JP2008122345A - 高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法及び高強度鋼溶接部の寿命評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法の判定手法は、検査対象の高強度鋼溶接部の所定範囲の熱影響を受けた箇所のクリープ伸びの測定を行う溶接部のクリープ伸び測定工程(S101)と、前記クリープ伸び測定工程で得られた測定結果と、運転初期の前記高強度鋼溶接部の所定範囲の長さとを比較してクリープ歪みを求めるクリープ歪み計測工程(S102)と、予め求めた運転時間又はクリープ寿命消費率とクリープ歪みとの関係を示すクリープ歪み特性曲線に、前記得られたクリープ歪みの値を当てはめて、前記検査対象の寿命消費率を求める寿命消費率計測工程(S103)と、前記寿命消費率計測工程で得られた寿命消費率から前記溶接部の余寿命推測する余寿命推測工程(S104)とからなる。
【選択図】 図1
Description
よって、寿命評価を行う際に以下のような問題点がある。
また、クリ―プボイドは通常外表面直下で最も多いが、非破壊的な検査ではその深さまで研削が許されない場合がある。また、研削可能であっても適切な研削量がその場で分からない場合がある。
特に長い配管先の屈曲部においては、板厚方向の応力分布が複雑で、上記の問題が顕著となることが多いと考えられる。
本発明による第一の実施形態に係る高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法の判定手法を示すフローチャートである。
図1に示すように、高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法の判定手法は、検査対象の高強度鋼溶接部の所定範囲の熱影響を受けた箇所のクリープ伸びの測定を行う溶接部のクリープ伸び測定工程(S101)と、前記クリープ伸び測定工程で得られた測定結果と、運転初期の前記高強度鋼溶接部の所定範囲の長さとを比較してクリープ歪みを求める溶接部のクリープ歪み計測工程(S102)と、予め求めた運転時間又はクリープ寿命消費率とクリープ歪みとの関係を示すクリープ歪み特性曲線に、前記得られたクリープ歪みの値を当てはめて、前記検査対象の寿命消費率を求める第一の寿命消費率計測工程(S103)と、前記寿命消費率計測工程で得られた寿命消費率から前記溶接部の余寿命を推測する余寿命推測工程(S104)とからなるものである。
また、余寿命とは、測定時点のクリープ歪みから過去の使用時間を考慮して今後破断に至るまでに要する時間をいう。
図3に示すように、前記検査対象の高強度鋼溶接部の所定範囲の熱影響を受けた箇所のクリープ伸びの測定方法は、例えば試験片14の母材10及び熱影響部(HAZ)12の所定位置に、例えばa〜fの6箇所の印をつけておく。
ここで、本試験例では、前記印a〜fは溶接金属11部分を中心として、aとf、bとe,cとdとは各々対称関係にある。
Y=cosZ・・・(I)
図5に示すように、前記母材10に前記溶接金属11を設けたものの熱影響部(HAZ)12に、予め所定距離(d−e間)の印をつけた。そして、運転初期(0時間)の段階では、前記熱影響部(HAZ)12の距離であるd−e間の所定距離X0が、例えばX0=3.97mmであった。この状態で例えば650℃に保持し、66MPaの荷重を加えて試験を行った。試験開始から例えば1000時間経過後の段階では、前記熱影響部(HAZ)12のd−e間の所定距離X1は、例えばX1=4.00mmであった。更に、運転開始から例えば2500時間経過後の段階では、前記熱影響部(HAZ)12のd−e間の所定距離X2は、例えばX2=4.02mmであった。このときd−e間でクリープ破断した時間は、例えば2678時間であった。また、時間経過にしたがって記熱影響部(HAZ)12にはクリープボイド13が発生した。
ここで、クリープ破断とは、ある温度環境下で一定応力をかけて放置し続けた場合に、材料の引張強度以下の応力でも変形が進んで破断してしまう現象をいう。
尚、検査対象の材料、温度、比重等の条件が変化する際には、その都度試験を行うようにすれば良い。
図3に示すように、前記試験片14にa〜fの6箇所の印をつけた。a−b間及びe−f間が前記母材10における測定距離とした。b−c間及びd−e間が前記熱影響部(HAZ)12における測定距離とした。
尚、本試験では、最終的に2678時間(tr)でクリープ破断したので、クリープ寿命消費率(t/tr)は、クリープ破断した2678時間(tr)に対する測定時間(t)の値とした。
また、クリープ寿命消費率(t/tr)は、前述のようにクリープ破断した2678時間(tr)に対する測定時間(t)の値とした。
このときの前記熱影響部(HAZ)12及び前記母材10のクリープ歪み(ε)は0.00%であった。
また、前記熱影響部(HAZ)12及び前記母材10のクリープ寿命消費率(t/tr)は0.0%であった。
また、前記熱影響部(HAZ)12及び前記母材10のクリープ寿命消費率(t/tr)は37.4%であった。
また、前記熱影響部(HAZ)12及び前記母材10のクリープ寿命消費率(t/tr)は54.3%であった。
このときの前記熱影響部(HAZ)12のクリープ歪み(ε)は2.12%であり、前記母材10のクリープ歪み(ε)は0.51%であった。
また、前記熱影響部(HAZ)12及び前記母材10のクリープ寿命消費率(t/tr)は72.2%であった。
また、前記熱影響部(HAZ)12及び前記母材10のクリープ寿命消費率(t/tr)は90.0%であった。
このときの前記熱影響部(HAZ)12のクリープ歪み(ε)は26.72%であり、前記母材10のクリープ歪み(ε)は0.98%であった。
また、前記熱影響部(HAZ)12及び前記母材10のクリープ寿命消費率(t/tr)は100%であった。
また、図中の曲線は、クリープ時間(t)とクリープ歪み(ε)との関係を示す第一のクリープ歪み特性曲線である。
図6に示すように、クリープ歪み(ε)は運転開始から熱影響部(HAZ)12のクリープ歪み(ε)の方が母材10のクリープ歪み(ε)よりも高かった。そして、熱影響部(HAZ)12のクリープ歪み(ε)は運転開始から約2004.4時間までは穏やかに上昇した。そして、運転開始から約2500.0時間経過後からクリープ破断する2678.0時間までに熱影響部(HAZ)12のクリープ歪み(ε)が急激に上昇した。一方、前記母材10のクリープ歪み(ε)は運転開始から2678.0時間までは緩やかに上昇した。
また、図中の曲線は、クリープ寿命消費率(t/tr)とクリープ歪み(ε)との関係を示す第二のクリープ歪み特性曲線である。
尚、クリープ寿命消費率(t/tr)は、クリープ破断した2678.0時間を100%とした。
余寿命の判定の結果において、前記検査対象の余寿命が所定時間(例えば2年間、約1.7万時間)以上である場合には、所定期間経過後に再検査するようにすればよい(S106)。
本発明による第二の実施形態に係る高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法について、図面を参照して説明する。
図8は、本実施形態に係る高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法の判定手法を示すフローチャートである。
図8に示すように、高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法の判定手法は、検査対象の高強度鋼溶接部の所定範囲の熱影響を受けた箇所のクリープ伸びの測定を行う溶接部のクリープ伸び測定工程(S201)と、前記クリープ伸び測定工程で得られた測定結果と、運転初期の前記高強度鋼溶接部の所定範囲の長さとを比較してクリープ歪みを求める溶接部のクリープ歪み計測工程(S202)と、前記クリープ歪み計測工程(S202)において得られたクリープ歪みの値から所定期間におけるクリープ歪み速度を算出する溶接部のクリープ歪み速度算出工程(S203)と、予め求めた運転時間又はクリープ寿命消費率とクリープ歪み速度との関係を示すクリープ歪み速度特性曲線に、前記得られたクリープ歪み速度の値を当てはめて、前記検査対象の寿命消費率を求める第二の寿命消費率計測工程(S204)と、前記寿命消費率計測工程で得られた寿命消費率から前記溶接部の余寿命を推測する余寿命推測工程(S205)からなるものである。
尚、クリープ歪み速度(ε/t)とは、クリープ歪み(ε)の値を所定時間で微分した値をいう。
また、クリープ歪み速度(ε/t)は、前記第一の実施形態において検討した試験例で求めたクリープ歪み(ε)を所定時間(t)で微分した値を用いた。
尚、試験条件、測定方法については、前記第一の実施形態で検討した試験例と同一であるため、ここでは説明は省略する。
また、図中の曲線は、クリープ時間(t)とクリープ歪み速度(ε/t)との関係を示す第一のクリープ歪み速度特性曲線である。
図9に示すように、クリープ歪み速度(ε/t)は、熱影響部(HAZ)12の方が前記母材10よりも高かった。前記熱影響部(HAZ)12及び前記母材10のクリープ歪み速度(ε/t)は運転開始直後は減少した。そして、クリープ歪み速度(ε/t)が最も小さくなる最小クリープ歪み速度となる時点を経過した後、前記熱影響部(HAZ)12及び前記母材10のクリープ歪み速度(ε/t)は上昇した。
また、図中の曲線は、クリープ寿命消費率(t/tr)とクリープ歪み速度(ε/t)との関係を示す第二のクリープ歪み速度特性曲線である。
本発明による第三の実施形態に係る高強度鋼溶接部の寿命評価方法について、図面を参照して説明する。
図11は、本実施形態に係る高強度鋼溶接部の寿命評価方法の判定手法を示すフローチャートである。
図11に示すように、本実施形態に係る高強度鋼溶接部の熱寿命評価方法は、高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法と、検査対象である高強度鋼溶接部の外表面に生成したクリープボイドの高強度鋼溶接部のクリープボイド計測による寿命評価方法とを併用してなるものである。
即ち、本実施形態の高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる熱寿命評価方法は、前記検査対象の余寿命を推測する判定の閾値を検討するパラメータとして得られたクリープ歪み(ε)の値から所定期間におけるクリープ歪み速度(ε/t)を算出する工程を加える。そして、得られたクリープ歪み速度(ε/t)の値で検査対象の余寿命の判定をするようにしてもよい。
余寿命の判定の結果において、前記検査対象の余寿命が所定時間(例えば2年間、約1.7万時間)以上である場合には、所定期間経過後に再検査するようにすればよい。
また、前記余寿命の判定結果において、所定時間(例えば2年間、約1.7万時間)以下である場合には、次回の検査までに破断する可能性が高いので、要処置を行う(S309)。これにより、より正確に検査対象である耐熱鋼の余寿命を評価するようにする。
図12に示すように、前記高強度鋼溶接部のクリープボイド計測による寿命評価方法は、図11に示す余寿命判定工程(S305)での前記余寿命の判定結果において、所定時間(例えば2年間、約1.7万時間)以下である場合、検査対象である耐熱鋼に生成したクリープボイドの単位面積当たりの数であるボイド個数密度の検出を行うボイド個数密度検出工程(S401)と、前記ボイド個数密度検出工程により以前に検出したボイド個数密度に対する今回検出したボイド個数密度の増加程度であるボイド個数密度変化率を求めるボイド個数密度変化率工程(S402)と、予め求めたクリープ寿命消費率とボイド個数密度変化率との関係を示すボイド個数密度変化率に基づく評価曲線に、前記ボイド個数密度変化率工程(S402)において得られたボイド個数密度変化率の値を当てはめて、前記検査対象の寿命消費率を求める寿命消費率計測工程(S403)とからなるものである。この寿命消費率から前記溶接部の余寿命を推測する(S404)。
そして、クリープボイド計測による判定工程(S405)で0前記余寿命推測工程(S404)から求めた余寿命値から余寿命の判定を行なう。
余寿命の判定の結果において、前記検査対象の余寿命が所定時間(例えば2年間、約1.7万時間)以上である場合には、所定期間経過後に再検査するようにすればよい(S406)。
また、前記余寿命の判定結果において、所定時間(例えば2年間、約1.7万時間)以下である場合には、次回の検査までに破断する可能性が高いので、要処置を行う(S407)。
図13に示すように、高強度鋼溶接部の寿命評価方法の判定手法は、図11に示す余寿命判定工程(S305)での前記余寿命の判定結果において、所定時間(例えば2年間、約1.7万時間)以下である場合、検査対象の高強度鋼溶接部の外表面のクリープボイドのボイド個数密度(個/mm2)を計測する表面ボイド計測工程(S501)と、前記表面ボイド計測工程(S501)の計測結果より、所定の閾値以上か否かを判定するボイド個数密度判定工程(S502)と、前記ボイド個数密度判定工程(S502)において、所定の閾値以下の場合に、溶接部の余寿命を計測する余寿命推測工程(S503)と、前記ボイド個数密度判定工程(S502)において、所定の閾値以上の場合に、内部の超音波探傷検査(UT検査)を行う探傷検査工程(S504)と、前記探傷検査工程(S504)において、内部欠陥の有無を判定する欠陥判定工程(S505)とからなるものである。
本実施形態では、ボイド個数密度のパラメータを用いた判定手法について説明する。
内部欠陥が無い場合には、所定時間経過後に再検査を行なう(S506)。
この検査の結果、内部結果が有る場合には、要処置を施す(S507)。
余寿命の判定の結果において、所定時間(例えば2年間、約1.7万時間)以上である場合には、所定期間経過後に再検査するようにすればよい(S506)。
これは、内部にき裂が発生している可能性が高いので,それを確認するためである。
また、欠陥が無い場合には、所定期間経過後に再検査する(S506)。
本発明による第四の実施形態に係る高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法について、図面を参照して説明する。
図15は、本実施形態に係る高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法の判定手法を示すフローチャートである。
図15に示すように、本実施形態に係る高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法は、検査対象の高強度鋼母材部の所定範囲又は該高強度鋼母材部を含む所定範囲の熱影響を受けた箇所のクリープ伸びの測定を行う母材部のクリープ伸び測定工程(S601)と、前記母材部のクリープ伸び測定工程(S601)で得られた測定結果と、運転初期の前記高強度鋼母材部の所定範囲又は該高強度鋼母材部を含む所定範囲の長さとを比較して前記高強度鋼母材部の所定範囲又は該高強度鋼母材部を含む所定範囲のクリープ歪みを求める母材部のクリープ歪み計測工程(S602)と、前記母材部のクリープ歪み計測工程(S602)において得られたクリープ歪みの値から所定期間におけるクリープ歪み速度を算出する母材部のクリープ歪み速度算出工程(S603)と、前記母材部のクリープ歪み速度算出工程(S603)で得られた結果を高強度鋼溶接部の所定範囲又は該高強度鋼溶接部を含む所定範囲のクリープ歪み速度に換算する溶接部のクリープ歪み速度換算工程(S604)と、予め求めた運転時間又はクリープ寿命消費率に対するクリープ歪み速度との関係を示すクリープ歪み速度特性曲線に、前記得られた高強度鋼溶接部の所定範囲又は該高強度鋼溶接部を含む所定範囲のクリープ歪み速度の値を当てはめて、前記検査対象の寿命消費率を求める第四の寿命消費率計測工程(S605)と、前記第四の寿命消費率計測工程(S605)で得られた寿命消費率から前記溶接部の余寿命を推測する余寿命推測工程(S606)とからなるものである。
本実施形態では、前記母材部のクリープ伸び測定工程(S601)における前記母材10のクリープ伸びの測定方法は、第一の実施形態で説明した検査対象の高強度鋼溶接部の所定範囲の熱影響を受けた箇所のクリープ伸びの測定を行う溶接部のクリープ伸び測定工程(S101)と同様にして行なう。よって、前記母材部のクリープ伸び測定工程(S601)における説明は省略する。
まず、前記母材部のクリープ歪み速度算出工程(S603)において得られた前記母材10のクリープ歪み速度(ε/t)を図9、10に示すような前記第一又は第二のクリープ歪み速度特性曲線に当てはめ、前記母材10の最小クリープ歪み速度(ε/t)の値を求める。
11 溶接金属
12 熱影響部(HAZ)
13 クリープボイド
14 試験片
Claims (9)
- 検査対象の高強度鋼溶接部の所定範囲又は該高強度鋼溶接部を含む所定範囲の熱影響を受けた箇所のクリープ伸びの測定を行う溶接部のクリープ伸び測定工程と、
前記クリープ伸び測定工程で得られた測定結果と、運転初期の前記高強度鋼溶接部の所定範囲又は該高強度鋼溶接部を含む所定範囲の長さとを比較してクリープ歪みを求める溶接部のクリープ歪み計測工程と、
予め求めた運転時間又はクリープ寿命消費率とクリープ歪みとの関係を示すクリープ歪み特性曲線に、前記得られたクリープ歪みの値を当てはめて、前記検査対象の寿命消費率を求める第一の寿命消費率計測工程とからなることを特徴とする高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法。 - 検査対象の高強度鋼溶接部の所定範囲又は該高強度鋼溶接部を含む所定範囲の熱影響を受けた箇所のクリープ伸びの測定を行う溶接部のクリープ伸び測定工程と、
前記クリープ伸び測定工程で得られた測定結果と、運転初期の前記高強度鋼溶接部の所定範囲又は該高強度鋼溶接部を含む所定範囲の長さとを比較してクリープ歪みを求める溶接部のクリープ歪み計測工程と、
前記クリープ歪み計測工程において得られたクリープ歪みの値から所定期間におけるクリープ歪み速度を算出する溶接部のクリープ歪み速度算出工程と、
予め求めた運転時間又はクリープ寿命消費率とクリープ歪み速度との関係を示すクリープ歪み速度特性曲線に、前記得られたクリープ歪み速度の値を当てはめて、前記検査対象の寿命消費率を求める第二の寿命消費率計測工程とからなることを特徴とする高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法。 - 検査対象の高強度鋼母材部の所定範囲又は該高強度鋼母材部を含む所定範囲の熱影響を受けた箇所のクリープ伸びの測定を行う母材部のクリープ伸び測定工程と、
前記母材部のクリープ伸び測定工程で得られた測定結果と、運転初期の前記高強度鋼母材部の所定範囲又は該高強度鋼母材部を含む所定範囲の長さとを比較して前記高強度鋼母材部の所定範囲又は該高強度鋼母材部を含む所定範囲のクリープ歪みを求める母材部のクリープ歪み計測工程と、
前記母材部のクリープ歪み計測工程で得られた結果を高強度鋼溶接部の所定範囲又は該高強度鋼溶接部を含む所定範囲のクリープ歪みに換算する溶接部のクリープ歪み換算工程と、
予め求めた運転時間又はクリープ寿命消費率に対するクリープ歪みとの関係を示すクリープ歪み特性曲線に、前記得られた高強度鋼溶接部の所定範囲又は該高強度鋼溶接部を含む所定範囲のクリープ歪みの値を当てはめて、前記検査対象の寿命消費率を求める第三の寿命消費率計測工程とからなることを特徴とする高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法。 - 検査対象の高強度鋼母材部の所定範囲又は該高強度鋼母材部を含む所定範囲の熱影響を受けた箇所のクリープ伸びの測定を行う母材部のクリープ伸び測定工程と、
前記母材部のクリープ伸び測定工程で得られた測定結果と、運転初期の前記高強度鋼母材部の所定範囲又は該高強度鋼母材部を含む所定範囲の長さとを比較して前記高強度鋼母材部の所定範囲又は該高強度鋼母材部を含む所定範囲のクリープ歪みを求める母材部のクリープ歪み計測工程と、
前記母材部のクリープ歪み計測工程において得られたクリープ歪みの値から所定期間におけるクリープ歪み速度を算出する母材部のクリープ歪み速度算出工程と、
前記母材部のクリープ歪み速度算出工程で得られた結果を高強度鋼溶接部の所定範囲又は該高強度鋼溶接部を含む所定範囲のクリープ歪み速度に換算する溶接部のクリープ歪み速度換算工程と、
予め求めた運転時間又はクリープ寿命消費率に対するクリープ歪み速度との関係を示すクリープ歪み速度特性曲線に、前記得られた高強度鋼溶接部の所定範囲又は該高強度鋼溶接部を含む所定範囲のクリープ歪み速度の値を当てはめて、前記検査対象の寿命消費率を求める第四の寿命消費率計測工程とからなることを特徴とする高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法。 - 請求項1乃至4の何れか一つの高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法と、
検査対象である高強度鋼溶接部の外表面に生成したクリープボイドの高強度鋼溶接部のクリープボイド計測による寿命評価方法とを併用してなることを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法。 - 請求項5において、
前記高強度鋼溶接部のクリープボイド計測による寿命評価方法が、
検査対象である耐熱鋼に生成したクリープボイドの単位面積当たりの数であるボイド個数密度の検出を行うボイド個数密度検出工程と、
前記ボイド個数密度検出工程により以前に検出したボイド個数密度に対する今回検出したボイド個数密度の増加程度であるボイド個数密度変化率を求めるボイド個数密度変化率工程と、
予め求めたクリープ寿命消費率とボイド個数密度変化率との関係を示すボイド個数密度変化率に基づく評価曲線に、前記得られたボイド個数密度変化率の値を当てはめて、前記検査対象の寿命消費率を求める寿命消費率計測工程とからなることを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法。 - 請求項5において、
前記高強度鋼溶接部のクリープボイド計測による寿命評価方法が、
検査対象の高強度鋼溶接部の外表面のクリープボイドのボイド個数密度又はボイド面積率を計測する表面ボイド計測工程と、
前記表面ボイド計測工程の計測結果より、所定の閾値以上か否かを判定するボイド個数
密度又はボイド面積率の判定工程と、
前記判定工程において、所定の閾値以下の場合に、溶接部の余寿命を計測する余寿命計測工程と、
前記判定工程において、所定の閾値以上の場合に、内部の超音波探傷検査(UT検査)を行う探傷検査工程と、
前記探傷検査工程において、内部欠陥の有無を判定する欠陥判定工程とからなることを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法。 - 請求項1又は2において、
前記高強度鋼溶接部を含む所定範囲が、熱影響部(HAZ)を少なくとも一箇所を含むものであることを特徴とする高強度鋼溶接部のクリープ伸びによる寿命評価方法。 - 請求項5乃至7の何れか一つにおいて、
前記高強度鋼溶接部を含む所定範囲が、熱影響部(HAZ)を少なくとも一箇所を含むものであることを特徴とする高強度鋼溶接部の寿命評価方法。
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