JP2008123799A - アノード触媒、膜電極接合体、燃料電池及び電子機器 - Google Patents

アノード触媒、膜電極接合体、燃料電池及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】直接アルコール型燃料電池の過電圧を低減し、起電力及び電流密度を向上させることが可能なアノード触媒を提供し、また、該アノード触媒を有する膜電極接合体、該膜電極接合体を有する燃料電池及び該燃料電池を有する電子機器を提供する。
【解決手段】アノード触媒は、カーボンからなる担持体に白金、ルテニウム及びモリブデンの合金が担持されており、白金、ルテニウム及びモリブデンの当量の和に対するモリブデンの等量の比は、14%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、アノード触媒、膜電極接合体、燃料電池及び電子機器に関する。
水素ガスを燃料とする燃料電池は、一般に、高い出力密度が得られ、特に、水素燃料を用いた固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)は、電気自動車等の高速移動体の電源として、あるいは分散型電源として、期待されている。一般に、PEFCでは、燃料極(アノード)及び酸素極(カソード)の二つの電極と、これらに挟まれた固体高分子電解質膜(PEM)からなる膜電極接合体(MEA)が形成され、これをセルユニットとして複数積層し、スタックとした構成をとっている。セルユニットのアノードには、燃料として、水素を、カソードには、酸化剤として、酸素又は空気を供給し、それぞれの電極で生じる酸化あるいは還元反応によって起電力を得ることができ、生成物は、水のみである。また、電極における電気化学反応を活性化するため、電極には、殆どの場合、白金触媒が使用されている。
このように発電時に温暖化ガスを発生せず、発電効率が良い環境適合型電源であることから大きな期待がかけられているPEFCであるが、水素ガス燃料供給のインフラストラクチャーが整備されなければ有効に利用することができない。さらに、水素燃料の貯蔵や運搬、燃料加給の方法等には、解決すべき課題が多い。また、PEFCは、小型携帯機器等の電子機器用電源を目的としたパーソナル用途には不向きであることが一般に認識されている。
これらの問題を解決するものとして、プロパンガスのような炭化水素系燃料やメタノールのような液体燃料を改質して水素を得て燃料電池の燃料とする、いわゆる改質型燃料電池が検討されている。しかし、原燃料の改質によって得られる水素ガス燃料中には微量の一酸化炭素(CO)やその他の微量な不純物が含まれており、特に、COが燃料電池の機能を損なう問題が知られている。具体的には、CO濃度がわずか10ppm以下であっても白金の触媒作用を失活させ、発電機能が損なわれる、いわゆる触媒被毒が大きな問題として知られている。この触媒被毒を低減するために、白金−ルテニウム(Pt−Ru)合金触媒が提案されている。この技術では、水素ガス中に、不純物として、COが数ppm〜数10ppm程度含まれている場合等において、COが触媒毒として白金の表面に吸着して、触媒活性を失活させるのを防止する効果が確認されている。また、特許文献1には、炭素粉末担体上に白金と金属との2種類の金属が担持された高分子固体電解質型燃料電池用触媒において、白金とタングステンとが9〜4:1〜6(モル比)の比率で担持されている高分子固体電解質型燃料電池用触媒が開示されている。一方、特許文献2には、炭素粉末担体上に白金と2種以上の金属とが担持された高分子固体電解質型燃料電池用触媒において、白金とルテニウムとモリブデンとが1:0.25〜1:0.2〜0.5(モル比)の比率で担持されている固体電解質型燃料電池用触媒及び白金とルテニウムとタングステンとが1:0.25〜2:0.25〜0.5(モル比)の比率で担持されている高分子固体電解質型燃料電池用触媒が開示されている。
一方、燃料電池の更なる小型化に適合する技術として、改質型燃料電池とは異なる新規な技術が望まれている。直接アルコール型燃料電池(DAFC)は、固体高分子電解質型燃料電池と同様な発電セル構成でアノードに、燃料として、直接アルコールを供給するタイプの燃料電池であり、改質器が不要となり、装置自体を小型化及び安価にできるだけでなく、燃料の取り扱いの安全性や全体の運転手段も簡素化できるという好ましい特徴を有する。このため、モバイル電子機器への適用を検討すべく、昨今注目を集めている。燃料としては、メタノールが有望視されているが、人体の健康を害する可能性があり、保管や取り扱いに規制が設けられているため、エタノールが望ましい。また、植物から製造されるバイオエタノールは、カーボンニュートラルで環境負荷のない燃料であり、昨今ガソリンへの混合等が検討され、実施されている。メタノール、エタノール等のアルコールのアノード酸化には、水素のアノード酸化と同様に、白金触媒が好適であることが知られているが、白金よりも白金とルテニウムの合金がさらに好適であることも公知である。
直接メタノール型燃料電池では、アノードにおいて、
CHOH+HO→6H+6e+CO
の反応が生じ、その際、アノード触媒(アノード)では、
CHOH+xPt→PtCHOH+H+e
CHOH+xPt→PtCHOH+H+e
CHOH+xPt→PtCOH+H+e
CHOH+xPt→PtCO+2H+2e
PtCHOH+PtOH→HCOOH+H+e+xPt
等の反応が生じると考えられる。その際、COH、COが白金に対する強い吸着種となり、ルテニウムは、以下の作用を及ぼすと考えられる。
Ru+HO→RuOH+H+e
PtCOH+RuOH→CO+2H+2e+xPt+Ru
PtCO+RuOH→CO+H+e+xPt+Ru
一方、カソードでは、
+4H+4e→2H
の反応が生じると考えられる。
炭素原子を一つ有するメタノールでさえ、上記のように推測される複雑な反応過程を含んでおり、その他のアルコール、例えば、炭素原子を二つ有するエタノールにおけるアノード酸化反応の複雑さは、メタノールのアノード酸化反応とは比べようもない。
エタノールのアノード酸化反応は、
OH+3HO→12H+12e+2CO
で表され、被毒となる白金表面への強い吸着種である、−COH、CO、−COOH、−CH等の活性種及びエタノールのアノード酸化反応で生成する解離種や中間生成種、例えば、CHCHO、CHCOOHも容易に生成すると考えられる。
このように、エタノールのアノード酸化反応も、素反応、中間反応が複雑に絡む反応スキームとなっており、エタノールの酸化電流がメタノールのそれと比較して、凌駕しえていない。また、従来のPt−Ru二元系触媒を用いると、直接エタノール型燃料電池の単セル発電特性(出力電圧、出力密度)は、直接メタノール型燃料電池に比べて半分以下となる。このため、直接エタノール型燃料電池は、発電可能であるが、未だ実用レベルに達していない。また、エタノール以外の有機液体燃料の場合も同様である。このため、直接メタノール型燃料電池と同等以上の出力特性を有する直接アルコール型燃料電池のアノード触媒の開発が望まれている。
特許文献3には、酸化過電圧が小さく大電流を取り出すことができる高性能なアルコール直接酸化用電極触媒として、モリブデンもしくはモリブデン化合物の少なくとも一方からなる物質と白金との混合体を有効成分としてなる構成及びモリブデンもしくはモリブデン化合物の少なくとも一方からなる物質と、白金とルテニウムとの混合体を有効成分としてなる構成が開示されている。特許文献3では、気相合成法(特に、スパッタリング法)を用いるアルコール直接酸化用電極触媒の製造方法が開示されているが、作製工程が煩雑なため、生産の効率性に課題を残している。また、スパッタリングは、触媒の二次元高分散には適しているが、三次元高分散には適していないため、単位面積当たりの発電特性には限界があると考えられる。このため、直接アルコール形燃料電池の出力をさらに向上させることが可能なアノード触媒が望まれている。
特開2001−15122号公報 特開2001−15121号公報 特開2006−179445号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、直接アルコール型燃料電池の過電圧を低減し、起電力及び電流密度を向上させることが可能なアノード触媒を提供することを目的とする。また、本発明は、該アノード触媒を有する膜電極接合体、該膜電極接合体を有する燃料電池及び該燃料電池を有する電子機器を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、アノード触媒において、カーボンからなる担持体に白金、ルテニウム及びモリブデンの合金が担持されており、白金、ルテニウム及びモリブデンの当量の和に対するモリブデンの等量の比は、14%以下であることを特徴とする。これにより、直接アルコール型燃料電池の過電圧を低減し、起電力及び電流密度を向上させることが可能なアノード触媒を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアノード触媒において、前記白金、ルテニウム及びモリブデンの合金は、白金、ルテニウム及びモリブデン化合物を熱処理することにより形成されていることを特徴とする。これにより、直接アルコール型燃料電池の過電圧を低減し、起電力及び電流密度を向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、膜電極接合体において、電解質膜がアノード及びカソードで挟持されており、該アノードは、請求項1又は2に記載のアノード触媒を少なくとも有することを特徴とする。これにより、直接アルコール型燃料電池の過電圧を低減し、起電力及び電流密度を向上させることが可能な膜電極接合体を提供することができる。
請求項4に記載の発明は、燃料電池において、請求項3に記載の膜電極接合体と、アルコールを主成分とする燃料を該膜電極接合体のアノードに供給する手段と、酸化剤を該膜電極接合体のカソードに供給する手段を少なくとも有することを特徴とする。これにより、小型で、出力が高く、長時間駆動することが可能な直接アルコール型燃料電池を提供することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の燃料電池において、複数の前記膜電極接合体を有し、該複数の膜電極接合体は、少なくとも一つの平面の上に平面状に設けられていると共に、電気的に直列に接続されていることを特徴とする。これにより、直接アルコール型燃料電池の出力をさらに高くすることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の燃料電池において、複数の前記膜電極接合体及び両極板(バイポーラプレート)を有し、該複数の膜電極接合体及び両極板(バイポーラプレート)は、該複数の膜電極接合体が該両極板(バイポーラプレート)を介して電気的に直列に接続されるように積層されていることを特徴とする。これにより、直接アルコール型燃料電池の出力をさらに高くすることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項4乃至6のいずれか一項に記載の燃料電池において、前記燃料は、エタノール及び水を含有することを特徴とする。これにより、身近なモバイル電子機器への適合性が良く、自然環境保護に有効とすることができる。
請求項8に記載の発明は、電子機器において、請求項4乃至7のいずれか一項に記載の燃料電池を少なくとも有することを特徴とする。これにより、小型で、出力が高く、長時間駆動することが可能な直接アルコール型燃料電池を有する電子機器を提供することができる。
本発明によれば、直接アルコール型燃料電池の過電圧を低減し、起電力及び電流密度を向上させることが可能なアノード触媒を提供することができる。また、本発明によれば、該アノード触媒を有する膜電極接合体、該膜電極接合体を有する燃料電池及び該燃料電池を有する電子機器を提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
本発明のアノード触媒は、カーボンからなる担持体に白金、ルテニウム及びモリブデンの合金が担持されており、白金、ルテニウム及びモリブデンの当量の和に対するモリブデンの等量の比は、14%以下である。これにより、直接アルコール型燃料電池の過電圧を低減し、起電力及び電流密度を向上させることができる。このとき、白金、ルテニウム及びモリブデンの合金は、白金、ルテニウム及びモリブデン化合物を熱処理することにより形成することができる。なお、熱処理温度は、400〜800℃であることが好ましく、500〜700℃がさらに好ましい。
直接アルコール型燃料電池とは、アノードで酸化される燃料として、アルコール水溶液、カソードで還元される酸化剤として、酸素を用い、その酸化還元反応により、燃料及び酸化剤として使われる物質の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する発電デバイスである。アルコールとしては、一般的にメタノールが用いられているが、エタノールやその他の炭素鎖の長いアルコールも用いることができる。それらのエネルギー密度[kWh/kg]は、水素やメタノールよりも大きく、また、理論効率は、97%であり、水素の83%よりも大きい。しかし、メタノールの酸化反応よりも更に反応抵抗が大きく、多種の副生成物の影響もあり、十分な出力が得られていない。
燃料電池の発電素子を構成する部材としては、イオン伝導性を有する電解質膜と二つの電極(アノード及びカソード)が挙げられる。イオン伝導性を有する電解質膜は、特に、プロトンを伝播する性能を有し、例えば、ナフィオン(デュポン社製)、アシプレックス(旭化成社製)、フレミオン(旭硝子社製)等が挙げられる。電極は、粒径が数nmの触媒粒子と、これを凝集しないように担持するためやアノード酸化反応により発生する電子を伝播するための電子伝導性を有するカーボンからなる担持体(例えば、バルカン(キャボット社製)、ケッチェンブラック(ライオン社製)等の粒径が数十ナノメートルのカーボン粒子、カーボンナノチューブ等)と、反応により発生するプロトンを伝播するためのイオン伝導性を有する電解質を有する。電極は、これらの他に、カーボンペーパー、カーボンクロス等の多孔質材料をさらに有するのが一般的である。具体的には、多孔質材料上に、触媒、カーボン担持体及び電解質の混合物(触媒層)を形成したり、電解質膜上に形成した混合物(触媒層)上に多孔質材料を接合させたりして用いられる。なお、電解質膜と電極(アノード及びカソード)が一体になったものを膜電極接合体(MEA)という。
触媒の担持方法を以下に示す。カーボン担持体には、比表面積が100〜1000m/g、粒径が数十nmのカーボン粒子を使用する。Ptを担持する場合は、例えば、HPtCl水溶液中にカーボン担持体を分散させ、還元剤を用いて、カーボン担持体の表面にPtを析出させる。析出したPtは、粒径が数nmである。多元系触媒の場合は、溶液中又は分散液中で繰り返し析出又は吸着させる。また、多元系触媒を合金化する場合は、水素/窒素混合ガス気流中で加熱する。特開2001−15121号公報では、50%水素/50%窒素の雰囲気下、900℃で1時間の熱処理を行うことにより、Pt−Ru−Moが合金化されている。
本発明の直接アルコール型燃料電池の構成及び動作を説明するために、まず、固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)の構造について述べる。図1に、一般的な固体高分子電解質型燃料電池の単一構成要素を構成する単セル構造を示す。燃料電池10は、筐体1a及び1bの間に、電解質膜4が設けられており、さらに、電解質膜4を挟持するようにアノード(燃料極と同義)3aとカソード(空気極と同義)3bが設けられている。このとき、燃料としては、アルコール水溶液が用いられているが、一般的には、水素ガスや改質ガス燃料が用いられる。また、酸化剤としては、一般的に、空気、酸素等が用いられる。さらに、筐体1aとアノード3aの間及び筐体1bとカソード3bの間には、それぞれ燃料供給部2a及び酸化剤供給部2bが設けられている。燃料供給部2aは、上方に燃料を導入するための燃料導入孔が設けられている一方、下方に未反応燃料や生成物(多くの場合は、二酸化炭素)を排出するための燃料排出孔が設けられている。この場合、強制供給手段及び/又は強制排出手段を付設してもよい。酸化剤供給部2bは、下方に酸化剤を導入するための酸化剤導入孔が設けられる一方、上方に未反応酸化剤と生成物(多くの場合は、水)を排出するための酸化剤排出孔が設けられている。この場合、強制供給手段及び/又は強制排気手段を付設してもよい。また、筐体1bに空気孔を設けてもよい。
電解質膜4は、アニオン及びカチオンのいずれのイオン伝導性でもよいが、プロトン伝導性であることが好ましい。電解質膜4としては、パーフルオロアルキルスルホン酸ポリマー等の高分子膜を始めとする公知の材料を使用することができる。
アノード3a及びカソード3bとしては、それぞれ所定の触媒と電解質と電子伝導性物質の混合物(触媒層)が形成された多孔質カーボンペーパーを用いることができる。しかしながら、これに限定されることはなく、電子伝導性を有する多孔質材料で、液体燃料や酸化剤の拡散を阻害するものでなければ、多孔質カーボンペーパー以外の材料を使うこともできる。なお、多孔質カーボンペーパーの触媒層が形成されていない側には、必要に応じて、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の撥水剤を添加又は積層することもできる。また、電子伝導性物質は、必ずしも必要でない。電解質は、電解質膜4と同じ材料であっても異なってもよいが、同じ方が好ましい。電子伝導性物質は、例えば、金、白金、ステンレス、ニッケル等の金属薄膜、メッシュ状又はスポンジ状の金属膜、カーボン材料(例えば、カーボンブラック等の粒子状のものやカーボンナノチューブ等の繊維状のもの)を用いることができる。
電子伝導性物質への合金の担持方法としては、貴金属錯体含浸、還元熱分解や貴金属溶液含浸、アルコール又は水素還元等の公知の化学的方法を用いることが可能である。その他に、スパッタリング法、真空蒸着法、ガス中蒸発法等のPVD(Physical Vapor Deposition)法や、熱CVD等に代表されるCVD(Chemical Vapor Deposition)法等の公知の気相合成法や、電解めっき、無電解めっき等の電気化学的方法を用いることも可能である。
膜電極接合体(MEA)は、アノード3aとカソード3bの間に電解質膜4を介在させて挟持する、或いは、ホットプレス、キャスト成膜等によって三者を接合することにより得られる。
図2に、本発明の直接アルコール型燃料電池の一例を示す。ただし、図2において、図1と同一の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。燃料電池20は、アノード3aの代わりに、本発明のアノード触媒を有するアノード3Aが用いられている以外は、燃料電池10と同様の構成である。カソード3bの触媒としては、白金を用いることができるが、白金−コバルト、白金−ニッケル等の合金を用いることが好ましい。また、燃料供給部2aは、燃料を収納するための燃料収納部であってもよいが、外部の燃料収納部(不図示)に連通した燃料供給路であってもよい。このとき、アルコール水溶液は、毛管現象及び/又は必要に応じて付設された強制供給手段を用いて供給される。アノード3Aに直接供給される燃料としては、アルコール水溶液の他に、アルコールを用いることができる。このとき、燃料として、一般に有機液体燃料として多量に販売されているメタノールやエタノールの水溶液を用いると、クロスオーバーが緩和されて、良好なセル起電圧と出力が得られるため、好ましい。
燃料電池20は、単セルであるが、本発明においては、単セルをそのまま使用してもよいし、複数のセルを直列接続及び/又は並列接続して使用してもよい。セル同士の接続方法は、膨張黒鉛に流体通路の溝加工を施したバイポーラプレート、膨張黒鉛等の炭素材料と耐熱性樹脂の混合物を成形したバイポーラプレート、ステンレス基材等の金属板に耐酸化性被膜及び導電性被膜を形成したバイポーラプレート等の公知の方法で作製したバイポーラプレートを使用する接続方式を採用してもよいし、平面接続方式を採用してもよい。また、その他の公知の接続方式を採用することもできる。
図3に、本発明の直接アルコール型燃料電池の他の例を示す。ただし、図3において、図1、図2と同一の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。燃料電池30は、偏平な直方体の形状を有し、内部に、上下に仕切るように燃料供給部2aが設けられている。さらに、燃料電池30は、燃料電池30本体に着脱自在な燃料容器5をさらに有する。燃料容器5の側面には、孔を有する連通部5aが形成されており、燃料容器5内に収納された燃料は、連通部5aの孔を通じて燃料供給部2aに供給される。連通部5aの孔は、燃料容器5が筐体1に装着される前は、所定の封止手段(不図示)によって封止されており、燃料容器5内に燃料を密封収容することが可能である。なお、連通部5aは、燃料容器5が燃料電池に装着された際に、燃料供給部2aと連通するような位置に形成されている。
また、燃料電池30は、燃料供給部2aの上側に3個のセルからなる第1のセル群が配置されており、燃料供給部2aの下側にも3個のセルからなる第2のセル群が配置されている。各セルは、アノード3A、カソード3b及びこれらの間に介在配置された電解質膜4から構成されており、互いに独立して設けられている。
各セル群におけるセルは、平面状に配置されており、直列に結線されている。第1のセル群のセルと、第2のセル群のセルは、それぞれのアノード3Aが燃料供給部2aを挟んで相対向するように配置されている。すなわち、第1のセル群のセルと、第2のセル群のセルは、それぞれのカソード3bが外方を向くように配置されている。これにより、燃料電池30を小型化することができ、小型電源、特に、携帯機器の電源として用いることができる。また、燃料を収納した燃料容器5が着脱可能になっているので、燃料の補充が容易であるため、燃料電池30は、携帯機器の電源として適した構成である。
燃料を円滑に供給するためには、燃料供給部2a及び連通部5aは、例えば、SiO、Al等を焼結して得られた多孔質体、高分子繊維、高分子多孔質膜等から構成され、毛管現象により、各セルのアノード3Aに燃料が供給されることが好ましい。高分子繊維や高分子多孔質膜を用いる場合には、これらが燃料に触れても変形しないことが必要である。
図3において、横方向に隣接するセル間には、未反応燃料が燃料供給部2aからカソード3bに到達する(一種のクロスオーバー)のを防止するため、燃料遮断機能を有する部材を配置することが望ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の高分子材料や、ガラス、酸化アルミニウム等の無機酸化物を、隣接するセル間に充填することにより、燃料のカソード3bへの到達を遮断することができる。
各セル群のセルにおけるカソード3bは、筐体1と対向しており、カソード3bと筐体1の間には、空間が設けられている。さらに、筐体1には、外部と連通させる通気孔(不図示)が設けられているため、カソード3bと筐体1の間の空間には、空気が流通し、カソード3bに空気が供給される。なお、カソード3bへの空気の供給を制御したい場合には、筐体1にファン等の強制供給手段を付設してもよい。
図4に、本発明の直接アルコール型燃料電池の他の例を示す。ただし、図4において、図1〜図3と同一の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。燃料電池40(図4(a)参照)は、アノード3A、カソード3b及び電解質膜4で構成された膜電極接合体(MEA)6(図4(b)参照)を、バイポーラプレート7で挟持し、さらにこのような構成を積層(スタック)した構造を有する。バイポーラプレート7は、カーボン材料、カーボンと高分子との複合材料及び金属材料のいずれであってもよい。バイポーラプレート7の表面には、それぞれの面でアルコール水溶液及び酸化剤が流通するための溝(不図示)が形成されている。燃料電池40は、多数のセルが直接接続されているため、セルのスタック数に対応した所望の出力電圧を得ることができる。
図5に、本発明の燃料電池を有する発電システムの一例として、燃料電池40を用いて発電する発電システム50を示す。なお、図5では、燃料のアルコールとして、メタノールを用いているが、エタノール等のその他の有機液体燃料も用いることが可能である。また、メタノール水溶液(燃料)及び空気(酸化剤)を強制的に燃料電池40に供給する上で、燃料や生成物の水の流通を工夫し、高濃度アルコール燃料を追加して水と混合することにより、希釈循環するシステムとなっているが、これに限定されるものではなく、燃料電池40に、燃料や酸化剤を強制的に供給しない、いわゆるパッシブ型も可能である。
発電システム50は、燃料電池40を有し、燃料電池40に燃料流通部51及び酸化剤流通部52が協働する。燃料は、高濃度メタノールを保管した燃料容器53から燃料送出機構54によって混合容器55に送られ、メタノール濃度センサ56による適正な濃度調整を行った後に、イオンフィルタ57を通して強制的に燃料流通部51に送られる。一方、酸化剤は、酸化剤フィルタ58を通して酸化剤送出機構59によって強制的に酸化剤流通部52に送られる。燃料流通側及び酸化剤流通側からの排出物(水、二酸化炭素等の生成物を含む)は、冷却ファン61が協働する凝縮器60及び第1の気液分離装置62並びに第2の気液分離装置63及び熱交換器64によって、循環水が回収されると共に、排ガスが排出される。燃料電池40の直流出力は、出力調整器(パワーコンディショナ)65によって所望の出力電圧、出力仕様に制御される。
また、このような燃料電池発電システムは、燃料電池40の発電の起動及び燃料電池40の発電を維持するための機構、いわゆるBOP(Balance of Plant)が必要であり、燃料供給量及びメタノールの濃度の制御、メタノールの補給のタイミング及び手順等の発電を維持するために使用する送液ポンプ、空気ブロアー、濃度センサ等の補機を用いて各種制御を行うための補機・出力制御電気制御系66を具備している。
図6に、本発明の電子機器の一例として、モバイル用小型パーソナルコンピュータ70を示す。パーソナルコンピュータ70は、電源として、発電システム50を有する。パーソナルコンピュータ70は、従来モバイル用補助電源として内蔵していたリチウムイオン電池(二次電池)のスペースの全てと、光ディスクドライブ(DVD駆動装置)の一部のスペースを利用することで発電システム50を内蔵することができる。このため、発電システム50は、パーソナルコンピュータ60の専用内蔵電源として用いることができる。図6では、発電システム50は、パーソナルコンピュータ70内蔵の電源として用いられているが、これに限定されるものではなく、搭載される電子機器の設計によっては、発電システム50を外付けとし、専用直流電源あるいは商用電源を代替する汎用(ユニバーサル)電源タイプにすることも可能である。
また、本発明の電子機器としては、モバイル用小型パーソナルコンピュータの他に、デスクトップパーソナルコンピュータ、ワークステーション(ハイエンドコンピュータ)、PDA(パーソナルディジタルアシスタント)、電子機器向け充電器用電源、PHS及び携帯電話、GPS端末、普通紙複写機、ファクシミリ装置、インクジェットプリンタ、レーザープリンタ、電子ブックディスプレイ、LCDモニター機器、液晶プロジェクター、投射型ディスプレイ、ICカード読取/書込端末、非接触ICカード読取/書込端末、電子黒板(ホワイトボード)、フォトプリンタ(昇華型等)、デジタルスチルカメラ、デジタルムービーカメラ、DVDドライブ等のパーソナルコンピュータ周辺機器、産業用分散電源、家庭用定置型分散電源、無停電電源、非常用屋外電源(投光器用等)、キャンプ用電源、無線送受信装置、移動型ロボット電源、災害救助用ロボット電源、エンターテインメントロボット電源、介護補助装置(介護ベッド等)、介護補助ロボット電源、電動車椅子電源、電動自転車電源、医療機器用補助、分散電源、電動義肢電源、無人搬送車用電源、調理用電気機器等が挙げられる。
〔比較例1〕
市販のPt−Ru担持カーボン触媒(Pt28.5重量%、Ru22.1重量%)(田中貴金属社製)105mgと、イオン交換水983mg(カーボンの20倍重量)と、5重量%ナフィオン溶液(アルドリッチ社製)722mg(カーボンの0.735倍重量)を混合し、触媒インクを作製した。
得られた触媒インク100μlをグラッシーカーボン上に滴下し、十分乾燥させて触媒層を形成した。グラッシーカーボンの重量変化から触媒層の重量を決定した。次に、5重量%ナフィオン溶液40μlを触媒層の上に滴下し、ナフィオンコーティングを施し、電極を作製した。
〔比較例2〕
市販のPt−Ru担持カーボン触媒(Pt27重量%、Ru13重量%)(N.E.ケムキャット社製)111mgと、イオン交換水1333mg(カーボンの20倍重量)と、5重量%ナフィオン溶液(アルドリッチ社製)980mg(カーボンの0.735倍重量)を混合し、触媒インクを作製した。
この触媒インクを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、電極を作製した。
〔比較例3〕
市販のPt担持カーボン触媒(Pt50重量%)(N.E.ケムキャット社製)100mgと、イオン交換水1000mg(カーボンの20倍重量)と、5重量%ナフィオン溶液(アルドリッチ社製)735mg(カーボンの0.735倍重量)を混合し、触媒インクを作製した。
この触媒インクを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、電極を作製した。
〔評価方法及び評価結果〕
得られた電極を作用極として、分極電位を測定し、触媒のエタノール酸化特性を評価した。1Mエタノール/1N硫酸水溶液を電解液、Ag/AgClを基準極、Ptワイヤーを対極とした三極式構成で、ポテンシオスタットを用いて自然電位から400mV(vs.Ag/AgCl)まで1mV/秒で電位を掃引するリニアスイープボルタンメトリーを行った。触媒の評価には、触媒層の単位重量当たりの酸化電流が1mA/mgであるときの分極電位を用いた。
図7に、比較例1〜3の評価結果を示す。図8からわかるように、一定の電流値を得るのに必要な過電圧(分極電位)が小さい触媒が望ましい。したがって、図7において、モル比(Pt:Ru)が2:3でエタノール酸化特性が最も良好である。このため、以下のPt−Ru−Mo触媒を作製する際に、市販のPt−Ru担持カーボン触媒(Pt28.5重量%、Ru22.1重量%)(田中貴金属社製)を用いた。
〔実施例1〕
61mgのMoCl(アルドリッチ社製)をイオン交換水28.8gに加え、0.1重量%のモリブデン分散液を作製した。この分散液に市販のPt−Ru担持カーボン触媒(Pt28.5重量%、Ru22.1重量%)(田中貴金属社製)1gを添加することにより、Pt、Ru及びMoに対するMoのモル分率が7.4%の分散液を調製し、これを約1時間マグネティックスターラーで攪拌した。得られた分散液を、ろ過し、減圧乾燥した。得られた触媒228mgを1cc/分の窒素フロー中、600℃で2時間熱処理した。熱処理後の触媒を、SEM−EDSで観察し、元素分析を行ったところ、モル比は、Pt:Ru:Mo=4:5:1であった(図9参照)。
市販のPt−Ru担持カーボン触媒の代わりに、この触媒を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、電極を作製した。
〔実施例2〕
Pt、Ru及びMoに対するMoのモル分率が0.4%の分散液を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。
〔実施例3〕
Pt、Ru及びMoに対するMoのモル分率が1.2%の分散液を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。
〔実施例4〕
Pt、Ru及びMoに対するMoのモル分率が2.0%の分散液を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。
〔実施例5〕
Pt、Ru及びMoに対するMoのモル分率が3.9%の分散液を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。
〔実施例6〕
Pt、Ru及びMoに対するMoのモル分率が5.7%の分散液を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。
〔実施例7〕
Pt、Ru及びMoに対するMoのモル分率が13.8%の分散液を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。
〔比較例4〕
Pt、Ru及びMoに対するMoのモル分率が19.4%の分散液を調製したこと以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。
〔実施例8〕
MoClの代わりに、MoClを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。
〔実施例9〕
MoClの代わりに、MoClを用いたこと以外は、実施例5と同様にして、電極を作製した。
〔実施例10〕
MoClの代わりに、MoClを用いたこと以外は、実施例7と同様にして、電極を作製した。
〔実施例11〕
熱処理温度を800℃に変更したこと以外は、実施例5と同様にして、電極を作製した。
〔実施例12〕
熱処理温度を800℃に変更したこと以外は、実施例9と同様にして、電極を作製した。
〔比較例5〕
熱処理をしないこと以外は、実施例1と同様にして、電極を作製した。
〔比較例6〕
熱処理をしないこと以外は、実施例2と同様にして、電極を作製した。
〔比較例7〕
熱処理をしないこと以外は、実施例3と同様にして、電極を作製した。
〔比較例8〕
熱処理をしないこと以外は、実施例4と同様にして、電極を作製した。
〔比較例9〕
熱処理をしないこと以外は、実施例5と同様にして、電極を作製した。
〔比較例10〕
熱処理をしないこと以外は、実施例6と同様にして、電極を作製した。
〔比較例11〕
熱処理をしないこと以外は、実施例7と同様にして、電極を作製した。
〔比較例12〕
熱処理をしないこと以外は、比較例4と同様にして、電極を作製した。
〔比較例13〕
熱処理をしないこと以外は、実施例8と同様にして、電極を作製した。
〔比較例14〕
熱処理をしないこと以外は、実施例9と同様にして、電極を作製した。
〔比較例15〕
熱処理をしないこと以外は、実施例10と同様にして、電極を作製した。
〔実施例13〕
熱処理温度を500℃に変更したこと以外は、実施例4と同様にして、電極を作製した。
〔実施例14〕
熱処理温度を700℃に変更したこと以外は、実施例4と同様にして、電極を作製した。
〔比較例16〕
イオン交換水28.8gに市販のPt−Ru担持カーボン触媒(Pt28.5重量%、Ru22.1重量%)(田中貴金属社製)1gを添加して、これを約1時間マグネティックスターラーで攪拌した。得られた分散液を、ろ過し、減圧乾燥した。乾燥後の触媒228mgを1cc/分の窒素フロー中、600℃で2時間熱処理した。熱処理後の触媒を、SEM−EDSで観察し、元素分析を行ったところ、モル比は、Pt:Ru=11:14であった(図10参照)。
市販のPt−Ru担持カーボン触媒の代わりに、この触媒を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、電極を作製した。
〔比較例17〕
熱処理温度を800℃に変更したこと以外は、比較例16と同様にして、電極を作製した。
〔比較例18〕
熱処理をしないこと以外は、比較例16と同様にして、電極を作製した。
〔評価方法及び評価結果〕
比較例1〜3と同様にして評価した。なお、比較例16〜18については、1Mエタノール/1N硫酸水溶液の代わりに、1Mメタノール/1N硫酸水溶液を用いて、メタノール酸化特性についても評価を行った。
図11に、比較例16〜18の触媒のメタノール酸化特性及び実施例4、13、14、比較例8の触媒のエタノール酸化特性の熱処理温度に対する依存性を示す。比較例16及び18の結晶子の粒径をX線回折で測定したところ、それぞれ4.8nmと3.0nmであった。このように、熱処理温度によりPt−Ru触媒のメタノール酸化特性が悪くなるのは、焼結により、触媒粒子が成長し、触媒の表面積が減少するためであると考えられる。一方、Pt−Ru−Mo触媒のエタノール酸化特性は、熱処理温度が600℃で最も良好であった。このため、モリブデンの合金化による活性の向上と、触媒の成長による活性の低下が競合していると考えられる。
図12に、熱処理温度が600℃である場合及び熱処理をしない場合の触媒のエタノール酸化特性のMoのモル分率に対する依存性を示す。Pt、Ru及びMoに対するMoのモル分率が0%の比較例16の電極の分極電位が180mV(vs.Ag/AgCl)であるのに対して、Moのモル分率が2.0%の実施例4の電極の分極電位は、50mV(vs.Ag/AgCl)であり、分極電位の減少が見られた。また、分極電位が減少する効果が得られるMoのモル分率は、14%以下であり、14%を超えると、比較例16の電極の分極電位より増大した。
図13に、実施例3と比較例16の電極のボルタモグラム(アノード分極曲線)を示す。また、表1に、評価結果をまとめた。なお、分極電位がMoのモル分率が0である場合(比較例18)より特に低いものを◎、低いものを○、同等であるものを△、高いものを×とした。
固体高分子電解質型燃料電池の単セル構造を示す模式図である。 本発明の直接アルコール型燃料電池の一例を示す模式図である。 本発明の直接アルコール型燃料電池の他の例を示す模式図である。 本発明の直接アルコール型燃料電池の他の例を示す模式図である。 本発明の燃料電池を有する発電システムの一例を示す模式図である。 本発明の電子機器の一例を示す模式図である。 比較例1〜3の評価結果を示す図である。 直接アルコール型燃料電池のセル分極の概念及びアノード分極特性の優劣を示す図である。 実施例1の触媒の元素分析結果を示す図である。 比較例6の触媒の元素分析結果を示す図である。 触媒のアルコール酸化特性の熱処理温度に対する依存性を示す図である。 Pt−Ru−Mo触媒のエタノール酸化特性のMoのモル分率に対する依存性を示す図である。 実施例3と比較例16の電極のボルタモグラムを示す図である。
符号の説明
1、1a、1b 筐体
2a 燃料供給部
2b 酸化剤供給部
3a、3A アノード
3b カソード
4 電解質膜
5 燃料容器
6 膜電極接合体(MEA)
7 バイポーラプレート
10、20、30、40 燃料電池

Claims (8)

  1. カーボンからなる担持体に白金、ルテニウム及びモリブデンの合金が担持されており、
    白金、ルテニウム及びモリブデンの当量の和に対するモリブデンの等量の比は、14%以下であることを特徴とするアノード触媒。
  2. 前記白金、ルテニウム及びモリブデンの合金は、白金、ルテニウム及びモリブデン化合物を熱処理することにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアノード触媒。
  3. 電解質膜がアノード及びカソードで挟持されており、
    該アノードは、請求項1又は2に記載のアノード触媒を少なくとも有することを特徴とする膜電極接合体。
  4. 請求項3に記載の膜電極接合体と、アルコールを主成分とする燃料を該膜電極接合体のアノードに供給する手段と、酸化剤を該膜電極接合体のカソードに供給する手段を少なくとも有することを特徴とする燃料電池。
  5. 複数の前記膜電極接合体を有し、
    該複数の膜電極接合体は、少なくとも一つの平面の上に平面状に設けられていると共に、電気的に直列に接続されていることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
  6. 複数の前記膜電極接合体及び両極板(バイポーラプレート)を有し、
    該複数の膜電極接合体及び両極板(バイポーラプレート)は、該複数の膜電極接合体が該両極板(バイポーラプレート)を介して電気的に直列に接続されるように積層されていることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
  7. 前記燃料は、エタノール及び水を含有することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の燃料電池。
  8. 請求項4乃至7のいずれか一項に記載の燃料電池を少なくとも有することを特徴とする電子機器。
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JP2011001603A (ja) * 2009-06-18 2011-01-06 Fuji Electric Holdings Co Ltd 金属粒子、カーボン、燃料電池用電極、燃料電池セル、燃料電池スタック、無機酸化物、触媒、及び金属粒子の分別方法

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