカウンタ値に修正することによっても、担持体上の所望の位置に正確に液滴を着弾させることが可能になるが、上記構成のように複数のヘッドユニットを備えている液滴塗布装置では処理の負担が重い。
そこで、上記の構成によれば、所定の設定値から理想の吐出タイミングを示すカウンタ値を引いた値、すなわち実際に吐出が行われるカウンタ値と理想のカウンタ値との差を補正値として求めている。そして、この補正値と担持体の搬送量を示すカウンタ値との和が上記所定の設定値に達したときを液滴吐出タイミングとすることにより、予め設定した所定の設定値を修正することなく、液滴吐出タイミングを補正し、担持体上の所望の位置に正確に液滴を着弾させることを可能にしている。
また、上記液滴塗布装置は、上記担持体の搬送量をカウンタ値として検出するエンコーダと、上記エンコーダとカウンタ値が同期する補正用カウンタとを備え、上記補正手段は、上記検出センサが液滴吐出目標を検知した後に、上記補正用カウンタのカウンタ値が所定の値だけ進んだタイミングを液滴吐出タイミングとするものであり、上記検出センサが上記液滴吐出目標を検出したときに上記補正用カウンタ値を所定のリセット値にリセットし、上記補正用カウンタのカウンタ値が上記リセット値と上記所定の値とを加えた値となったときを液滴吐出タイミングとすることが好ましい。
上記の構成によれば、リセットされるカウンタがエンコーダとは別のカウンタとなるので、カウンタ値のリセットがエンコーダのカウンタ値を取得して動作する装置に影響を及ぼすことを防ぐことができる。なお、エンコーダのカウンタ値を取得して動作する装置としては、上記液滴塗布装置の他に、該液滴塗布装置に接続する周辺機器等が考えられる。
また、上記液滴塗布装置は、上記リセット値と上記所定の値とを加えた値を格納する吐出タイミング記憶部を備え、上記補正手段は、上記補正用カウンタのカウンタ値と上記リセット値と上記所定の値とを加えた値とが一致したときを液滴吐出タイミングとすることが好ましい。
上述のように、補正用カウンタは、上記検出センサが上記液滴吐出目標を検出したときに所定のリセット値にリセットされ、リセット後の補正用カウンタは、リニアエンコーダのカウンタと同期してカウント値が進んでゆく。そして、補正用カウンタのカウンタ値が上記所定の値だけ進むと、そのときのカウンタ値は、上記リセット値と上記所定の値とを加えた値となる。
上記の構成によれば、リセット値と上記所定の値とを加えた値が吐出タイミング記憶部に格納されており、補正手段は、リセット値と上記所定の値とを加えた値と補正用カウンタのカウンタ値とが一致したときを液滴吐出タイミングとするので、担持体上において液滴を吐出するべき位置に正確に液滴を着弾させることができる。
また、上記担持体には、該担持体上において液滴を吐出するべき位置として複数の液滴塗布領域が設けられていると共に、上記各液滴塗布領域には上記液滴吐出目標がそれぞれ設けられており、上記補正用カウンタは、上記液滴吐出目標のそれぞれについて設けられており、上記吐出タイミング記憶部には、上記液滴吐出目標のそれぞれに対応する上記リセット値と上記所定の値とを加えた値が格納されており、上記補正手段は、上記検出センサが検出した液滴吐出目標に対応する補正用カウンタを該液滴吐出目標に対応するリセット値にリセットし、当該補正用カウンタのカウンタ値が該液滴吐出目標に対応するリセット値と所定の値とを加えた値となったときを液滴吐出タイミングとすることが好ましい。
上記の構成によれば、液滴吐出目標が検出されると、該検出された液滴吐出目標に対応する補正用カウンタがリセットされ、該リセットされた補正用カウンタのカウンタ値が上記検出された液滴吐出目標に対応するリセット値と所定の値とを加えた値となったときが液滴吐出タイミングとなる。
すなわち、上記構成によれば、液滴吐出目標のそれぞれについて液滴吐出タイミングの補正を行うことができる。これにより、担持体上に複数の液滴塗布領域が設けられている場合であっても、各液滴塗布領域に適切なタイミングで液滴を塗布することが可能になる。
また、上記担持体には、担持体の搬送方向と垂直な直線上に、複数の上記液滴吐出目標が形成されており、上記検出センサは、上記各ヘッドユニット上において、上記担持体の搬送方向と垂直な方向に沿って少なくとも2つ設けられており、上記補正手段は、上記複数のヘッドユニットのそれぞれにおいて、上記担持体の搬送中に、上記少なくとも2つ検出センサのそれぞれが、上記搬送方向と垂直な方向に沿って形成されている液滴吐出目標を検出したタイミングに基づいて、上記直線と上記少なくとも2つの検出センサを結ぶ直線とのなす角度を求め、求めた角度に基づいて液滴吐出タイミングを補正するようになっていることが好ましい。
上記各ヘッドユニット上に担持体の搬送方向と垂直な方向に沿って少なくとも2つの検出センサが設けられている場合、検出センサのそれぞれが、上記搬送方向と垂直な方向に沿って形成されている液滴吐出目標を検出するタイミングに基づいて上記直線と上記少なくとも2つの検出センサを結ぶ直線とのなす角度を算出することができる。
そして、補正手段がこの角度を打ち消すように液滴吐出タイミングの補正を行うことにより、各ヘッドユニットについて、より高精度な補正を行うことができる。
また、上記担持体には、行および列が搬送方向および搬送方向と垂直な方向にそれぞれ一致したマトリクス状に上記液滴吐出目標が配列しており、上記検出センサは、上記担持体の搬送方向と垂直な方向に配列する液滴吐出目標のうち、担持体上で、搬送方向の最も下流側の列の液滴吐出目標を検出することが好ましい。
マトリクス状に配列している液滴吐出目標のうち、搬送方向の最も下流側の列は、担持体上に形成されている液滴吐出目標の中で、最初に上記検出センサにて検出されることになる。
ここで、液滴吐出目標は、行および列が搬送方向および搬送方向と垂直な方向にそれぞれ一致したマトリクス状に配列しているので、搬送方向の最も下流側の列の検出結果に基づいて液滴吐出タイミングを補正することにより、以降の液滴吐出目標の列に対しても同じ液滴吐出タイミング補正結果を適用することができる。
したがって、液滴吐出タイミング補正の回数を最小限に抑えることができ、上記液滴吐出装置の制御を簡略化することができる。なお、担持体の搬送方向を反転させて往復走査を行う場合には、第1列目の液滴吐出目標は、往路、復路それぞれの搬送方向に対して最も下流側に配列している液滴吐出目標の列を検出すればよい。
また、上記液滴吐出目標は、上記担持体において液滴を吐出するべき位置に対して、所定の距離だけ上記担持体の搬送方向の下流側に形成されたマークであり、上記検出センサは、上記マークを検出することが好ましい。
上記の構成によれば、担持体上に形成したマークを基準として液滴吐出タイミングの補正を行うことができる。マークは、担持体の材質や検出センサの構成に合わせて適宜構成することができる。例えば、担持体が光を透過する素材である場合には、マークを光が透過しない素材で形成し、検出センサを担持体の透過光を検出するセンサとすればよい。また、例えば上記マークとして担持体に段差を設け、段差を検出する検出センサでこれを検出してもよい。さらに、上記マークを担持体と反射率が異なる素材で形成し、反射光量の差からマークを検出するようにしてもよい。
また、上記検出センサは、上記ヘッドユニット上において、すべての液滴吐出ヘッドよりも担持体の搬送方向の上流に設けられていることが好ましい。
上述のように、上記液滴吐出装置は、検出センサによる液滴吐出目標を検出したタイミングに基づいて液滴吐出タイミングの補正を行う。したがって、検出センサをヘッドユニット上においてすべての液滴吐出ヘッドに対して担持体の搬送方向の上流に設けることによって、液滴吐出ヘッドが液滴吐出目標に到達する前に、該液滴吐出目標を検出センサで検出することができる。これにより、液滴吐出目標を検出したタイミングを液滴吐出ヘッドからの液滴の吐出に確実に反映させることができる。
なお、検出センサの位置は、検出センサが液滴吐出目標を検出した後、補正手段が吐出タイミング補正を行い、フィードバックをかけるまでの遅延時間をカバーできる位置であればより好ましい。また、担持体の搬送方向を反転させて往復走査を行う場合には、液滴吐出ヘッドに対して、往路、復路の搬送方向の上流側となる位置のそれぞれに検出センサを設けることが好ましい。
また、上記補正手段は、ヘッドユニット毎に設けられていることが好ましい。
これにより、各ヘッドユニットのそれぞれが液滴吐出目標の検出と液滴吐出タイミング補正とを独立して行うことが可能となる。したがって、液滴吐出タイミング補正が速やかにフィードバックされると共に、簡易な構成で補正システムの自動化を図ることが可能になる。
なお、上記補正手段を各ヘッドユニット上にそれぞれ設けた場合、特に早いフィードバックが可能となるので好ましいが、補正手段の配置はヘッドユニット上に限定されない。補正手段は、必要に応じて液滴吐出装置の適所に設けることができる。
以上のように、本発明の液滴塗布装置は、上記液滴吐出ヘッドを複数搭載しているヘッドユニットと、複数の上記ヘッドユニットを搭載しているヘッドユニット保持部材と、上記担持体または上記ヘッドユニット保持部材を所定の搬送方向へと搬送する搬送手段とを備え、上記複数のヘッドユニットは、上記担持体の上記搬送方向における位置を検出する検出センサをそれぞれ少なくとも1つ以上備え、上記検出センサが検出する位置に基づいて上記ヘッドユニット毎の液滴吐出タイミングを補正する補正手段を備えている構成である。
また、本発明の液滴塗布方法は、担持体、または複数の上記液滴吐出ヘッドを備えている複数のヘッドユニットを搭載しているヘッドユニット保持部材を所定の搬送方向へと搬送するステップと、上記複数のヘッドユニットのそれぞれが少なくとも1つ以上備えている検出センサが、上記担持体の上記搬送方向における位置を検出するステップと、上記検出センサが検出する位置に基づいて上記ヘッドユニット毎の液滴吐出タイミングを補正するステップとを含む構成である。
さらに、本発明の液滴塗布装置は、液滴吐出ヘッドを複数搭載しているヘッドユニットと、複数の上記ヘッドユニットを担持体と液滴吐出ヘッドとが対向するように、かつ複数のヘッドユニットを上記担持体の搬送方向と垂直な方向に並んだ状態で保持するヘッドユニット保持部材とを備え、上記複数のヘッドユニットは、上記担持体上において液滴を吐出するべき位置を特定するための液滴吐出目標を検出する検出センサをそれぞれ備え、各検出センサがそれぞれ検出する上記液滴吐出目標を検出したタイミングに基づいて、上記液滴吐出タイミングをヘッドユニット毎に補正する補正手段を備えている構成である。
また、本発明の液滴塗布方法は、液滴吐出ヘッドは、1つのヘッドユニットに複数搭載されており、複数の上記ヘッドユニットが上記担持体と液滴吐出ヘッドとが対向するように、かつ複数のヘッドユニットが上記搬送方向と垂直な方向に並んだ状態で保持されており、上記複数のヘッドユニットのそれぞれが備えている検出センサが、上記担持体上において液滴を吐出するべき位置を特定するための液滴吐出目標を検出するステップと、各検出センサのそれぞれが上記液滴吐出目標を検出したタイミングに基づいて上記液滴吐出タイミングをヘッドユニット毎に補正するステップとを含む構成である。
したがって、担持体の搬送方向と垂直な方向に配列しているヘッドユニットの数に関わらず、液滴吐出タイミング補正の精度を一定とすることができるという効果を奏する。特に、大型の担持体に対して液滴を塗布するために、ヘッドユニットを担持体の搬送方向と垂直な方向に多数配列させた場合であっても、液滴の着弾精度が低下することが無く、高精度な液滴の塗布が可能となるという効果を奏する。
本発明の一実施形態であるインクジェット塗布装置(液滴塗布装置)1について、図1〜図15に基づいて説明すると以下の通りである。
〈装置の構成〉
図1に基づいて本発明のインクジェット塗布装置1の概要について説明する。図1は、インク塗布の対象となる基板(担持体)11を固定した状態のインクジェット塗布装置1を上方から見た概略図である。なお、図1の紙面に対して上向きをZ軸方向とする。
インクジェット塗布装置1は、図示のように、複数のノズル2を有するヘッドエレメント(液滴吐出ヘッド)3と基板センサ(検出センサ)4とを備えるヘッドユニット5と、該ヘッドユニット5を複数個搭載したガントリー(ヘッドユニット保持部材)6と、基板搬送部(搬送手段)7と、制御部8と、補正部(補正手段)9とを備えている。
インクジェット塗布装置1では、基板11が基板搬送部7によってガントリー6と基板搬送部7との間へと搬送される。なお、このときの搬送方向を相対的主走査方向(あるいは単に主走査方向)と呼び、主走査方向に垂直で基板搬送部7の上面(基板11)と平行な方向を副走査方向と呼ぶ。図1では、主走査方向を矢印Sで示している。主走査方向はY軸方向と一致しており、副走査方向はX軸方向と一致している。
制御部8では、予め、全てのノズル2に対してインクを吐出するタイミングを指定しており、このインク吐出タイミングに従ってガントリー6と基板搬送部7との間に搬送された基板11に対してインクが塗布される。
ここで、基板11が基板搬送部7上に固定されている位置から、例えば基板11が基板搬送部7上でZ軸を回転軸として回転(ヨーイング)してしまった場合、制御部8が指定した吐出タイミングでインクの吐出を行うと、基板11上の所望の位置にインクが吐出されないことになる。
そこで、インクジェット塗布装置1では、各ヘッドユニット5が備える基板センサ4が、基板11上のインク吐出目標を検出し、この検出位置に基づいて補正部9が制御部8に対してインク吐出タイミングの補正フィードバックをかける。
このように、インクジェット塗布装置1では、ヘッドユニット5毎に、インク吐出目標の検出位置に基づいたインク吐出タイミングの補正が行われることになる。したがって、ヨーイング等によって基板11がずれた場合でも、インクを所望の位置に着弾させることができる。
なお、インク吐出目標とは、基板11上においてインクを塗布するべき位置を特定するためのものである。例えば、本実施形態では、基板11上に形成されているバンク部12やキャビティ部13をインク吐出目標として検出する。
インク吐出目標を検出するための他の方法として、基板11上に予めインク吐出目標の位置を示すマークを形成しておき、このマークを基板センサ4で検出することによってインク吐出目標を特定するようにしても良い。なお、バンク部12およびキャビティ部13については後述する。
すなわち、インクジェット塗布装置1では、主走査方向における誤差を補正によってキャンセルすることができるので、基板11を基板搬送部7上に固定するときの主走査方向のアライメントや、ガントリー6上にヘッドユニット5を搭載するときの主走査方向のアライメントに要求される精度が緩和される。
ゆえに、インクジェット塗布装置1では、基板11を基板搬送部7上に固定するときのアライメントに要する手間と時間とを短縮することができる。そして、インクジェット塗布装置1の製造工程において、ガントリー6上にヘッドユニット5を搭載するときには、主走査方向の厳密なアライメントは不要となるので、インクジェット塗布装置1の製造工程のタクトタイムを短縮することができる。
また、ヘッドユニット5毎にインク吐出目標を検出しているので、大型の基板に対応するために、ガントリー6を大型化し、搭載するヘッドユニット5の数を増やした場合でも、着弾精度が低下することが無い。
以下、インクジェット塗布装置1の各構成について、より詳細に説明する。
ヘッドエレメント3は、インク吐出を行うノズル2が少なくとも一列配列したインク吐出素子であり、制御部8の指示に従って、ノズル2から選択的に液滴を吐出するようになっている。ヘッドエレメント3は、基板搬送部7(基板11)とノズル2とが対向した状態でヘッドユニット5に保持されており、Z軸を回転軸として回転可能な構成である。ヘッドエレメント3を回転させることで、ノズル2の基板11に対するピッチを変えることができる。すなわち、インクジェット塗布装置1では、多様なピッチでインクを塗布することができるようになっている。
基板センサ4は、インク吐出目標位置を検知するセンサである。基板センサ4は、基板11上のインク吐出目標を検出すると、その検出位置を補正部9に送出し、補正部9はインク吐出目標の検出位置に基づいてインク吐出タイミングの補正を行う。基板センサ4が検出するインク吐出目標位置に基づいてインク吐出タイミングの補正が行われるので、基板センサ4は、ヘッドエレメント3に対して基板11の搬送方向の下流側に設置することが望ましい。
なお、図1では、各ヘッドユニット5が1つの基板センサ4を備えている例を示しているが、後述するように、各ヘッドユニット5が複数の基板センサ4を備える構成としても良い。インクジェット塗布装置1に好適な基板センサ4の具体的な構成例、各ヘッドユニット5が複数の基板センサ4を備える場合の動作例については後述する。
ヘッドユニット5は、複数のヘッドエレメント3を保持・固定する部材である。ヘッドユニット5にヘッドエレメント3を搭載するときには、図示しない他のアライメント装置によって、基板センサ4とそれぞれのヘッドエレメント3との相対的位置関係情報を取得した上で配置される。
ヘッドユニット5上のヘッドエレメント3の配置は特に限定されないが、図1の例では、ヘッドエレメント3は、副走査方向に2列、主走査方向に3列配置している。そして、主走査方向に配列している3つのヘッドエレメント3から吐出されるインクの色は、それぞれR色、G色、B色の何れかである。ヘッドエレメント3の配置および各ヘッドエレメント3から吐出するインクの色は、キャビティ部13の配列や、基板11の着色パターンに応じて適宜設定すれば良い。
ガントリー6は、複数のヘッドユニット5を、ヘッドエレメント3と基板搬送部7の上面とが対向するように保持・固定する部材である。ガントリー6と、基板搬送部7とで挟まれる領域に基板11が搬送され、この領域にて基板11の着色が行われるようになっている。
ガントリー6に搭載するヘッドユニット5の数、および配置は特に限定されないが、図1の例では、ヘッドユニット5は、ガントリー6上に2列に配置している。そして、第1列目には5つのヘッドユニット5が、第2列目には4つのヘッドユニット5が配置されており、第1列目のヘッドユニット5と第2列目のヘッドユニット5とは、副走査方向に互いにずれた位置に配置されている。
このように、ガントリー6上でヘッドユニット5を副走査方向に平行な複数の列に分けて配置し、各列のヘッドユニット5が副走査方向に互いにずれた位置とすることで、副走査方向におけるノズル2の選択性を高めることができる。
例えば、第1列目のヘッドユニット5に含まれるノズル2では、インクを塗布することのできない位置にキャビティ部13が存在するような場合が考えられる。このような場合に、第2列目のヘッドユニット5が第1列目のヘッドユニット5と副走査方向にずれた配置となっていることで、第1列目のヘッドユニット5が塗布できなかったキャビティ部13に第2列目のヘッドユニット5で対応することができる。
基板搬送部7は、基板11をガントリー6と基板搬送部7との間へと搬送する。基板搬送部7は、その上面に基板11を固定し、図1の矢印Sの方向(主走査方向)に移動する構成となっている。
具体的には、基板搬送部7として、その上面に基板11を吸着固定するXYステージを適用することができる。基板搬送部7は、少なくとも主走査方向に基板11を搬送するものであれば良い。しかしながら、XYステージを用いる場合、基板11とガントリー6とのX軸方向の位置あわせが容易となるので基板搬送部7としてXYステージを用いることが好ましい。
なお、インクジェット塗布装置1では、基板11がガントリー6に対して相対的に移動すればよいので、基板搬送部7を固定し、ガントリー6を移動させる形態としてもよい。しかしながら、インク塗布の効率化のために、ガントリー6を大型化するような場合には、ガントリー6の重量が増大し、ガントリー6を移動させることが困難となる。このような場合、基板搬送部7を移動させる構成が好適である。
また、インクジェット塗布装置1は、リニアエンコーダ10を備えており、リニアエンコーダ10によって、ガントリー6と基板搬送部7上に固定された基板11との相対的な位置関係を取得するようになっている。
なお、リニアエンコーダ10はガントリー6と一体に形成されており、基板搬送部7の副走査方向の端部付近に主走査方向と平行に形成されたリニアスケール16が示す位置座標を読み取り、読み取った座標値をステージ座標として制御部8に出力するものである。リニアエンコーダ10は、ガントリー6と基板搬送部7との主走査方向における相対的な位置関係を取得できるものであれば良く、この例に限定されない。例えば、リニアエンコーダ10をガントリー6から独立した状態で基板搬送部7に搭載し、リニアエンコーダ10が読み取った座標値をステージ座標として制御部8を介してガントリー6側に認識させても構わない。
制御部8は、このステージ座標に基づいてインク吐出の制御を行う。また、基板センサ4は、インク吐出目標を検出すると、検出した時点の座標値をリニアエンコーダ10から取得し、この座標値を目標位置検出座標として補正部9に送出する。
制御部8は、全てのノズル2のインク吐出を制御する。具体的には、制御部8は、全てのノズル2について、インク吐出タイミングを示す座標値(指定吐出座標)を記憶している。そして、制御部8は、この指定吐出座標と、リニアエンコーダ10が取得するステージ座標とに基づいて各ノズル2にインクを吐出させる。また、制御部8は図示しない入力部を備え、該入力部を介して指定吐出座標の設定・変更を行うことができるようになっている。
インクジェット塗布装置1では、1つの制御部8にて全てのノズル2に対してインク吐出の制御を行うが、各ヘッドユニット5が制御部8を備え、ヘッドユニット5毎にインク吐出の制御を行うようにしても良い。なお、指定吐出座標の決定方法、および制御部8におけるインク吐出制御処理については後述する。
補正部9は、基板センサ4から送られるインク吐出目標位置の検出結果、すなわち目標位置検出座標に基づいて、制御部8における指定吐出座標を補正するための補正値を算出する。そして、補正部9は、算出した補正値を制御部8にフィードバックすることによって、各ノズル2のインク吐出タイミングを補正する。
基板11は、インク塗布の対象となるものである。本実施形態では、基板11が液晶表示パネル等に用いられるカラーフィルタ基板や、有機EL表示パネルに用いられるEL基板であることを想定している。
基板11は、透明な板の上に格子状にバンク部12が形成されて成り、バンク部12に取り囲まれた凹部がそれぞれR色、G色、B色の何れかに着色されて画素が形成される(図3参照)。バンク部12が格子状に形成されていることから、この凹部はマトリクス状に形成されることになる。この凹部をキャビティ部(液滴吐出目標)13と呼ぶ。なお、基板11において、バンク部12は遮光性の素材で形成されているので、バンク部12遮光部となる。一方、基板11が透明な板で構成されているので、キャビティ部13は透光部となる。
インクジェット塗布装置1は、このキャビティ部13のそれぞれにインクを塗布して着色する。したがって、本実施形態では、キャビティ部13がインク吐出目標となり、基板センサ4は、キャビティ部13とバンク部12との間に形成される段差や、キャビティ部13とバンク部12との透光性の差異等を検出する。キャビティ部13の検出方法の詳細については後述する。
なお、基板センサ4が検出する検出対象は、キャビティ部13とバンク部12との間に形成される段差や、キャビティ部13とバンク部12との透光性の差異等に限られない。例えば、基板11上にインク吐出目標を示すマークを予め形成しておき、基板センサ4がそのマークを検出するようにしても良い。
また、基板11には、描画領域14や、描画領域15といった、様々なサイズの描画領域が形成されている。インクジェット塗布装置1では、各ヘッドユニット5がそれぞれキャビティ部13を検出し、その検出結果に基づいてインクを吐出するので、同じ基板11上に形成された複数の描画領域を同時に着色することができる。
インクジェット塗布装置1では、インク吐出の制御がステージ座標に基づいて行われるので、基板搬送部7上における基板11の位置を予め取得しておく必要がある。例えば、公知のアライメント装置等を用いて基板11を固定することで、基板搬送部7上の所望の位置に基板11を固定することができる。
〈指定吐出座標の設定方法〉
上記指定吐出座標の設定方法について説明する。図示のように、インクジェット塗布装置1は、多数のノズル2を備えているので、キャビティ部13の配列に応じて、吐出を行うノズル2を選択し、各ノズル2について吐出タイミングを設定する必要がある。
そのためには、まず各ノズル2から吐出されるインクの基板11上における着弾位置を取得しておく必要がある。インクの着弾位置は、例えば、着弾位置観測用のテスト基板(予め塗布を行った他のメディア等)に対してインク吐出を行うことによって、ノズル2の位置とインク着弾位置との位置関係を取得することができる。これにより、どのキャビティ部13に対してどのノズル2で塗布するかを決定することができる。
そして、キャビティ部13とノズル2との対応関係を決定した後、キャビティ部13の主走査方向の座標、およびガントリー6と基板11との相対移動速度に基づいてインク吐出タイミング、すなわち指定吐出座標が決定される。
このように、インクジェット塗布装置1では、ガントリー6と基板11との相対移動速度に基づいて指定吐出座標が決定されるので、基板搬送部7は、基板11を一定速度で搬送することが望ましい。
また、ノズル2の位置と着弾位置との位置関係は、予めヘッドユニット5毎に、オフライン、すなわちヘッドユニット5をガントリー6に搭載する前の段階で取得することが望ましく、ガントリー6は、全ノズル2の位置関係が既知のヘッドユニット5によって構成されることが望ましい。このことは、インクジェット塗布装置1の製造工程における、ガントリー6組み立て時のタクトタイムの短縮につながる。
〈インク吐出タイミング補正の概略〉
続いて、補正部9によるインク吐出タイミング補正の概略について、図2に基づいて説明する。図2は、ガントリー6が描画領域14付近まで移動してきた状態を示している。図示のように、描画領域14は、ガントリー6に対して面内回転誤差を有する状態で搬送されている。なお、面内回転誤差とは、同図のZ軸を回転軸とした回転誤差を意味しており、面内回転誤差を有する状態とは、同図のX軸方向(副走査方向)に対して描画領域14が傾いている状態を示している。面内回転誤差は、主走査方向の誤差と副走査方向の誤差とを含む。
基板センサ4は、その下方(Z軸方向下向き)を基板11が通過する際にキャビティ部13を検出し、検出結果を補正部9に送出する。補正部9は、その検出結果に基づいて制御部8におけるインク吐出タイミングを補正し、各ヘッドユニット5にフィードバックをかける。これにより基板11のガントリー6に対する面内回転誤差の主走査方向成分をキャンセルすることが可能になる。
このように、インクジェット塗布装置1では、基板11を固定する際のアライメント誤差、ヘッドユニット5のアライメント誤差、あるいは基板を11搬送する際のヨーイング等による機械的誤差等の主走査方向成分誤差を補正部9が補正してキャンセルすることができる。
したがって、基板11は、キャビティ部13の短辺方向が主走査方向と一致するように設置することが望ましい。
多数のキャビティ部13に同時に着色するためには、ヘッドエレメント3のノズル2から選択的にインクを吐出させなければならない。ここで、仮にキャビティ部13の長辺方向が主走査方向と一致するように基板11を設置したとすると、キャビティ部13の短辺方向が副走査方向と一致することになる。この場合、キャビティ部13の副走査方向の幅が狭くなるので、どのノズル2も対応できないキャビティ部13が生じる可能性がある。加えて、副走査方向にガントリー6あるいは基板11を僅かにシフトして着弾位置補正を行うというのは、技術的に(機械的に)困難である。
これに対し、本実施形態では、図2等に示すように、キャビティ部13の短辺方向が主走査方向と一致するように設置している。その結果、キャビティ部13の長辺方向が副走査方向と一致することになる。したがって、キャビティ部13の副走査方向の幅が広くなるので、どのノズル2も対応できないキャビティ部13が生じる可能性を低減することができる。一方、キャビティ部13の主走査方向の幅は狭くなるが、主走査方向におけるインク吐出タイミングは補正部9によって補正することができるので、キャビティ部13にインクを精度良く着弾させることができる。
上述のように、インクジェット塗布装置1では、基板センサ4が各ヘッドユニット5に設けられているので、ガントリー6における狭い範囲、すなわちヘッドユニット5の範囲での吐出タイミング補正が可能となっている。そして、インクジェット塗布装置1では、各ノズル2のインク吐出タイミングを調整することによって、ヘッドユニット5の範囲におけるさらに狭い範囲での吐出タイミング補正を行うことができる。
ノズル2毎に吐出タイミングを調整するためには、基板センサ4の検出位置と各ノズル2との相対的位置関係を予め取得しておく必要がある。例えば、着弾位置を観測するためのメディア上に、バンク部12とキャビティ部13とで形成される段差を模した構成を設けておき、基板センサ4がその段差を検出した位置にてインクを吐出させ、インク着弾位置と段差との距離を観測することで基板センサ4の検出位置とノズル2との相対的位置関係を求めることができる。あるいは、基板センサ4の検出位置の座標を直接観測する方法をとっても構わない。
また、ガントリー6にヘッドユニット5を搭載するときのアライメントは、副走査方向のみに行っても良い。なぜならば、主走査方向におけるアライメント誤差に関しては吐出タイミングを補正することによってキャンセルすることが可能であるからである。このことが、インクジェット塗布装置1の製造工程における、ガントリー6組み立て時のアライメント作業に要するタクトタイムの短縮につながる。また、ヘッドユニット5の交換時にも同様に、ヘッドユニット5のアライメント作業に要するタクトタイムを短縮することができる。
〈キャビティ部検出方法〉
上述のように、基板センサ4は、基板11上のインク吐出目標であるキャビティ部13を検出する。ここでは、キャビティ部13の検出方法について、図3に基づいて説明する。図3は、キャビティ部13と基板センサ4の検出位置との関係を示す図である。
キャビティ部13を検出する場合、図示のように、バンク部12とキャビティ部13との境界部を検出する方法が簡便であり、望ましい。センシング手法の詳細は後述するが、バンク端部の段差を検出するか、あるいはキャビティ部13における透過光を検出するなどの手法が望ましい。
また、図示のように、マトリクス状に配列するキャビティ部13のうち、副走査方向の同じ列に含まれるキャビティ部13を少なくとも2点以上で検出することが好ましい。同じ列に含まれるキャビティ部13を少なくとも2点以上で検出することにより、キャビティ部13の列を直線としてとらえることができる。この結果、ガントリー6に対して基板11がどれだけ傾いているか、すなわち基板11の面内回転誤差を求めることができる。
さらに、図示のように、主走査方向に対する第1列目のキャビティ部13を検出することが望ましい。これは、キャビティ部13の間隔は所定の値に決まっているので、吐出タイミング補正は、吐出開始位置、すなわちキャビティ部13の第1列目を検出した情報に基づいて行うのが最も簡易であるからである。
また、図示のように、キャビティ部13をn列おきに検出しても構わない(nは自然数)。これにより走査中にヨーイング等の面内回転が起こった場合にも、誤差分を検出し、吐出タイミング補正を行うことができる。
ここで、同じ列に含まれるキャビティ部13を少なくとも2点以上で検出するためには、例えば、1つのヘッドユニット5に2つ以上の基板センサ4を設けることが考えられる。複数の基板センサを副走査方向に隔たった位置に設置することにより、同じ列に含まれるキャビティ部13を少なくとも2点以上で検出することができる。
また、図2に示すヘッドユニット5のように、それぞれが有する基板センサ4が1つであっても、2つのヘッドユニット5がそれぞれ検出するキャビティ部13の検出結果に基づいて、ガントリー6に対して描画領域がどれだけ傾いているかを求めることができる。
ここで、1つのヘッドユニット5が備える基板センサ4の数が1つ、2つ、および4つの場合に、キャビティ部13を検出する具体例について図4(a)〜(c)に基づいて説明する。
(各ヘッドユニットに1つの基板センサ)
図4(a)は、各ヘッドユニット5が1つの基板センサ4を備えている場合の、ガントリー6とヘッドユニット5と基板11との関係を説明する図である。図示のように、基板11は、主走査方向に対して面内回転誤差を含んでいる。上述のように、基板センサ4は、真下にキャビティ部13が到達した際のキャビティ部13の検出位置情報をリニアエンコーダ10に関連付けて取得する。
基板11が面内回転誤差を含む場合、各基板センサ4が同じ列に含まれるキャビティ部13を検出するときの座標値(タイミング)は、それぞれ異なることになる。例えば、図4(a)の例において、第1列目のキャビティ部13を検出するタイミングは、同図左側の基板センサ4の方が、同図右側の基板センサ4よりも早くなっている。
ここで、基板センサ4間の距離は、予め測定しておくことができるので、キャビティ部13の検出タイミングの差異から面内回転誤差を割り出すことができる。そして、割り出した誤差に基づいて各ヘッドユニット5の吐出タイミングを補正することによって、主走査方向の誤差をキャンセルすることができる。
(各ヘッドユニットに2つの基板センサ)
図4(b)は、各ヘッドユニット5が2つの基板センサ4を備えている場合の、ガントリー6とヘッドユニット5と基板11との関係を説明する図である。図4(b)に示すヘッドユニット5には、2つの基板センサ4が副走査方向に沿って、互いに隔たった位置に設置されている。この例では、図4(a)に示すような、複数のヘッドユニット5間での面内回転誤差の補正に加え、ヘッドユニット5毎に面内回転誤差の補正が可能になる。
すなわち、各ヘッドユニット5の2つの基板センサ4がそれぞれ検出するキャビティ部13の検出タイミングの差異から、ヘッドユニット5毎に面内回転誤差に対する吐出タイミング補正をかけることができる。これにより、図4(a)の例に比べてより狭い領域での補正が可能になる。
さらに、図4(b)の例では、ヘッドユニット5毎に吐出タイミング補正を行うので、この場合、補正部9をヘッドユニット5毎に独立して設置してもよい。補正部9をヘッドユニット5毎に独立して設置することにより、各ヘッドユニット5が、キャビティ部13の検出、吐出タイミング補正、および補正結果のフィードバックを独立して行うことができる。
これにより、ヘッドユニット5毎に迅速なフィードバックを行うことが可能となるだけでなく、簡易な構成で補正システムの自動化を図ることが可能となる。
(各ヘッドユニットに4つの基板センサ)
図4(c)は、各ヘッドユニット5が4つの基板センサ4を備えている場合の、ガントリー6とヘッドユニット5と基板11との関係を説明する図である。図示のように、主走査方向の往路、復路の双方に先行する形で基板センサ4が2つずつ設置されている。したがって、基板11を主走査方向に往復させて往路、復路の両方で基板11の塗布を行う場合においても、キャビティ部13を検出し、吐出タイミング補正を行うことができる。図4(c)では、主走査方向の往路、復路の双方に先行する形で基板センサ4が2つずつ設置されている例を示しているが、主走査方向の往路、復路の双方に先行する形で基板センサ4を1つずつ設置してもよい。
〈基板センサの構成例〉
次に、基板センサ4の具体的な構成例について、図5に基づいて説明する。キャビティ部13の検出方法としては、例えば、バンク部12とキャビティ部13との境界部に形成される段差を検出する方法が挙げられる。また、キャビティ部13は光を透過し、バンク部12は光を透過しないので、基板11が光を透過するか否かを検出することによってキャビティ部13を検出することもできる。以下に具体的な基板センサ4の構成例について説明するが、基板センサ4の構成はこれらの例に限定されるものではない。
(境界部の段差を検出する場合)
例えば、バンク部12およびキャビティ部13等によって形成される段差を検出する場合には、基板センサ4を反射型の光センサと電気光学素子との組み合わせとすることが望ましい。具体的には、基板センサ4としてレーザ変位センサを用いることができる。レーザ変位センサは、高精度を有するものが数多く知られており、また、キャビティ部13の深さ(バンク部12の高さ)を検出することもできる。例えば、基板11がステンレス等のような、反射率が高く、かつ光を透過しない素材で構成されている場合には、特にレーザ変位センサを用いる方式が有効である。
レーザ変位センサについて図5(a)に基づいて説明する。図5(a)は、三角測距方式のレーザ変位センサ21の原理を示す図である。図示のように、半導体レーザ22から投光されたレーザ光は対象物25の表面で拡散反射され、その反射光の一部は受光レンズ23で集光され、CCD24上に結像される。対象物25が上下方向に変位すると、反射光の集光される角度が変化し、CCD24上の結像位置が移動することになる。レーザ変位センサ21は、このことを利用して対象物25の変位量を測定する。
また、レーザ変位センサ21では、投光レンズ26を選択することによってレーザ光のスポット形状を変化させることができる。図5(b)は、レーザ変位センサ21によって形成されるレーザ光のスポットと基板11のキャビティ部13との関係を示す図である。
上述のように、レーザ変位センサ21は、レーザ光の反射光によって対象物の表面形状(例えばバンク部12とキャビティ部13とで形成される段差)を検出する。したがって、レーザ光のスポット内にキャビティ部13が含まれていない場合には、そのキャビティ部13を検出することはできない。
例えば、図5(b)において、キャビティ部13の長辺幅が180μm、短辺幅が60μm、間隔が20μmである場合に、レーザ光のスポット径が20μm以下のレーザ変位センサ21を用いると、図示のように、レーザ光スポット27が幅20μmのバンク部12上のみを通過し、キャビティ部13を検知できないおそれがある。
そこで、レーザ光のスポットがキャビティ部13の間隔に比べて広いレーザ変位センサ21を用いることが好ましい。レーザ光のスポットをキャビティ部13の間隔に比べて広くした場合、1つのレーザ光のスポットが複数のキャビティ部13を同時に検出する可能性があるが、基板センサ4は、キャビティ部13の列を検出すれば良いので、複数のキャビティ部13を同時に検出することは構わない。
図5(b)では、ワイド型のレーザ変位センサ21を用いる例もあわせて示している。ワイド型のレーザ変位センサ21を用いた場合に形成されるスポットがレーザ光スポット28である。レーザ光スポット28は、主走査方向の代表径が20μmであり、副走査方向の代表径が500μmである。
このようなワイド型のレーザ変位センサ21を用いた場合、レーザ光スポット28は、必ずキャビティ部13を通過することになるので、キャビティ部13の検出漏れを防ぐことができる。
なお、小さいスポット径のレーザ変位センサ21を用いる場合には、図5(c)に示すように、キャビティ部13の間隔以上、長辺幅以下のピッチ(例えば100μm)で隣接させた2つのレーザ変位センサ21を用いることが望ましい。この構成によれば、少なくとも一方のレーザ変位センサ21がキャビティ部13を通過することになるので、キャビティ部13の検出漏れを防ぐことができる。
また、上記のようにキャビティ部13をその段差によって直接に検出する以外にも、キャビティ部13を検出する方法がある。例えば、基板11と段差を有するマークを基板上に設けておき、このマークとキャビティ部13との位置関係を予め取得しておく方法が挙げられる。この場合には、検出漏れを防ぐために、マークを副走査方向に連続した(離間していない)段差とすることが望ましい。
(境界部における透過光量変化や反射光量変化を検出する場合)
以上、説明したように、基板センサ4としてレーザ変位センサを用いることができる。そして、基板センサ4としては、レーザ変位センサ以外にも基板11を透過する透過光の光量変化を検出する透過型の光センサや、基板11に反射した反射光を検出する反射型の光センサを用いることもできる。
この場合、バンク部12とキャビティ部13との間に透過率または反射率の差を設けておき、この差に基づいてバンク部12とキャビティ部13との境界を検出することが望ましい。あるいは、予め基板11上に基板11とは透過率や反射率が異なる材質でマークを構成し、このマークを液滴吐出目標として検出することが望ましい。
まず、基板センサ4として、透過型の光センサを用いる場合の例を説明する。バンク部12とキャビティ部13とで透過光量が異なる場合、基板センサ4を透過型の光センサとすることができる。特に、基板11が例えばガラス等のように高透過率を有する素材で構成されている場合には透過型の光センサを用いる方法が有効である。具体的には、基板センサ4として発光部と受光部からなるレーザラインセンサを用いることができる。レーザラインセンサでは、例えば基板搬送部7上に発光部を設け、該発光部からレーザ光を基板11に当てる。そして、ヘッドユニット5上に受光部を設け、該受光部にて基板11を透過した透過光の光量変化を検知することにより、基板11上のインク吐出目標を検出することができる。
次に、基板センサ4として、反射型の光センサを用いる場合の例を説明する。バンク部12とキャビティ部13とで反射率が異なる場合、基板センサ4を反射型の光センサとすることができる。具体的には、ヘッドユニット5上に受光部および発光部を設置し、該発光部からレーザ光を基板11に当て、基板11で反射された反射光を上記受光部にて検知することにより、基板11上のインク吐出目標を検出する。
また、反射型の光センサを用いる場合、基板11上に、基板11とは反射率が異なる材質(例えばメタル等)でインク吐出目標となるマーク等を予め形成しておいても良い。
なお、基板センサ4として、透過型や反射型の光センサを用いる場合においても、レーザ変位センサ21を用いる場合と同様に、キャビティ部13の検出漏れがないように、レーザ光のスポット径を調整するか、レーザ光のピッチを調整することが望ましい。また、基板センサ4の検出方法に応じたマークを構成する場合には、マークの検出漏れを防ぐため、上述のようにマークの形状や配置に留意することが望ましい。
〈吐出タイミング補正方法〉
インクジェット塗布装置1における、吐出タイミング補正方法について図6に基づいて説明する。
(従来のインク吐出工程)
まず、比較のために、従来の一般的なインク吐出工程を図6(b)に基づいて説明する。図6(b)は、従来のインク吐出工程の流れを示すフローチャートである。
なお、ここでは、従来の一般的なインクジェット塗布装置として、1つのヘッドユニットで基板を走査して該基板を着色するインクジェット塗布装置を想定している。また、このインクジェット塗布装置では、本発明のインクジェット塗布装置1と同様に、XYステージによって基板を主走査方向に移動させ、基板とヘッドユニットとの相対的位置関係をリニアエンコーダによって取得するものとする。
従来のインク吐出工程では、まず、ヘッドユニットに対して吐出座標を指定する、すなわちヘッドユニットに搭載されている全てのノズルに対し、インク吐出のタイミングを示す指定吐出座標の設定を行う(S101)。続いて、基板の等速移動を開始し(S102)、ステージ座標、すなわちリニアエンコーダの座標値が指定吐出座標と一致した場合に(S103)、インク吐出を行う(S104)。
すなわち、従来のインク吐出工程は、まず指定吐出座標を設定し、リニアエンコーダが検出する座標値がこの指定吐出座標と一致した時にインクを吐出するというものであった。
(本発明のインク吐出工程)
次に、本発明のインクジェット塗布装置1におけるインク吐出工程を図6(a)に基づいて説明する。図6(a)は、インクジェット塗布装置1におけるインク吐出工程の流れを示すフローチャートである。
図6(b)のフローと同様に、まず吐出座標を指定する(S01)。ここで、図6(b)の例では、ヘッドユニット5が1つであるため、吐出座標の設定も1つのヘッドユニット5のみに対して行っている。これに対し、図6(a)の例では、ヘッドユニット5が複数備えられているので、各ヘッドユニット5に対して吐出座標を指定する。なお、制御部8を各ヘッドユニット5に設けた場合、吐出座標の指定はヘッドユニット5毎に行われる。
続いて、ステージ、すなわち基板搬送部7が等速移動を開始し(S02)、基板センサ4が基板11のキャビティ部13を検出すると(S03)、キャビティ部13とS01にて指定した吐出座標の主走査方向におけるずれをキャンセルするように、S01で指定された吐出座標の補正を行う(S04)。この間も基板11は等速移動を続けており(S05)、ステージ座標、すなわちリニアエンコーダ10の座標値がS04で補正を行った後の吐出座標と一致した時に(S06)、インク吐出を行う(S07)。
次に、吐出座標補正(S04)のアルゴリズムについて、その詳細を述べる。ここでは、吐出座標補正の例として、各ヘッドユニット5が1つの基板センサ4を備えている場合、および各ヘッドユニット5が2つの基板センサ4を備えている場合における吐出座標補正のアルゴリズムについて説明する。
〈各ヘッドユニットが1つの基板センサを備えている場合〉
図7(a)は、各ヘッドユニット5が1つの基板センサ4を備えている場合に、ヘッドユニット5に対してキャビティ部13がある面内回転角度を持って導入されたときに、基板センサ4が第1列目のキャビティ部13を検出した状態の一例を示している。
なお、ここでは、同図左側のヘッドユニット5の基板センサ4をセンサS1とし、同図右側のヘッドユニット5の基板センサ4をセンサS2として説明する。また、説明を簡単にするため、同図左側のヘッドユニット5が備えるノズル2のうちノズルA1についてのみ説明し、同図右側のヘッドユニット5が備えるノズル2のうちノズルB1についてのみ説明するが、他のノズル2についても同様である。
まず、ここでは、ノズルA1およびB1における指定吐出座標は、それぞれPA1、PB1と指定されていることを想定している。すなわち、吐出タイミング補正を行わない場合には、制御部8が読み取ったリニアエンコーダ10の座標値がPA1と一致したと同時にノズルA1からインクが吐出されることになり、PB1と一致したと同時にノズルB1からインクが吐出されることになる。
ところが、図7(a)に示すように、ノズルA1およびB1が指定吐出座標PA1、PB1の位置に到達する前に、センサS2がキャビティ部13の第1列目を検知している。ここで、この位置におけるリニアエンコーダ10の座標値をPs2とすると、ノズル2Bが吐出を開始すべき位置は、PS2+YB1となる。なお、YB1とは、予め取得されたセンサS2とノズルB1との距離の主走査方向成分である。
そこで、ノズルB1がインクを吐出するよう指定された指定吐出座標PB1と、実際にインクを吐出するべき理想の吐出座標(PS2+YB1)との差分DB1を補正値とし、この補正値DB1を指定吐出座標PB1に加算する。これにより、主走査方向の誤差をキャンセルすることができる。
図7(b)は、図7(a)からある時間が経過し、センサS1が第1列目のキャビティ部13を検出したときの状態を示している。なお、図7(b)では、簡単のため、基板11ではなくヘッドユニット5が移動している。
図7(a)と同様に、センサS1が第1列目のキャビティ部13を検出した時のリニアエンコーダ10の座標値をPS1とすると、インク吐出を開始すべき座標値は、PS1+YA1となる。したがって、指定された座標値PA1と、PS1+YA1との差分DA1を補正値とし、この補正値DA1を指定吐出座標PA1に加算することで主走査方向の誤差をキャンセルすることができる。
(制御部におけるインク吐出制御処理)
ここで、図7(a)(b)の例における具体的な制御部8の動作について、図8および図9に基づいて説明する。図8は制御部8におけるインク吐出処理の流れを示すフローチャートであり、図9は制御部8が記憶しているデータのデータ構造の一例を示す図である。
まず、インクジェット塗布装置1のユーザは、制御部8の入力部に指定吐出座標を入力する。ここでは、ノズルA1の指定吐出座標としてPA1が、ノズルB1の指定吐出座標としてPB1がそれぞれ入力される(S11、S12)。そして、入力された指定吐出座標は、図9に示すように、ノズルA1およびノズルB1の指定吐出座標欄にそれぞれ格納される。
続いて、補正部9から制御部8に補正値DA1およびDB1がフィードバックされるので、制御部8はこの補正値をノズルA1およびノズルB1の補正値欄に格納する(S13、S14、図9参照)。補正部9における補正値算出処理については後述する。
次に、制御部8は、リニアエンコーダ10からステージ座標Pを取得する(S15、S16)。そして、制御部8は、ステージ座標のシフトを行う。すなわち、ノズルA1については、ステージ座標Pに補正値DA1を加算し(S17)、ノズルB1については、ステージ座標Pに補正値DB1を加算する(S18)。
続いて、制御部8は、シフト後のステージ座標と指定吐出座標とを比較し、一致した場合はインクを吐出させる。すなわち、ノズルA1については、P+DA1とPA1とを比較し(S19)、一致した場合にノズルA1からインクを吐出させ(S21)、ノズルB1については、P+DB1とPB1とを比較し(S20)、一致した場合にノズルB1からインクを吐出させる(S22)。
なお、ここでは、ステージ座標をシフトさせ、シフト後のステージ座標と指定吐出座標とを比較する例を示したが、図6(a)に示すように、指定吐出座標を補正し、補正後の指定吐出座標とステージ座標とを比較するようにしても良い。この場合も補正値の算出方法は同じである。
(補正部における補正値算出処理)
次に、補正部9における補正値算出処理について図10および図11に基づいて説明する。図10は補正値算出処理の流れを示すフローチャートであり、図11は補正部9が記憶しているデータのデータ構造の一例を示す図である。
まず、補正部9は、補正値算出に必要な各種パラメータを取得する(S31)。ここで、補正値算出に必要なパラメータは、ノズルA1およびB1の指定吐出座標PA1、PB1、ノズルA1とセンサS1との距離の主走査方向成分YA1、およびノズルB1とセンサS2との距離の主走査方向成分YB1である。
これらのパラメータは、例えば補正部9に入力部を備えて、その入力部を介して入力するようにすればよい。また、指定吐出座標PA1、PB1は、制御部8が記憶しているので、制御部8から取得するようにしても良い。各パラメータは、図11に示すように所定の欄にそれぞれ格納される。
センサS2は、キャビティ部13を検出すると(図7(b)の状態)、検出した時点の座標値をリニアエンコーダ10から取得し、この座標値PS2を目標位置検出座標として補正部9に送出する(S32)。同様に、センサS1は、キャビティ部13を検出すると(図7(a)の状態)、座標値PS1を目標位置検出座標として補正部9に送出する(S33)。これらのパラメータは、それぞれノズルA1およびB1の目標位置検出座標欄に格納される(図11参照)。
続いて、補正部9は、目標位置検出座標と、ノズルとセンサとの距離の主走査方向成分とを加算して、そのノズルからインクを吐出するべき理想の吐出座標を算出する。そして、この理想の吐出座標と、指定吐出座標との差分を算出し、これを補正値とする。
具体的には、補正部9は、ノズルA1については、目標位置検出座標PS1とノズルA1とセンサS1との距離の主走査方向成分YA1とを加算して理想の吐出座標を算出し(S34)、指定吐出座標PA1と理想の吐出座標(PS1+YA1)との差分DA1を算出して(S36)、この差分DA1を補正値として記憶する。同様に、ノズルB1では、PS2とYB1とを加算して理想の吐出座標を算出し(S34)、PとPS2+YA2との差分DB1を算出して(S36)、この差分DB1を補正値として記憶する。
そして、補正部9は、算出した補正値を制御部8にフィードバックする。具体的には、ノズルA1の補正値としてDA1を制御部8に送出し(S38)、ノズルB1の補正値としてDB1を制御部8に送出する(S39)。
制御部8は、補正値DA1およびDB1を記憶し(図8のS13、S14)、この補正値に基づいてステージ座標のシフトを行う(図8のS17、S18)。
(具体的な数値例)
さらに具体的な数値例を挙げてインクジェット塗布装置1の動作例について説明する。図12は、補正値算出処理およびインク吐出処理における各パラメータの数値例を示す図である。
図示のように、ノズルA1の指定吐出座標PA1は、1000を起点として100おきに設定されており、ノズルB1の指定吐出座標PB1は、1050を起点として100おきに設定されている。
すなわち、ステージ座標が1000になったときにノズルA1からインクが吐出され、以後1100、1200、…の座標値となったときにノズルA1からインクが吐出されるように初期設定されている。ノズルB1においても同様に、ステージ座標が1050になったときにインクが吐出され、以後1150…の座標値となったときにノズルB1からインクが吐出されるように初期設定されている。
また、図示のように、YA1=50、YB1=70であることを想定しており、PS1=900、PS2=850であることを想定している。すなわち、この例では、図10のS31にて、YA1=50、YB1=70とのパラメータが取得されることになる。また、同S31では、PA1=1000、PB1=1050とのパラメータも取得される。
なお、図12の例のように、指定吐出座標として複数の座標値が設定されている場合、補正部9は、最も小さい値の座標値を選択する。最も値の小さい指定吐出座標に対応するキャビティ部13は、ノズル2に対して第1列目のキャビティ部13となり、第1列目のキャビティ部13に対して補正をかけることで、2列目以降のキャビティ部13に対しても対応できるからである。
そして、ここでは、ステージ座標が850となったときにセンサS2が第1列目のキャビティ部13を検出し(図10のS32)、ステージ座標が900となったときにセンサS1が第1列目のキャビティ部13を検出する(図10のS33)ことを想定している。すなわち、ノズルA1の目標位置検出座標PS1は900であり、ノズルB1の目標位置検出座標PS2は850である。
補正部9は、以上のパラメータ(YA1=50、YB1=70、PA1=1000、PB1=1050、PS1=900、PS2=850)に基づいて補正値を算出する。具体的には、補正部9は、ノズルA1について、まず、YA1とPS1とを加算して理想の吐出座標を求める(図10のS34)。ここでは、理想の吐出座標は950となる。続いて、補正部9は、PA1と理想の吐出座標との差分を算出する(図10のS36)。ここでは、差分は50となる。そして、補正部9は、差分を補正値DA1として制御部8にフィードバックする。同様にノズルB1についても補正値DB1が算出される。この例では、DB1=130となり、この値が制御部8にフィードバックされる。
制御部8では、補正部9からフィードバックされる補正値に基づいてステージ座標をシフトする。すなわち、ノズルA1では、ステージ座標Pに補正値DA1を加算して、加算後のステージ座標をシフト後ステージ座標とする(図8のS17)。同様にノズルB1では、ステージ座標に補正値DB1を加算して、加算後のステージ座標をシフト後ステージ座標とする(図8のS18)。
そして、制御部8は、このシフト後ステージ座標と指定吐出座標とを比較し、シフト後ステージ座標と指定吐出座標との数値が一致した場合にインクを吐出させる。具体的には、制御部8は、ノズルA1について、図12のシフト後ステージ座標欄のA1に記載されている座標値と、指定吐出座標欄のA1に記載されている座標値とを比較して、一致した時にノズルA1からインクを吐出させる。ノズルB1についても同様である。
なお、ノズルA1、B1は、全ノズル2の中から無作為に選ばれたものであり、全てのノズル2に対して同様の吐出タイミング補正が行われる。
上述の例では、面内回転誤差を考慮せず、ノズル2と基板センサ4との距離の主走査方向成分(YA1やYB1)に基づいて補正値を算出している。この場合、補正値算出に必要なパラメータは、目標位置検出座標、指定吐出座標、およびノズル2と基板センサ4との距離の主走査方向成分の3種類で良く、少ないパラメータで簡易に補正値を算出することができる。また、基板センサ4は、各ヘッドユニット5に1つであるから、インクジェット塗布装置1の製造コストを低く抑えることができる。
なお、この場合、ノズル2と基板センサ4との距離の副走査方向成分が小さいことが好ましい。これは、基板11がガントリー6に対して面内回転誤差を含む状態で搬送されてきたときには、基板センサ4との距離の副走査方向成分が大きいノズル2ほど、面内回転誤差の影響が大きいからである。
〈各ヘッドユニットが2つの基板センサを備えている場合〉
各ヘッドユニット5が2つの基板センサ4を備えている場合、2つの基板センサ4の両方がキャビティ部13を検出したときに、インク吐出タイミングの補正を行う。これにより、各ヘッドユニット5は、面内回転誤差を考慮してインク吐出タイミングを補正することができる。
すなわち、各ヘッドユニット5が1つの基板センサ4を備えている場合、面内回転誤差を考慮した補正を行うためには、複数のヘッドユニット5によるキャビティ部13の検出結果に基づいて補正を行う必要があった。これに対し、各ヘッドユニット5が2つの基板センサ4を備えている場合、各ヘッドユニット5で面内回転誤差を考慮したインク吐出タイミング補正が可能となっている。
図13(a)は、各ヘッドユニット5が2つの基板センサ4を備えている場合に、ヘッドユニット5に対してキャビティ部13がある面内回転角度を持って導入されたときに、基板センサ4が第1列目のキャビティ部13を検出した状態を示している。
なお、ここでは、同図右側の基板センサ4をセンサS1とし、同図左側の基板センサ4をセンサS2として説明する。また、説明を簡単にするため、ヘッドユニット5が備えるノズル2のうち、ノズルA1およびA2についてのみ説明するが、他のノズル2についても同様である。
ここでは、上述の各ヘッドユニット5が1つの基板センサ4を備えている場合と同様に、センサS1およびS2とノズルA1およびA2との距離の主走査方向成分をYA1およびYA2とし、ノズルA1およびA2の指定吐出座標をそれぞれPA1およびPA2としている。また、センサS1およびS2が第1列目のキャビティ部13を検出したときの座標値をそれぞれPS1、PS2としている。
各ヘッドユニット5が2つの基板センサ4を備えている場合、上記のパラメータに加えて、センサS1の位置を基準として、ノズルA1およびA2とセンサS1との距離の副走査方向成分XA1およびXA2、およびセンサS1とS2との間の距離Xが予め取得されている。
図13(a)に示すように、センサS1は、ステージ座標PS1で第1列目のキャビティ部13を検出している。すなわち、センサS1の目標位置検出座標はPS1である。この時点ではまだ吐出タイミング補正は行われない。
図13(b)は、同図(a)の状態から一定時間を経て、センサS2が第1列目のキャビティ部13を検出したときの状態を示している。同図(b)に示すように、センサS2がキャビティ部13を検出したときのステージ座標、すなわちセンサS2の目標位置検出座標は、PS2となっている。
センサS1およびS2が目標位置検出座標を検出した時点で、補正部9にて吐出タイミング補正が行われる。補正部9は、まず理想の吐出座標を算出する。図13(a)に示すように、センサS1がキャビティ部13を検出した時点において、ノズルA1からキャビティ部13までの距離は、YA1+XA1・tanθと表すことができる。なお、θは、図13(b)に示すように、副走査方向に対してキャビティ部13の副走査方向の列がなす角度、すなわち面内回転角度を指す。
ここで、センサS1がキャビティ部13を検出した時点のステージ座標は、PS1であるから、ノズルA1からインクを吐出するべき理想の吐出座標は、PS1+YA1+XA1・tanθと表すことができる。また、同様に、ノズルA2の理想の吐出座標は、PS1+YA2+XA2・tanθと表すことができる。
理想の吐出座標を決定した後は、各ヘッドユニット5が1つの基板センサ4を備えている場合と同様に、補正部9が補正値を算出して制御部8にフィードバックすることによって、インク吐出タイミングの補正が行われる。
(補正部における補正値算出処理)
各ヘッドユニット5が2つの基板センサ4を備えている場合の、補正部9における補正値算出処理について図14に基づいて説明する。図14は、補正値算出処理の流れを示すフローチャートである。なお、この場合の、補正部9が記憶しているデータのデータ構造は、図11と同様であるからここでは説明を省略する。
まず、補正部9は、補正値算出に必要な各種パラメータを取得する(S41)。ここで、補正値算出に必要なパラメータは、指定吐出座標PA1、PA2、ノズルA1およびA2とセンサS1およびS2との距離の主走査方向成分YA1およびYA2、ノズルA1およびA2とセンサS1との距離の副走査方向成分XA1およびXA2、およびセンサS1とS2との間の距離Xである。
センサS1およびS2から目標位置検出座標PS1およびPS2が送られてくると(S42、S43)、補正部9は、面内回転角度を算出する(S44)。具体的には、補正部9は、
tanθ=(PS2−PS1)/X
との数式にてtanθを求める。
続いて、補正部9は、ノズルA1およびA2について理想の吐出座標を算出し(S45)、指定吐出座標と理想の吐出座標との差分を補正値として算出する(S46)。
そして、ノズルA1およびA2の補正値DA1およびDA2が、制御部8にフィードバックされる(S47)ことによって、ノズルA1およびA2のインク吐出タイミングが補正される。
(具体的な数値例)
さらに具体的な数値例を挙げてインクジェット塗布装置1の動作例について図15に基づいて説明する。図15は、補正値算出処理およびインク吐出処理における各パラメータの数値例を示す図である。
図示のように、ノズルA1の指定吐出座標PA1は、1000を起点として100おきに設定されており、ノズルA2の指定吐出座標PA2は、1150を起点として100おきに設定されている。
また、図示のように、XA1=500、XA2=1000、X=1500、YA1=50、YA2=200であることを想定している。これらのパラメータは、図14のS41で取得される。
そして、ここでは、ステージ座標が800となったときにセンサS1が第1列目のキャビティ部13を検出し(S42)、ステージ座標が830となったときにセンサS2が第1列目のキャビティ部13を検出する(S43)ことを想定している。すなわち、ノズルA1の目標位置検出座標PS1は800であり、ノズルB1の目標位置検出座標PS2は830である。
補正部9は、以上のパラメータに基づいて補正値を算出する。具体的には、補正部9はまず、tanθ=(PS2−PS1)/Xとの数式にてtanθを求める(S44)。ここでは、tanθ=0.02となる。
続いて、補正部9は、図14のS45に示す数式にて理想の吐出座標を求める。ここでは、ノズルA1およびA2の理想の吐出座標はそれぞれ860および1020となる。そして、補正部9は、ノズルA1およびA2のそれぞれについて、指定吐出座標と理想の吐出座標との差分を補正値として算出する(S46)。ここでは、ノズルA1の補正値DA1=140となり、ノズルA2の補正値DA2=130となり、この値が制御部8にフィードバックされる(S47)。
そして、制御部8は、ノズルA1について、シフト後ステージ座標と指定吐出座標とを比較して、一致した時にノズルA1からインクを吐出させる。ノズルB1についても同様である。
なお、ノズルA1、A2は、ヘッドユニット5が備えるノズル2の中から無作為に選ばれたものであり、ヘッドユニット5内の全てのノズル2に対して同様の吐出タイミング補正が行われる。
このように、1つのヘッドユニット5が2つの基板センサ4を備えている場合、1つのヘッドユニット5において、ノズル2毎にその副走査方向の位置に基づいて補正値を算出している。すなわち、1つのヘッドユニット5において、面内回転誤差に依存する個別の補正を行うことができる。これにより、ヘッドユニット5間だけでなく、ヘッドユニット5内で吐出タイミング補正を行うことが可能となり、より高精度な補正を行うことが可能になっている。
〔実施の形態2〕
上記実施の形態1におけるインク吐出タイミング補正では、基板センサ4がインク吐出目標を検出したタイミングのステージ座標を取得し、該取得したステージ座標から求めた理想のインク吐出座標と、始めに設定した指定吐出座標とのズレを補正値として算出し、この補正値を用いてインク吐出タイミングを補正している。
この方法によれば、リアルタイムでのインク吐出タイミング補正が可能になり、また、ヘッドユニット5内における基板31の面内回転誤差を補正することが可能になるというメリットがある反面、瞬時に演算処理を行う必要があるため、インクジェット塗布装置に対する制御的な負担がつきまとう。
本実施形態では、このような演算処理を用いずにインク吐出タイミングを補正する例について説明する。具体的には、本実施形態のインクジェット塗布装置では、インク吐出タイミングの補正を、演算処理ではなく、リセット信号によって行う。なお、上記実施形態と同様の構成については、同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
〈基板の構成〉
まず、本実施形態でインク塗布の対象となる基板について図16に基づいて説明する。図16は、基板の一例を示す平面図である。図示のように、基板31には、バンク部12によって区切られ、マトリクス状に配列したキャビティ部13からなる描画領域14が形成されていると共に、基板マーク(液滴吐出目標)32が形成されている。
基板マーク32は、図示のように、描画領域14に対して基板31の主走査方向Sの下流側に位置し、描画領域14の主走査方向Sの下流側における外縁と平行な第1ライン32Aと、描画領域14の副走査方向の外縁よりも描画領域14の外側に形成された第2ラインと32Bとが交差した形状である。
この、基板マーク32を基準に、描画領域14内の各キャビティ部13の位置を取得することができる。すなわち、ここでは、第1ライン32Aと第2ライン32Bとが交差する点を原点(0,0)とし、主走査方向SをY軸方向、副走査方向をX軸方向として、各キャビティ部13の位置座標を取得することを想定している。なお、基板マーク32は、該基板マーク32を基準として各キャビティ部13の位置座標を取得できるものであればよく、図示の形状に限定されない。
ここで、上記実施形態で述べたように、キャビティ部13は、インクジェット塗布装置がインク吐出する対象である。すなわち、キャビティ部13の位置座標を取得することによって、描画領域14の各キャビティ部13にインクを塗布するためのインク吐出パターンである描画パターンを作成することができる。なお、描画パターンは、ヘッドユニット5が備える全ノズル2のインク吐出タイミング(座標)を示すデータである。
例えば、図16に示す基板31の基板マーク32が、インクジェット塗布装置が備える検出センサによって検出された後、基板31の搬送がリニアエンコーダ10のカウンタ値で所定のカウント数だけ進んだときに、あるノズル2からインクを吐出したインク着弾位置が、同図のTの位置であった場合を考える。
この場合には、Tの位置座標を求めることにより、基板マーク32検出後のカウント数とインク着弾位置座標との対応関係を求めることができる。その結果、基板マーク32検出した何カウント後にインクを吐出すれば所定のキャビティ部13にインクを着弾させることができるかを求めることができる。
また、このように、基板マーク32を検出した所定のカウント後にインクを吐出させたときのインク着弾位置を、実際のインクジェット塗布装置を用いて計測することによって、基板マークを検出するセンサとノズル2との位置決め誤差、及び基板マーク32検出からインク吐出までの制御にかかる遅延をキャンセルした描画パターンを作成することが可能になっている。
本実施形態では、基板マーク32を基準として、各キャビティ部13の位置座標を取得することを想定しているので、基板マーク32は、各キャビティ部13を形成する際の工程内で位置決めすることが望ましい。例えば、各キャビティ部13をフォトリソグラフィーによって形成する際に、同じマスク、露光機によって基板マーク32の位置も決定することが望ましい。これにより、基板マーク32と描画領域14内の全てのキャビティ部13との位置関係、すなわち基板マーク32の交差部を原点とした各キャビティ部13の座標値を設計値として取得し、描画領域14の描画パターンを予め作成しておくことが可能になる。
このように、基板31に基板マーク32を設けることによって、描画領域14の描画パターンを予め取得することができる。したがって、描画領域14にインクの塗布を開始するタイミングさえ求めることができれば、吐出開始後の各キャビティ部13へのインク吐出は、予め作成した描画パターンに基づいて決定することができる。
ここで、描画領域14にインクの吐出を開始するタイミングは、基板マーク32を基準としたタイミングに応じて決定することができる。すなわち、上記実施形態において、基板センサ4でキャビティ部13を検出したタイミング(ステージ座標)に基づいてインク吐出タイミング補正を行うのと同様に、本実施形態のインクジェット塗布装置においても、インクの吐出を開始する吐出開始位置座標は、基板マーク32を検出したタイミングによって決定される。
具体的には、本実施形態のインクジェット塗布装置では、基板マーク32を検出する基板マーク検出センサ(検出センサ)45が各ヘッドユニット5上に設けられており、該基板マーク検出センサ45が基板マーク32を検出したタイミング(座標)に応じてインク吐出の開始タイミングを補正することを想定している。
また、ここでは、基板マーク検出センサ45は、上記実施形態の基板センサ4と同様に、各ヘッドユニット5に1つづつ設けられていることを想定している。すなわち、本実施形態のインクジェット塗布装置においても、ヘッドユニット5毎に基板マーク32を検出し、ヘッドユニット5毎にインクの吐出タイミング補正が行われる。
なお、基板マーク検出センサ45は、基板マーク32を検出できるものであればよく、基板マーク32の形成方法に応じて適宜選択することができる。例えば、基板マーク32を金属製のメタルマークで形成した場合には、基板マーク検出センサ45として反射型の光学センサを設けることができる。また、基板マーク32の代わりに、描画領域14内において主走査方向Sに対して最も下流側に位置するバンク部12の列を検出してもよい。この場合には、上記〈基板センサの構成例〉で説明したような各種センサで基板マーク32を検出することができる。
〈補正部の構成〉
本実施形態のインクジェット塗布装置において、インク吐出開始タイミングの補正を行う補正部(補正手段)41の構成について、図17に基づいて説明する。図17は、補正部41の要部構成を示すブロック図である。図示のように、補正部41は、リニアエンコーダ10のエンコーダカウンタ10’と接続しており、基板マーク検出センサ45が基板マーク32を検出したときに出力するマーク検出信号を受け取り、制御部8にインクの吐出を開始させる吐出開始信号を送るようになっている。
なお、エンコーダカウンタ10’は、図示のように、リニアエンコーダ10と接続されており、リニアエンコーダ10から送られるエンコーダ信号をカウントするカウンタである。すなわち、エンコーダカウンタ42は、ガントリー6と基板搬送部7上に固定された基板31との相対的な位置関係を座標値として取得するものであり、インクジェット塗布装置はエンコーダカウンタ10’のカウンタ値に基づいて基板31の位置を把握している。また、エンコーダカウンタ10’は補正部41内に組み込まれていてもよい。なお、以下の説明では、エンコーダカウンタ42をCNT(0)と記載することがある。
ここでは、1〜NまでのN個の描画領域14が設けられ、各描画領域14に基板マーク32が設けられた基板31にインクを吐出する際のタイミング補正を行うことを想定している。そして、図示のように、制御部8には、描画パターン(1)〜(N)が格納されている。これらの描画パターンは、1〜NまでのN個の描画領域14それぞれ対応している。
すなわち、基板31がインクジェット塗布装置に供給されると、1〜NまでのN個の描画領域14にそれぞれ設けられた基板マーク32が基板マーク検出センサ45によって検出されて、マーク検出信号が補正部41に送られる。補正部41は、マーク検出信号とエンコーダカウンタ10’のカウンタ値とに基づいて、制御部8に吐出開始信号を送る。そして、制御部8は、吐出開始信号を受け取ると、描画パターン(1)〜(N)に基づいて各ヘッドエレメント3に指示することにより、各ノズル2から基板31にインクが吐出される。
補正部41の具体的な構成及び機能について、以下説明する。補正部41は、マーク基準カウンタ(補正用カウンタ)42と、吐出開始位置レジスタ(吐出タイミング記憶部)43と、吐出位置比較器44とを備えている。マーク基準カウンタ42は、エンコーダカウンタ42と同期して座標値をカウントするカウンタである。また、図示のように、補正部41には、CNT(1)〜CNT(N)のN個のマーク基準カウンタ42が設けられている。すなわち、N個のマーク基準カウンタ42は、N個の描画領域14にそれぞれ対応している。
すなわち、リニアエンコーダ10から送られるエンコーダ信号は、CNT(0)だけでなく、CNT(1)〜CNT(N)も含むそれぞれのカウンタによって取得されている。そして、これにより、CNT(1)〜CNT(N)は、CNT(0)と同じペースでカウンタ値が増加するようになっている。
ここで、図示のように、基板マーク検出センサ45は、基板マーク32を検出したときにマーク基準カウンタ42にマーク検出信号を送る。そして、マーク基準カウンタ42は、マーク検出信号を受け取ると、リセット信号を発信してマーク基準カウンタ42のカウンタ値をリセットする。
より詳細には、マーク基準カウンタ42は、最初にマーク検出信号を受け取ったときにはCNT(1)にリセット信号を発信してCNT(1)のカウンタ値を所定のリセット値に設定する。そして、リセットされたCNT(1)のカウンタ値は、リセット値からCNT(0)と同じペースでカウントアップされることになる。同様に、次にマーク検出信号を受け取ったときには、CNT(2)が上記とは別のリセット値に設定され、リセット値からCNT(0)と同じペースでカウントアップされる。
このように、基板31の各描画領域14のそれぞれに設けられている基板マーク32が順次検出されると、CNT(1)〜CNT(N)のカウンタ値は、それぞれ所定のリセット値に順次リセットされる。そして、リセット後のCNT(1)〜CNT(N)のカウンタ値は、CNT(0)と同じペースでカウントアップされる。詳細については後述するが、本実施形態のインクジェット塗布装置では、CNT(1)〜CNT(N)のカウンタ値に基づいて1番目からN番目までの描画領域14へのインクの吐出開始タイミングが決定される。
なお、カウンタのリセットが行われるのは、インク吐出タイミング補正に関わるカウンタであるCNT(1)〜(N)のみである。したがって、カウンタのリセットが、リニアエンコーダ10のカウンタ値に基づいて基準位置や初期状態等を設定して動作する基板搬送部7や、その他周辺機器の動作には影響を及ぼすことはない。
ところで、上述のように、CNT(1)〜CNT(N)はそれぞれ異なるリセット値からカウントアップされるので、1つの基板31へのインク塗布が終了した後にはカウンタ値がばらばらの値になる。そこで、インク塗布が終了する度に、CNT(0)の値をCNT(1)〜(N)にコピーする。これにより、CNT(1)〜CNT(N)のカウンタ値を初期状態に戻した状態で次の基板31へのインク塗布を行うことができる。
吐出開始位置レジスタ43は、各描画領域14に対応するインク吐出開始位置の座標(カウンタ値)を格納するレジスタである。すなわち、吐出開始位置レジスタ43は、1番目の描画領域14に対応するレジスタから、N番目の描画領域14に対応するレジスタまでの、合計N個設けられている。
ここで、吐出開始位置レジスタ43に格納されているカウンタ値について説明する。すなわち、マーク(1)レジスタからマーク(N)レジスタまでのN個の吐出開始位置レジスタ43には、それぞれCNT(1)〜CNT(N)のリセット値とC〜Cのシフト値とを足し合わせたカウンタ値が格納されている。
また、シフト値とは、基板マークが検出された後、当該基板マークに対応する描画領域14にインク塗布を開始するまでに要するカウント数を示す数値である。例えば、マーク(1)が検出された後、Cカウント後にインク塗布を開始することにより、1番目の描画領域14における所定のキャビティ部13に正確にインクが着弾することになる。なお、シフト値は、描画パターンと同様に、実際のインク着弾位置の測定結果から予め求めておくことができる。
以上のように、吐出開始位置レジスタ43には、リセット値とシフト値とを足し合わせたカウンタ値が吐出開始位置として格納されている。ここで、マーク基準カウンタ42は基板マーク検出時に所定のリセット値にリセットされリセット値からカウントアップされるようになっており、シフト値は基板マーク検出からインク吐出開始までのカウンタ値を示している。
すなわち、マーク基準カウンタ42のカウンタ値と、吐出開始位置レジスタ43に格納されているカウンタ値とが一致したときにインク吐出を開始させることで、所定のキャビティ部13に正確にインクを着弾させることができる。
吐出位置比較器44は、マーク基準カウンタ42のカウンタ値と、吐出開始位置レジスタ43に格納されているカウンタ値とを比較し、両者が一致したときに制御部8に吐出開始信号を送る。そして、吐出開始信号を受け取った制御部8が、制御部8に格納されている描画パターン及びマーク基準カウンタ42のカウンタ値に基づいて各ヘッドエレメント3にインク吐出指示を送ることにより、各ノズル2から基板31にインクが吐出される。
なお、図17の例では、N個の描画領域14のそれぞれについて、各1つのマーク基準カウンタ42を備えている構成を示しているが、複数の描画領域14について1つのマーク基準カウンタ42を用いてインク吐出開始タイミングの補正を行うこともできる。しかしながら、マーク基準カウンタ42及び吐出開始位置レジスタ43を描画領域14の数だけ設けることにより、補正部41が誤作動することを防ぐことができるので好ましい。この理由については後述する。
以上の構成を備える補正部41の具体的な動作例について、図18に基づいて説明する。図18は、カウンタ値と基板31の搬送量との関係を示す図である。なお、以下の説明では、1〜NまでのN個の描画領域14に対応する基板マーク32をそれぞれマーク(1)〜マーク(N)と称する。
リニアエンコーダ10のカウンタ値を示すCNT(0)は、図示のように、カウンタ値−YLからカウンタ値+YLまでカウントアップする。すなわち、−YLから+YLまでが、リニアエンコーダ10の装置ストロークである。
また、同図の縦軸に示す、R1〜RNは、それぞれCNT(1)〜CNT(N)のリセット値である。すなわち、マーク(1)〜マーク(N)が順次検出されると、CNT(1)〜CNT(N)のカウンタ値は、それぞれR1〜RNの値にリセットされることになる。
そして、同図の縦軸に示す、Y1〜YNは、吐出開始位置レジスタ43のマーク(1)レジスタ〜マーク(N)レジスタにそれぞれ格納されている吐出開始位置である。すなわち、吐出位置比較器44は、CNT(1)〜CNT(N)のカウンタ値が、それぞれY1〜YNに一致したときに、制御部8に吐出開始信号を送る。
また、同図の横軸には、マーク(1)〜マーク(N)のそれぞれに対応するマーク検出信号が補正部41に送られるときの基板31の搬送量を示している。ここでは、基板31は主走査方向S(同図において搬送量がプラスの向き)に等速で搬送されることを想定しており、図示のように、搬送量が進むにつれて、マーク(1)〜マーク(N)が順次検出されている。すなわち、ここでは、1番目の描画領域14からN番目の描画領域14までのN個の描画領域14が順次インクジェット塗布装置に供され、インクが塗布されることを想定している。
続いて、補正部41の動作説明に移る。上述のように、インクの塗布を開始する前には、CNT(0)のカウンタ値がCNT(1)〜(N)のそれぞれにコピーされるので、インクの塗布を開始する前の状態では、CNT(1)〜(N)は、全てCNT(0)と同じカウンタ値となる。そして、基板31の搬送が進み、マーク(1)が基板マーク検出センサ45によって検出されると、図示のように、CNT(1)はR1の値にリセットされる。リセットされた、CNT(1)は、CNT(0)と同じペースでカウントアップされる。
ここで、吐出位置比較器44は、CNT(1)のカウンタ値とマーク(1)レジスタに格納されているカウンタ値とを比較して、両者が一致したときに制御部8に吐出開始信号を送る。具体的には、図示のように、CNT(1)のカウンタ値が、R1からシフト値Cだけ進んだカウンタ値であるY1になったときに、吐出位置比較器44から制御部8に吐出開始信号が送られる。そして、吐出開始信号を受け取った制御部8は、描画パターン(1)に基づいてインクの吐出を開始し、以後CNT(1)のカウンタ値及び描画パターン(1)を参照して各ノズル2にインク吐出の指示を行う。これにより1番目の描画領域14にインクの塗布が行われることになる。
同様にして、以後の基板マークが検出される度に、CNT(2)〜(N)の値はそれぞれ、R2〜RNにリセットされ、カウントアップされる。そして、吐出位置比較器44がCNT(2)〜(N)のカウンタ値とY2〜YNのカウンタ値とが一致したと判断したときに、それぞれ吐出開始信号が制御部8に送られる。制御部8は、2回目に吐出開始信号を受け取ったときには描画パターン(2)及びCNT(2)のカウンタ値に基づいて2番目の描画領域14へのインクの塗布を開始し、以下同様にN番目の描画領域14まで順次インクの塗布を行う。
このように、本実施形態のインクジェット塗布装置では、補正部41は、基板マーク32の検出時にマーク基準カウンタ42をリセットし、リセット後のカウンタ値から所定のカウント数(シフト値)が経過したときにインクを吐出するように制御する。これにより、基板31の搬送方向の誤差をキャンセルして、所望の着弾位置にインクを着弾させることが可能となる。すなわち、上記インクジェット塗布装置では、ソフト的な演算をしなくても、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)などでリセット信号を生成させ、該生成させたリセット信号のみで吐出タイミング補正を行い、所定のキャビティ部13に正確にインクを着弾させることが可能になる。
ここで、仮にマーク基準カウンタ42のリセットを行わず、基板31を搬送開始した後の予め定めたインク吐出タイミングCでインクの塗布を開始したとすると、図示のように、インク吐出はカウンタ値がYSのときに行われ、インクを吐出するべき位置よりもDだけ手前の位置でインクの吐出が開始されてしまう。
なお、リセット値は、他のマーク基準カウンタ42のカウンタ値と干渉し得ない値に設定することが望ましい。例えば、本実施形態のインクジェット塗布装置では、装置ストロークYLのカウンタ値が2,600,000であり、最初のリセット値R1は16,777,216(16進数で01 00 00 00h)であり、次のリセット値R2は33,554,432(16進数で02 00 00 00h)であり、以後16進数で0N 00 00 00h(N≧3)という要領でリセット値が設定されていることを想定している。
これにより、カウンタ値が競合することないので、カウンタ値が競合することによる誤動作の可能性がなくなり、正確なインク吐出を保障することができる。また、リセット値の設定方法についてはこれに限らず、カウンタ値が競合することを回避すれば、最小限のカウンタ数(例えばCNT(0)のみ)でも同様の補正を行うことが可能になる。
基板マーク32を基準として描画領域14にインク塗布を行うときの具体的な数値例について、図19に基づいて説明する。同図(a)はインク塗布の対象となる基板31の外観を示す図であり、同図(b)は各描画領域14にインクを塗布するための設定値例を示す図である。
同図(a)に示すように、基板31には、3つの描画領域14a〜14cが主走査方向Sの下流側から上流側に向かって順次並んでいる。そして、描画領域14a〜14cの主走査方向Sの下流側には、基板マーク32a〜32c(以下、マーク(1)〜マーク(3)と称する)がそれぞれ配置されている。
また、図示のように、描画領域14a及び14cにはAという記号が付されており、描画領域14bにはBという記号が付されている。これは、描画領域14aと14cとは、同じ描画パターンを適用することができるが、描画領域14bには異なる描画パターンを適用する必要があることを示している。例えば、描画領域14a及び14cと、描画領域14bとは、インク吐出タイミングのピッチや面積等が異なっている。
続いて、同図(b)について説明する。図示のように同図(a)に示す基板31にインクを塗布するための設定値には、データナンバー、吐出開始位置、描画パターン、及び参照カウンタの項目が含まれる。データナンバー、吐出開始位置、描画パターン、及び参照カウンタは、1つの描画領域14のインク塗布を行うために必要なデータであり、ここではこれらのデータを描画データと呼ぶ。
データナンバーは、各描画領域14にインクを塗布するための設定値を特定するための項目である。ここでは、設定値の使用順にデータナンバーが付されている例を示している。例えば、データナンバーが1の設定値は、最初に読み出して使用される設定値であり、同図(a)の一番上側に記載されている描画領域14aに対応する設定値である。
吐出開始位置は、補正部41がインクの吐出開始信号を制御部8に送信するときのカウンタ値を示す。また、上述のように、吐出開始位置は、リセット値とシフト値との和で求めたカウンタ値であるから、同図では、吐出開始位置を示すカウンタ値をリセット値とシフト値との和で表している。例えば、データナンバー1の例では、16,777,216がリセット値であり、1,000がシフト値である。なお、このような吐出開始位置を示すカウンタ値は、吐出開始位置レジスタ43に格納されている。
そして、吐出開始位置を判定するマーク基準カウンタ42は、当該描画データの参照カウンタの項目に記載されている。例えば、データナンバー1は、CNT(1)のカウンタ値が、吐出開始位置の項目に記載されているカウンタ値に一致したときに吐出開始信号が送信されることを示している。
描画パターンは、各描画領域14にインク塗布を行うためのインク吐出タイミングを示すデータである。ここでは、同図(a)に示すように、A、B、Aの順で描画領域14a〜14cにインク塗布を行うことを想定しているので、同図(b)の描画パターンもA、B、Aの順となっている。なお、これらの描画パターンは、制御部8に格納されていることを想定している(図17参照)。
図19(a)に示す3つの描画領域14a〜14cに連続してインクを塗布する場合には、同図(b)に示す描画データに基づき、以下のようにしてインクの塗布が行われることになる。まず、基板31が主走査方向Sに搬送されると、基板マーク検出センサ45がマーク(1)を検出する。そして、基板マーク検出センサ45は、マーク検出信号をマーク基準カウンタ42に送る。
ここで、基板31にインクの塗布を開始して、最初にマーク検出信号が検出されたときには、同図(b)のデータナンバー1に記載の設定値を用いてインク吐出開始の制御が行われる。すなわち、ここでは、吐出開始位置は、16,777,216+1,000であり、描画パターンはAであり、参照カウンタはCNT(1)である。
マーク検出信号を受け取ったマーク基準カウンタ42は、リセット信号を送信し、CNT(1)を所定の値にリセットする。ここでは、図19(b)に示すように、CNT(1)のカウンタ値は、16,777,216にリセットされる。そして、CNT(1)は、CNT(0)と同じペースでカウントアップが開始される。
そして、吐出位置比較器44は、CNT(1)のカウンタ値と吐出開始位置レジスタ43のマーク(1)レジスタに格納されているカウンタ値とを比較し、両者が一致したときに、制御部8に対して吐出開始信号を送信する。すなわち、ここでは、CNT(1)のカウンタ値が16,777,216+1,000となったときに吐出開始信号が送信される。ここで、制御部8には、同図(b)に示すように、描画パターンAが格納されているので、制御部8はこの描画パターンA及びCNT(1)のカウンタ値に基づいて描画領域14aへのインク塗布を開始する。
以上のようにして、描画領域14aの塗布が終了すると、基板マーク検出センサ45は、次にマーク(2)を検出することになる。マーク(2)が検出されると、同様に同図(b)のデータナンバー2に記載の設定値を用いてインク吐出開始の制御が行われ、描画領域14bへのインク塗布が行われる。そして、描画領域14cへのインク塗布が終了すると、続いてマーク(3)が検出され、同図(b)のデータナンバー3に記載の設定値を用いてインク吐出開始の制御が行われ、描画領域14cへのインク塗布が行われる。
以上のように、本実施形態のインクジェット塗布装置によれば、基板31に複数種類の描画パターンの描画領域14が設けられている場合でも、基板マーク32を基準として吐出タイミングを補正し、高精度に塗布を行うことが可能になる。
なお、上記の例では、1つの基板マーク32が1つの描画領域14に対応しており、一度のカウンタリセットで1つの描画領域14の塗布を行う態様を示したがこの例に限られない。例えば、1つの描画領域14を、主走査方向に細分化して(描画領域14内に基板マーク32を複数設けて)、より狭い範囲で同様の吐出タイミング補正を行ってもよい。
ここで、1つの基板マーク32に対して、マーク基準カウンタ42が1つ設置されている理由について図20に基づいて説明する。同図(a)は、ヘッドユニット5に対して複数の描画領域14が形成された基板31が搬送されている様子を示す図である。図示のように、基板31には、描画領域14aと描画領域14bとが形成されており、各描画領域14の主走査方向Sに対して下流側には、それぞれ基板マーク32aと基板マーク32bとが形成されている。
一方、ヘッドユニット5上には、ヘッドエレメント3a〜3cが主走査方向Sの上流側から順に互いに離間して設けられている。ここでは、ヘッドエレメント3a〜3cは、それぞれRGBの3色の何れかのインクを吐出するヘッドであることを想定している。すなわち、ここでは、ヘッドエレメント3a〜3cのそれぞれから、R色、G色、またはB色のインクが吐出されることによって、各描画領域14がRGBの3色で塗布されることを想定している。
同図(b)は、同図(a)の状態から主走査方向Sへの基板31の搬送が進み、基板マーク検出センサ45が基板マーク32aを検出した状態を示している。図示のように、基板マーク32aが検出されると、マーク基準カウンタ42がリセットされ、リセット値から所定のカウント後にヘッドエレメント3a〜3cからインク吐出が開始される。
同図(c)は、(b)の状態から主走査方向Sへの基板31の搬送がさらに進み、基板マーク検出センサ45が基板マーク32bを検出した状態を示している。このとき、ヘッドエレメント3aは、描画領域14aへの塗布を終えているため、マーク基準カウンタ42をリセットして描画領域14bの塗布へ移行することができる。しかしながら、ヘッドエレメント3bは、まだ描画領域14aへの塗布の最中であり、ヘッドエレメント3cは、まだ描画領域14aへの塗布を開始してもいない。
そのため、マーク基準カウンタ42が1つしか設けられていない場合に、基板マーク32bを検出したタイミングでマーク基準カウンタ42をリセットしてしまうと、ヘッドエレメント3b及び3cのインク吐出タイミングに不具合が起こることになる。本実施形態のインクジェット塗布装置では、このような不具合を避けるために、各基板マーク32に1つのマーク基準カウンタ42を設置している。
なお、上記不具合を解決する方法はこれに限られない。例えば、上記の例では、ヘッドユニット5毎にカウンタリセットによる補正を行っているため、同一ヘッドユニット5内の各ヘッドエレメント3が参照するマーク基準カウンタ42は同一である。しかしながら、ヘッドエレメント3毎にマーク基準カウンタ42を設置し、同位置ヘッドユニット5内の各ヘッドエレメント3がそれぞれ別のマーク基準カウンタ42を参照するようにしても、上記不具合を解決することができる。
また、ある描画領域14へのインク塗布が終了する前に、次の描画領域14の基板マーク32が検出されないように、ヘッドユニット5や描画領域14、基板マーク等の配置を調整することによっても上記不具合が起こることを防ぐことができる。
具体的には、ヘッドユニット5上の主走査方向Sに対して最下流に位置するノズル2(最後にインクを吐出するノズル2)から基板マーク検出センサ45までの距離が、ある描画領域14における主走査方向Sの上流側の端部から、その描画領域14の主走査方向Sの上流側に隣接する描画領域14の基板マーク32までの距離よりも短くなるように調整すればよい。
例えば、図20の例では、基板マーク検出センサ45からヘッドエレメント3cの主走査方向Sに対して最下流に位置するノズル2までの距離が、描画領域14aの主走査方向Sの上流側端部から、基板マーク32bまでの距離よりも短くなるようにすればよい。これにより、ヘッドユニット5上の全てのノズル2におけるインク吐出が終了する前に、マーク基準カウンタ42がリセットされることがなくなるので、上記不具合を解決することができる。
以上のように、本実施形態のインクジェット塗布装置は、演算処理を行うことなく、ROM等の制御によるリセット信号のみによってインク吐出開始タイミングの補正を行うので、補正にかかる制御的な負荷が少ない構成である。その反面、本実施形態のインクジェット塗布装置では、演算処理を行わないため、ヘッドユニット5内での面内回転誤差の補正を行うことができないという問題もある。
この問題を解決するために、例えば、図20に示すように、ヘッドユニット5の副走査方向の幅を狭くする方法が考えられる。すなわち、リセット信号によるインク吐出タイミング補正によって、主走査方向の誤差はキャンセルすることができるので、副走査方向の幅が狭いヘッドユニット5を副走査方向に並列させてガントリー6を構成することにより、面内回転誤差の影響を無視できる程度に抑えることができる。
なお、上述のように、演算処理によるインク吐出タイミング補正とリセット信号によるインク吐出タイミング補正とには、それぞれ長所と短所とがあるので、必要に応じて両者を組み合わせてインク吐出タイミング補正を行ってもよい。
また、上記の例では、描画パターンが制御部8に格納されており、吐出開始信号を受けた制御部8が描画パターンに基づいてインクの吐出を制御する態様を示したが、この例に限られない。例えば、描画パターンは、制御部8以外の記録媒体に制御部8が読み出し可能な状態で格納しておいてもよい。また、吐出開始位置レジスタ43に描画パターンを格納し、制御部8を介さずに補正部41が各ヘッドユニット5に直接インク吐出指示を行うようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、マーク基準カウンタ42をリセットすることにより、インク吐出開始タイミングを補正する例を示したが、エンコーダカウンタ10’をリセットすることでインク吐出開始タイミングを補正することも可能である。ただし、エンコーダカウンタ10’のカウンタ値は、基板31の初期位置(インク塗布開始前の位置)を決定するために用いられたり、他の周辺機器を動作させるために用いられたりすることがあるので、インク吐出開始タイミング補正は、専用のカウンタであるマーク基準カウンタ42を用いて行うことが好ましい。
また、上記実施形態では、吐出開始位置レジスタ43にCNT(1)〜CNT(N)のリセット値とC〜Cのシフト値とを足し合わせたカウンタ値を予め格納しておき、CNT(1)〜CNT(N)のカウンタ値のそれぞれが吐出開始位置レジスタ43に格納されているカウンタ値と一致したときにインクの吐出を行う例を示したが、この例に限られない。例えば、補正部41は、基板マーク検出センサ45が基板マーク32を検出したときに、そのときのCNT(1)〜CNT(N)のカウンタ値とC〜Cのシフト値とを加算し、加算した値を吐出開始位置レジスタ43に格納するようにしてもよい。この方法によっても、基板マーク32の検出タイミングに合わせたインク吐出開始のタイミング補正が可能である。
以上、説明した各実施形態によれば、大型化したガントリー6においても、各ヘッドユニット5間、さらには各ヘッドユニット5内での、インク吐出目標、すなわちキャビティ部13あるいは基板マーク32の検出位置に基づいた吐出タイミング補正が可能になる。
これにより、大型化したガントリー6全体の着弾精度を向上させる技術を議論する上でも、その構成要素である各ヘッドユニット5内のヘッドエレメント3を配列するときのアライメント技術や、その正確な位置情報の取得といった狭い範囲にまで落とし込むことができる。
さらに、吐出タイミングの補正は、キャビティ部13あるいは基板マーク32を直接検出することによって行われるので、主走査方向に生じる多少の誤差は補正部9によってキャンセルされる。したがって、ガントリー6にヘッドユニット5を搭載する際の、主走査方向のアライメントに要求される精度は緩和される。それゆえ、インクジェット塗布装置1の製造工程におけるタクトタイムを短縮することができる。
また、従来技術では、ヘッドユニットをガントリーに搭載した後に、試験吐出による着弾位置の観察、および吐出タイミング調整といった調整工程を実施する必要があった。
これに対し、本発明では、ガントリー6に搭載する前の段階で、各ヘッドユニット5について、基板センサ4と各ヘッドエレメント3(ノズル2)との位置関係を計測しておくことができる。そして、各ノズル2からのインク着弾位置も同様にガントリー6に搭載する前の段階で計測しておくことができるので、上記従来のような調整工程を行う必要がない。
したがって、インクジェット塗布装置1では、ヘッドユニット5をガントリー6に搭載した後は、新たな調整を行う必要がなく、ヘッドユニット5交換時のマシンタイムのロスを最小限に抑えることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、インクジェット塗布装置1の各ブロック、特に制御部8および補正部9は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、インクジェット塗布装置1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるインクジェット塗布装置1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記インクジェット塗布装置1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、インクジェット塗布装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明の液滴塗布装置は、担持体上の所望の位置に精度よく液滴を吐出することができるので、様々な製品の製造工程に適用することができる。そして、本発明の液滴塗布装置は、特に、液晶表示パネルのカラーフィルタや有機EL表示パネルの製造工程に好適に利用することができる。
本発明の実施形態を示すものであり、インク塗布の対象となる基板を設置した状態のインクジェット塗布装置を上方から見た概略図である。 上記インクジェット塗布装置において、ガントリーが描画領域付近まで移動してきたときの状態の一例を示す図である。 上記インクジェット塗布装置における、キャビティ部と基板センサの検出位置との関係を示す図である。 同図(a)は各ヘッドユニットが1つの基板センサを備えている場合の例の、同図(b)は各ヘッドユニットが2つの基板センサを備えている場合の例の、同図(c)は各ヘッドユニットが4つの基板センサを備えている場合の例のガントリーとヘッドユニットと基板との関係を説明する図である。 上記インクジェット塗布装置における基板センサの一例を説明する図である。同図(a)は三角測距方式のレーザ変位センサの原理を示す図であり、同図(b)はレーザ変位センサによって形成されるレーザ光のスポットと基板のキャビティ部との関係を示す図であり、同図(c)は複数のスポットでキャビティ部を検出する例を示す図である。 同図(a)は、本発明のインクジェット塗布装置におけるインク吐出工程の一例を示すフローチャートであり、同図(b)は、従来のインク吐出工程の流れを示すフローチャートである。 同図(a)は、各ヘッドユニットが1つの基板センサを備えている場合に、ヘッドユニットに対してキャビティ部がある面内回転角度を持って導入されたときに、基板センサが第1列目のキャビティ部を検出した状態の一例を示す図であり、同図(b)は同図(a)からある時間が経過し、上記とは別の基板センサが第1列目のキャビティ部を検出した状態の一例を示す図である。 制御部におけるインク吐出処理の一例を示すフローチャートである。 制御部が記憶しているデータのデータ構造の一例を示す図である。 補正値算出処理の一例を示すフローチャートである。 補正部が記憶しているデータのデータ構造の一例を示す図である。 補正値算出処理およびインク吐出処理における各パラメータの数値例を示す図である。 同図(a)は各ヘッドユニットが2つの基板センサを備えている場合に、ヘッドユニットに対してキャビティ部がある面内回転角度を持って導入されたときに、基板センサが第1列目のキャビティ部を検出した状態の一例を示す図であり、同図(b)は同図(a)からある時間が経過し、上記とは別の基板センサが第1列目のキャビティ部を検出した状態の一例を示す図である。 各ヘッドユニットが2つの基板センサを備えている場合の補正値算出処理の一例を示すフローチャートである。 各ヘッドユニットが2つの基板センサを備えている場合の補正値算出処理およびインク吐出処理における各パラメータの数値例を示す図である。 上記とは別の実施形態における基板の一例を示す平面図である。 上記実施形態のインクジェット塗布装置における補正部の要部構成を示すブロック図である。 カウンタ値と基板の搬送量との関係を示す図である。 同図(a)はインク塗布の対象となる基板の外観を示す図であり、同図(b)は各描画領域にインクを塗布するための設定値例を示す図である。 同図(a)は、ヘッドユニットに対して複数の描画領域が形成された基板が搬送されている様子を示す図であり、同図(b)は、同図(a)の状態から主走査方向Sへの基板の搬送が進み、基板マーク検出センサが基板マーク(1)を検出した状態を示す図であり、同図(c)は、(b)の状態から主走査方向Sへの基板の搬送がさらに進み、基板マーク検出センサが基板マーク(2)を検出した状態を示す図である。
符号の説明
1 インクジェット塗布装置(液滴塗布装置)
2 ノズル
3 ヘッドエレメント(液滴吐出ヘッド)
4 基板センサ(検出センサ)
5 ヘッドユニット
6 ガントリー(ヘッドユニット保持部材)
7 基板搬送部(搬送手段)
8 制御部
9 補正部(補正手段)
10 リニアエンコーダ
11 基板(担持体)
12 バンク部
13 キャビティ部(液滴吐出目標)
14 描画領域
32 基板マーク(液滴吐出目標)
41 補正部(補正手段)
42 マーク基準カウンタ(補正用カウンタ)
43 吐出開始位置レジスタ(吐出タイミング記憶部)
44 吐出位置比較器
45 基板マーク検出センサ(検出センサ)

Claims (15)

  1. 液滴塗布の対象となる担持体に対して液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出する液滴塗布装置であって、
    上記液滴吐出ヘッドを複数搭載しているヘッドユニットと、
    複数の上記ヘッドユニットを搭載しているヘッドユニット保持部材と、
    上記担持体または上記ヘッドユニット保持部材を所定の搬送方向へと搬送する搬送手段とを備え、
    上記複数のヘッドユニットは、上記担持体の上記搬送方向における位置を検出する検出センサをそれぞれ少なくとも1つ以上備え、
    上記検出センサが検出する位置に基づいて上記ヘッドユニット毎の液滴吐出タイミングを補正する補正手段を備えていることを特徴とする液滴塗布装置。
  2. 液滴塗布の対象となる担持体を所定の搬送方向に搬送しながら、該担持体に対して液滴吐出ヘッドのノズルから所定の液滴吐出タイミングで液滴を吐出する液滴塗布装置であって、
    上記液滴吐出ヘッドを複数搭載しているヘッドユニットと、
    複数の上記ヘッドユニットを上記担持体と液滴吐出ヘッドとが対向するように、かつ複数のヘッドユニットを上記搬送方向と垂直な方向に並んだ状態で保持するヘッドユニット保持部材とを備え、
    上記複数のヘッドユニットは、上記担持体上において液滴を吐出するべき位置を特定するための液滴吐出目標を検出する検出センサをそれぞれ備え、
    各検出センサのそれぞれが上記液滴吐出目標を検出したタイミングに基づいて、上記液滴吐出タイミングをヘッドユニット毎に補正する補正手段を備えていることを特徴とする液滴塗布装置。
  3. 上記担持体の搬送量をカウンタ値として検出するエンコーダを備え、
    上記補正手段は、上記検出センサが液滴吐出目標を検知した後に、上記エンコーダのカウンタ値が所定の値だけ進んだタイミングを液滴吐出タイミングとするものであり、上記検出センサが上記液滴吐出目標を検出したときに上記カウンタ値を所定のリセット値にリセットし、上記カウンタのカウンタ値が上記リセット値と上記所定の値とを加えた値となったときを液滴吐出タイミングとすることを特徴とする請求項2に記載の液滴塗布装置。
  4. 上記担持体の搬送量をカウンタ値として検出するエンコーダを備え、
    上記補正手段は、上記検出センサが液滴吐出目標を検知したときのカウンタ値に所定のカウンタ値を加算したカウンタ値を液滴吐出タイミングとすることを特徴とする請求項2に記載の液滴塗布装置。
  5. 上記担持体の搬送量をカウンタ値として検出するエンコーダを備え、
    上記所定の液滴吐出タイミングは、上記カウンタ値で所定の設定値に設定されており、
    上記補正手段は、上記所定の設定値から、上記液滴吐出目標を検出したときのカウンタ値に所定のカウンタ値を加算して求めた理想の吐出タイミングを示すカウンタ値を引いた値を補正値として算出し、
    上記補正値と上記担持体の搬送量を示すカウンタ値との和が上記所定の設定値に達したときを液滴吐出タイミングとすることを特徴とする請求項2に記載の液滴塗布装置。
  6. 上記担持体の搬送量をカウンタ値として検出するエンコーダと、
    上記エンコーダとカウンタ値が同期する補正用カウンタとを備え、
    上記補正手段は、上記検出センサが液滴吐出目標を検知した後に、上記補正用カウンタのカウンタ値が所定の値だけ進んだタイミングを液滴吐出タイミングとするものであり、上記検出センサが上記液滴吐出目標を検出したときに上記補正用カウンタ値を所定のリセット値にリセットし、上記補正用カウンタのカウンタ値が上記リセット値と上記所定の値とを加えた値となったときを液滴吐出タイミングとすることを特徴とする請求項2に記載の液滴塗布装置。
  7. 上記リセット値と上記所定の値とを加えた値を格納する吐出タイミング記憶部を備え、
    上記補正手段は、上記補正用カウンタのカウンタ値と上記リセット値と上記所定の値とを加えた値とが一致したときを液滴吐出タイミングとすることを特徴とする請求項5に記載の液滴塗布装置。
  8. 上記担持体には、該担持体上において液滴を吐出するべき位置として複数の液滴塗布領域が設けられていると共に、上記各液滴塗布領域には上記液滴吐出目標がそれぞれ設けられており、
    上記補正用カウンタは、上記液滴吐出目標のそれぞれについて設けられており、
    上記吐出タイミング記憶部には、上記液滴吐出目標のそれぞれに対応する上記リセット値と上記所定の値とを加えた値が格納されており、
    上記補正手段は、上記検出センサが検出した液滴吐出目標に対応する補正用カウンタを該液滴吐出目標に対応するリセット値にリセットし、当該補正用カウンタのカウンタ値が該液滴吐出目標に対応するリセット値と所定の値とを加えた値となったときを液滴吐出タイミングとすることを特徴とする請求項4に記載の液滴塗布装置。
  9. 上記担持体には、担持体の搬送方向と垂直な直線上に、複数の上記液滴吐出目標が形成されており、
    上記検出センサは、上記各ヘッドユニット上において、上記担持体の搬送方向と垂直な方向に沿って少なくとも2つ設けられており、
    上記補正手段は、上記複数のヘッドユニットのそれぞれにおいて、上記担持体の搬送中に、上記少なくとも2つ検出センサのそれぞれが、上記搬送方向と垂直な方向に沿って形成されている液滴吐出目標を検出したタイミングに基づいて、上記直線と上記少なくとも2つの検出センサを結ぶ直線とのなす角度を求め、求めた角度に基づいて液滴吐出タイミングを補正するようになっていることを特徴とする請求項2,4,5の何れか1項に記載の液滴塗布装置。
  10. 上記担持体には、行および列が搬送方向および搬送方向と垂直な方向にそれぞれ一致したマトリクス状に上記液滴吐出目標が配列しており、
    上記検出センサは、上記担持体の搬送方向と垂直な方向に配列する液滴吐出目標のうち、担持体上で、搬送方向の最も下流側の列の液滴吐出目標を検出することを特徴とする請求項2から9の何れか1項に記載の液滴塗布装置。
  11. 上記液滴吐出目標は、上記担持体において液滴を吐出するべき位置に対して、所定の距離だけ上記担持体の搬送方向の下流側に形成されたマークであり、
    上記検出センサは、上記マークを検出することを特徴とする請求項2から10の何れか1項に記載の液滴塗布装置。
  12. 上記検出センサは、上記ヘッドユニット上において、すべての液滴吐出ヘッドよりも担持体の搬送方向の上流に設けられていることを特徴とする請求項2から11の何れか1項に記載の液滴塗布装置。
  13. 上記補正手段は、ヘッドユニット毎に設けられていることを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の液滴塗布装置。
  14. 液滴塗布の対象となる担持体に対して液滴吐出ヘッドのノズルから液滴を吐出する液滴塗布方法であって、
    上記担持体、または複数の上記液滴吐出ヘッドを備えている複数のヘッドユニットを搭載しているヘッドユニット保持部材を所定の搬送方向へと搬送するステップと、
    上記複数のヘッドユニットのそれぞれが少なくとも1つ以上備えている検出センサが、上記担持体の上記搬送方向における位置を検出するステップと、
    上記検出センサが検出する位置に基づいて上記ヘッドユニット毎の液滴吐出タイミングを補正するステップとを含むことを特徴とする液滴塗布方法。
  15. 液滴塗布の対象となる担持体を所定の搬送方向に搬送しながら、該担持体に対して液滴吐出ヘッドのノズルから所定の液滴吐出タイミングで液滴を吐出する液滴塗布方法であって、
    上記液滴吐出ヘッドは、1つのヘッドユニットに複数搭載されており、
    複数の上記ヘッドユニットが上記担持体と液滴吐出ヘッドとが対向するように、かつ複数のヘッドユニットが上記搬送方向と垂直な方向に並んだ状態で保持されており、
    上記複数のヘッドユニットのそれぞれが備えている検出センサが、上記担持体上において液滴を吐出するべき位置を特定するための液滴吐出目標を検出するステップと、
    各検出センサのそれぞれが上記液滴吐出目標を検出したタイミングに基づいて上記液滴吐出タイミングをヘッドユニット毎に補正するステップとを含むことを特徴とする液滴塗布方法。
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