JP2008119856A - クリップ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 先端を挟持部21とし、後端に補助板3を回動自在に連結した挟持基板2の表面がわに対し、先端を挟持部41とした挟持主板4を組み合わせ、それら支承部22,22,42,42同士により、双方の挟持部21,41を挟着状に付勢するバネ機構52を有して枢着する一方、挟持基板2に刳り貫き孔23,23,……を形成すると共に、補助板3に、刳り貫き孔23,23,……に収容される位置であって対向空間6内に収まる長さとした画鋲針32,32,……を突出形成させてなるクリップ1である。
【選択図】 図1
Description
ポスターやその外の掲示物などの広告紙類を、壁面に手軽に貼り付け、固定できるものとして、金属製または合成樹脂製の円盤状あるいは駒状の操作部、根元の下面中央に金属針を直角状に立設、一体化してなる画鋲が、壁面への抜き刺し操作が容易であるという理由から広く利用されている。しかしながら、こうした操作部に金属針を一体化した画鋲は、金属針の鋭利な先端が露出しており、保管する場合や持ち運ぶときには、合成樹脂製や金属製のケースに収納する必要があるだけではなく、壁面に刺して使用中に、掲示物が風などに煽られるなどして不用意に抜け落ちてしまうと、非常に転がり易くて見失ってしまうことも多く、そのまま放置してしまうと後で過って踏み付け、痛い思いをすることになるなど不都合が多く、その取り扱いには十分な注意を要し、また、壁面に貼着した掲示物には、必ず金属針の貫通跡が残ってしまうという欠点もあった。
こうした不都合に対し、例えば特開平10−81089号公報「画鋲付きクリップ」発明として提案されているもののように、壁等に固定させた後、クリップとして使用可能であり、かつ、画鋲のみとしても使用可能な、クリップ本体と画鋲部とを備えた画鋲付きクリップであって、クリップ本体は、台座部と可動挟持片とからなり、台座部に対して可動挟持片が、略中間位置で回動可能に軸支され、台座部および可動挟持片の間に、可動挟持片の挟持方向への回動を付勢するようにクリップ用バネが配設され、画鋲部は、針保持頭部および針部からなり、台座部に形成された針収納筒部に針部が底部より突出可能に収納され、針部が直接外部に出ておらず、クリップのみとしても使用可能であり、針部が他物体を引っ掛けて傷付ける可能性もなく、本体に配した画鋲により、壁等に予め固定した上で、クリップによる紙等の脱着が自在となるようにしたもの。
上述したとおり、従前までに提案のある「画鋲付きクリップ」発明は、画鋲にクリップを一体化することにより、画鋲を収納する柱状の針保持頭部が、クリップ本体の可動挟持片より外がわに大きく張り出す形状となって、クリップとしての使用や保管、輸送、携帯などのときに、他物への干渉や引っ掛かりを生じて作業性を悪化させるという欠点があり、次に示した「画鋲」発明は、針が一本の通常のものに比較し、二本の針によって定着力を増強させ、掲示物の破れや切り裂けを予防することができるが、ピンホール状の孔の数を増加させてしまうという欠点を有するものであり、さらに、後者の「掲示物クリップ」発明は、壁面に鋲部を打ち込み、クリップ部分に挟着して掲示物を傷付けることなく掲示できるようにしたものとなっているが、鋭利な鋲部を収納する機能をもっておらず、従来の画鋲のもつ欠点がそのまま残されたものであった。
そこで、この発明は、画鋲とクリップとを一体化して掲示物に損傷を与えることなく着脱自在に掲示可能とし、画鋲の効率的な収納によって不要な突起部分などを形成することなく、クリップとしての簡便な単独利用を実現、可能とする新たな事務用品の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造のクリップを実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明のクリップは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、先端またはその近傍を挟持部とし、後端には、その裏面がわへ折り畳み、添設仮着可能とする補助板を回動自在に連結して平板状の挟持基板となし、その表面がわに対し、先端またはその近傍を前記挟持基板挟持部に対峙状となし得る挟持部とした挟持主板を相対向状に組み合わせた上、それら挟持基板と挟持主板とが、夫々の対向面がわに互いに組み合せ可能であって所定寸法分だけ突出させた支承部同士により、双方の挟持部同士が互いに挟着状となるよう付勢したバネ機構を介在させたものとして枢着、連結される一方、当該挟持基板には、それら所定の突出寸法とした支承部とそれら枢着機構とに影響のない箇所に刳り貫き孔を形成すると共に、同挟持基板の背面に折畳み自在に連結した補助板には、折畳んだときに当該刳り貫き孔に収容されるよう規制した位置であってそれら挟持基板と挟持主板との対向空間内に収まる長さとした画鋲針を突出形成させてなるものとした構成を要旨とするクリップである。
挟持基板は、その挟持部と挟持主板の挟持部との間に、掲示物などを着脱自在に挟着可能とすると共に、後端には、壁面に突き刺して仮固定可能とする画鋲針を設けた補助板を、折り畳み、添設仮着可能とするよう回動自在に連結可能とする機能を果たし、挟持主板との対向面がわに、互いに組み合せ可能であって所定寸法分だけ突出させた支承部同士により、双方の挟持部同士が互いに挟着状となるよう付勢したバネ機構を介在させたものとして枢着、連結し、支承部と枢着機構とに影響のない箇所に刳り貫き孔が形成されたものとしなければならず、より具体的には、弾性を有する合成樹脂成型品からなるものとし、補助板との連結部分を、可撓性を有する薄肉部分からなるヒンジ部とすることが可能である外、硬質な合成樹脂成型品または金属成型品などからなり、補助板との連結部分を、支軸を用いて回動自在に連結したヒンジ機構とすることが可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
こうした補助板3の仮着機構7は、全てか、または選択した一個または複数個の刳り貫き孔23,23,……の縁内付近に、一体成型されるか、あるいは別部品を組み込むことによって設けられた板バネや鈎爪または、弾性的に出没自在な突起などからなる、図示しない仮着用バネからなるものとすることが可能である。
以上のとおりの構成からなるこの発明のクリップ1は、図1中に示したように、補助板3を挟持基板2の裏面に接合させるようヒンジ部31を折り曲げ操作することにより、各画鋲針32,32,……が、刳り貫き孔23,23,……を通じて挟持基板2と挟持主板4との間に形成された対向空間6内に収められ、一般の事務用クリップ1と同様に、書類などの対象物を、挟持部21,41間に挟着することが可能である。
図15ないし図17中に示したクリップ1は、図15のように、補助板3を挟持基板2の裏面に接合するよう折り畳み、さらに押し当てるよう操作することにより、補助板3遊端がわの鈎爪72が、その弾性変形によって挟持基板2裏面に開口された被嵌合部71の開口縁を乗り越えて嵌着し、補助板3を閉鎖状態に仮固定し、通常のクリップとして利用することが可能となり、また、図16および図17のように、補助板3を挟持基板2の裏面から強制的に引き剥がすことにより、露出された画鋲針32,32,……を貼り付け対象壁面に突き刺し、挟持部21,41間に開示物や吊り下げ対象物を、着脱自在に挟着することが可能となる。
図21ないし図23に示したクリップ1は、図21に示すように、補助板3を挟持基板2の裏面に閉鎖、仮着状としたとき、一般的な事務用クリップとしての使用が可能となり、しかも補助板3の画鋲針32,32,……突出形成がわとは反対側となる面に組み込まれた永久磁石34を、金属製または磁性素材製の壁面に吸着させ、クリップ1自体を仮固定することが可能であり、また、挟持基板2裏面から補助板3を展開させ、図22に示すように、画鋲針32,32,……を露出させたときには、それら画鋲針32,32,……を壁面に突き刺し、クリップ1自体を仮固定することが可能となる。
以上のような構成からなる実施例のクリップ1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図1中に示したように、補助板3を挟持基板2の裏面に対し、接合させるよう折り畳んだとき、各画鋲針32,32,……の根元付近が、図4中に示した、水滴型の各刳り貫き孔23,23,……の内縁に、弾性的に挟持されることにより、補助板3が折り畳み状態に仮着され、不用意な開放を阻止して確実に、各画鋲針32,32,……の無用な露出を防止し、事務用クリップとしての使用中の安全性を確保でき、また、図2中に示した四本の画鋲針32,32,……が、強固な壁面への固定を可能とし、より重量の嵩む大型ポスターやその外の吊下物をも十分に貼り付けまたは吊着することができ、しかも前述したように、図1ないし図4および図7中に示した補助板3の予備孔33を利用して他の画鋲やタッピングネジ(図示せず)などを追加することにより、さらに強固な壁面への固定を実現できるというという特徴を発揮する。
図15に示したクリップ1は、補助板3遊端の鈎爪72と、これに対応する挟持基板2裏面の被嵌合部71とにより、補助板3の閉鎖状態を確実に維持して画鋲針32,32,……が不要に露出してしまうのを防止することができ、補助板3を開放操作することによって、図16および図17中に示すように、簡便に各画鋲針32,32,……を露出させ、対象壁面への固定ができ、図18ないし20のクリップ1は、折り畳み状態における補助板3と挟持基板2との対応、適所に埋設された一対の永久磁石73,73が互いに吸着することにより、図18のような折り畳み状態を確保することができ、事務用クリップとしての安全な使用を実現可能とし、また、図19および図20に示すように、引き剥がすだけで簡単に補助板3を開放して画鋲針32,32,……を露出させ得るという効果がある。
図21ないし図23に示したクリップ1は、補助板3の画鋲針32,32,……を突出、形成したがわとは反対側となる面に永久磁石34を組み込んであり、図21に示すよう、補助板3を挟持基板2の裏面に接合させるよう、折り畳んだときには、通常の事務用クリップとして利用できる外、挟持基板2の裏面に露出状となっている永久磁石34を磁性金属製または磁性複合材製の壁面に吸着させ、掲示物や吊下物などを挟持部21,41間に挟着することができ、画鋲針32,32,……を打ち込むことのできない鉄板壁や鉄柱または冷蔵庫の外壁などへの吸着が可能となり、その利用範囲を大幅に拡大させるという特徴が得られる。
叙述の如く、この発明のクリップは、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの画鋲付きクリップなどに比較して大幅に小型、軽量且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、事務用クリップとしての使い勝手に秀れ、掲示物の貼り付けにも迅速且つ簡便に利用することができるものであることから、従来のクリップや画鋲の実用性に満足できなかった利用者は勿論のこと、各種事務用品を取り扱う文具業界全体にとっても、また、経済性に秀れた実用性の高い商品の提供を希求する一般企業や一般家庭においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
2 挟持基板
21 同 挟持部
22 同 支承部
23 同 刳り貫き孔23
3 補助板
31 同 ヒンジ部またはヒンジ機構(連結部)
32 同 画鋲針
33 同 予備孔
34 同 永久磁石
35 同 支軸
4 挟持主板
41 同 挟持部
42 同 支承部
5 枢着機構
51 同 枢着軸
52 同 コイルバネ(バネ機構)
6 対向空間
7 仮着機構
71 同 被嵌合部
72 同 鈎爪
73 同 永久磁石
74 同 磁性板
8 掲示物(吊着物品)
Claims (6)
- 先端またはその近傍を挟持部とし、後端には、その裏面がわへ折り畳み、添設仮着可能とする補助板を回動自在に連結して平板状の挟持基板となし、その表面がわに対し、先端またはその近傍を前記挟持基板挟持部に対峙状となし得る挟持部とした挟持主板を相対向状に組み合わせた上、それら挟持基板と挟持主板とが、夫々の対向面がわに互いに組み合せ可能であって所定寸法分だけ突出させた支承部同士により、双方の挟持部同士が互いに挟着状となるよう付勢したバネ機構を介在させたものとして枢着、連結される一方、当該挟持基板には、それら所定の突出寸法とした支承部とそれら枢着機構とに影響のない箇所に刳り貫き孔を形成すると共に、同挟持基板の背面に折畳み自在に連結した補助板には、折畳んだときに当該刳り貫き孔に収容されるよう規制した位置であってそれら挟持基板と挟持主板との対向空間内に収まる長さとした画鋲針を突出形成させてなるものとしたことを特徴とするクリップ。
- 先端またはその近傍を挟持部とし、後端には、その裏面がわへ折り畳み、添設仮着可能とする補助板を回動自在に連結して平板状の挟持基板となし、その表面がわに対し、先端またはその近傍を前記挟持基板挟持部に対峙状となし得る挟持部とした挟持主板を相対向状に組み合わせた上、それら挟持基板と挟持主板とが、夫々の対向面がわに互いに組み合せ可能であって所定寸法分だけ突出させた支承部同士により、双方の挟持部同士が互いに挟着状となるよう付勢したバネ機構を介在させたものとして枢着、連結される一方、当該挟持基板には、それら所定の突出寸法とした支承部とそれら枢着機構とに影響のない複数箇所に刳り貫き孔を形成すると共に、同挟持基板の背面に折畳み自在に連結した補助板には、折畳んだときに当該各刳り貫き孔に収容されるよう規制した位置であってそれら挟持基板と挟持主板との対向空間内に収まる長さとした複数本の画鋲針を突出形成させてなるものとしたことを特徴とするクリップ。
- 刳り抜き孔は、挟持基板それ自体を弾性素材製とし、補助板を折畳んだときに、画鋲針の基部付近が対応する孔縁部分の内径寸法を、画鋲針の基部付近の外径寸法より、僅かに小さな値に設定するか、または、該刳り抜き孔の内縁に、画鋲針の基部付近を弾性的に挟着可能な仮着用バネが装着、一体化されるかの何れかとし、折り畳まれた補助板を、挟持基板裏面に添設仮着可能とした、請求項1または2何れか一項記載のクリップ。
- 補助板の適所と、補助板を折り畳んだときに、これに対応する挟持基板の適所との間に、被嵌合部とこれに仮止め可能な鈎爪とからなる仮着機構を設けてなるものとした、請求項1または2何れか一項記載のクリップ。
- 補助板と、補助板を折り畳んだときに、これに対応する挟持基板との適所夫々に、互いに吸着する如く磁極配置させた永久磁石を貼着あるいは埋設して一体化するか、または、何れか一方に永久磁石を、何れか他方に磁性板を、夫々貼着あるいは埋設、一体化するかの何れかにしてなるものとした、請求項1または2何れか一項記載のクリップ。
- 補助板が、画鋲針突出形成がわとは反対側となる面に永久磁石を組み込み、補助板を折り畳んで挟持基板裏面に添設、仮着状態としたまま、被着面とする金属面への取り付けが可能となるようにした、請求項1または2何れか一項記載のクリップ。
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