JP2008121702A - ディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造、およびディスクブレーキ装置 - Google Patents

ディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造、およびディスクブレーキ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】カシメ加工によりガイドピンを取り付ける場合であっても、ガイドピンに歪みや、強度劣化を生じさせることの無いガイドピンの取り付け構造を提供する。
【解決手段】浮動型のディスクブレーキ装置10のサポート22またはキャリパ12に形成された摺動穴20aに収容されて前記キャリパ12のスライドをガイドするガイドピン30の取り付け構造であって、前記ガイドピン30の固定位置に形成された貫通孔26の周囲に形成した凸部を塑性変形させて前記ガイドピン30の抜け止めを成すカシメ部28を形成することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造、およびディスクブレーキ装置に係り、特にガイドピンの取り付けにカシメ加工を用いる場合に好適なディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造、およびこれを利用してガイドピンを取り付けたディスクブレーキ装置に関する。
従来、浮動型のディスクブレーキ装置に用いられるガイドピンの固定は、サポートに対して形成されたネジ孔に、ガイドピンの一端側を螺合するという方法が一般的とされていた(例えば特許文献1参照)。しかし、螺合によりガイドピンの固定を行う場合、サポート側に設けた孔には、雌ネジを形成するためのタップ加工などが必要となり、このサポート側のネジ孔に螺合するガイドピンには、雌ネジに螺合する雄ネジを形成するためのダイス加工等が必要となる。このためディスクブレーキ装置を製造するための加工工程、組付け工程等がそれぞれ複雑なものとなっていた。
このような実状に鑑みて提案されたのが、特許文献2に示されるようなガイドピンの取り付け方法である。特許文献2に開示されているガイドピンの取り付け方法は、ガイドピンの取り付けをカシメ加工により行うことである。具体的には、サポート側に貫通孔を形成し、この貫通孔にガイドピンの一部を貫通させ、カシメ部を形成することで固定するというものである。特許文献2に開示されているガイドピンの構造は、図8(A)、(B)に示すようなものである。すなわちガイドピンとしての役割を担うスライド部2と、このスライド部2よりも若干大径であって、サポート5に形成された貫通孔6と略同径に形成された大径部3と、ガイドピン1の端部に前記貫通孔6よりも大径に形成したフランジ部4とにより成るものである。特許文献2では、まず、上記のような構造のガイドピン1のスライド部2を貫通孔6に挿通させ、貫通孔6からはスライド部2と大径部3の一部を突出させるようにする。そして、図示しないカシメ治具を用いて、貫通孔6から突出した大径部3の先端をカシメ加工することにより、カシメ部3aを形成し、当該カシメ部3aと前記フランジ部4によりサポート5を挟持させるようにしている。
特開昭56−116929号公報 特開平6−173978号公報
特許文献2に開示されているような、カシメ加工によるガイドピンの取り付け方法を用いれば、ディスクブレーキ装置の加工工程、組付け工程等の製造工程を簡略化することができ、ディスクブレーキ装置の製造に要するコストを削減することを実現することができる。
しかし、特許文献2に開示されているようなカシメ方法では、ガイドピン1のスライド部2側に塑性変形を施しているため、ガイドピン1に歪みが生ずる可能性がある。また、カシメ加工を施すことにより、小径部の長さが長くなり、横方向の応力に対する耐性が劣化することとなる等といった問題が生ずることとなる。
そこで本発明では、上記問題を解決し、カシメ加工によりガイドピンを取り付ける場合であっても、ガイドピンに歪みや、強度劣化を生じさせることの無いガイドピンの取り付け構造、およびこの構造を採用してガイドピンを取り付けたディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係るディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造は、浮動型のディスクブレーキ装置のサポートまたはキャリパに形成された摺動穴に収容されて前記キャリパのスライドをガイドするガイドピンの取り付け構造であって、前記ガイドピンの固定位置に形成された貫通孔の周囲に形成した凸部を塑性変形させて前記ガイドピンの抜け止めを成すカシメ部を形成することを特徴とする。
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造では、前記ガイドピンは、前記摺動穴に収容されるスライド部と固定位置に形成された貫通孔に嵌合される基端部と前記スライド部と前記基端部とを隔てて前記基端部の挿入深さを規制するフランジ部とを有するものとし、前記凸部は、前記貫通孔に基端部を嵌合したガイドピンのフランジ部の周囲に、前記フランジ部の厚みよりも高く形成する壁部とし、前記カシメ部は、前記凸部の先端を前記フランジ部側へ塑性変形させて前記フランジ部を覆うことにより形成すると良い。
また、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造では、前記ガイドピンは、前記摺動穴に収容されるスライド部と固定位置に形成された貫通孔に嵌合される基端部と前記スライド部と前記基端部とを隔てて前記基端部の挿入深さを規制するフランジ部とを有し、前記基端部の基端側側面に凹部を備えるものとし、前記凸部は、前記貫通孔の開口部のうち、前記基端部を嵌入する側の面に配置された開口部の周囲に形成する壁部とし、前記カシメ部は、前記貫通孔に対して前記基端部を嵌入する際に押圧される前記フランジ部により前記凸部を押圧して当該凸部を塑性変形させた際に生ずる逃げ肉を前記貫通孔と前記基端部に備えた凹部との間に隆起させることにより形成するものとすることもできる。
さらに、上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造では、前記ガイドピンは、前記摺動穴に収容されるスライド部と固定位置に形成された貫通孔に嵌合される基端部とを有し、前記基端部の先端側側面に凹部を備えるものとし、前記凸部は、前記貫通孔の開口部のうち、前記基端部を嵌入する側の面と異なる面に配置された開口部の周囲に形成するものとし、前記カシメ部は、前記凸部を押圧して塑性変形させることによって生ずる逃げ肉を前記貫通孔と前記基端部に備えた凹部との間に隆起させることにより形成するものとしても良い。
また、本発明に係るディスクブレーキ装置は、上記のような特徴を有するガイドピン取り付け構造を採用したことを特徴とするものである。
上記のような特徴を有するディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造によれば、カシメ加工によりガイドピンを取り付ける場合であっても、ガイドピンに歪みや強度劣化を生じさせることが無い。また、上記のようなガイドピン取り付け構造を採用したディスクブレーキ装置は、加工工程、組付け工程等の製造工程を簡略化することができ、ディスクブレーキ装置の製造に要するコストを削減することが可能となると共に、上記のような効果を得ることができる。
以下、本発明のディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け方法、およびディスクブレーキ装置に係る実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態では、説明を簡単化するために、キャリパの摺動に使用されるピン(例えばガイドピンやロックピン)の総称としてガイドピンという表現を用いることとする。
まず、図1を参照して、ガイドピンを固定するディスクブレーキ装置についての第1の実施形態、ならびにガイドピンの取り付け構造についての第1の実施形態を説明する。なお、図1において、図1(A)はディスクブレーキ装置の平面概略図、図1(B)はディスクブレーキ装置の正面概略図である。また、本発明のガイドピンの固定方法は、4輪車用のディスクブレーキ装置にも、2輪車用のディスクブレーキ装置にも適用することができるが、図1には2輪車用のディスクブレーキ装置を例に挙げて説明をすることとする。
図1に示すディスクブレーキ装置10は、以下に詳細を記すサポート22に設けられたガイドピン30に沿ってキャリパ12が移動する浮動型のディスクブレーキ装置である。本実施形態に係るディスクブレーキ装置10の構成を大別すると、サポート22とキャリパ12とに分けることができる。
前記サポート22は、前記キャリパ12を保持しつつ、ディスクブレーキ装置10全体を図示しない車両フレーム、2輪車においてはフロントフォーク等に固定するための部材である。本実施形態におけるサポート22は、平板状の鋼板(例えばアルミやステンレス等の金属板)から構成されており、いわゆる板金サポートと呼ばれるものである。サポート22には、当該サポート22を図示しない車両フレーム等に固定するためのネジ孔24と、詳細を後述するキャリパ12をディスクロータ50の図示しない回転軸の方向(矢印Aの示す方向)にスライドさせるためのガイドピン30を取り付ける貫通孔26とが設けられている。
前記キャリパ12は、シリンダ部14、ブリッジ部16、爪部18、および締結部20を基本的な構成要素とする。前記シリンダ部14は、外径のみを示すシリンダと内部に備える図示しないピストンとから構成される油圧機構であり、前記ピストンを動作させることで、図示しないブレーキパッドをディスクロータ50に押し付け、制動力を発生させる。前記爪部18は、ディスクロータ50を挟み込むようにして前記シリンダ部14と対向する位置に配置され、シリンダ部14のピストンによりディスクロータ50に付加される力(作用)を受けとめる反作用部である。したがって、爪部18のディスクロータ50側側面には、シリンダ部14と同様に、図示しないブレーキパッドが備えられることとなる。また、前記ブリッジ部16は、ディスクロータ50を跨いで前記シリンダ部14と前記爪部18とを接続するための要素である。さらに、前記締結部20は、キャリパ12を前記サポート22に保持させるための要素である。浮動型のディスクブレーキ装置10は、シリンダ部14のピストン(不図示)がディスクロータ50に押し付け力を作用させると、反作用部である爪部18との間隔を調整するために、キャリパ12自体がディスクロータ50の回転軸方向にスライドする。このスライドは、サポート22とキャリパ12とを繋ぐガイドピン30に沿ってなされるものであり、前記締結部20には、前記ガイドピン30を収容するための摺動穴20aが形成されている。
上記のようなキャリパ12は、鋳造により形成されることが一般的であり、その部材としては種々選択することができるが、軽量で加工性の良いアルミ等が望ましい。
本実施形態に係るガイドピン30は、スライド部32と基端部34、およびフランジ部36とを基本的な構成要素とする。前記スライド部32は、前記キャリパ12の締結部20に形成された摺動穴20aに収容されてキャリパ12のスライドをガイドする要素である。また、前記基端部34は、前記サポート22に形成された貫通孔26に圧入または嵌入(嵌合)され、ガイドピン30を固定する要素である。また、前記フランジ部36は、前記スライド部32と前記基端部34との間に形成され、サポート22に形成された貫通孔26に対する基端部34の挿入深さを規制するための要素である。
本実施形態のガイドピン30は、前記サポート22に形成された貫通孔26の周囲に設けられた凸部21(図2参照)を塑性変形させたカシメ部28によりフランジ部36を押さえ付けられることでサポート22に固定されている。
このため、サポート22におけるガイドピン30の圧入(嵌入)側主面には、図2に示すような凸部21が形成されている。凸部21は、貫通孔26の周囲に配置され、詳細には、ガイドピン30に設けられたフランジ部36の外周よりもわずかに大きな内周を有するように、前記貫通孔26の同心円上に形成される。凸部21の形成に関しては、図2に示すように、貫通孔26の周囲に沿って円環状に配置するものであっても良いし、1箇所乃至複数箇所に突起状に配置するものであっても良い。そして凸部21の断面形状としては、内周側壁部(内周壁)21aが圧入側主面に対して垂直となるようにした台形とし、その高さは少なくともフランジ部36の厚みよりも高いものとすることが望ましい。このような形状であれば、加工性が良く、カシメ加工によりガイドピン30を固定することが可能となるからである。
以下、上記のような構成のガイドピン30をサポート22に固定するための工程について説明する。なお、ガイドピン30の固定に際しては、サポート22に形成された貫通孔26に基端部34を圧入した後、前記凸部21をカシメ加工するためのカシメ治具61を使用する。
前記カシメ治具61は、図2に想像線で示すように、ガイドピン30のスライド部32を挿通させるための孔61aとサポート22の主面と接触する下面61bとを有することを基本とする。そして本実施形態で使用するカシメ治具61は、前記孔61aと下面61bとの間に、前記凸部21を内周壁21a側(フランジ部36側)に押し込むためのテーパ部61cと、内周壁21a側へ押し込んだ凸部21の外周側壁部(外周壁)21bである傾斜面をフランジ部36の主面側へ押し込むためのカール部61dとを有する金型である。ここで、前記テーパ部61cのテーパ角度は、前記凸部21の外周壁21bの傾斜角度よりも鈍角となるように設定されている。そして、テーパ部61cのテーパ開始位置と凸部21における外周壁21bの隆起開始位置とが押圧方向に重なるように設定されている。このような構成とすることで、凸部21を内周壁21a側へ押し込むことが可能となるからである。
ガイドピン30を固定する工程としては、まず、図示しない圧入(嵌入)治具等を用いてガイドピン30の基端部34をサポート22の貫通孔26に圧入(嵌入)する(図2(A)参照)。その後、カシメ治具61をガイドピン30のスライド部32に沿ってフランジ部36方向へ移動させてサポート22の凸部21に押し当てる。カシメ治具61のテーパ部61cにより凸部21の外周壁21bが押圧されると、凸部21はカシメ治具61の内部形状、すなわちテーパ部61cの形状に沿って塑性変形を開始する。凸部21がガイドピン30のフランジ部36に覆い被さるように変形すると、当該部分にカシメ治具61のカール部61dが押し当てられる。カール部61dにより押圧された凸部21は、フランジ部36側に巻き込まれるような形状に形成され、カシメ部28を構成する(図2(B)参照)。この後、カシメ治具61を退避させることにより、サポート22に対するガイドピン30の固定が完了する(図2(C)参照)。
このような方法でガイドピン30を固定することによれば、固定の際にガイドピン30に変形を生じさせることが無い。このため、ガイドピン30に歪みが生ずることが無い。また、固定後のガイドピン30の強度が劣化するといった事態も生じ無い。なお、上記説明では、説明を明瞭化するためにカシメ治具61の形状をテーパ部61cとカール部61dを有するものと限定したが、凸部21をフランジ部36の方向へカシメ加工可能な形態のものであれば、これに限定する必要は無い。
次に、図3を参照して、本発明のディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造に係る第2の実施形態について説明する。本実施形態のガイドピン取り付け構造と、第1の実施形態に係るガイドピン取り付け構造との相違点は、ガイドピンにおける基端部の形状、およびサポートにおける凸部の形成位置である。なお、その他の構成等は上記実施形態と同様とするため、その機能を同様とする箇所には、符号に100を足した符号を図面に付してその詳細な説明は省略することとする。
まず、本実施形態で用いるガイドピン130の形状について説明する。本実施形態に採用するガイドピン130は、フランジ部136と基端部134との間にくびれ部135を有する。ここで、くびれ部135とは、基端部134の全周に亙って連続的に凹部が形成された部位(溝)、または基端部134の周囲に1つまたは所定の間隔をあけて配置された複数の凹部が形成された部位のことをいう。なお、凹部の断面形状は、V字形、U字形、コ字形等種々選択することができるが、加工性、および引張り等の応力に対する耐性を考慮した場合には、U字形の断面を有する溝が望ましい。
次に、本実施形態で用いるサポート122における凸部121の形状について説明する。本実施形態における凸部121は、第1の実施形態における凸部21と異なり、貫通孔126の開口部に接するように配置される。このため、凸部121の内周壁121aは、貫通孔126の開口部を構成することとなる。そして、凸部121の外周壁121bには第1の実施形態における凸部21と同様に、傾斜面を持たせ、先端部側からの押圧力を受けることにより内周壁21a側へ倒れ込むような構成としている。
上記のような特徴を有するガイドピン130を上記のような凸部121を有するサポート122に固定する場合、ガイドピン130のフランジ部136により凸部121を押圧することとなる。このため本実施形態におけるガイドピン130の取り付けでは、圧入治具160がカシメ治具の一部を担うこととなる。以下、ガイドピン130の取り付け工程について説明する。
まず、圧入治具160にガイドピン130をセットして、基端部134をサポート122に形成された貫通孔126に圧入する。基端部134の圧入は、凸部121が形成された側の主面から反対側の主面に向けて行う。本実施形態における基端部134の圧入は、2段階の工程として説明することができる。まず、第1の工程では、基端部134を貫通孔126に挿入し、ガイドピン130のフランジ部136と貫通孔126の周囲に形成された凸部121の先端部とが接触するまで基端部134を圧入する(図3(A)参照)。次に、第2の工程では、圧入治具160によりフランジ部136をさらに押圧し、フランジ部136がサポート122の主面高さ程度に位置するまで圧入を継続する。第2工程におけるガイドピン130の圧入により、凸部121はフランジ部136により押圧されて塑性変形することとなる。凸部121の塑性変形は、その側壁の形状より、内周壁121a側へ倒れ込むようにして成される。そして、凸部121が内周壁121a側へ倒れ込むことによって生ずるいわゆる逃げ肉は、ガイドピン130に設けられたくびれ部135に入り込むこととなる。このような作用を生じさせつつフランジ部136をサポート122の主面位置まで押圧することで、フランジ部136がサポート122の主面に接する際には、ガイドピン130のくびれ部135には、凸部121の倒れ込みにより内側に隆起した逃げ肉が埋め込まれたカシメ部129が形成される。これにより、くびれ部135の動きが制限されることとなり、ガイドピン130が固定される(図3(B)参照)。この後、圧入治具160を退避させることにより、サポート122に対するガイドピン130の固定が完了する(図3(C)参照)。
このような構造でガイドピンを取り付ける場合であっても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。なお、本実施形態で使用するガイドピン130には、フランジ部136と基端部134との間にくびれ部135を設ける旨記載したが、くびれ部135はサポート122内部に埋め込まれることとなるため、横方向の応力に対する強度的劣化は殆どない。また、本実施形態に係るガイドピン130の取り付け構造によれば、圧入治具160によりフランジ部136を押圧することでカシメ加工を実施することができるため、ガイドピン130の取り付けに使用する治具を1つとすることができる。すなわち、カシメ加工専用の治具(金型)を不要とすることができるのである。これにより高価な金型を製造するためのコストを削減することができ、設備コストを抑制することが可能となる。
次に、図4を参照して、本発明のディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造に係る第3の実施形態について説明する。本実施形態のガイドピン取り付け構造と、第1、第2の実施形態に係るガイドピン取り付け構造との相違点は、ガイドピンにおける基端部の形状、およびサポートにおける凸部の形成位置である。なお、その他の構成等は上記実施形態と同様とするため、その機能を同様とする箇所には、符号に200を足した符号を図面に付してその詳細な説明は省略することとする。
まず、本実施形態で用いるガイドピン230の形状について説明する。本実施形態に採用するガイドピン230は、基端部234の先端側、詳細には基端部234を貫通孔226に圧入した際に貫通孔226から突出する手前の部分にくびれ部235を有する。なお、本実施形態におけるくびれ部235の構成も、上記第2の実施形態に使用するガイドピン130のくびれ部135と同様である。
次に、本実施形態で用いるサポート222における凸部221の形状について説明する。本実施形態における凸部221は、基端部234を圧入する側の主面と反対側の主面に形成される。主面上における凸部221の配置は、上記第2の実施形態と同様に、貫通孔226の開口部に接するように成される。なお、その断面形状についても同様である。
本実施形態に係るガイドピン取り付け構造では、カシメ加工を行う際に、図4に示すようなカシメ治具262を使用する。すなわち、カシメ治具本体262aに、ガイドピン230における基端部234の外径と同等な内径を有する凹部262bと、当該凹部262bの開口部の周囲に形成された押圧部262cとを設けた構造のものである。前記凹部262bは、サポート222の貫通孔226から突出した基端部234がカシメ治具262と接触しないように設けられた逃げ部であり、凹部262bの深さは基端部234の突出長さ以上に設定される。また、前記押圧部262cは、サポート222に形成された凸部221を押圧により塑性変形させるための部位であり、本実施形態では先端に丸み(R)を持たせるようにしている。以下、ガイドピン230の取り付けについて説明する。
まず、圧入治具260にガイドピン230をセットして、基端部234をサポート222に形成された貫通孔226に圧入する。なお、基端部234の圧入は、凸部221が形成された側の主面と反対側の主面から行う(図4(A)参照)。次に、圧入治具260によるガイドピン230の保持を維持したまま、凸部221に対するカシメ治具262の押し当てを行う。この時、凸部221には、カシメ治具262の押圧部262cからの押圧を受けることにより、内周壁側へ倒れ込もうとする力が働く。ところが、凸部221の内周壁側には倒れ込むためのスペースが無いため、凸部221はサポート222の内部に埋め込まれるように塑性変形する。凸部221が押圧部262cにより押圧されると共に、その周囲にはカシメ治具本体262aが押し当てられることとなるため、逃げ場を失った凸部相当の肉(逃げ肉)は、基端部234と貫通孔226との間に形成された隙間、すなわちくびれ部235部分に隆起することとなる。この隆起した逃げ肉によりカシメ部229が形成されてくびれ部235の動きが制限されることで、ガイドピン230が固定される(図4(B)参照)。この後、圧入治具260、カシメ治具262の双方を退避させることにより、サポート222に対するガイドピン230の固定が完了する(図4(C)参照)。
このような構造でガイドピンを取り付ける場合であっても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。また、本実施形態に係るガイドピンの取り付け構造では、圧入治具260でガイドピン230のスライド部232およびフランジ部236を支持した状態のままカシメ加工を行うこととなるため、サポート222に対する垂直精度を高く保つことが可能となる。
上記実施形態ではいずれも、使用するガイドピンの構造として、スライド部と基端部、およびスライド部と基端部との間に配置されたフランジ部とから成るものを採用する旨記載した。しかしながら、上記第2、第3の実施形態に関しては、図5、図6に示すような形状のガイドピンを用いることもできる。具体的には、スライド部132,232の直径を基端部134,234の直径よりも大きくし、スライド部132,232の基端側端面132a,232aにより基端部134,234の挿入深さを規制する構成とするのである。このような形状のガイドピン130,230を採用することによれば、フランジ部を加工形成する工程が不要となるため、ガイドピンの製造時間、製造コストを削減することができ、ディスクブレーキ装置の製造コストも抑制することができる。
また、上記実施形態ではいずれも、サポートに対してガイドピンを固定するタイプのディスクブレーキ装置を例に挙げて説明してきた。しかしながら、本発明のディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造は、図7(A)、(B)に示すような構成のディスクブレーキ装置に対しても適用可能である。
本実施形態のディスクブレーキ装置も、サポートとキャリパとを基本とすることに変わりは無い。上記実施形態に示したディスクブレーキ装置との相違点は、サポートとキャリパのそれぞれの構成と、ガイドピンの取り付け箇所にある。よって、その機能を同一とする箇所には、図1に示す符号に対してaを足した符号を付することとする。
具体的には、本実施形態のディスクブレーキ装置10aにおけるサポート22aは、鋳造により形成され、切削加工にて接合面等の形状が整えられている。そして、サポート22aには、当該サポート自体を車両等に固定するためのネジ孔24aの他に、ガイドピン30aを摺動させるための摺動穴22bが設けられている。
前記キャリパ12aは、シリンダ部14a、ブリッジ部16a、および爪部18aを基本的な構成とする。前記シリンダ部14aは、鋳造等により形成されたシリンダ本体13と、このシリンダ本体13を固定するベース部材15とにより構成される。なお、シリンダ本体13は、内部に図示しないピストンを有する。また、前記ベース部材15は、打ち抜き、あるいは切削加工された平板鋼板であり、詳細を後述するブリッジ部16aを固定するための貫通孔15aや、ガイドピン30aを取り付けるための貫通孔15bが設けられている。
前記爪部18aは、鋼板を屈曲加工して形成されるブリッジ部16aと一体に形成されている。ディスクロータ50aを跨ぐようにしてブリッジ部16aを配置することで、前記爪部18aは、前記シリンダ部14aと対向する位置に配置されることとなる。なお、シリンダ部14a、ブリッジ部16a、爪部18aにおける各部の作用は上記実施形態と同じであるが、本実施形態の場合、シリンダ部14aのベース部材15に対して、ブリッジ部16および爪部18を構成する部材をボルト止めする構成をとっている。
このように、本発明のディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造は、取り付け相手が平板部材であれば、キャリパ側に取り付ける場合であっても、サポート側に取り付ける場合であっても採用することができる。
本発明に係るディスクブレーキ装置の概略構成を示す図である。 第1の実施形態に係るガイドピン取り付け構造を説明するためのブロック図である。 第2の実施形態に係るガイドピン取り付け構造を説明するためのブロック図である。 第3の実施形態に係るガイドピン取り付け構造の変形例を説明するためのブロック図である。 第2の実施形態に係るガイドピン取り付け構造に使用するガイドピンの変形例を示す図である。 第3の実施形態に係るガイドピン取り付け構造に使用するガイドピンの変形例を示す図である。 本発明に係るディスクブレーキ装置の他の構成を示す概略図である。 従来のガイドピン取り付け構造を示す図である。
符号の説明
10………ディスクブレーキ装置、12………キャリパ、14………シリンダ部、16………ブリッジ部、18………爪部、20………締結部、20a………摺動穴、22………サポート、24………ネジ孔、26………貫通孔、28………カシメ部、30………ガイドピン、32………スライド部、34………基端部、36………フランジ部、50………ディスクロータ。

Claims (5)

  1. 浮動型のディスクブレーキ装置のサポートまたはキャリパに形成された摺動穴に収容されて前記キャリパのスライドをガイドするガイドピンの取り付け構造であって、
    前記ガイドピンの固定位置に形成された貫通孔の周囲に形成した凸部を塑性変形させて前記ガイドピンの抜け止めを成すカシメ部を形成することを特徴とするディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造。
  2. 前記ガイドピンは、前記摺動穴に収容されるスライド部と固定位置に形成された貫通孔に嵌合される基端部と前記スライド部と前記基端部とを隔てて前記基端部の挿入深さを規制するフランジ部とを有するものとし、
    前記凸部は、前記貫通孔に基端部を嵌合したガイドピンのフランジ部の周囲に、前記フランジ部の厚みよりも高く形成する壁部とし、
    前記カシメ部は、前記凸部の先端を前記フランジ部側へ塑性変形させて前記フランジ部を覆うことにより形成することを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造。
  3. 前記ガイドピンは、前記摺動穴に収容されるスライド部と固定位置に形成された貫通孔に嵌合される基端部と前記スライド部と前記基端部とを隔てて前記基端部の挿入深さを規制するフランジ部とを有し、前記基端部の基端側側面に凹部を備えるものとし、
    前記凸部は、前記貫通孔の開口部のうち、前記基端部を嵌入する側の面に配置された開口部の周囲に形成する壁部とし、
    前記カシメ部は、前記貫通孔に対して前記基端部を嵌入する際に押圧される前記フランジ部により前記凸部を押圧して当該凸部を塑性変形させた際に生ずる逃げ肉を前記貫通孔と前記基端部に備えた凹部との間に隆起させることにより形成することを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造。
  4. 前記ガイドピンは、前記摺動穴に収容されるスライド部と固定位置に形成された貫通孔に嵌合される基端部とを有し、前記基端部の先端側側面に凹部を備えるものとし、
    前記凸部は、前記貫通孔の開口部のうち、前記基端部を嵌入する側の面と異なる面に配置された開口部の周囲に形成するものとし、
    前記カシメ部は、前記凸部を押圧して塑性変形させることによって生ずる逃げ肉を前記貫通孔と前記基端部に備えた凹部との間に隆起させることにより形成することを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ装置のガイドピン取り付け構造。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1に記載のガイドピン取り付け構造を採用したことを特徴とするディスクブレーキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113614345A (zh) * 2019-03-28 2021-11-05 三菱重工发动机和增压器株式会社 喷嘴装置以及排气涡轮增压器

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