JP2018178866A - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気通路の触媒を早期に昇温可能であると共にアンモニアの生成を抑制可能なエンジンの排気浄化装置を提供すること。
【解決手段】エンジンの排気通路に配設されたNOx触媒及びSCR触媒と、前記NOx触媒のNOx吸蔵量が予め設定された還元開始値以上のときに排気ガスの空燃比を理論空燃比近傍又は空燃比リッチ側の還元空燃比に設定してNOx還元処理を実行するNOx還元制御手段とを備えたエンジンの排気浄化装置において、前記NOx還元制御手段は、NOx吸蔵量が予め設定された還元終了値以下になったときの前記SCR触媒の温度が予め設定されたSCR触媒活性温度未満の場合には、理論空燃比よりリーン側に設定するリーン空燃比よりリッチ側の且つ前記還元空燃比よりリーン側の昇温空燃比に設定した昇温制御を実行する。
【選択図】図11

Description

本発明は、排気ガス中の窒素酸化物(以下、NOxと呼ぶ)を還元して浄化するエンジンの排気浄化装置に関する。
従来からエンジンの排気通路には、排気ガス中のNOxを還元して浄化するための触媒が配設されている。このような触媒としては、酸化雰囲気下で排気ガス中のNOxを吸蔵し、還元雰囲気下で吸蔵したNOxを還元するNOx吸蔵還元型触媒(NOx Storage Catalyst、以下NOx触媒と呼ぶ。)や、アンモニアを還元剤として使用して排気ガス中のNOxを還元する選択還元触媒(Selective Catalytic Reduction、以下SCR触媒と呼ぶ。)が知られている。これらの触媒は、その機能を発揮するための条件が異なるので、組み合わせて使用することにより幅広い運転状況に対応したエンジンの排気浄化装置を構成することができる。
NOx触媒は、排気ガスの空燃比を理論空燃比よりも大きいリーン側の状態(空気過剰率λ>1)にしたときの酸化雰囲気下で排気ガス中のNOxを吸蔵する。また、NOx触媒は、排気ガスの空燃比が理論空燃比近傍の状態(λ≒1)又は理論空燃比よりも燃料が多いリッチ側の状態(λ<1)にしたときの還元雰囲気下で、排気ガス中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を利用してNOx触媒に吸蔵されたNOxを還元する。SCR触媒は、供給された尿素を高温下で加水分解してアンモニアを生成・吸着すると共に、このアンモニアにより排気ガス中のNOxを還元する。
このようなNOx触媒は、例えば一定速度で走行するようなエンジン負荷が低く空燃比がリーン側の状態が継続すると、NOx吸蔵量がその上限に達して排気ガス中のNOxを吸蔵できなくなる。また、NOx触媒のNOx吸蔵性能は、NOx吸蔵量の増加と共に低下していく。そのため、空燃比がリーン側の状態が継続した場合には、NOx吸蔵量が上限に達する前に、吸蔵したNOxを還元して排出することによりNOx触媒を再生するNOx還元処理を適宜実行するように構成されている。
NOx還元処理は、エンジンに要求されるトルクに対応する量の燃料をエンジン筒内に供給するメイン噴射に加えて、メイン噴射後の所定のタイミングで追加燃料を噴射するポスト噴射を行うことにより排気ガスの空燃比を理論空燃比近傍或いは理論空燃比よりもリッチ側に設定して還元雰囲気にする。そして、排気ガス中のHCやCOを利用してNOx触媒に吸蔵されたNOxを還元し、窒素(N2)、二酸化炭素(CO2)、水(H2O)として排出する。このNOx還元処理により、NOx触媒のNOx吸蔵性能を回復させる。
NOx触媒とSCR触媒のNOx浄化性能を十分に発揮させるためには、夫々の触媒が活性状態になるある程度高い温度が必要である。例えばエンジン始動直後やエンジンブレーキ使用による燃料カットが長く継続した後は、これらの触媒の温度が低いため、NOx浄化性能を十分に発揮することができない。そのため、NOx触媒より高温でNOx浄化性能を発揮するSCR触媒がその性能を発揮できない低温の間は、NOx触媒がNOx浄化を担う。
NOx触媒の温度が低い場合でもできるだけNOxを吸蔵して排気ガスを浄化できるように、エンジン始動後にNOx還元処理してNOx吸蔵性能を回復させている。例えば、特許文献1の内燃機関の排気浄化装置のように、NOx触媒のNOx吸蔵量に応じた再生開始温度を設定して、エンジン始動後最初のNOx還元処理を早期に実行する構成が知られている。NOx還元処理は、追加燃料をポスト噴射して燃焼させるので排気ガス温度が上昇し、排気通路の触媒を昇温させる効果がある。
特開2008−121596号公報
NOx還元処理では、NOx触媒上で排気ガス中のHCとNOxからアンモニア(NH3)が生成され、この生成されたアンモニアがNOx触媒上でNOx還元のために消費される。NOx還元処理は、NOx触媒に吸蔵されたNOxが所定の量(例えば零)になると終了するので、NOx還元処理終了時にはまだ排気通路の触媒の昇温が十分でない場合がある。しかし、触媒の昇温のためにNOx還元処理を継続すると、NOx触媒上で生成されたアンモニアが消費されずに排気通路から外部へ排出されて異臭を発生させる虞があり好ましくない。また、ポスト噴射により燃料消費量が増加した状態なので、燃費が悪化する。
本発明の目的は、排気通路の触媒を早期に昇温可能であると共にアンモニアの生成を抑制可能なエンジンの排気浄化装置を提供することである。
請求項1のエンジンの排気浄化装置は、エンジンの排気通路に配設されたNOx触媒及びSCR触媒と、前記NOx触媒のNOx吸蔵量が予め設定された還元開始値以上のときに排気ガスの空燃比を理論空燃比近傍又は空燃比リッチ側の還元空燃比に設定してNOx還元処理を実行するNOx還元制御手段とを備えたエンジンの排気浄化装置において、前記NOx還元制御手段は、NOx吸蔵量が予め設定された還元終了値以下になったときの前記SCR触媒の温度が予め設定されたSCR触媒活性温度未満の場合には、理論空燃比よりリーン側に設定するリーン空燃比よりリッチ側且つ前記還元空燃比よりリーン側の昇温空燃比に設定した昇温制御を実行することを特徴としている。
上記構成により、還元空燃比における排気ガス温度の上昇を利用して、SCR触媒を早期に昇温することができる。NOx吸蔵量が還元終了値以下になると、NOx還元処理を実行していない通常運転時のリーン空燃比よりリッチ側の昇温空燃比に設定するため、リーン空燃比の状態よりも排気ガス温度は高くなるので、NOx触媒及びSCR触媒を早期に昇温することができる。また、昇温空燃比は還元空燃比よりリーン側に設定されているので、還元空燃比の状態よりもNOx触媒上でのアンモニアの生成を抑えることができると共に燃料消費を抑えることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記SCR触媒は、前記NOx触媒よりも前記エンジンの排気通路の下流側に配設されたことを特徴としている。
上記構成により、NOx触媒で生成されたアンモニアのうち、消費されなかったアンモニアをSCR触媒において利用することができ、アンモニアの排出を抑えることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記エンジンの排気通路に酸化触媒を備え、前記NOx還元制御手段は前記昇温制御時には前記昇温空燃比を前記リーン空燃比よりリッチ側且つ理論空燃比よりリーン側に設定することを特徴としている。
上記構成により、昇温空燃比は理論空燃比よりリーン側に設定されているので、酸化触媒での酸化反応により排気ガス温度を昇温できるため、NOx触媒及びSCR触媒を早期に昇温することができる。
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記NOx還元制御手段は、前記NOx触媒下流の排気温度が予め設定された設定温度以上になると昇温制御を終了することを特徴としている。
上記構成により、NOx触媒の高温劣化を抑えることができる。
請求項5の発明は、請求項1〜4の発明の何れかにおいて、前記NOx還元制御手段は、エンジン始動後の1回目のNOx還元処理を実行する前記還元開始値を2回目以降よりも小さく設定し、前記1回目のNOx還元処理によりNOx吸蔵量が前記還元終了値以下となったときの前記SCR触媒の温度が前記SCR触媒活性温度未満の場合に前記昇温制御を実行することを特徴としている。
上記構成により、エンジン始動後の1回目のNOx還元処理を早期に開始すると共に、SCR触媒を早期に昇温することができる。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記NOx還元制御手段は、前記SCR触媒の温度が低いほど前記1回目のNOx還元処理を実行するための前記還元開始値を小さく設定することを特徴としている。
上記構成により、SCR触媒の温度が低いほどエンジン始動後の1回目のNOx還元処理を一層早期に開始することができ、SCR触媒をSCR触媒温度状況に応じて早期に昇温することができる。
本発明のエンジンの排気浄化装置によれば、NOx触媒のNOx還元処理を実行することにより排気通路の触媒を早期に昇温可能であると共に、NOx触媒におけるアンモニアの生成を抑制することができる。
本発明の実施形態によるエンジンの排気浄化装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。 本発明の実施形態によるエンジンの排気浄化装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による空燃比の設定方法についての説明図である。 本発明の実施形態によるアンモニア吸着量の推定方法を説明するためのブロック図である。 本発明の実施形態による燃料噴射制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態においてDeNOxを実行するエンジンの運転領域を示す図である。 本発明の実施形態においてDeNOxを実行する温度範囲を示す図である。 本発明の実施形態によるポスト噴射量算出処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態によるDeNOx実行フラグの設定処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態によるDeNOx実行制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態によるDeNOx実行時のタイムチャートである。 還元開始値αの設定例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの排気浄化装置について説明する。
図1に示すように、エンジンシステム200は、主にディーゼルエンジンとしてのエンジンEと、エンジンEに吸気を供給する吸気系INと、エンジンEに燃料を供給するための燃料供給系FSと、エンジンEの排気ガスを排出する排気系EXと、エンジンシステム200に関する各種の状態を検出するセンサ100〜119と、エンジンシステム200の制御を行うPCM(Power-train Control Module)60と、SCR触媒47に関する制御を行うDCU(Dosing Control Unit)70とを有する。
吸気系INは、吸気が通過する吸気通路1を有しており、この吸気通路1上には、上流側から順に、エアクリーナ3とターボ過給機5のコンプレッサとインタークーラ8と吸気シャッター弁7(スロットルバルブに相当する)とサージタンク12が設けられている。エアクリーナ3は外部から導入された空気を浄化する。ターボ過給機5のコンプレッサは通過する吸気を圧縮して吸気圧を上昇させる。インタークーラ8は外気や冷却水を利用して吸気を冷却する。吸気シャッター弁7は通過する吸気流量を調整する。サージタンク12はエンジンEに効率よく吸気を供給するために吸気を一時的に蓄える。
エアクリーナ3の下流側の吸気通路1上には、吸入空気量を検出するエアフローセンサ101及び吸気温度を検出する温度センサ102が設けられている。ターボ過給機5には吸気の圧力を検出する圧力センサ103が設けられている。インタークーラ8の直下流側の吸気通路1上には吸気温度を検出する温度センサ106が設けられている。吸気シャッター弁7には当該吸気シャッター弁7の開度を検出するポジションセンサ105が設けられている。サージタンク12には吸気マニホールドにおける吸気の圧力を検出する圧力センサ108が設けられている。これらの吸気系INに設けられた各種センサ101〜108は、夫々、検出したパラメータに対応する検出信号S101〜S108をPCM60に出力する。
エンジンEは、吸気バルブ15と、燃焼室17と、燃料噴射弁20と、グロープラグ21と、ピストン23と、クランクシャフト25と、排気バルブ27等を有する。吸気バルブ15は吸気通路1(吸気マニホールドを含む)から供給された吸気を燃焼室17内に導入する。燃料噴射弁20は燃焼室17に向けて燃料を噴射する。グロープラグ21は通電により発熱する発熱部を燃焼室17内に備えている。ピストン23は燃焼室17内での混合気の燃焼により往復運動する。クランクシャフト25はピストン23の往復運動により回転する。排気バルブ27は、燃焼室17内での混合気の燃焼により発生した排気ガスを金属製の排気通路41(排気マニホールドを含む)へ排出する。
エンジンEには、例えば上死点等を基準としてクランクシャフト25におけるクランク角を検出するクランク角センサ100が設けられている。このクランク角センサ100は、検出したクランク角に対応する検出信号S100をPCM60に出力する。PCM60は、この検出信号S100に基づきエンジン回転数を取得する。
燃料供給系FSは、燃料を貯蔵する燃料タンク30と、燃料タンク30から燃料噴射弁20に燃料を供給するための燃料供給通路38とを有する。燃料供給通路38には上流側から順に、低圧燃料ポンプ31と、高圧燃料ポンプ33と、コモンレール35が設けられている。
排気系EXは、排気ガスが通過する排気通路41を有しており、この排気通路41上には、通過する排気ガスによって回転され、この回転によりコンプレッサを駆動するターボ過給機5のタービンが設けられている。このタービンの下流側の排気通路41上には、上流側から順に、NOx触媒45と、ディーゼルパティキュレートフィルタ(Diesel Particulate Filter、以下DPFと呼ぶ)46と、尿素インジェクタ51と、SCR触媒47と、スリップ触媒48が設けられている。NOx触媒45の上流側にSCR触媒が配設される場合もある。
NOx触媒45は排気ガス中のNOxを吸蔵浄化する。DPF46は排気ガス中の粒子状物質を捕集する。尿素インジェクタ51は図示外の尿素水タンクに貯留された尿素水をDPF46の下流側の排気通路41中に噴射して尿素を供給する。SCR触媒47は尿素インジェクタ51から噴射された尿素を加水分解してアンモニアを生成し、このアンモニアにより排気ガス中のNOxを還元して浄化する。スリップ触媒48はSCR触媒47から放出されたアンモニアを酸化させて浄化する。尚、尿素インジェクタ51は、DCU70から供給される制御信号S51により、排気通路41中に尿素を噴射するための制御が行われる。
NOx触媒45は、排気ガスの空燃比が理論空燃比よりも大きいリーン側の状態(λ>1)である酸化雰囲気中で排気ガス中のNOxを吸蔵する。また、排気ガスの空燃比が理論空燃比近傍の状態(λ≒1)あるいは理論空燃比よりも小さいリッチ側の状態(λ<1)である還元雰囲気中において吸蔵したNOxを還元する。NOx触媒45は、吸蔵したNOxを還元する際に、NOx触媒45が吸蔵しているNOx中の「N」と、NOx触媒45に還元剤として供給された未燃燃料等の炭化水素(HC)中の「H」とを結合させてアンモニア(NH3)を生成する。この生成したアンモニアはNOxの還元浄化のために消費される。
また、NOx触媒45は、NOx吸蔵還元型触媒としての機能に加えて、排気ガス中のHCやCO等を酸化して浄化するディーゼル酸化触媒(Diesel Oxidation Catalyst、以下DOCと呼ぶ。)としての機能も有する。例えば、NOx触媒45は、DOCの触媒材の表面をNSCの触媒材によりコーティングして形成されている。
SCR触媒47は、尿素インジェクタ51により噴射された尿素から生成されたアンモニアと、排気通路41上流側のNOx触媒45におけるNOxの還元により生成されたアンモニアを吸着し、この吸着したアンモニアにより排気ガス中のNOxを還元浄化する。例えば、SCR触媒47は、アンモニアによってNOxを還元する触媒金属を、アンモニアをトラップするゼオライトに担持させて触媒成分を形成し、この触媒成分をハニカム担体のセル壁に担持させることで作られている。NOx還元用の触媒金属としては、Fe、Ti、Ce、Wなどが用いられる。
DCU70は、SCR触媒47によるNOx浄化性能の確保とSCR触媒47からのアンモニアの放出(スリップ)の抑制とを両立するために、SCR触媒47に適量のアンモニアが吸着されるように尿素インジェクタ51の噴射制御を行う。SCR触媒47は高温になるほど吸着したアンモニアを放出する性質を有するため、SCR触媒47の温度に応じてアンモニア吸着能力が変化するので、DCU70はSCR触媒47の温度等に基づいて尿素インジェクタ51の噴射制御を行う。
ターボ過給機5のタービンの上流側の排気通路41には、排気ガスの圧力を検出する圧力センサ109と、排気ガスの温度を検出する温度センサ110が設けられ、ターボ過給機5のタービンの下流側の排気通路41には酸素濃度を検出するO2センサ111が設けられている。また、排気通路41は、NOx触媒45の上流側の排気ガス温度を検出する温度センサ112と、NOx触媒45とDPF46との間の排気ガス温度を検出する温度センサ113と、DPF46の上流側と下流側との排気ガスの圧力差を検出する差圧センサ114と、DPF46の下流側の排気ガス温度を検出する温度センサ115と、DPF46の下流側の排気ガス中のNOx濃度を検出するNOxセンサ116と、SCR触媒47の上流側の排気ガス温度を検出する温度センサ117と、SCR触媒47の下流側の排気ガス中のNOxの濃度を検出するNOxセンサ118と、スリップ触媒48の上流側の排気ガス中のPMを検出するPMセンサ119を備えている。これらの排気系EXの各種センサ109〜119は、夫々検出したパラメータに対応する検出信号S109〜S119をPCM60に出力する。
ターボ過給機5は、排気エネルギーが低い低回転域から高回転域まで全域で効率よく高過給を得られる2段過給システムとして構成されている。ターボ過給機5は、高回転域において多量の空気を過給するための大型ターボチャージャー5aと、低い排気エネルギーでも効率よく過給を行える小型ターボチャージャー5bと、コンプレッサバイパスバルブ5cと、レギュレートバルブ5dと、ウェイストゲートバルブ5eを備えている。コンプレッサバイパスバルブ5cは小型ターボチャージャー5bのコンプレッサへの吸気の流れを制御する。レギュレートバルブ5dは小型ターボチャージャー5bのタービンへの排気の流れを制御する。ウェイストゲートバルブ5eは大型ターボチャージャー5aのタービンへの排気の流れを制御する。エンジンEの運転状態(エンジン回転数及び負荷)に応じて各バルブを駆動することにより、大型ターボチャージャー5aと小型ターボチャージャー5bによる過給を切り替える。
また、エンジンシステム200は、EGR装置43を有する。このEGR装置43は、EGR通路43aと、EGRクーラ43bと、第1EGRバルブ43cと、EGRクーラバイパス通路43dと、第2EGRバルブ43eとを備えている。EGR通路43aは、ターボ過給機5のタービンの上流側の排気通路41とターボ過給機5のコンプレッサの下流側(インタークーラ8の下流側)の吸気通路1とを接続する。EGRクーラ43bはEGR通路43aを通過する排気ガスを冷却する。第1EGRバルブ43cはEGR通路43aを通過させる排気ガスの流量を調整する。EGRクーラバイパス通路43dはEGRクーラ43bをバイパスさせて排気ガスを流通させる。第2EGRバルブ43eはEGRクーラバイパス通路43dを通過させる排気ガスの流量を調整する。
図2は、エンジンの排気浄化装置の電気的構成を示すブロック図である。PCM60は、上記各種センサ100〜119の検出信号S100〜S119と、アクセルペダルの踏込量を反映するアクセル開度を検出するアクセル開度センサ150の検出信号S150と、車速を検出する車速センサ151の検出信号S151に基づいて、主に燃料噴射弁20の制御を行う制御信号S20を出力し、吸気シャッター弁7の制御を行う制御信号S7を出力する。
PCM60は、ドライバのアクセルペダル操作に応じたエンジントルクを出力させるために燃焼室17に向けて燃料を噴射するメイン噴射を行う。主に燃費向上のため、メイン噴射は、基本的には排気ガスの空燃比がリーン側になるように燃料噴射量等を設定する。また、PCM60は、NOx触媒45に吸蔵されたNOxを還元する場合に、排気ガスの空燃比を理論空燃比近傍あるいは理論空燃比よりも小さいリッチ側の還元空燃比に設定すると共に、燃料噴射弁20から追加燃料をポスト噴射させるNOx還元制御を行うNOx還元制御手段である。
PCM60は、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムやエンジンの運転状況等の各種情報を記憶するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
次に、PCM60による空燃比の設定について説明する。
図3は、縦軸が空気過剰率λを示し、横軸が後述するSCR触媒47のアンモニア吸着量を示している。実際に供給される空気量が理論空燃比のときと同じ場合、即ち空燃比を理論空燃比に設定した場合はλ=1であり、空燃比がリッチ側のλ<1の領域R21はNOx触媒45に吸蔵されたNOxを還元可能な範囲を示し、空燃比がリーン側のλ>1の領域R22はNOx触媒45にNOxを吸蔵する範囲を示している。通常走行時には、主に燃費向上のために基本的にλが領域R22内になるように空燃比を設定する。ラインG11は、NOx還元制御時にSCR触媒47のアンモニア吸着量に応じて設定されるλを示している。このラインG11が、アンモニア吸着量に応じて設定される空燃比を規定したマップに相当する。
NOx還元制御時の空燃比にするためのポスト噴射は、メイン噴射後のエンジントルクの出力に寄与しないタイミング(例えば膨張行程)で追加燃料を噴射する。このポスト噴射により、排気ガスの空燃比を理論空燃比近傍の状態(λ≒1)又は理論空燃比よりも小さいリッチ側の状態(λ<1)にして、NOx触媒45に吸蔵されたNOxを還元させるNOx還元処理を行う。以下では、このNOx還元処理を「DeNOx」と呼ぶ。「De」は分離や除去を意味する接頭語である。
次に、PCM60によるSCR触媒47のアンモニア吸着量の推定について説明する。
図4は、アンモニア吸着量の推定方法を説明するためのブロック図である。まず、排気ガス量や排気ガス温度などの排気ガス状態、及びSCR触媒温度などのSCR触媒47の状態に基づき、尿素インジェクタ51からの尿素噴射によりSCR触媒47に供給された単位時間当たりのアンモニア供給量を求める。また、エンジンEの運転状態、及びNOx触媒温度やNOx吸蔵量などのNOx触媒45の状態に基づき、DeNOx時にNOx触媒45から発生した単位時間当たりのアンモニア発生量を求める。また、排気ガス量や排気ガス温度や排気ガス中のNOx濃度などの排気ガス状態、及びSCR触媒温度などのSCR触媒47の状態に基づき、SCR触媒47においてNOxの還元浄化により消費された単位時間当たりのアンモニア消費量を求める。
この後、これらのアンモニア供給量、アンモニア発生量及びアンモニア消費量から、SCR触媒47における単位時間当たりの吸着アンモニア変化量(アンモニア吸着量の変化量)を求める。そして、求められた吸着アンモニア変化量を、現在のアンモニア吸着量、つまり前回推定されたアンモニア吸着量に加えることで、今回(現在)のアンモニア吸着量を求める。
次に、PCM60による燃料噴射制御について説明する。
図5は、燃料噴射制御を示すフローチャートである。この燃料噴射制御は、車両のイグニッションがオンにされてPCM60が起動すると開始され、所定の周期で繰り返し実行される。図中のSi(i=201,202,・・・)はステップを表す。
まず、S201において、車両の運転状態、例えばアクセル開度センサ150が検出したアクセル開度、車速センサ151が検出した車速、クランク角センサ100が検出したクランク角、車両の変速機に現在設定されているギヤ段等の情報を取得する。
次に、S202において、S201で取得した車両の運転状態に基づいて目標加速度を設定する。例えば、内部メモリに予め記憶されている種々の車速及び種々のギヤ段について規定された加速度特性マップの中から現在の車速及びギヤ段に対応する加速度特性マップを選択し、選択した加速度特性マップを参照して現在のアクセル開度に対応する目標加速度を決定する。
次に、S203において、S202で決定された目標加速度を実現するためのエンジンEの目標トルクを決定する。この場合、現在の車速、ギヤ段、路面勾配、路面μ等に基づいてエンジンEが出力可能なトルクの範囲内で目標トルクを決定する。
次に、S204において、S203で決定した目標トルクをエンジンEから出力させるため、目標トルク及びクランク角から導出されるエンジン回転数に基づいて、燃料噴射弁20から噴射させるメイン噴射の燃料噴射量(メイン噴射量)を算出する。
上記S202〜S204の処理と並行して、S205において、エンジンEの運転状態に応じた燃料の噴射パターンを設定する。DeNOxを行う場合には、メイン噴射に加えてポスト噴射を行う燃料噴射パターンを設定し、ポスト噴射の燃料噴射量(ポスト噴射量)やポスト噴射のタイミングを設定する。DeNOxを行わない場合には、メイン噴射のみの燃料噴射パターンを設定する。
次に、S206において、S204で算出されたメイン噴射量とS205で設定された燃料噴射パターン(ポスト噴射を行う場合にはポスト噴射量やポスト噴射タイミングを含む)に基づき、燃料噴射弁20を制御する。
次に、DeNOxについて説明する。
NOx触媒45は、排気ガスの空燃比がリーン側に設定された酸化雰囲気中で排気ガス中のNOxを吸蔵する。このNOx触媒45のNOx吸蔵量には上限があり、NOx吸蔵量が増えるにつれてNOx吸蔵性能が低下する。そのため、NOx吸蔵量が還元開始値αを超えた場合にNOx触媒45に吸蔵されたNOxを還元するDeNOxを実行して外部に放出することにより、NOx触媒45を再生し、NOx吸蔵性能を回復させている。
DeNOxを実行する場合、PCM60は、ポスト噴射された燃料が燃焼室17(気筒内)において燃焼されるエンジンEの膨張行程における所定のタイミングをポスト噴射タイミングとして設定する。そしてそのタイミングで燃料噴射弁20からポスト噴射させ、気筒内において燃焼させて排気ガスの空燃比をリッチ側の還元空燃比に設定する制御を行う。このとき空気と燃料が適切に混合された状態で着火するように、DeNOx実行時には適量のEGRガスを導入してポスト噴射された燃料の着火を効果的に遅延させている。このようにしてポスト噴射された燃料がそのまま多量の未燃燃料のHCとして排出されることや、ポスト噴射された燃料によるオイル希釈を抑制している。
ここで、図6を参照して、DeNOxを実行するエンジンEの運転領域について説明する。図6は、横軸がエンジン回転数を示し、縦軸がエンジン負荷を示している。曲線L1はエンジンEの最大トルク線を示している。PCM60は、エンジン負荷が第1所定負荷Lo1以上で第2所定負荷Lo2以下であり、且つエンジン回転数が第1所定回転数N1以上で第2所定回転数N2以下である場合に、つまりエンジン負荷及びエンジン回転数が運転領域R12内にある場合に、DeNOxを実行する。このときの排気ガスの空燃比は理論空燃比よりリーン側のリーン空燃比に設定されている。
エンジン負荷が高くなると気筒温度が高くなり、ポスト噴射された燃料が空気と適切に混合されていない状態で燃焼してHCが多く発生する。反対に、アイドリング等のエンジン負荷がかなり低い領域では、NOx触媒45の温度が低くなってNOx浄化性能が十分に発揮されない。加えて、この領域ではポスト噴射された燃料が適切に燃焼しなくなり失火が発生してしまう。尚、これと同様の現象がエンジン回転数に対しても発生する。
以上のことから、中負荷域且つ中回転域に対応するエンジンEの運転領域R12を、DeNOx処理を実行するDeNOx実行領域とし、これ以外の運転領域では、DeNOx処理を禁止する。このようにDeNOx処理を禁止することとしたエンジンEの運転領域R13では、SCR触媒47によりNOxの排出を防止する。
次に、図7に基づいてDeNOx処理を行う温度範囲について説明する。図7は横軸が温度を示し縦軸がNOx浄化率を示す。NOx触媒45はSCR触媒47と比べて低温域においてNOx浄化性能を発揮し、SCR触媒47はNOx触媒45と比べて高温域においてNOx浄化性能を発揮する。NOx触媒45のNOx浄化性能が発揮される温度域は、その高温側の一部がSCR触媒47のNOx浄化性能が発揮される温度域の低温側の一部に重なっている。
NOx触媒45、SCR触媒47により、ある程度以上のNOx浄化率が得られる温度範囲の低温側の境界温度を夫々NOx触媒活性温度Tn、SCR触媒活性温度(活性温度)Tsとする。PCM60は、NOx触媒45の温度がNOx触媒活性温度Tn以上、且つSCR触媒47の温度がSCR触媒活性温度Ts未満である場合にDeNOxを実行する。NOx触媒45の温度がNOx触媒活性温度Tn未満又はSCR触媒温度がSCR触媒活性温度Ts以上の場合には、DeNOxを禁止する。NOx触媒活性温度Tn未満であるときDeNOxが効率的でなく、SCR触媒活性温度Ts以上のときはSCR触媒47がNOxを浄化処理するためNOx触媒45を再生させる必要がないからである。
次に、PCM60によるDeNOxに適用するポスト噴射量の算出について説明する。図8は、ポスト噴射量の算出処理のフローチャート(ポスト噴射量算出フロー)である。図中のSi(i=211,212,・・・)はステップを表す。このポスト噴射量算出フローは、PCM60によって所定の周期で繰り返し実行されると共に、図5に示した燃料噴射制御フローと並行して実行され、燃料噴射制御が行われている間にポスト噴射量が随時算出される。
まず、S211において、エンジンEの運転状態を取得する。例えばエアフローセンサ101によって検出された吸入空気量と、O2センサ111によって検出された排気ガスの酸素濃度と、図5のS204で算出されたメイン噴射量等を取得する。また、EGR装置43によって吸気系INに還流されるEGRガス量と、SCR触媒47に吸着されたアンモニアの量であるアンモニア吸着量を取得する。
次に、S212において、S211で取得したアンモニア吸着量に基づいて、NOx触媒45に吸蔵されたNOxを還元するために適用するリッチ側の空燃比を設定する。この還元空燃比は、SCR触媒47のアンモニア吸着量に応じて規定されたマップ(図3参照)に基づいて設定する。
次に、S213において、S211で取得された吸入空気量及びEGRガス量に基づき、エンジンEに導入される空気量(つまり充填量)を算出する。そして、S214において、S213で算出された充填量から、エンジンEに導入される空気の酸素濃度を算出する。
次に、S215において、S214で算出した酸素濃度とO2センサ111に検出された酸素濃度に基づいてS212で設定した空燃比にするためのポスト噴射量を算出する。PCM60は、メイン噴射した燃料を燃焼させたときに発生する排気ガスの空燃比から、検出された酸素濃度と算出された酸素濃度との差に応じてフィードバック処理を適宜行って、排気ガスの空燃比を設定した空燃比にするためのポスト噴射量を算出する。この算出したポスト噴射量の燃料を噴射するポスト噴射により排気ガスの空燃比を精度良く設定した空燃比に制御し、NOx触媒45に吸蔵されたNOxを確実に還元するようにしている。
エンジン始動直後等のSCR触媒47が低温である間はNOx触媒45がNOx浄化を担うが、NOx触媒45も低温のためNOx吸蔵性能を十分発揮できない。このとき、NOx触媒45を再生すると、NOx吸蔵性能が回復してNOx排出量を減らせる場合があるため、エンジン始動後の1回目のDeNOxを早期に実行するように構成されている。エンジン始動後の1回目のDeNOxは、NOx触媒45のNOx吸蔵量が還元開始値αとして予め設定されているα1を超えると開始される。DeNOxにより排気ガス温度が上昇するため、NOx触媒45とSCR触媒47の昇温も期待できる。
2回目以降のDeNOxは、還元開始値αとして予め設定されているα2を超えると開始される。1回目のように早期実行の必要がないので、α2はα1より大きい値に設定されている。また、NOx触媒45のNOx吸蔵性能がNOx吸蔵量の増加と共に低下することを考慮して、α2はNOx触媒45の最大吸蔵量よりも小さい値に設定されている。例えば、α2は最大吸蔵量の90%の値に、α1はα2の1/3の値に設定されている。これらα1,α2は、エンジンシステム200の仕様等に応じて適宜設定される。
PCM60は、NOx触媒45のNOx吸蔵量が還元開始値α以上である場合、NOx吸蔵量を予め設定された還元終了値β以下に減少させるために、排気ガスの空燃比を理論空燃比近傍あるいは理論空燃比以下のリッチ側の還元空燃比に設定して燃料噴射弁20からポスト噴射させるDeNOxを行う。還元終了値βは略零に設定されるが、零と還元開始値αの間に設定してもよい。
次に、図9を参照して、PCM60によるDeNOx実行要否を判定するDeNOx実行フラグ設定について説明する。
図9は、DeNOx実行フラグ設定フローを示すフローチャートである。図中のSi(i=301,302,・・・)はステップを表す。このDeNOx実行フラグ設定フローは、図5の燃料噴射制御フロー等と並行して所定の周期で繰り返し実行される。
まず、S301において、車両における各種情報を取得する。具体的には、NOx触媒45の温度と、SCR触媒47の温度と、NOx触媒45のNOx吸蔵量等を取得する。NOx触媒45の温度は、例えばNOx触媒45の上流側の温度センサ112により検出された温度に基づいて推定される。NOx触媒45とDPF46との間の温度センサ113により検出された温度に基づいて、又は温度センサ112,113に検出された温度を組み合わせてNOx触媒45の温度を推定しても良い。また、SCR触媒47の温度は、例えば、SCR触媒47の上流側に設けられた温度センサ117により検出された温度に基づいて推定される。NOx吸蔵量は、例えば、エンジンEの運転状態や排気ガスの流量や排気ガスの温度等に基づいて、排気ガス中のNOx量を推定し、このNOx量を積算していくことで求められる。推定した排気ガス中のNOx量とNOxセンサ116に検出された濃度に基づいてNOx吸蔵量を求めてもよい。
次に、S302において、S301で取得したSCR触媒47の温度がSCR触媒活性温度Ts未満であるか否かを判定する。判定がNoの場合、SCR触媒47によって排気ガス中のNOxを適切に浄化することができるので、S310に進んで、DeNOxの実行を禁止すべくDeNOx実行フラグFを「0」に設定して終了する。判定がYesの場合はS303に進む。
次に、S303において、S301で取得したNOx触媒45の温度がNOx触媒活性温度Tn以上か否かを判定する。NOx触媒45の温度がNOx触媒活性温度Tn未満の場合には、排気ガスの空燃比をリッチ側の還元空燃比に設定しても吸蔵したNOxを効率的に還元できないので、S303の判定がNoの場合は、S310に進んで、DeNOxの実行を禁止すべくDeNOx実行フラグFを「0」に設定してリターンする。S303の判定がYesの場合はS304に進む。
次に、S304において、エンジンEの運転状況が運転領域R12(図6参照)内にあるか否か判定する。判定がNoの場合は、S310に進んで、DeNOxの実行を禁止すべくDeNOx実行フラグFを「0」に設定してリターンする。判定がYesの場合はS305に進む。
次にS305において、内部メモリに記憶された情報に基づいてエンジン始動後1回目のDeNOxが未実施か否か判定する。判定がYesの場合はS306に進み、エンジン始動後1回目のDeNOxを早期に実行できるように還元開始値αをα1に設定してS308に進む。判定がNoの場合はS307に進んで還元開始値αをα2に設定してS308に進む。
次にS308において、NOx吸蔵量が還元開始値α以上か否か判定する。判定がNoの場合はDeNOx処理を実行しないので、S310に進んでDeNOx実行フラグFを「0」に設定してリターンする。判定がYesの場合は、DeNOx処理を実行するためにS309に進んでDeNOx実行フラグFを「1」に設定してリターンする。
次に、図10を参照して、PCM60によるDeNOx実行制御について説明する。
図10は、DeNOx実行制御のフローチャートである。図中のSi(i=311,312,・・・)はステップを表す。このDeNOx実行制御も、図5の燃料噴射制御フロー等と並行して所定の周期で繰り返し実行される。
まず、S311において、DeNOx実行フラグFが「1」か否か判定する。判定がNoの場合はDeNOxを実行しないので、S315に進んでリーン空燃比に設定すると共にメイン噴射を実行してリターンする。判定がYesの場合は、S312に進んでリッチ側の還元空燃比とポスト噴射量等を設定すると共にメイン噴射及びポスト噴射を実行してS313に進む。
次に、S313において、吸蔵したNOxの還元終了か否か判定する。具体的には、エンジンEの運転状態、排気ガスの流量、排気ガスの温度等に基づいて推定したNOx吸蔵量が還元終了値β以下になり、且つDPF46の直下流側に設けられたNOxセンサ116の検出値が変化した場合に、還元終了と判定する。判定がNoの場合はS311に戻り、判定がYesの場合はS314に進む。
次にS314において、今回のDeNOxがエンジン始動後1回目のDeNOxであるか否か判定する。判定がNoの場合はS319に進んでDeNOx実行フラグFを「0」に設定してDeNOxを終了しリターンする。判定がYesの場合はS316に進む。
次に、S316において、SCR触媒47の温度がSCR触媒活性温度Ts以上か否か判定する。判定がYesの場合はSCR触媒47を昇温させる必要がないので、S319に進んでDeNOx実行フラグFを「0」に設定してDeNOxを終了しリターンする。判定がNoの場合は、SCR触媒47を昇温させるためにS317に進んで昇温空燃比とポスト噴射量等を設定すると共に、メイン噴射及びポスト噴射を実行してS318に進む。昇温空燃比は、理論空燃比よりリーン側且つリーン空燃比よりリッチ側に設定され、NOx触媒45におけるHC等の酸化も昇温に寄与する。
次に、S318において、SCR触媒47の温度がSCR触媒活性温度Ts以上か否か判定する。判定がNoの場合はSCR触媒47を昇温するためにS316に戻る。判定がYesの場合はSCR触媒47を昇温する必要がないので、S319に進んでDeNOx実行フラグFを「0」に設定してDeNOxを終了しリターンする。
次に、エンジン始動後1回目のDeNOxについて図11に示すタイムチャートに基づいて説明する。
時刻t0においてエンジンEを始動した後は、排気ガスが排気通路41に排出されてNOx触媒45及びSCR触媒47の温度が次第に上昇する。また、NOx触媒45に排気ガス中のNOxが吸蔵されNOx吸蔵量が次第に増加する。この間PCM60は上記DeNOx実行フラグ設定フローを実行している。エンジンEは図6の領域R12内の運転状態にあり、リーン空燃比に設定されている。
時刻t1においてNOx吸蔵量が還元開始値αを超えてDeNOx実行フラグFが「1」に設定されると、PCM60は上記DeNOx実行制御を開始し、還元終了となるまで排気ガスの空燃比を理論空燃比よりリッチ側の還元空燃比に設定すると共に、還元空燃比を達成するためのポスト噴射量を設定してポスト噴射を実行する。還元空燃比においてNOx触媒に吸蔵されたNOxは還元されるので、NOx吸蔵量は次第に減少する。またポスト噴射により排気ガス温度が上昇するため、NOx触媒45とSCR触媒47の温度上昇が速くなる。
時刻t2において還元終了となったとき、今回のDeNOxがエンジン始動後1回目のDeNOxでありSCR触媒47の温度がSCR触媒活性温度Ts未満なので、SCR触媒47の温度をさらに上昇させるために昇温制御を実行する。昇温制御は、排気ガスの空燃比を還元空燃比よりリーン側且つリーン空燃比よりリッチ側の昇温空燃比に設定すると共に、昇温空燃比にするためにポスト噴射量を設定してポスト噴射を実行する。
時刻t3においてNOx触媒45の直ぐ下流の排気温度が予め設定された設定温度以上になると、昇温制御を終了して排気ガスの空燃比をリーン空燃比に設定し、ポスト噴射を終了してエンジン始動後1回目のDeNOxを終了する。尚、2回目以降のDeNOxの場合は、時刻t2において還元終了となったとき排気ガスの空燃比をリーン空燃比に設定し、ポスト噴射を終了してDeNOxを終了する。
次に、本発明の実施形態によるエンジンの排気浄化装置の作用効果について説明する。
SCR触媒47の温度がSCR触媒活性温度Ts未満の場合に通常より早期にDeNOxを実行するので、還元空燃比に設定して排気ガス温度が上昇すること利用して、SCR触媒を早期に昇温することができる。そして、NOx吸蔵量が還元終了値β以下になってもリーン空燃比よりリッチ側の昇温空燃比に設定してリーン空燃比のときよりも排気ガス温度が高くなることを利用して、SCR触媒47を早期に昇温することができる。その上、昇温空燃比は還元空燃比よりリーン側に設定されているので、還元空燃比のときよりもNOx触媒45上でのアンモニアの生成を抑えることができると共に燃料消費を抑えることができる。
また、SCR触媒47は、NOx触媒45よりも排気通路41の下流側に配設されているので、NOx触媒45で生成されたアンモニアのうち、消費されなかったアンモニアをSCR触媒47において利用することができ、アンモニアの外部への排出を抑えることができる。
NOx触媒45はDOCの機能も有し、昇温制御時の昇温空燃比をリーン空燃比よりリッチ側且つ理論空燃比よりリーン側に設定するため、酸化触媒での酸化反応により排気ガス温度を昇温できるため、NOx触媒及びSCR触媒を早期に昇温することができる。また、NOx触媒下流の排気温度が予め設定された設定温度以上になると昇温制御を終了するので、NOx触媒の高温劣化を抑えることができる。
還元開始値αをエンジン始動後の1回目のDeNOxの場合はα1に設定し、2回目以降のDeNOxの場合はα2に設定し、α1をα2よりも小さく設定するので、1回目のDeNOxを早期に開始してSCR触媒47を早期に昇温することができる。また、1回目のDeNOxによりNOx触媒45のNOx吸蔵量が還元終了値β以下となったときのSCR触媒47の温度がSCR触媒活性温度Ts未満の場合に、昇温制御を実行するので、SCR触媒47を早期に昇温することができる。
図12に示すように、エンジン始動後1回目のDeNOxを開始するための還元開始値αとなるα1を、SCR触媒47の温度が低いほど小さくなるようにSCR触媒47の温度に応じて設定することも可能である。SCR触媒47の温度が低いほどエンジン始動後の1回目のDeNOxを早期に開始することができ、SCR触媒47をSCR触媒47温度状況に応じて一層早期に昇温することができる。
エンジンブレーキ使用により燃料カットが長く続いた場合や、電動モータとエンジンを動力源とする所謂ハイブッリッド車において電動モータ走行が長く続いた場合には、エンジンの排気系が冷却されるので、これらの場合に上記と同様にDeNOxを早期実行させることも可能である。
その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態や各実施形態を組み合わせた形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
7 吸気シャッター弁
17 燃焼室
20 燃料噴射弁
41 排気通路
43 EGR装置
45 NOx触媒
47 SCR触媒
51 尿素インジェクタ
60 PCM(NOx還元制御手段)
111 O2センサ
112 温度センサ
113 温度センサ
115 温度センサ
116 NOxセンサ
117 温度センサ
200 エンジンシステム
E エンジン
EX 排気系

Claims (6)

  1. エンジンの排気通路に配設されたNOx触媒及びSCR触媒と、前記NOx触媒のNOx吸蔵量が予め設定された還元開始値以上のときに排気ガスの空燃比を理論空燃比近傍又は空燃比リッチ側の還元空燃比に設定してNOx還元処理を実行するNOx還元制御手段とを備えたエンジンの排気浄化装置において、
    前記NOx還元制御手段は、NOx吸蔵量が予め設定された還元終了値以下になったときの前記SCR触媒の温度が予め設定されたSCR触媒活性温度未満の場合には、理論空燃比よりリーン側に設定するリーン空燃比よりリッチ側且つ前記還元空燃比よりリーン側の昇温空燃比に設定した昇温制御を実行することを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  2. 前記SCR触媒は、前記NOx触媒よりも前記エンジンの排気通路の下流側に配設されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置。
  3. 前記エンジンの排気通路に酸化触媒を備え、前記NOx還元制御手段は前記昇温制御時には前記昇温空燃比を前記リーン空燃比よりリッチ側且つ理論空燃比よりリーン側に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの排気浄化装置。
  4. 前記NOx還元制御手段は、前記NOx触媒下流の排気温度が予め設定された設定温度以上になると昇温制御を終了することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジンの排気浄化装置。
  5. 前記NOx還元制御手段は、エンジン始動後の1回目のNOx還元処理を実行する前記還元開始値を2回目以降よりも小さく設定し、前記1回目のNOx還元処理によりNOx吸蔵量が前記還元終了値以下となったときの前記SCR触媒の温度が前記SCR触媒活性温度未満の場合に前記昇温制御を実行することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のエンジンの排気浄化装置。
  6. 前記NOx還元制御手段は、前記SCR触媒の温度が低いほど前記1回目のNOx還元処理を実行するための前記還元開始値を小さく設定することを特徴とする請求項5に記載のエンジンの排気浄化装置。
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