JP2008121596A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】大気中へのNOX排出量を低減するように機関始動後初めての再生処理を実施する内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】機関始動後初めての再生処理時のNOX触媒装置の温度をNOX触媒装置から殆どNOXが吐き出されないような設定温度以上の可能な限り低温とするために、NOX触媒装置のNOX吸蔵量A毎に再生開始温度T’が設定され(ステップ103)、NOX触媒装置の現在の温度Tが、NOX触媒装置の現在のNOX吸蔵量に対して設定された再生開始温度以上となる時に(ステップ104)、機関始動後初めての再生処理を実施する(ステップ105)。
【選択図】図3
【解決手段】機関始動後初めての再生処理時のNOX触媒装置の温度をNOX触媒装置から殆どNOXが吐き出されないような設定温度以上の可能な限り低温とするために、NOX触媒装置のNOX吸蔵量A毎に再生開始温度T’が設定され(ステップ103)、NOX触媒装置の現在の温度Tが、NOX触媒装置の現在のNOX吸蔵量に対して設定された再生開始温度以上となる時に(ステップ104)、機関始動後初めての再生処理を実施する(ステップ105)。
【選択図】図3
Description
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
リーン空燃比での燃焼を実施する内燃機関が公知であり、このような内燃機関の排気通路には、NOXを浄化するためのNOX触媒装置が配置されている。NOX触媒装置は、リーン空燃比の排気ガスからNOXを良好に吸蔵することができるが、無制限にNOXを吸蔵することはできない。それにより、NOX吸蔵量が飽和する以前に、NOX触媒装置内の排気ガス中の酸素濃度を低下させてNOX触媒装置からNOXを放出させると共に、放出させたNOXを排気ガス中の還元物質により還元浄化するNOX触媒装置の再生処理が必要となる。
NOX触媒装置の再生処理は、NOX触媒装置の上流側の排気通路又は気筒内へ追加燃料を供給することによりNOX触媒装置へ流入する排気ガスの空燃比をリッチ化することにより実施される。こうして排気ガスと共にNOX触媒装置へ流入する追加燃料は、その一部がNOX触媒装置に担持された貴金属触媒により排気ガス中の酸素を使用して燃焼させられ、排気ガス中の酸素濃度を低下させ、また、追加燃料の残りがNOXを還元する還元物質となる。
このようにして、通常時は、NOX触媒装置のNOX吸蔵量が設定量に達した時に再生処理が実施される。NOX吸蔵量を正確に推定するために、NOX触媒装置の下流側にNOX濃度センサを配置することが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
ところで、機関始動直後は、NOX触媒装置に担持されているNOX触媒が十分に活性化していないために、NOX触媒装置のNOX吸蔵能力は低い。また、NOX吸蔵量が増加するほど、このように低いNOX吸蔵能力はさらに低下して、NOX触媒装置を単に通過するNOXの割合が増加する。それにより、一般的には、NOX触媒装置の貴金属触媒が活性温度となって、追加燃料を燃焼させることができるようになれば、直ちに排気ガスの空燃比をリッチ化して再生処理が実施され、NOX吸蔵量を減少させてNOX吸蔵能力を少しでも向上させるようにしている。
前述のように、機関始動後初めての再生処理を可能な限り早期に実施することにより、NOX吸蔵能力を向上させてNOX触媒装置を単に通過するNOX量を減少させることはできる。しかしながら、このような再生処理において、多量のNOXがNOX触媒装置から吐き出されることがあり、大気中へのNOX排出量が反って増加することがある。
従って、本発明の目的は、大気中へのNOX排出量を低減するように機関始動後初めての再生処理を実施する内燃機関の排気浄化装置を提供することである。
本発明による請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置は、排気通路に配置されたNOX触媒装置を具備し、機関始動後初めての再生処理時の前記NOX触媒装置の温度を前記NOX触媒装置から殆どNOXが吐き出されないような設定温度以上の可能な限り低温とするために、前記NOX触媒装置のNOX吸蔵量毎に再生開始温度が設定され、前記NOX触媒装置の現在の温度が、前記NOX触媒装置の現在のNOX吸蔵量に対して設定された前記再生開始温度以上となる時に、機関始動後初めての再生処理を実施することを特徴とする。
また、本発明による請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記再生開始温度は、NOX吸蔵量毎に予めマップ化しておくことを特徴とする。
また、本発明による請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記再生開始温度は、NOX吸蔵量が多いほど高く設定されることを特徴とする。
また、本発明による請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置において、再生処理に際して、前記NOX触媒装置の温度が高いほど前記NOX触媒装置のNOX浄化速度が高くなり、前記NOX触媒装置のNOX吸蔵量が多いほど前記NOX触媒装置の前記NOX浄化速度が低くなると共に前記NOX触媒装置のNOX放出速度が高くなることに基づき、前記再生開始温度は、NOX吸蔵量が多いほど高く設定されることを特徴とする。
また、本発明による請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項3又は4に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記NOX触媒装置のNOX吸蔵量が設定値を超えた時には、NOX吸蔵量が多いほど前記再生開始温度は低く設定されることを特徴とする。
また、本発明による請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置は、請求項3又は4に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記NOX触媒装置のNOX吸蔵量が設定値を超えた時には、前記NOX触媒装置の温度が前記設定温度以上であれば、直ちに前記再生処理を開始することを特徴とする。
本発明による請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置によれば、機関始動後始めての再生処理時のNOX触媒装置の温度をNOX触媒装置から殆どNOXが吐き出されないような設定温度以上の可能な限り低温とするために、NOX触媒装置のNOX吸蔵量毎に再生開始温度が設定され、NOX触媒装置の現在の温度が、NOX触媒装置の現在のNOX吸蔵量に対して設定された再生開始温度以上となる時に、機関始動後初めての再生処理を実施するようになっている。それにより、機関始動後初めての再生処理は、NOX触媒装置が設定温度となっても暫くは実施されないことがあり、この間において、NOX触媒装置の低いNOX吸蔵能力によってNOX触媒装置を単に通過するNOXが存在するが、機関始動後初めての再生処理に際して、NOX触媒装置からは殆どNOXが吐き出されることはなく、また、再生処理は現在のNOX吸蔵量に対して可能な限り低温で早期に開始されるようになっているために、結果的に大気中へのNOX排出量を低減することができる。
また、本発明による請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置によれば、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、再生開始温度は、NOX吸蔵量毎に予めマップ化しておくようになっており、請求項1の再生処理を容易に開始することができる。
また、本発明による請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置によれば、請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、NOX吸蔵量が多いほど再生処理時にNOX触媒装置から単位時間当たりに放出されるNOX量が多くなるために、再生処理時にNOX触媒装置によって単位時間当たりに還元浄化及び吸蔵されるNOX量を多くして、NOX触媒装置から殆どNOXが吐き出されないようにするために、再生開始温度は高く設定される。
また、本発明による請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置によれば、請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置において、再生処理に際して、NOX触媒装置の温度が高いほどNOX触媒装置のNOX浄化速度が高くなり、NOX触媒装置のNOX吸蔵量が多いほどNOX触媒装置のNOX浄化速度が低くなると共にNOX触媒装置のNOX放出速度が高くなることに基づき、再生開始温度は、NOX吸蔵量が多いほど高く設定されており、機関始動後始めての再生処理は、NOX触媒装置から殆どNOXが吐き出されることのないNOX触媒装置の可能な限り低い温度で開始される。
また、本発明による請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置によれば、請求項3又は4に記載の内燃機関の排気浄化装置において、NOX触媒装置のNOX吸蔵量が設定値を超えた時には、NOX触媒装置のNOX吸蔵能力がかなり低く、この時にはNOX触媒装置を単に通過するNOX量が比較的多くなるために、再生処理に際してNOX触媒装置からNOXが吐き出される温度でも再生処理を開始した方が、結果的に大気中へ放出されるNOX量を低減することができる。さらにNOX吸蔵量が多くなると、NOX吸蔵能力がさらに低下して、NOX触媒装置を単に通過するNOX量がさらに多くなるために、この時には、再生処理に際してNOX触媒装置からNOXが比較的多く吐き出される温度でも再生処理を開始した方が、結果的に大気中へ放出されるNOX量を低減することができる。それにより、NOX触媒装置のNOX吸蔵量が設定量を超えた時には、NOX吸蔵量が多いほど、再生開始温度は低く設定されている。
また、本発明による請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置によれば、請求項3又は4に記載の内燃機関の排気浄化装置において、NOX触媒装置のNOX吸蔵量が設定値を超えた時には、NOX触媒装置のNOX吸蔵能力がかなり低く、この時にはNOX触媒装置を単に通過するNOX量が比較的多くなるために、再生処理に際してNOX触媒装置からNOXが吐き出される温度でも再生処理を開始した方が、結果的に大気中へ放出されるNOX量を低減することができる。それにより、NOX触媒装置の温度が設定温度以上であれば、直ちに再生処理を開始するようになっている。
図1は本発明による内燃機関の排気浄化装置を示す概略図である。同図において、1は排気通路である。2は排気通路1に配置されたNOX触媒装置である。3はNOX触媒装置2の上流側に配置されてNOX触媒装置へ流入する排気ガス中のNOX濃度を検出する上流側NOX濃度センサであり、4はNOX触媒装置の下流側に配置されてNOX触媒装置から流出する排気ガス中のNOX濃度を検出する下流側NOX濃度センサである。
本排気浄化装置が取り付けられる内燃機関は、ディーゼルエンジン、又は、均質リーン混合気(例えば空燃比20)を火花着火させるガソリンエンジン、又は、気筒内全体としてはリーン空燃比となる成層混合気を火花着火させるガソリンエンジンである。このような内燃機関の排気ガス中にはNOXが含まれるために、排気通路1に配置されたNOX触媒装置2によってNOXを吸蔵し、NOXの大気放出量を低減している。
前述のガソリンエンジンにおいて、機関始動時には着火性を向上させるために、又は、機関高負荷時には高い機関出力を得るために、理論空燃比又はリッチ空燃比の均質混合気を着火燃焼させる均質燃焼が実施されることがある。この時には、NOXに加えて、HC及びCOも気筒内から排出されるために、これらを浄化するための三元触媒装置(図示せず)をNOX触媒装置2の上流側に配置するようにしても良い。
ところで、NOX触媒装置2は、リーン空燃比の排気ガス中のNOXを吸蔵することができるが、無限にNOXを吸蔵することはできない。それにより、NOX吸蔵量が飽和する以前に、NOX触媒装置2の上流側の排気通路又は気筒内へ追加燃料を供給し、NOX触媒装置2に担持された貴金属触媒によって、追加燃料の一部を排気ガス中の酸素を使用して燃焼させ、酸素濃度を低下させることにより、NOX触媒装置2に吸蔵されたNOXを放出させると共に、放出させたNOXを追加燃料の残りにより還元浄化する再生処理が必要である。
この再生処理において、放出させたNOXを全て還元浄化することはできず、還元浄化することができなかったNOXを再びNOX触媒装置2へ吸蔵することができれば、NOX触媒装置2からNOXが吐き出されることはない。すなわち、再生処理において、NOX触媒装置2から単位時間当たりに放出されるNOX量(以下、NOX放出速度と称する)より、NOX触媒装置2において単位時間当たりに還元浄化されるNOX量と単位時間当たりに吸蔵されるNOX量との和(以下、NOX浄化速度と称する)が大きければ、NOX触媒装置から殆どNOXが吐き出されることはない。
NOX触媒装置2のNOX吸蔵能力は、図2に示すように、NOX触媒装置2の温度が低くても高くても低下する。機関始動直後は、NOX触媒装置2の温度が低いために、NOX吸蔵能力が低く、比較的多くのNOXがNOX触媒装置を通過してしまう。また、NOX触媒装置2のNOX吸蔵量が増加するほど、さらにNOX吸蔵能力は低下し、さらに多量のNOXがNOX触媒装置を通過してしまう。それにより、これまでは、NOX触媒装置2に担持された貴金属触媒が活性化温度(例えば190°C)となって、追加燃料を燃焼させることができるようになれば、直ちに再生処理を実施して、NOX触媒装置2のNOX吸蔵量を減少させ、NOX触媒装置2のNOX吸蔵能力を向上させていた。
しかしながら、このように、NOX触媒装置のNOX浄化速度及びNOX放出速度が全く考慮されずに機関始動後初めての再生処理が実施されると、再生処理時にNOX触媒装置2から多量のNOXが吐き出され、結果的に大気中へのNOX排出量が増大することがある。本実施形態の排気浄化装置は、大気中へのNOX排出量を低減するように機関始動後初めての再生処理を実施するようになっている。
図3は、機関始動後初めての再生処理を実施するためのフローチャートである。先ず、ステップ101において、NOX触媒装置2に吸蔵されているNOX吸蔵量Aが推定される。このNOX吸蔵量の推定は、単位時間毎に上流側NOX濃度センサ3により検出されたNOX濃度と単位時間毎に下流側NOX濃度センサ4により検出されたNOX濃度との差に基づき算出されるNOX触媒装置2に単位時間毎に吸蔵されたNOX吸蔵量を機関始動から積算すれば良い。ここで、上流側NOX濃度センサ3を省略して、NOX触媒装置2へ流入する排気ガス中のNOX濃度は、機関運転状態に基づき推定するようにしても良い。
次いで、ステップ102において、NOX触媒装置2の温度Tが、再生処理の実施を可能とする設定温度、すなわち、貴金属触媒の活性温度(例えば190°C)以上であるか否かが判断される。この判断が肯定される時には、再生処理の実施は不可能であり、そのまま終了する。一方、ステップ102の判断が肯定される時には、ステップ103において、現在のNOX吸蔵量に対する再生開始温度T’が設定される。
図4は、NOX吸蔵量Aに対するNOX浄化速度及びNOX放出速度を示すグラフである。同図において、実線はNOX放出速度であり、NOX吸蔵量Aが多くなるほどNOX放出速度は高くなる。一方、点線はNOX触媒装置2が200°Cの時のNOX浄化速度であり、一点鎖線はNOX触媒装置2が230°Cの時のNOX浄化速度であり、いずれも、NOX吸蔵量Aが多くなるほど低くなる。また、NOX浄化速度は、NOX触媒装置2の温度が高くなるほど全体的に高くなる。これに対して、NOX放出速度は、NOX触媒装置2の温度に対して殆ど変化しない。
図4に示すように、NOX吸蔵量AがA1の時の再生開始温度T’を200°Cとし、NOX吸蔵量AがA2の時の再生開始温度T’を230°Cとすれば、いずれにおいても、NOX排出速度とNOX浄化速度とが等しくなり、再生処理においてNOX触媒装置2から殆どNOXが吐き出されることはない。このように、再生開始温度T’は、NOX触媒装置2から殆どNOXが吐き出されない可能な限り低温に設定される。再生開始温度T’は、NOX吸蔵量A毎にマップ化しておくことが好ましく、図5の実線はマップ化の例を示している。
次いで、ステップ104では、現在のNOX触媒装置2の温度Tが再生開始温度T’以上であるか否かが判断され、この判断が否定される時には終了して、これまでのステップが繰り返され、ステップ104の判断が肯定されると、ステップ105において、機関始動後初めての再生処理が実施される。
このような再生処理の実施を図5において説明すると、NOX触媒装置2の温度Tが190°C(設定温度)の時のNOX吸蔵量が300mgより多いa,b,c,dである時には、それぞれに対する再生開始温度は190°Cより高くなるために、この時には再生処理は実施されない。その後、NOX触媒装置2の温度は上昇すると共にNOX吸蔵量も増加するが、機関始動後のNOX吸蔵能力が低い時であるために、NOX吸蔵量の増加は緩やかであり、NOX吸蔵量がそれぞれa’,b’,c’,d’に増加した時のNOX触媒装置2の温度は、それぞれの再生開始温度となって再生処理が実施される。
このような再生処理において、NOX触媒装置2が設定温度の時のNOX吸蔵量がそれほど多くないa及びbであった時には、NOX吸蔵量Aが設定値(700mg)に増加する以前に再生処理が実施され、この場合には、再生処理において、NOX触媒装置2から殆どNOXが吐き出されることはない。それにより、NOX触媒装置2が設定温度からそれぞれの再生開始温度まで昇温するまでの間は、NOX触媒装置2の低いNOX吸蔵能力によってNOX触媒装置を通過するNOXが存在するが、再生処理時のNOXの吐き出しがなく、また、NOXの吐き出しのない可能な限り低温で可能な限り早期に再生処理が実施されるために、設定温度で再生処理を実施して多量のNOXを吐き出す場合に比較して、結果的に大気中へのNOX放出量を低減することができる。
また、NOX触媒装置2が設定温度の時のNOX吸蔵量が設定値より少ないが設定値近くのcであった時には、NOX吸蔵量が設定値に増加した時に、NOX触媒装置2の温度Tが設定値に対する再生開始温度(230°C)に達しないことがある。NOX吸蔵量が設定値(700mg)に達すると、NOX触媒装置2のNOX吸蔵能力はかなり低くなるために、NOX触媒装置2を通過するNOX量が比較的多くなり、再生処理に際してNOX触媒装置からNOXが吐き出される温度、すなわち、NOX放出速度がNOX浄化速度より高いNOX触媒装置の温度でも再生処理を開始した方が、結果的に大気中へ放出されるNOX量を低減することができる。
それにより、NOX吸蔵量が設定値を超える時の再生開始温度T’は、図5に示すように、設定値の再生開始温度(230°C)から設定温度(190°C)までNOX吸蔵量が多くなるほど徐々に低くされる。こうして、NOX吸蔵量が設定値近くである時には、設定値の再生開始温度近くの比較的高い温度を再生開始温度として、再生処理時のNOXの吐き出し量を少なくし、また、NOX吸蔵量が設定値を大幅に超えている時には、NOX吸蔵能力がさらに低下して、NOX触媒装置を単に通過するNOX量がさらに多くなるために、再生開始温度は、再生処理の実施を可能とする設定温度近くとされ、比較的早期に再生処理が実施されるようにしている。
それにより、NOX触媒装置2が設定温度の時のNOX吸蔵量が設定値より多いdであった時には、NOX吸蔵量がd’に増加した時の比較的低いNOX触媒装置の温度において比較的に早期に再生処理が実施されることとなる。このように再生開始温度T’は、NOX吸蔵量Aが設定値となるまでは、NOX吸蔵量Aが多いほど高く設定され、設定値を超える時には、NOX吸蔵量Aが多いほど低く設定するようにされる。
また、図5に点線で示すように、再生開始温度T’は、NOX吸蔵量Aが設定値となるまでは、NOX吸蔵量Aが多いほど高く設定され、NOX吸蔵量Aが設定値を超える時には、設定温度とするようにしても良い。それにより、NOX吸蔵量が設定値(700mg)を超えてNOX触媒装置2のNOX吸蔵能力がかなり低くなった時には、直ちに再生処理が実施される。
こうして、NOX触媒装置2が設定温度である時のNOX吸蔵量が設定値より少ないが設定値近くcである時には、NOX吸蔵量Aが設定値に増加するまでに、NOX触媒装置2の温度Tが設定値の再生開始温度に達しなければ、NOX吸蔵量が設定値を越えた時に再生処理を直ちに実施し、NOX触媒装置2を通過するNOX量を減少させる。また、NOX触媒装置2が設定温度である時のNOX吸蔵量が設定値より多いdである時には、直ちに再生処理を実施してNOX触媒装置2を通過するNOX量を減少させる。
ところで、機関始動から最初に再生処理が実施されるまでのNOX触媒装置2の温度が比較的低い間においては、NOX触媒装置2の温度が高いほどNOX吸蔵能力が高くなり、また、NOX吸蔵量が多くなるほどNOX吸蔵能力が低くなることが判っているために、NOX触媒装置2へ流入する排気ガス中のNOX濃度を推定又は検出すれば、NOX触媒装置2の温度Tと現在のNOX吸蔵量Aとに基づき、NOX触媒装置2の下流側NOX濃度センサ4を省略しても新たなNOX吸蔵量を推定することも可能である。
NOX触媒装置2の温度Tは、温度センサ(図示せず)によって測定されても、機関運転状態に基づき推定されるNOX触媒装置2へ流入する排気ガス温度に基づき推定するようにしても良い。これまでの説明に使用した数値は、発明の理解を容易にするための例示であり、もちろん、NOX吸蔵触媒装置毎に異なる値とすることができる。
1 排気通路
2 NOX触媒装置
3 上流側NOX濃度センサ
4 下流側NOX濃度センサ
2 NOX触媒装置
3 上流側NOX濃度センサ
4 下流側NOX濃度センサ
Claims (6)
- 排気通路に配置されたNOX触媒装置を具備し、機関始動後初めての再生処理時の前記NOX触媒装置の温度を前記NOX触媒装置から殆どNOXが吐き出されないような設定温度以上の可能な限り低温とするために、前記NOX触媒装置のNOX吸蔵量毎に再生開始温度が設定され、前記NOX触媒装置の現在の温度が、前記NOX触媒装置の現在のNOX吸蔵量に対して設定された前記再生開始温度以上となる時に、機関始動後初めての再生処理を実施することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
- 前記再生開始温度は、NOX吸蔵量毎に予めマップ化しておくことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記再生開始温度は、NOX吸蔵量が多いほど高く設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 再生処理に際して、前記NOX触媒装置の温度が高いほど前記NOX触媒装置のNOX浄化速度が高くなり、前記NOX触媒装置のNOX吸蔵量が多いほど前記NOX触媒装置の前記NOX浄化速度が低くなると共に前記NOX触媒装置のNOX放出速度が高くなることに基づき、前記再生開始温度は、NOX吸蔵量が多いほど高く設定されることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記NOX触媒装置のNOX吸蔵量が設定値を超えた時には、NOX吸蔵量が多いほど前記再生開始温度は低く設定されることを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記NOX触媒装置のNOX吸蔵量が設定値を超えた時には、前記NOX触媒装置の温度が前記設定温度以上であれば、直ちに前記再生処理を開始することを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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