JP2008120091A - 積層化粧シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)完全非晶性ポリエステル系樹脂層、および(B)ポリオレフィン系樹脂からなる基材層を、この順で積層したことを特徴とする積層化粧シート。
【選択図】なし
Description
これとは別に、例えば下記特許文献2の記載されているシートが挙げられる。これは、不透明のポリオレフィン系樹脂フィルムの基材層と、非結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムとからなる積層化粧シートである。なお、この特許文献2に記載されたシートに用いられる非結晶性フィルムは、一部結晶性を有するものである。この従来技術によれば、成形性に優れ、透明性、耐候性、耐汚染性等に優れたが良好である積層化粧シートが得られるとされている。
メンブレンプレス成形とは、所望の厚みで所望の着色または表面印刷した熱可塑性の化粧シートを、その軟化点近傍まで加熱し、これを所定の形状の被着体、例えばキッチンセットのドアの形状のような複雑な曲面を有する被着体にかぶせ、この上にさらに伸縮自在のメンブレン(膜状物)、例えばゴム膜をかぶせて、これを空気または液体の圧力を掛けて、その輪郭に忠実に積層化粧シートを貼着するというものである。また、真空プレス成形および圧空プレス成形は、基本原理はメンブレンプレス成形と同じであるが、前者はメンブレンゴムを使用せずに真空圧によって成形する方法であり、後者は空気加圧を利用した成形方法である。
また、積層化粧シートは一般的にカレンダー圧延法で製造されるが、このとき、いわゆるバンクマークと呼ばれるカレンダー製シート特有の樹脂の流れムラによる凹凸が部分的に生じてしまう。実用上支障はないが、表面の平滑性が悪くなり、その結果外観性を損なうことになる。さらに、ダブリングエンボス時にラインスピードを上げると、このバンクマークが一層目立つことにより生産性に乏しいという欠点もある。
さらに、積層化粧シートは低温時に割れ易い傾向があり、冬場の取り扱い時に稀に、割れが発生することがある。
さらにまた、特許文献1に記載されているポリ塩化ビニルシートを基材層にするシートは、熱劣化による初期着色が起こり、透明性もとくに優れた材料とは言えない。
本発明の第1は、(A)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、かつジオール成分がエチレングリコール60〜80モル%および1,4−シクロヘキサンジメタノール20〜40モル%である完全非晶性ポリエステル系樹脂層、および(B)ポリオレフィン系樹脂の材料からなる基材層を、この順で積層したことを特徴とする積層化粧シートである。
本発明の第2は、 転写箔を(A)完全非晶性ポリエステル系樹脂層上に設けた前記の積層化粧シートである。
さらに本発明の第3は、前記の積層化粧シートからなるメンブレンプレス成形用積層シートである。
(B) 基材層
本発明における基材層は、ポリオレフィン系樹脂の材料からなる。
これら樹脂のMFR(ポリプロピレンの測定条件:JIS K7210、230℃、2.16kgf、ポリエチレンの測定条件:JIS K7210、190℃、2.16kgf)は、0.3〜30g/10分がよい。さらに好ましくは、0.3〜10g/10分がよい。なお、エチレン−酢酸ビニル共重合体を使用する場合は、エチレン含有量が70〜95重量%が好適であり、また鹸化物も使用することができる。
本発明における(A)完全非晶性ポリエステル系樹脂は、再度加熱処理を行っても再結晶化による物性低下を起こさず、結晶性成分を全くもたないものである。なお、本発明でいう結晶性とはJIS K7121に準拠し測定したものである(DSC法)。
コロナ放電処理は、真空管方式、サイリスター方式等の公知のコロナ放電処理装置を使用して行うことができる。
また、完全非晶性ポリエステル系樹脂層上部にエンボス加工を施し、直接この上部にグラビア法でトップコート層を設けることもできる。
(B)基材層として、厚さ0.1mmのポリプロピレン(理研ビニル工業社製、商品名:#041 OW 9039タイプ、MFR:6〜7g/10分)、(A)完全非晶性ポリエステル系樹脂層として、厚さ0.3mmの非晶性ポリエチレンテレフタレート(イーストマン・ケミカル社製、商品名:KODAR PETG 6763、コポリマータイプ、ジオール成分:エチレングリコール70重量%および1,4−シクロヘキサンジメタノール30重量%、ジカルボン酸成分:テレフタル酸、結晶成分0%)を用い、(A)層および(B)層間には、厚さ5〜6μmの接着剤(東洋紡績社製のポリエステル系接着剤バイロン63SSと、日本ポリウレタン社製のイソシアネート系硬化剤コロネートHXとの重量比100:3の混合物)を適用し、(A)層−接着剤−(B)層の順番でドライラミネートした。これらを150℃〜160℃のエンボスロールにて40秒間エンボス加工処理した(ニップ圧:2.0kg/cm)。その後、さらに(B)基材層の裏面(A層の反対側)にコロナ処理(例えば20〜200W/m2/分)を行って、厚さ2〜3μmのプライマー層(H.B.フーラー社製、商品名:L1135/43と、日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートHXを、重量比として100:3で混合したもの)を施した。
(A)完全非晶性ポリエステル系樹脂層を、厚さ0.3mmの非晶性ポリエチレンテレフタレート(大阪樹脂加工社製、商品名:PET−1S、ホモタイプ、ジオール成分:エチレングリコール、ジカルボン酸成分:テレフタル酸、結晶成分を一部有する)に変更した以外は、実施例1を繰り返した。
(A)完全非晶性ポリエステル系樹脂層を、厚さ0.3mmの非晶性ポリエチレンテレフタレート(出光石油化学社製、商品名:クリスタレイ、ジオール成分:エチレングリコール、ジカルボン酸成分:テレフタル酸、結晶成分を一部有する)に変更した以外は、実施例1を繰り返した。
重鎮を落下させる高さおよび重鎮の重さを変えていきクラックが発生しない最大値を求め、下記の計算式より衝撃値を得る。
衝撃値(kg-cm) = 荷重(重鎮の重量(kg))× 高さ(重鎮が落下した高さ(cm))
積層化粧シートのJIS K6734に準拠し、抗張力、伸度、破断点を測定した。
なお、各種試験において、エンボスロール加工前の積層化粧シートを未処理、エンボスロール加工後の積層化粧シートを処理後として表示した。
積層化粧シートをメンブレンプレス機(機種名:KT−M−139、製造会社名:ベンホーナー)の所定の場所に設置して、貼り合わせ条件(温度:130〜140℃、時間:60秒間、圧力:4kg/cm2)にて貼り合わせを行い、成形性を評価した。
被着体(MDF)は、針葉樹もしくはラワン材等の木材のチップを細かくくだき、プレスして固めた合板である。その被着体をシステムキッチン等に組み込まれる扉の形状にカット(サイズ400mm×600mm程度、厚み18〜40mm程度)し、さらに曲面加工(3R〜10R程度)を施した。さらに天面には装飾の溝を彫りこんだ。
なお、メンブレンプレス成形にあたって、この扉形状のMDF表面に、厚さ1〜30μmウレタン系の接着剤(ヘンミィティン社製接着剤、商品名:34333と、同社製硬化剤、商品名:ハードナーDを、重量比として100:5で混合したもの)を施した。
(B)基材層として、厚さ0.1mmのポリプロピレン(理研ビニル工業社製、商品名:#041 OW 9039タイプ、MFR:6〜7g/10分)、(A)完全非晶性ポリエステル系樹脂層として、厚さ0.3mmの非晶性ポリエチレンテレフタレート(イーストマン・ケミカル社製、商品名:KODAR PETG 6763、コポリマータイプ、ジオール成分:エチレングリコール70重量%および1,4−シクロヘキサンジメタノール30重量%、結晶成分0%)を用い、(A)層および(B)層間には、樹脂インキとしてウレタン系樹脂(東洋インキ社製、商品名:ラミスター)を施し、(A)層−樹脂インキ−(B)層の順番で、これらを熱貼り合わせエンボス機を用い、貼り合わせ温度130℃〜140℃、貼り合わせ時間40秒、貼り合わせ圧2.0kg/cm2の条件で貼り合わせた。
(A)完全非晶性ポリエステル系樹脂層を、厚さ0.3mmの非晶性ポリエチレンテレフタレート(大阪樹脂加工社製、商品名:PET−1S、ホモタイプ、ジオール成分:エチレングリコール、ジカルボン酸成分:テレフタル酸、結晶成分を一部有する)に変更し、さらに樹脂インキを、ウレタン系樹脂(東洋インキ社製、商品名:ラミスター)に変更した以外は、実施例2を繰り返した。
(A)完全非晶性ポリエステル系樹脂層を、厚さ0.3mmの非晶性ポリエチレンテレフタレート(出光石油化学社製、商品名:クリスタレイ、ジオール成分:エチレングリコール、ジカルボン酸成分:テレフタル酸、結晶成分を一部有する)に変更した以外は、比較例3を繰り返した。
積層化粧シートの熱貼り合わせ後の外観を目視にて評価した。
Claims (3)
- (A)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、かつジオール成分がエチレングリコール60〜80モル%および1,4−シクロヘキサンジメタノール20〜40モル%である完全非晶性ポリエステル系樹脂層、および
(B)ポリオレフィン系樹脂の材料からなる基材層を、
この順で積層したことを特徴とする積層化粧シート。 - 転写箔を(A)完全非晶性ポリエステル系樹脂層上に設けた請求項1に記載の積層化粧シート。
- 請求項1ないし2のいずれか1項に記載の積層化粧シートからなるメンブレンプレス成形用積層シート。
Priority Applications (1)
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Related Parent Applications (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JP2007328979A Pending JP2008120091A (ja) | 1997-04-28 | 2007-12-20 | 積層化粧シート |
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Country | Link |
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2007
- 2007-12-20 JP JP2007328979A patent/JP2008120091A/ja active Pending
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