JP2008122857A - 自動焦点検出装置、その制御方法、及び顕微鏡システム - Google Patents

自動焦点検出装置、その制御方法、及び顕微鏡システム Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザが観察したいフォーカス位置を決めるだけでその着目点へのリアルタイム追従AFを可能とする自動焦点検出装置を提供する。
【解決手段】自動焦点検出装置は、顕微鏡のステージと対物レンズ間の相対的位置を制御する駆動手段と、対物レンズを介して試料に対して投光する投光手段と、投光手段からの投光が前記試料で反射されて対物レンズを通過し、対物レンズを介して該反射された光像を検出する検出手段と、投光手段から検出手段までの光路内に配置され、検出手段に投影される光像の状態を変化させる投影状態変更手段と、検出手段の検出結果から前記試料の合焦状態を判定する合焦状態判定手段と、駆動手段の制御により前記ステージと前記対物レンズとが所定の位置で保持させられた状態で、合焦状態判定手段により合焦と判定されるように投影状態変更手段の位置を調整する合焦状態調整手段と、を備えることにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、顕微鏡などの光学装置における自動焦点検出装置に関する。
最近、顕微鏡などの光学機器において、自動焦点検出(オートフォーカス。以下、「AF」と称する。)技術を適用したものが多く見られるようになっている。特に、能率のよい標本観察を行う際に、AF技術を用いて合焦位置となる位置へ常に焦点を合わせ続ける追従型AF機能が顕微鏡に措載されている。
例えば、細胞に対して試薬を投与した際の反応を観察する場合、従来では試薬を投与したことによる振動や容器のたわみ等により、今まで観察していたピント位置がずれてしまうことがあった。そのような場合、追従型AFを搭載することで常にピント位置を保持することが可能となる。
ところが、顕微鏡はその特有の光学特性を有するため、AF技術を開発する上で大きな間題を有している。その1つに、AFによりピント合わせを行っている標本上の位置と、検鏡者が実際に着目している標本上の位置とが異なることが挙げられる。
特に、開口数(NA)の大きい高倍対物レンズを使用した顕微鏡の場合、対物レンズの焦点深度がサブミクロンと非常に浅いのに対し、例えば細胞などの標本の場合、薄いものでも数μmである。そのため、AFによる標本上の合焦位置と検鏡者が着目する標本上の研究対象となっている位置とが一致しないことが多々生じる。
このため、従来、AF中にマニュアルでフォーカス操作を行う場合、AFを解除することなく、AFによるオフセットをかけ、合焦位置を可変できるようにしたものが考えられている(例えば、特許文献1。)。このようなAFのオフセットの概念を図16を用いて説明する。
図16は、先行技術におけるAF原理を示す。ステージ144上に載置されたサンプル143の光像を対物レンズ140を介して結像レンズ141で結像させ、AFセンサ142で撮像するとともに、観察位置Xで目視による観察を可能にしている。
この状態で、ステージ144とともにサンプル143を上下動させることで、サンプル143のピントの合った像がAFセンサ142に投影される。また、AFセンサ142と観察位置Xの同焦がとれている状態では、AFをかけることで観察位置Xによりサンプル143のピントの合った像の観察も可能になる。
ここで、AFセンサ142を図示a1方向に移動し、観察位置XとAFセンサ142の同焦をずらす。そうすると、AFセンサ142に投影されるサンプル143の光像は、デフォーカスする。
そのため、AF制御によりAFセンサ142にピントの合った像を投影するように、ステージ144は図示a2方向に移動する。この状態では観察位置Xは移動しないため、この観察位置Xではサンプル143の下側のぼけた像を観察することになる。
一方、AFセンサ142を図示b1方向に移動させると、上述した同様な動作によりステージ144は図示b2方向に移動する。観察位置Xでは、サンプル143の上側のぼけた像を観察するようになる。
このことから、AFセンサ142の位置を図示a1またはb1方向にずらしてAFをかける位置を自由に変えることにより、例えば多層構造のサンプル143の高さの異なる各層についてピントの合った像を観察位置Xで観察できる、所謂、AFのオフセット機能が得られる。
これにより、AFによりピント合わせを行っているサンプル143上の位置と検鏡者が実際に着目している位置とが異なるような場合も、AFにオフセットをかけることにより着目位置に対するAFが可能になる。
また、特許文献2には、ハイブリッド方式のAFにおいて、アクティブAF・パッシブAF間の初期調整誤差を軽減させた顕微鏡用オートフォーカス装置が開示されている。特許文献2によれば、従来、別々に行っていたパッシブ方式・アクティブ方式の両AF方式の調整を、まずパッシブAFの調整を行った後、調整されたパッシブAFでの合焦状態をモニタしながらアクティブAFの初期調整を行うことで、調整不足、調整ミスによる両AF方式間のピントズレを軽減させている。
特開2001−296467号公報 特開2002−341234号公報
しかしながら、特許文献1のAFにオフセットをかける方式では、一旦AFを実行した後にユーザが着目点までオフセットを手動で合わせるという作業を行うことになる。すなわち、ユーザとしては、AF実行後さらに着目点へのピント合わせ操作をすることになり、煩雑な作業が増える。
また、特許文献2のハイブリッド型AFでは、ユーザが観察したいフォーカス位置を設定しようとすると、パッシブ方式のAFを調整することになり、非常に煩雑な操作が必要となる。また、2つのAF機構を搭載しているため、装置の複雑化や大型化が避けられない。
上記の課題に鑑み、本発明では、ユーザが観察したいフォーカス位置を決めるだけでその着目点へのリアルタイム追従AFを可能とする自動焦点検出装置を提供する。
本発明にかかる、試料を載置するステージと該ステージに載置した前記試料に対向して配置された対物レンズとの間の相対的位置を変更できる顕微鏡に用いられる自動焦点検出装置は、前記ステージと前記対物レンズの少なくとも一方を光軸方向に駆動させて、該ステージと該対物レンズ間の相対的位置を制御する駆動手段と、前記対物レンズを介して前記試料に対して投光する投光手段と、前記投光手段からの投光が前記試料で反射されて前記対物レンズを通過し、該対物レンズを介して該反射された光像を検出する検出手段と、前記投光手段から前記検出手段までの光路内に配置され、前記検出手段に投影される前記光像の状態を変化させる投影状態変更手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記試料の合焦状態を判定する第1の合焦状態判定手段と、前記駆動手段の制御により前記ステージと前記対物レンズとが所定の位置で保持させられた状態で、前記第1の合焦状態判定手段により合焦と判定されるように前記投影状態変更手段の位置を調整する第1の合焦状態調整手段と、を備えることを特徴とする。
前記自動焦点検出装置において、前記第1の合焦状態調整手段は、前記投影状態変更手段の位置を調整した後に、さらに、該投影状態変更手段の位置を保持した状態で、前記駆動手段を制御して合焦状態を維持することを特徴とする。
前記自動焦点検出装置は、さらに、前記試料の観察像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の出力に基づいて、前記試料の合焦状態を判定する第2の合焦状態判定手段と、前記駆動手段の制御により、前記第2の合焦状態判定手段により合焦と判定される位置に前記ステージと前記対物レンズの位置を調整する第2の合焦状態調整手段と、を備えることを特徴とする。
前記自動焦点検出装置は、さらに、少なくとも前記第1の合焦状態調整手段により調整された前記投影状態変更手段の位置に関する情報を格納する格納手段と、前記格納手段に格納された前記投影状態変更手段の位置に基づいて、前記投影状態変更手段を復帰させる復帰制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明にかかる顕微鏡システムは、前記自動焦点検出装置を搭載していることを特徴とする。
本発明にかかる、試料を載置するステージと該ステージに載置した前記試料に対向して配置された対物レンズとの間の相対的位置を変更できる顕微鏡に用いられる自動焦点検出装置の制御方法において、前記自動焦点検出装置は、前記ステージと前記対物レンズの少なくとも一方を光軸方向に駆動させて、該ステージと該対物レンズ間の相対的位置を制御する駆動手段と、前記対物レンズを介して前記試料に対して投光する投光手段と、前記投光手段からの投光が前記試料で反射されて前記対物レンズを通過し、該対物レンズを介して該反射された光像を検出する検出手段と、前記投光手段から前記検出手段までの光路内に配置され、前記検出手段に投影される前記光像の状態を変化させる投影状態変更手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記試料の合焦状態を判定する合焦状態判定手段と、前記合焦状態判定手段による判定結果に基づいて、前記駆動手段及び前記投影状態変更手段を制御し、前記試料に対する合焦状態を調整する合焦状態調整手段と、を備え、前記駆動手段により前記ステージと前記対物レンズとを所定の位置で保持し、前記ステージと前記対物レンズとが前記所定位置で保持された状態で、前記合焦状態判定手段により合焦と判定されるように前記投影状態変更手段の位置を調整することを特徴とする。
本発明を用いることにより、ユーザが観察したいフォーカス位置を決めるだけでその着目点へのリアルタイム追従AFが可能となる。
本発明にかかる自動焦点検出装置は、試料を載置するステージと該ステージに載置した前記試料に対向して配置された対物レンズとの間の相対的位置を変更できる顕微鏡に用いられる自動焦点検出装置である。
自動焦点検出装置は、駆動手段と、投光手段と、検出手段と、投影状態変更手段と、第1の合焦状態判定手段と、第1の合焦状態調整手段とを備える。
駆動手段は、前記ステージに載置した前記試料に対向して配置された対物レンズと、前記ステージと対物レンズの少なくとも一方を光軸方向に駆動させて、該ステージと該対物レンズ間の相対的位置を制御する(以下の実施形態では、例えば焦準用モータ19及び焦準用モータ駆動部21に相当する。)。
投光手段は、前記対物レンズを介して前記試料に対して投光する(以下の実施形態では、例えば基準光源4に相当する。)。検出手段は、前記投光手段からの投光が前記試料で反射されて前記対物レンズを通過し、該対物レンズを介して該反射された光像を検出する(以下の実施形態では、例えば受光センサ13に相当する。)。
投影状態変更手段は、前記投光手段から前記検出手段までの光路内に配置され、前記検出手段に投影される前記光像の状態を変化させる(以下の実施形態では、例えばオフセットレンズ群9に相当する。)。
第1の合焦状態判定手段は、前記検出手段による検出結果に基づいて、前記試料の合焦状態を判定する(以下の実施形態では、例えばコントロール部26に相当する。)。
第1の合焦状態調整手段は、前記駆動手段の制御により前記ステージと前記対物レンズとが所定の位置で保持された状態で、前記第1の合焦状態判定手段により合焦と判定されるように前記投影状態変更手段の位置を調整する(以下の実施形態では、例えばコントロール部26に相当する。)。第1の合焦状態調整手段は、前記投影状態変更手段の位置を調整した後に、さらに、該投影状態変更手段の位置を保持した状態で、前記駆動手段を制御して合焦状態を維持する。
このように構成することにより、ユーザが観察したいフォーカス位置を決めるだけでその着目点へのリアルタイム追従AFが可能となる。
前記自動焦点検出装置は、さらに、撮像手段と、第2の合焦状態判定手段と、第2の合焦状態調整手段とを備える。撮像手段は、前記試料の観察像を撮像するものである(以下の実施形態では、例えばCCD40に相当する。)。第2の合焦状態判定手段は、前記撮像手段の出力に基づいて、前記試料の合焦状態を判定する(以下の実施形態では、例えばコントロール部26に相当する。)。
第2の合焦状態調整手段は、前記駆動手段の制御により、前記第2の合焦状態判定手段により合焦と判定される位置に前記ステージと前記対物レンズの位置を調整する(以下の実施形態では、例えばコントロール部26に相当する。)。
このように構成することにより、ユーザがピント位置を保持して観察したい場合に、マニュアルでピント合わせ操作をすることなく、一度の操作にてその着目点に対して正確に追従型AFを実行することができる。
前記自動焦点検出装置は、さらに、格納手段と、復帰制御手段とを備える。格納手段は、少なくとも前記第1の合焦状態調整手段により調整された前記投影状態変更手段の位置に関する情報(例えば、前回設定したピント位置へ追従AFを行った際のオフセットレンズの位置)を格納する(以下の実施形態では、例えばRAM303に相当する。)。なお、格納手段には、さらに、所定のタイミングでの顕微鏡の状態を保存指示された場合での、光軸に挿入されている対物レンズ3の種類や、焦準位置(Z位置)、照明光量、観察法(フィルタ位置)、XYステージ位置、オフセットレンズ位置等の設定情報が格納されていてもよい。
復帰制御手段は、前記格納手段に格納された前記投影状態変更手段の位置に基づいて、前記投影状態変更手段を復帰させる(以下の実施形態では、例えばコントロール部26に相当する。)。
このように構成することにより、前回設定したピント位置への追従AF制御を行うことができる。また、格納手段に、光軸に挿入されている対物レンズ3の種類や、焦準位置(Z位置)、照明光量、観察法(フィルタ位置)、XYステージ位置、オフセットレンズ位置等の設定情報が格納されている場合には、これらの情報に基づいて、保存指示された際の顕微鏡の状態へ復帰させることができる。
本発明の以下の実施形態では、一例として赤外レーザを観察サンプルに投光し、その反射光にて合焦位置を検出するアクティブAF装置について説明する。以下では、アクティブAFにおいて、従来、可視光(観察光路)と赤外レーザの色収差を補正するために設けられていた収差補正レンズ(以降、オフセットレンズとする)に対してAFアルゴリズムを適用する。そして、ユーザが現在観察しているフォーカス位置を合焦位置として検出できるようにオフセットレンズを制御し、決定されたオフセットレンズの位置に対してフォーカスのリアルタイム追従を実行する。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態における顕微鏡用自動焦点検出装置の全体構成を示す。電動レボルバは、レボルバ本体2、複数の対物レンズ3(3a,3b)、レボルバ回転用モータ18、レボルバ回転用モータ駆動部20、及びレボルバ穴位置検出部22から構成されている。
レボルバ本体2は、回転可能であり、複数の対物レンズ3を取り付け可能である。レボルバ回転用モータ駆動部20は、レボルバ用モータ18を電気的に駆動することによりレボルバ本体2を回転させ、任意の対物レンズ3を光路中に挿入させる。
レボルバ穴位置検出部22は、レボルバ本体2のどの対物レンズ取り付け穴が現在光路中に挿入されているかを検出する。同図においては、対物レンズ3aが光路中に挿入されている。
レボルバ本体2は、コントロール部26からの信号により駆動される。コントロール部26は、レボルバ穴位置検出部22から出力される現在光路中に挿入されている対物レンズ取り付け穴を示す信号に応じて、レボルバ用モータ駆動部20を制御する。そうすると、レボルバ用モータ駆動部20により駆動させられたレボルバ回転用モータ18によりレボルバ本体2は回転する。
観察試料(標本)は、例えば、ガラス容器14に配置された観察体Sから構成される。観察試料は移動ステージ1の上に載せられ、対物レンズ3を介して観察される。
観察試料を照明する光学系は、レンズ群31,33及びハーフミラー32からなる。この光学系は、ハロゲンランプからなる光源30から発する光をレンズ群31,33を介して集光している。
コントロール部26には、外部操作部25が接続されている。外部操作部25によるユーザの操作指示によって、顕微鏡の構成要素の各電動部を制御する構成としている。
移動ステージ1は、焦準用モータ19により、光軸Cに沿った方向で上下動される。焦準用モータ19は、焦準用モータ駆動部21により電気的に駆動される。
まず、アクティブ型のAF光学系について説明する。アクティブ型AFのための基準光源4としては、赤外線レーザ等の可視外光波長領域の光源が使用される。基準光源4は、レーザ駆動部23により制御される。レーザ駆動部23は、基準光源4のパルス点灯等を行い、光源の強弱を制御する。
基準光源4からのレーザ光は、平行光を保つ為のコリメートレンズ5を通り、光束径の半分が投光側ストッパ6によりカットされる。その後、そのレーザ光は、PBS7でP偏光成分のみが反射され、観察試料S側に導かれる。
集光レンズ群8により一旦集光された光束は、オフセットレンズ群9を通過する。コントロール部26からオフセットレンズ駆動部35を介してオフセットレンズ駆動用モータ36が制御される。その結果、このオフセットレンズ群9は、光軸Cに沿った方向への移動、すなわち合焦位置のオフセットが可能となる。
オフセットレンズ群9を通過した光は、λ/4板10を通過する時に45度偏光され、ダイクロイックミラー11に入射する。ここで、ダイクロイックミラー11では、赤外域のみ反射される為、基準光源4から発するレーザ光束は反射される。反射された光束は、対物レンズ3により観察試料Sを入れる容器14の底面にスポット形状の像を形成する。
そして、観察試料Sにより反射された光束は、対物レンズ3を介して、ダイクロイックミラー11に入射する。ダイクロイックミラー11で反射された光束は、λ/4板10を再び通過する時に更に45度偏光され、S偏光成分に切り換えられる。
さらに光束は、オフセットレン群9と集光レンズ群8を通り、PBS7へ入射される。ここで、その光束はS偏光成分になっているので、そのままPBS7を透過し、集光レンズ群12を通過した後に受光センサ13に結像される。受光センサ13では、その結像された像のレーザ反射光強度を検出する。
受光センサ13により検出したレーザ反射光強度は、信号処理部24に出力される。信号処理部24では、そのレーザ反射光強度に対して所定の信号処理を施した後、コントロール部26に出力する。
図2は、本実施形態における外部操作部25を示す。ジョグダイアル201は、移動ステージ1の上下方向移動に対応しており、ジョグダイアルの回転に合わせて、移動ステージ1が上下に動く。
対物レンズ切替ボタン206(206a,206b)は、レボルバ本体2の回転に対応している。対物レンズ切替ボタン206aを押下すると時計回りにレボルバ本体2を回転させ、対物レンズ切替ボタン206bを押下すると反時計回りレボルバ本体2を回転させることができる。この操作により、任意の対物レンズを光路に挿入することができる。
表示部202は、例えばモノクロ液晶画面であり、現在光路に挿入されている対物レンズ3の情報や、他の駆動部のステータス等が文字で表示される。
「現在観察位置へ追従」ボタン205を選択すると、現在観察している(画面に表示されている)ピント位置への追従AF制御がなされる。「前回設定位置へ追従」ボタン206を選択すると、前回設定したピント位置への追従AF制御がなされる。「追従解除」ボタン207を押下すると、実行中の追従AFが解除される。
追従AF実行中は、AF動件中表示部204が点灯するようになっている。コネクタ203は、コントロール部26と接続するためのものである。
図3は、本実施形態におけるコントロール部26の内部構成を示す。ROM302には、システムを制御するためのプログラムが格納されている。RAM303は、制御に必要なデータが格納され揮発性メモリー等である。
CPU301は、ROM302に記憶されている予め設定されたプログラムを読み出して各種制御を実行する。I/Oポート304は、顕微鏡の各駆動部及び信号処理部とデータのやり取りを行うための入出力インターフェースである。また、外部インターフェース(I/F)305,306は、外部操作部25やPC等と通信可能にするための通信インターフェースである。
図4及び図5は、受光センサ13での結像の状態を示す。受光センサ13への結像状態は、対物レンズ3と観察試料S間の距離によって変化する。さらには、オフセットレンズ群9の位置によっても変化する。
図4は、オフセットレンズ群9をある位置に固定し、対物レンズ3と観察試料S間の距離を変化させたとき、つまりは焦準用モータ駆動部21により移動ステージ1を光軸Bに沿って移動させたときの受光センサ13への結像状態を示したものである。
受光センサ13は、光軸を中心に設置された2分割フォトダイオードからなる。観察試料Sがピント位置にある場合には、受光センサ13に結像されたスポット光は、図4(b)に示す様に範囲が狭く高い強度分布になる。
観察試料Sがピント位置から下側(後ピン位置)にある場合は、受光センサ13に結像されたスポット光は、図4(a)に示す様に図中Bの範囲に偏った強度分布になる。
観察試料Sがピント位置から上側(前ピン位置)にある場合は、受光センサ13に結像されたスポット光は、図4(c)に示す様に図中Aの範囲に偏った強度分布になる。
そうして、受光センサ13に結像されたスポット光は、それぞれ図中に示した検出信号に変換される。
図5は、移動ステージ1を光軸B上のある位置に固定し、オフセットレンズ群9を変化させたときの受光センサ13への結像状態を示したものである。
対物レンズ3と観察試料Sとの距離は固定としているため、オフセットレンズ群9に入射する光束(図中のオフセットレンズ群9より左側の光束)は、図5(a)〜図5(c)ともに同一となる。
図5(b)に示したのが、受光センサ13の出力から合焦と判定される状態であり、図4(b)と同様に範囲が狭く高い強度分布となる。
図5(b)の状態から、オフセットレンズ群9を左方向へ移動すると、図5(a)のような結像状態となる。この場合には、図4(a)に示したような後ピン位置と同様のセンサ出力が得られる。
また、逆にオフセットレンズ群9を図中右方向へ移動すると、図5(c)のような結像状態となる。この場合には、図4(c)に示したような前ピン位置と同様のセンサ出力が得られる。
このように、対物レンズ3と観察試料Sの距離が一定の状態であっても、オフセットレンズ群9の位置により、受光センサ13への結像状態が変化する。
図6は、上記検出信号から算出される信号の強度分布を示す図である。受光センサ13で変換された検出信号は、信号処理部24で、図4及び図5の(a)〜(c)に示したAとBの範囲に分割され、それぞれの範囲における強度の総和が算出される。
従って図5(a)に示す様に、横軸を移動ステージ1の上下方向(デフォーカス)とすると、ピント位置を挟んで左右対称なA,B2つのカーブからなる信号が算出される。また、オフセットレンズ群9の位置を横軸にとった場合も同様にして左右対称なA,B2つのカーブからなる信号が算出される。
この信号はコントロール部26に入力される。コントロール部26は、入力されたA,B信号から、図6(b)に示すような(A−B)/(A+B)からなる信号を算出し、この信号に基づき合焦動作を行う。
具体的には、この信号値(A−B)/(A+B)に対して、−TH1≦((A−B)/(A+B))≦TH1となった時を合焦と判定する。
例えば、オフセットレンズ群9を制御して「合焦」と判定される位置へ移動させる場合を一例として説明する。検出した信号値が((A−B)/(A+B))>TH1である図中Dであった場合、コントロール部26は、オフセットレンズ群9を後方向(図1における右方向)へ移動させるように焦準用モータ駆動部21に指示を出し、続けて(A−B)/(A+B)の検出信号の判定を繰り返す。
検出信号がその範囲に収まった際には、焦準用モータ駆動部21にモータ停止指示を出し、合焦動作を終了する。
このように、レーザ光が点灯制御され、観察試料に投影したレーザ光束の反射光を検出することで、アクティブ型のAF光学系が実現する。このように構成した装置での動作を図7及び図8、図9のフローチャートを用いて説明する。
図7は、本実施形態における自動焦点検出装置の現在観察している位置についてAFを行う動作フローを示す。図7(及び図8)は、図2の「現在観察位置へ追従」ボタン205を押下すると実行されるフローである。
まず、ユーザは、所望の観察試料Sを移動ステージ1上にセットして、観察したい位置ヘマニュアルでピントを合わせる(ステップ701。以下、ステップを「S」と称する。)。
このとき選択された対物レンズ3の情報は、レボルバ穴位置検出部22により光路中に挿入されている対物レンズ3のレボルバ穴番号を検出することにより判別される。
次に、ユーザは、外部操作部25の「現在観察位置へ追従」ボタンを押下して、現在のピント位置への追従AF開始指示をコントロール部26に与える(S702)。そうすると、コントロール部26において、CPU301はその判別された対物レンズ情報に基づき以降実施されるAF制御に係る各種パラメータ情報をROM302から読み出す(S703)。そうすると、オフセットレンズ合焦モードに移行する(S704)。
オフセットレンズ合焦モードは、移動ステージ1の上下方向位置(フォーカス位置と呼ぶ)を保持したまま、オフセットレンズ群9が制御されて、受光センサ13の出力から「合焦」と判定されるオフセットレンズ群9の位置を探すモードである。なお、ここでは、オフセットレンズ合焦モードの概要を説明し、その詳細は図8で説明する。
オフセットレンズ合焦モードでの合焦状態の判定は、コントロール部26によって実施される。まず、コントロール部26は、受光センサ13により検出したレーザ反射光強度を信号処理部24を介して取り込み、図5に示した(A−B)/(A+B)を算出する。
続いて、コントロール部26は、(A−B)/(A+B)の値が所定の範囲内に収まっているかどうかを判定する。この判定に用いられる閾値(ここでは、TH1ofとする)は、前述のAFパラメータ情報に合まれており、対物レンズ3の種類ごとに決められている。
つまりコントロール部26では、−TH1of≦(A−B)/(A+B)≦TH1ofとなっていた場合を「合焦」として判定している。詳細は図8で説明するが、合焦していないと判定されると(S705で「No」へ進む)、コントロール部26では、オフセットレンズ群9の稼動範囲の全範囲に亘って合焦点を探したかどうかの判定が行われる。
ここでいう稼動範囲とは、AFパラメータ情報に含まれる、稼動可能なオフセットレンズ群9の位置の限界値を位置アドレスで表したものである。その稼動可能なオフセットレンズ群9の位置の限界値は、オフセットレンズ群9の駆動機構の機械的限界位置以下の値をとる。以下では、オフセットレンズ群9の駆動機構の前側の機械的限界位置を前側リミットといい、オフセットレンズ群9の駆動機構の後側の機械的限界位置を後側リミットという。
オフセットレンズ群9の稼動範囲の全範囲を探したと判定されると、現在のフォーカス位置では合焦不可能ということになるので、コントロール部26はAF不可能である旨をユーザに通知し(S706)、AF動作を終了する。
ユーザへの通知方法としては、外部操作部26の表示部202にその旨のメッセージを表示させるか、またはブザーによってユーザに認識させることが挙げられる。
オフセットレンズ群9の稼動範囲の全範囲を探していないと判定された場合、コントロール部26は、(A−B)/(A+B)の値に基づきオフセットレンズ群9を移動させ、再度合焦判定を行う(S705)。これを繰り返し実行することで、オフセットレンズ群9を調整し、「合焦」と判定される位置へ制御する。
オフセットレンズ群9による合焦が完了すると(S705で「Yes」へ進む)、コントロール部26は、レンズ駆動部35を制御してオフセットレンズ群9を停止させ、現在の位置アドレスを記億する(S707)。すなわち、コントロール部26は、現在のオフセットレンズ位置(変数CurrentOfPos)をオフセットレンズ合焦位置(変数LastOfAFPos)としてRAM303に、移動ステージ1のXYZ座標とともに記憶する。
その後、コントロール部26はフォーカス合焦モードヘ移行する(S708)。フォーカス合焦モードは、いわゆる追従型のAFを実行するモードであり、オフセットレンズ群9の位置を保持した状態で、移動ステージ1を上下方向に制御し、対物レンズ3と観察試料Sとの距離、つまりは現在観察しているピント位置を常に一定とするモードである。
フォーカス合焦モードでは、まず、コントロール部26は現在の状態が合焦状態かどうかを判定する(S709)。合集状態の判定は、S705で説明したのと同様であるが、判定に用いられる閾値は別パラメータとして持っており、ここでは、TH1stとする。
TH1stもTH1ofと同様にして、前述のAFパラメータ情報に含まれており、対物レンズの種類ごとに決められている。つまり、このS709では、−TH1st≦(A−B)/(A+B)≦TH1stとなっていた場合を「合焦」として判定している。
ここで、合焦していないと判定されると(S709で「No」へ進む)、コントロール部26は(A−B)/(A+B)の値に基づき移動ステージ1を上下方向へ移動、つまりはフォーカスの調整を行う(S710)。その後、コントロール部26は再度合焦判定を行う(S709)。これを繰り返し実行することで、常に「合焦」と判定されるような位置へ移動ステージ1を自動的に制御する(「追従モード」と呼ぶ)。
この追従モードは、ユーザの終了指示(「追従解除」ボタン207が押下される)があるまで継続される(S711)。なお、TH1ofをTH1stよりも小さな値としておくことにより、オフセットレンズ合焦モードで「合焦」と判定された直後のフォーカス合焦モードにおいて、フォーカス調整をしなくても「合焦」と判定されるため、実際にはオフセットレンズ合焦にかかる時間だけでAF完了することが可能となる。
図8は、図7のオフセットレンズ合焦モード(S704〜S705)の詳細を示す。まず、コントロール部26は、図6(a)に示した受光センサ13に入射するレーザ光の入射強度が所定値以上あるかどうかの判定を行う(S721)。
受光センサ13に入射するレーザ光の入射強度が所定値以下である場合(ステップ721で「No」へ進む)、コントロール部26は、レンズ駆動部25を制御してオフセットレンズ9を移動させ、受光センサ13ヘの入射強度が所定値以上となるような位置を探す制御に移る。
それから、コントロール部26はオフセットレンズ9の可動範囲全てを探したかどうかの判定を行う(S722)。オフセットレンズ9の可動範囲の全範囲を探したと判定されると(S722で「Yes」へ進む)、コントロール部26は合焦不可能としエラーとし(S739)、オフセットレンズ9を停止させて、本フローは終了する。
まだ、オフセットレンズの可動範囲の全範囲を探していない場合(S722で「No」へ進む)、コントロール部26はオフセットレンズ9が現在移動中かどうかを判定する(S723)。オフセットレンズが移動中でないならば(S723で「No」へ進む)、コントロール部26はオフセットレンズ位置が前側リミットにあるかどうかの判定を行う(S728)。
オフセットレンズ位置が前側リミットにあるならば(S728で「Yes」へ進む)、コントロール部26はオフセットレンズ9を後方向へ移動開始する(ステップ729)。一方、オフセットレンズ9位置が前側リミットにいないならば(S728で「No」へ進む)、コントロール部26はオフセットレンズ9を前側へ移動させる(S730)。
S728において、前側リミットにいると判定された際には、コントロール部26はリミット到達フラグを立て、合焦シーケンスにおいて前側リミットに到達したという履歴をRAM303に残す。
S723に戻り、オフセットレンズ9が移動中であると判定されたならば(S723で「Yes」へ進む)、コントロール部26はその移動方向が前側かどうかの判定をする(S724)。オフセットレンズ9が前側へ移動中であると判定されると(S724で「Yes」へ進む)、コントロール部26はオフセットレンズ9が前側リミットに到達しているかどうかの判定へ進む(S725)。
オフセットレンズ9が前側リミットに到達していないと判定されたならば(S725で「No」へ進む)、コントロール部26はS721へ戻り、再度入射強度のチェツクを行う。
オフセットレンズ9が前側リミットに到達していると判定されたならば(S725で「Yes」へ進む)、コントロール部26はオフセットレンズ9を停止させ(S726)、逆方向の後側へオフセットレンズ9を移動させる(S727)。
オフセットレンズ9が後側へ移動中と判定されると(S724で「No」へ進む)、コントロール部26はオフセットレンズ9が後側リミットヘ到達したかどうかの判定に移る(S731)。オフセットレンズ9が後側リミットに到達しているならば(S731で「Yes」へ進む)、コントロール部26はレンズ駆動部35を制御してオフセットレンズ9を停止させる(S732)。
なお、S725、S731でのリミット判定において、オフセットレンズ9がリミットに到達していると判定されたならば、コントロール部26はS728と同様にリミット到達フラグを立てる。S721に戻り、入射強度が所定値以上となれば(S721で「Yes」へ進む)、コントロール部26はレンズ駆動部35を制御してオフセットレンズ9を停止させる(S733)。それから、図6(b)に示した(A−B)/(A+B)信号による判定を行う(S734)。
まず、コントロール部26は(A−B)/(A+B)の絶対値が所定値TH1(図6(b)に図示)より小さいかどうかを判定する(S734)。このS734の判定が「Yes」となると、オフセットレンズ合焦シーケンスでは「合焦」となり(S738)、コントロール部26はオフセットレンズ9を停止させて(S740)、処理を終了する。
(A−B)/(A+B)の絶対値がTH1よりも大きい場合は合焦位置から離れているということとなり、コントロール部26はTH1より小さくなるようにオフセットレンズ位置を調整するシーケンスに移る(ステップ734で「No」へ進む)。
それから、コントロール部26は(A−B)/(A+B)の符号を判定する(S735)。(A−B)/(A+B)が正の値であれば(S735で「Yes」へ進む)、コントロール部26はオフセットレンズ9を後側へ移動させる(S736)。また、(A−B)/(A+B)が負の値であれば(S735で「No」へ進む)、コントロール部26はオフセットレンズ9を前側へ移動させる(S737)。
このS735〜S737の処理を繰り返し実行することで、コントロール部26ではS734においてTH1より小さい値となるようなオフセットレンズ位置への調整が行われる。
図9は、本実施形態における自動焦点検出装置の前回設定した位置についてAFを行う動作フローを示す。図9は、図2の「前回設定位置へ追従」ボタン206を押下すると実行されるフローである。
まず、ユーザは、外部操作部25の図2の「前回設定位置へ追従」ボタンを押下して、前回設定位置への追従AF指示をコントロール部26に与える(S751)。
そのAF指示を受信したコントロール部26は、RAM303から前回保存したオフセット合焦位置(LastOfAFPos)を読み出し、その読み出した変数LastOfAFPosを変数SetAFPosに設定する(S752)。
コントロール部26は、レンズ駆動部35を制御して、その読み出した位置(変数SetAFPos)へオフセットレンズ9を移動させる(S753)。それから、コントロール部26は、レボルバ穴位置検出部22により対物レンズ情報を取得する(S754)。
これ以降のフローは、第1の実施形態における図7のフローのS708以降と同様であるため説明を省略する。
このように構成した白動焦点検出装置では、ユーザがピント位置を保持して観察したい場合に、マニュアルでピント合わせ操作をすることなく、一度の操作にてその着目点に対して正確に追従型AFを実行できる。
なお、本実施形態においては、外部操作部25により各種操作を行うように記載しているが、顕微鏡本体に操作ボタンやJOGダイアルを配置し、そこからユーザに操作させるようにしてあってもよい。
または、コントロール部26に外部インターフェースを追加し、PCに接続可能とし、PC上で動作するアプリケーションソフトから操作させるようにしてあってもよい。
また、本実施形態では、AFパラメータ情報はコントロール部26内のROM302に保存されるものとしているが、外部操作部25もしくは、PC等から書き換え可能としてあってもよい。
また、本実施形態では、AF光学系にレーザ光源の中間像を形成するような構成としているが、図1の変形例である図10に示すように中間像を形成しないような構成として、オフセットレンズ群9の代わりにレンズ群8を移動させるようにしてあってもよい。
次に、図11及び図12を用いて顕微鏡の状態をユーザが任意のタイミングで記憶して、その後にその状態を復帰させるシーケンスについて説明する。
図11は、本実施形態における顕微鏡の状態を任意のタイミングで記憶させるフローを示す。ユーザにより任意のタイミングで外部操作部25の所定の操作ボタンが押下されると、顕微鏡状態保存指示がなされる(S801)。
そうすると、コントロール部26は、そのタイミングにおける顕微鏡の状態をRAM303に保存する(S802)。顕微鏡の状態とは、例えば、光軸に挿入されている対物レンズ3の種類や、焦準位置(Z位置)、照明光量、観察法(フィルタ位置)、XYステージ位置、オフセットレンズ位置等のそのタイミングでの顕微鏡の設定情報のことを示す。
なお、顕微鏡の状態の保存は、複数の状態を保存することができる。例えば、それぞれの顕微鏡の状態について一意に識別するための番号を付与するようにしておき、ユーザがその番号を指定することで、複数の顕微鏡状態セットを保存できる。
図12は、本実施形態における保存した顕微鏡の状態に復帰させるフローを示す。ユーザにより外部操作部25の所定の操作ボタンが押下されると、顕微鏡状態復帰指示がなされる(S811)。例えば、ユーザは、番号指定でどの顕微鏡状態へ復帰するのかを選択することができる。
そうすると、コントロール部26は、RAM303から図11で保存した顕微鏡状態(光軸に挿入されている対物レンズ3の種類や、焦準位置(Z位置)、照明光量、観察法(フィルタ位置)、XYステージ位置、オフセットレンズ位置等のそのタイミングでの顕微鏡の設定情報)を読み出す(S812)。
コントロール部26は、その読み出した顕微鏡状態に基づいて、各駆動部を再設定してその保存した状態に復帰させる(S813)。
それから、コントロール部26は、オフセットレンズ合焦位置情報を更新する(S814)。具体的には、現在(復帰後)のオフセットレンズ位置(変数CurrentOfPos)を変数LastOfAFPosに設定する。
S814においてオフセットレンズ合焦位置(LastOfAFPos)の更新をしているので、この状態で図9のフローを実行すると、以前ユーザが対象となる顕微鏡状態を保存した際に追従AFをしていたときのピント位置への追従AF制御が実行される。
本実施形態の自動焦点検出装置によれば、リアルタイムAFをかけて観察したい位置へマニュアルでピントを合わせた後、オフセットレンズ位置を自動的に調整し、AFセンサにおける合焦判定において「合焦」となる位置へ移動させた後に、フォーカスを追従AF状態に移行させることができる(以降のピントずれに対しては、フォーカスを調整しピント位置へ追従する。)。
これにより、観察標本の所定の位置に常にピントを合わせるリアルタイムAFを可能とする自動焦点検出装置において、AF位置を設定する際の操作性が向上し、煩雑な設定無しでユーザが自由に観察位置を設定できる。
<第2の実施形態>
本実施形態にかかる自動焦点検出装置の特徴は、第1の実施形態における顕微鏡観察像をCCD等の撮像素子により撮像し、その撮像画像に対して一般的に知られているビデオAFを実行し、マニュアルでのピント合わせ作業を省略するところにある。
図13は、本実施形態における顕微鏡用自動焦点検出装置の全体構成を示す。第1の実施形態と同様の構成には同番号を付与し、その説明は省略する。
観察用照明光であるハロゲンランプ30からの光は、観察試料Sを透過し、対物レンズ3に入射する。対物レンズ3により平行光となった観察光は、結像レンズ50によりCCD40面上に結像される。CCD40に結像された観察光は、画像検出部41で画像信号として検出され、信号処理部42へ転送される。
信号処理部42では、その画像信号に対してコントラスト値の算出、輝度値の算出を実行し、結果をコントロール部26へ転送する。コントロール部26では、この信号処理結果に基づいてピント位置かどうかを判定する。このときピント位置で無いならば、コントロール部26は、焦準用モータ駆動部21を制御して信号処理結果からピント位置と判定できる位置ヘフォーカスを移動させる。
この一連の流れはビデオAFと呼ばれており公知の技術であるため詳細な説明はここでは省略する。
図14は、本実施形態における自動焦点検出装置での追従AFに至るまでの動作のフローチャートを示す。まず、ユーザは、所望の観察試料Sを移動ステージ1上にセットし(S901)、外部操作部25から追従AF実行指示をコントロール部26に与える(S902)。
ユーザからAF指示があると、コントロール部26は、レボルバ穴位置検出部22により対物レンズ情報を取得する(S903)。
そうすると、コントロール部26は、ビデオAFモードに移る(S904)。コントロール部26は、信号処理部42からのデータを基にピント位置かどうかの判定を行う。(S905)。
S905において、ピント位置ではないと判定されたならば(S905で「No」へ進む)、コントロール部26は、焦準用モータ駆動部21を制御し、ピント位置と判定されるまでフォーカスを調整する(S906)。
S905において、ピント位置であると判定されたならば(S905で「Yes」へ進む)、コントロール部26は、焦準モータ駆動部21を介して焦準モータ19を停止し、オフセットレンズ合焦モードヘ移行する(907)。
これ以降のフローは、第1の実施形態における図7及び図8のフローのS704以降と同様であるため説明を省略する。
このように構成した白動焦点検出装置では、ユーザがピント位置を保持して観察したい場合に、マニュアルでピント合わせ操作をすることなく、一度の操作にてその着目点に対して正確に追従型AFを実行できる。
図15は、本実施形態における画像検出部41および信号処理部42での処理をパーソナルコンピュータ60に置き換えて構成した際の全体構成を示す。パーソナルコンピュータ60には、画像検出部61、信号処理部62に加えてピント位置であるかどうかを判定する合焦判定部63を持たせる。ここでの合焦判定(ピント位置かどうかの判定)は、上述のビデオAFにおいての判定となる。
パーソナルコンピュータ60は、コントロール部26とシリアルポート、IEEE1394、LAN等の通信I/Fにより接続可能となっている。パーソナルコンピュータ60は、合焦判定部63の判定結果に基づいて焦準を駆動するための指示をコントロール部26に送り、合焦となるまで同様の処理を繰り返す。ここで合焦と判定された場合、コントロール部26には、ビデオAF完了通知が送られ、コントロール部26はビデオAFが完了したことを認識できるようになっている。
本実施形態の自動焦点検出装置によれば、ビデオAFを実行し、ビデオAFが完了した位置に対して、オフセットレンズを自動調整した後、フォーカスを追従AF状態にすることができる(一度の操作で観察したい位置へ追従AFを実現する。)。
また、本実施形態の自動焦点検出装置は、顕微鏡と一体になったものを例に説明したが、これに限定されない。本実施形態の自動焦点検出装置は、顕微鏡と別体、例えば、駆動手段(焦準用モータ19、焦準用モータ駆動部21)、投光手段(基準光源)、検出手段(受光センサ)、投影状態変更手段(オフセットレンズ)、合焦状態判定手段(コントロール部26)、合焦状態調整手段(コントロール部26)を構成要素とする自動焦点検出装置であってもよい。
上記において、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した各実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
本発明によれば、特許文献2と比較して、ユーザが追従AFをかけたいピント位置への設定フローを簡略化できる。また、AF制御中の観察画像のフォーカスは、ユーザが合わせたピント位置に固定されているので、見た目の品位に優れている。さらに、オフセットレンズをステップ駆動し、各オフセットレンズ位置に関してステージでAFをかける方式よりも本発明の方がオフセットレンズ位置決め完了までが早い。
また、本発明によれば、追従AFをかけて観察したいフォーカス位置へのユーザによるフォーカス操作を簡単に行うことができ、ストレスを感じることなく追従AFによる観察を行うことができる。
第1の実施形態における顕微鏡用自動焦点検出装置の全体構成を示す。 第1の実施形態における外部操作部25を示す。 第1の実施形態におけるコントロール部26の内部構成を示す。 第1の実施形態における対物レンズ3と観察試料S間の距離を変化させたときの受光センサ13での結像の状態を示す。 第1の実施形態におけるオフセットレンズ群9の位置を変化させたときの受光センサ13での結像の状態を示す。 第1の実施形態における検出信号から算出される信号の強度分布を示す図である。 第1の実施形態における自動焦点検出装置の現在観察している位置についてAFを行う動作フローを示す。 図7のオフセットレンズ合焦モード(S704〜S705)の詳細を示す。 第1の実施形態における自動焦点検出装置の前回設定した位置についてAFを行う動作フローを示す。 図1の変形例を示す。 第1の実施形態における顕微鏡の状態を任意のタイミングで記憶させるフローを示す。 第1の実施形態における保存した顕微鏡の状態に復帰させるフローを示す。 第2の実施形態における顕微鏡用自動焦点検出装置の全体構成を示す。 第2の実施形態における自動焦点検出装置での追従AFに至るまでの動作のフローチャートを示す。 第2の実施形態における画像検出部41および信号処理部42での処理をパーソナルコンピュータ60に置き換えて構成した際の全体構成を示す。 先行技術におけるAF原理を示す。
符号の説明
1 移動ステージ
2 レボルバ本体
3(3a,3b) 対物レンズ
4 基準光源
5 コリメートレンズ
6 投光側ストッパ
7 PBS
8 集光レンズ群
9 オフセットレンズ群
10 λ/4板
11 ダイクロイックミラー
12 集光レンズ群
13 受光センサ
14 容器
18 レボルバ回転用モータ
19 焦準用モータ
20 レボルバ穴位置検出部
21 焦準用モータ駆動部
22 レボルバ回転用モータ駆動部
23 レーザ駆動部
24 信号処理部
25 外部操作部
26 コントロール部
30 光源
31,33 レンズ群
32 ハーフミラー
35 オフセットレンズ駆動部
36 オフセットレンズ駆動用モータ

Claims (6)

  1. 試料を載置するステージと該ステージに載置した前記試料に対向して配置された対物レンズとの間の相対的位置を変更できる顕微鏡に用いられる自動焦点検出装置であって、
    前記ステージと前記対物レンズの少なくとも一方を光軸方向に駆動させて、該ステージと該対物レンズ間の相対的位置を制御する駆動手段と、
    前記対物レンズを介して前記試料に対して投光する投光手段と、
    前記投光手段からの投光が前記試料で反射されて前記対物レンズを通過し、該対物レンズを介して該反射された光像を検出する検出手段と、
    前記投光手段から前記検出手段までの光路内に配置され、前記検出手段に投影される前記光像の状態を変化させる投影状態変更手段と、
    前記検出手段による検出結果に基づいて、前記試料の合焦状態を判定する第1の合焦状態判定手段と、
    前記駆動手段の制御により前記ステージと前記対物レンズとが所定の位置で保持させられた状態で、前記第1の合焦状態判定手段により合焦と判定されるように前記投影状態変更手段の位置を調整する第1の合焦状態調整手段と、
    を備えることを特徴とする自動焦点検出装置。
  2. 前記第1の合焦状態調整手段は、
    前記投影状態変更手段の位置を調整した後に、さらに、該投影状態変更手段の位置を保持した状態で、前記駆動手段を制御して合焦状態を維持する
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動焦点検出装置。
  3. 前記自動焦点検出装置は、さらに、
    前記試料の観察像を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段の出力に基づいて、前記試料の合焦状態を判定する第2の合焦状態判定手段と、
    前記駆動手段の制御により、前記第2の合焦状態判定手段により合焦と判定される位置に前記ステージと前記対物レンズの位置を調整する第2の合焦状態調整手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動焦点検出装置。
  4. 前記自動焦点検出装置は、さらに、
    少なくとも前記第1の合焦状態調整手段により調整された前記投影状態変更手段の位置に関する情報を格納する格納手段と、
    前記格納手段に格納された前記投影状態変更手段の位置に基づいて、前記投影状態変更手段を復帰させる復帰制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動焦点検出装置。
  5. 請求項1に記載の自動焦点検出装置を搭載した顕微鏡システム。
  6. 試料を載置するステージと該ステージに載置した前記試料に対向して配置された対物レンズとの間の相対的位置を変更できる顕微鏡に用いられる自動焦点検出装置の制御方法であって、
    前記自動焦点検出装置は、
    前記ステージと前記対物レンズの少なくとも一方を光軸方向に駆動させて、該ステージと該対物レンズ間の相対的位置を制御する駆動手段と、
    前記対物レンズを介して前記試料に対して投光する投光手段と、
    前記投光手段からの投光が前記試料で反射されて前記対物レンズを通過し、該対物レンズを介して該反射された光像を検出する検出手段と、
    前記投光手段から前記検出手段までの光路内に配置され、前記検出手段に投影される前記光像の状態を変化させる投影状態変更手段と、
    前記検出手段による検出結果に基づいて、前記試料の合焦状態を判定する合焦状態判定手段と、
    前記合焦状態判定手段による判定結果に基づいて、前記駆動手段及び前記投影状態変更手段を制御し、前記試料に対する合焦状態を調整する合焦状態調整手段と、
    を備え、
    前記駆動手段により前記ステージと前記対物レンズとを所定の位置で保持し、
    前記ステージと前記対物レンズとが前記所定位置で保持された状態で、前記合焦状態判定手段により合焦と判定されるように前記投影状態変更手段の位置を調整する
    ことを特徴とする自動焦点検出装置の制御方法。
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